JP2002172753A - 印刷機の紙通し装置 - Google Patents

印刷機の紙通し装置

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JP2002172753A
JP2002172753A JP2000373953A JP2000373953A JP2002172753A JP 2002172753 A JP2002172753 A JP 2002172753A JP 2000373953 A JP2000373953 A JP 2000373953A JP 2000373953 A JP2000373953 A JP 2000373953A JP 2002172753 A JP2002172753 A JP 2002172753A
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Yukio Toyomura
幸雄 豊村
Masakazu Akatsuka
正和 赤塚
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙通し作業を効率的に行うことができる印刷
機の紙通し装置を提供する。 【解決手段】 紙通し補助部材4は、弾力性のある樹
脂、或いは布等にて形成されたシート状で、横幅は最大
ウェブ幅程度で、長さは概略冷却ローラ外周長近辺以上
で、収納し易い程度である。紙通し補助部材4の後端部
はウェブ3の先端を粘着テープ等で取付出来るようにな
っている。紙通し補助部材4の四隅に取り付けロープ5
を設け、機械の幅方向両側において一対の牽引ロープ6
a、6bを配設した。取り付けロープ5の別側を取り付
け部材7により対応する各側の牽引ロープ6a、6bに
着脱可能に固定させた。牽引ロープ6a、6bは、ガイ
ドプーリ8にクラッチ15を介して連結した牽引ロープ
走行駆動装置、つまりモータ9を介して牽引される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば輪転印刷機
等に設備し、走行紙の走行経路に沿って紙通しする印刷
機の紙通し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】輪転機に設備した従来の紙通し装置の構
成例説明図を図7に示す。まず、この従来の紙通し装置
が用いられる輪転機を、その一例として商業用オフセッ
ト輪転機を示す図1を用いて説明する。本輪転機は、図
1に示す如く給紙装置(ウェブ供給装置)1、インフィ
ード装置23、印刷装置24、乾燥装置25、冷却装置
26、ウェブパス装置27及び折機2等々、種々のユニ
ットにて構成されている。
【0003】図1に示すように、給紙装置1は、ロール
状シート28を両軸端側から狭持支承したリールスタン
ド29を設備し、該ロール状シート28の支持軸部には
回転を制動するブレーキ装置を具備させている。つま
り、順次繰り出されるウェブ(走行紙)3へ所定のテン
ションを付加させ、弛みのない状態でウェブ3を給送す
る事が出来るようになっている。インフィード装置23
は、該ウェブ3の状態を調整し、安定的に下流の印刷装
置部へ送り出す装置である。印刷装置24は、上記給紙
装置1から連続的に供給されるウェブ3へ所定の印刷を
施すユニットである。通常ウェブ3進行方向に沿ってイ
ンキ色の異なる複数台の印刷装置24を並設させてお
り、該印刷装置群24a〜24nへウェブ3を順次通過
させる事により、目的とする多色印刷が完了するように
なっている。
【0004】上記により総ての印刷を終えたウェブ3
は、乾燥装置25に移送され、印刷面のインキを乾燥
し、続いて冷却装置26において冷却させた後、ウェブ
パス装置27を経て折機2部に移送される。其の後、折
機2にて切断され折り畳んだシート、いわゆる折帳に形
成され排紙コンベアを介して外部へ搬出されるようにな
っている。
【0005】上記ウェブ3を使用して印刷を施す輪転機
等では、印刷を開始するに当たり前準備として、給紙装
置1から折機2に至るウェブパスライン(走行紙経路)
