JP2002174696A - 散乱線吸収グリッド - Google Patents

散乱線吸収グリッド

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JP2002174696A
JP2002174696A JP2001281035A JP2001281035A JP2002174696A JP 2002174696 A JP2002174696 A JP 2002174696A JP 2001281035 A JP2001281035 A JP 2001281035A JP 2001281035 A JP2001281035 A JP 2001281035A JP 2002174696 A JP2002174696 A JP 2002174696A
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tungsten
scattered radiation
powder
radiation absorption
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JP2001281035A
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Katsuhiro Koda
勝博 幸田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱線吸収グリッドにおいて、コストを上昇
させずに散乱線吸収特性を高める。 【解決手段】 タングステンを50重量%以上含有する
粉体11を、空間充填率40%以上となるように結合材
12で固めてなるグリッド用板材13を用いてグリッド
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散乱線吸収グリッ
ドに関し、詳しくは、放射線吸収材料からなる粉体を用
いてグリッドを形成した散乱線吸収グリッドに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】放射線撮影装置によって撮影を行なうと
きに被写体と放射線検出器との間に配置され、被写体に
よって散乱された散乱線を吸収してS/Nの高い放射線
を得るための散乱線吸収グリッドが知られている。
【0003】この散乱線吸収グリッドは、放射線を吸収
するグリッドを構成する材料である細長い薄板からなる
板材を多数、間隔をおいて並べて形成され、被写体によ
って散乱されて斜めに進む散乱放射線を吸収し、放射線
源から被写体を通して直線的に放射線検出器に入射する
放射線のみを効果的に透過させることにより、検出され
た被写体の画像に混入する散乱放射線によるノイズを低
減させるものである。
【0004】このグリッドを構成する板材には、高い放
射線吸収特性が要求され、すなわち高い密度を有する材
料を用いる必要があり、一般に鉛を薄板状に加工した材
料が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような、高い密度
を有するグリッド用の素材としては、タンタル(Ta)
やタングステン(W)が放射線吸収特性の観点から適し
ており、特にタングステンは放射線の吸収特性に優れて
いることが知られている。
【0006】しかしながら、タングステンは硬度が高
く、融点も極めて高い難加工材料であるため、タングス
テンを細長く薄いグリッド用板材に形成することは難し
く、仮にできたとしてもそのコストは非常に高いものと
なる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、低コストで散乱線吸収特性に優れた散乱線吸収グ
リッドを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の散乱線吸収グリ
ッドは、タングステンを50重量%以上含有する粉体を
空間充填率40%以上、より望ましくは空間充填率60
%以上となるように結合材で固めてなるグリッド用板
材、あるいはタングステンを50重量%以上含有する粉
体を空間充填率40%以上、より望ましくは空間充填率
60%以上となるように結合材で固めてなるグリッド用
材料を基板上に積層してなるグリッド用板材を用いてグ
リッドを構成したことを特徴とするものである。
【0009】また、上記「タングステンを50重量%以
上含有する粉体」とは、タングステン化合物(合金を含
む)およびタングステンと他の物質とが物理的に混ぜ合
わされたタングステン混合物等のタングステンの存在形
態に拘らず、タングステンを50重量%以上含有する粉
