JP2002171165A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JP2002171165A
JP2002171165A JP2001023932A JP2001023932A JP2002171165A JP 2002171165 A JP2002171165 A JP 2002171165A JP 2001023932 A JP2001023932 A JP 2001023932A JP 2001023932 A JP2001023932 A JP 2001023932A JP 2002171165 A JP2002171165 A JP 2002171165A
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Yuji Watabe
由司 渡部
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧の変動を検知する機能を持ち、位相
比較を行うための基準周波数となる信号のリプルを除去
できるようなフィルタ定数を保ちながら、PLLの自然
角周波数付近のようにPLL回路のジッタを特に増大さ
せる低い周波数の電源電圧変動を含む電源電圧変動に対
して、追従性がよく発振周波数の変動を抑制できる電圧
制御発振器を備えたPLL回路を得る。 【解決手段】 VCO7の出力信号の周波数補正とし
て、ローパスフィルタ6からVCO7のV−I変換器1
5に入力される通常の制御電圧Vcntによる補正を行
うと共に、電源電圧VCCの変動に応じてゲートサイズ
の異なるPMOSトランジスタ16〜19の動作制御を
行い、リングオシレータ11の各インバータ回路INV
1〜INVnへの電源電流を変えることによって発振周
波数の補正を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数シンセサイ
ザ等に使用されるPLL回路に関し、特にリングオシレ
ータで構成される電圧制御発振器を備えたPLL回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、PLL回路における電圧制御
発振器の従来例を示した回路図であり、出力振幅レベル
が電源電圧幅である、カレントミラー回路を使用したリ
ングオシレータで構成されている場合を示している。図
11において、電圧制御発振器(以下、VCOと呼ぶ)
100は、リングオシレータ101を構成する遅延回路
として複数のインバータ回路INV1〜INVn(n
は、n>1の奇数)を使用している。また、対応するイ
ンバータ回路INV1〜INVnに対して、直流電源か
らの電流値を制御するPチャネル形MOSトランジスタ
(以下、PMOSトランジスタと呼ぶ)QP1〜QPn
及び接地GNDへ流れる電流値を制御するNチャネル形
MOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと呼
ぶ)QN1〜QNnを設けている。
【0003】また、各PMOSトランジスタQP1〜Q
Pnとカレントミラー回路を形成するPMOSトランジ
スタ103及び104が設けられており、更に各NMO
SトランジスタQN1〜QNnとカレントミラー回路を
形成するNMOSトランジスタ105が設けられてい
る。V−I変換器102が、制御入力端に入力された電
圧Vcntに応じた電流を流すと、該電流に応じた電流
が各PMOSトランジスタQP1〜QPn,103,1
04にそれぞれ流れる。更に、PMOSトランジスタ1
04から流れた電流に応じた電流が、各NMOSトラン
ジスタQN1〜QNn,105にそれぞれ流れる。
【0004】このようにして、各インバータ回路INV
1〜INVnに流れる電流を制御することができ、V−
I変換器102を制御する電圧Vcntによって各イン
バータ回路INV1〜INVnの遅延時間を制御するこ
とができる。このため、入力電圧Vcntによって、リ
ングオシレータ101から出力される信号の周波数を変
えることができる。
【0005】ここで、リングオシレータ101の各イン
バータ回路INV1〜INVnに供給する電源電流量を
I、リングオシレータの段数であるインバータ回路の数
をn、各インバータ回路INV1〜INVnの負荷容量
