JP2002173312A - トリクロロシランの精製方法 - Google Patents

トリクロロシランの精製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気相成長法による多結晶シリコンの製造に伴
って還元炉から排出される排ガスより得たトリクロロシ
ラン及び四塩化珪素を主成分とするクロルシラン液を蒸
留塔に通して精製する際の品質低下を回避する。 【解決手段】 蒸留塔10を共用する複数の還元炉1
を、反応初期が重ならないパターンで稼働させることに
より、蒸留塔10に供給されるクロルシラン液中の四塩
化珪素濃度を30%以上に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコンの
製造に用いられるトリクロロシランの精製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの素材であるシリコン単
結晶の製造原料である高純度の多結晶シリコンは、シー
メンス法と呼ばれる気相成長法により製造されている。
この製造工程を図1により説明する。
【0003】まず、金属シリコン、四塩化珪素(ST
C:SiCl4 )及び水素ガスを原料として転化炉によ
りトリクロロシラン(TCS:SiHCl3 )が製造さ
れる。製造されたトリクロロシランは、バージン蒸留系
に送られ、ここで複数の蒸留塔に通されて高純度のトリ
クロロシランに精製される。この高純度のトリクロロシ
ランは、後述する未反応蒸留系で精製された高純度のト
リクロロシラン及び水素と共に、還元炉に供給される。
【0004】還元炉では、トリクロロシラン及び水素を
原料とする還元反応により、加熱されたシード表面に多
結晶シリコンが気相析出する。この反応に伴って、還元
炉からは、未反応のトリクロロシラン及び水素、並びに
反応生成物である四塩化珪素からなる排ガスが排出され
る。この排ガスは、水素回収工程に送られる。この工程
では、排ガスを−10℃以下に冷却して、排ガス中のト
リクロロシラン及び四塩化珪素を液化し、水素から分離
する。この工程で回収された水素は、還元炉に原料ガス
として供給される。
【0005】一方、液化したトリクロロシラン及び四塩
化珪素を主成分とするクロルシラン液は、未反応蒸留系
に送られる。未反応蒸留系では、クロルシラン液を蒸留
塔に通し、トリクロロシランを四塩化珪素及び不純物か
ら分離する。塔頂部から取り出される高純度のトリクロ
ロシランは、還元炉に原料ガスとして供給される。塔底
部から取り出される不純物を含む四塩化珪素は、前出し
た転化工程に送られる。塔頂部と塔底部の間からサイド
カットにより高純度の四塩化珪素を製品として取り出す
場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような多結晶シリ
コンの製造工程では、未反応蒸留系の蒸留塔から還元炉
へ送られる高純度のトリクロロシランには、PCl3
の不純物を極力排除した非常に高い品質が要求される。
このため、トリクロロシランの品質が管理されるが、要
求される不純物濃度が低いために、通常の化学分析法で
は不純物量を正確に測定することができない。
【0007】そこで、蒸留塔で精製されたトリクロロシ
ランを、検定炉と呼ばれる小型の還元炉へ定期的に送っ
て実際に多結晶シリコンのサンプル品を製造し、更にそ
のサンプル品からFZ法により製造したシリコン単結晶
の比抵抗を測定することで、トリクロロシランの品質を
検査・管理することが行われている。
【0008】シリコン単結晶の製造に使用される多結晶
シリコンの製造原料としてのトリクロロシランに要求さ
れる品質は、サンプル製造されたシリコン単結晶の比抵
抗で例えばN型3000Ωcm以上である。ところが、
未反応蒸留系の蒸留塔で精製されたトリクロロシランに
対して、本発明者らが長期の品質調査を継続的に行った
ところ、サンプル製造されたシリコン単結晶の比抵抗が
N型1500Ωcmを下回るようなレベルまで、トリク