体を意味するものである。すなわち、例えばタングステ
ン化合物であるタングステン酸カルシンム:CaWO
のみによって形成されている粉体であっても、この粉体
はタングステン:Wを50重量%以上含有しているの
で、上記「タングステンを50重量%以上含有する粉
体」に含まれる。また、タングステンと他の金属とによ
る合金、例えばタングステン:Wと鉛:Pbとの合金か
らなる粉体においても、上記粉体がタングステン:Wを
50重量%以上含有していれば、この粉体は上記「タン
グステンを50重量%以上含有する粉体」に含まれる。
また純粋なタングステン:Wとタングステンを含まない
物質とからなる粉体において、上記粉体がタングステ
ン:Wを50重量%以上含有していれば、この粉体は上
記「タングステンを50重量%以上含有する粉体」に含
まれることは言うまでもない。さらに、タングステン化
合物と純粋なタングステンとタングステンを含まない物
質とからなる粉体等においても、上記粉体がタングステ
ン:Wを50重量%以上含有していれば、この粉体は上
記「タングステンを50重量%以上含有する粉体」に含
まれる。
【0010】なお、タングステン化合物としては上記タ
ングステン酸カルシンム:CaWO の他に、例えばタ
ングステン酸鉄:FeWO、タングステン酸リチウ
ム:LiWO、タングステン酸マグネシウム:MgW
、タングステン酸バリウム:BaWO、タングス
テン酸ナトリウム:NaWO、タングステン酸ニッ
ケル:NiWO、タングステン酸鉛:PbWO、ホ
ウ化タングステン:WB、WB、W、炭化タン
グステン:WC、WC、酸化タングステン:WO、W
、WO、W、硫化タングステン:W
、WS、ケイ化タングステン:WSi、WSi
、WSi等が挙げられる。また、上記タングステ
ンと合金を形成する他の金属としては上記鉛の他に、例
えばCo、Pt、Ni、Fe、Mo、Cr、Fe、Ti
等が挙げられる。
【0011】前記結合剤は、有機バインダやタングステ
ンの融点未満の融点を有する金属とすることが好まし
い。
【0012】また、結合剤とは、粉体等を主原料として
物体を形成する場合において、この物体の形状を維持し
その強度を高めるために配合する物質を意味するもので
ある。
【0013】また、前記金属とは、合金をも含むものを
意味し、放射線吸収特性に優れた密度の高い金属を用い
るのが適切である。
【0014】また、有機バインダとしては、粉体を構成
する各粒子間を結合し一定の形状を維持することができ
るように、例えば樹脂系の材料等を用いるのが適切であ
る。
【0015】また、前記粉体を構成する各粒子は、必ず
しも一定の比率でタングステンを含有する必要はなく、
各粒子毎にタングステンの含有率が異なっていても粉体
全体として所定量のタングステンを含有していればよ
い。
【0016】また、グリッド用板材としては、一方向に
長く伸びた細長い薄板を用いるのが適切である。
【0017】
【発明の効果】本発明者は、タングステン粉体を結合剤
で固めてなるグリッド用板材の放射線吸収特性に関して
種々検討した結果、粉体に含有されるタングステンの割
合を50重量%以上にし、この粉体を用いてグリッド用
板材を構成するときの粉体の空間充填率を40%以上、
より望ましくは空間充填率60%以上にすれば、放射線
吸収特性に優れたグリッド用板材を得ることができると
の知見を得、かかる知見に基づいて本発明に至ったもの
である。
【0018】本発明の散乱線吸収グリッドによれば、比
較的安価で放射線吸収特性に優れたタングステンの粉体
を結合材で固めてなるグリッド用板材、もしくはタング
ステンの粉体を結合材で固めてなるグリッド用材料を基
板上に積層してなるグリッド用板材を用いてグリッドを
構成したので、グリッド用板材の加工が極めて容易とな
りタングステンからなるグリッドの生産性が高まり、低
コストで散乱線吸収グリッドを得ることができる。
【0019】また、結合剤を有機バインダとすれば、例
えば比較的低い温度で熔融したバインダにタングステン
の粉体を混練し、成形することにより、グリッド用板材
をより容易に形成することができ、散乱線吸収グリッド
のコストをさらに低減することができる。
【0020】また、結合剤をタングステンの融点未満の
融点を有する金属とすれば、例えば放射線吸収特性に優
れた鉛を結合剤とすれば、タングステンの粉体を結合材
で固めてなるグリッド用板材の放射線吸収特性をより高
めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の散乱線吸収グリッ
ドの具体的な実施の形態について、図面を用いて説明す
る。
【0022】図1は、本発明の第1、第2、第3、第
