JP2002171987A - アルカリセルラーゼ遺伝子 - Google Patents
アルカリセルラーゼ遺伝子Info
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Abstract
セロビオースによって酵素活性が阻害されることのない
アルカリセルラーゼをコードする遺伝子の提供、これを
用いた大量かつ単一のアルカリセルラーゼの製造法の提
供。 【解決手段】 バチルス属細菌由来の特定のアミノ酸配
列又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする
アルカリセルラーゼ遺伝子、バチルス属細菌由来の上記
とは異った特定の塩基配列又は該塩基配列の1若しくは
数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列を
有するアルカリセルラーゼ遺伝子、当該遺伝子を含む組
換えベクター、当該組換えベクターを含む形質転換体、
並びに当該形質転換体を培養するアルカリセルラーゼの
製造法。
Description
マス用、繊維処理用の酵素として有用なアルカリセルラ
ーゼをコードする遺伝子及びこれを用いた当該アルカリ
セルラーゼの製造法に関する。
コシド結合を加水分解する酵素の総称であり、アミラー
ゼ、プロテアーゼ、リパーゼと共に加水分解酵素の代表
的存在である。セルラーゼの基質となるセルロースは、
植物細胞壁の主成分として年間1000億トン以上も生産さ
れるバイオマスであり、衣料、紙、建築材料等に有効利
用されると共に、分解によって燃料物質やより高付加価
値の代謝物質へと変換が可能である。そのためセルロー
スを分解する酵素であるセルラーゼや、その反応産物の
有効利用に関する研究が広く行われている。これらの研
究の対象となるセルラーゼは、一般的に中酸性に最適反
応pHを有し、結晶性セルロースを良好に分解できる真菌
類や嫌気性細菌由来の酵素が中心となっている。
アルカリセルラーゼが見出され、その工業的利用が可能
となったことにより、従来困難とされていたセルラーゼ
の衣料用重質洗剤への応用が可能となり、アルカリセル
ラーゼが衣料用洗剤へ配合されるに至った。これ以降、
真菌類由来のセルラーゼ配合洗剤も上市されるようにな
り、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼと並び、洗剤
用酵素としての地位が確立されている。
応pHが8〜9付近のものが多く、衣料用重質洗剤のpHで
あるpH10以上では有効に作用しない場合が多く見受けら
れる。また、反応生成物の一つであるセロビオースによ
って酵素活性が阻害されるということもセルラーゼの一
般的な特徴の一つであり〔例えば、Creuzetら, Biochim
ie, 65, 149-156(1983)〕、セロビオースが高濃度に蓄
積した場合には、セルロースのバイオマス利用や繊維の
精練の上での障害となり得る。
剤用、バイオマス用、繊維処理用の酵素として有用な、
高アルカリ性領域に最適反応pHを有し、かつセロビオー
スによって酵素活性が阻害されることのないアルカリセ
ルラーゼをコードする遺伝子を提供すること、及びその
遺伝子を用いて大量かつ単一のアルカリセルラーゼを製
造する方法を確立することを目的とする。
らセルラーゼ生産菌のスクリーニングを行い、上記性質
を有するアルカリセルラーゼを生産する微生物を見出し
た。そして、当該微生物から当該酵素をコードする遺伝
子をクローン化し、これを用いてアルカリセルラーゼを
製造することに成功した。
ノ酸配列又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ
酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコー
ドするアルカリセルラーゼ遺伝子、並びに配列番号2に
示す塩基配列又は該塩基配列の1若しくは数個の塩基が
欠失、置換若しくは付加された塩基配列を有するアルカ
リセルラーゼ遺伝子を提供するものである。
ゼ遺伝子を含む組換えベクター、当該組換えベクターを
含む形質転換体、並びに当該形質転換体を培養するアル
カリセルラーゼの製造法を提供するものである。