に沿って連続した状態で紙通しを行っておく必要があ
る。しかし、この紙通し作業は複雑で、かつ狭いウェブ
3の走行経路へ連続的に通紙させていくもので、長い時
間と労力を必要としていた。このため、自動的にウェブ
を通していく様々な装置が考案されている。
【0006】一般的な紙通し装置は、ウェブパスライン
に沿って、輪転機の片側に配設した牽引ロープ6へ取り
付けロープを介してウェブ3の先端を連結させ、該牽引
ロープ6、つまり、取り付けロープ5を介した紙通し補
強部材31の移動によってウェブ3を牽引して通紙させ
るもので、ウェブ牽引部等々の構造としては今日種々多
様な形式のものが提案されている。
【0007】新しい形式の一例として、図7に例示した
紙通し装置(ウェブ牽引部)がある。本装置は、輪転機
の幅方向片側においてウェブ3を牽引する牽引ロープ6
を設けている。この牽引ロープ6は、複数組のガイドプ
ーリ8を順次巻回させてエンドレスに配設させたもの
で、ウェブパスラインに沿った通紙方向と適宜の経路に
沿った戻り方向を走行するようになっている。上記ウェ
ブ3を巻回させたガイドプーリ8の一部には駆動手段と
してモータ30が組み込まれている。又、ウェブ3の前
端は三角形(鋭角状)に形成し、最先端部へ補強部材
(紙通し補助部材)31を取り付けた後、該補強部材3
1へ取り付けロープ5を取り付けている。又、前記した
取り付けロープ5は、上記の牽引ロープ6に連結されて
おり、モータ30を介した牽引ロープ6の走行に伴って
牽引されるようになっている。
【0008】上記構造のもと、給紙装置1部において補
強部材31へウェブ3の先端を取り付け、折機2部まで
牽引移送させる。其の後、補強部材31を一旦牽引ロー
プ6から取り外し、ウエブ3の先端取付位置Aに待機さ
せる。尚、要部には透過式光電センサが設けられてお
り、ウェブの破断状態等が検知できるようになってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の紙通し装置は、
上記の如く構成、機能するもので、次のような不具合が
あった。 (1) 従来の紙通し装置は、該牽引ロープ6をウェブパス
ラインの片側のみに設けていた。したがって、構造上ウ
ェブ3を斜め前方へ引っ張る事になり、該ウェブ3が幅
方向片側(牽引ロープ6側)へ徐々にずれ、ウエブ3が
障害物に当たり断紙する場合がある。 (2) 加えて、ウェブ3は柔軟で皺が発生しやすいため、
無理な作用力が発生しないよう牽引力、移送速度を低く
押さえる必要があり、準備時間が長くなり、生産性が上
がらない。 (3) 冷却装置26における冷却ローラ11は、内部に冷
媒を通す構造上運転停止後ローラ表面に結露が生じ易
く、インキ汚れと相俟って紙通しの途上ウェブ3が貼り
付きローラ11外周面に巻き付き、破断することがあ
る。また、このため、通紙速度を上げることができな
い。 (4) 紙通し作業に時間が掛かり、印刷機の稼動率を向上
させる事が出来ない。 (5) 上述した説明以外に、ウエブ走行経路の両側に牽引
ロープ6やチェーンを設け、両側に渡した紙通し用バー
でウエブを案内する方法もあるが、これは印刷装置を通
過させる時、隙間が小さい印刷胴間を通過させることが
困難である為、印刷装置以降のみに使用することが多
い。
【0010】本発明は、かかる状況に鑑みてなされたも
のであり、紙通し作業を効率的に行うことができる印刷
機の紙通し装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するためになされたものであり、輪転印刷機の走行
紙の走行経路に沿って、前記走行紙の幅より広い位置
に、紙通し補助部材搬送手段を配置した紙通し装置にお
いて、紙通し補助部材の幅方向中央近辺を牽引するため
の駆動源で、紙通し経路終了端側の紙幅の中央近辺に設
ける中央搬送手段と、該中央搬送手段により紙通し用補
助部材を牽引するための中央牽引手段とを構成要素であ
ることを特徴とする。
【0012】上述中央牽引手段は、紐状の部材又はシー
ト状の部材であるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る印刷機の紙通
