JP2002174915A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002174915A
JP2002174915A JP2000371735A JP2000371735A JP2002174915A JP 2002174915 A JP2002174915 A JP 2002174915A JP 2000371735 A JP2000371735 A JP 2000371735A JP 2000371735 A JP2000371735 A JP 2000371735A JP 2002174915 A JP2002174915 A JP 2002174915A
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Yuji Nakayama
雄二 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性トナーを用いても画像流れやトナー融
着を発生させない感光体の表面状態を維持し、信頼性が
大きく向上され、かつプロダクテビィティーが画期的に
飛躍しても対応可能な画像形成装置を提供する。 【解決手段】 感光体、帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段及びクリーニング手段を少なくとも有し、
非磁性トナー粒子及び磁性キャリアを少なくとも含む二
成分現像剤が用いられる電子写真方式の画像形成装置に
おいて、感光体表面のビッカース硬度が500Kg/m
2以上であり、現像手段は、感光体に対してカウンター
方向に回転自在であり磁力によって二成分現像剤を担持
して磁気ブラシを形成する現像スリーブを有し、かつ現
像スリーブに形成される磁気ブラシが感光体表面を摺擦
可能な位置に配置される現像手段であり、非磁性トナー
粒子には略球形形状であるトナー粒子を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体として非
晶質シリコン系感光体を用いた1ドラム−回転現像器方
式のフルカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、電子写真方式の画像形成装置とし
ては、複写機、プリンター、Faxといった出力端末を
すべて兼ね備えた複合機が市場で広く受け入れられるよ
うになってきている。このようなネットワーク対応の出
力端末として電子写真システムが広く受け入れられてき
ているわけであるが、大きな問題の一つとして本体のD
utyCycleが上げられてきている。DutyCy
cleとは、サービスマンメンテなしで本体が正常に稼
動し続ける限界枚数のことであるが、DutyCycl
eの最大の律速となっている一つに感光ドラムの寿命が
上げられている。
【0003】また、エコロジーの観点から廃棄物をなく
す、すなわち消耗品を減らすこと、消耗品の寿命を延ば
すこと、信頼性を上げることが我々発明者等の絶対的課
題となってきている。
【0004】また、従来のアナログの装置からデジタル
化が進み、本体コストをアナログ等価またはそれ以下に
することも我々の絶対的課題となってきている。さら
に、近年では複写機及びプリンターでは従来白黒機が主
流であったが、オフィスにおいても原稿または出力ファ
イルのフルカラー化が急増している。前記アナログ等価
デジタル機というばかりか、本体コスト及びランニング
コスト白黒等価フルカラープリンターが我々の絶対的課
題となってきている。そのためには、TCO(ユーザー
からみた全体の必要費用)を画期的に下げることが可能
な技術が望まれている。
【0005】そのような中で像担持体としてアモルファ
スシリコン感光体は、硬度が大きく(JIS 規格ビッ
カース硬度1000Kg/m2以上)、耐久性、耐熱
性、環境安定性にも優れているので次第に多用されてき
ており、とくに高信頼性を要求されている高速機におい
ては不可欠のものとなってきている。アモルファスシリ
コン感光体は、近年一般的に使用されているOPC感光
体に比べて交換寿命枚数が一桁以上高い。すなわち本体
寿命等価であり、廃棄物削減という効果もある。かつO
PC感光体を用いたプロセスカートリッジのような回収
再生といった手間もかからない。
【0006】このような高速機に搭載されているアモル
ファスシリコン感光体を用いた技術がフルカラープリン
ターに搭載可能になれば、白黒プリントについては、高
速機のDutyCycle、低ランニングコスト実現可
能でかつカラープリントもとれる装置が実現可能と我々
は考えた。特に白黒プリントの使用比率の高いユーザー
で、高速機のDutyCycle、低ランニングコスト
を実現させるためには、回転現像器を用いた1ドラム方
式フルカラープリンターにアモルファスシリコン感光体
を搭載することが必須であると考えた。
【0007】しかしながら、この種の装置において像担
持体表面に付着して画質に影響を及ぼすのはトナーばか
りではなく、転写材として殆どの場合利用されている紙
から発生する微細な紙粉、これから析出する有機質成
分、装置内高圧部材の存在に起因して発生するコロナ生
成物などで像担持体表面に付着した異物が、とくに高湿
環境化において低抵抗化して鮮明な静電潜像の形成を妨
げこれが画質の劣化の招来する要因と考えられている。
上記のような画像の劣化現象は、シラン類のグロー放電
分解によって成膜構成する非晶質シリコン感光体の場合
に発生しやすいことが知られている。
【0008】このような欠点を回避するために、特に一
成分系磁性トナーを使用する場合において、クリーニン
グ装置内において、像担持体の走行方向にみて、クリー
ニングブレードの上流側にマグネットローラを配設して
クリーニング装置に回収したトナーの一部で、磁気ブラ
シを形成し、これを像担持体表面に接触させて磁性トナ
ーを再供給し、ブレード部位におけるトナー粒による研
磨作用によって前述のような各種異物を摺擦除去するよ
うに構成したものが提案されている。
【0009】このような磁気ブラシを用いる手段は、ウ
ェッブ、ゴムローラなど、別途用意した研磨部材で像担
持体表面を摺擦するような仕方に比べると、研磨作用が
像担持体表面で局所的に偏ることが少なく、像担持体表
面の劣化も小さい。上記の方法に例えば、像担持体にヒ
ータを配設して、夜間、スタンバイ中も周辺の湿度を低
下させて像担持体表面の低抵抗化を防ぐなどの付帯手段
を併用することによって、前述のような原因による画像
劣化を阻止するのに一定の効果をあげている。
【0010】像担持体表面に形成した可転写トナー像
を、紙を主とする転写材に転写する工程を繰り返す画像
形成装置においては、転写の際、転写材に転移せず像担
持体に残る残留トナーをその都度充分に除去することが
必須である。
【0011】このため、クリーニング手段としては、従
来から幾多の提案がなされているが、ウレタンゴムなど
の弾性材料からなるクリーニングブレードによって前記
残留トナーを掻き落とすようなものが、その構成が簡単
でコンパクトで低コストであり、しかもトナー除去機能
もすぐれているのでひろく実用化されている。クリーニ
ングブレードのゴム材料としては、高硬度でしかも弾性
に富み、耐摩耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性、
に卓越しているウレタンゴムが一般的に使われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような回転現像器を用いた1ドラム方式フルカラープ
リンターにアモルファスシリコン感光体を搭載する場合
では、いくつかの問題点が指摘される。
【0013】第一に、フィルミングの発生が挙げられ
る。アモルファスシリコン感光体は表面抵抗が低抵抗化
しやすい。この現象に対しては前述したように、磁気ブ
ラシを形成し、これを像担持体表面に接触させて磁性ト
ナーを再供給し、ブレード部位におけるトナー粒による
研磨作用によって前述のような各種異物を摺擦除去する
ことが効果的である。しかしながら、フルカラー用のト
ナーは一般的に非磁性体であるため、このように構成し
た装置は磁性トナーにおいては有効な手段であったが、
非磁性トナーの場合には効果が低い。
【0014】上記感光体表面の低抵抗化を発生させる要
因としては、トナー、転写材として殆どの場合利用され
ている紙から発生する微細な紙粉、これから析出する有
機質成分、装置内高圧部材から高エネルギーでのコロナ
放電時、様々な金属酸化物、及び酸素化合物の発生と共
に空気中の窒素が酸化され硝酸イオンとなる成分など
が、像担持体表面に付着することにより感光体表面に薄
膜(以下「フィルミング膜」と称す)を耐久により形成
し、高湿環境化において吸湿し低抵抗化し鮮明な静電潜
像の形成を妨げ、これが画像流れ等の画質の劣化の招来
する要因となっている。
【0015】前記耐久によるフィルミング膜を除去する
ためには、感光体表面に対する摺擦能力を向上させる必
要があった。しかし、例えば摺擦手段として弾性ロール
を感光体表面に対して周速差をつけて当接させて摺擦さ
せた場合、局所的に感光体表面にトナー付着してしま
う。局所的に弾性ロール表面にトナー融着が発生し、そ
の部分が感光体表面を削ってしまい、ムラ削れとなり画
像不良となってしまう。
【0016】上記の問題を回避しようとした場合、感光
体表面の弾性ロールによる摺擦性をさらに上げなければ
ならなくなり、アモルファスシリコンといえども摩耗量
が増大してしまい信頼性が低下してしまう。かつ上記の
ような設定では、弾性ロール自体も摩耗量が増大してし
まい信頼性が低下してしまうという問題がある。
【0017】前記耐久によるフィルミング膜層は、我々
の実験では光学的手法により約30〜80Åであること
が確かめられている。しかし、今回の我々の実験におい
て耐久初期において、反射分光式干渉計(大塚電子
(株)製MCDP2000)にて測定したところフィル
ミング層が確認できた。前記フィルミング層は、約30