子は、配列番号1に示すアミノ酸配列又は該アミノ酸配
列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列をコードするものであればよい
が、配列番号2で示される塩基配列又は該塩基配列の1
若しくは数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配
列を有するものが好ましい。
えばBacillus sp. KSM-N252株等からクローン化するこ
とができる。Bacillus sp. KSM-N252株は、本発明者ら
が見出した菌株であり、最適反応pHをpH10付近に有し、
その反応生成物であるセロビオースによって阻害され
ず、むしろセロビオースにより活性化されるという特徴
を有する分子量約50kDa(SDS電気泳動法)のアルカリセ
ルラーゼ(以下、N252セルラーゼと表記する)を生産す
る微生物である。この菌株は、下記の菌学的性質を有す
る。
質) A.形態学的性質 (a)細胞の形及び大きさ:桿菌(0.4〜0.6×3.2〜9.6
μm) (b)多形性:無し (c)運動性:有り (d)胞子の形、大きさ、位置、膨潤の有無:楕円形、
0.6〜1.0×0.8〜1.4μm、準端位、膨潤有り (e)グラム染色:不定、但し炭酸ナトリウム0.1重量
%を含むクリスタルバイオレット(CVT)寒天培地には
生育しない。 (f)抗酸性:陰性
る。 (o)グルコースからのガス産生:陰性 (p)塩化ナトリウム耐性:7重量%塩化ナトリウム存
在下で生育する。 (q)馬尿酸の加水分解:陰性 (r)4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド
(MUG)の加水分解:陰性 (s)糖の利用性:グルコース、アラビノース、キシロ
ース、マンニトール、ガラクトース、シュークロース、
マンノース、マルトース、ラクトース、トレハロース、
フラクトース、メリビオース、リボース、サリシン等を
炭素源として生育が認められる。グリセロール、ラムノ
ース、イノシトール、ソルビトールを炭素源として利用
できない。
バチルス属細菌と判断され、工業技術院生命工学工業技
術研究所にFERM P-17474として寄託されている。当該微
生物からアルカリセルラーゼ遺伝子のクローニングを行
う方法としては、既知の手段、例えばショットガン法、
PCR法を用いることができる。
を含む組換えベクターを作製するには、宿主菌体内で複
製維持が可能であり、該酵素を安定に発現させることが
でき、該遺伝子を安定に保持できるベクターに、本発明
のアルカリセルラーゼ遺伝子を組込めばよい。かかるベ
クターとしては、大腸菌を宿主とする場合、pUC18、pBR
322、pHY300PLK等が挙げられ、枯草菌を宿主にする場
合、pUB110、pHSP64(Sumitomoら, Biosci. Biotechno
l. Biocem., 59, 2172-2175, 1995)、pHY300PLK等が挙
げられる。
宿主菌を形質転換する方法としては、プロトプラスト
法、コンピテントセル法、エレクトロポレーション法等
を用いることができる。宿主菌としては、Bacillus属
(枯草菌)等のグラム陽性菌、Escherichia coli(大腸
菌)等のグラム陰性菌、Streptomyces属(放線菌)等の
細菌、Saccharomyces属(酵母)、Aspergillus属(カ
ビ)等の真菌が挙げられる。
換体が資化しうる炭素源、窒素源、金属塩、ビタミン等
を含む培地を用いて適当な条件下で培養すれば、培養液
中に高アルカリ性領域に最適反応pHを有しセロビオース
により阻害されないアルカリセルラーゼが産生される。
かくして得られた培養液から、一般的な方法によって酵
素の採取、精製を行い、凍結乾燥、噴霧乾燥、結晶化等
により必要な酵素形態とすることができる。
水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.0)、0.4mLの2.5重量%
カルボキシメチルセルロース(A01MC;日本製紙社
製)、0.4mLの脱イオン水、及び0.1mLの適当に希釈した
酵素液(希釈は10mMトリス塩酸緩衝液、pH7.5で行っ
た)を加え、20分間反応させた後、1mLのジニトロサリ
