JP2002173647A - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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JP2002173647A
JP2002173647A JP2000369552A JP2000369552A JP2002173647A JP 2002173647 A JP2002173647 A JP 2002173647A JP 2000369552 A JP2000369552 A JP 2000369552A JP 2000369552 A JP2000369552 A JP 2000369552A JP 2002173647 A JP2002173647 A JP 2002173647A
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JP2000369552A
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Hiroyuki Kawai
弘幸 河合
Hiroshi Yamashita
博史 山下
Toshimitsu Muramatsu
利光 村松
Kei Ito
圭 伊藤
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期貯蔵後も塗料性状や塗膜物性を低下させる
ことなく、塗膜の溶出速度の制御を可能として長期に渡
って防汚性能を発揮できる防汚塗料組成物を提供する。 【解決手段】(A)塗膜形成樹脂、及び(B)銅系防汚
剤を含有する組成物であって、該塗膜形成樹脂(A)
が、カルボキシル基及びアセトアセトキシ基を有し且つ
酸価10〜300mgKOH/gを有する基体樹脂
(a)中のカルボキシル基と2価金属との当量比が0.
1〜5となるよう形成された金属カルボキシレ−ト構造
を分子内及び/又は分子間に有する樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船体、水中・水上
構造物、漁業資材等に適用される防汚塗料組成物に関
し、詳しくは長期貯蔵後も塗料性状や塗膜物性を低下さ
せることなく、塗膜の溶出速度の制御を可能として長期
に渡って防汚性能を発揮できる防汚塗料組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来、防汚塗料のバインダ−
として錫のカルボキシレ−トを有する樹脂が広く用いら
れてきたが、毒性の問題から他の樹脂系への転換が強く
求められている。これに対し、主に銅や亜鉛のカルボキ
シレ−トを有する樹脂、またシリル系樹脂等が種々検討
されており、例えば、特開昭62−57464号、特開
平8−209005号、特開平4−264169号公報
などにおいて提案されている。
【0003】これらの樹脂を含む防汚塗料は、様々な
船、水中・水上構造物、漁業資材等に適用されつつある
が、配合される防汚剤によっては、該塗料を長期に貯蔵
した場合に、塗料が増粘したり、得られる塗膜の物性が
低下するなどの問題があり、特に銅系防汚剤において顕
著に認められていた。
【0004】そこで本出願人は、先に銅系防汚剤を含む
塗料にアセチルアセトンなどのキレート化剤を配合する
ことによって、銅系防汚剤を配合しても長期貯蔵が可能
で、しかも増粘や塗膜物性の低下等の不具合のない防汚
塗料組成物を提案した(特開2000−248207号
公報)。しかしながらアセチルアセトンなどのキレート
化剤は常温で揮発しやすく、塗膜乾燥過程で、基体樹脂
への銅付加が進行してしまう問題があった。
【0005】本発明の目的は、銅系防汚剤を配合しても
長期貯蔵が可能で、しかもキレート化剤が揮発すること
なく増粘や塗膜物性の低下等の不具合のない防汚塗料組
成物に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)塗膜形
成樹脂、及び(B)銅系防汚剤を含有する組成物であっ
て、該塗膜形成樹脂(A)が、カルボキシル基及びアセ
トアセトキシ基を有し且つ酸価10〜300mgKOH
/gを有する基体樹脂(a)中のカルボキシル基と2価
金属との当量比が0.1〜5となるよう形成された金属
カルボキシレ−ト構造を分子内及び/又は分子間に有す
る樹脂であることを特徴とする防汚塗料組成物に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において塗膜形成樹脂
(A)は、カルボキシル基及びアセトアセトキシ基を有
し且つ酸価10〜300mgKOH/gを有する基体樹
脂(a)中のカルボキシル基と2価金属との当量比が
0.1〜5となるよう形成された金属カルボキシレ−ト
構造を分子内及び/又は分子間に有する樹脂であり、例
えば基体樹脂(a)に、2価の金属の酸化物あるいは水
酸化物を、該基体樹脂固形分に対して1〜30重量%の
水の存在下で反応させることによって得ることができる
ものである。
【0008】上記基体樹脂(a)は、酸価10〜300
mgKOH/g、好ましくは20〜200mgKOH/
g、さらに好ましくは50〜150mgKOH/gを有
するものである。該酸価が10mgKOH/g未満で
は、得られる塗膜の磨耗性が不足し、十分な防汚性が得
られず、一方300mgKOH/gを越えると基体樹脂