〜80Åに達し、それ以後は膜厚の変化は殆どないが耐
久が進行するに連れて、初期は乾拭き、水拭き、アルコ
ール拭きで画像劣化が解消されていたものが、解消され
なくなることが判明した。
【0018】凝着摩耗が繰り返し行われ、このような状
態で耐久が進んだドラム表面は、0.3μm〜2μm程
度の酸化セリウム(CeO2)などの砥粒をアルコール
などに分散させたもので研磨しなければ画像劣化が解消
されないことが判明した。このことは特にドラムヒータ
を装着しない場合に顕著に発生する。
【0019】さらに我々は鋭意検討を進めて、様々な表
面形状の初期の感光体と耐久後の感光体表面をAFM
(原子間力顕微鏡:Digital Instrume
nts社製NanoScopeIIIa Dimensi
on 3000/走査モードタッピングモード/走査範
囲20μm×20μm 探針 Siカンチレバー)にて
測定した。耐久後の感光体表面は、初期に比べて摩耗に
よりほとんど平滑になっているように見えた。耐久後の
感光体表面を、5%ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na
228)水溶液中で加熱(70℃〜80℃、30分)
し、アセトン中で超音波洗浄(約1分)し、エタノール
/純水でリンスした。そうしたところ、特に感光体表面
の凹部のフィルミング量が多かった。
【0020】第二に、フィルミングによる摩擦力の上昇
が挙げられる。耐久によりクリーニングブレードによる
転写残トナーとドラム間の摩擦力が上がっていることが
今回の我々の実験で新たに発見された。これは、耐久に
より形成されたフィルミング膜が、クリーニングブレー
ドとドラム表面、転写残トナーとドラム表面の密着度、
親和性を上昇させ、転写残トナーとドラムとの間におけ
る摩擦力を上昇させている。
【0021】摩擦力の上昇は、クリーニングブレードの
せん断応力、トナー間のせん断応力、ドラム表面近傍の
せん断応力が上昇することと考えられる。その結果クリ
ーニングブレードのチッピング(局所的なエッジ欠
け)、永久ひずみせん断応力の増大による発熱量の増大
によるトナー融着の発生、ドラム内部応力増大による疲
労摩耗の増大の発生につながっていると考えられる。
【0022】第三に、連続稼働時間の増加に伴うトナー
融着が挙げられる。近年、画像形成装置は、上述のよう
に複写機のみの機能としてではなく、プリンターとして
も広く使用されるようになってきている。また、フィー
ダ機能、ソータ機能といったアプリケーションの充実も
進み、一度のジョブが4000枚以上の連続動作が可能
となってきている。例えば、50枚/A4機の場合簡単
に試算しても80分以上連続動作が行われることにな
る。このような状況下では、感光体近傍の雰囲気温度は
50℃近くまで達し、クリーニングブレードと感光体と
の当接(ニップ)部では、それ以上の温度に達している
と考えられる。そのため感光体上にトナー融着が発生す
る頻度が多くなってしまった。
【0023】第四に、二成分現像剤を用いる場合では適
当な防護手段が取り得ないことが挙げられる。フルカラ
ー用のトナーは一般的に非磁性体であり、従来白黒機で
多用してきた磁気ブラシクリーニング法をフルカラープ
リンターに適用した場合では、磁性キャリアを予めクリ
ーナーユニット内に保持しておく必要があり、信頼性、
耐久性ともに問題が生じてしまう。
【0024】第五に、球形トナーの使用が挙げられる。
近年重合トナーが、転写効率向上、定着の離型材レスと
いうことで、多用化されつつある。しかしながら、重合
法で製造されたトナーは一般的に真球度が高い。真球度
が上がれば、従来一般的に使用されているカウンターブ
レード方式では、トナーのすり抜けが多い。また、重合
トナーは、転写効率も97%以上は維持可能であり、ク
リーニングブレードと感光ドラム間に潤滑機能を発揮出
来るトナーも存在確率が大変小さくなる。これらの要因
により、上記のようなフィルミング膜が形成されてくる
と、クリーニングブレードに局所的なせん断力がかかり
エッジ欠けを生じてしまう。
【0025】ところが、今回の本発明にあたって我々が
鋭意検討したところ、表面硬度が高く、表面の平滑なa
−Si感光体においては、真球度の高い重合法で製造さ
れたトナーは、表面硬度が比較的低く表面が傷つきやす
いOPC感光体に比べて、格段にクリーニング性がよい
ことがわかった。ただし、前述のようにフィルミング膜
が形成されてくると、クリーニングブレードに局所的な
せん断力がかかりエッジ欠けを生じてしまうことが判明
した。
【0026】本発明は、このような問題に対処するべく
なされたものであって、非磁性トナーを用いても画像流
れやトナー融着を発生させない感光体の表面状態を維持
し、信頼性が大きく向上され、かつプロダクテビィティ
ーが画期的に飛躍しても対応可能な画像形成装置を提供
することを目的とするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための手段として、感光体と、この感光体の外表
面に電荷を付与する帯電手段と、帯電した感光体に光を
照射して形成すべき画像に応じた静電潜像を感光体に形
成する露光手段と、静電潜像が形成された感光体に現像
剤を供給してトナー像を形成する現像手段と、感光体に
形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、転
写後の感光体上に残留するトナーを除去するクリーニン
グ手段とを有し、現像剤には非磁性トナー粒子及び磁性
キャリアを少なくとも含む二成分現像剤が用いられる電
子写真方式の画像形成装置において、感光体は、表面の
ビッカース硬度が500Kg/m2以上であり、現像手
段は、感光体に対してカウンター方向に回転自在であり
磁力によって二成分現像剤を担持して磁気ブラシを形成
する現像スリーブを有し、現像スリーブに形成される磁
気ブラシが感光体表面を摺擦可能な位置に配置される現
像手段であり、非磁性トナー粒子は略球形形状であるこ
とを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0028】本発明の画像形成装置は、現像手段を複数
有することが、フルカラー画像形成装置を形成する観点
から好ましい。
【0029】また、本発明の画像形成装置は、クリーニ
ング後における感光体に残留する静電潜像を除去する除
電手段を有することが、より高画質の画像を形成する上
で好ましい。
【0030】また、本発明の画像形成装置は、感光体は
ドラム状の回転自在な感光体であり、現像スリーブに形
成された磁気ブラシによる感光体表面研磨速度が、感光
体1000回転当たり0.001〜10nmであること
が、高画質画像の形成及び耐久性の向上の観点から好ま
しい。
【0031】また、本発明の画像形成装置は、高画質画
像の形成、耐久性、及びクリーニング性の観点から、感
光体が非晶質シリコン系感光体であることが好ましく、
少なくとも前記感光体の表面が水素化アモルファスカー
ボンで形成されていることがより好ましい。
【0032】また、本発明で用いられる前記非磁性トナ
ー粒子は、転写効率の向上の観点から、非磁性トナー粒
子は、形状係数SF−1が100〜140、SF−2が
100〜120であることが好ましく、さらに解像度の
向上の観点から、非磁性トナー粒子は、重量平均粒径が
6〜10μmであることがより好ましく、さらに生産性
等の観点から、非磁性トナー粒子は、重合法によって製
造された重合トナーであることがより一層好ましい。
【0033】また、本発明で用いられる二成分現像剤
は、クリーニング性の向上の観点から、二成分現像剤
は、前記感光体の表面のモース硬度以上のモース硬度を
有する研磨粒子を含むことが好ましく、研磨粒子は、非
磁性トナー粒子に対して0.01〜5.0重量%含まれ
ることがより好ましく、研磨粒子は、平均粒径が0.5
〜3.0μmであることがより一層好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成装置は、感光
体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリ
ーニング手段を有し、非磁性トナー粒子及び磁性キャリ
アを少なくとも含む二成分現像剤を用いる電子写真方式
の画像形成装置であって、クリーニング手段によるクリ
ーニング前に感光体を磁気ブラシで摺擦することにより
前記フィルミングの発生を防止する。そして本発明の画
像形成装置は、感光体を磁気ブラシで摺擦する具体的な
手段として、現像手段で形成される磁気ブラシによる感
光体表面を摺擦を行う。以下、本発明の画像形成装置に
ついてより詳細に説明する。
【0035】前記感光体は、表面のビッカース硬度が5
00Kg/m2以上あることを特徴とする。このような
硬質の表面を有する感光体としては、一般に、アルミニ
ウムやステンレス等の導電性基体と、導電性基体上に形
成される感光層とを有するドラム状の回転自在な感光体
が用いられる。
【0036】ビッカース硬度とは、対面角136°の正
四角錐のダイヤモンド圧子を一定の試験荷重で試料の試
験面に押し込み、生じた永久くぼみの大きさから測定さ
れる試料の硬さであり、用いた試験荷重を永久くぼみの
表面積で除した値で示される。本発明では、JIS B
7774に規定される試験方法によって感光体表面のビ
ッカース硬度を測定する。
【0037】感光体表面のビッカース硬度が500kg
/m2よりも小さいと感光体表面が傷つきやすくなり、
クリーニング不良によるトナー融着等を引き起こし、画
像不良が発生しやすくなる。ビッカース硬度が500k
g/m2の表面を有する感光体は、上記硬度を達成する
表面層または保護層を前記感光層の最表面に形成するこ
とにより形成することができるが、本発明では感光体と
して非晶質シリコン系感光体(a−Si系感光体)を用
いることが、感光体の硬度を確保する上で好ましい。
【0038】非晶質シリコン系感光体は、シリコン原子