チル酸試薬(0.5重量%ジニトロサリチル酸、30重量%
ロッシェル塩、1.6重量%水酸化ナトリウム水溶液)を
添加し、沸水中で5分間還元糖の発色を行った。氷水中
で急冷し、4mLの脱イオン水を加え535nmにおける吸光
度を測定し還元糖の生成量を求めた。なお、ブランクは
酵素液を加えずに処理した反応液にジニトロサリチル酸
試薬を加えた後、酵素液を添加し、同様に発色させたも
のを用意した。酵素1単位(1U)は、上記反応条件下
において1分間に1μmolのグルコース相当の還元糖を
生成する量とした。
クリーニング 日本各地の土壌を滅菌水に懸濁したものを80℃、30分間
熱処理し、『2.0重量%カルボキシメチルセルロース(A
10MC;日本製紙社製)、1.0重量%肉エキス(オキソイ
ド社製)、1.0重量%バクトペプトン(ディフコ社
製)、1.0重量%塩化ナトリウム、0.1重量%リン酸二水
素カリウム、0.5重量%炭酸ナトリウム(別滅菌)、0.0
05重量%トリパンブルー(別滅菌)』の組成を有する寒
天平板培地に塗布した。
た菌の周辺にカルボキシメチルセルロースの分解に伴う
溶解斑が検出されたものについて選抜し、シングルコロ
ニー化を繰り返した。これらの菌株を、2.0重量%ポリ
ペプトンS(日本製薬社製)、1.0重量%魚肉エキス
(和光純薬社製)、0.15重量%リン酸水素二カリウム、
0.1重量%酵母エキス(ディフコ社製)、0.07重量%硫
酸マグネシウム七水塩、0.1重量%カルボキシメチルセ
ルロース及び0.5重量%炭酸ナトリウム(別滅菌)から
成る液体培地を用いて30℃、3日間振盪培養を行った。
アルカリセルラーゼを生産している菌株を選択し、とり
わけ高アルカリ性域で強力な活性を示したセルラーゼ生
産菌としてBacillus sp. KSM-N252株を取得した。
ムDNAの調製Bacillus sp. KSM-N252株の培養は、2.0重量%ポリペプ
トンS、0.1重量%カルボキシメチルセルロ-ス(A10M
C;日本製紙社製)、0.1重量%酵母エキス、1.0重量%
魚肉エキス、0.15重量%リン酸水素二カリウム、0.07重
量%硫酸マグネシウム七水塩、0.5重量%グルタミン酸
ナトリウム(別滅菌)及び0.5重量%炭酸ナトリウム
(別滅菌)から成る培地を用い、30℃、40時間振盪して
行った。得られた培養液約40mLから遠心分離(12000×
g、15分間、5℃)により菌体を回収し、この菌体から
斉藤・三浦の方法によりゲノムDNAを調製した。
ニング 実施例2で調製したBacillus sp. KSM-N252株ゲノムDNA
約2μgを、制限酵素Sau3A(ベーリンガーマンハイム社
製)にて、37℃、10分間反応させ部分消化し、70℃、10
分間恒温して反応を停止させた。このうち5μLを、制
限酵素BamH I(ベーリンガーマンハイム社製)にて消化
後、脱リン酸化したpUC18(宝酒造社製)50ngと混合し
て8μLとし、Ligation High(東洋紡社製)4μLを加
えて16℃、30分間恒温してDNA連結反応を行った。反応
液でE. coli HB101株を形質転換し、形質転換体を100μ
g/mLアンピシリンを含むLB寒天培地に塗沫した。加熱溶
解し約50℃に冷却した0.5重量%カルボキシメチルセル
ロース(関東化学社製)、1.0重量%塩化ナトリウム、
0.8重量%寒天及び0.2重量%リゾチーム(シグマ社製)
から成る軟寒天を、生育したコロニーの上から重層し固
化した。37℃で90分間恒温した後、0.4重量%コンゴー
レッド溶液を寒天培地が完全に覆われるまで注ぎ、10分
間静置した。コンゴーレッド溶液を除去し、1重量%塩
化ナトリウム溶液にて洗浄してセルラーゼ生産に伴って
形成されるハローを検出した。ハローを形成した形質転
換体よりFlexiPrep kit(アマシャム・ファルマシア・
バイオテク社製)を用いてプラスミドDNAを抽出し、pUC
18のマルチクローニングサイト近傍に相補的なプライマ
ー1(配列番号3;アンチセンスプライマー)及びプラ
イマー2(配列番号4;センスプライマー)を合成し、
塩基配列を377DNAシーケンサー(PE アプライド・バイ
オシステムズ社製)にて決定した。その結果、Bacillus