ロロシランの品質が劣化する場合のあることが明らかに
なった。
【0009】このトリクロロシランの品質劣化は不定期
に起こり、比較的長い期間生じない場合もあるが、この
トリクロロシランを原料として製造される多結晶シリコ
ンの品質への悪影響が無視できないことは言うまでもな
い。その原因については、未反応蒸留系内で汚染が生じ
ている可能性も考えられるが、原因となる現象との因果
関係は明確でない。
【0010】本発明の目的は、多結晶シリコンの製造工
程での未反応蒸留系で精製されるトリクロロシランの品
質低下を阻止し、高品質なトリクロロシランの安定供
給、ひいては高品質な多結晶シリコンの安定的な製造を
可能にするトリクロロシランの精製方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】ところで、気相成長によ
る多結晶シリコンの製造では、通常、複数の還元炉が並
列的に使用される。これに対し、トリクロロシランの製
造系統(バージン蒸留系)及び回収系統(未反応蒸留
系)は、複数の還元炉の間で共用されるのが通例であ
る。本発明者らは、未反応蒸留系で精製されるトリクロ
ロシランの品質が低下する現象の周期等を詳細に調査し
た結果、還元炉の操業サイクルが、トリクロロシランの
品質低下に関連していることを突き止めた。より具体的
には、未反応蒸留系の蒸留塔に供給されるクロルシラン
液の組成が、複数の還元炉の操業サイクルによる影響を
受け、これがトリクロロシランの品質低下の原因になっ
ているのである。
【0012】即ち、未反応蒸留系では、図2に示すよう
に、トリクロロシラン及び四塩化珪素を主成分とするク
ロルシラン液が蒸留塔10に供給される。蒸留塔10に
供給されたクロルシラン液は、塔底部の蒸発缶11によ
り加熱される。沸点の低いトリクロロシランは、蒸気と
なって塔頂部から排出され、凝縮器12により液化され
て、高純度のトリクロロシラン液となる。このトリクロ
ロシラン液は、塔内の温度制御のために一部が塔頂部に
還流され、残りが精製製品として取り出される。精製製
品の取り出し液量Dに対する還流液量Rの比(R/D)
は還流比と呼ばれ、トリクロロシランの精製度に影響す
る。
【0013】一方、沸点の高い四塩化珪素はPCl3
どの不純物と共に塔底部から抜き取られる。また、塔底
部と塔頂部の間からサイドカットにより高純度の四塩化
珪素が製品として抜き取られることもある。ちなみに、
大気圧下におけるトリクロロシランの沸点は約32℃、
四塩化珪素の沸点は約58℃、PCl3 の沸点は約76
℃である。
【0014】他方、未反応蒸留系に接続される複数の還
元炉では、数10〜200時間かけて多結晶シリコンが
製造される。この還元反応中に各還元炉から排出される
排ガス中の四塩化珪素濃度は、反応の進行に伴って変化
する。還元炉における排ガス組成(水素を除く)の経時
変化を図3に示す。以下の還元炉排ガス組成は、排ガス
中の水素を除いた数値である。
【0015】反応初期は、反応開始からトリクロロシラ
ンの流量を増大させている時間帯である。シードが細
く、反応面積が小さいために、還元炉へ供給したトリク
ロロシランの多くが未反応のまま排ガスとして排出され
る。排ガス中の四塩化珪素濃度は5〜30%と低い。
【0016】反応中期は、トリクロロシラン流量が増加
を停止し、一定流量となる時間帯である。シードの表面
積が大きくなっていくため、還元炉へ供給したトリクロ
ロシランの比較的多くが還元反応に寄与する。排ガス中
の四塩化珪素濃度は20〜60%と高くなる。
【0017】反応終期は、反応中期から反応が終了する
までの時間帯である。反応中期より更にシードの表面積
が大きくなっているため、反応中期と同様、還元炉へ供
給したトリクロロシランの比較的多くが還元反応に寄与
する。排ガス中の四塩化珪素濃度は20〜50%であ
る。
【0018】複数の還元炉は、未反応蒸留系を共有して
いるが、多結晶シリコンの生産状況、原料ガス供給能力
等の関係から、同期的な操業はされず、位相を違えて操