が高粘度となり取扱いが困難になるので好ましくない。
【0009】該基体樹脂(a)としては、例えばカルボ
キシル基含有モノマ−、アセトアセトキシ基含有モノマ
ー、及びこれと共重合可能なその他のモノマ−を、ラジ
カル重合開始剤の存在下に溶液重合法等の常法によって
共重合させることによって得られるアクリル樹脂が使用
できる。特に、該アクリル樹脂として、カルボキシル基
及びアセトアセトキシ基と、さらに下記一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 は水素又は炭素数1〜20の
直鎖、分岐又は環状のアルキル基又はアラルキル基を、
mは1〜4の整数を、nは1〜100の整数をそれぞれ
示す)で表されるポリアルキレングリコ−ル構造を有す
る基を有するものであることが望ましい。該アクリル樹
脂は、通常、カルボキシル基含有モノマ−、アセトアセ
トキシ基含有モノマー、ポリアルキレングリコ−ル構造
を有する基を含有するモノマ−及びこれらと共重合可能
なその他のモノマ−を、上記と同様にラジカル重合開始
剤の存在下に溶液重合法等の常法によって共重合させる
ことによって得られるアクリル共重合体が使用できる。
該ポリアルキレングリコ−ル構造を有する基を有する場
合には、該アルキレングリコ−ル単位が上記基体樹脂1
00g中に0.005モル以上含まれることが、磨耗性
向上の点から好適である。
【0012】上記カルボキシル基含有モノマ−として
は、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0013】アセトアセトキシ基含有モノマーとして
は、例えば2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)ア
クリレ−ト、2−(アセトアセトキシ)プロピル(メ
タ)アクリレ−ト、2−(アセトアセトキシ)ブチル
(メタ)アクリレ−ト、アセト酢酸ビニルフェニルなど
を挙げることができ、特に2−(アセトアセトキシ)エ
チルメタクリレ−トが好適に使用できる。
【0014】ポリアルキレングリコ−ル構造を有する基
を含有するモノマ−としては、例えばメトキシエチル
(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)ア
クリレ−ト、ノニルフェノキシポリエチレングリコ−ル
(メタ)アクリレ−ト、メトキシポリプロピレングリコ
−ル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
【0015】これらと共重合可能なその他のモノマ−と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合
物;メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アク
リレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、i−プ
ロピル(メタ)アクリレ−ト、(n−、i−、t−)ブ
チル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ
−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メ
タ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウ
リル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリ
レ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエス
テル又はシクロアルキルエステル;パ−フルオロブチル
エチル(メタ)アクリレ−ト、パ−フルオロイソノニル
エチル(メタ)アクリレ−ト、パ−フルオロオクチルエ
チル(メタ)アクリレ−ト等のパ−フルオロアルキル
(メタ)アクリレ−ト、フルオロオレフィンなどが挙げ
られ、さらにこれらのモノマ−の1種及び/又はそれ以
上のモノマ−の重合体で、片末端に重合性不飽和基を有
する、いわゆるマクロモノマ−も共重合可能なモノマ−
として挙げられる。
【0016】上記モノマ−混合物の溶液重合時に用いる
溶媒として、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の
アルキルベンゼン誘導体;酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシブチル、アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸メチルセロソル
ブ、セロソルブアセテ−ト、酢酸ジエチレングリコ−ル
モノメチルエ−テル、酢酸カルビト−ル等の酢酸エステ
ル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコ−ルジエチルエ
−テル、エチレングリコ−ルジブチルエ−テル、ジエチ
レングリコ−ルジエチルエ−テル等のエ−テル系溶剤;
メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、i−プロパノ
−ル、(n−、i−、t−)ブタノ−ル等のアルコ−ル