し装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態に係る印刷機の紙通し装置を図
1乃至図4に、第2の実施形態に係る印刷機の紙通し装
置を図5に、第3の実施形態に係る印刷機の紙通し装置
を図6にそれぞれ示す。
【0014】まず、第1の実施形態に係る印刷機の紙通
し装置について図1乃至図4を用いて説明する。本実施
形態は、本発明に係る紙通し装置を輪転機(商業用オフ
セット輪転機を例示)に設備させたものである。図1は
商業用オフセット輪転機に設備させた本発明紙通し装置
の全体概略構成説明図、図2は図1のII部を拡大した図
面、図3は図1のIII部を拡大した図面、図4は、図1
のウェブ先端牽引部(手段)の構成、機能説明図であ
る。
【0015】本実施形態の紙通し装置は、前記従来技術
の項において説明した課題を解決すべく提案するもの
で、図中従来形式のものと共通する部品、部位について
は同一の符号を付してある。本発明は図1に例示した如
く種々輪転機に設備し、給紙装置1から折機2に至るウ
ェブパスラインに沿ってウェブ3を通紙させる紙通し装
置に関するものである。ところで、本発明は紙通し装置
に係るウェブ先端牽引部の構造改善を提案するもので、
以下同ウェブ先端牽引部部の構成について説明する。
【0016】このウェブ先端牽引部は、図4に示す如く
紙通し補助部材4の四隅に取り付けロープ(連結部材)
5を設けると共に、機械の幅方向両側において一対の牽
引ロープ(補助部材搬送手段)6a、6bを配設してお
り、上記取り付けロープ5の別側を取り付け部材7によ
り対応する各側の牽引ロープ6a、6bに着脱可能に固
定させた構造としている。上記紙通し補助部材4は、弾
力性のある樹脂、或いは布等にて形成されたシート状
で、横幅は最大ウェブ幅程度で、長さは概略冷却ローラ
外周長近辺以上で、収納し易い程度にする。又、紙通し
補助部材4の後端、つまり、給紙装置1側の端部にはウ
ェブ3の先端を粘着テープ、マグネット、グリップ等公
知種々の方法により取付出来るようになっている。
【0017】尚、本装置の牽引ロープ6a、6bは、ガ
イドプーリ8にクラッチ15を介して連結した牽引ロー
プ走行駆動装置、つまりモータ9を介して牽引されるも
のを示し、紙通し補助部材4を給紙装置1に近接するウ
ェブ先端装着部Aと、前記折機2に近接する通紙終点位
置Bとの間において循環、或いは往復移動する事が出来
るよう制御する制御装置32等で構成されている。な
お、上記クラッチ15を省略して構成することもでき
る。
【0018】本実施形態に係る紙通し装置におけるウェ
ブ牽引部(手段)は、前項の如く構成されたもので、以
下図1ないし図4をもとに機能、効果について説明す
る。印刷を開始する前に準備する紙通しは次の如く操作
する。先ず、牽引ロープ走行駆動装置であるモータ9を
作動し牽引ロープ6a、6bを連動して走行させ、紙通
し補助部材4をウェブパスラインに沿って移動させ、給
紙装置1に近接するウェブ先端装着部(取り付け位置)
Aまで搬送する(又は取付け部材7部で取外していたも
のをウエブ先端装着部Aでロープ6へ取付ける)。
【0019】次に、該ウェブ先端装着部Aにおいて給紙
装置1のリールスタンドから巻き戻したウェブ3の先端
を粘着テープ等で紙通し補助部材4に固定する。上記ウ
ェブ3を取り付けた後、前記牽引ロープ走行駆動装置
(モータ)9を作動して牽引ロープ6を走行させる。こ
れにより、ウェブを固定した紙通し補助部材4をウェブ
パスラインに沿って図中右側に移動させ、折機2に近接
する自動通紙終点位置Bまで搬送する。
【0020】次に、該終点位置Bにて紙通し補助部材4
を停止させた後、同部において紙通し補助部材4からウ
ェブ3を取り外す。以上の操作により一連の紙通し作業
が完了する。尚、紙通しの途上、或いは印刷稼動の途中
においてウェブ3が破断した場合には破断位置に近接す
る所定の位置(作業性の良い場所)まで紙通し補助部材
4を後退させ、同部において前記したものと同様、紙通
