JP2002172799A - インクジェット記録装置のインクタンクおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録装置のインクタンクおよびその製造方法

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JP2002172799A
JP2002172799A JP2000373079A JP2000373079A JP2002172799A JP 2002172799 A JP2002172799 A JP 2002172799A JP 2000373079 A JP2000373079 A JP 2000373079A JP 2000373079 A JP2000373079 A JP 2000373079A JP 2002172799 A JP2002172799 A JP 2002172799A
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ink
bag
large bag
ink tank
substrate
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Hiroo Matsumoto
啓男 松本
Koichi Fujita
浩一 藤田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡単な構成で複数種のインクに対して良
好な吐出性を与えるインクタンクを提供する。 【解決手段】 インクジェット記録装置の印字ヘッドに
供給されるインクを貯留するインクタンク11は、複数
の貫通孔40を有する基板41と、各貫通孔の開口一端
を内包するように基板に気密に接合された変形可能なイ
ンク貯留用の複数の小袋42と、これらの小袋を内包す
るように基板に気密に接合された大袋43と、小袋に貯
留されたインクの減少に抗して大袋を拡張し、それによ
って小袋内の負圧と大袋内の負圧の差を調整する負圧調
整手段とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置のインクタンクおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンタでは、イ
ンクタンクから印字ヘッド部にインクが供給され、印字
ヘッド部のノズルからインクが吐出されて記録媒体の記
録面に画像が形成される。形成される画像の品質を保持
するためには、印字ヘッド部におけるインクの吐出性、
すなわち、インクの吐出開始のタイミング、吐出量、吐
出停止のタイミング等が設定通りに維持される必要があ
る。印字ヘッド部におけるこれらインクの吐出性は、印
字ヘッドのノズル内に供給されたインクの液面に凹面状
のメニスカス(曲面)を形成することにより維持され
る。このようなメニスカス面は、ノズルに供給されるイ
ンクの供給圧を所定範囲の負圧に調整することにより形
成される。
【0003】上記のメニスカス面を形成するために、従
来から負圧源をインクタンクに設けた種々の構成が提案
されている。例えば、特開平11−192718号公報
には、バネ部材を使用することなく、印字ヘッドへ供給
されるインクに負圧を加えることができるインクカート
リッジ(インクタンク)が開示されている。
【0004】上記の公報に記載のインクカートリッジ
は、その内部に収納されたインクパッケージと、インク
パッケージを被包するケース体とを備えている。インク
パッケージは、インクが充填される内部パッケージと、
内部パッケージを被包する外部パッケージとを備える。
内部パッケージに密封されたインクはインク抽出部材に
より印字ヘッドへ供給されて印刷が行われる。
【0005】内部パッケージおよび外部パッケージは、
ともに積層構造のフィルム材で構成されるが、外部パッ
ケージを形成する積層構造フィルム材は内部パッケージ
を形成する積層構造フィルム材より形状復元性が大きく
なるように構成されている。このような形状復元性の大
きさの差によって、インクを抽出することにより、内部
パッケージの内側のインク密封部の内圧がより低圧の負
圧へ低下して内部パッケージの形状変化を抑制すること
が困難になった場合でも、外部パッケージの形状変化は
抑制されることによって、外部パッケージの内側の内空
間の内圧が負圧に維持される。したがって、内空間の内
圧とインク密封部の内圧との均衡が保たれ、内部パッケ
ージの内圧が適度な負圧に維持される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、多色印字が可能