業されるのが普通である。このため、未反応蒸留系へ向
かう排ガスの組成は複雑に変動し、その結果、蒸留塔1
0に供給されるクロルシラン液中の四塩化珪素濃度も5
〜60%の範囲内で大きく且つ複雑に変動するが、本発
明者らによる詳細な調査によれば、蒸留塔10に供給さ
れるクロルシラン液中の四塩化珪素濃度が低位で推移し
たときに、蒸留塔10で精製されるトリクロロシランの
品質が低下することが明らかになった。
【0019】即ち、蒸留塔10でのクロルシラン液の供
給流量、加熱量は基本的に一定である。このため、クロ
ルシラン液の組成が一定の場合は、トリクロロシラン液
の還流比R/Dは、塔内の温度制御に依存してのみ変化
し、その変化量は僅かである。しかし、実際には、上述
した複数の還元炉での操業状況の影響を受けて、クロル
シラン液の組成が変動する。その結果、クロルシラン液
中の四塩化珪素濃度が低位で推移することがあり、この
場合は、相対的にトリクロロシラン濃度が上昇し、トリ
クロロシラン液の精製量が増大する。そうすると、トリ
クロロシラン液の取り出し液量Dが増大し、還流比R/
Dは低下する。この還流比R/Dは、トリクロロシラン
の精製度に影響し、還流比R/Dが低下するほど精製度
も低下する。このため、蒸留塔10で精製されるトリク
ロロシラン液の品質が低下することになる。
【0020】本発明者らによる調査の結果、このトリク
ロロシラン液の品質低下を防止するためには、蒸留塔1
0に供給されるクロルシラン液中の四塩化珪素濃度を、
精製操業の実質全期間にわたって30%以上に維持する
のが有効であることが知見された。
【0021】本発明のトリクロロシランの精製方法は、
かかる知見に基づいてなされたものであり、気相成長法
による多結晶シリコンの製造に伴って還元炉から排出さ
れる排ガスから得たトリクロロシラン及び四塩化珪素を
主成分とするクロルシラン液を蒸留塔に通して、トリク
ロロシランを分離するトリクロロシランの精製方法にお
いて、前記蒸留塔に供給するクロルシラン液中の四塩化
珪素濃度を30%以上に管理することにより、前記蒸留
塔で精製されるトリクロロシランの品質低下を阻止し、
高品質なトリクロロシラン、ひいては高品質な多結晶シ
リコンの安定的な製造を可能にする。
【0022】具体的には、前記蒸留塔を共用する複数の
還元炉を、前記蒸留塔に供給されるクロルシラン液中の
四塩化珪素濃度が30%以上に維持されるように、反応
初期の重複が回避されるパターンで稼働させる。或い
は、前記蒸留塔に供給されるクロルシラン液中の四塩化
珪素濃度を連続的又は断続的に測定し、測定された四塩
化珪素濃度が30%未満に低下したときに、前記蒸留塔
からサイドカットによって取り出された四塩化珪素を前
記クロルシラン液に加える。
【0023】なお、本発明では、蒸留塔に流入するクロ
ルシラン液中の四塩化珪素濃度を、精製操業の全期間に
わたって30%以上に維持するのが好ましいが、30%
を下回るクロルシラン液が蒸留塔へ一時的に短時間(具
体的には10時間程度まで)流入することは差し支えな
い。なぜなら、蒸留塔内の組成変化には通常長時間かか
る。そのため、短時間の四塩化珪素濃度低下ならば、組
成変化による品質低下の影響が現れる前に、四塩化珪素
濃度が回復し、通常の塔内組成に戻っていくため、顕著
な品質の低下は発生しない。
【0024】本発明では又、トリクロロシランがジクロ
ロシラン(SiH2 Cl2 )を含むことを排除しない。
なぜなら、ジクロロシランもトリクロロシランと同様に
還元反応の原料として用いられるので、その混在は操業
上特に問題とならないからである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図4は本発明の実施形態を説明する
ためのトリクロロシラン精製設備の構成図である。
【0026】本発明の一実施形態では、複数の還元炉
1,1・・で気相成長法により多結晶シリコンが製造さ
れる。複数の還元炉1,1・・から排出される排ガスは
