JP2002172527A - 六角セルハニカム押出金型製造用放電加工電極およびその電極を使用した六角セルハニカム押出金型の製造方法 - Google Patents
六角セルハニカム押出金型製造用放電加工電極およびその電極を使用した六角セルハニカム押出金型の製造方法Info
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Abstract
カム押出金型製造用放電加工電極およびその放電加工電
極を使用した六角セルハニカム押出金型の製造方法を提
供する。 【解決手段】 所定の厚さ寸法を有する仕切壁によって
仕切られかつ横断面六角形の単位空間複数個が所定の隣
接関係に配列されて一体に構成されている六角セルハニ
カム押出金型製造用放電加工電極において、六角形の対
辺方向または最長対角線方向に沿う側面を前記六角形の
山部と六角形相互間の谷部とが交互に現れるように形成
すると共に、一方の側面の山部に前記仕切壁と同一の厚
さ寸法と前記六角形の1辺の長さ寸法より大なる長さ寸
法とを有する板状突起を前記側面と交差する方向に櫛歯
状に突出させて一体に形成する。またこの放電加工電極
を使用して放電加工により押出金型を製造する。
Description
燃機関の排気ガスの浄化用触媒担体や、微粒子浄化フィ
ルタ、蓄熱体等に使用されるセラミック材料からなる六
角セルハニカムを押出成形するための押出金型を製造す
る際に使用される六角セルハニカム押出金型製造用放電
加工電極およびその電極を使用した六角セルハニカム押
出金型の製造方法に関するものである。
ェライト、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライ
ト等のセラミック材料によって構成されているが、これ
らのセラミック材料の粉末を結合材料と混合して坏土と
し、押出金型を介して連続的に押出成形することによっ
て製造する手段が最も一般的である。
を示す要部平面図、図9は図8におけるA−A線断面図
である。両図において、1は坏土成形溝であり、成形す
べきハニカムの横断面形状と対応する横断面形状を有
し、押出金型10の前面(図9における左側)から後面
(図9における右側)に向かって所定の深さを有するよ
うに、例えば格子状に形成されている。このような坏土
成形溝1は、例えば研削刃によって形成することができ
る。
10の後面から前面に向かって互いに独立して例えばド
リルによって横断面形状を円形に形成され、前記坏土成
形溝1の所定の交差部において前記坏土成形溝1と重な
り合って連通するように複数個が設けられている。なお
坏土供給穴2は、前記坏土成形溝1の稜辺部において連
通するように設けられているものもある。3は係止用の
段付部であり、押出金型10の前面に設けられるが、こ
の段付部3を省略して、押出金型10の前面外周部で支
持するように形成したものもある。
ミック材料の粉末と結合材料とを混合してなる坏土を、
押出金型10の坏土供給穴2に圧入供給すれば、坏土は
坏土成形溝1から押出金型10の前面に押出されて、所
定のハニカムを成形することができる。
いては、ハニカムの横断面を六角格子状とし、更に格子
ピッチを例えば1mm以下とし、かつ格子肉厚を例えば
0.2mm以下に形成したものが要求されている。すなわ
ち、上記のような四角セルハニカムにおいては、90°
の角隅部に触媒が集中的に付着し、かつ角隅部に存在す
る触媒の働きが劣化するため、鈍角の角隅部とするのが
好ましいためである。更に六角セルハニカムとすること
により、熱応力を逃がし易く熱ショックに対する抵抗力
が大となる利点がある。なお周囲から荷重が作用した場
合には、四角セルハニカムでは方向による強度の差が大
であるが、六角セルハニカムでは方向による強度の差が
比較的小であることも有利である。
ムを成形するための押出金型を製造するためには高度の
技術を要する。つまり四角セルハニカム用の押出金型の
場合には、成形溝を研削やワイヤカット法によって直接
加工ができるのに対し、六角セルハニカム用の押出金型
では上記の手段を直接的に適用できない点にある。
例えば特開平7−40149号公報に記載されるものが
ある。すなわち、電極プレートにハニカムのセル穴の間
隔に応じて複数個の貫通孔を設け、これらの貫通孔にワ
イヤ電極を挿通し、ワイヤカット放電加工によって、セ
ル穴の内形状に相応する内形状を有する複数のカット穴
を形成し、上記複数のカット穴の間にハニカム状の電極
を形成して放電電極とし、この放電電極を使用する型彫
放電加工によって押出金型の坏土成形溝を形成すること
を内容とするものである。
報に記載されるものにおいては、放電電極に形成すべき
