JP2002175608A - 磁性薄膜のパターン形成方法及び磁気素子の製造方法 - Google Patents
磁性薄膜のパターン形成方法及び磁気素子の製造方法Info
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- JP2002175608A JP2002175608A JP2000372630A JP2000372630A JP2002175608A JP 2002175608 A JP2002175608 A JP 2002175608A JP 2000372630 A JP2000372630 A JP 2000372630A JP 2000372630 A JP2000372630 A JP 2000372630A JP 2002175608 A JP2002175608 A JP 2002175608A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ドライエッチングを用いためっきマスクある
いはめっきフレームの形成時に生じる、電気めっき用下
地電極膜表面へのダメージを防止して、密着性の良い、
精度の高い磁性薄膜を形成する磁性薄膜のパターン形成
方法を提供する。 【解決手段】 基板1上に第1の金属膜2と第2の金属
膜3とを順次積層して形成し、第2の金属膜3上に、ド
ライエッチング法を用いて所定のパターンのめっきフレ
ームレジスト4を形成する。次にめっきフレームレジス
ト4に覆われていない第2の金属膜3の領域を、ウェッ
トエッチング法で選択的に除去し、露出している第1の
金属膜2の領域上に、磁性材料をめっきして、磁性薄膜
6を選択的に形成する。この際、第2の金属膜3のウェ
ットエッチングレートが第1の金属膜2のウェットエッ
チングレートより大きくなるように構成する。
いはめっきフレームの形成時に生じる、電気めっき用下
地電極膜表面へのダメージを防止して、密着性の良い、
精度の高い磁性薄膜を形成する磁性薄膜のパターン形成
方法を提供する。 【解決手段】 基板1上に第1の金属膜2と第2の金属
膜3とを順次積層して形成し、第2の金属膜3上に、ド
ライエッチング法を用いて所定のパターンのめっきフレ
ームレジスト4を形成する。次にめっきフレームレジス
ト4に覆われていない第2の金属膜3の領域を、ウェッ
トエッチング法で選択的に除去し、露出している第1の
金属膜2の領域上に、磁性材料をめっきして、磁性薄膜
6を選択的に形成する。この際、第2の金属膜3のウェ
ットエッチングレートが第1の金属膜2のウェットエッ
チングレートより大きくなるように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁性薄膜のパターン
形成方法、及び磁気素子の製造方法に関する。
形成方法、及び磁気素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置の記録密度の増加が急
速に進んでおり、搭載される薄膜磁気ヘッドにおいて
は、ディスク半径方向の記録密度を向上させるために、
記録および再生のトラック幅を狭くする方策の検討が進
められている。その一つの方策として、薄膜磁気ヘッド
の磁気コアは従来からめっき法によって形成されてき
た。
速に進んでおり、搭載される薄膜磁気ヘッドにおいて
は、ディスク半径方向の記録密度を向上させるために、
記録および再生のトラック幅を狭くする方策の検討が進
められている。その一つの方策として、薄膜磁気ヘッド
の磁気コアは従来からめっき法によって形成されてき
た。
【0003】一般的な磁気コアの形成方法として、めっ
き法によって磁性薄膜をパターン形成する方法を図3を
用いて説明する。
き法によって磁性薄膜をパターン形成する方法を図3を
用いて説明する。
【0004】まず図3(a)に示すように、基板1上に
めっき下地電極膜7を形成する。
めっき下地電極膜7を形成する。
【0005】次に図3(b)に示すようにめっき下地電
極膜7上に、フォトレジスト層12を形成する。
極膜7上に、フォトレジスト層12を形成する。
【0006】次に図3(c)に示すようにフォトレジス
ト層12を所望のパターン形状に露光現像することによ
り、めっきマスク8を形成する。
ト層12を所望のパターン形状に露光現像することによ
り、めっきマスク8を形成する。
【0007】次に図3(d)に示すように、形成された
めっきマスク8をめっきマスク膜として、めっき下地電
極膜7の露出部分上に磁性薄膜6を電気めっきにより形
成する。
めっきマスク8をめっきマスク膜として、めっき下地電
極膜7の露出部分上に磁性薄膜6を電気めっきにより形
成する。
【0008】その後、図示しないがめっきマスク8を除
去した後、露出しているめっき下地電極膜7を除去する
ことにより、所望の磁性薄膜6のパターン形状を得るこ
とができる。
去した後、露出しているめっき下地電極膜7を除去する
ことにより、所望の磁性薄膜6のパターン形状を得るこ
とができる。
【0009】特に、薄膜磁気ヘッドの磁気コアの形成時
には図4に示すように所望の磁気コア形状を囲むように
めっきマスク8のパターンを複数個形成する。これらめ
っきマスク8の部分を特にめっきフレームと呼んでい
る。
には図4に示すように所望の磁気コア形状を囲むように
めっきマスク8のパターンを複数個形成する。これらめ
っきマスク8の部分を特にめっきフレームと呼んでい
る。
【0010】最近の狭トラック化に対応して、0.2μ
m前後の微細なピッチのめっきフレームを形成する必要
があるが、従来のフォトリソグラフィーのみを用いた方
法では実現が難しく、様々な実現策が提案されている。
その方法の1つとして、ドライエッチングとフォトリソ
グラフィー技術を組み合わせてめっきフレームを形成す
る方法が日本応用磁気学会誌21巻249ページ(19
97)に開示されている。
m前後の微細なピッチのめっきフレームを形成する必要
があるが、従来のフォトリソグラフィーのみを用いた方
法では実現が難しく、様々な実現策が提案されている。
その方法の1つとして、ドライエッチングとフォトリソ
グラフィー技術を組み合わせてめっきフレームを形成す
る方法が日本応用磁気学会誌21巻249ページ(19
97)に開示されている。
【0011】この場合のめっきフレームの製造プロセス
は、まず基板上に下層として10μm程度の膜厚のフォ
トレジストを塗布し、次に中層にSiO2の層を形成し
た後、上層にフォトレジストを塗布する。次にフォトリ
ソグラフィー技術を用いて上層をパターン形成した後
に、上層をマスクとして中層をドライエッチングにより
選択的に除去して次工程のマスクを作成した後に、これ
を用いて下層をドライエッチングしてめっきフレームを
形成するものである。
は、まず基板上に下層として10μm程度の膜厚のフォ
トレジストを塗布し、次に中層にSiO2の層を形成し
た後、上層にフォトレジストを塗布する。次にフォトリ
ソグラフィー技術を用いて上層をパターン形成した後
に、上層をマスクとして中層をドライエッチングにより