をそれぞれC、各インバータ回路INV1〜INVnの
出力振幅、すなわちVCO100の出力振幅(図11で
は電源電圧VCCとなる)をVとすると、VCO100
の出力周波数Fは、Iに比例し、n,C,Vにそれぞれ
反比例する関係にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
出力振幅レベルが電源電圧幅をもったVCO100は、
電源電圧VCCが変動すればそれに応じて出力周波数が
変動するという問題があった。更に、このようなVCO
100を備えたPLL回路においては、位相のずれやジ
ッタの発生原因となっていた。また、PLL回路に用い
るローパスフィルタは、位相比較を行うための基準周波
数となる信号のリプルを除去できるようにPLLの自然
角周波数を通常の基準入力周波数に比べて非常に小さく
設定するため、電源変動による周波数変動の補正に対し
て追従性がよくなかった。特に電源変動の周波数が該P
LLの自然角周波数付近の場合はPLL回路におけるジ
ッタは非常に増大するという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたものであり、電源電圧の変動を検知する機
能を持ち、位相比較を行うための基準周波数となる信号
のリプルを除去できるようなフィルタ定数を保ちなが
ら、PLLの自然角周波数付近のようにPLL回路のジ
ッタを特に増大させる低い周波数の電源電圧変動を含む
電源電圧変動に対して、追従性がよく発振周波数変動を
抑制できる電圧制御発振器を備えたPLL回路を提供す
ることを目的とする。
【0008】なお、特開平6−195890号公報に
は、電源変動や温度変動による、PLLの入力信号と出
力信号の位相ずれを抑えるため、位相比較出力とエラー
検出信号を検波した信号を加算してVCOをコントロー
ルする技術が開示されている。しかし、このエラー検出
の比較対象は、PLLを1逓倍にしたときのPLLの入
力信号と出力信号の位相のずれであり、少なくとも1つ
の基準周波数信号発生源から、複数の周波数の信号を発
生させる周波数シンセサイザのように、入力信号と出力
信号の周波数が異なるような逓倍用途のPLLに対する
補正については考慮されていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係るPLL回
路は、入力信号と出力信号の位相を比較し、該位相差に
応じた電圧を出力する位相比較器と、該位相比較器から
ローパスフィルタを介して入力された位相比較結果を示
す電圧に応じた周波数の信号を生成して出力する電圧制
御発振器を備えるPLL回路において、該電圧制御発振
器が、遅延回路をなす複数のインバータ回路がリング状
に接続されてなるリングオシレータで構成された発振部
と、位相比較結果を示す入力電圧及び電源電圧に応じ
て、該発振部の各インバータ回路に対する電源電流の供
給制御を行うことにより、発振部から出力される信号の
周波数制御を行う発振周波数制御部とを備えるものであ
る。
【0010】具体的には、上記発振周波数制御部は、電
源電圧の上昇に応じて上記発振部の各インバータ回路に
対する電源電流を増加させ、電源電圧の低下に応じて上
記発振部の各インバータ回路に対する電源電流を減少さ
せるようにした。
【0011】また、上記発振周波数制御部は、位相比較
結果を示す電圧を電流に変換する電圧電流変換器と、該
電圧電流変換器で変換された電流を電源電圧に応じた電
源電流に変換して発振部の各インバータ回路に供給する
電源電流供給部とを備えるようにしてもよい。
【0012】具体的には、上記電源電流供給部は、ダイ
オード接続される複数の起動用トランジスタを有し、電
圧電流変換器で変換された電流に応じた電源電流を発振
部の各インバータ回路における電源端に供給するカレン
トミラー部と、電源電圧を所定比で分圧して出力する分
圧部と、複数の基準電圧を生成して出力する基準電圧発
生部と、分圧部からの電圧と該基準電圧発生部からの各
基準電圧とを比較し、該比較結果を出力する比較部と、
該比較部からの比較結果に応じてカレントミラー部の各
起動用トランジスタの少なくとも1つを活性化させてカ
レントミラー部の動作制御を行う制御部とを備えるよう
にした。
【0013】また、上記カレントミラー部は、上記制御