カット穴の数を成形すべきハニカムのセル穴の数と同一
にする必要があり、例えば120穴/列×100列のハ
ニカム状電極に対しては12000個に及ぶカット穴を
形成する必要がある。セル穴間のピッチ寸法が小なるハ
ニカム状電極においては、形成すべき上記カット穴の数
は更に増大する。
の内周面は、押出金型の坏土成形溝を形成するものであ
るため、表面あらさを小にかつ高寸法精度に形成されな
ければならない。このようなカット穴をワイヤカット放
電加工で形成するには、例えば1穴当り10〜20分を
要するのが通常であり、上記のような膨大な数のカット
穴の加工には多大の時間と工数を要し、放電電極の加工
コストを高騰させるという問題点がある。
彫放電加工を行なう場合には、貫通加工ではなくいわゆ
る底付加工であるため、加工部位に加工液を円滑に供給
することがむずかしく、加工粉の排除もまた円滑に行な
われないこともあり、加工能率の向上が困難であるとい
う問題点もある。
を解決し、製造が容易かつ短時間である六角セルハニカ
ム押出金型製造用放電加工電極およびその電極を使用し
た六角セルハニカム押出金型の製造方法を提供すること
を課題とする。
めに、まず第1の発明においては、所定の厚さ寸法を有
する仕切壁によって仕切られかつ横断面六角形の単位空
間複数個が所定の隣接関係に配列されて一体に構成され
ている六角セルハニカム押出金型製造用放電加工電極に
おいて、六角形の対辺方向または最長対角線方向に沿う
側面を前記六角形の山部と六角形相互間の谷部とが交互
に現れるように形成すると共に、一方の側面の山部に前
記仕切壁と同一の厚さ寸法と前記六角形の1辺の長さ寸
法より大なる長さ寸法とを有する板状突起を前記側面と
交差する方向に櫛歯状に突出させて一体に形成する、と
いう技術的手段を採用した。
ワイヤカット放電加工によって形成することができる。
形とすることができる。また上記の発明において、単位
空間の数を成形すべき押出金型のセルの数より小に形成
することができる。
の長さ寸法を前記方向と直交する方向の長さ寸法より大
に形成することができる。
の長さ寸法を押出金型の平面への投影状態における押出
成形範囲の境界間の寸法またはその最大寸法と実質的に
同一に形成することができる。
角セルハニカムの横断面形状に対応する六角格子状の横
断面形状を有しかつ押出金型の前面から後面に向かって
所定の深さを有する坏土成形溝と、押出金型の後面から
前面に向かって互いに独立して形成されかつ前記六角格
子状の坏土成形溝の所定の交差部および/または稜辺部
に連通する坏土供給穴とを備えた六角セルハニカム押出
金型の製造方法において、押出金型素材の後面から前面
に向かって途中まで前記複数個の坏土供給穴を形成する
第1工程と、前記押出金型素材の前面に請求項1ないし
6の何れかに記載の六角セルハニカム押出金型製造用放
電加工電極を対面させかつ押出金型素材に押付けて放電
加工により坏土成形溝を成形すると共に、この坏土成形
溝を前記坏土供給穴と連通させる第2工程と、前記第2
工程完了後において前記放電加工電極を前記押出金型素
材から離隔させた状態で放電加工電極をその側面と直交
する方向に所定距離平行移動させ、かつ前記板状突起が
前記第2工程において成形された坏土成形溝の一部と重
合するように位置決めし、前記第2工程と同様の放電加
工を行ない、前記成形済みの坏土成形溝と連通する坏土
成形溝を成形する第3工程とからなり、この第3工程を
1回または複数回行なう、という技術的手段を採用し
た。
穴または吸引穴として使用することができる。
要部拡大平面図であり、図1において、放電加工電極1
1は、所定の厚さ寸法t(例えば0.1mm)を有する
仕切壁12によって仕切られ、かつ横断面六角形の単位
空間13複数個が所定の隣接関係、例えば単位空間13
の対角方向のピッチおよび対辺方向のピッチを各々P1
=1.56mmおよびP2 =0.9mmに配列されて一
体に構成されている。
ける上下の側面)、すなわち六角形の対辺方向に沿う側
面を、六角形の山部14と六角形相互間の谷部15とが
交互に現れるように形成すると共に、一方の側面(図1
における上側の側面)の山部14に、前記仕切壁12の
厚さ寸法tと同一厚さ寸法と、前記六角形の1辺の長さ
寸法Lより大なる長さ寸法L1 とを有する板状突起16
を、前記六角形の対辺方向と直交する方向(図1におけ
る上下方向)に櫛歯状に突出させて一体に形成する。
と直交する方向の高さ寸法)は、成形すべき押出金型に
要求される坏土成形溝の深さ寸法と対応させて適宜選定
する。このような放電加工電極11は、例えばカーボ
ン、銅合金等の導電性材料を使用し、ワイヤカット放電