なカラープリンタが普及している。カラープリンタにお
いては、異なる色のインクを収容するために複数のイン
クタンクが配置される。複数のインクタンクに収容され
た各インクの吐出性を良好に維持するには、各インク毎
に凹面状のメニスカスを形成する必要があり、各インク
タンク毎に負圧調整のための構造が必要となる。したが
って、インクタンクおよび印字ヘッド部を含むインク供
給部の全体が大型化し、製造工程の短縮化および製造コ
ストの低減等の障害となっている。
【0007】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、簡単な構成で複数種のインクに対して良
好な吐出性を与えるインクタンクを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、イン
クジェット記録装置の印字ヘッドに供給されるインクを
貯留するインクタンクであって、複数の貫通孔を有する
基板と、各貫通孔の開口一端を内包するように基板に気
密に接合された変形可能なインク貯留用の複数の小袋
と、これらの小袋を内包するように基板に気密に接合さ
れた大袋と、小袋に貯留されたインクの減少に抗して大
袋を拡張し、それによって小袋内の負圧と大袋内の負圧
の差を調整する負圧調整手段とからなるインクジェット
記録装置のインクタンクが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明のインクタンクにおい
て、互いに接合される基板、小袋および大袋は、軽量化
を図る点からインクに耐性のある樹脂を材料として形成
されることが好ましい。このような樹脂としては、ポリ
エチレン樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。なお、同
じ種類の樹脂を使用すれば、接合時における相溶性を高
めることができる。小袋および大袋の形状は特に限定さ
れない。
【0010】この発明のインクジェット記録装置のイン
クタンクでは、大袋が、大きさの異なる小袋の少なくと
も1つを内包することが好ましい。例えば、カラープリ
ンタにおいて、C(シアン)・M(マゼンダ)・Y(イ
エロー)・K(黒)の各色のインクを備えたインクジェ
ット記録装置では、黒色のインクの消費が他の色のイン
クの消費に比べて多いような場合に、黒色インク貯留用
の小袋を他の色のインクの貯留用の小袋よりも大きく設
定することによって、インクタンクの交換回数を減らす
ことができる。また、各色のインク貯留用の小袋の大き
さを経験的な消費量に基づいて設定してもよい。なお、
この発明のインクジェット記録装置のインクタンクは、
交換時に古いインクタンクを廃棄し、新しいインクタン
クに交換するディスポーザブル形式をとることが好まし
い。
【0011】この発明における負圧調整手段としては、
この手段が、小袋より高い剛性を有する大袋自体である
形態、および大袋を外方へ拡張するバネ弾性体である形
態が例示される。小袋より高い剛性を有する大袋自体を
負圧調整手段とする形態としては、小袋をインクに耐性
のある樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂のフィルムで構
成する場合、大袋をポリエチレン樹脂よりも剛性の高い
ナイロン樹脂のフィルムで構成する形態が挙げられる。
【0012】大袋をバネ弾性体で外方へ拡張する負圧調
整手段の形態としては、バネ弾性体が、各端部が大袋の
対向する側面のそれぞれに当接する概略コ字状またはC
字状の板バネからなる形態、および一端部が大袋の対向
する側面のそれぞれに当接し、他端部が大袋の前記側面
のそれぞれに対向して基板に立設された壁部材のそれぞ
れに支持された板の折り曲げバネからなる形態が挙げら
れる。前記のバネ弾性体を用いる場合は、大袋が、少な
くとも一つの側面にバネ弾性体の一端部を係止するバネ
係止部を有することが好ましい。なお、負圧調整手段と
してバネ弾性体を用いる場合、大袋は、バネ弾性体の付
勢力に応じて無理なく伸張し、かつストック性に優れる
点から、マチを有する折り畳み形状のものが好ましい。
【0013】この発明では、貫通孔が、貫通孔を封止
し、かつ印字ヘッドにインクを供給するためのインク供
給針の貫通を許容する弾性封止部材を有する。このよう
な弾性封止部材としては、インクに耐性を有し、貫通さ
れたインク供給針との境界部分からインク漏れのないよ
うなゴム弾性を有する栓が好ましく、このような栓の材
料としては、シリコンゴムが挙げられる。
【0014】この発明では、基板を貫通して大袋内に連