し補助部材4の後端にウェブ3の先端を固定し、上記終
点位置Bまで移送する。上記操作により、紙通しを終了
した後の紙通し補助部材4は、収納部10まで移動し待
機させる(又は取付け部材7を外し、ウエブ先端装着部
A近辺に保管する)。
【0021】本実施形態では、上記の如く構成かつ機能
するもので、以下のような種々の効果を得ることが出来
るようになった。 (1) 水に濡れると破断し易い紙よりも強靭な弾力性のあ
る樹脂等で作製したシート、或いは布製の紙通し補助部
材4を介してウェブ先端を粘着テープ等で固定し、かつ
装置両側方向に所定の張力を付加した状態で紙通し補助
部材4を移送させるため、ウェブ3へ皺等が発生せず、
高速度で搬送する事ができる。 (2) ウェブ3に皺発生の問題が発生しないため、牽引力
を増加させられる。 (3) ウェブ3が冷却ローラ11外周面に巻き付き、破断
するトラブルが減少する。つまり、シート又は布製の紙
通し補助部材(牽引体)4が、冷却ローラ11上を走行
する際、結露水を付着させ又は吸着して外周面を清掃す
るため、ウェブ3が、該冷却ローラ11周面に付着して
巻き付き破断するというトラブルがなくなる。 (4) ウェブ3の破断等がなくなるため、人手による手通
しの作業が不要となり、省力化が図れると共に、紙通し
に際しての特殊技術が不必要となると共に上述したよう
に高速で運転できるため生産性を上げることができる。
【0022】次に、本発明の第2の実施形態に係る印刷
機の紙通し装置について図5を用いて説明する。同図
は、本発明に係る第2の実施形態の印刷機の紙通し装置
のウェブ牽引手段部の構成、機能を示す説明図である。
【0023】本実施形態の構成は、紙通しを幅方向中央
で牽引することが特徴である。ウェブ先端牽引部を図5
に示す如く紙通し補助部材4を五角形(或いは三角形)
に形成し、前側つまり折機2側に向かう先端部に牽引ワ
イヤ(中央搬送手段)12を取り付けると共に、該牽引
ワイヤ12の別側端をワイヤ巻き取り収納部13に設備
した巻き取りローラ14に固定させている。この巻き取
りローラ14は、クラッチ18を介し回転数を任意にコ
ントロールできるモータ16にて駆動出来るよう構成さ
れている。
【0024】一方、紙通し補助部材4の後側(給紙装置
側)に位置する両幅二箇所の隅には取り付けロープ5、
5を設けている。また、機械の両側において一対の牽引
ロープ6a、6bを配設しており、上記取り付けロープ
5の別側端を取り付け部材7により対応する各側の牽引
ロープ6a、6bに対し、着脱可能に固定させた構造と
している。上記紙通し補助部材4は、弾力性のある樹脂
等で作製したシート又は布、或いは金属製の薄板等にて
形成され、横幅は最大ウェブ幅程度にし、長さは冷却ロ
ーラ外周長程度以上にする。又、紙通し補助部材4の後
端、つまり、給紙装置側の端部にはウェブ3の先端を粘
着テープ、マグネット、グリップ等公知種々の方法によ
り固定できるようになっている。尚、本装置の牽引ロー
プ6a、6bは、複数組のガイドプーリ8を巻回して取
り付けられ、クラッチ15を介して連結した牽引ロープ
走行駆動装置、つまり、モータ9の作動により牽引され
るもので、給紙装置1に近接するウェブ先端装着位置A
と前記ワイヤ巻取り収納部13位置との間へ往復移動出
来るよう構成されている。また、補助部材搬送手段(牽
引ロープ)6は両側6a,6bを設けるものを示した
が、片側6a又は6bにしても使用可能である。中央牽
引部材としては、牽引ワイヤ12、ワイヤ巻き取り収納
部13、巻き取りローラ14、牽引ワイヤ巻き取り用モ
ータ16、クラッチ18等である。
【0025】本実施形態に係る紙通し装置のウェブ先端
牽引部は、前項の如く構成されたもので、以下図5をも
とに機能、効果について説明する。印刷を開始する前に
紙通しする場合には次の如く操作する。先ず、取り付け
ロープ5,5、取り付け部材7,7を取り外している場
合はこれを牽引ロープ6へ取付ける。続いて牽引ワイヤ
巻取り用モータ16側のクラッチ18を切断した後、ク
ラッチ15を連結させると共に、牽引ロープ走行駆動装