を母体とする非単結晶材料(a−Si)によって形成さ
れる感光層を有する感光体である。a−Siには、水素
原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、ホウ素等の
周期表第3B族に分類される原子、及び窒素等の周期表
第5Bに分類される原子など、他の原子が含まれていて
も良い。また、上記感光層は、機能の異なる複数の層の
積層によって構成されることが好ましい。このような複
数の層としては、下部阻止層、電荷輸送層や電荷発生層
等で構成される光導電層、バッファ層及び表面層等を例
示することができる。
【0039】前記非晶質シリコン系感光体は、その最表
面に水素化アモルファスカーボンで形成される表面層を
有することが、感光体表面の硬度の向上及び感光体表面
の潤滑性の向上等の観点からより好ましい。水素化アモ
ルファスカーボンは、炭素原子を母体とする非単結晶材
料に水素原子が含まれているもの(a−C:H)であ
り、前述したa−Siと同様の他の原子を含むものであ
っても良い。なお、a−C:Hとは、グラファイトとダ
イヤモンドとの中間的な性質を有するアモルファス状の
炭素を主に表すが、a−C:Hには微結晶や多結晶を部
分的に含んでいても良い。
【0040】上記の表面層を含む非晶質シリコン系感光
体は、従来より知られている方法で製造することがで
き、このような製造方法としては、例えば、導電性基体
を系内に設置し、前述した原子を含む原子供給ガス(原
料ガス)を系内に導入し、系内でプラズマを発生させて
原料ガスを分解し、原子を導電性基体に堆積させる製造
方法(例えばプラズマCVD法等)を例示することがで
きる。形成される感光層(表面層を含む)の膜厚や強度
は、原料ガスの濃度や放電に用いる高周波電力等により
調整することができる。原料ガスは、水素や希ガス(不
活性ガス)によって希釈して用いても良い。
【0041】前記帯電手段は、前記感光体の外表面に電
荷を付与する手段である。帯電手段としては、従来より
知られている種々の帯電手段を用いることができ、この
ような帯電手段としては、例えば、コロナ放電により感
光体を帯電させるコロナ放電帯電装置や、導電性ローラ
部材により接触または非接触の状態で感光体を帯電させ
るローラ帯電装置や、導電性ブラシにより接触した状態
で感光体を帯電させる導電性ブラシ帯電装置や、磁力に
より磁気ブラシをローラ上に形成し磁気ブラシを接触さ
せた状態で感光体を帯電させる磁気ブラシ帯電装置等を
例示することができる。
【0042】前記露光手段は、帯電した感光体に光を照
射して形成すべき画像に応じた静電潜像を感光体に形成
する手段である。露光手段としては、従来より知られて
いる種々の露光手段を用いることができ、このような露
光手段としては、例えば、He−Neレーザー等のガス
レーザーや、半導体レーザー、LED、及びLCD等を
例示することができる。
【0043】前記現像手段は、磁力によって二成分現像
剤を担持して磁気ブラシを形成し感光体に対してカウン
ター方向に回転自在な現像スリーブを有し、前記現像ス
リーブに形成される磁気ブラシが感光体表面を摺擦可能
な位置に配置されるものである。一般に二成分現像剤は
フルカラー画像形成装置に用いられるが、本発明では上
記現像手段を複数有する構成とすると、フルカラー画像
を形成することが可能となる。
【0044】前記現像手段は、前記現像スリーブのほか
に、現像剤を収容する現像容器、現像スリーブに担持さ
れる現像剤を規制する現像剤規制部材、現像容器内に収
容されている現像剤を攪拌する攪拌部材、非磁性トナー
粒子を補給する補給手段等を有する構成とすることがで
きる。
【0045】現像手段を複数有する場合では、本発明の
画像形成装置は、一体の感光体に対して一体の現像手段
が配置され、これらの組が複数設けられる構成であって
も良い。このような構成としては、例えば感光体、帯電
手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニン
グ手段を有する画像形成ユニットを複数併設し、これら
のユニットの転写手段を転写材が順次搬送されてトナー
像の転写を受ける構成を例示することができる。
【0046】また、現像手段を複数有する場合では、本
発明の画像形成装置は、一体の感光体に対して複数の現
像手段が前記摺擦可能な位置に配置される構成であって
も良い。このような構成としては、例えば感光体と、複
数の現像手段を有するドラム状の回転自在な現像ユニッ
トとを設け、現像ユニットは回転によって現像手段を前
記摺擦位置へ配置する構成を例示することができる。
【0047】前記現像スリーブは、磁力によって二成分
現像剤を担持して磁気ブラシを形成するものであれば特
に限定されず、従来より知られている種々の構成を採用
することができる。このような現像スリーブとしては、
例えば、アルミニウムやステンレス等で形成された非磁
性かつ導電性の回転スリーブと、複数の磁極を有し回転
スリーブの内側に固定される磁石等の磁界発生手段とを
有する構成を例示することができる。
【0048】前記現像スリーブは、感光体に対してカウ
ンター方向に回転し、磁気ブラシで感光体表面を摺擦す
る。このとき感光体表面研磨速度が、感光体1000回
転当たり0.001〜1.0nmであることが好まし
い。感光体表面研磨速度が上記範囲よりも小さいとフィ
ルミングの発生を十分に防止することが困難であり、感
光体表面研磨速度が上記範囲よりも大きいと感光体の表
面が傷つけられ、感光体の寿命が短くなり、また傷の発
生に伴うトナー融着が発生することがあり好ましくな
い。
【0049】感光体表面研磨速度を上記範囲にするため
には、感光体表面の硬度や後述する磁性キャリア及び研
磨粒子の物性等により異なるが、感光体に対する現像ス
リーブの回転負荷トルクが0.02〜0.06N・mであ
ることが好ましい。摺擦時における現像スリーブの回転
負荷トルクが上記範囲にある場合では、感光体表面研磨
速度が上記の好適な範囲に制御されているとみなすこと
ができる。
【0050】なお、感光体1000回転当たりの感光体
表面研磨速度は、所定回転回数後において感光体の磨耗
量を測定し、磨耗量を所定回転回数で除し、これに10
00をかけることにより求めることができる。前記研磨
深さは、反射分光式干渉計(例えば、大塚電子(株)製
MCDP2000)にて測定することができる。
【0051】前記転写手段は、感光体に形成されたトナ
ー像を転写材に転写する手段である。転写手段として
は、従来より知られている種々の転写手段を用いること
ができ、静電転写方式の転写手段がより好ましく用いる
ことができる。このような転写手段としては、例えばコ
ロナ転写装置やバイアスローラ転写装置等を例示するこ
とができる。
【0052】また、前記転写手段は、感光体から転写材
へトナー像を直接転写する手段に限定されず、本発明で
は、中間転写手段を介して感光体から転写材へトナー像
を転写する転写手段も好適に用いられる。このような転
写手段としては、例えば感光体に接触配置され感光体の
トナー像が転写される中間転写手段と、中間転写手段に
接触配置され中間転写手段のトナー像を転写材に転写す
る二次転写手段とを有する構成を例示することができ
る。なお、中間転写手段としては、ローラ状転写手段や
ベルト状転写手段等を例示することができる。
【0053】複数の現像手段を有し、かつ前述した中間
転写手段を用いる場合では、現像手段が形成するトナー
像の一つ一つの転写を中間転写手段に受け、その都度二
次転写手段により転写材へ転写する構成としても良い
し、現像手段が形成するトナー像が全て重なるように感
光体からの転写を中間転写手段に受け、トナー像を一括
して二次転写手段により転写材に転写する構成としても
良い。
【0054】前述した静電転写方式の転写手段は、適当
な表面抵抗値や体積抵抗値を有する部材等によって構成
されることが好ましい。上記抵抗値を有する部材として
は、例えばカーボンブラック等の導電性微粉体を含有す
る樹脂体等を例示することができ、導電性微粉体の種類
や含有量等によって上記抵抗値を調整することができ
る。樹脂体としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、
EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等また
はこれらの発砲体を好ましくは例示することができる。
【0055】また、転写手段は、転写されたトナーの離
型性を向上させるために、離型性に富んだ材料で転写手
段の表層を形成することも好ましい。このような材料と
しては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)、パーフロロアル
コキシ樹脂(PFA)等のフッ素樹脂を例示することが
できる。
【0056】前記クリーニング手段は、転写後の感光体
上に残留するトナーを除去する手段である。クリーニン
グ手段としては、従来より知られている種々のクリーニ
ング手段を用いることができるが、ウレタン等で成形さ
れ感光体に当接する弾性ブレード(クリーニングブレー
ド)を有するクリーニング手段が好ましい。
【0057】クリーニングブレードは、適度な硬度を有
することが感光体を傷つけずにトナーを除去する上で好
ましい。またクリーニングブレードは、適度な反発弾性
を有することがトナーのすり抜けを防止し、かつ感光体
との摩擦で生じる微振動を吸収する上で好ましい。また
クリーニングブレードは、適度なモジュラスを有するこ
とが耐摩耗性による長寿命化の観点から好ましい。クリ
ーニングブレードに関わるこれらの物性は、JISで規
定される測定方法により測定される。
【0058】本発明の画像形成装置は、クリーニング後
における感光体に残留する静電潜像を除去する除電手段
を有することが好ましい。除電手段としては、従来より
知られている種々の除電手段を用いることができ、例え
ばクリーニング後の感光体に光を照射することにより残