sp. N252株の培養上清から精製したアルカリセルラー
ゼのアミノ末端をコードする塩基配列が見出され、目的
とするN252セルラーゼ遺伝子を取得できたことが確認さ
れた。更にプライマー3〜11(配列番号5;N252セルラ
ーゼ遺伝子の上流発現領域に基づくセンスプライマー,
配列番号6;N252セルラーゼ遺伝子の塩基番号523〜547
に基づくセンスプライマー,配列番号7;N252セルラー
ゼ遺伝子の塩基番号854〜877に基づくセンスプライマ
ー,配列番号8;N252セルラーゼ遺伝子の塩基番号1141
〜1164に基づくセンスプライマー,配列番号9;N252セ
ルラーゼ遺伝子の塩基番号224〜247に基づくセンスプラ
イマー,配列番号10;N252セルラーゼ遺伝子の塩基番号
860〜883に基づくアンチセンスプライマー,配列番号1
1;N252セルラーゼ遺伝子の下流発現領域に基づくアン
チセンスプライマー,配列番号12;N252セルラーゼ遺伝
子の塩基番号1282〜1305に基づくアンチセンスプライマ
ー,配列番号13;N252セルラーゼ遺伝子の塩基番号443
〜473に基づくアンチセンスプライマー)を合成して全
塩基配列を決定し(配列番号2)、アミノ酸配列を推定
した(配列番号1)。
酸配列と従来公知のセルラーゼのアミノ酸配列との相同
性を比較すると、最も高い相同性を示した酵素は、Baci
llussp. N-4株の生産するNK-1セルラーゼ(Fukumotoら,
J. Bacteriol. 168, 479-485, 1986)であり、その相
同性は、75.6%であった。次に高い相同性を示した酵素
は、Bacillus sp.株由来のセルラーゼ(特表平11-50390
2号公報)であり、その相同性は72.0%であった。これ
らは、いずれもアルカリセルラーゼではあるが、本発明
の遺伝子からコードされるN252セルラーゼと完全に一致
するものではなかった。これ以外の酵素とN252セルラー
ゼとの相同性はすべて、上記の相同性よりも低く、N252
セルラーゼが新規なアルカリセルラーゼであることを示
唆している。なお、相同性の検索は、GENENTYX-CDバイ
オデータソフトウェア(ソフトウェア開発社製,ver.3
6)を用いたマキシマムマッチング法にて行った。
ラーゼの生産 N252セルラーゼの生産性を高める目的で、Bacillus sp.
KSM-64株由来のアルカリセルラーゼ遺伝子(Sumitomo
ら, Biosci. Biotechnol. Biochem., 56, 827,1992)の
上流発現領域とN252セルラーゼ遺伝子をリコンビナント
PCRにより連結した。即ち、Bacillus sp. KSM-64株由来
のアルカリセルラーゼ遺伝子の上流発現領域〔プライマ
ー12(配列番号14;センスプライマー)及びプライマー
13(配列番号15;アンチセンスプライマー)を使用〕及
びN252セルラーゼ遺伝子断片〔プライマー14(配列番号
16;Bacillus sp. KSM-64株由来のアルカリセルラーゼ
遺伝子の上流発現領域とN252セルラーゼ遺伝子の塩基番
号88〜107に基づくセンスプライマー)及びプライマー1
5(配列番号17;N252セルラーゼ遺伝子の下流発現領域
に基づくアンチセンスプライマー)を使用〕をそれぞれ
PCR(94℃30秒、55℃30秒、72℃2分を1サイクルとし
て30サイクル)にて増幅した。得られた遺伝子断片を精
製し、プライマー12(配列番号14)及びプライマー15
(配列番号17)を用いてリコンビナントPCR(94℃30
秒、55℃1分、72℃1分を1サイクルとして30サイク
ル)によりキメラ遺伝子の増幅を行った。取得したキメ
ラ遺伝子を精製し、制限酵素Bgl II及びHind IIIで処理
後、予め同じ制限酵素で処理しておいたプラスミドpHY3
00PLK(ヤクルト本社製)に連結した。得られた組換え
プラスミドをプロトプラスト法により枯草菌ISW1214株
に導入し、形質転換株を3.0重量%ポリペプトンS、3.0
重量%マルトース、0.5重量%魚肉エキス、0.1重量%リ
ン酸二水素カリウム、0.02重量%硫酸マグネシウム七水
塩及びテトラサイクリン(7.5μg/mL)から成る培地に
て30℃、72時間振盪培養した。遠心分離により得られた