4、第5、第8、第9、および第10の実施の形態に共
通な散乱線吸収グリッドの概略構成を示す図である。
【0023】<第1の実施の形態>図2は第1の実施の
形態の散乱線吸収グリッドを構成するグリッド用板材の
概略構成を示す断面図である。
【0024】第1の実施の形態の散乱線吸収グリッド1
0は、タングステンを50重量%含有する粉体11を空
間充填率40%となるように結合材12で固めてなるグ
リッド用板材13を用いて構成したグリッド14(図1
参照)からなり、有機バインダ(結合剤)である高分子
樹脂とタングステンとを、加熱混練して型内に注入し冷
却してグリッド用板材を得る以下の製造工程によって製
造されたものである。
【0025】まず始めにタングステンを50重量%含有
する平均粒子サイズ7ミクロンのタングステン粉体5キ
ログラムに、有機バインダである融点120℃のペレッ
ト状の熱可塑性ポリウレタン樹脂250グラムを混合
し、110℃にて3時間乾燥させ脱水した。
【0026】次に、図3に示すように、上記ペレット状
のポリウレタン樹脂とタングステンとの混合物29を成
形機20のホッパ21に投入しバレル22内において1
80℃に加熱し流動化させスクリュ23の回転によって
混練した。
【0027】その後、バレル22内で流動化したウレタ
ン樹脂とタングステンとの混合物をグリッド用型24に
注入した。
【0028】その後、グリッド用型24に注入したウレ
タン・タングステン混合物を冷却し、グリッド用型24
から図4に示すような成形品25を取り出して、スプー
ル26およびランナ27を除去して、タングステン粉体
の空間充填率が40%となるようにポリウレタン樹脂で
固められた厚さ0.1mm、幅10mm,長さ440m
mの細長い薄板状のグリッド用板材13を得た。
【0029】その後、これらのグリッド用板材13を多
数用いて散乱線吸収グリッド10を組み立てたところ、
良好な散乱線吸収特性が得られた。
【0030】<第2の実施の形態>図5は本発明の第2
の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成するグリッド
用板材の概略構成を示す断面図であり、図1に第2の実
施の形態によるグリッド用板材を用いて構成した散乱線
吸収グリッド30の概略構成を示す。
【0031】第2の実施の形態による散乱線吸収グリッ
ド30は、タングステンを50重量%含有する粉体31
を空間充填率40%となるように結合材32で固めてな
るタングステン層33を、基板34上に積層してなるグ
リッド用板材35を用いて構成したグリッド36(図1
参照)を備えてなり、このグリッド用板材35は有機バ
インダ(結合材)である高分子樹脂を有機溶剤に溶かし
た溶液にタングステン粉体を液中分散させ、このタング
ステン粉体溶液を基板となる高分子フィルム上に塗布し
乾燥させる以下の製造工程によって製造されたものであ
る。
【0032】まず始めにタングステンを50重量%含有
する平均粒子サイズ7ミクロンのタングステン粉体5キ
ログラムに、有機バインダである不飽和ポリエステル樹
脂(東洋紡株製バイロン300)150グラムを加え
た。
【0033】次に、このタングステン粉体溶液をプロペ
ラミキサによって撹拌しながらメチルエチルケトンを添
加して、溶液の粘度が20ポアズとなるように調節し
た。
【0034】その後、このタングステン粉体溶液を基板
である20ミクロンの厚さのフィルム状のポリエチレン
テレフタレート(PET)樹脂上に塗布し、このPET
樹脂基板34上に塗布されたタングステン粉体溶液を乾
燥させた。
【0035】その後、このフィルム状のPET樹脂基板
34からなる1層目の上に、タングステン粉体をこのタ
ングステン粉体の空間充填率が40%となるように不飽
和ポリエステル樹脂で固めた2層目のタングステン層3
3を積層してなる厚さ0.1mmの薄い平板から、幅1
0mm,長さ440mmの細長い板材を切り出すことに
より、グリッド用板材35を得た。
【0036】その後、これらのグリッド用板材35を多
数用いて散乱線吸収グリッド30を組み立てたところ、
良好な散乱線吸収特性が得られた。
【0037】<第3の実施の形態>図6は本発明の第3
の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成するグリッド
用板材の概略構成を示す断面図であり、図1に第3の実
施の形態によるグリッド用板材を用いて構成した散乱線
吸収グリッド40の概略構成を示す。
【0038】第3の実施の形態による散乱線吸収グリッ
ド40は、タングステンを60重量%含有するタングス