通する大袋貫通孔と、大袋貫通孔を封止し、かつ大袋内
の圧力を調整するための注射針の貫通を許容する弾性封
止部材とをさらに備えることにより、大袋と小袋との間
の空間の圧力を調整することができる。このような圧力
調整は、大袋と小袋との間の空間の負圧と小袋内の負圧
とを均衡させてインクの吐出性を初期状態から良好に維
持するために、インクタンクの初期取り付け時および以
後のインクタンク交換時に行われるのが好ましい。
【0015】この発明では、大袋が、小袋の開口縁部の
少なくとも一部と重なって基板に接合されてなる構成と
することにより、大袋および小袋の双方の基板に対する
接合強度が増すので、小袋からのインク漏れおよび大袋
内に漏れたインクの外部流出を防止できる。大袋と小袋
が接合された上記構成のインクタンクを製造するには、
以下のような2つの製造方法が挙げられる。
【0016】1つは、基板に形成された各貫通孔を内包
するよう複数の小袋をその開口縁部で基板の表面に気密
に接合した後、これらの小袋を内包するように大袋を基
板上で接合するとき、大袋の開口縁部を基板に接合され
た小袋の開口縁部に重ねて接合する工程からなる。もう
1つは、大袋の開口縁部に各小袋の開口縁部の少なくと
も一部を重ねて両者を接合し、接合された小袋と大袋を
基板の表面に接合する工程からなる。
【0017】後者の製造方法では、小袋および大袋の基
板に対する接合作業の回数が減るとともに、小袋および
大袋の基板に対する接合時の位置合わせが容易になる。
さらに、後者の製造方法においては、大袋の開口縁部に
各小袋の開口縁部の少なくとも一部を重ねて両者を接合
する際、予め小袋にインクを入れ、インクが入った小袋
を封止膜材で気密に封止することにより、大袋の接合後
のインク充填が不要となり、生産性が向上する。
【0018】なお、小袋および大袋の基板に対する接合
あるいは小袋と大袋の接合は、従来の接着、溶着、熱融
着等の技術を用いて行うことができる。
【0019】実施例 以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述す
る。これらの実施例によって、この発明が限定されるも
のではない。
【0020】(第1実施例)図1は、この発明の第1実
施例であるインクジェット記録装置としてのインクジェ
ット式カラープリンタの要部を示す斜視図である。この
カラープリンタ100は、印字ヘッド2が記録媒体(以
下、用紙という)3に対して、矢印Aで示す主走査方向
に移動可能で、用紙3が給紙トレイ5から矢印Bで示す
副走査方向に搬送されることにより画像形成を行う。印
字ヘッド2は、主走査方向に平行に延びる送りシャフト
8上を摺動可能に支持されており、送りシャフト8と平
行に張設され、モータ9によって駆動されるタイミング
ベルト10によって移動する。印字ヘッド2にはインク
タンク11が搭載されている。
【0021】印字ヘッド2は、図2に示すように、主走
査方向に配列された各ノズル21を有するヘッド本体2
0と、それらに対応する4種類のインクタンク11から
構成されている。つまり、印字ヘッド2には、C(シア
ン)・M(マゼンダ)・Y(イエロー)・K(黒)の4
色のインクタンク11が備えられ、各色のインクタンク
11に連通するインク吐出用のノズル21が用紙3に対
向するように設けられている。それぞれのインクタンク
11とヘッド本体20は、図3に示すように、互いに接
続と分離が可能に構成されている。すなわち、ヘッド本
体20の頭部に配設されたインク供給針22がインクタ
ンク11の底部に配設された弾性封止部材としてのテフ
ロン(登録商標)栓47を貫通することにより、後記の
インク通路25にインクが連通する。
【0022】図4は、インク通路25を説明するための
図2のC−C断面図である。印字ヘッド2には、前記の
インク供給針22を一端とし、フィルタ28を介して内
部の閉塞されたインク圧力室23に通じるインク通路2
5が配設されている。インク通路25には、印字ヘッド
2の底部に位置するノズルプレート24が配設される。
ノズルプレート24の下面は外方(下方)を臨み、ノズ
ルプレート24の上面はインク圧力室23を臨む。さら
に、インク圧力室23の上部には振動板26および圧電
体27が配設される。インクタンク11には、外装ケー
ス61が取り付けられている。
【0023】前記の印字ヘッド2では、圧電体27に画
像信号に応じた電圧が印加されると、振動板26はイン
ク圧力室23側にたわんでインク圧力室23の体積を減
少させ、ノズル21からインク通路25内のインク3が
吐出される。電圧の印加が終了すると、振動板26の湾