培養上清中のセルラーゼ活性は約39000U/Lであり、SDS
電気泳動を行って検出された主要なタンパク質バンドの
分子量は、アミノ酸配列から推定される分子量(51.2kD
a)とほぼ一致した。但し、一部分解によって生じたと
考えられる約35kDaのセルラーゼ活性を示すタンパク質
バンドも検出された。
F、EDTAをそれぞれ1mM、5mMとなるよう添加し、氷水
中で1時間静置した。さらに1mM PMSF、5mM EDTAを含
む脱イオン水1000mLを加え、予め10mMリン酸緩衝液(pH
6.0)にて平衡化しておいたDEAEトヨパール650Cカラム
(3.0×18cm;東ソー社製)に添着した。約1.2Lの平衡
化緩衝液を用いて非吸着タンパク質を洗浄溶出させた
後、0から0.4M塩化ナトリウム濃度勾配法により吸着
タンパク質を溶出させた。0.2Mの塩化ナトリウム濃度
付近に溶出されたセルラーゼ活性を示す画分を集め(37
5mL)、限外濾過(PM10メンブレン;アミコン社製)に
より濃縮し、SDS電気泳動を行ったところ、分子量約50k
Daの均一なタンパク質バンドが検出された。以上の精製
操作により本酵素は約4倍に濃縮され、活性収率は3.5
%であった。
性質 (1) 最適反応pH クエン酸緩衝液(pH4〜6)、リン酸緩衝液(pH6〜
8)、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8〜12)
の各緩衝液(100mM)を用いて最適反応pHを調べた結
果、組換えN252セルラーゼはpH10のグリシン−水酸化ナ
トリウム緩衝液中で最も高い反応速度を示した。また、
pH6〜11.5の間で最大活性の50%以上の活性を有してい
た(図1)。
重量%カルボキシメチルセルロース(A10MC;日本製紙
社製)及び50〜100mMセロビオースから成る反応液をオ
ストワルド粘度計(No.3)に入れ、30℃で10分間恒温し
た後、組換えN252セルラーゼを添加し全量を10mLとし
た。5〜30分後に粘度を測定した結果、本酵素は高濃度
のセロビオース存在下において全く阻害されることがな
く、むしろ酵素活性が促進されていた。
は、分子量、N−末アミノ酸配列、最適反応pHが野生株
からの酵素と一致し、さらに100mMセロビオース存在下
においてその活性が阻害されず、むしろ活性化傾向を示
すという特徴も確認されたことから、Bacillus sp. KSM
-N252株由来のアルカリセルラーゼと同一の酵素である
ことが明らかとなった。
いることにより、衣料用等の洗浄剤用、バイオマス用、
繊維処理用の酵素として有用な、高アルカリ性領域に最
適反応pHを有し、かつセロビオースに阻害されないアル
カリセルラーゼを大量に生産することができる。
ある。
8)
Claims (6)
- 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列又は該ア
ミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加されたアミノ酸配列をコードするアルカリセ
ルラーゼ遺伝子。 - 【請求項2】 配列番号2に示す塩基配列又は該塩基配
列の1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加さ
れた塩基配列を有するアルカリセルラーゼ遺伝子。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の遺伝子を含む組換
えベクター。 - 【請求項4】 請求項3記載の組換えベクターを含む形
質転換体。 - 【請求項5】 宿主が微生物である請求項4記載の形質
転換体。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載の形質転換体を培養
するアルカリセルラーゼの製造法。
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JP2018076714A (ja) * | 2016-11-10 | 2018-05-17 | 大阪瓦斯株式会社 | 石油増進回収用栄養剤 |
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