系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤が挙げ
られ、これらは単独で又は2種以上混合して使用でき
る。
【0017】ラジカル重合開始剤としては、例えば過酸
化ベンゾイル、ジ−t−ブチルハイドロパ−オキサイ
ド、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、クミルパ−オ
キサイド、クメンハイドロパ−オキサイド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパ−オキサイド、t−ブチルパ−
オキシベンゾエ−ト、ラウリルパ−オキサイド、アセチ
ルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシ−2−エチル
ヘキサノエ−ト等の過酸化物;α,α´−アゾビスイソ
ブチロニトリル、α,α´−アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビ
スシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物が挙げ
られる。一方、基体樹脂(a)として、触媒的連鎖移動
重合法により共重合してなるエチレン性不飽和基及びア
セトアセトキシ基を有するオリゴマーの存在下で、カル
ボキシル基含有モノマー及びその他のモノマーを共重合
して得られるアクリル樹脂を用いても良い。
【0018】具体的には、触媒的連鎖移動重合法( Ca
talytic Chain Transfer Polymerization、以下、
「CCTP法」と略称することがある)によりアセトア
セトキシ基含有モノマーを含むモノマー類を共重合して
なるエチレン性不飽和基及びアセトアセトキシ基を有す
るオリゴマーの存在下でカルボキシル基含有モノマー及
びその他のモノマーを共重合してなるアクリル共重合体
である。
【0019】上記CCTP法は、例えば、特公平6−2
3209号公報、特公平7−35411号公報、特表平
9−501457号公報、特開平9−176256号公
報、Macromolecules 1996、29、
8083−8089などに記載されており、重合性不飽
和モノマ−を、触媒的連鎖移動剤である金属錯体及びラ
ジカル重合開始剤の存在下で、無溶剤で又は有機溶剤中
などで重合せしめる方法である。
【0020】金属錯体としては、例えば、コバルト錯
体、鉄錯体、ニッケル錯体、ルテニウム錯体、ロジウム
錯体、パラジウム錯体、レニウム錯体、イリジウム錯体
などが挙げられ、これらのうち、なかでもコバルト錯体
が効率良く連鎖移動剤として作用するので好ましい。
【0021】上記コバルト錯体としては、例えば、特公
平6−23209号公報、特公平7−35411号公
報、USP4526945号公報、USP469405
4号公報、USP4837326号公報、USP488
6861号公報、USP5324879号公報、WO9
5/17435号公報、特表平9−510499号公報
等に記載されているものを使用することができる。具体
的には、例えば、ビス(ボロンジフルオロジメチルジオ
キシイミノシクロヘキサン)Co(II)、ビス(ボロン
ジフルオロジメチルグリオキシメイト)Co(II)、ビ
ス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)C
o(II)、ビシナルイミノヒドロキシイミノ化合物のコ
バルト(II)キレ−ト、テトラアザテトラアルキルシク
ロテトラデカテトラエンのコバルト(II)キレ−ト、
N,N´−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノコバ
ルト(II)キレ−ト、ジアルキルジアザジオキソジアル
キルドデカジエンのコバルト(II)キレ−ト、コバルト
(II)ポルフィリン錯体などがあげられる。これらのう
ち、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイ
ト)Co(II)、ビス(ボロンジフルオロジメチルグリ
オキシメイト)Co(II)などは入手が容易であり、好
適なものである。
【0022】また、例えば、特公平8−19172号公
報に記載されている、金属に直接ラジカル開裂が可能な
基が結合した錯体を、上記の金属錯体に代えて、使用す
ることも可能である。ラジカル開裂が可能な基として
は、例えば、アルキル基、アリ−ル基、複素環式基など
が挙げられる。さらに、可視光又は紫外線の照射や加熱
により金属イオンからホモリチック解離できる置換誘導
体;キレ−ト金属イオンに結合したハロゲン化物;他の
陰イオン、ニトリル、エステル、金属イオンに結合した
炭素原子で置換した芳香族又は置換芳香族基などが挙げ
られる。これらの金属に直接ラジカル開裂が可能な基が
結合した錯体を使用する系では、ラジカル重合開始剤を
併用しなくても差支えない。
【0023】アセトアセトキシ基含有モノマーとして
は、前述の説明で列記した中から適宜選択して使用で
き、特にアセトアセトキシエチルメタクリレートが好適
である。
【0024】オリゴマー製造時に該アセトアセトキシ基
含有モノマーと必要に応じて共重合してもよいその他の
モノマーとしては、前述のカルボキシル基含有モノマ
ー、ポリオキシアルキレン構造を有する基含有モノマー
及びその他のモノマーに列記の中から適宜選択して使用