加工によって形成するのが有効である。
型の製造態様を示す要部平面図である。図2において、
17は押出金型素材であり、例えば工具鋼のような耐摩
耗性材料により、例えば短円柱状に形成し、まず第1工
程において、押出金型素材17の後面(図2における裏
面)から前面(図2における表面)に向かって、前記図
8および図9に示すような複数個の坏土供給穴2を、例
えばドリル加工により所定の位置にかつ所定の深さ寸法
に形成する。
電極11を、その単位空間13の軸線が押出金型素材1
7の前面と直交するように対面させると共に、放電加工
電極11の板状突起16側の側面を、図2の実線で示す
ように、例えば押出金型素材17の端縁部またはその近
傍に位置決めした状態で、放電加工電極11を押出金型
素材17に押付け、放電加工により坏土成形溝(図示せ
ず、図8,9における符号1参照)を成形する。そして
これらの坏土成形溝1を前記坏土供給穴2と連通させ
る。
行なう。すなわち放電加工電極11を押出金型素材17
から抽出して離隔させた状態で、放電加工電極11をそ
の板状突起16の突出方向と逆方向(図2における矢印
B方向)に所定距離平行移動させ、かつ板状突起16が
前記第2工程において成形された坏土成形溝1の一部と
重合するように位置決めし(図2における鎖線にて示す
位置)、前記第2工程と同様の放電加工を行ない、成形
済みの坏土成形溝と連通する坏土成形溝を成形する。上
記の第3工程は押出金型に要求される押出成形範囲の坏
土成形溝が完成するまで1回または複数回行なう。
加工電極との相対位置を示す要部拡大平面図、図4は図
3におけるC方向矢視要部断面図であり、同一部分は前
記図1および図2と同一の参照符号で示す。両図におい
て、第3工程においては、前記のように板状突起16は
第2工程において成形された坏土成形溝1の一部(平面
投影形状が三角波形状の部分)と重合するように位置決
めされているため、放電加工電極11の板状突起16の
下端部の角部の非所望な摩耗を防止することができるの
である。
加工時においては、その下端部の角部は図4に示すよう
に局部的摩耗により摩耗部18が形成されるのである
が、本発明においては、放電加工電極11の板状突起1
6の突出長さ寸法L1 を、単位空間13を形成する六角
形の1辺の長さ寸法Lより大に形成してあるため、第3
工程においては板状突起16の先端部が第2工程におい
て成形済みの坏土成形溝1の一部に入り込むため、図4
に示すような非所望な摩耗部18が形成されることな
く、高精度の放電加工が行なわれ得るのである。
平面図であり、同一部分は前記図1ないし図4と同一の
参照符号で示す。図5において、放電加工電極11はそ
の両側面に板状突起16を設けた構成のものとし、それ
らの厚さ寸法t0 を通常の厚さ寸法tより小に形成した
ものを使用する。そして第2工程またはその後の第3工
程において、板状突起16を加工済みの坏土成形溝1の
部分溝1aと重合するように放電加工電極11を位置決
めし(矢印D方向に移動させて)、放電加工を行なうも
のとする。
坏土成形溝1の部分溝1aを再加工することになり、部
分溝1aの寸法のバラツキを生ずると共に、前記図4に
示すように放電加工電極11の板状突起16に非所望な
摩耗部18が形成されるため好ましくない。これに対し
て本発明のものにおいては、前記のように、板状突起1
6の先端部が成形済みの坏土成形溝1の一部に入り込む
ため、図4に示すような非所望な摩耗部18が形成され
ず、高精度の放電加工を行なうことができる。
拡大平面図であり、同一部分は前記図1と同一の参照符
号で示す。図6に示すものは、前記図1に示すものを9
0°回動させたものであり、板状突起16は側面の山部
14の交点部に所定の角度傾斜するように突出させて一
体に形成する。そしてこれらの板状突起16の先端部
は、前記図3に示すように、前工程において成形された
坏土成形溝1の一部に入り込むため、前記実施の形態の
ものと同様の作用効果が期待できるのである。
を押出金型素材17の一方の端縁部から他方の端縁部ま
で順次平行移動させるものについて説明したが、押出金
型素材17の全面ではなく、その一部に坏土成形溝を設
ける場合において、押出成形範囲のみを包含するような
放電加工電極としてもよいことは勿論である。
11を使用して押出金型を放電加工する場合に、単位空
間13に対応する位置に貫通穴を有する噴流プレートを
設け、これらの貫通穴から加工液を単位空間13内に圧
入供給するか、または貫通穴から加工液を吸引すること
により、放電加工に伴って発生する加工粉を効率よく排
出することができ、加工能率を向上させることができ
る。