選択的に除去して次工程のマスクを作成した後に、これ
を用いて下層をドライエッチングしてめっきフレームを
形成するものである。
【0012】この際、上層には薄いフォトレジストを用
いることが可能であるので、中層に非常に微細なマスク
パターンを形成することができる。この形成されたパタ
ーンを高指向性かつ高選択比のドライエッチング法によ
って下層のフォトレジスト層へ転写していくことによ
り、めっきフレームとして10μm程度の膜厚で、かつ
非常に微細で狭ピッチなサブミクロンピッチのめっきフ
レームのパターン形成が可能になる。
いることが可能であるので、中層に非常に微細なマスク
パターンを形成することができる。この形成されたパタ
ーンを高指向性かつ高選択比のドライエッチング法によ
って下層のフォトレジスト層へ転写していくことによ
り、めっきフレームとして10μm程度の膜厚で、かつ
非常に微細で狭ピッチなサブミクロンピッチのめっきフ
レームのパターン形成が可能になる。
【0013】この種のめっきフレーム形成方法はドライ
エッチングマスク形成前のめっきフレームの構造が3層
構造になるために、3層マスク法あるいは3層レジスト
法といわれ、従来法よりも微細なめっきフレームのパタ
ーン形状の形成が可能になるので、薄膜磁気ヘッドの狭
トラック記録用磁気コア形成法として有力なものの1つ
といえる。
エッチングマスク形成前のめっきフレームの構造が3層
構造になるために、3層マスク法あるいは3層レジスト
法といわれ、従来法よりも微細なめっきフレームのパタ
ーン形状の形成が可能になるので、薄膜磁気ヘッドの狭
トラック記録用磁気コア形成法として有力なものの1つ
といえる。
【0014】しかし、狭トラックの磁気コア形成におい
ては、めっきフレーム部分のフォトレジストがめっきフ
レーム形成時に変質したり、めっき後に行うフォトレジ
スト除去工程で残渣が生じるなどの問題が発生した場
合、ドライエッチングを用いためっきフレーム形成工程
であるためにそういった不純物の除去が難しくなった。
ては、めっきフレーム部分のフォトレジストがめっきフ
レーム形成時に変質したり、めっき後に行うフォトレジ
スト除去工程で残渣が生じるなどの問題が発生した場
合、ドライエッチングを用いためっきフレーム形成工程
であるためにそういった不純物の除去が難しくなった。
【0015】また、めっき前にめっきフレームを形成す
る際にフォトレジストの残渣が発生した場合、次工程で
電気めっきにより磁性薄膜を形成する際の大きな不良要
因となった。そこでこの種のドライエッチングを用いた
プロセスにおいては、被エッチング物の残渣の発生を防
ぐためのオーバーエッチングが行われており、この工程
によるめっき下地電極膜へのダメージが避けられず、め
っきの際の良好な磁性薄膜の形成を難しくしていた。こ
れは、めっきプロセスが、下地電極膜に電流を流し、め
っき液と接しているめっき下地電極表面から膜を形成す
るものであるので、その膜の形成状態は下地電極膜の膜
厚減少による影響、さらには膜表面状態の影響を大きく
受けるためである。
る際にフォトレジストの残渣が発生した場合、次工程で
電気めっきにより磁性薄膜を形成する際の大きな不良要
因となった。そこでこの種のドライエッチングを用いた
プロセスにおいては、被エッチング物の残渣の発生を防
ぐためのオーバーエッチングが行われており、この工程
によるめっき下地電極膜へのダメージが避けられず、め
っきの際の良好な磁性薄膜の形成を難しくしていた。こ
れは、めっきプロセスが、下地電極膜に電流を流し、め
っき液と接しているめっき下地電極表面から膜を形成す
るものであるので、その膜の形成状態は下地電極膜の膜
厚減少による影響、さらには膜表面状態の影響を大きく
受けるためである。
【0016】このめっき下地電極膜へのダメージを回避
するための技術として、特開平11−339222号公
報には、ドライエッチング用のストッパー膜をあらかじ
めめっき下地電極膜上に一層形成しておき、めっきフレ
ーム形成時におけるオーバーエッチングによるめっき下
地電極膜のダメージを低減する試みが開示されている。
するための技術として、特開平11−339222号公
報には、ドライエッチング用のストッパー膜をあらかじ
めめっき下地電極膜上に一層形成しておき、めっきフレ
ーム形成時におけるオーバーエッチングによるめっき下
地電極膜のダメージを低減する試みが開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
339222号公報に開示された方法では、めっき前に
ストッパー層を除去する際、フッ素系のガスを主成分と
するエッチングガスを用いたドライエッチングによって
行うので、めっき下地電極膜はエッチングガスによって
表面改質されるなどのダメージを受けるおそれがあり、
良好な磁性薄膜の形成が難しかった。
339222号公報に開示された方法では、めっき前に
ストッパー層を除去する際、フッ素系のガスを主成分と
するエッチングガスを用いたドライエッチングによって
行うので、めっき下地電極膜はエッチングガスによって
表面改質されるなどのダメージを受けるおそれがあり、
良好な磁性薄膜の形成が難しかった。
【0018】さらにエッチングガスとめっき下地電極膜
とが反応し、その結果変質層が残るため、磁性薄膜の密
着性が悪化するおそれもあり、所望のパターン形状を実
現することが難しかった。
とが反応し、その結果変質層が残るため、磁性薄膜の密
着性が悪化するおそれもあり、所望のパターン形状を実
現することが難しかった。
【0019】さらに、特開平11−339222号公報
に開示された方法では、ストッパー膜の除去方法として
ウェットエッチングによる方法もあわせて開示されてい
るが、実施例に開示されたフッ酸をベースにしたエッチ
ング液では、エッチングの際にめっき下地電極膜の一部
も同時にエッチングされたり、めっきフレームがエッチ
ング液に侵されるなどのダメージを受けるおそれがあ
る。その結果、めっき下地電極膜上に形成した磁性薄膜
の密着性が低下したり、めっきフレームの形状が変形し
たりする可能性もあって、磁性薄膜の所望のパターン形
状を得ることが難しかった。
に開示された方法では、ストッパー膜の除去方法として
ウェットエッチングによる方法もあわせて開示されてい
るが、実施例に開示されたフッ酸をベースにしたエッチ
ング液では、エッチングの際にめっき下地電極膜の一部
も同時にエッチングされたり、めっきフレームがエッチ
ング液に侵されるなどのダメージを受けるおそれがあ
る。その結果、めっき下地電極膜上に形成した磁性薄膜
の密着性が低下したり、めっきフレームの形状が変形し
たりする可能性もあって、磁性薄膜の所望のパターン形
状を得ることが難しかった。
【0020】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、めっき下地電極膜にダメージを与えず
に密着性の良い磁性薄膜をパターン精度良くめっきによ
り形成できる磁性薄膜のパターン形成方法と、めっき下
地電極膜にダメージを与えずに密着性の良い磁性薄膜を