することができる。
【0025】本発明において、モノマー類をCCTP法
により重合するに際して、触媒的連鎖移動剤である金属
錯体の使用比率は、特に限定されるものではないが、通
常、重合に使用されるエチレン性不飽和単量体100重
量部当たり、1×10-6〜1重量部、特に1×10-4
0.5重量部の範囲内が好適である。
【0026】また、金属錯体の反応性の調整や溶解性を
良くするために、既知の配位化合物を、必要に応じて配
合することもできる。かかる配位化合物としては、例え
ば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンの
ようなリン化合物;ピリジン、トリブチルアミンのよう
なアミン化合物などを挙げることができる。
【0027】また、上記オリゴマーをCCTP法によっ
て製造する際に用いうるラジカル重合開始剤としては、
それ自体既知のラジカル重合開始剤を挙げることがで
き、その代表例として、例えば、シクロヘキサノンパー
オキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン
パーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−
ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)
バレレ−ト、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−
ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−
イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプ
ロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミ
ルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ビス(ter
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネ−
ト、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン等の過酸化物系重合開始剤;2,2´−アゾビス
(イソブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン、2,2´
−アゾビスメチルバレロニトリル、4,4´−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、2−(tert−ブチルアゾ)
−2−シアノプロパン、2,2´−アゾビス(2,4,
4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2´−アゾ
ビス(2−メチルプロピオネ−ト)等のアゾ系開始剤を
挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤の使
用量は、特に限定されるものではないが、通常、重合に
用いられるエチレン性不飽和単量体100重量部当た
り、0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部の範
囲内であることが好ましい。
【0028】CCTP法による重合反応を有機溶剤中で
行う場合、重合反応時に使用される有機溶剤としては、
モノマー類、並びに重合によって得られるオリゴマーを
溶解又は分散できるものであれば特に制限なく使用する
ことができ、具体例としては、例えば、ヘプタン、トル
エン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリッツ等の炭
化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソ
ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イ
ソブタノール等のアルコ−ル系溶剤;n−ブチルエーテ
ル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテ
ル系溶剤;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾ
ール1000、スワゾール1500等の芳香族石油系溶
剤等を挙げることができる。
【0029】これらの有機溶剤は、1種で、又は2種以
上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の使
用比率は、重合反応時におけるエチレン性不飽和単量体
の合計重量100重量部に基づいて、通常、400重量
部以下の範囲内が好ましい。
【0030】本発明において、オリゴマー(I)をCC
TP法によって有機溶剤中において製造する場合には、
モノマー類を、金属錯体及びラジカル開始剤の存在下
で、有機溶剤中で加熱して共重合を行なうが、重合反応
熱による系の温度上昇を抑えるために、以下の(1)又
は(2)の方法が好適に用いられる。
【0031】(1)金属錯体及び有機溶剤を反応槽に仕
込み、60〜200℃の温度で、撹拌しながら、エチレ
ン性不飽和単量体とラジカル重合開始剤を所定の時間を