土成形溝1を有する押出金型10の他の例を示す要部平
面図であり、(a)は坏土成形溝1が偏平六角形状のも
の、(b)は坏土成形溝1が非対称六角形状のものを示
す。図7に示すように、坏土成形溝1の対辺が相互に平
行に形成されたものであれば、本発明の適用が可能であ
る。
作用であるから、下記の効果を奏することができる。
単位空間を有する放電加工電極を使うため、電極の構造
が簡単であり、その製作に要する工数および時間を大幅
に低減することができる。
空間の数が大幅に少ないため、仮りに加工ミスが発生し
てもそれによる損害が極めて少ない。
状突起は、ワイヤカット放電加工により形成でき、切屑
または切粉を発生することなく容易に製作できる。
は吸引することができるため、加工粉の排出が容易であ
り、押出金型の放電加工能率を大幅に向上させ得る。
る。
様を示す要部平面図である。
の相対位置を示す要部拡大平面図である。
る。
である。
を有する押出金型10の他の例を示す要部平面図であ
り、(a)は坏土成形溝1が偏平六角形状のもの、
(b)は坏土成形溝1が非対称六角形状のものを示す。
平面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 所定の厚さ寸法を有する仕切壁によって
仕切られかつ横断面六角形の単位空間複数個が所定の隣
接関係に配列されて一体に構成されている六角セルハニ
カム押出金型製造用放電加工電極において、 六角形の対辺方向または最長対角線方向に沿う側面を前
記六角形の山部と六角形相互間の谷部とが交互に現れる
ように形成すると共に、 一方の側面の山部に前記仕切壁と同一の厚さ寸法と前記
六角形の1辺の長さ寸法より大なる長さ寸法とを有する
板状突起を前記側面と交差する方向に櫛歯状に突出させ
て一体に形成した、 ことを特徴とする六角セルハニカム押出金型製造用放電
加工電極。 - 【請求項2】 仕切壁および板状突起をワイヤカット放
電加工によって形成したことを特徴とする請求項1に記
載の六角セルハニカム押出金型製造用放電加工電極。 - 【請求項3】 六角形を正六角形としたことを特徴とす
る請求項1または2に記載の六角セルハニカム押出金型
製造用放電加工電極。 - 【請求項4】 単位空間の数を成形すべき押出金型のセ
ルの数より小に形成したことを特徴とする請求項1ない
し3の何れかに記載の六角セルハニカム押出金型製造用
放電加工電極。 - 【請求項5】 側面に沿う方向の長さ寸法を前記方向と
直交する方向の長さ寸法より大に形成したことを特徴と
する請求項1ないし4の何れかに記載の六角セルハニカ
ム押出金型製造用放電加工電極。 - 【請求項6】 側面に沿う方向の長さ寸法を押出金型の
平面への投影状態における押出成形範囲の境界間の寸法
またはその最大寸法と実質的に同一に形成したことを特
徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の六角セルハ
ニカム押出金型製造用放電加工電極。 - 【請求項7】 成形すべき六角セルハニカムの横断面形
状に対応する六角格子状の横断面形状を有しかつ押出金
型の前面から後面に向かって所定の深さを有する坏土成
形溝と、押出金型の後面から前面に向かって互いに独立
して形成されかつ前記六角格子状の坏土成形溝の所定の
交差部および/または稜辺部に連通する坏土供給穴とを
備えた六角セルハニカム押出金型の製造方法において、 押出金型素材の後面から前面に向かって途中まで前記複
数個の坏土供給穴を形成する第1工程と、 前記押出金型素材の前面に請求項1ないし6の何れかに
記載の六角セルハニカム押出金型製造用放電加工電極を
対面させかつ押出金型素材に押付けて放電加工により坏
土成形溝を成形すると共に、この坏土成形溝を前記坏土
供給穴と連通させる第2工程と、 前記第2工程完了後において前記放電加工電極を前記押
出金型素材から離隔させた状態で放電加工電極をその側
面と直交する方向に所定距離平行移動させ、かつ前記板
状突起が前記第2工程において成形された坏土成形溝の
一部と重合するように位置決めし、前記第2工程と同様
の放電加工を行ない、前記成形済みの坏土成形溝と連通
する坏土成形溝を成形する第3工程とからなり、 この第3工程を1回または複数回行なうことを特徴とす
る六角セルハニカム押出金型の製造方法。 - 【請求項8】 単位空間を加工液の供給穴または吸引穴
として使用することを特徴とする請求項7に記載の六角
セルハニカム押出金型の製造方法。
Priority Applications (1)
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