精度良くめっきにより形成できると共に、狭ピッチのパ
ターン形成においても、レジスト残渣等の不純物を容易
に除去することができる磁気素子の製造方法を提供する
ものである。
なされたもので、めっき下地電極膜にダメージを与えず
に密着性の良い磁性薄膜をパターン精度良くめっきによ
り形成できる磁性薄膜のパターン形成方法と、めっき下
地電極膜にダメージを与えずに密着性の良い磁性薄膜を
精度良くめっきにより形成できると共に、狭ピッチのパ
ターン形成においても、レジスト残渣等の不純物を容易
に除去することができる磁気素子の製造方法を提供する
ものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明の磁性薄膜のパターン形成方法は、あらか
じめ基板上にウェットエッチング性の異なる金属膜を少
なくとも2層設け、最表層である第2の金属膜のウェッ
トエッチングレートが第2の金属膜の直下の第1の金属
膜のウェットエッチングレートより大きな材料を使用す
る。その後、めっきにより磁性薄膜を形成する直前に最
表層の第2の金属膜のみをウェットエッチングによって
除去するものである。これにより、最表層の直下に形成
した第1の金属膜の膜厚の減少を最小限にできると共
に、表面状態を良好に保てるために、金属膜との密着性
の高い磁性薄膜を形成することができる。
めに、本発明の磁性薄膜のパターン形成方法は、あらか
じめ基板上にウェットエッチング性の異なる金属膜を少
なくとも2層設け、最表層である第2の金属膜のウェッ
トエッチングレートが第2の金属膜の直下の第1の金属
膜のウェットエッチングレートより大きな材料を使用す
る。その後、めっきにより磁性薄膜を形成する直前に最
表層の第2の金属膜のみをウェットエッチングによって
除去するものである。これにより、最表層の直下に形成
した第1の金属膜の膜厚の減少を最小限にできると共
に、表面状態を良好に保てるために、金属膜との密着性
の高い磁性薄膜を形成することができる。
【0022】また本発明の磁気素子の製造方法は、あら
かじめ基板上にウェットエッチング性の異なる金属膜を
2層設け、最表層である第2の金属膜のウェットエッチ
ングレートが第2の金属膜の直下の第1の金属膜のウェ
ットエッチングレートより大きな材料を使用する。そし
て、めっきにより磁性薄膜を形成してめっきフレームを
除去した後に、除去しためっきフレームの領域の最表層
の第2の金属膜のみをウェットエッチングにより除去す
るものである。これにより、狭ピッチの磁気素子のパタ
ーン形成時においても、めっきフレームの除去時に生じ
るフォトレジスト残渣を容易に除去することができる。
かじめ基板上にウェットエッチング性の異なる金属膜を
2層設け、最表層である第2の金属膜のウェットエッチ
ングレートが第2の金属膜の直下の第1の金属膜のウェ
ットエッチングレートより大きな材料を使用する。そし
て、めっきにより磁性薄膜を形成してめっきフレームを
除去した後に、除去しためっきフレームの領域の最表層
の第2の金属膜のみをウェットエッチングにより除去す
るものである。これにより、狭ピッチの磁気素子のパタ
ーン形成時においても、めっきフレームの除去時に生じ
るフォトレジスト残渣を容易に除去することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の磁性薄膜のパターン形成
方法は、基板上に第1の金属膜と第2の金属膜とを順次
積層して形成する第1の工程と、第1の工程後に、第2
の金属膜上に、めっきマスク材料の被膜を形成し、ドラ
イエッチング法を用いて所定のパターンのめっきマスク
膜を形成する第2の工程と、第2の工程後に、めっきマ
スク膜に覆われていない、第2の金属膜の領域を、ウェ
ットエッチング法で選択的に除去する第3の工程と、第
3の工程後に、第2の金属膜の除去部分において露出し
ている、第1の金属膜の領域上に、磁性材料をめっきし
て、磁性薄膜を選択的に形成する第4の工程とを備え、
第2の金属膜のウェットエッチングレートが第1の金属
膜のウェットエッチングレートより大きいことにより、
第1の金属膜に対してウェットエッチングによるダメー
ジを実質的に与えることなく、第2の金属膜を選択的に
除去できるために、最表層の直下に形成しためっき下地
電極膜の膜厚の減少を最小限にできると共に、表面状態
を良好に保てるため、金属膜との密着性の高い磁性薄膜
を第1の金属膜上に形成することができる。
方法は、基板上に第1の金属膜と第2の金属膜とを順次
積層して形成する第1の工程と、第1の工程後に、第2
の金属膜上に、めっきマスク材料の被膜を形成し、ドラ
イエッチング法を用いて所定のパターンのめっきマスク
膜を形成する第2の工程と、第2の工程後に、めっきマ
スク膜に覆われていない、第2の金属膜の領域を、ウェ
ットエッチング法で選択的に除去する第3の工程と、第
3の工程後に、第2の金属膜の除去部分において露出し
ている、第1の金属膜の領域上に、磁性材料をめっきし
て、磁性薄膜を選択的に形成する第4の工程とを備え、
第2の金属膜のウェットエッチングレートが第1の金属
膜のウェットエッチングレートより大きいことにより、
第1の金属膜に対してウェットエッチングによるダメー
ジを実質的に与えることなく、第2の金属膜を選択的に
除去できるために、最表層の直下に形成しためっき下地
電極膜の膜厚の減少を最小限にできると共に、表面状態
を良好に保てるため、金属膜との密着性の高い磁性薄膜
を第1の金属膜上に形成することができる。
【0024】また、第1の工程において、第1の金属膜
を積層する前に、基板上に密着層を形成することによ
り、基板と第1の金属膜との密着性を向上することがで
きるので、後に形成する磁性薄膜の基板への密着性を高
くすることができる。
を積層する前に、基板上に密着層を形成することによ
り、基板と第1の金属膜との密着性を向上することがで
きるので、後に形成する磁性薄膜の基板への密着性を高
くすることができる。
【0025】さらに密着層を前記密着層がCr、Ta、
またはTiのいずれかとすることにより、基板と第1の
金属膜との密着性をさらに向上することができるので、
後に形成する磁性薄膜の基板への密着性をさらに高くす
ることができる。
またはTiのいずれかとすることにより、基板と第1の
金属膜との密着性をさらに向上することができるので、
後に形成する磁性薄膜の基板への密着性をさらに高くす
ることができる。
【0026】また、第1の金属膜の材料にFeと、Co
またはNiのうちの少なくとも1つとを含む合金を用
い、第2の金属膜の材料にはCuを用いることにより、
第1の金属膜にウェットエッチングによるダメージを実
質的に与えることなく第2の金属膜をより選択的に除去
できるために、第1の金属膜の表面状態を良好に保てる
ため、金属膜との密着性のより高い磁性薄膜を形成する
ことができる。
またはNiのうちの少なくとも1つとを含む合金を用
い、第2の金属膜の材料にはCuを用いることにより、
第1の金属膜にウェットエッチングによるダメージを実
質的に与えることなく第2の金属膜をより選択的に除去