曲がもとに戻り、その復元した体積に相当する量のイン
ク3がインク通路25から供給され、初期の状態に戻
る。上記の動作を繰り返すことにより、画像信号に応じ
た画像が記録媒体上に形成される。
【0024】この発明の負圧調整手段を有するインクタ
ンク11の構成を図5から図7を参照しながら説明す
る。なお、図5はインクタンク11の斜視図、図6はそ
の平面図、図7はその正面断面図である。インクタンク
11は、4つの貫通孔40を有する基板41と、基板4
1上に接合されたインク貯留用の4つの小袋42と、大
袋43とからなる。基板41は、ポリエチレン樹脂から
なる厚さ2.0mmの矩形板からなる。貫通孔40は直
径6.0mmの円孔からなる。
【0025】4つの小袋42は、C(シアン)・M(マ
ゼンダ)・Y(イエロー)・K(黒)の各色のインクを
備える。なお、各小袋42は同一の構成であるため、こ
こでは1つの色のインク、例えば、黒のインクが収容さ
れる小袋42について説明する。小袋42は、ポリエチ
レン樹脂からなる厚さ150μmの透明フィルムで成形
され、長さ:幅:高さ(深さ)の比は約3:1:2であ
り、その容積は10ccである。小袋42は、貫通孔4
0が略中央に位置するように、小袋42の開口縁部が熱
による融着で基板41に気密かつ液密に接合されてい
る。
【0026】4つの小袋42は、基板41上に略等間隔
で配列されている。なお、前記の貫通孔40は、図3お
よび図4に示したように、円筒形のテフロン樹脂からな
るテフロン栓47の接着によって、小袋42内の貯留さ
れたインクが漏れないように封止される。また、テフロ
ン栓47に差し込まれてテフロン栓47を貫通したイン
ク供給針22は、小袋42内とインク圧力室23を連通
させる。インク供給針22の外径は、2.0mmであ
る。
【0027】大袋43は、基板41上に配列された4つ
の小袋42を内部に包含して開口縁部で基板41に気密
に接合されている。大袋43は、ナイロン樹脂からなる
厚さ150μmの透明フィルムで成形され、長さ:幅:
高さ(深さ)の比は約1:2:1であり、その容積は9
0ccである。大袋43は、4つの小袋42が略中央に
位置するように、大袋43の開口縁部が熱による融着で
基板41に気密に接合されている。
【0028】図8は、インクタンク11の製造工程の一
部を示す正面断面図である(大袋43内に配置される4
つの小袋42のうちの3つは図示を省略する)。図8に
示すように、基板41上に小袋42をその開口縁部で接
合した後、大袋43をその開口縁部で基板41上に接合
することにより、インクタンク11は製造される。この
実施例では、剛性体からなる大袋自体が負圧調整手段と
して機能する。すなわち、大袋43は小袋42と同じ厚
さを有しながら、その材質がナイロン樹脂であるため
に、ポリエチレン樹脂からなる小袋42よりも高い剛性
を有する。また、大袋43と小袋42との間の空間(以
下、負圧室と称する)は、初期状態において、−20m
mAq(水頭圧)に保持され、交換時には−100mm
Aq(水頭圧)となるように設定されている。
【0029】カラープリンタ100の動作時において、
圧電体27に画像信号に応じた電圧が印加され、前記の
印字動作が繰り返されることにより、小袋42に貯留さ
れたインクは消費されて減少する。このとき、負圧室
は、小袋42内の負圧の増加に抗して大袋43を拡張す
るように、作用する。これによって小袋42内は負圧が
著しく増加することなく、緩やかな増加に留めることが
できる。また、1つの大袋43で、その内部にある複数
の小袋42に対してそれぞれ均一な負圧を与えることが
可能となり、従来に比べて、インクタンクの構成が簡略
化される。
【0030】図9から図11を参照しながら、インクタ
ンク11の負圧調整手段の構成の他の実施例を説明す
る。なお、以下において、小袋42および大袋43の仕
様、あるいは負圧室の初期状態における水頭圧等の条件
は、第1実施例と異なる場合にのみ説明する。図9〜図
11では、複数からなる大袋43内の小袋42および貫
通孔40のうちのいくつかを省略して示す。
【0031】(第2実施例)図9は、負圧調整手段が大
袋43を外方へ拡張するバネ弾性体である一例を示す。
図9において、バネ弾性体としての板バネ50は、大袋
43の上面を全幅にわたって長さ方向に延びた中央部5
1と、中央部51の長さ方向の両端から下方に延びた各
側部52とから構成される。一方、大袋43の対向する
外側面(図中の左右側面)には、側部52のそれぞれを
係止可能なバネ係止部としてのポケット53が配設され
ている。ポケット53は、挿入された側部52がその内