留静電潜像を打ち消す手段として、ガスレーザー、半導
体レーザー、LED、及びLCD等を例示することがで
きる。
【0059】本発明の画像形成装置には、前述した手段
等のほかにも、転写材上の未定着トナー像を定着させる
定着手段や、転写手段に付着、残留するトナーや紙粉を
除去するための転写クリーニング手段等を必要に応じて
設けることができる。
【0060】次に、本発明の画像形成装置に用いられる
二成分現像剤について説明する。本発明で用いられる二
成分現像剤は、非磁性トナー粒子及び磁性キャリアを少
なくとも含み、非磁性トナー粒子は略球形形状であるこ
とを特徴とする。
【0061】本発明では、電子顕微鏡による観察等によ
っても前記磁性トナー粒子の形状を確認することもでき
るが、非磁性トナー粒子は、形状係数SF−1が100
〜140、SF−2が100〜120である略球形のト
ナー粒子であることが、高転写効率を維持するためには
好ましい。上記範囲の形状係数であるトナー粒子を用い
ることで、一次転写効率95%以上を常に確保可能とな
る。
【0062】上記SF−1及びSF−2は、非磁性トナ
ー粒子の画像(電子顕微鏡写真等)におけるトナー粒子
の投影面積、トナー粒子の絶対最大長、及びトナー粒子
の周長を用いて下式により定義される。
【数1】
【0063】形状係数SF−1及びSF−2は、非磁性
トナー粒子の画像を得、画像中の適当数のトナー粒子を
サンプリングし、サンプリングしたトナー粒子画像を解
析し、得られた数値を上記式に代入、算出することによ
り求められる。より具体的には、形状係数SF−1及び
SF−2は、(株)日立製作所の走査型電子顕微鏡FE
−SEM(S−800)を用い、100個のトナー粒子
を無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフ
ェースを介してニレコ(株)製の画像解析装置(Luz
ex3)に導入して解析を行い、上記式により算出する
ことにより求められる。
【0064】前記非磁性トナー粒子は、重量平均粒径が
6〜10μmであることが、良好な画像を形成する上で
好ましい。重量平均粒径が上記範囲よりも大きいと解像
性が悪くなり、鮮明で高画質の画像を形成できなくなる
ことがある。また、重量平均粒径が上記範囲よりも小さ
いと静電力よりも付着力や凝集力が強くなり、種々のト
ラブルの原因となることがある。
【0065】非磁性トナー粒子の重量平均粒径は、ふる
い分け法、沈降法、光子相関法等の種々の方法によって
測定することができるが、本発明では、測定装置として
コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、
特級又は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶
液を調製(例えば、コールターサイエンティフイックジ
ャパン社製のISOTON−IIを使用)し、前記電解
水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1
〜5mL加え、更に測定試料であるトナーを2〜20m
g加え、試料を懸濁した電解液を超音波分散機で約1〜
3分間分散処理し、100μmアパーチャーを用いてト
ナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算
出し、本発明に係わる重量平均粒径を該体積分布から求
める(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値と
する)ことにより非磁性トナー粒子の重量平均粒径を測
定することができる。
【0066】前記非磁性トナー粒子は、従来より知られ
ている製法によって製造することができる。前記非磁性
トナー粒子は、構成材料を加熱溶融により均一化し、こ
れを冷却固化し、これを粉砕することによりトナー粒子
を製造する粉砕法によっても製造することができるが、
この粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形である
ため、略球形形状とするには機械的、熱的または何らか
の特殊な処理を行うことが必要であり、前述した範囲の
重量平均粒径とするには球形化処理後のトナー粒子を分
級することが必要となる。そこで、本発明では、前述し
た非磁性トナー粒子の好ましい製造法として重合法を採
用することが好ましい。
【0067】重合トナーの製造法としては種々の製造方
法が知られており、例えば乳化重合法、ソープフリー乳
化重合法、二段階膨潤重合法、分散重合法、及び懸濁重
合法等を例示することができる。本発明において、重合
反応の一段で所望の粒子径を有するトナー粒子を製造し
ようとする場合では、二段階膨潤重合法、分散重合法、
及び懸濁重合法が優れており、工程の簡略性及び製造品
の品質等の観点から懸濁重合法がより優れている。
【0068】懸濁重合法は、本発明に用いられる非磁性
トナー粒子を製造するのに適した製造方法である。懸濁
重合法とは、適当な分散安定剤を含む水系分散媒中に、
トナー粒子を構成する油性の材料を投入して水系分散媒
中に単量体系の液滴粒子を形成し、この状態で単量体系
を重合させてトナー粒子を製造する方法である。単量体
系にはトナー粒子を構成する材料には、例えば、重合性
単量体、着色剤、及び必要に応じて重合開始剤、架橋
剤、離型剤、可塑剤、荷電制御剤、及び他の添加剤が含
まれる。
【0069】懸濁時においては、高速攪拌機または超音
波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のト
ナー粒子径とすることが、得られるトナー粒子の粒度分
布をシャープにする上で好ましい。重合開始剤は、他の
添加剤と同時に単量体系に加えても良いし、液滴粒子造
粒前または液滴粒子造粒後に単量体系または水系分散媒
中に加えても良く、この場合、重合開始剤を単量体系ま
たは適当な溶媒に溶解させて加えることもできる。
【0070】単量体系の重合によって造粒がなされた後
は、通常の攪拌機を用い、粒子状態が維持され、かつ粒
子の浮遊や沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。
【0071】なお、重合が終わったら、公知の方法によ
りろ過、洗浄、及び乾燥を行うことにより、非磁性トナ
ー粒子を得ることができる。また、製造工程に分級工程
を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、上記非磁性ト
ナー粒子を製造する上での好ましい形態の一つである。
また分級工程では、得られたトナー粒子を所定の粒径に
分類でき、粒径の異なるトナー粒子を混合し、所望の粒
度分布を有するトナー粒子を調整することもできる。
【0072】前記重合性単量体には、従来より知られて
いる種々の重合性単量体を用いることができる。このよ
うな重合性単量体としては、例えば、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−
tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレ
ン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレ
ン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,
4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニト
ロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体;
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエ
チレン及び不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソ
プレン等の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビ
ニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸
ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル等のα−メチレン脂
肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアク
リル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸ハーフエス
テル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプ
ロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナ
フタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸誘導
体;アクロレイン類などが挙げられ、これらの中から1
種または2種以上が用いられる。
【0073】前記着色剤には、従来より知られている種
々の着色剤を用いることができ、フルカラー画像を形成
する場合では、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラ
ックの色素や顔料等を用いることができる。
【0074】イエロー用の着色剤としては、例えば、
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、
7、10、11、12、13、14、15、16、1
7、23、65、73、83;C.I.バットイエロー
1、3、20等を例示することができる。
【0075】シアン用の着色剤としては、例えば、C.
I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.