できるために、第1の金属膜の表面状態を良好に保てる
ため、金属膜との密着性のより高い磁性薄膜を形成する
ことができる。
【0027】さらにまた、ウェットエッチングに用いる
エッチング液のpH値を6以上8以下にすることによ
り、第2の金属膜のエッチングによるダメージを小さく
することができると共に、めっきフレームを侵すことが
ないので、後に形成する磁性薄膜のパターン形状を精度
良く形成することができる。
エッチング液のpH値を6以上8以下にすることによ
り、第2の金属膜のエッチングによるダメージを小さく
することができると共に、めっきフレームを侵すことが
ないので、後に形成する磁性薄膜のパターン形状を精度
良く形成することができる。
【0028】次に本発明の磁気素子の製造方法は、基板
上に第1の金属膜と、第1の金属膜よりもウェットエッ
チングレートの大きい第2の金属膜とを順次積層して形
成する第1の工程と、第1の工程後に、第2の金属膜上
に、めっきマスク材料の被膜を形成し、ドライエッチン
グ法を用いて所定のパターンのめっきマスク膜を形成す
る第2の工程と、第2の工程後に、めっきマスク膜に覆
われていない、第2の金属膜の領域を、ウェットエッチ
ング法で選択的に除去する第3の工程と、第3の工程後
に、第2の金属膜の除去部分において露出している、第
1の金属膜の領域上に、磁性材料をめっきして、磁性薄
膜を選択的に形成する第4の工程と、第4の工程後に、
めっきマスク膜を除去する第5の工程と、第5の工程後
に、めっきマスク膜の除去部分において露出している、
第2の金属膜の領域をウェットエッチングにて除去する
第6の工程と、第6の工程後に、磁気素子となる磁性薄
膜を保護マスクで被覆して、保護マスクで覆われていな
い磁性薄膜を選択的に除去する第7の工程と、第7の工
程後に、保護マスクを除去する第8の工程とを備えたも
のであり、第1の金属膜に対してウェットエッチングに
よるダメージを実質的に与えることなく、第2の金属膜
を選択的に除去できるために、最表層の直下に形成した
めっき下地電極膜の膜厚を均一にできると共に、表面状
態を良好に保てるため、金属膜との密着性の高い磁性薄
膜を第1の金属膜上に形成することができる。また、狭
ピッチの磁気素子のパターン形成時においても、めっき
フレーム間のレジスト残渣を容易に除去することができ
る。
上に第1の金属膜と、第1の金属膜よりもウェットエッ
チングレートの大きい第2の金属膜とを順次積層して形
成する第1の工程と、第1の工程後に、第2の金属膜上
に、めっきマスク材料の被膜を形成し、ドライエッチン
グ法を用いて所定のパターンのめっきマスク膜を形成す
る第2の工程と、第2の工程後に、めっきマスク膜に覆
われていない、第2の金属膜の領域を、ウェットエッチ
ング法で選択的に除去する第3の工程と、第3の工程後
に、第2の金属膜の除去部分において露出している、第
1の金属膜の領域上に、磁性材料をめっきして、磁性薄
膜を選択的に形成する第4の工程と、第4の工程後に、
めっきマスク膜を除去する第5の工程と、第5の工程後
に、めっきマスク膜の除去部分において露出している、
第2の金属膜の領域をウェットエッチングにて除去する
第6の工程と、第6の工程後に、磁気素子となる磁性薄
膜を保護マスクで被覆して、保護マスクで覆われていな
い磁性薄膜を選択的に除去する第7の工程と、第7の工
程後に、保護マスクを除去する第8の工程とを備えたも
のであり、第1の金属膜に対してウェットエッチングに
よるダメージを実質的に与えることなく、第2の金属膜
を選択的に除去できるために、最表層の直下に形成した
めっき下地電極膜の膜厚を均一にできると共に、表面状
態を良好に保てるため、金属膜との密着性の高い磁性薄
膜を第1の金属膜上に形成することができる。また、狭
ピッチの磁気素子のパターン形成時においても、めっき
フレーム間のレジスト残渣を容易に除去することができ
る。
【0029】また、第1の工程において、第1の金属膜
を積層する前に、基板上に密着層を形成することによ
り、基板と第1の金属膜との密着性を向上することがで
きるので、後に形成する磁性薄膜の基板への密着性の高
い磁気素子を製造することができる。
を積層する前に、基板上に密着層を形成することによ
り、基板と第1の金属膜との密着性を向上することがで
きるので、後に形成する磁性薄膜の基板への密着性の高
い磁気素子を製造することができる。
【0030】さらに密着層をCr、Ta、またはTiの
いずれかとすることにより、基板と第1の金属膜との密
着性をさらに向上することができるので、後に形成する
磁性薄膜の基板への密着性のさらに高い磁気素子を製造
することができる。
いずれかとすることにより、基板と第1の金属膜との密
着性をさらに向上することができるので、後に形成する
磁性薄膜の基板への密着性のさらに高い磁気素子を製造
することができる。
【0031】また、第1の金属膜の材料としてはFe
と、CoまたはNiのうちの少なくとも1つとを含む合
金から形成し、第2の金属膜の材料としてはCuを用い
ることにより、第2の金属膜の、より選択的なウェット
エッチングが可能なため、第1の金属膜の表面状態を良
好に保てるため、金属膜との密着性のより高い磁性薄膜
を形成することができると共に、狭ピッチなめっきフレ
ーム形成プロセスにおけるレジスト残渣をさらに容易に
除去することができる。
と、CoまたはNiのうちの少なくとも1つとを含む合
金から形成し、第2の金属膜の材料としてはCuを用い
ることにより、第2の金属膜の、より選択的なウェット
エッチングが可能なため、第1の金属膜の表面状態を良
好に保てるため、金属膜との密着性のより高い磁性薄膜
を形成することができると共に、狭ピッチなめっきフレ
ーム形成プロセスにおけるレジスト残渣をさらに容易に
除去することができる。
【0032】さらにまた、第3の工程において、ウェッ
トエッチングに用いるエッチング液のpH値を6以上8
以下としたことにより、めっきフレーム形成時の第1の
金属膜のエッチングによるダメージを小さくすることが
できると共に、めっきフレームを侵すことがないので、
後に形成する磁性薄膜のパターン形状を精度良く形成す
ることができ、より高性能の磁気素子を得ることができ
る。
トエッチングに用いるエッチング液のpH値を6以上8
以下としたことにより、めっきフレーム形成時の第1の
金属膜のエッチングによるダメージを小さくすることが
できると共に、めっきフレームを侵すことがないので、
後に形成する磁性薄膜のパターン形状を精度良く形成す
ることができ、より高性能の磁気素子を得ることができ
る。
【0033】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0034】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態である磁性薄膜のパターン形成方法のプロ
セスを示すフロー図である。図1(a)に示すように、
まず基板1上に、NiFe合金からなり、100nmの
膜厚の第1の金属膜2を形成する。
の実施の形態である磁性薄膜のパターン形成方法のプロ