テン粉体41を空間充填率50%となるように結合材4
2で固めてなるグリッド用板材43を用いて構成したグ
リッド44(図1参照)からなり、結合材である鉛半田
(錫と鉛とを主成分とする合金)とタングステン粉体4
1とを、加熱混練して細長い長方形状のスリットから押
し出してグリッド用板材を得る以下の製造工程によって
製造されたものである。
【0039】まず始めにタングステンを60重量%含有
する平均粒子サイズ7ミクロンのタングステン粉体5キ
ログラムに、タングステンの融点未満の融点を有する結
合剤である融点220℃の粒状の鉛半田1700グラム
を混合した。
【0040】次に、図7に示すように、上記鉛半田とタ
ングステンとの混合物59を押出機50のホッパ51に
投入しバレル52内において250℃に加熱し流動化さ
せスクリュ53によって混練した。
【0041】その後、バレル52内の流動化した鉛半田
・タングステン混合物を幅約0.1mmの細長い長方形
状のスリット54からステンレス板55上に連続的に押
し出した。
【0042】その後、ステンレス板55上に押し出した
鉛半田・タングステン混合物59´を冷却し厚さ0.1
mmとなった薄い平板から、幅10mm,長さ440m
mの細長い板材を切り出すことにより、グリッド用板材
43を得た。
【0043】その後、これらのグリッド用板材43を多
数用いて散乱線吸収グリッド40を組み立てたところ、
良好な散乱線吸収特性が得られた。
【0044】<第4の実施の形態>図8は本発明の第4
の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第1のグ
リッド用板材原反の概略構成を示す断面図である。ま
た、図1に上記第1のグリッド用板材原反から切り出さ
れたグリッド用板材を用いて構成した本発明の第4の実
施の形態の散乱線吸収グリッドの概略構成を示す。な
お、グリッド用板材原反とは、グリッド用板材として所
定の形状に切り出される前の素材を意味するものであ
る。
【0045】純度99%のタングステン(平均粒子サイ
ズ5ミクロン)からなる粉体5キログラムに有機高分子
バインダであるポリウレタン樹脂130グラムを加えた
ものを、プロペラミキサーによって撹拌しながら、メチ
ルエチルケトンを添加して、このタングステン粉体溶液
の粘度が20ポアズとなるように調節した。
【0046】その後、このタングステン粉体溶液を基板
である180μmの厚さのフィルム状のポリエチレンテ
レフタレート(PET)樹脂製のPET樹脂基板51上
に塗布し、このPET樹脂基板51上に塗布された上記
タングステン粉体溶液を乾燥させて空間充填率62%で
厚さが100ミクロンのタングステン層52を形成して
第1のグリッド用板材原反53を得た(図8参照)。
【0047】その後、この第1のグリッド用板材原反5
3から、幅10mm,長さ440mmの細長い板材を切
り出すことにより、グリッド用板材54を得(図1参
照)、これらのグリッド用板材54を多数用いて散乱線
吸収グリッド50を組み立てたところ、良好な散乱線吸
収特性が得られた。
【0048】<第5の実施の形態>図9は本発明の第5
の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第2のグ
リッド用板材原反の製作に用いられるカレンダロールの
概略構成を示す斜視図、図10は上記第2のグリッド用
板材原反の概略構成を示す断面図である。また、図1に
上記第2のグリッド用板材原反から切り出されたグリッ
ド用板材を用いて構成した本発明の第5の実施の形態の
散乱線吸収グリッドの概略構成を示す。
【0049】図9に示すように、第4の実施の形態と同
様の工程によって製作された第1のグリッド用板材原反
53を、熱圧縮ロール65Aおよび熱圧縮ロール65B
を備えたカレンダロール65を通すことによって熱圧縮
(温度70℃、圧力50MPa)し、空間充填率70%
で厚さ90ミクロンのタングステン層62をPET樹脂
基板61上に積層した第2のグリッド用板材原反63
(図10参照)を得た。
【0050】その後、この第2のグリッド用板材原反6
3から、幅10mm,長さ440mmの細長い板材を切
り出すことにより、グリッド用板材64を得、これらの
グリッド用板材64を多数用いて散乱線吸収グリッド6
0を組み立てたところ、良好な散乱線吸収特性が得られ
た。
【0051】<第6の実施の形態>図11は本発明の第
6の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第3の
グリッド用板材原反の概略構成を示す断面図、図12は
上記第3のグリッド用板材原反を複数枚重ねて形成した