置のモータ9を作動して牽引ロープ(端部搬送手段)6
a,6bを走行させ、紙通し補助部材4をウェブパスラ
インに沿って図中左側に移動させ、給紙装置1に近接す
るウェブ先端装着部Aまで搬送する。
【0026】次に、該ウェブ先端装着部Aにて紙通し補
助部材4を停止させた後、同部において給紙装置1のリ
ールスタンドから巻き戻したウェブ3の先端を粘着テー
プ等で補助部材4に固定する。上記ウェブ3を固定させ
た後、前記牽引ロープ走行駆動装置のモータ9側に設け
たクラッチ15を切断する。(或いは、別の方法として
クラッチは設けず、双方のモータ9,16を速度制御し
正転又は逆転させる。または、取り付けロープ5,5、
取り付け部材7,7を着脱する。)
【0027】次に、ワイヤ巻き取り収納部13側のクラ
ッチ18を作動させた状態で、牽引ワイヤ巻取り用モー
タ16を駆動して牽引ワイヤ12を走行させ、紙通し補
助部材4をウェブパスラインに沿って図中右側に移動
し、折機2に近接する自動通紙終点位置Bまで搬送す
る。続いて、該終点位置Bにて紙通し補助部材4を停止
させた後、同部において紙通し補助部材4からウェブ3
を取り外す。以上の操作により一連の紙通し作業が完了
する。尚、紙通しの途上、或いは印刷稼動の途中におい
てウェブ3が破断した場合には前記例と同様破断位置に
近接する所定の位置(作業性の良い場所)まで紙通し補
助部材4を後退させ、同部において紙通し補助部材4の
後端にウェブ3の先端を再度固定し、上記通紙終点位置
Bまで移送する。上記紙通しを終了した後の紙通し補助
部材4は、収納部13まで移動して待機させる。
【0028】本装置は、構造上巻き取りローラ14部に
可変速モータ16を設備しているため、牽引ワイヤ12
の巻き付け量に伴う直径変動と関係ないローラから速度
を検出し、紙通し速度を略一定に制御(コントロール)
する事が可能である。本発明に係る第2の実施形態は上
記の如く構成かつ機能するもので、前記した第1実施形
態と同様の効果に加え、紙通し駆動源がウエブ3の中央
を牽引するので、力の伝達される流れに横方向の力がか
からないので、搬送速度を上げる事ができ、また、ウエ
ブ3にしわ等が発生することを更に少なくできる効果が
ある。尚、補助部材搬送手段6を片側だけに設ける方法
は補助部材4を給紙側へ移動させる速度は遅くなるが、
ウエブ3を通す速度は図示と同様であり、採用すること
ができる。
【0029】次に、本発明の第3の実施形態に係る印刷
機の紙通し装置について図6を用いて説明する。同図
は、本発明に係る第2の実施形態の印刷機の紙通し装置
のウェブ牽引手段部の構成、機能を示す説明図である。
【0030】本実施形態は、紙通しを幅方向中央で牽引
するのは第2の実施形態の場合と同様であるが、ウエブ
3の幅と同等の幅を有する牽引部材であることが特徴で
ある。以下構成例について説明する。本実施形態は、図
6に示す如く第2の実施形態において設備した機械中央
で用紙を牽引する牽引ワイヤ12とワイヤ巻取り収納部
13に替え、牽引帯19と紙通し終点位置Bに近接して
牽引帯収納部20を設けたものである。
【0031】紙通し補助部材4は、上記牽引帯19によ
り代替させたもので、牽引帯19によりウェブ3の先端
を粘着テープ等で固定し、牽引すべく機能させるように
している。この牽引帯19は、弾力性のある樹脂フイル
ム製、或いは布にて構成され横幅はウェブ3の最大幅程
度とし、後端の取り付け部には前記例と同様にウェブ3
を粘着テープ、マグネット、グリップ等公知種々の方法
で取り付けられる構造となっている。
【0032】牽引帯19の折機側の前端は牽引帯収納部
20に設備した巻き取りローラ21に固設させおり、こ
の巻き取りローラ21は、クラッチ22を介し回転数を
任意にコントロールできるモータ17にて駆動出来るよ
う構成されている。一方、牽引帯19の後端側(給紙装
置側)二箇所の隅には取り付けロープ5、5を設けてい
る。また、機械の両側には一対の牽引ロープ6a,6b
を配設しており、上記取り付けロープ5、5の別側端を
取り付け部材7、7により対応する各側の牽引ロープ6
a,6bに固定させた構造としている。中央牽引部材と