セスを示すフロー図である。図1(a)に示すように、
まず基板1上に、NiFe合金からなり、100nmの
膜厚の第1の金属膜2を形成する。
【0035】第1の金属膜2の材料をNiFe合金とし
たのは、後にめっきによって形成する磁性薄膜6の材料
がNiFe合金であり、第1の金属膜2はめっきする際
のめっき下地電極膜としての作用、及び磁気素子として
の作用を考慮した場合、形成する磁性薄膜6と、第1の
金属膜2を同一物とすることが最も好適だからである。
たのは、後にめっきによって形成する磁性薄膜6の材料
がNiFe合金であり、第1の金属膜2はめっきする際
のめっき下地電極膜としての作用、及び磁気素子として
の作用を考慮した場合、形成する磁性薄膜6と、第1の
金属膜2を同一物とすることが最も好適だからである。
【0036】なお、第1の金属膜2の材料をCoFe合
金、あるいはCoNiFe合金としても同様の効果が得
られる。それにあわせてめっきにて形成する磁性薄膜6
の材料として各々同一のCoFeあるいはCoFeNi
合金を用いることも可能である。第1の金属膜2の材料
と、めっきにて形成する磁性薄膜6の材料は、良好な磁
気特性、より高い密着性という点で同一のものが好まし
い。
金、あるいはCoNiFe合金としても同様の効果が得
られる。それにあわせてめっきにて形成する磁性薄膜6
の材料として各々同一のCoFeあるいはCoFeNi
合金を用いることも可能である。第1の金属膜2の材料
と、めっきにて形成する磁性薄膜6の材料は、良好な磁
気特性、より高い密着性という点で同一のものが好まし
い。
【0037】次に、Cuからなり、100nmの膜厚の
第2の金属膜3を形成する。第2の金属膜3の材料とし
ては第1の金属膜2よりも一定条件のエッチング液に対
しウェットエッチングレートの大きい金属が好適であ
り、例えばNiFe合金に対しては、Cuを使用するこ
とができる。
第2の金属膜3を形成する。第2の金属膜3の材料とし
ては第1の金属膜2よりも一定条件のエッチング液に対
しウェットエッチングレートの大きい金属が好適であ
り、例えばNiFe合金に対しては、Cuを使用するこ
とができる。
【0038】第1の金属膜2、及び第2の金属膜3の形
成は全てスパッタリング法を用いて行った。第1の金属
膜2、第2の金属膜3の形成は同一チャンバー内で連続
して成膜することが望ましいが、別々に形成しても良
い。
成は全てスパッタリング法を用いて行った。第1の金属
膜2、第2の金属膜3の形成は同一チャンバー内で連続
して成膜することが望ましいが、別々に形成しても良
い。
【0039】なお、基板1上に、密着層として、あらか
じめ30nm以下の膜厚、望ましくは10nm程度の膜
厚のCr薄膜、Ta薄膜またはTi薄膜を形成してお
き、さらに第1の金属膜2を形成すれば、基板1に対す
る第1の金属膜2と密着性がより向上するために、後に
形成する磁性薄膜6の基板1への密着性が高くなる、と
いう効果を有する。
じめ30nm以下の膜厚、望ましくは10nm程度の膜
厚のCr薄膜、Ta薄膜またはTi薄膜を形成してお
き、さらに第1の金属膜2を形成すれば、基板1に対す
る第1の金属膜2と密着性がより向上するために、後に
形成する磁性薄膜6の基板1への密着性が高くなる、と
いう効果を有する。
【0040】次に図1(b)に示すように、第2の金属
膜3上にめっきマスク材料として、フォトレジスト層1
2を形成する。フォトレジスト層12は厚膜であること
が求められ、その膜厚が平坦部で8μmとなるように形
成する。フォトレジスト層12は6〜10μmの膜厚で
形成することが望ましい。なお、フォトレジスト層12
には有機樹脂材料であって、酸素を主成分としたガスを
用いたドライエッチングで容易にエッチング可能なもの
を用いる。
膜3上にめっきマスク材料として、フォトレジスト層1
2を形成する。フォトレジスト層12は厚膜であること
が求められ、その膜厚が平坦部で8μmとなるように形
成する。フォトレジスト層12は6〜10μmの膜厚で
形成することが望ましい。なお、フォトレジスト層12
には有機樹脂材料であって、酸素を主成分としたガスを
用いたドライエッチングで容易にエッチング可能なもの
を用いる。
【0041】次に、フォトレジスト層12上にドライエ
ッチングマスク5となるSiO2を500nmの膜厚で
スパッタリング法により成膜する。500nm以下のピ
ッチの微細なパターンのめっきフレームを形成する際に
は、SiO2の膜厚を500nm以下、望ましくは30
0〜500nmに成膜することが好適である。
ッチングマスク5となるSiO2を500nmの膜厚で
スパッタリング法により成膜する。500nm以下のピ
ッチの微細なパターンのめっきフレームを形成する際に
は、SiO2の膜厚を500nm以下、望ましくは30
0〜500nmに成膜することが好適である。
【0042】次に、SiO2をトラック幅相当に微細加
工するために、マスクパターンレジスト層9を1μmの
膜厚で塗布する。ここで用いるマスクパターンレジスト
層9は膜厚が薄く解像度の高いものが求められ、0.2
μm程度の狭トラックパターンでも解像可能なタイプ、
つまり1μm程度に薄く形成することが可能で、かつ露
光する際の光源の波長が短い、例えばKrFレーザーに
て解像が可能なタイプの材料を用いることも可能であ
る。
工するために、マスクパターンレジスト層9を1μmの
膜厚で塗布する。ここで用いるマスクパターンレジスト
層9は膜厚が薄く解像度の高いものが求められ、0.2
μm程度の狭トラックパターンでも解像可能なタイプ、
つまり1μm程度に薄く形成することが可能で、かつ露
光する際の光源の波長が短い、例えばKrFレーザーに
て解像が可能なタイプの材料を用いることも可能であ
る。
【0043】次に、図1(c)に示すように、マスクパ
ターンレジスト層9を露光、現像後、所望の磁気コア形
状のパターンを得る。
ターンレジスト層9を露光、現像後、所望の磁気コア形
状のパターンを得る。
【0044】次に、図1(d)に示すように、このマス
クパターンレジスト層9をマスクにしてSiO2膜をド
ライエッチングにてパターン形成し、ドライエッチング
マスク5を形成する。エッチングにはICPタイプのプ
ラズマ密度の高い高指向性のドライエッチング装置を用
いる。エッチングガスはフッ素系のガスの1つであるC
F4を主成分とするガスを用いる。このエッチングガス
としてはフッ素系のガスが好適である。
クパターンレジスト層9をマスクにしてSiO2膜をド
ライエッチングにてパターン形成し、ドライエッチング
マスク5を形成する。エッチングにはICPタイプのプ
ラズマ密度の高い高指向性のドライエッチング装置を用
いる。エッチングガスはフッ素系のガスの1つであるC
F4を主成分とするガスを用いる。このエッチングガス
としてはフッ素系のガスが好適である。
【0045】このようにドライエッチングマスク5を微
細加工して所望のパターン形状を形成した後に、形成し
たパターンをマスクにしてフォトレジスト層12をドラ
イエッチングによりパターン形成し、めっきマスク膜と