積層ブロック体を示す斜視図、図13は上記積層ブロッ
ク体をスライスして積層切断体を取得する様子を示す斜
視図、図14は積層切断体を凸ブロックと凹ブロックと
の間に挟んで保持する様子を示す図、および図15は本
発明の第6の実施の形態の散乱線吸収グリッドを示す図
である。
【0052】まず始めに、図11に示すように、第5の
実施の形態で得られたグリッド用板材原反63のタング
ステン層62と反対側のPET樹脂基板61上に線状ポ
リエステル樹脂の接着層64を10ミクロンの厚さで塗
布してグリッド用板材原反65を形成した。
【0053】次に、図12に示すように、上記グリッド
用板材原反65と、このグリッド用板材原反65と同形
状で厚さが異なる樹脂スペーサ65′とを交互に複数枚
重ね、これを温度90℃、圧力20MPaの雰囲気中に
50分間保持した後冷却して積層ブロック体66を形成
した。
【0054】次に、図13に示すように、この積層ブロ
ック体66をバンドソーを用いて幅5mmにスライスす
ると共に、バンドソーによって切断された切断面を研磨
して積層切断体67を得た。
【0055】次に、図14に示すように、この積層切断
体67をアルミニウム製のかまぼこ形状の凸ブロック6
8とこのかまぼこ形状を転写した形状を有する凹ブロッ
ク68′との間に挟んで90℃の雰囲気中に50分間保
持した後冷却して取り出した。
【0056】これにより、図15に示すように円弧状の
曲面の曲率中心が直線L1に収束する曲率半径が1.8
mの散乱線吸収グリッド69が得られ、この散乱線吸収
グリッド69は良好な散乱線吸収特性を示した。
【0057】<第7の実施の形態>図16は本発明の第
7の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第4の
グリッド用板材の概略構成を示す断面図、図17は上記
第4のグリッド用板材を切断して得られたグリッド用短
冊材の斜視図、図18は上記グリッド用短冊材を並べて
接着して形成したグリッド用短冊ブロック体の斜視図、
図19はグリッド用短冊ブロック体に天板と下板とを接
着剤で貼りつけて形成された本発明の第7の実施の形態
の散乱線吸収グリッドの斜視図である。
【0058】まず始めに、図16に示すように、第4の
実施の形態と同様の工程によって作成された第1のグリ
ッド用板材原反53のタングステン層52の反対側のP
ET樹脂基板51上に、線状ポリエステル樹脂を塗布し
て40ミクロンの厚さの線状ポリエステル樹脂接着層7
1を積層して第4のグリッド用板材原反72を作成し
た。
【0059】このグリッド用板材原反72を幅5mmの
短冊状に切断して図17に示すようなグリッド用短冊材
73を得、図18に示すようにグリッド用短冊材73の
上記幅5mmの短冊状の面の向きがこれらのグリッド用
短冊材73から1.8m離れた直線L2に向かって収束
するように、グリッド用短冊材73と、このグリッド用
短冊材73と同形状で厚さが異なる樹脂スペーサ73′
とを交互にを並べながら順次接着してグリッド用短冊ブ
ロック体74を形成した。なお、上記接着においては、
厚さ40ミクロンの接着層が流動されることによって各
グリッド用短冊材73と樹脂スペーサ73′とが上記直
線L2に向かって収束するように傾けられて接着固定さ
れる。
【0060】次に、上記グリッド用短冊ブロック体74
を構成するグリッド用短冊材73の収束する側および発
散する側にそれぞれ厚さ0.3mmの天板75と下板7
6とを接着した。
【0061】これにより、図19に示すような各グリッ
ド用短冊材73から1.8m離れた直線L2に向かって
収束するようにこれらのグリッド用短冊材73が並べら
れた散乱線吸収グリッド70が得られ、この散乱線吸収
グリッド70は良好な散乱線吸収特性が得られた。
【0062】<第8の実施の形態>図20は本発明の第
8の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第5の
グリッド用板材原反の概略構成を示す断面図である。ま
た、図1に上記第5のグリッド用板材原反から切り出さ
れたグリッド用板材を用いて構成した本発明の第8の実
施の形態の散乱線吸収グリッドの概略構成を示す。
【0063】タングステン化合物である純度99%のタ
ングステンカーバイド(WC、平均粒子サイズ4ミクロ
ン)からなる粉体5キログラムに有機高分子バインダで
あるポリウレタン樹脂130グラムを加えたものを、プ
ロペラミキサーによって撹拌しながら、メチルエチルケ
トンを添加して、このタングステンカーバイド粉体溶液
の粘度が20ポアズとなるように調節した。
【0064】その後、このタングステンカーバイド粉体