部によって活性化制御が行われるダイオード接続される
複数の起動用トランジスタを有し、電圧電流変換器で変
換された電流に応じた電源電流を発振部の各インバータ
回路における正側電源端にそれぞれ供給する第1カレン
トミラー回路と、該第1カレントミラー回路によって発
振部の各インバータ回路の正側電源端に供給される電源
電流に応じた電流を、発振部の各インバータ回路の負側
電源端からそれぞれ流す第2カレントミラー回路とで構
成されるようにしてもよい。
【0014】更に、上記第1カレントミラー回路は、複
数の起動用トランジスタで構成された複数の起動用トラ
ンジスタ部を備え、該各起動用トランジスタ部は、外部
からの制御信号によって少なくとも1つが活性化される
ように活性化制御されると共に、活性化された起動用ト
ランジスタ部の各起動用トランジスタは、制御部によっ
て活性化制御されるようにしてもよい。
【0015】具体的には、上記各起動用トランジスタ
は、それぞれ電流供給能力が異なり、制御部は、比較部
からの比較結果に応じて、該各起動用トランジスタの1
つを排他的に活性化するようにした。
【0016】また、上記制御部は、比較部からの比較結
果に応じて、非活性化状態の起動用トランジスタを順に
活性化させ、又は活性化状態の起動用トランジスタを順
に非活性化させるようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態.次に、図面に
示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるPLL回路
の構成例を示した概略のブロック図であり、図2は、図
1で示したPLL回路における電圧制御発振器の例を示
した回路図である。図1のPLL回路1において、分周
回路2及び3はPLLの逓倍設定を行うものであり、分
周回路2で分周された入力信号と、分周回路3で分周さ
れた出力信号との各位相を位相比較器4で比較する。該
比較結果は、チャージポンプ回路5を介してローパスフ
ィルタ6で平滑化された後、電圧制御発振器(以下、V
COと呼ぶ)7に電圧Vcntとして出力される。VC
O7は、入力された電圧Vcntに応じた周波数の出力
信号を出力する。
【0018】次に、図2を用いてVCO7について説明
する。VCO7は、遅延回路をなす複数のインバータ回
路INV1〜INVn(nは、n>1の奇数)からなる
リングオシレータ11と、該リングオシレータ11の各
インバータ回路INV1〜INVnへの電源電流を制御
して、リングオシレータ11の発振周波数を制御する発
振周波数制御部12とで構成されている。
【0019】発振周波数制御部12は、対応するインバ
ータ回路INV1〜INVnに対して、直流電源からの
電流値を制御するPチャネル形MOSトランジスタ(以
下、PMOSトランジスタと呼ぶ)QP1〜QPn及び
接地GNDへ流れる電流値を制御するNチャネル形MO
Sトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと呼ぶ)
QN1〜QNnを備えている。また、発振周波数制御部
12は、各PMOSトランジスタQP1〜QPnとカレ
ントミラー回路を形成するPMOSトランジスタ13、
及び各NMOSトランジスタQN1〜QNnとカレント
ミラー回路を形成するNMOSトランジスタ14を備え
ている。
【0020】更に、発振周波数制御部12は、制御入力
端に入力された電圧Vcntに応じた電流を流すV−I
変換器15と、ゲートサイズの異なるPMOSトランジ
スタ16〜19と、該各PMOSトランジスタ16〜1
9の対応するゲートの接続制御を行うトランスミッショ
ンゲート21〜28と、電源電圧VCCを検出し該検出
した電源電圧値に応じてトランスミッションゲート21
〜28の動作制御を行う制御回路29とを備えている。
【0021】リングオシレータ11において、インバー
タINV1〜INVnはリング状に接続され、インバー
タINVnの出力端がVCO7の出力をなしている。一
方、発振周波数制御部12において、インバータINV
1〜INVnと電源電圧VCCが印加される電源端子
(以下、VCC端子と呼ぶ)との間には対応するPMO
SトランジスタQP1〜QPnが接続されている。更に
インバータINV1〜INVnと接地との間には対応す