しては、牽引帯19、牽引帯収納部20、巻き取りロー
ラ21、クラッチ22、牽引帯巻き取りモータ17等で
ある。
【0033】本実施形態における紙通し装置のウェブ先
端牽引部は、前項の如く構成されたもので、以下図6を
もとに機能、効果について説明する。印刷を開始する前
の紙通しをする場合には次の如く操作する。先ず、取り
付けロープ5,5、取り付け部材7,7を取り外してい
る場合はこれを接続する。続いて牽引帯巻取り用モータ
17側のクラッチ22を切断した後、第一実施例と同様
クラッチ15及び牽引ロープ走行駆動装置のモータ9を
駆動して牽引ロープ6a,6bを走行させ、牽引帯19
をウェブパスラインに沿って図中左側に移動させ、給紙
装置1に近接するウェブ先端装着位置Aまで搬送する。
次に、該ウェブ先端装着部Aにて牽引帯19を停止させ
た後、同部において給紙装置1のリールスタンドから巻
き戻したウェブ3の先端を粘着テープ等で固着させる。
【0034】上記ウェブ3を固定させた後、牽引ロープ
走行駆動装置9側のクラッチ15を切断する。(或い
は、取り付けロープ5,5、取り付け部材7,7を取り
外す)。次に、牽引帯巻き取り駆動装置側のクラッチ2
2を作動させた状態で牽引帯巻取り用モータ17を駆動
して牽引帯19を走行させ、つまり、該牽引帯19をウ
ェブパスラインに沿って図中右側に巻き取る事により移
動させ、折機2に近接する紙通し終点位置Bまで搬送す
る。続いて、該終点位置Bにて牽引帯19を停止させた
後、同部において牽引帯19からウェブ3を取り外す。
以上の操作により一連の紙通し作業が完了する。
【0035】尚、紙通しの途上、或いは印刷の途中にお
いてウェブ3が破断した場合には前記例と同様破断位置
に近接する所定の位置まで牽引帯19を巻き戻して後退
させ、同部において前記例と同様牽引帯19後端にウェ
ブ3の先端を固定し、上記終点位置Bまで移送する。上
記紙通しを終了した後の牽引帯19は、牽引帯収納部2
0に巻き込んで待機させる。
【0036】本実施形態における紙通し装置のウェブ先
端牽引部は、前項の如く構成されたもので、前記第2の
実施形態と同様の効果を得る事ができ、さらに加えて以
下の効果も得ることができるる。 (1) ウェブ3が冷却ローラ11外周面に巻き付くトラブ
ルが改善できる。つまり、弾性体の樹脂、又は布製の牽
引帯19が、冷却ローラ11部を走行する際、周面の結
露水を吸着してローラ11を払拭清掃するため、ウェブ
3が付着して巻き付くといった事故がなくなる。 (2) ウエブ幅の中央をウエブ状の牽引帯(中央牽引手
段)19で牽引するので、ウエブ先端装着部Aへ牽引帯
19を送る時も幅方向の位置安定性が良いので、ウエブ
先端を取付けて案内するときも幅方向位置が安定するた
め、断紙が起きにくく、しわ等も発生しにくい。
【0037】尚、前記第1ないし第3の実施形態におい
て紙通しさせる場合、機械、つまり、輪転機のローラ類
を並行して回転駆動させる方法もある。又、ウェブ牽引
用モータ9、16、17等にトルクリミッタを組み込
み、通紙するウェブ3を一定の張力で牽引させる方法も
ある。加えて、牽引ロープ等は、チェン、タイミングベ
ルト、その他機能を同じくする別の部材にて代替しても
良く、又、エンドレスの構造とせず、ウェブ装着位置と
終点取り外し位置の二箇所に収納部を設け同一の経路を
往復動させる形式としても良い。これら本発明は、上記
実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得るものである。
また、第2の実施形態と同様に、補助部材搬送手段6を
片側のみにすることも可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る印刷機の紙通し装置は、印
刷機の走行紙の走行経路に沿って前記走行紙の幅方向外
側の位置に紙通し補助部材搬送手段を配置した印刷機の
紙通し装置において、紙通し補助部材の幅方向中央近辺
を牽引するための駆動源で紙通し経路終了端側の紙幅の
中央近辺に設けた中央搬送手段と、該中央搬送手段によ