溶液を基板である180μmの厚さのフィルム状のポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂製のPET樹脂
基板81上に塗布し、このPET樹脂基板81上に塗布
されたタングステンカーバイド粉体溶液を乾燥させて空
間充填率60%で厚さが150ミクロンのタングステン
カーバイド層82を形成して図20に示すような第5の
グリッド用板材原反83を得た。
【0065】その後、この第5のグリッド用板材原反8
3から、幅10mm,長さ440mmの細長い板材を切
り出すことにより、グリッド用板材84を得、これらの
グリッド用板材84を多数用いて散乱線吸収グリッド8
0を組み立てたところ、良好な散乱線吸収特性が得られ
た。
【0066】<第9の実施の形態>図21は本発明の第
9の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第6の
グリッド用板材原反の概略構成を示す断面図である。ま
た、図1に上記第6のグリッド用板材原反から切り出し
れたグリッド用板材を用いて構成した本発明の第9の実
施の形態の散乱線吸収グリッドの概略構成を示す。
【0067】平均粒子サイズ5ミクロンの純度99%の
タングステンからなる粉体3.5キログラムと平均粒子
サイズ1.5ミクロンの純度99%のタングステンから
なる粉体1.5キログラムとが混合されてなる粉体に有
機高分子バインダであるポリウレタン樹脂80グラムを
加えたものを、プロペラミキサーによって撹拌しなが
ら、メチルエチルケトンを添加して、このタングステン
粉体溶液の粘度が20ポアズとなるように調節した。
【0068】その後、このタングステン粉体溶液を基板
である180μmの厚さのフィルム状のポリエチレンテ
レフタレート(PET)樹脂製のPET樹脂基板91上
に塗布し、このPET樹脂基板51上に塗布された上記
タングステン粉体溶液を乾燥させて空間充填率66%で
厚さが100ミクロンのタングステン層92を形成して
第6のグリッド用板材原反93を得た(図21参照)。
【0069】その後、この第6のグリッド用板材原反9
3から、幅10mm,長さ440mmの細長い板材を切
り出すことにより、グリッド用板材94を得、これらの
グリッド用板材94を多数用いて散乱線吸収グリッド9
0(図1参照)を組み立てたところ、良好な散乱線吸収
特性が得られた。
【0070】<第10の実施の形態>図22は本発明の
第10の実施の形態の散乱線吸収グリッドを構成する第
7のグリッド用板材原反の製作に用いられるカレンダロ
ールの概略構成を示す斜視図、図23は上記第7のグリ
ッド用板材におけるタングステンの充填密度の向上の様
子を示す概念図である。また、図1に上記第7のグリッ
ド用板材原反から切り出されたグリッド用板材を用いて
構成した本発明の第10の実施の形態の散乱線吸収グリ
ッドの概略構成を示す。
【0071】図22に示すように、第9の実施の形態と
同様の工程によって製作された第6のグリッド用板材原
反93を熱圧縮ロール65Aおよび熱圧縮ロール65B
を備えたカレンダロール65を通すことによって熱圧縮
(温度70℃、圧力50MPa)し、空間充填率72%
で厚さ92ミクロンのタングステン層95を有する第7
のグリッド用板材原反96を得た。図23に示すよう
に、上記熱圧縮により第7のグリッド用板材原反96に
おいては平均粒子サイズ5ミクロンのタングステンから
なる粉体である大きな粒子Bの隙間に平均粒子サイズ
1.5ミクロンのタングステンからなる粉体である小さ
な粒子Sが入りこみ空間的に効率よく充填されるので、
第7のグリッド用板材原反96のタングステン層95中
のタングステンの充填密度を第6のグリッド用板材原反
93のタングステン層92より高めることができる。
【0072】その後、この第7のグリッド用板材原反9
6から、幅10mm,長さ440mmの細長い板材を切
り出すことにより、グリッド用板材97を得、これらの
グリッド用板材97を多数用いて散乱線吸収グリッド9
8を組み立てたところ、良好な散乱線吸収特性が得られ
た。
【0073】なお、上記各実施の形態においては粉体に
占めるタングステンの含有率、およびこの粉体を用いて
形成した板材に占める粉体の空間充填率を数値で示した
が、これらの含有率および充填率はこの範囲に限定され
るものではなく、タングステンを50重量%以上含有す
る粉体を、空間充填率40%以上となるように結合材で
固めてなるグリッド用板材、あるいはタングステンを5
0重量%以上含有する粉体を、空間充填率40%以上と
なるように結合材で固めてなるグリッド用材料を基板上