るNMOSトランジスタQN1〜QNnが接続されてい
る。
【0022】また、VCC端子と接地との間に、PMO
Sトランジスタ13とNMOSトランジスタ14の直列
回路が接続されており、PMOSトランジスタ13のゲ
ートは、PMOSトランジスタQP1〜QPnの各ゲー
トにそれぞれ接続されている。また、NMOSトランジ
スタ14のゲートは、NMOSトランジスタ14のドレ
インに接続されると共にNMOSトランジスタQN1〜
QNnの各ゲートにそれぞれ接続され、NMOSトラン
ジスタ14及びQN1〜QNnは、カレントミラー回路
を形成している。
【0023】次に、VCC端子とPMOSトランジスタ
13のゲートとの間には、PMOSトランジスタ16〜
19がそれぞれ並列に接続されており、PMOSトラン
ジスタ13のゲートと接地との間にはV−I変換器15
が接続されている。一方、VCC端子とPMOSトラン
ジスタ16のドレインとの間には、トランスミッション
ゲート21と22が直列に接続され、VCC端子とPM
OSトランジスタ17のドレインとの間には、トランス
ミッションゲート23と24が直列に接続されている。
同様に、VCC端子とPMOSトランジスタ18のドレ
インとの間には、トランスミッションゲート25と26
が直列に接続され、VCC端子とPMOSトランジスタ
19のドレインとの間には、トランスミッションゲート
27と28が直列に接続されている。
【0024】トランスミッションゲート21と22との
接続部は、PMOSトランジスタ16のゲートに、トラ
ンスミッションゲート23と24との接続部は、PMO
Sトランジスタ17のゲートに、トランスミッションゲ
ート25と26との接続部は、PMOSトランジスタ1
8のゲートに、トランスミッションゲート27と28と
の接続部は、PMOSトランジスタ19のゲートにそれ
ぞれ接続されている。また、トランスミッションゲート
21〜28のそれぞれの制御信号入力端は、制御回路2
9に接続されている。
【0025】トランスミッションゲート21の反転入力
端とトランスミッションゲート22の非反転入力端には
制御信号Saが、トランスミッションゲート23の反転
入力端とトランスミッションゲート24の非反転入力端
には制御信号Sbが、トランスミッションゲート25の
反転入力端とトランスミッションゲート26の非反転入
力端には制御信号Scが、トランスミッションゲート2
7の反転入力端とトランスミッションゲート28の非反
転入力端には制御信号Sdが、それぞれ制御回路29か
ら入力される。
【0026】また、トランスミッションゲート21の非
反転入力端とトランスミッションゲート22の反転入力
端には制御信号Saの反転信号/Saが、トランスミッ
ションゲート23の非反転入力端とトランスミッション
ゲート24の反転入力端には制御信号Sbの反転信号/
Sbが、トランスミッションゲート25の非反転入力端
とトランスミッションゲート26の反転入力端には制御
信号Scの反転信号/Scが、トランスミッションゲー
ト27の非反転入力端とトランスミッションゲート28
の反転入力端には制御信号Sdの反転信号/Sdが、そ
れぞれ制御回路29から入力される。これらのことか
ら、トランスミッションゲート21,23,25,27
は、対応するトランスミッションゲート22,24,2
6,28の動作と相反する動作を行う。
【0027】このように、制御回路29からの制御信号
Sa〜Sd及び/Sa〜/Sdによって、PMOSトラ
ンジスタQP1〜QPn、13及び16〜19は、カレ
ントミラー回路を形成する。
【0028】次に、図3は、制御回路29の回路例を示
した図であり、図3を用いて制御回路29の構成につい
て説明する。図3において、制御回路29は、所定の定
電圧Vrを生成して出力する定電圧発生回路41及び該
定電圧発生回路41から出力された定電圧Vrを複数の
基準電圧、例えば4つの基準電圧Va〜Vdに分圧して
出力する抵抗42〜46からなる基準電圧発生部31
と、VCC端子と接地との間に直列に接続された抵抗4
7及び48からなり電源電圧VCCを分圧して出力する
分圧部32とを備えている。
【0029】更に、制御回路29は、基準電圧発生部3
1から出力された各基準電圧Va〜Vdと分圧部32か