り上記紙通し補助部材を牽引するための中央牽引手段と
を備えたことを特徴とするので、略中央での牽引によっ
て、力の伝達される流れに走行紙横方向の力がかから
ず、搬送速度をあげることができ、走行紙への皺発生を
更に減少させることができるので、紙通し作業を効率的
に行うことができる。
【0039】上記中央牽引手段は紐状の部材であると、
上記効果を簡易な構成で実現することができる。
【0040】上記中央牽引手段はシート状の部材である
と、例えば冷却装置の冷却ローラに生じた結露を該部材
でも払拭清掃することができるので、走行紙が冷却ロー
ラに付着して巻きつくことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷機の紙通し装置を適用できる
輪転機の全体概略構成を示す側面図である。
【図2】図1のII部を拡大した側面図である。
【図3】図1のIII部を拡大した側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る印刷機の紙通し
装置の構成図であり、(a)は平面図、(b)は概略側
面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る印刷機の紙通し
装置の構成図であり、(a)は平面図、(b)は概略側
面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る印刷機の紙通し
装置の構成図であり、(a)は平面図、(b)は概略側
面図である。
【図7】従来の印刷機の紙通し装置の構成図であり、
(a)は平面図、(b)は概略側面図である。
【符号の説明】
1 給紙装置 2 折機 3 ウェブ(走行紙) 4 紙通し補助部材 5 取付ロープ(連結部材) 6 牽引ロープ(紙通し補助部材搬送手段) 7 取付部材 8 ガイドプーリ 9 牽引ロープ走行駆動装置(モータ) 10 収納部 11 冷却ローラ 12 牽引ワイヤ(中央牽引手段) 13 ワイヤ巻き取り収納部 14、21 巻き取りローラ 15、18、22 クラッチ 16 牽引ワイヤ巻き取り用モータ 17 牽引帯巻き取り用モータ 19 牽引帯(中央牽引手段) 20 牽引帯収納部 23 インフィード装置 24 印刷装置 25 乾燥装置 26 冷却装置 27 ウェブパス装置 28 ロール状シート 29 リールスタンド 30 モータ 31 補強部材 32 制御装置 A ウエブ先端装着部 B 紙通し終点位置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷機の走行紙の走行経路に沿って前記
    走行紙の幅方向外側の位置に紙通し補助部材搬送手段を
    配置した印刷機の紙通し装置において、紙通し補助部材
    の幅方向中央近辺を牽引するための駆動源で紙通し経路
    終了端側の紙幅の中央近辺に設けた中央搬送手段と、該
    中央搬送手段により上記紙通し補助部材を牽引するため
    の中央牽引手段とを備えたことを特徴とする印刷機の紙
    通し装置。
  2. 【請求項2】 上記中央牽引手段は紐状の部材であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の印刷機の紙通し装置。
  3. 【請求項3】 上記中央牽引手段はシート状の部材であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の印刷機の紙通し装
    置。
JP2000373953A 2000-12-08 2000-12-08 印刷機の紙通し装置 Withdrawn JP2002172753A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020001855A (ja) * 2018-06-26 2020-01-09 東レ株式会社 通紙装置、フィルム製造装置及び微多孔膜製造装置、フィルム通し方法並びに微多孔膜製造方法

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