に積層してなるグリッド用板材を用いて散乱線吸収グリ
ッドを構成すれば上記実施の形態と同様な良好な散乱線
吸収特性が得られる。
【0074】また、上記実施の形態における散乱線吸収
グリッドを構成するグリッド用板材(図1中の13、3
5、43、54、64、84、94および97)の間に
充当するスペーサはX線の吸収が少ないものがよい。例
えばアルミニウム、木、紙、布、樹脂、不織布、発泡樹
脂などを上記スペーサとして用いることができる。
【0075】上記のように本発明によれば、優れた放射
線吸収特性を持つタングステンの粉体を用いることによ
りグリッド用板材の加工が極めて容易となりタングステ
ンからなるグリッドの生産性が高まるので、比較的低コ
ストで散乱線吸収特性に優れた散乱線吸収グリッドを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による散乱線吸収グリッド
の概略構成を示す図
【図2】第1の実施の形態におけるグリッド用板材の概
略構成を示す図
【図3】成形機によってグリッド用板材を成形する様子
を示す図
【図4】成形された成形品を示す図
【図5】第2の実施の形態におけるグリッド用板材の概
略構成を示す図
【図6】第3の実施の形態におけるグリッド用板材の概
略構成を示す図
【図7】押出機によってグリッド用板材を成形する様子
を示す図
【図8】第4の実施の形態の第1のグリッド用板材原反
の概略構成を示す断面図
【図9】第5の実施の形態で用いられるカレンダロール
の概略構成を示す斜視図
【図10】第2のグリッド用板材原反の概略構成を示す
断面図
【図11】第6の実施の形態の第3のグリッド用板材原
反の概略構成を示す断面図
【図12】積層ブロック体を示す斜視図
【図13】積層ブロック体スライスして得られた積層切
断体の斜視図
【図14】積層切断体を凹、凸2つのブロックの間に挟
んで保持する様子を示す図
【図15】本発明の第6の実施の形態の散乱線吸収グリ
ッドを示す図
【図16】第7の実施の形態の第4のグリッド用板材の
概略構成を示す断面図
【図17】グリッド用短冊材の斜視図
【図18】グリッド用短冊ブロック体の斜視図
【図19】第7の実施の形態の散乱線吸収グリッドの斜
視図
【図20】第8の実施の形態の第5のグリッド用板材原
反の概略構成を示す断面図
【図21】第9の実施の形態の第6のグリッド用板材原
反の概略構成を示す断面図
【図22】第10の実施の形態に用いられるカレンダロ
ールの概略構成を示す斜視図
【図23】タングステンの充填密度の違いを示す概念図
【符号の説明】
11 粉体 12 結合材 13グリッド用板材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステンを50重量%以上含有する
    粉体を、空間充填率40%以上となるように結合材で固
    めてなるグリッド用板材を用いてグリッドを構成したこ
    とを特徴とする散乱線吸収グリッド。
  2. 【請求項2】 タングステンを50重量%以上含有する
    粉体を、空間充填率40%以上となるように結合材で固
    めてなるグリッド用材料を基板上に積層してなるグリッ
    ド用板材を用いてグリッドを構成したことを特徴とする
    散乱線吸収グリッド。
  3. 【請求項3】 前記結合剤が有機バインダであることを
    特徴とする請求項1または2記載の散乱線吸収グリッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記結合剤がタングステンの融点未満の
    融点を有する金属であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の散乱線吸収グリッド。
  5. 【請求項5】 前記空間充填率が60%以上であること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の散乱
    線吸収グリッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112882A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Fujifilm Corp 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム
JP2018508765A (ja) * 2015-01-27 2018-03-29 プランゼー エスエー 散乱線グリッド

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