ら出力された電圧Viとの比較を行う比較器CP1〜C
P4で構成された比較部33と、該比較部33の比較結
果に応じてトランスミッションゲート21〜28への制
御信号を生成して出力する制御部34とを備えている。
また、制御部34は、一方の入力端が反転入力端である
AND回路51〜54と、AND回路51〜54の出力
端に対応して接続されているインバータ回路55〜58
とで構成されている。
【0030】基準電圧発生部31において、定電圧発生
回路41の出力端と接地との間に抵抗42〜46が直列
に接続されている。また、比較部33において、比較器
CP1の一方の入力端は、基準電圧発生部31の抵抗4
5と46との接続部に接続されて基準電圧Vaが入力さ
れ、比較器CP2の一方の入力端は、基準電圧発生部3
1の抵抗44と45との接続部に接続されて基準電圧V
bが入力されている。
【0031】同様に、比較器CP3の一方の入力端は、
基準電圧発生部31の抵抗43と44との接続部に接続
されて基準電圧Vcが入力され、比較器CP4の一方の
入力端は、基準電圧発生部31の抵抗42と43との接
続部に接続されて基準電圧Vdが入力されている。ま
た、比較器CP1〜CP4の各他方の入力端は、分圧部
32の抵抗47と48との接続部に接続され、電源電圧
VCCを分圧して得られた電圧Viがそれぞれ入力され
ている。該電圧Viは、電源電圧VCCに応じて変化す
るため、電源電圧検出用として使用する。
【0032】次に、比較器CP1〜CP4の各出力端
は、対応するAND回路51〜54の非反転入力端にそ
れぞれ接続される。更に、比較器CP2の出力端はAN
D回路51の反転入力端に、比較器CP3の出力端はA
ND回路52の反転入力端に、比較器CP4の出力端は
AND回路53の反転入力端にそれぞれ接続され、AN
D回路54の反転入力端は接地されている。また、AN
D回路51〜54の出力端は、対応するインバータ回路
55〜58の入力端に接続され、AND回路51〜54
からは、対応する制御信号Sa〜Sdが出力され、イン
バータ回路55〜58からは、対応する制御信号/Sa
〜/Sdが出力される。
【0033】このような構成において、比較器CP1〜
CP4は、電圧Viが対応する基準電圧Va〜Vdより
も大きい場合は、Highレベルの信号を出力し、電圧
Viが対応する基準電圧Va〜Vdよりも小さい場合
は、Lowレベルの信号を出力する。ここで、例えば、
電圧ViがVb<Vi<Vcの関係にあるとすると、比
較器CP1及びCP2の出力はそれぞれHighレベル
となると共に、比較器CP3及びCP4の出力はそれぞ
れLowレベルとなる。このため、制御信号Sa,S
c,SdはそれぞれLowレベルになると共に、制御信
号SbのみHighレベルとなる。
【0034】このような制御信号Sa〜Sdを受けて、
カレントミラー回路の起動用トランジスタ(以下、マス
タートランジスタと呼ぶ)をなすPMOSトランジスタ
16〜19の内、PMOSトランジスタ17のみがオン
して活性化し、PMOSトランジスタ16,18,19
はオフして遮断状態となる。ここで、PMOSトランジ
スタ16〜19のゲート幅のサイズをW16〜W19と
すると、W16>W17>W18>W19となるように
しておく。
【0035】電圧Viが、電源電圧VCCの増加によっ
て、Vb<Vi<Vcの状態からVc<Vi<Vdにな
ると、比較器CP1〜CP3の出力端はそれぞれHig
hレベルとなり、比較器CP4の出力端のみLowレベ
ルとなる。これに伴って、制御信号Sa,Sb,Sdが
それぞれLowレベルとなり、制御信号ScのみHig
hレベルとなる。このため、カレントミラー回路のマス
タートランジスタをなすPMOSトランジスタ18がオ
ンして活性化し、PMOSトランジスタ16、17及び
19はオフして遮断状態となる。
【0036】一方、出力振幅レベルが電源電圧幅をもっ
たVCO7の発振周波数は、遅延回路をなすインバータ
INV1〜INVnに供給される電流量Iに比例し、リ
ングオシレータ11の段数であるインバータ回路の段数
n、各インバータ回路INV1〜INVnの負荷容量
C、各インバータ回路INV1〜INVnの出力振幅、
すなわちVCO7の出力振幅(図1では電源電圧VCC
となる)Vに反比例するため、電源電圧VCCが増加す
れば出力振幅Vが増加することでVCO7の発振周波数