I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、又
はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5
個置換した構造を有する銅フタロシアニン顔料等を例示
することができる。
【0076】マゼンタ用の着色剤としては、例えば、
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、21、22、23、30、3
1、32、37、38、39、40、41、48、4
9、50、51、52、53、54、55、57、5
8、60、63、64、68、81、83、88、8
9、90、112、114、122、123、163、
202、206、207、209;C.I.ピグメント
バイオレット19;C.I.バットレッド1、2、1
0、13、15、23、29、35等のマゼンタ用顔料
や、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、2
4、25、27、30、49、81、82、83、8
4、100、109、121;C.I.ディスパースレ
ッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、1
4、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1
等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、
12、13、14、15、17、18、22、23、2
4、27、29、32、34、35、36、37、3
8、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、
3、7、10、14、15、21、25、26、27、
28等の塩基性染料を例示することができる。
【0077】ブラック用の着色剤としては、例えばカー
ボンブラック等を例示することができる。
【0078】前記重合開始剤には、従来より知られてい
る種々の重合開始剤を用いることができる。このような
重合開始剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、2,2'
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタ
レート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキシル)ブロパン、ジ−t−ブチルパーオ
キシ−α−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオ
キシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキ
シアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビ
ス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブ
チルパーオキシトリメチルアジペート、トリアジン、ト
リス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリ
ス(t−ブチルパーオキシ)シラン、クミンパービバレ
ート、ジクミルパーオキサイド、アゾビス−イソブチロ
ニトリル及びジメチルアゾイソブチレート等を例示する
ことができる。
【0079】前記架橋剤には、従来より知られている種
々の架橋剤を用いることができる。このような架橋剤と
しては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ
ン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プ
ロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレン
グリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコール#200、#400、
#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコール
ジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレ
ート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本
化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに代
えたもの等を例示することができる。
【0080】前記離型剤及び可塑剤には、ワックス類が
用いられる。一般に離型剤には融点が高く重合性単量体
に対する溶解性に低いものが好ましくは選ばれる。また
可塑剤には融点が低く重合性単量体に対する溶解性の高
いものが好ましくは選ばれる。融点についてはガラス転
移点を測定することにより判断でき、重合性単量体に対
する溶解性については重合性単量体中に分散したときの
分散状態(例えば白濁の有無等)によって判断すること
ができる。
【0081】離型剤や可塑剤として用いられるワックス
類としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導
体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリス
タリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシ
ュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及
びその誘導体などで、誘導体には酸化物やビニル系モノ
マーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。ポ
リオレフィンワックスとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテ
ン、ノネン、デセンのような直鎖α−オレフィン及び分
岐α−オレフィンの単重合体や共重合体、アルコール、
脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及
びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物
系ワックス、ペトロラクタム等を例示することができ
る。
【0082】前記荷電制御剤には、従来より知られてい
る種々の負帯電性及び正帯電性の荷電制御剤を用いるこ
とができる。トナー粒子を負帯電性に制御する荷電制御
剤としては、例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン
金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダ
イカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカル
ボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩
や無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール
誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含
金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、四級アンモニ
ウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン
−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合
体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメ
タルカルボン酸型化合物等を例示することができる。
【0083】トナー粒子を正帯電性に制御する荷電制御
剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等に
よる変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、
トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4
−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテ
トラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこ
れらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及び
これらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれ
らのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステ
ン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン
酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン
化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジ
ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジ
シクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキ
サイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレー
ト、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズ
ボレート類;これらを単独でまたは二種類以上組み合わ
せて用いることができる。
【0084】前記他の添加物は特に限定されないが、他
の添加物としては、例えばトナー粒子の物性を制御する
ために、種々の中から選ばれる樹脂化合物を例示するこ
とができ、より具体的には、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹
脂などの非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと前記結着
樹脂との混合物等を例示することができる。
【0085】前記水系分散媒とは水を主要成分としてい
る媒体である。具体的には、水系分散媒として水そのも
の、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH調
整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したもの等が
挙げられる。界面活性剤としては、例えばポリビニルア
ルコールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。p
H調整剤としては、塩酸の如き無機酸が挙げられる。
【0086】前記分散安定剤は、水系分散媒中で良好な
造粒を実現するために用いられ、分散安定剤には従来よ
り知られている種々の分散安定剤を用いることができ
る。このような分散安定剤としては、例えばリン酸三カ
ルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、
リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等の無機化合
物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロール、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、
ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等の有機化合物、
ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナ
トリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸
ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリ
ウム、ステアリン酸カリウム等、オレイン酸カルシウム
等の界面活性剤などを例示することができる。
【0087】また、本発明で用いられる非磁性トナー粒
子は、比重が1.3g/cm3以下であることが好まし
い。トナー粒子の比重が1.4g/cm3を大きく上回
るとトナー粒子にかかるシェアが大きくなり、トナー粒
子の劣化という観点から好ましくない。なおトナー粒子
の比重は、用いる材料の種類(比重)及び配合量等によ
り調整することができ、例えば、島津製作所のアキュピ
ック1330等の測定装置を用いるなど、種々の測定方
法によって測定することができる。
【0088】また、本発明で用いられる非磁性トナー粒
子は、単位重量当たりの平均電荷量が10〜45μc/
gであることが好ましい。トナー粒子の平均電荷量が上
記範囲よりも小さいと、画像上での飛び散り、転写条件
上における転写効率の低下等を生じることがあり、トナ
ー粒子の平均電荷量が上記範囲よりも大きいと、クリー
ニングブレード部でのトナーと感光体の付着力が大きく
なりクリーニング不良の発生や、転写効率の低下等を生
じることがある。なお、トナー粒子の平均電荷量は、例
えば、吸引ファラデーゲージ等の測定装置を用いるな
ど、種々の測定方法によって測定することができる。
【0089】本発明で用いられる二成分現像剤には、前
述した非磁性トナー粒子のほかに少なくとも磁性キャリ
アが含まれる。磁性キャリアは、非磁性トナーを担持し
て前記現像スリーブ上で磁気ブラシを形成するものであ
れば特に限定されず、従来より知られている種々の磁性
キャリアを用いることができる。
【0090】前記磁性キャリアは、所望の粒径に調整さ
れた磁性体であっても良いが、本発明では、樹脂中に磁
性体を分散させた磁性体分散型磁性キャリアを好ましく
は用いることができる。磁性体分散型キャリアは、磁力
や電気抵抗、粒径等の調整が自在にでき、比重を小さく
することができ、さらに材料の選択や構成比の調整によ
り幅広い特性を得ることができることから、高画質用キ
ャリアに適していると言える。
【0091】前記磁性体分散型キャリアは、前述した重
合法に準じて製造することができ、樹脂としては前述し
た重合性単量体の重合により形成される樹脂、及び前記
他の添加剤として記載された樹脂化合物との混合物及び
共重合体等を例示することができる。また必要に応じ
て、前記非磁性トナー粒子において前述した種々の材料
を用いることができる。
【0092】磁性キャリアには磁性体が含まれる。この
ような磁性体としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性金属、フェライト、マグネタイト、ヘマタイ
ト等のように、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示
す元素を含む合金または化合物などが挙げられる。な
お、上記磁性体は、一種類のみを使用しても良いし、二
種類以上を併用しても良い。また磁性体はシリコーンオ
イル等によって表面処理されたものであっても良い。
【0093】前記磁性体分散型キャリアの平均粒径は、
10〜60μmの範囲であることが好ましい。平均粒径
が10μmより小さいとキャリアが感光体へ付着し易く
なり、感光体に傷等が発生し、画像劣化の原因となるこ
とがある。また、平均粒径が60μmを超えると、現像
手段内において現像剤にかかるシェアが大きくなり、現
像剤の劣化、特にトナー粒子の外添剤の剥離や形状変化
を引き起こし、画像劣化の原因となることがある。更に
また、粒径が大きいと比表面積的に小さくなるため、現
像剤として構成する上で保持できるトナー量が少なくな
り、精細性を欠いた画像が形成されやすい。
【0094】前記磁性体分散型キャリアの比抵抗は10
7〜1015Ω・cmの範囲が好ましい。107Ω・cm未
満では、バイアス電圧を印加する現像方法では現像領域
においてスリーブから感光体表面へと電流がリークし、
良好な画像が得られないことがある。また、1015Ω・
cmを超えると、低湿のごとき条件下でチャージアップ
現象を引き起こし、画像濃度薄、転写不良、カブリなど
の画像劣化の原因となることがある。
【0095】前記磁性キャリアの平均粒径は、種々の測
定方法によって測定できるが、例えば、磁性キャリアを
電子顕微鏡写真として撮影し、撮影されたキャリアを所
定数抽出し、抽出されたキャリアの最大弦長の算術平均
を算出することによって求めることができる。また、磁
性キャリアの比抵抗は、種々の方法によって測定できる
が、いわゆる錠剤法によって測定することができる。す
なわち、測定対象である磁性キャリアを40φ(mm)
のアルミリングに入れ、2500Nで加圧成形し、抵抗
率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに三菱油
化製)にて4端子プローブを用いて比抵抗を測定する。
【0096】前記二成分現像剤は、前記感光体の表面の
モース硬度以上のモース硬度を有する研磨粒子を含むこ
とが、フィルミングの発生を防止する上で好ましい。研
磨粒子は、前記磁性体分散型キャリア中に分散されてい
ても良いが、外添剤として二成分現像剤に配合されるこ
とが好ましい。なお、モース硬度とは10種(または1
5種)の所定の鉱物で順次引っ掻き、傷が付けばその鉱
物よりも硬さが低いとして求められる硬度である。
【0097】前記研磨粒子は、非磁性トナー粒子に対し
て0.01〜5.0重量%含まれることが好ましい。研
磨粒子の配合量が上記範囲よりも小さいと十分なフィル
ミング防止効果が得られにくく、研磨粒子の配合量が上
記範囲よりも大きいと研磨効果の向上に比して画像形成
能が低下するおそれがある。
【0098】また研磨粒子は、平均粒径が0.5〜3.