なる、めっきフレームレジスト4を形成する。エッチン
グはICPタイプのプラズマ密度の高いドライエッチン
グ装置を用いて行う。通常の平行平板型のドライエッチ
ング装置ではめっきフレームの断面形状を垂直形状にす
ることが困難であるからである。
細加工して所望のパターン形状を形成した後に、形成し
たパターンをマスクにしてフォトレジスト層12をドラ
イエッチングによりパターン形成し、めっきマスク膜と
なる、めっきフレームレジスト4を形成する。エッチン
グはICPタイプのプラズマ密度の高いドライエッチン
グ装置を用いて行う。通常の平行平板型のドライエッチ
ング装置ではめっきフレームの断面形状を垂直形状にす
ることが困難であるからである。
【0046】なお、エッチングガスには酸素を主体とし
たものを用いる。これはドライエッチングマスク5の形
状および膜厚を著しく変えることなくフォトレジスト層
12を選択的にエッチングするためである。オーバーエ
ッチング時間は最大で100%とする。エッチング条件
をICPパワー:500W、基板バイアス:200W、
ガス圧:0.67Paとして、エッチングを実施する。
たものを用いる。これはドライエッチングマスク5の形
状および膜厚を著しく変えることなくフォトレジスト層
12を選択的にエッチングするためである。オーバーエ
ッチング時間は最大で100%とする。エッチング条件
をICPパワー:500W、基板バイアス:200W、
ガス圧:0.67Paとして、エッチングを実施する。
【0047】めっきフレームレジスト4のパターン形状
を形成する際、ドライエッチングによるレジストの残渣
を完全に除去するため、オーバーエッチングが必要であ
る。特に、磁気記録ヘッドのめっきフレームレジスト4
のパターン形成においては、通常傾斜を有する段差部分
へ形成する必要があるため、その段差の上部、下部もし
くは傾斜している部分においてレジストの膜厚差が大き
い。例えば段差の上部では6μm、段差の下部では10
μmといったように膜厚が変わってしまう。
を形成する際、ドライエッチングによるレジストの残渣
を完全に除去するため、オーバーエッチングが必要であ
る。特に、磁気記録ヘッドのめっきフレームレジスト4
のパターン形成においては、通常傾斜を有する段差部分
へ形成する必要があるため、その段差の上部、下部もし
くは傾斜している部分においてレジストの膜厚差が大き
い。例えば段差の上部では6μm、段差の下部では10
μmといったように膜厚が変わってしまう。
【0048】また、パターンの大きさも記録ヘッド部の
先端付近では0.3μm以下の微小なパターンであるの
に対し、先端部から離れるに従い、幅は広くなり、後端
部では15〜30μmになる。当然、レジスト膜厚が同
じでも、同一パターン内においてエッチング完了までの
時間が異なることになる。これにより、エッチングがち
ょうど終了する時間がパターン内の場所によって異なる
ため、オーバーエッチングすることが望ましい。
先端付近では0.3μm以下の微小なパターンであるの
に対し、先端部から離れるに従い、幅は広くなり、後端
部では15〜30μmになる。当然、レジスト膜厚が同
じでも、同一パターン内においてエッチング完了までの
時間が異なることになる。これにより、エッチングがち
ょうど終了する時間がパターン内の場所によって異なる
ため、オーバーエッチングすることが望ましい。
【0049】このため、ドライエッチング後には第2の
金属膜3もエッチングによって削られたり、反応物が生
成したりといったダメージを受けるが、ドライエッチン
グ後の第2の金属膜3の残りの膜厚を所望する記録トラ
ックパターン幅と同等かそれ以下にしておくことが好ま
しい。
金属膜3もエッチングによって削られたり、反応物が生
成したりといったダメージを受けるが、ドライエッチン
グ後の第2の金属膜3の残りの膜厚を所望する記録トラ
ックパターン幅と同等かそれ以下にしておくことが好ま
しい。
【0050】なお、本実施の形態においては、めっきマ
スク膜の形成を、3層レジスト法を用いて行った場合に
ついて示したが、本発明は3層レジスト法に限定される
ものではなく、ドライエッチングにて加工が可能な材
料、例えば、樹脂、無機材料のうちから選択されたもの
を、ドライエッチング法にて加工してめっきマスク膜を
形成する工法すべてに本発明は適用可能であることは言
うまでもない。
スク膜の形成を、3層レジスト法を用いて行った場合に
ついて示したが、本発明は3層レジスト法に限定される
ものではなく、ドライエッチングにて加工が可能な材
料、例えば、樹脂、無機材料のうちから選択されたもの
を、ドライエッチング法にて加工してめっきマスク膜を
形成する工法すべてに本発明は適用可能であることは言
うまでもない。
【0051】次に図1(e)に示すように、めっきフレ
ームレジスト4が除去された領域の第2の金属膜3のみ
を選択的にウェットエッチングによって除去し、めっき
フレームを形成する。ウェットエッチングはエッチング
液に2分間浸漬することにより行う。除去するためのエ
ッチング液としては、過硫酸アンモニウムを主成分とす
るものを用いる。エッチング液のpH値を6〜8の範囲
内とし、特に中性付近の値で保持することによって、酸
素によるエッチング後に露出している第2の金属膜3の
Cu層のみを選択的にエッチングすることができる。
ームレジスト4が除去された領域の第2の金属膜3のみ
を選択的にウェットエッチングによって除去し、めっき
フレームを形成する。ウェットエッチングはエッチング
液に2分間浸漬することにより行う。除去するためのエ
ッチング液としては、過硫酸アンモニウムを主成分とす
るものを用いる。エッチング液のpH値を6〜8の範囲
内とし、特に中性付近の値で保持することによって、酸
素によるエッチング後に露出している第2の金属膜3の
Cu層のみを選択的にエッチングすることができる。
【0052】エッチング液のpH値が6より低いとき
は、第2の金属膜3のCuと第1の金属膜2のNiFe
との選択性がなくなり、第1の金属膜2のNiFe膜が
消失したり、ダメージを受け、後にめっきにより形成す
る磁性薄膜6の不良となり、好ましくない。また、pH
値が8より高いときは、マスクであるめっきフレームレ
ジスト4が一部溶解してしまい、後に形成する磁性薄膜
6のパターン形状を悪化させることになり好ましくな
い。
は、第2の金属膜3のCuと第1の金属膜2のNiFe
との選択性がなくなり、第1の金属膜2のNiFe膜が
消失したり、ダメージを受け、後にめっきにより形成す
る磁性薄膜6の不良となり、好ましくない。また、pH
値が8より高いときは、マスクであるめっきフレームレ
ジスト4が一部溶解してしまい、後に形成する磁性薄膜
6のパターン形状を悪化させることになり好ましくな
い。
【0053】このようなウェットエッチングを行うこと
により、狭ピッチのめっきフレームにおいても、めっき
フレーム間の第2の金属膜3のみを選択的に除去するこ
とができる。また、その際の残渣や副反応物はドライエ
ッチング法を用いる場合に比べて大変少ない。ウェット
エッチング終了後は、後に磁性薄膜6を形成する領域の