は減少する。
【0037】このように、VCO7は、電源電圧VCC
の増加に伴ってカレントミラー回路のマスタートランジ
スタを例えばPMOSトランジスタ17からPMOSト
ランジスタ18に切り替えると、ゲート幅がW17>W
18の関係にあることから、リングオシレータ11に供
給される電流は増加する。このため、VCO7の出力周
波数が増加し、電源電圧VCCの増加に伴うVCO7の
発振周波数の減少を抑制することが可能となる。
【0038】これに対して、電圧Viが、電源電圧VC
Cの低下によって、Vb<Vi<Vcの状態からVa<
Vi<Vbになると、比較器CP1の出力端のみHig
hレベルとなり、比較器CP2〜CP4の出力端はそれ
ぞれLowレベルとなる。これに伴って、制御信号Sa
のみがHighレベルとなり、制御信号Sb〜Sdがそ
れぞれLowレベルとなる。このため、カレントミラー
回路のマスタートランジスタをなすPMOSトランジス
タ16がオンして活性化し、PMOSトランジスタ17
〜19はオフして遮断状態となる。
【0039】上述したように、VCO7の発振周波数
は、インバータINV1〜INVnに供給される電流量
Iに比例し、インバータ回路の段数n、各インバータ回
路INV1〜INVnの負荷容量C、各インバータ回路
INV1〜INVnの出力振幅Vに反比例するため、電
源電圧VCCが低下すれば出力振幅Vが低下することで
VCO7の発振周波数は増加する。
【0040】このように、VCO7は、電源電圧VCC
の低下に伴ってカレントミラー回路のマスタートランジ
スタを例えばPMOSトランジスタ17からPMOSト
ランジスタ16に切り替えると、ゲート幅がW16>W
17の関係にあることから、リングオシレータ11に供
給される電流は減少する。このため、VCO7の出力周
波数が低下し、電源電圧VCCの低下に伴うVCO7の
発振周波数の増加を抑制することが可能となる。
【0041】なお、上記説明では、リングオシレータの
遅延回路としてPMOSトランジスタとNMOSトラン
ジスタが直列に接続された構成のインバータ回路を使用
した場合を例にして説明したが、ノイズの影響を受けに
くくするために図4で示すような、出力振幅レベルが電
源電圧幅を持った差動アンプ型インバータ回路をリング
オシレータの遅延回路に使用してもよい。図4の差動ア
ンプ型インバータ回路をリングオシレータ11に使用し
た場合、図2のVCO7は図5のようになる。
【0042】また、電源電圧の変動量の割合とリングオ
シレータ11の各インバータ回路INV1〜INVnに
対する電源電流の補正の割合は、設定する基準電圧値及
びカレントミラー回路のマスタートランジスタをなすP
MOSトランジスタ16〜19のゲートサイズでそれぞ
れ決まるため、両者の割合が同一になるように設定する
ことで電源電圧変動に対するVCOの発振周波数の変動
が最小限になるように抑制することができる。
【0043】上記のように、本第1の実施の形態におけ
るPLL回路では、出力信号の周波数補正として、ロー
パスフィルタ6からVCO7のV−I変換器15に入力
される通常の制御電圧Vcntによる補正を行うと共
に、電源電圧VCCの変動に応じてゲートサイズの異な
るPMOSトランジスタ16〜19の動作制御を行い、
リングオシレータ11の各インバータ回路INV1〜I
NVnへの電源電流を変えることによって発振周波数の
補正を行うようにした。このことから、入力信号を分周
して得られる位相比較信号周波数のリプルを除去できる
ようなローパスフィルタの定数を保ちながら、PLLの
自然角周波数付近のようなPLLのジッタを特に増大さ
せる低い周波数の電源電圧変動を含む電源電圧変動に対
して、追従性がよく発振周波数変動の抑制を行うことが
できる。
【0044】更に、電圧Viを発生させる分圧部32の
抵抗47,48、及び基準電圧Va〜Vdを発生させる
基準電圧発生部31の抵抗42〜46においては、構成
される各抵抗間の比精度を必要とし、各抵抗の絶対精度
は必要としないことから、プロセスの依存性を少なくす
ることができる。
【0045】第2の実施の形態.上記第1の実施の形態
では、電源電圧の変動に対する発振周波数の補正時に、
PMOSトランジスタ16〜19のいずれか1つを排他