0μmであることが好ましい。研磨粒子の平均粒径が上
記範囲よりも小さいと、クリーニングブレードエッジ部
に滞留しづらくなり、感光体表面の研磨効果が低減する
ことがあり、研磨粒子の平均粒径が上記範囲よりも大き
いと、画像上白ポチ等の不具合が生じることがある。な
お、研磨粒子の平均粒径は、種々の測定方法により測定
することができるが、前述した非磁性トナー粒子と同様
の方法により測定することができる。
【0099】前記研磨粒子としては、感光体表面のモー
ス硬度以上のモース硬度を有するものであれば特に限定
されないが、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン及び
これらを含む複酸化物等の無機材料を好ましくは例示す
ることができる。
【0100】本発明の画像形成装置は、図1に示すよう
な構成を一例として挙げることができ、前記二成分現像
剤を用いることにより、感光体に対してカウンター方向
に回転する現像スリーブ上に磁気ブラシが形成する。こ
の磁気ブラシは、現像時に感光体表面を摺擦し研磨す
る。この研磨により、フィルミングの原因となる紙粉や
コロナ生成物等の異物の固着が防止される。前記異物は
感光体表面へ固着することなくクリーニング手段に運ば
れ、そこで除去される。従って本発明の画像形成装置に
よれば、二成分現像剤を用いるフルカラー画像形成装置
においてもフィルミングの発生に起因する画質の低下を
防止することができ、高画質の画像を形成することが可
能となる。
【0101】また、前記磁気ブラシによる研磨は、他の
部材(例えば研磨ローラ)を用いる場合に比べて研磨作
用が局所に偏ることが少ないことから、感光体表面の劣
化も小さくすることができ、高画質の画像を安定して形
成することが可能となる。
【0102】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。ただし本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0103】(実施例1)図1は本実施例における画像
形成装置の全体説明図である。本実施例における画像形
成装置は、感光体2、帯電手段である帯電器1、露光手
段であるROS(潜像書込装置)13、現像手段である
四体の現像器31〜34を有する現像ロール4、転写手
段である中間転写ベルト40及び二次転写器48、クリ
ーニング手段であるクリーナ50、除電手段である前露
光装置3、定着器64、及び給排紙システム等を有す
る。
【0104】感光体2は、マイナス帯電のアモルファス
シリコン感光体で、直径80mm、厚さ約3mmのアル
ミニウムシリンダ上に、グロー放電等によって厚さ30
μmのアモルファスシリコン感光層を形成して構成され
ている。本実施例における感光体2の表層としては、S
iC:H(水素化アモルファス炭化ケイ素)を8000
Å積層したものを用いた。感光体2表面は、ビッカース
硬度が1,100kg/m2であり、モース硬度が9で
あった。
【0105】帯電器1は、コロナ放電式の帯電器であ
り、タングステン等で形成された放電ワイヤと、感光体
2に向けて開口する断面コの字型のケーシングとを有す
る。
【0106】ROS13は、読み取られた画像に応じて
レーザービームを発生するレーザー発生装置を有する。
レーザービームLの光路には、結像レンズやミラー等が
適宜配置されている。
【0107】画像読み取り手段は、原稿台ガラス10
と、原稿台ガラス10に向けて光を照射する光源11
と、原稿台ガラス10からの反射光を赤(R)、緑
(G)、青(B)の電気信号に変換するCCDと、CC
Dから入力される前記RGBの電気信号を受けて黒
(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)の画像データに変換し、変換した画像に応じた電
気信号をレーザー発生装置に出力するIPS(イメージ
プロセッシングシステム)とを有する。
【0108】現像器31は、Kの二成分現像剤を収容す
る現像容器37aと、現像容器37aの開口部に回転自
在に設けられた現像スリーブ35aと、現像スリーブ3
5a上に担持される現像剤を規制してスリーブ上に形成
される磁気ブラシの穂高を規制する規制ブレード36a
と、現像容器37a内の現像剤を攪拌するための回転ロ
ッドと、現像時に現像スリーブ35aに電圧を印加する
電源(図示せず)とを有する。現像スリーブ35a内に
は、複数の磁極を有する磁石体(図示せず)が固定され
ている。現像器32はYの現像剤が、現像器33にはM
の現像剤が、現像器34にはCの現像剤が収容されてい
るおり、収容される現像剤以外は現像器31と同様の構
成とされている。
【0109】現像器31〜34は、回転自在な現像ロー
ル4に設けられている。現像ロール4は回転軸30を有
し、静電潜像の色データに対応する現像器を現像時に現
像領域Bへ搬送するように回転するロールであり、ロー
タリ式の現像手段を構成している。この現像ロール4に
より、現像スリーブ35a〜35dは、少なくとも現像
時においては、感光体2に対し最近接領域が約400μ
mになるように配置され、現像スリーブ上の磁気ブラシ
が感光体2に対して接触する状態で静電潜像を現像でき
るように配置される。
【0110】感光体2表面の下方には、中間転写ベルト
40と、ベルト駆動ロール45、テンションロール4
3、アイドラロール46、47、二次転写用バックアッ
プロール44を含む複数のベルト支持ロールと、一次転
写ロール42と、図示はしていないが、それらを支持す
るベルトフレームと、転写前の中間転写ベルト40に付
着する残トナー等を除去するためのブレード式のベルト
クリーナ49とが設けられている。そして、中間転写ベ
ルト40は前記ベルト支持ロールにより回転移動可能に
支持されている。
【0111】中間転写ベルト40から離間した位置に
は、中間転写ベルトの非転写部に設けられるホームポジ
ションを検知する位置センサ41が設けられている。ま
た、中間転写ベルト40を介して二次転写用バックアッ
プロール44に対向する位置には、中間転写されたトナ
ー像を転写材である記録シートに転写するための二次転
写器48が設けられている。
【0112】中間転写ベルト40は、ポリイミド層およ
びシアノレジン層(高誘電率層)の二層構造である。こ
の中間転写ベルト40は次のようにして製造される。基
層のカーボンブラックを分散した熱硬化性シームレスベ
ルトは、カーボンブラックを宇部興産(株)耐熱皮膜用
ポリイミドワニスUに混ぜてミキサー等により混合す
る。この原液を円筒型に注入して加熱しつつ遠心成形す
る。半硬化した状態で脱型し、その後、脱型したベルト
を鉄芯に被せて400℃〜450℃に加熱して本硬化
(イミド化反応)し、表面抵抗率1012Ω/□、体積抵
抗率1010Ωcmの厚さ75μmのシームレスベルトを
得る。
【0113】一方中間転写ベルト40の支持ロールであ
り且つ二次転写ロール48の対向電極をなすバックアッ
プロール44の層構成は、単層または多層のいずれでも
よい。例えば、単層の場合は、シリコーンゴム、ウレタ
ンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマ
ー)等にカーボンブラック等の導電性微粉末が適量配合
されたロールで構成される。二層構造の場合のバックア
ップロール44は、体積抵抗率を適宜調節したシリコー
ンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレン
ジエンモノマー)等の発泡体で構成されるコア層と、そ
の外周面に導電性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、E
PDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等にカー
ボンブラック等の導電剤を配合してなるスキン層とで構
成される。バックアップロール44の体積抵抗率は、1
7Ω・cm〜109Ω・cmの範囲にあることが好まし
い。
【0114】なお、上記二次転写ロール48の層構成
は、特に限定されるものではないが、例えば、二層構造
の場合、コア層とその表面を被覆するコーティング層か
らなる。コア層は、導電性粉末を分散したシリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエ
ンモノマー)等またはこれらの発泡体で構成される。コ
ーティング層は、導電性粉末を分散してなるフッ素樹脂
系の材料で構成することが好ましい。フッ素樹脂として
は、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、パーフロロアルコキ
シ樹脂(PFA)等があげられる。二次転写ロール48
の体積抵抗率は、106〜109Ω・cmの範囲にあるこ
とが好ましい。
【0115】クリーナ50は、感光体2の表面に当接す
るクリーニングブレード52と、クリーニングブレード
52を保持し、ブレードによって除去されたトナー粒子
等を収容するクリーニング容器51とを有する。
【0116】クリーニングブレード52はウレタンを主
体とした弾性ブレードであり、硬度70゜(Hs)、反
発弾性率15(%)(40℃での反発弾性率25%)、
300%モジュラス200(kg/cm2)(いずれも
JIS規格による)のもので、当接角度24゜当接圧2
0(g/cm)にて感光体2に配設してある。クリーニ
ングブレード52は板厚2mmであり、背板としてSU
S板(板厚1.0mm)が配設されている。クリーニン
グブレードの自由長としては、3mmである。
【0117】前露光装置3は、660nmのピーク波長
を主体とした発光ダイオード(素子GaAlAs)であ
る。前露光装置3は、ピーク波長の1/2になる半値幅
は約25nmであり、露光量としては20μJ/cm2
である。前露光装置3から帯電器1までにおける感光体
2表面の移動時間は約50mm・secである。
【0118】定着器64は、加熱ロール46aと、この
加熱ロール46aに対向して配置される加圧ロール46
bとを有する。
【0119】前記給排紙システムは、記録シートSを収
容する給紙トレイ60と、トレイ内の記録シートを一枚
ずつトレイから取り出すためのピックアップロール61
と、二次転写器48へタイミングを合わせて記録シート
を搬送するレジロール対62と、二次転写を受けた記録
シートを定着器64に向けて搬送するシート搬送ベルト
63と、定着器64による画像の定着を受けた記録シー
トが搬送される記録シート排出トレイ65とを有する。
【0120】本実施例で用いられる二成分現像剤は、懸
濁重合法により作製した非磁性トナー粒子である重合ト
ナーと、重合法により作製した樹脂磁性キャリアと、研
磨粒子との混合物であり、前述した四色のそれぞれの着
色剤を用いて、四色のトナー粒子として作製された。得
られた現像剤のトナー粒子と磁性キャリアの和に対する
トナー粒子の重量比であるT/D比は8%であった。磁
性キャリアは、比抵抗が1013Ω・cmであった。又、
非磁性重合トナーは、形状係数SF−1が115、SF
−2が110である表面が滑らかな略球状のトナーであ
って、重量平均粒径が8μmであって、比重が1.05
g/cm3の単位質量当たりの平均電荷量が25μc/