かけて混合滴下または分離滴下する。
【0032】(2)上記(1)の方法において、金属錯
体の一部又は全部をエチレン性不飽和単量体と共に混合
滴下又は分離滴下する。
【0033】上記の通り得られるオリゴマーの存在下で
カルボキシル基含有モノマー及びその他のモノマーを重
合してなる重合体の製造は、オリゴマー、重合開始剤、
及び必要に応じて、溶媒の存在下で、上記モノマーを類
を重合することによって行うことができる。
【0034】上記の通り得られる基体樹脂(a)の数平
均分子量は、通常、1,000〜200,000、好ま
しくは2,000〜100,000、さらに好ましくは
2,000〜50,000の範囲内である。該数平均分
子量が1,000未満では、乾燥性が不十分となり塗膜
の耐候性、耐久性が低下し、一方200,000より大
きいと仕上り外観が低下するだけでなく塗膜の磨耗性が
不足し、十分な防汚性が得られないので好ましくない。
【0035】樹脂(A)は、例えば、上記の通り得られ
る基体樹脂(a)に、2価の金属の酸化物あるいは水酸
化物を、該基体樹脂固形分に対して1〜30重量%の水
の存在下で、通常、50〜200℃で1〜20時間反応
させることによって得ることができる。反応初期には、
粉末状の金属化合物が基体樹脂中に分散しているだけで
あるが、反応の進行と共に全体が透明になる。該反応系
には適当量の極性溶剤を添加することもできる。該極性
溶剤としては、例えば、アルコ−ル系、ケトン系、エス
テル系、エ−テル系溶剤などが挙げられる。
【0036】上記2価金属の酸化物あるいは水酸化物と
しては、特に制限なく使用できるが、樹脂(a)中のア
セトアセトキシ基とのキレ−ト化が起こらないように銅
よりキレ−ト安定度定数が小さい金属であることが望ま
しく、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄の
いずれかの酸化物あるいは水酸化物などが挙げられ、特
に亜鉛の酸化物あるいは水酸化物が好適である。
【0037】この工程において、水は反応を促進させる
効果と同時に、ゲル化を防止する効果も有するが、1重
量%未満ではその効果がみられず、30重量%を越えて
用いてもその効果は変わらない。反応終了後に、系に溶
解しない過剰の水分は、減圧、デカンテ−ション、加熱
等の方法により容易に除去できる。
【0038】ここで基体樹脂中のカルボキシル基と金属
化合物の配合比は、モル比でカルボキシル基/金属化合
物=0.1〜5.0の範囲内にあることが好ましい。該
モル比が0.1より小さいと反応に長時間要するように
なり、実用的でなく、一方モル比が5.0より大きくな
ると有効成分である金属カルボキシレ−ト構造よりもフ
リ−のカルボン酸の方が多くなり、経時で磨耗性を発揮
することが困難になるので好ましくない。
【0039】上記の通り得られる樹脂(A)は、基体樹
脂中のカルボキシル基と2価金属との当量比(COO-
/M2+)が0.1〜5、好ましくは0.25〜2となる
よう金属カルボキシレ−ト構造を分子内及び/又は分子
間に形成せしめてなるものである。
【0040】前記樹脂(A)には、必要に応じて、他の
樹脂を併用してもよい。例えばロジン、モノカルボン酸
(例えば、ナフテン酸などの炭素数6〜18の脂肪酸な
ど)、及びその塩(例えば、銅、亜鉛、カルシウム、マ
グネシウムの塩など)等が挙げられる。これらは、樹脂
(A)の固形分に対して50重量%以下、好ましくは5
〜30重量%の範囲内で使用されることが望ましい。
【0041】本発明において銅系防汚剤(B)として
は、例えば、亜酸化銅、チオシアン銅、銅粉末、塩基性
塩化銅、塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅、珪酸銅、水酸化
銅、銅ピリチオンなどが挙げられ、特に亜酸化銅が好適
である。また該銅系防汚剤(B)に、他の従来公知の防
汚剤、例えばエチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜
鉛、テトラメチルチウラムジスルファイドなどの含窒素
硫黄系防汚剤;ビス(トリフェニルスズ)オキサイド、
ビス(トリブチルスズ)オキサイド、トリブチルスズア
セテ−ト、トリブチルスズクロライド、トリフェニルス
ズハイドロオキサイド、トリフェニルスズバ−サテ−
ト、ビス(トリブチルスズ)α,α´−ジブロムサクシ
ネ−トなどの有機錫系防汚剤;ニトリル系化合物、ベン
ゾチアゾ−ル系化合物、トリアジン系化合物、尿素系化
合物、イソチアゾリン系化合物、マレイミド系化合物、
N−ハロアルキルチオ系化合物、テトラサイクリン系化
合物、ジンクピリチオン、トリフェニルボロンピリジン
塩などのピリジン系化合物などの殺菌剤及び酸化亜鉛な
どから適宜選んで併用してもよい。
【0042】上記銅系防汚剤(B)の配合量は、樹脂固
形分100重量部に対して100〜300重量部程度と
することが適当である。
【0043】本発明組成物には、さらに必要に応じて、
顔料、可塑剤、溶剤など塗料用添加剤を配合してもよ
い。
【0044】本発明組成物を用いて塗膜を形成する方法
としては、特に制限されるものではなく従来公知の方法
が用いられる。具体的には、水中構造物(例えば、船
舶、港湾施設、ブイ、パイプライン、橋梁、海底基地、
養殖網、定置網等)等の基材表面に直接、又は基材にウ