的にオンさせる、すなわち1つのPMOSトランジスタ
がオフして他の1つのPMOSトランジスタがオンする
といった2つのPMOSトランジスタがスイッチングす
る構成にしていたことから、複数のトランジスタがスイ
ッチングすることによってノイズが発生するという問題
が考えられる。そこで、PMOSトランジスタ16〜1
9のいずれか1つのスイッチングによって、電源電圧の
変動に対する発振周波数の補正を行うようにしてもよ
く、このようにしたものを本発明の第2の実施の形態と
する。
【0046】本第2の実施の形態におけるPLL回路の
構成例を示した概略のブロック図は、図1のVCO7を
VCO7aにし、図1のPLL回路1をPLL回路1a
にする以外は図1と同じであるので省略する。図6は、
本発明の第2の実施の形態におけるPLL回路のVCO
の例を示した回路図である。なお、図6では、図2と同
じものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略する
と共に図2との相違点のみ説明する。図6における図2
との相違点は、図2の制御回路29から各トランスミッ
ションゲート21〜28に対して出力する各制御信号を
変えたことにあり、これに伴って、図2の発振周波数制
御部12を発振周波数制御部12aにし、図2の制御回
路29を制御回路29aにし、図2のVCO7をVCO
7aにしたことにある。
【0047】図6において、VCO7aは、リングオシ
レータ11と、該リングオシレータ11の各インバータ
回路INV1〜INVnへの電源電流を制御して、リン
グオシレータ11の発振周波数を制御する発振周波数制
御部12aとで構成されている。発振周波数制御部12
aは、PMOSトランジスタQP1〜QPn,13,1
6〜19と、NMOSトランジスタQN1〜QNn,1
4と、V−I変換器15と、トランスミッションゲート
21〜28と、電源電圧VCCを検出し該検出した電源
電圧値に応じてトランスミッションゲート21〜28の
動作制御を行う制御回路29aとを備えている。
【0048】トランスミッションゲート21の非反転入
力端とトランスミッションゲート22の反転入力端には
制御信号Seが、トランスミッションゲート23の非反
転入力端とトランスミッションゲート24の反転入力端
には制御信号Sfが、トランスミッションゲート25の
非反転入力端とトランスミッションゲート26の反転入
力端には制御信号Sgが、トランスミッションゲート2
7の非反転入力端とトランスミッションゲート28の反
転入力端には制御信号Shが、それぞれ制御回路29a
から入力される。
【0049】また、トランスミッションゲート21の反
転入力端とトランスミッションゲート22の非反転入力
端には制御信号Seの反転信号/Seが、トランスミッ
ションゲート23の反転入力端とトランスミッションゲ
ート24の非反転入力端には制御信号Sfの反転信号/
Sfが、トランスミッションゲート25の反転入力端と
トランスミッションゲート26の非反転入力端には制御
信号Sgの反転信号/Sgが、トランスミッションゲー
ト27の反転入力端とトランスミッションゲート28の
非反転入力端には制御信号Shの反転信号/Shが、そ
れぞれ制御回路29aから入力される。これらのことか
ら、トランスミッションゲート21,23,25,27
は、対応するトランスミッションゲート22,24,2
6,28の動作と相反する動作を行う。
【0050】このように、制御回路29aからの制御信
号Se〜Sh及び/Se〜/Shによって、PMOSト
ランジスタQP1〜QPn、13及び16〜19は、カ
レントミラー回路を形成する。
【0051】次に、図7は、制御回路29aの回路例を
示した図であり、図7を用いて制御回路29aの構成に
ついて説明する。なお、図7では、図3と同じものは同
じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図3
との相違点のみ説明する。図7における図3との相違点
は、OR回路51〜54を削除したことと比較器CP1
〜CP4に入力される基準電圧を変えたことにあり、こ
れに伴って、図3の基準電圧発生部31を基準電圧発生
部31aに、図3の制御部34を制御部34aにした。
【0052】図7において、制御回路29aは、基準電