共通配管を通して水素回収工程2へ送られる。排ガス
は、未反応のトリクロロシラン及び水素、並びに反応生
成物である四塩化珪素等を含んでいる。水素回収工程2
は、排ガスを−10℃以下に冷却して、水素以外の物質
を液化することにより、水素を分離する。水素と分離し
た液体は、トリクロロシラン及び四塩化珪素を主成分と
するクロルシラン液である。
【0027】このクロルシラン液は、未反応蒸留系へ送
られ、ここでタンク3を経て蒸留塔10へ供給される。
蒸留塔10は、クロルシラン液を塔底部の蒸発缶11に
より加熱し、トリクロロシランと四塩化珪素に分離す
る。沸点の低いトリクロロシランは、蒸気となって塔頂
部から排出され、凝縮器12により液化されて、高純度
のトリクロロシラン液となる。このトリクロロシラン液
は、塔内の温度制御のために一部が塔頂部に還流され、
残りが製品として取り出される。
【0028】一方、沸点の高い四塩化珪素はPCl3
どの不純物と共に塔底部から抜き取られる。また、塔底
部と塔頂部の間からサイドカットにより高純度の四塩化
珪素を製品として抜き取ることもできる。
【0029】各還元炉1から排出される排ガス中の四塩
化珪素濃度は、ここでは、反応初期で5〜30%、反応
中期及び反応終期で20〜60%である。複数の還元炉
1,1・・の全てで反応初期が重なると、タンク3があ
るとはいえ、蒸留塔10に供給されるクロルシラン液中
の四塩化珪素濃度は30%未満となり、蒸留塔10で生
成されるトリクロロシラン液の品質が低下する。
【0030】そこで、本実施形態では、蒸留塔10に供
給されるクロルシラン液中の四塩化珪素濃度が30%以
上に維持されるように、2以上の還元炉1,1・で反応
初期が重ならないパターンで、複数の還元炉1,1・・
を稼働させる。即ち、1つの還元炉1が反応初期のと
き、他の還元炉1,1・の1以上が反応中期又は反応終
期となるパターンで、複数の還元炉1,1・・を稼働さ
せる。
【0031】これにより、反応初期の還元炉1から排出
される、四塩化珪素が低濃度の排ガスと、反応中期又は
反応終期の1以上の還元炉1・から排出される、四塩化
珪素が高濃度の排ガスとが混合され、その結果として、
蒸留塔10に供給されるクロルシラン液中の四塩化珪素
濃度が30%以上に維持される。かくして、蒸留塔10
で生成されるトリクロロシラン液の品質低下が回避され
る。
【0032】なお、蒸留塔10に供給されるクロルシラ
ン液は、事前にタンク3を通り、ここに一時的に滞留す
ることにより、その濃度変動が多少緩和される。このた
め、反応初期の90%程度以上が反応中期又は反応終期
と重なっていれば、蒸留塔10に供給されるクロルシラ
ン液中の四塩化珪素濃度は30%以上に維持される。ま
た、仮に四塩化珪素濃度が30%を下回るクロルシラン
液が蒸留塔10へ一時的に流入しても問題のないことは
前述のとおりである。
【0033】本発明の他の実施形態では、蒸留塔10へ
クロルシラン液を供給する管路に、クロルシラン液中の
四塩化珪素濃度を測定する測定器4を設ける。測定器4
は、タンク3と蒸留塔10の間に設置されている。蒸留
塔10からサイドカットにより取り出される四塩化珪素
液をタンク3の上流側に導く管路を設け、この管路に設
けた流量制御弁5を測定器4の出力により制御する。
【0034】具体的には、測定された四塩化珪素濃度が
30%以上のときは、流量制御弁5を閉状態に維持す
る。測定された四塩化珪素濃度が30%未満になると、
流量制御弁5を開き、タンク3内のクロルシラン液中の
四塩化珪素液濃度を高める。これにより、蒸留塔10に
供給されるクロルシラン液中の四塩化珪素濃度が30%
以上に維持され、蒸留塔10で生成されるトリクロロシ
ラン液の品質低下が回避される。
【0035】なお、蒸留塔10に供給されるクロルシラ
ン液は、事前にタンク3を通り、ここに一時的に滞留す
るので、反応全期間の90%程度以上で、四塩化珪素濃
度の測定値が30%以上に維持されていれば、蒸留塔1
0に供給されるクロルシラン液中の四塩化珪素濃度は3