第1の金属膜2が露出している。
により、狭ピッチのめっきフレームにおいても、めっき
フレーム間の第2の金属膜3のみを選択的に除去するこ
とができる。また、その際の残渣や副反応物はドライエ
ッチング法を用いる場合に比べて大変少ない。ウェット
エッチング終了後は、後に磁性薄膜6を形成する領域の
第1の金属膜2が露出している。
【0054】次に図1(f)に示すように、水洗した後、
めっき液に浸漬し、電気めっき法により磁性材料である
NiFeの磁性薄膜6を第1の金属膜2上に所定の膜厚
に形成する。めっきの際、ウェットエッチングにより露
出した第1の金属膜2がめっき下地電極膜として作用
し、かつその表面状態が良好であるので、極めて密着性
の高い磁性薄膜6を形成することができる。
めっき液に浸漬し、電気めっき法により磁性材料である
NiFeの磁性薄膜6を第1の金属膜2上に所定の膜厚
に形成する。めっきの際、ウェットエッチングにより露
出した第1の金属膜2がめっき下地電極膜として作用
し、かつその表面状態が良好であるので、極めて密着性
の高い磁性薄膜6を形成することができる。
【0055】なお、特開平11−339222号公報に
は、めっき下地電極膜とレジストフレームとの間にスト
ッパー膜を設ける方法が開示されているが、本発明の磁
性薄膜の形成方法はこの場合にも使用可能である。
は、めっき下地電極膜とレジストフレームとの間にスト
ッパー膜を設ける方法が開示されているが、本発明の磁
性薄膜の形成方法はこの場合にも使用可能である。
【0056】ストッパー膜と基板との間に金属膜を本発
明の第1の実施の形態に示したような材料を用いて2層
以上に多層化しておくことで第2の金属膜3がストッパ
ー膜のドライエッチング時においてめっき下地電極膜で
ある第1の金属膜2へのダメージを吸収し、第2の金属
膜3をめっき直前にウェットエッチングにより除去する
ことで同様にめっき不良を低減できる。
明の第1の実施の形態に示したような材料を用いて2層
以上に多層化しておくことで第2の金属膜3がストッパ
ー膜のドライエッチング時においてめっき下地電極膜で
ある第1の金属膜2へのダメージを吸収し、第2の金属
膜3をめっき直前にウェットエッチングにより除去する
ことで同様にめっき不良を低減できる。
【0057】(第2の実施の形態)図2は本発明の第2
の実施の形態である、磁気素子の製造方法の工程を示す
フロー図である。
の実施の形態である、磁気素子の製造方法の工程を示す
フロー図である。
【0058】まず、図2(a)は本発明の第1の実施の
形態によって磁性薄膜6のパターン形状が形成された状
態である。
形態によって磁性薄膜6のパターン形状が形成された状
態である。
【0059】次に図2(b)に示すように、めっきフレ
ームレジスト4を除去する。除去後はレジスト残渣10
が残った状態である。
ームレジスト4を除去する。除去後はレジスト残渣10
が残った状態である。
【0060】次に図2(c)に示すように、ウェットエ
ッチングによって、第2の金属膜3のみを選択的に除去
する。除去するためのエッチング液は過硫酸アンモニウ
ムを主成分とするものを用いる。第2の金属膜3が除去
される際、レジスト残渣10も同時に除去することが可
能である。
ッチングによって、第2の金属膜3のみを選択的に除去
する。除去するためのエッチング液は過硫酸アンモニウ
ムを主成分とするものを用いる。第2の金属膜3が除去
される際、レジスト残渣10も同時に除去することが可
能である。
【0061】次に図2(d)に示すように、イオンミリ
ングなどによって、第1の金属膜2の除去を行う。
ングなどによって、第1の金属膜2の除去を行う。
【0062】次に図2(e)に示すように磁気コア形状
を形成するのに必要な磁性薄膜6をフォトレジストから
なる保護マスク11で被覆して、不要な部分の磁性薄膜
を除去する。
を形成するのに必要な磁性薄膜6をフォトレジストから
なる保護マスク11で被覆して、不要な部分の磁性薄膜
を除去する。
【0063】続いて図2(f)に示すように保護マスク
11を除去することによってめっきによる磁性薄膜6に
よる磁気コア形状を有する磁気素子を得る。
11を除去することによってめっきによる磁性薄膜6に
よる磁気コア形状を有する磁気素子を得る。
【0064】なお、本実施の形態では特に上部磁気コア
の形成プロセスを概略で説明したが、磁性薄膜のめっき
プロセスに関して、本発明の磁気素子の製造方法は全て
適用可能であることは明らかである。
の形成プロセスを概略で説明したが、磁性薄膜のめっき
プロセスに関して、本発明の磁気素子の製造方法は全て
適用可能であることは明らかである。
【0065】なお、第2の実施の形態においては、第1
の金属膜2の材料をCoFe合金、あるいはCoNiF
e合金としても同様の効果が得られる。それにあわせて
めっきにて形成する磁性薄膜6の材料として各々同一の
CoFeあるいはCoFeNi合金を用いることも可能
である。第1の金属膜2の材料と、めっきにて形成する
磁性薄膜6の材料は、良好な磁気特性、より高い密着性
という点で、同一のものが好ましい。
の金属膜2の材料をCoFe合金、あるいはCoNiF
e合金としても同様の効果が得られる。それにあわせて
めっきにて形成する磁性薄膜6の材料として各々同一の
CoFeあるいはCoFeNi合金を用いることも可能
である。第1の金属膜2の材料と、めっきにて形成する
磁性薄膜6の材料は、良好な磁気特性、より高い密着性
という点で、同一のものが好ましい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
あらかじめ基板上にウェットエッチング性の異なる金属
膜を少なくとも2層設け、めっきにより磁性薄膜を形成
する前に最表層の金属膜のみをウェットエッチングによ
って除去することにより、最表層の直下に形成しためっ
き下地電極膜の膜厚の減少を最小限にできると共に、表
面状態が良好に保てるために、金属膜との密着性が高
く、形状精度の高い磁性薄膜を形成することができる。
あらかじめ基板上にウェットエッチング性の異なる金属
膜を少なくとも2層設け、めっきにより磁性薄膜を形成
する前に最表層の金属膜のみをウェットエッチングによ
って除去することにより、最表層の直下に形成しためっ
き下地電極膜の膜厚の減少を最小限にできると共に、表
面状態が良好に保てるために、金属膜との密着性が高
く、形状精度の高い磁性薄膜を形成することができる。
【0067】また本発明によれば、あらかじめ基板上に
ウェットエッチング性の異なる金属膜を2層設け、磁気
素子の製造方法において、めっきにより磁性薄膜を形成
してめっきフレームを除去した後に、除去しためっきフ
レームの領域の最表層の金属膜のみをウェットエッチン
グにより除去することにより、狭ピッチなめっきフレー
ムにおいても、レジスト残渣を除去しやすくなるという
効果を有する。
ウェットエッチング性の異なる金属膜を2層設け、磁気
素子の製造方法において、めっきにより磁性薄膜を形成
してめっきフレームを除去した後に、除去しためっきフ