部で大きく移動しないように板バネ50を支持する。ポ
ケット53の内部で、板バネ50の各側部52は矢印D
方向に付勢されている。
【0032】この例では、大袋43は小袋42と同じ厚
さおよび材質を有するものであっても、板バネ50は、
小袋42内の負圧の増加に抗して負圧室の形状変化を抑
えるべく大袋43を拡張させる。これによって小袋42
内は負圧が著しく増加することなく、緩やかな増加に留
めることができる。
【0033】(第3実施例)図10は、負圧調整手段と
してのバネ弾性体が、大袋43を外方へ拡張する板の折
り曲げバネである例を示す。図10において、板の折り
曲げバネ(以下、折り曲げバネと称する)60は基板4
1上に配設された外装ケース61と一体的に形成されて
いる。すなわち、折り曲げバネ60は、大袋43の側面
の略全幅に相当する幅を有するポリエチレン樹脂からな
る帯状の成形体からなり、ポリエチレン樹脂で形成され
た外装ケース61の対向する内側面が基端となって対向
側面に突出し、複数の折り曲げ部62を有して、先端が
略垂直方向に延びた平坦面からなる平坦部63で形成さ
れている。一方、大袋43の対向する外側面(図中の左
右)には、平坦部63のそれぞれを係止可能なバネ係止
部としてのポケット53が配設されている。ポケット5
3は、挿入された平坦部63がその内部で大きく移動し
ないように折り曲げバネ60を支持する。ポケット53
の内部で、板バネ60の各平坦部63は矢印D方向に付
勢されている。
【0034】この例では、大袋43は小袋42と同じ厚
さおよび材質を有するものであっても、折り曲げバネ6
0は、小袋42内の負圧の増加に抗して負圧室の形状変
化を抑えるべく大袋43を拡張させる。これによって小
袋42内は負圧が著しく増加することなく、緩やかな増
加に留めることができる。また、折り曲げバネ60を外
装ケース61と一体的に成型することで、部品点数を削
減することができる。
【0035】(第4実施例)この実施例では、剛性体か
らなる大袋自体が負圧調整手段として機能するととも
に、負圧室の初期状態における水頭圧を設定可能な構成
を示す。すなわち、図11において、大袋43は小袋4
2と同じ厚さを有しながら、その材質がナイロン樹脂で
あるために、ポリエチレン樹脂からなる小袋42よりも
高い剛性を有する。また、基板41には負圧室に連通す
る大袋貫通孔46が形成され、大袋貫通孔46には円筒
形のシリコン樹脂からなる弾性封止部材としてのシリコ
ン栓49が接着され、このシリコン栓49によって、負
圧室は気密に封止されている。このような構成では、例
えば、初期状態においてシリコン栓49に注射針を差し
込み、シリコン栓49を貫通した注射針を介して負圧室
の水頭圧を所定の値に設定することができる。なお、シ
リコン栓49は、大袋貫通孔46の封止性を高めるため
に、フランジを有するものであってもよい。
【0036】次に、この発明のインクタンク11の製造
方法の他例を図12から図15を参照しながら説明す
る。
【0037】(第6実施例)図12は、小袋42が紙面
前後方向に複数連続し、大袋43がこれらの小袋42を
内包する構成を示す断面図である。図12に示すよう
に、基板41上に小袋42をその開口縁部で接合した
後、大袋43をその開口縁部で、基板41に接合された
小袋42の開口縁部の上に接合する。したがって、基板
41上に接合される小袋42の開口縁部は、予め大きく
設定することが必要である。このような構成では、基板
41に対する小袋42および大袋43の強度が増すの
で、小袋42からのインク漏れおよび大袋43内に漏れ
たインクの外部流出を防止できる。
【0038】(第7実施例)図13は、小袋42が紙面
前後方向に複数連続し、大袋43がこれらの小袋42を
内包する構成を示す断面図である。図13に示すよう
に、複数の小袋42をその開口縁部の上面で大袋43に
接合した後、一体となったこれら小袋42と大袋43
を、小袋42の開口縁部の下面で基板41上に接合す
る。したがって、小袋42および大袋43の基板41に
対する接合作業の回数が減るとともに、小袋42および
大袋43の基板に対する接合時の位置合わせが容易にな
る。
【0039】(第8実施例)図14は、小袋42が紙面
前後方向に複数連続し、大袋43がこれらの小袋42を
内包する構成を示す断面図である。図14に示すよう
に、複数の小袋42に各色のインク3を入れてポリエチ
レン樹脂からなる封止膜材としてのポリエチレンフィル
ム48で封止する。このとき、小袋42とフィルム48
は所定長さの封止部55を有している。次いで、各色の
インクの入った複数の小袋42を(フィルム48の面で