gであった。また、研磨粒子は、アルミナであり、モー
ス硬度が9、平均粒径が1.2μm、非磁性トナー粒子
に対する添加量が1重量%であった。
【0121】尚、本実施例に係る画像形成装置における
最大画像幅はA4横にノビ対応長さを加えた約320m
mである。また、本実施例における感光体2の周速は3
00mm/secである。
【0122】図1において、原稿台ガラス10上に置か
れた原稿Gからの反射光は、露光光学系を介してCCD
12でR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換
される。IPS(イメージプロセッシングシステム)
は、CCD12から入力される前記R、G、Bの電気信
号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C
(シアン)の画像データに変換して一時的に記憶し、前
記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像デ
ータとして図示していないレーザー駆動回路に出力す
る。レーザー駆動回路は、入力された画像データに応じ
て図示していないレーザー駆動信号をROS13に出力
する。
【0123】感光体2は矢印Da方向に回転しており、
その表面は帯電器1により一様に帯電された後、潜像書
込位置AにおいてROS13のレーザービームL(主波
長655nm)により露光走査されて静電潜像が形成さ
れる。フルカラー画像を形成する場合は、K(黒)、Y
(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の四色の
画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像
の場合はK(黒)画像に対応した静電潜像のみが形成さ
れる。
【0124】感光体2表面へのレーザービームLによる
潜像書込は、中間転写ベルト40の非画像部に設けられ
たホームポジションをベルト位置センサ41が検知して
から所定の時間経時後に開始される。フルカラー画像の
場合は、各色を重ね合わせるので、位置センサ41がホ
ームポジションを検知してからレーザービームLによる
潜像書込開始までの時間は各色同一である。
【0125】前記静電潜像が形成された感光体2表面は
回転移動して現像領域B、一次転写領域Cを順次通過す
る。現像器31〜34は、現像ロール4の回転によって
現像位置へ搬送され、現像領域Bを通過する感光体2表
面上の静電潜像をトナー像にする。
【0126】ここで本実施例における二成分磁気ブラシ
法による現像工程について説明する。まず、現像スリー
ブ35aの回転に伴い前記磁石体のN2極で汲み上げら
れた現像剤は、S2極→N1極と搬送される過程におい
て、現像スリーブ35aに対して垂直に配置された規制
ブレード36aによって規制され、現像スリーブ36a
上に薄層形成される。ここで薄層形成された現像剤が、
現像主極S1極に搬送されてくると磁気力によって穂立
ちが形成され、現像スリーブ35a上に磁気キャリアに
よる磁気ブラシが形成される。
【0127】この穂状に形成された現像剤は、感光体2
の表面を摺擦する。このときトナー粒子は感光体2へ移
行して静電潜像を現像する。磁気ブラシを形成する磁性
キャリア、及び研磨粒子は積極的に感光体2へは移行せ
ず、現像スリーブ35a上に残留する。その後N3極、
N2極の反発磁界によって現像スリーブ35a上の現像
剤は、現像容器37a内に戻される。
【0128】現像スリーブ35aには図示しない電源か
ら直流電圧及び交流電圧が印加され、本実施例では、感
光体表面電位Vd−450v、Vl−50vに対して、
直流電圧として−300V、交流電圧としてVpp=1
500V、Vf=2000Hzが印加されている。一般
に二成分現像法においては交流電圧を印加すると現像効
率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生し
やすくなるという危険も生じる。このため、通常、現像
スリーブ35aに印加する直流電圧と感光ドラム2の表
面電位間に電位差を設けることによって、かぶりを防止
することを実現している。
【0129】また、本実施例では、現像スリーブ35a
〜35dを、感光体周速300mm/secに対して、
カウンター方向に450mm/secの周速で回転させ
た。感光体表面に対する、現像スリーブ35aの回転負
荷トルクは、0.038N・mであった。感光体に対し
ての現像スリーブ上の磁気ブラシによる摺擦機能として
の回転負荷トルクは、0.02〜0.06N・mが好ま
しい。
【0130】フルカラー画像を形成する場合、潜像書込
位置Aにおいて第一色目の静電潜像が形成され、現像領
域Bにおいて一色目のトナー像が形成される。このトナ
ー像は、一次転写領域Cを通過する際に、一次転写ロー
ル42によって中間転写ベルト40上に静電的に一次転
写される。その後同様にして、第一色目のトナー像を担
持した中間転写ベルト40上に、第二色目、第三色目、
第四色目のトナー像が順次重ねて一次転写され、最終的
にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルト40上に
形成される。単色の白黒画像を形成する場合には現像器
31のみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルト40
上に一次転写される。
【0131】一次転写後、感光体2表面上の残留トナー
は、クリーニングブレード52により除去される。
【0132】給紙トレイ60に収容された記録シートS
は、所定のタイミングでピックアップロール61により
取り出され、レジロール対62に搬送される。前記レジ
ロール62は、前記一次転写された多重トナー像または
単色トナー像が二次転写領域Eに移動するのにタイミン
グを合わせて、二次転写領域Eに記録シートSを搬送す
る。前記二次転写領域Eにおいて前記二次転写器48
は、中間転写ベルト40上のトナー像を記録シートSに
静電的に一括して二次転写する。二次転写後の中間転写
ベルトBはベルトクリーナ47によりクリーニングさ
れ、ベルト上の残留トナーが除去される。なお、前記二
次転写ロール48およびベルトクリーナ47は、中間転
写ベルト40と離接(離隔および接触)自在に配設され
ており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定
着トナー像が中間転写ベルト40に一次転写されるま
で、中間転写ベルト40から離隔している。
【0133】トナー像が二次転写された前記記録シート
Sは、シート搬送ベルト63により定着器64に搬送さ
れ、定着器64により加熱定着される。トナー像が定着
された記録シートSは、記録シート排出トレイ65に排
出される。
【0134】本実施例では上記の画像形成装置を用いて
高温高湿(32.5℃/85%)の環境下で画像を形成
した。その結果、本実施例では300万枚の耐久後でも
高温高湿の環境下でも画像流れの発生は生じなかった。
またクリーニングブレードエッジ部にチッピング等の問
題は発生しなかった。
【0135】そして、感光体2について耐久後に検査し
た結果、300万枚耐久後も融着、部分的なフィルミン
グ膜の発生や摺擦傷等、画像に発生するような問題は全
く生じなかった。磨耗量としても、0.12nm/1,
000回転であった。また、300万枚の耐久後の感光
体2を、5%ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na22
8)水溶液中で加熱(70℃〜80℃30分)し、アセ
トン中で超音波洗浄(約1分)し、エタノール/純水で
のリンス前後で反射分光式干渉計(大塚電子(株)製M
CDP2000)にて測定したところ、フィルミング層
は確認されなかった。
【0136】(実施例2)本実施例では、前記アルミナ
に替えて平均粒径1.5μmのSi−C(炭化ケイ素)
粒子を研磨粒子として1.0重量%外添した他は、実施
例1と同様の構成で耐久試験を行った。なお、本実施例
における研磨粒子のモース硬度は9であった。
【0137】本実施例では、高温高湿(32.5℃/8
5%)の環境下における300万枚の耐久後においても
画像流れの発生は生じなかった。またクリーニングブレ
ードエッジ部にチッピング等の問題は発生しなかった。
そして、耐久後における感光体2の感光体表面研磨速度
は0.5nm/1000回転であり、感光体2において
も、300万枚耐久後も融着、部分的なフィルミング膜
の発生、摺擦傷等画像に発生するような問題は全く生じ
ず、フィルミング層も確認されなかった。
【0138】(実施例3)本実施例では、前記SiC:
Hに替えて、表面層にa−C:H(水素化アモルファス
カーボン)を1000Å積層した他は、実施例1と同様
の構成で耐久試験を行った。水素化アモルファスカーボ
ンは、従来のSiC:H表面層に比べ摩擦係数が小さい
事が我々発明者の検討で確認されている。なお、本実施
例における感光体2表面のビッカース硬度は1100k
g/m2であった。
【0139】本実施例では、高温高湿(32.5℃/8
5%)の環境下における300万枚の耐久後においても
画像流れの発生は生じなかった。またクリーニングブレ
ードエッジ部にチッピング等の問題は発生しなかった。
そして、感光体2においても、300万枚耐久後も融
着、部分的なフィルミング膜の発生、摺擦傷等画像に発
生するような問題は全く生じず、フィルミング層も確認
されなかった。
【0140】また、本実施例における感光体2の摩耗量
は0.02nm/1000回転であった。また、耐久後
の摩擦係数も前記SiC:H表面層に比して小さかっ
た。これは、水素化アモルファスカーボンの表面自由エ
ネルギーがSiC:Hに比べて小さいためオゾン生成
物、トナー紙粉等の有機物が感光体表面に付着凝着しに
くいことから、フィルミングが形成されにくいと推定さ
れる。
【0141】(比較例1)本比較例では、前記感光体に
替えてポリカーボネイトを表層(膜厚20μm)にもつ
OPC感光体を用いた他は、実施例1と同様の構成で耐
久試験を行った。
【0142】本比較例では、クリーニングブレードの当
接圧としては、初期の段階で45g/cm必要であっ
た。また、耐久約10,000枚後に表面粗さRmax
5.0μmに達し、そこからクリーニング不良が発生し
てしまった。
【0143】(比較例2)本比較例では、現像スリーブ
の回転方向を感光体回転方向に対して順方向(400m
m/sec)とした他は、実施例1と同様の構成で耐久
試験を行った。本比較例では、耐久30,000枚後に
画像流れが発生し、50,000枚後にクリーニング不
良が発生した。クリーニングブレードエッジを観察した
ところ、約30μm〜50μmの欠けが数箇所に認めら
れた。
【0144】(比較例3)本比較例では、実施例と同様
の組成ではあるが粉砕法で製造された非磁性トナー粒子
を用いた他は、実施例1と同様の構成で耐久試験を行っ
た。本比較例の非磁性トナー粒子には、平均粒径が実施
例1のトナー粒子と同じになるように調整されたものを
用いた。なお、本比較例における非磁性トナー粒子の形
状係数は、SF−1が200、SF−2が180であっ
た。
【0145】本比較例では、初期の段階でクリーニング