ォッシュプライマ−、ジンクエポキシ系ショッププライ
マ−等のプライマ−類;ビニルタ−ル系、油性サビ止
め、塩化ゴム系、エポキシ系等の下塗りプライマ−類;
塩化ゴム系、エポキシ系等の中塗り塗料類をそれぞれ塗
布して形成させた単層塗膜、プライマ−及び下塗りプラ
イマ−の塗料を塗布して形成させた複層塗膜、及びプラ
イマ−、下塗りプライマ−、中塗り塗料を順次塗装して
形成させた複層塗膜を設けた基材表面に、刷毛塗り、吹
付け塗り、ロ−ラ−塗り、浸漬などの手段で塗布するこ
とができる。その塗布量は、一般的に乾燥膜厚として4
0〜500μm、好ましくは80〜300μmの範囲内
が適当である。塗膜の乾燥は室温で行なうことができる
が、必要に応じて約100℃までの温度で加熱乾燥を行
なってもよい。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、以下「部」及び「%」はそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を示す。
【0046】塗膜形成樹脂(A)の製造 製造例1 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却機、滴下ポ
ンプを備え付けた反応容器に、酢酸ブチル55部、n−
ブタノール55部を仕込み、撹拌しながら105℃まで
昇温した後、105℃に保ったまま、メタクリル酸1
8.5部、メトキシエチルアクリレート20部、エチル
アクリレート56.5部、2−(アセトアセトキシ)エ
チルアクリレート5部及びα、α′−アゾビス−2−メ
チルブチロニトリル8部の混合物108部を、滴下ポン
プを利用して4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終
了後、30分間105℃に保ち、撹拌を続けた。その
後、α、α′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1
部を酢酸ブチル6部に溶解させたものを1時間かけて一
定速度で滴下し、さらに1時間105℃に保ち反応を終
了した。得られた基体樹脂溶液は、不揮発分46%、ガ
ードナー粘度A1の均一で透明な溶液であり、樹脂の酸
価は120mgKOH/g、数平均分子量は7000で
あった。
【0047】上記樹脂溶液200部に、酸化亜鉛8.4
部、水5.3部、酢酸ブチル7.5部およびブタノール
7.5部添加し、100℃で20時間撹拌を続けて、不
揮発分44.8%、ガードナー粘度Lの透明な樹脂溶液
(A−1)を得た。
【0048】製造例2 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却機、滴下ポ
ンプを備え付けた反応容器に、酢酸ブチル55部、n-ブ
タノール55部を仕込み、撹拌しながら105℃まで昇
温した後、105℃に保ったまま、メタクリル酸18.
5部、メトキシエチルアクリレート20部、エチルアク
リレート51.5部、2−(アセトアセトキシ)エチル
アクリレート10部及びα、α′−アゾビス−2−メチ
ルブチロニトリル8部の混合物108部を、滴下ポンプ
を利用して4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了
後、30分間105℃に保ち、撹拌を続けた。その後、
α、α′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1部を
酢酸ブチル6部に溶解させたものを1時間かけて一定速
度で滴下し、さらに1時間105℃に保ち反応を終了し
た。得られた基体樹脂溶液は、不揮発分45%、ガード
ナー粘度A1の均一で透明な溶液であり、樹脂の酸価は
120mgKOH/g、数平均分子量は9000であっ
た。
【0049】上記樹脂溶液220部に、酸化亜鉛8.4
部、水5.3部、酢酸ブチル7.5部およびブタノール
7.5部添加し、100℃で20時間撹拌を続けて、不
揮発分45.6%、ガードナー粘度Z1-の透明な樹脂
溶液(A−2)を得た。
【0050】製造例3 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却機、滴下ポ
ンプを備え付けた反応容器に、酢酸ブチル60部、n−
ブタノール60部を仕込み、撹拌しながら105℃まで
昇温した後、105℃に保ったまま、メタクリル酸10
部、メトキシエチルアクリレート15部、エチルアクリ
レート32部、n−ブチルアクリレート15部、2−
(アセトアセトキシ)エチルアクリレート28部及び
α、α′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8部の
混合物108部を、滴下ポンプを利用して4時間かけて
一定速度で滴下した。滴下終了後、30分間105℃に
保ち、撹拌を続けた。その後、α、α′−アゾビス−2
−メチルブチロニトリル1部を酢酸ブチル6部に溶解さ
せたものを1時間かけて一定速度で滴下し、さらに1時
間105℃に保ち反応を終了した。得られた基体樹脂溶
液は、不揮発分40%、ガードナー粘度A4の均一で透
明な溶液であり、樹脂の酸価は70mgKOH/g、数
平均分子量は7000であった。
【0051】上記樹脂溶液250部に、酸化亜鉛4.5
部、水5.3部、酢酸ブチル7.5部およびブタノール
7.5部添加し、100℃で20時間撹拌を続けて、不