はなく)封止部55の小袋42側で大袋43に接合す
る。一体となったこれら小袋42と大袋43を、フィル
ム48の面を基板41に当接させて接合する。このよう
に構成されたインクタンク11では、貫通孔40に接着
されるテフロン栓47およびフィルム48によって、小
袋42内のインクが二重に封止される。さらに、大袋4
3の接合後のインク充填が不要となり、生産性が向上す
る。
【0040】以下に、この発明に係るインクタンク11
の他の構成例を図15を参照しながら説明する。
【0041】(第9実施例)図15は、大袋が大きさの
異なる小袋を内包する構成の一例を示す正面断面図であ
る。図15において、大袋43内の1つの小袋42aは
大袋43内の他の小袋42より大きく構成されている。
他の小袋42より大きい小袋42aは、例えば、インク
の消費量が比較的多い色(黒等)のインクを収容するた
めに用いられる。小袋42aの容積は、他の小袋42が
10ccのとき、その3倍の30ccとするものが例示
される。したがって、頻繁に使う色のインクの小袋42
の大きさを大きく設定すれば、インクタンクの使用期間
(交換頻度)を伸ばすことができる。
【0042】(第10実施例)前記の第1実施例では、
図1に示したように、カラープリンタ100におけるイ
ンクタンク11とノズル21とが、送りシャフト8に沿
って一体に移動する構成であった。しかし、この第10
実施例においては、図16に示すように、インクタンク
11は、装置本体側に固定され、ノズル本体20とチュ
ーブ65で接続されている。したがって、ノズル本体2
0の移動を阻害しないように、チューブ65は可撓性を
有し、かつ所定の長さを有する。
【0043】なお、前記の各実施例はカラープリンタ等
のインクジェット記録装置内で単独で用いることができ
るし、各実施例を適宜、組み合わせて用いることができ
る。
【0044】
【発明の効果】この発明では、負圧調整手段が大袋内の
負圧を調整することで、その内部にある複数の小袋に対
してそれぞれ均一な負圧を与えることが可能となる。し
たがって、1つの大袋で複数の小袋内の負圧を制御でき
るので、インクタンクの構成が簡略化される。頻繁に使
う色のインクを貯留する小袋の大きさを大きく設定する
ことにより、インクタンクの使用期間(交換頻度)を伸
ばすことができる。負圧調整手段をインクタンクと実質
的に一体で成型することで、構成部材の点数を削減する
ことができる。複数の小袋と大袋を、基板に接合する前
に、予め重ねて接合しておくことにより、小袋および大
袋の基板に対する接合時の位置合わせが容易になる。大
袋の開口縁部に各小袋の開口縁部の少なくとも一部を重
ねて両者を接合する際、予め小袋にインクを入れ、イン
クが入った小袋を封止膜材で気密に封止することによ
り、大袋の接合後のインク充填が不要となり、生産性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例であるインクジェット記
録装置の要部を示す斜視図である。
【図2】図1の印字ヘッドおよびインクタンクの底部を
示す斜視図である。
【図3】図1の印字ヘッドおよびインクタンクのそれぞ
れの接続方法を示す斜視図である。
【図4】図1の印字ヘッド内のインク通路を説明する図
2のC−C断面図である。
【図5】インクタンクの斜視図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5の正面断面図である。
【図8】この発明のインクタンクの製造方法を説明する
正面断面図である。
【図9】この発明の他の負圧調整手段を説明する正面断
面図である。
【図10】この発明のさらに他の負圧調整手段を説明す
る正面断面図である。
【図11】この発明のさらに他の負圧調整手段を説明す
る正面断面図である。
【図12】この発明のインクタンクの他の製造方法を説
明する正面断面図である。
【図13】この発明のインクタンクのさらに他の製造方
法を説明する正面断面図である。
【図14】この発明のインクタンクのさらに他の製造方
法を説明する正面断面図である。
【図15】この発明のインクタンクの他の構成を説明す
る正面断面図である。
【図16】この発明の印字ヘッドおよびインクタンクの
他の接続方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 印字ヘッド 3 用紙(記録媒体) 11 インクタンク 40 貫通孔 42 小袋 43 大袋 46 大袋貫通孔 47 テフロン栓(弾性封止部材) 48 フィルム(封止膜材) 49 シリコン栓(弾性封止部材) 50 板バネ(負圧調整手段) 53 ポケット(係止部) 60 板の折り曲げバネ(負圧調整手段) 100 カラープリンタ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録装置の印字ヘッドに