0%以上に維持される。また、仮に四塩化珪素濃度が3
0%を下回るクロルシラン液が蒸留塔10へ一時的に流
入しても問題のないことは前述のとおりである。
【0036】図5は蒸留塔に供給されるクロルシラン液
中の四塩化珪素濃度と、蒸留塔で生成されるトリクロロ
シラン液の品質との関係について調査した結果を示すグ
ラフである。
【0037】トリクロロシラン液の品質は、蒸留塔で精
製されたトリクロロシランを検定炉へ送って多結晶シリ
コンを製造し、更にその多結晶シリコンからFZ法によ
り製造したシリコン単結晶の比抵抗で表している。トリ
クロロシラン液の品質は、この比抵抗でN型3000Ω
cm以上が望ましい。
【0038】図5から分かるように、蒸留塔に供給され
るクロルシラン液中の四塩化珪素濃度が上昇するに従っ
て、蒸留塔で精製されるトリクロロシラン液の品質が向
上し、その四塩化珪素が30%以上で、N型3000Ω
cm以上の品質が確保される。
【0039】本発明の実施前は、蒸留塔で精製されるト
リクロロシランの品質が前記比抵抗でN型1500Ωc
mを下回る状況が、6ヵ月間で12%の期間発生してい
た。しかるに、本発明を実施することにより、このよう
な品質低下は1%まで低減した。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明のトリク
ロロシランの精製方法は、蒸留塔に供給するクロルシラ
ン液中の四塩化珪素濃度を30%以上に管理することに
より、蒸留塔で精製されるトリクロロシランの品質低下
を阻止し、高品質なトリクロロシランを製造できる。こ
れにより、このトリクロロシランを原料として製造され
る多結晶シリコンの品質を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気相成長法による多結晶シリコンの製造フロー
図である。
【図2】未反応蒸留系に使用される蒸留塔の構成図であ
る。
【図3】還元炉における反応の推移を、排ガス組成の経
時変化により示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態を説明するためのトリクロロ
シラン精製設備の構成図である。
【図5】蒸留塔に供給されるクロルシラン液中の四塩化
珪素濃度と蒸留塔で生成されるトリクロロシラン液の品
質との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 還元炉 2 水素回収工程 3 タンク 4 測定器 5 流量制御弁 10 還元炉 11 蒸発缶 12 凝縮器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相成長法による多結晶シリコンの製造
    に伴って還元炉から排出される排ガスから得たトリクロ
    ロシラン及び四塩化珪素を主成分とするクロルシラン液
    を蒸留塔に通して、トリクロロシランを分離するトリク
    ロロシランの精製方法において、前記蒸留塔に供給する
    クロルシラン液中の四塩化珪素濃度を30%以上に管理
    することを特徴とするトリクロロシランの精製方法。
  2. 【請求項2】 前記蒸留塔を共用する複数の還元炉を、
    前記蒸留塔に供給されるクロルシラン液中の四塩化珪素
    濃度が30%以上に維持されるように、反応初期の重複
    が回避されるパターンで稼働させることを特徴とする請
    求項1に記載のトリクロロシランの精製方法。
  3. 【請求項3】 前記蒸留塔に供給されるクロルシラン液
    中の四塩化珪素濃度を連続的又は断続的に測定し、測定
    された四塩化珪素濃度が30%未満に低下したときに、
    前記蒸留塔からサイドカットによって取り出された四塩
    化珪素を前記クロルシラン液に加えることを特徴とする
    請求項1に記載のトリクロロシランの精製方法。
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