ブレードでのすり抜けとビビリ許容範囲を検討したとこ
ろ、アモルファスシリコン感光体に対しては、球形に近
い重合トナーを使用した実施例1と比較して許容範囲が
明らかに少なかった。また、耐久50,000枚後に、
クリーニングブレードのビビリが発生してしまった。そ
の後、一昼夜待機後における再起動初期にクリーニング
ブレードめくれが発生してしまった。
【0146】
【発明の効果】本発明の画像形成装置は、感光体と、こ
の感光体の外表面に電荷を付与する帯電手段と、帯電し
た感光体に光を照射して形成すべき画像に応じた静電潜
像を感光体に形成する露光手段と、静電潜像が形成され
た感光体に現像剤を供給してトナー像を形成する現像手
段と、感光体に形成されたトナー像を転写材に転写する
転写手段と、転写後の感光体上に残留するトナーを除去
するクリーニング手段とを有し、現像剤には非磁性トナ
ー粒子及び磁性キャリアを少なくとも含む二成分現像剤
が用いられる電子写真方式の画像形成装置において、感
光体は、表面のビッカース硬度が500Kg/m2以上
であり、現像手段は、感光体に対してカウンター方向に
回転自在であり磁力によって二成分現像剤を担持して磁
気ブラシを形成する現像スリーブを有し、現像スリーブ
に形成される磁気ブラシが感光体表面を摺擦可能な位置
に配置される現像手段であり、非磁性トナー粒子は略球
形形状であることを特徴とすることから、非磁性トナー
を用いても画像流れやトナー融着を発生させない感光体
の表面状態を維持し、信頼性が大きく向上され、かつプ
ロダクテビィティーが画期的に飛躍しても対応すること
ができる。
【0147】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
に加えて現像手段を複数有する構成とすると、さらにフ
ルカラーの画像を形成することができる。
【0148】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
に加えてクリーニング後における前記感光体に残留する
静電潜像を除去する除電手段を有する構成とすると、よ
り高画質の画像を形成することができる。
【0149】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
に加えて感光体がドラム状の回転自在な感光体であり、
現像スリーブに形成された磁気ブラシによる感光体表面
研磨速度が、感光体1000回転当たり0.001〜1
nmである構成とすると、画像流れやトナー融着等を発
生させない感光体の表面状態を維持する上でより一層効
果的である。
【0150】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
に加えて感光体が非晶質シリコン系感光体である構成と
すると、高画質の画像の形成と耐久性の向上の観点から
より一層効果的である。
【0151】さらに、本発明の画像形成装置は、上記構
成に加えて少なくとも感光体の表面が水素化アモルファ
スカーボンで形成されている構成とすると、高画質の画
像を形成する感光体の耐久性をより向上させることがで
きる。
【0152】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
に加えて非磁性トナー粒子の形状係数SF−1が100
〜140、SF−2が100〜120である構成とする
と、高画質の画像を形成する上でより一層効果的であ
る。
【0153】さらに、本発明の画像形成装置は、上記構
成に加えて非磁性トナー粒子の重量平均粒径が6〜10
μmである構成とすると、転写性と解像度をより向上さ
せることができる。
【0154】さらに、本発明の画像形成装置は、上記構
成に加えて非磁性トナー粒子が重合法によって製造され
た重合トナーである構成とすると、トナー粒子の生産性
及び品質安定性がより向上されたトナー粒子が用いられ
ることから、高画質の画像を形成する上でより一層効果
的である。
【0155】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
に加えて二成分現像剤が前記感光体の表面のモース硬度
以上のモース硬度を有する研磨粒子を含む構成とする
と、フィルミングの発生が防止され、高画質の画像を形
成する上でより一層効果的である。
【0156】さらに、本発明の画像形成装置は、上記構
成に加えて研磨粒子が、非磁性トナー粒子に対して0.
01〜5.0重量%含まれる構成とすると、フィルミン
グの発生を防止する上でより一層効果的である。
【0157】さらに、本発明の画像形成装置は、上記構
成に加えて研磨粒子の平均粒径が0.5〜3.0μmで
ある構成とすると、フィルミングの発生を防止する上で
より一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 帯電器 2 感光体 3 前露光装置 4 現像ロール 10 原稿台ガラス 11 光源 12 CCD(固体撮像素子) 13 ROS(潜像書込装置) 30 回転軸 31〜34 現像器 35a〜35d 現像スリーブ 36a〜36d 規制ブレード 37a〜37d 現像容器 40 中間転写ベルト 41 位置センサ 42 一次転写ロール 43 テンションロール 44 二次転写用バックアップロール 45 ベルト駆動ロール 46、47 アイドラロール 48 二次転写器 49 ベルトクリーナ 50 クリーナ 51 クリーニング容器 52 クリーニングブレード 60 給紙トレイ 61 ピックアップロール 62 レジロール対 63 シート搬送ベルト 64 定着器 64a 加熱ロール 64b 加圧ロール 65 記録シート排出トレイ A 潜像書込位置 B 現像領域 C 一次転写領域 Da 感光体の回転方向を示す矢印 E 二次転写領域 G 原稿 L レーザービーム S 記録シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 113 G03G 15/09 Z 15/08 507 9/08 384 15/09 15/08 507L Fターム(参考) 2H005 AA08 AA15 AB06 EA05 EA10 FA02 2H030 AD01 BB02 BB24 BB42 BB43 BB63 2H031 AC08 AC30 AD01 AD05 BA05 BA09 BB01 FA01 2H068 CA03 DA12 DA17 DA23 2H077 AD06 AD13 AD23 AE06 EA03 GA03 GA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体と、この感光体の外表面に電荷を
    付与する帯電手段と、帯電した感光体に光を照射して形
    成すべき画像に応じた静電潜像を感光体に形成する露光
    手段と、静電潜像が形成された感光体に現像剤を供給し
    てトナー像を形成する現像手段と、感光体に形成された
    トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写後の感光
    体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを
    有し、前記現像剤には非磁性トナー粒子及び磁性キャリ
    アを少なくとも含む二成分現像剤が用いられる電子写真
    方式の画像形成装置において、 前記感光体は、表面のビッカース硬度が500Kg/m
    2以上であり、 前記現像手段は、感光体に対してカウンター方向に回転
    自在であり磁力によって二成分現像剤を担持して磁気ブ
    ラシを形成する現像スリーブを有し、前記現像スリーブ
    に形成される磁気ブラシが感光体表面を摺擦可能な位置
    に配置される現像手段であり、 前記非磁性トナー粒子は略球形形状であることを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記現像手段を複数有することを特徴と
    する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 クリーニング後における前記感光体に残
    留する静電潜像を除去する除電手段を有することを特徴
    とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記感光体はドラム状の回転自在な感光
    体であり、前記現像スリーブに形成された磁気ブラシに
    よる感光体表面研磨速度が、感光体1000回転当たり
    0.001〜1.0nmであることを特徴とする請求項
    1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記感光体が非晶質シリコン系感光体で
    あることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記感光体の表面が水素化ア
    モルファスカーボンで形成されていることを特徴とする
    請求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記非磁性トナー粒子は、形状係数SF
    −1が100〜140、SF−2が100〜120であ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記非磁性トナー粒子は、重量平均粒径
    が6〜10μmであることを特徴とする請求項7記載の
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記非磁性トナー粒子が重合法によって
    製造された重合トナーであることを特徴とする請求項7
    または8に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記二成分現像剤は、前記感光体の表
    面のモース硬度以上のモース硬度を有する研磨粒子を含
    むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記研磨粒子が、非磁性トナー粒子に
    対して0.01〜5.0重量%含まれることを特徴とす
    る請求項10記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記研磨粒子は、平均粒径が0.5〜
    3.0μmであることを特徴とする請求項10または1
    1に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006243330A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Canon Inc 画像形成方法
JP2010217434A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Ricoh Co Ltd トナー及び画像形成装置
JP2020140127A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 キヤノン株式会社 電子写真装置の制御方法

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