    供給されるインクを貯留するインクタンクであって、複
    数の貫通孔を有する基板と、各貫通孔の開口一端を内包
    するように基板に気密に接合された変形可能なインク貯
    留用の複数の小袋と、これらの小袋を内包するように基
    板に気密に接合された大袋と、小袋に貯留されたインク
    の減少に抗して大袋を拡張し、それによって小袋内の負
    圧と大袋内の負圧の差を調整する負圧調整手段とからな
    るインクジェット記録装置のインクタンク。
  2. 【請求項2】 大袋が、少なくとも2つの大きさの異な
    る小袋を内包する請求項1に記載のインクジェット記録
    装置のインクタンク。
  3. 【請求項3】 負圧調整手段が、小袋より高い剛性を有
    する大袋自体である請求項1または2に記載のインクジ
    ェット記録装置のインクタンク。
  4. 【請求項4】 負圧調整手段が、大袋を外方へ拡張する
    バネ弾性体である請求項1または2に記載のインクジェ
    ット記録装置のインクタンク。
  5. 【請求項5】 バネ弾性体は、各端部が大袋の対向する
    側面のそれぞれに当接する概略コ字状またはC字状の板
    バネからなる請求項4に記載のインクジェット記録装置
    のインクタンク。
  6. 【請求項6】 バネ弾性体は、一端部が大袋の対向する
    側面のそれぞれに当接し、他端部が大袋の前記側面のそ
    れぞれに対向して基板に立設された壁部材のそれぞれに
    支持された板の折り曲げバネからなる請求項4に記載の
    インクジェット記録装置のインクタンク。
  7. 【請求項7】 大袋が、少なくとも一つの側面にバネ弾
    性体の一端部を係止するバネ係止部を有する請求項5ま
    たは6に記載のインクジェット記録装置のインクタン
    ク。
  8. 【請求項8】 貫通孔が、貫通孔を封止し、かつ印字ヘ
    ッドにインクを供給するためのインク供給針の貫通を許
    容する弾性封止部材を有する請求項1〜7のいずれか1
    つに記載のインクジェット記録装置のインクタンク。
  9. 【請求項9】 基板を貫通して大袋内に連通する大袋貫
    通孔と、大袋貫通孔を封止し、かつ大袋内の圧力を調整
    するための注射針の貫通を許容する弾性封止部材とをさ
    らに備えた請求項1〜8のいずれか1つに記載のインク
    ジェット記録装置のインクタンク。
  10. 【請求項10】 大袋が、小袋の開口縁部の少なくとも
    一部と重なって基板に接合されてなる請求項1〜9のい
    ずれか1つに記載のインクジェット記録装置のインクタ
    ンク。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のインクジェット記
    録装置のインクタンクを製造するに際し、基板に形成さ
    れた各貫通孔を内包するよう複数の小袋をその開口縁部
    で基板の表面に気密に接合した後、これらの小袋を内包
    するように大袋を基板上で接合するとき、大袋の開口縁
    部を基板に接合された小袋の開口縁部に重ねて接合する
    工程を含むインクジェット記録装置のインクタンクの製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のインクジェット記
    録装置のインクタンクを製造するに際し、大袋の開口縁
    部に各小袋の開口縁部の少なくとも一部を重ねて両者を
    接合し、接合された小袋と大袋を基板の表面に接合する
    工程を含むインクジェット記録装置のインクタンクの製
    造方法。
  13. 【請求項13】 大袋の開口縁部に各小袋の開口縁部の
    少なくとも一部を重ねて両者を接合する際、予めに小袋
    にインクを入れ、インクが入った小袋を封止膜材で気密
    に封止する工程を含む請求項12に記載のインクジェッ
    ト記録装置のインクタンクの製造方法。
  14. 【請求項14】 接合を、接着、溶着、熱融着のいずれ
    かで行う請求項11〜13のいずれか1つに記載のイン
    クジェット記録装置のインクタンクの製造方法。
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