揮発分39%、ガードナー粘度XYの透明な樹脂溶液
(A−3)を得た。
【0052】製造例4 使用するエチレン性不飽和単量体および溶媒は、いずれ
も使用前に、これらの中に窒素ガスを少なくとも1時間
通送することにより、脱気(脱酸素)を行った。
【0053】温度計、サーモスタット、撹拌機、環流冷
却機、滴下ポンプを備え付けた反応容器にキシレン30
部、酢酸エチル25部を仕込み、窒素ガスを通送しなが
ら105℃に加熱して、アセトアセトキシエチルメタク
リレート100部、ビス(ボロンジフルオロジメチルグ
リオキシメイト)Co(II)0.025部、2、2’―ア
ゾビス(2―メチルブチロニトリル)1部、酢酸エチル
15部の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後1
05℃で1時間放置し、更に2、2’―アゾビス(2―
メチルブチロニトリル)0.5部、キシレン12部を1
時間かけて滴下し、滴下終了後105℃で1時間放置
し、アセトアセトキシ基含有オリゴマー(数平均分子量
=500)の溶液(固形分53%)を製造した。
【0054】次いで、温度計、サーモスタット、撹拌
機、環流冷却機、滴下ポンプを備え付けた反応容器に上
記で製造した固形分53%のアセトアセトキシ基含有オ
リゴマー溶液18部、酢酸ブチル55部、n−ブタノー
ル55部を仕込み、窒素ガスを通送しながら105℃に
加熱して、メタクリル酸18.5部、メトキシエチルア
クリレート20部、エチルアクリレート51.5部及び
2、2’―アゾビス(2―メチルブチロニトリル)8部
の混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後105℃
で30分間放置し、更に2、2’―アゾビス(2―メチ
ルブチロニトリル)1部を酢酸ブチル6部に溶解させた
ものを1時間かけて一定速度で滴下し、さらに105℃
で1時間保ち、反応を終了した。得られた基体樹脂溶液
は、不揮発分44.5%、ガードナー粘度A1の均一で
透明な溶液であり、樹脂の酸価は120mgKOH/
g、数平均分子量は11000であった。
【0055】上記樹脂溶液220部に、酸化亜鉛8.4
部、水5.3部、酢酸ブチル7.5部およびブタノール
7.5部添加し、100℃で20時間撹拌を続けて、不
揮発分44.9%、ガードナー粘度YZの透明な樹脂溶
液(A−4)を得た。
【0056】比較製造例1 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却機、滴下ポ
ンプを備え付けた反応容器に、酢酸ブチル55部、n−
ブタノール55部を仕込み、撹拌しながら105℃まで
昇温した後、105℃に保ったまま、メタクリル酸1
8.5部、メトキシエチルアクリレート20部、エチル
アクリレート61.5部及びα、α′−アゾビス−2−
メチルブチロニトリル8部の混合物108部を、滴下ポ
ンプを利用して4時間かけて一定速度で滴下した。滴下
終了後、30分間105℃に保ち、撹拌を続けた。その
後、α、α′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1
部を酢酸ブチル6部に溶解させたものを1時間かけて一
定速度で滴下し、さらに1時間105℃に保ち反応を終
了した。得られた基体樹脂溶液は、不揮発分46%、ガ
ードナー粘度A1の均一で透明な溶液であり、樹脂の酸
価は120mgKOH/g、数平均分子量は10000
であった。
【0057】上記樹脂溶液200部に、酸化亜鉛8.4
部、水5.3部、酢酸ブチル7.5部およびブタノール
7.5部添加し、100℃で20時間撹拌を続けて、不
揮発分44.1%、ガードナー粘度0の透明な樹脂溶液
(A−5)を得た。
【0058】比較製造例2 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却機、滴下ポ
ンプを備え付けた反応容器に、酢酸ブチル55部、n−
ブタノール55部を仕込み、撹拌しながら105℃まで
昇温した後、105℃に保ったまま、メタクリル酸1
8.5部、メトキシエチルアクリレート40部、エチル
アクリレート41.5部及びα、α′−アゾビス−2−
メチルブチロニトリル8部の混合物108部を、滴下ポ
ンプを利用して4時間かけて一定速度で滴下した。滴下
終了後、30分間105℃に保ち、撹拌を続けた。その
後、α、α′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1
部を酢酸ブチル6部に溶解させたものを1時間かけて一
定速度で滴下し、さらに1時間105℃に保ち反応を終
了した。得られた基体樹脂溶液は、不揮発分46%、ガ
ードナー粘度A3の均一で透明な溶液であり、樹脂の酸
価は120mgKOH/g、数平均分子量は8000で
あった。
【0059】上記樹脂溶液200部に、酸化亜鉛8.4
部、水5.3部、酢酸ブチル7.5部およびブタノール
7.5部添加し、100℃で20時間撹拌を続けて、不
揮発分45.1%、ガードナー粘度Mの透明な樹脂溶液
(A−6)を得た。
【0060】防汚塗料の作成 実施例1 上記製造例で得られた樹脂溶液(A−1)225部、塩
素化パラフィン20部、亜酸化銅250部、銅ピリチオ
ン15部、ベンガラ3部、「エロジル#200」(商品
名、デグサ社製、シリカ粉末)1部、及びキシロール4