レームの領域の最表層の金属膜のみをウェットエッチン
グにより除去することにより、狭ピッチなめっきフレー
ムにおいても、レジスト残渣を除去しやすくなるという
効果を有する。
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁性薄膜のパター
ン形成方法の工程を示すフロー図
ン形成方法の工程を示すフロー図
【図2】本発明の第2の実施の形態の磁気素子の製造方
法の工程を示すフロー図
法の工程を示すフロー図
【図3】従来の磁性薄膜のパターン形成方法の工程を示
すフロー図
すフロー図
【図4】めっきフレームの概略図
1 基板 2 第1の金属膜 3 第2の金属膜 4 めっきフレームレジスト 5 ドライエッチングマスク 6 磁性薄膜 7 めっき下地電極膜 8 めっきマスク 9 マスクパターンレジスト層 10 レジスト残渣 11 保護マスク 12 フォトレジスト層
Claims (10)
- 【請求項1】 基板上に第1の金属膜と第2の金属膜と
を順次積層して形成する第1の工程と、 前記第1の工程後に、前記第2の金属膜上に、めっきマ
スク材料の被膜を形成し、ドライエッチング法を用いて
所定のパターンのめっきマスク膜を形成する第2の工程
と、 前記第2の工程後に、前記めっきマスク膜に覆われてい
ない、前記第2の金属膜の領域を、ウェットエッチング
法で選択的に除去する第3の工程と、 前記第3の工程後に、前記第2の金属膜の除去部分にお
いて露出している、前記第1の金属膜の領域上に、磁性
材料をめっきして、磁性薄膜を選択的に形成する第4の
工程とを備え、 前記第2の金属膜のウェットエッチングレートが前記第
1の金属膜のウェットエッチングレートより大きいこと
を特徴とする磁性薄膜のパターン形成方法。 - 【請求項2】 前記第1の工程において、前記第1の金
属膜を積層する前に、前記基板上に密着層を形成するこ
とを特徴とする請求項1記載の磁性薄膜のパターン形成
方法。 - 【請求項3】 前記密着層がCr、Ta、またはTiの
いずれかからなることを特徴とする請求項2記載の磁性
薄膜のパターン形成方法。 - 【請求項4】 前記第1の金属膜はFeと、Coまたは
Niのうちの少なくとも1つとを含む合金からなり、前
記第2の金属膜はCuからなることを特徴とする請求項
1から請求項3までのいずれかに記載の磁性薄膜のパタ
ーン形成方法。 - 【請求項5】 前記ウェットエッチングに用いるエッチ
ング液のpH値が6以上8以下であることを特徴とする
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の磁性薄膜
のパターン形成方法。 - 【請求項6】 基板上に第1の金属膜と、前記第1の金
属膜よりもウェットエッチングレートの大きい第2の金
属膜とを順次積層して形成する第1の工程と、前記第1
の工程後に、前記第2の金属膜上に、めっきマスク材料
の被膜を形成し、ドライエッチング法を用いて所定のパ
ターンのめっきマスク膜を形成する第2の工程と、 前記第2の工程後に、前記めっきマスク膜に覆われてい
ない、前記第2の金属膜の領域を、ウェットエッチング
法で選択的に除去する第3の工程と、 前記第3の工程後に、前記第2の金属膜の除去部分にお
いて露出している、前記第1の金属膜の領域上に、磁性
材料をめっきして、磁性薄膜を選択的に形成する第4の
工程と、 前記第4の工程後に、前記めっきマスク膜を除去する第
5の工程と、 前記第5の工程後に、前記めっきマスク膜の除去部分に
おいて露出している、 前記第2の金属膜の領域をウェットエッチングにて除去
する第6の工程と、 前記第6の工程後に、磁気素子となる前記磁性薄膜を保
護マスクで被覆して、前記保護マスクで覆われていない
前記磁性薄膜を選択的に除去する第7の工程と、 前記第7の工程後に、前記保護マスクを除去する第8の
工程とを備えたことを特徴とする磁気素子の製造方法。 - 【請求項7】 前記第1の工程において、前記第1の金
属膜を積層する前に、前記基板上に密着層を形成するこ
とを特徴とする請求項6記載の磁気素子の製造方法。 - 【請求項8】 前記密着層がCr、Ta、またはTiの
いずれかからなることを特徴とする請求項7記載の磁気
素子の製造方法。 - 【請求項9】 前記第1の金属膜はFeと、Coまたは
Niのうちの少なくとも1つとを含む合金からなり、前
記第2の金属膜はCuからなることを特徴とする請求項
6から請求項8までのいずれかに記載の磁気素子の製造
方法。 - 【請求項10】 前記第3の工程において、前記ウェッ
トエッチングに用いるエッチング液のpH値が6以上8
以下であることを特徴とする請求項6から請求項9まで
のいずれかに記載の磁気素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000372630A JP2002175608A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | 磁性薄膜のパターン形成方法及び磁気素子の製造方法 |
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JP2000372630A JP2002175608A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | 磁性薄膜のパターン形成方法及び磁気素子の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002175608A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8574729B2 (en) | 2008-04-23 | 2013-11-05 | Tdk Corporation | Magnetic structure including two ferromagnetically coupled magnetic layers and method of manufacturing same |
JP2014130671A (ja) * | 2012-12-31 | 2014-07-10 | Headway Technologies Inc | プラズモンジェネレータの製造方法 |
-
2000
- 2000-12-07 JP JP2000372630A patent/JP2002175608A/ja active Pending
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US8574729B2 (en) | 2008-04-23 | 2013-11-05 | Tdk Corporation | Magnetic structure including two ferromagnetically coupled magnetic layers and method of manufacturing same |
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