0部をペイントコンディショナーにて混合分散して防汚
塗料を得た。
【0061】実施例2〜6、及び比較例1〜4 実施例1において、表1に示す配合とする以外は実施例
1と同様にして各防汚塗料を得た。表1中の(*1)高酸
価アクリル樹脂溶液として、上記樹脂溶液(A−6)の
製造工程で得た酸価120mgKOH/gの基体樹脂溶
液(金属中和されていない)を用いた。
【0062】性能試験 上記のとおり得られた各防汚塗料を下記性能試験に供し
た。その結果を表1に示す。
【0063】(1)塗膜の伸び率:各防汚塗料を、離型
紙を貼り付けたガラス板上に塗膜厚が150μmになる
ように塗布し、20℃で7日間乾燥させた。この塗膜を
遊離し、20mm×5mm幅の短冊状に加工し測定試料
とした。これを引っ張り試験器に供し、該塗膜の伸び率
(%)を測定した。なお、引っ張り速度は、8mm/m
inで行った。
【0064】(2)ワレ試験:ビニルタール系塗料によ
り防食塗装を施した100×300×3.2mmの大き
さの試験塗板に、上記で得られた防汚塗料を乾燥膜厚で
150μmとなるように塗布し、乾燥して各試験塗板を
得た。これらを静岡県清水市沖の駿河湾に半没浸漬し、
塗膜のワレを評価した。
【0065】(3)塗料の粘度:各防汚塗料を250c
cの容器に入れ、これを40℃で2ヶ月間貯蔵した。貯
蔵前及び2ヶ月後の塗料の粘度をストーマー粘度計で測
定した。
【0066】(4)防汚性試験:ビニルタール系塗料に
より防食塗装を施した100×300×3.2mmの大
きさの試験塗板に、上記で得られた防汚塗料を乾燥膜厚
で150μmとなるように塗布し、乾燥して各試験塗板
を得た。これらを大阪府高石市の大阪湾水深1mのとこ
ろに浸漬し、12ヶ月後の防汚性の生物汚損面積比率
(フジツボ付着%)で評価した。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、銅系防汚剤を配合して
も増粘することなく長期貯蔵が可能で、しかも十分な伸
び率の確保により海水浸漬中の塗膜表面のワレを抑制し
た防汚塗料組成物が得られ、長期に渡る防汚性能を発揮
出来る塗膜を形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 圭 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CG001 CG031 CG071 CG141 CH141 CH151 CJ021 CJ031 CJ131 GA06 GA08 GA16 HA106 HA216 HA226 HA266 HA376 HA456 JB24 JB35 JC18 JC38 KA06 PB05 PB07 PC02 PC04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)塗膜形成樹脂、及び(B)銅系防汚
    剤を含有する組成物であって、該塗膜形成樹脂(A)
    が、カルボキシル基及びアセトアセトキシ基を有し且つ
    酸価10〜300mgKOH/gを有する基体樹脂
    (a)中のカルボキシル基と2価金属との当量比が0.
    1〜5となるよう形成された金属カルボキシレ−ト構造
    を分子内及び/又は分子間に有する樹脂であることを特
    徴とする防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】基体樹脂(a)が、カルボキシル基含有モ
    ノマー、アセトアセトキシ基含有モノマー及びその他の
    モノマーを共重合して得られるものである請求項1記載
    の防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】基体樹脂(a)が、触媒的連鎖移動重合法
    により共重合してなるエチレン性不飽和基及びアセトア
    セトキシ基を有するオリゴマーの存在下で、カルボキシ
    ル基含有モノマー及びその他のモノマーを共重合して得
    られるものである請求項1記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】基体樹脂(a)が、さらに下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、R1 は水素又は炭素数1〜20の直鎖、分岐又
    は環状のアルキル基又はアラルキル基を、mは1〜4の
    整数を、nは1〜100の整数をそれぞれ示す)で表さ
    れるポリアルキレングリコ−ル構造を有する基を有する
    ものである請求項1ないし3のいずれか1項記載の防汚
    塗料組成物。
  5. 【請求項5】2価金属が、亜鉛、カルシウム、マグネシ
    ウム、鉄のいずれかである請求項1記載の防汚塗料組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103122187A (zh) * 2011-11-18 2013-05-29 中国科学院兰州化学物理研究所 离子液改性海洋防污涂料
CN111234108A (zh) * 2020-02-18 2020-06-05 上海交通大学 一种可用于面膜的水凝胶材料制备方法

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