圧発生部31aと、分圧部32と、比較部33と、該比
較部33の比較結果に応じてトランスミッションゲート
21〜28への制御信号を生成して出力する制御部34
aとを備えている。基準電圧発生部31aは、定電圧発
生回路41と、該定電圧発生回路41から出力された定
電圧Vrを複数の基準電圧、例えば4つの基準電圧Ve
〜Vhに分圧して出力する抵抗42a〜46aとからな
る。
【0053】基準電圧発生部31aにおいて、定電圧発
生回路41の出力端と接地との間に抵抗42a〜46a
が直列に接続されている。比較部33において、比較器
CP1の一方の入力端は、基準電圧発生部31aの抵抗
42aと43aとの接続部に接続されて基準電圧Veが
入力され、比較器CP2の一方の入力端は、基準電圧発
生部31aの抵抗43aと44aとの接続部に接続され
て基準電圧Vfが入力されている。
【0054】同様に、比較器CP3の一方の入力端は、
基準電圧発生部31aの抵抗44aと45aとの接続部
に接続されて基準電圧Vgが入力され、比較器CP4の
一方の入力端は、基準電圧発生部31aの抵抗45aと
46aとの接続部に接続されて基準電圧Vhが入力され
ている。また、比較器CP1〜CP4の各他方の入力端
は、分圧部32からの電圧Viがそれぞれ入力されてい
る。一方、制御部34aは、インバータ回路55〜58
で構成され、比較器CP1〜CP4の各出力端が対応す
るインバータ回路55〜58の入力端に接続されてい
る。制御部34aは、比較器CP1〜CP4の各出力信
号を対応する制御信号Se〜Shとして出力すると共
に、インバータ回路55〜58から対応する制御信号/
Se〜/Shを出力する。
【0055】このような構成において、比較器CP1〜
CP4は、電圧Viが対応する基準電圧Ve〜Vhより
も大きい場合は、Highレベルの信号を出力し、電圧
Viが対応する基準電圧Ve〜Vhよりも小さい場合
は、Lowレベルの信号を出力する。ここで、例えば、
電圧ViがVg<Vi<Vfの関係にあるとすると、比
較器CP1及びCP2の出力はそれぞれLowレベルと
なると共に、比較器CP3及びCP4の出力はそれぞれ
Highレベルとなる。このため、制御信号Se及びS
fはそれぞれLowレベルになると共に、制御信号Sg
及びShはHighレベルとなる。
【0056】このような制御信号Se〜Shを受けて、
マスタートランジスタをなすPMOSトランジスタ16
〜19の内、PMOSトランジスタ16及び17がオン
して活性化し、PMOSトランジスタ18及び19はオ
フして遮断状態となる。
【0057】次に、電圧Viが、電源電圧VCCの増加
によって、Vg<Vi<Vfの状態からVf<Vi<V
eになると、比較器CP2〜CP4の出力端はそれぞれ
Highレベルとなり、比較器CP1の出力端のみLo
wレベルとなる。これに伴って、制御信号Sf〜Shが
それぞれHighレベルとなり、制御信号SeのみLo
wレベルとなる。このため、カレントミラー回路のマス
タートランジスタをなすPMOSトランジスタ16がオ
ンして活性化し、PMOSトランジスタ17〜19はオ
フして遮断状態となる。
【0058】一方、出力振幅レベルが電源電圧幅をもっ
たVCO7aの発振周波数は、遅延回路をなすインバー
タINV1〜INVnに供給される電流量Iに比例し、
リングオシレータ11の段数であるインバータ回路の段
数n、各インバータ回路INV1〜INVnの負荷容量
C、各インバータ回路INV1〜INVnの出力振幅、
すなわちVCO7aの出力振幅(図1では電源電圧VC
Cとなる)Vに反比例するため、電源電圧VCCが増加
すれば出力振幅Vが増加することでVCO7aの発振周
波数は減少する。
【0059】このように、VCO7aは、電源電圧VC
Cの増加に伴ってカレントミラー回路のマスタートラン
ジスタとして動作するトランジスタを、例えばPMOS
トランジスタ16及び17からPMOSトランジスタ1
6のみにすると、リングオシレータ11に供給される電
流は増加する。このため、VCO7aの出力周波数が増
加し、電源電圧VCCの増加に伴うVCO7aの発振周
波数の減少を抑制することが可能となる。
【0060】これに対して、電圧Viが、電源電圧VC
Cの低下によって、Vg<Vi<Vfの状態からVh<
Vi<Vgになると、比較器CP4の出力端のみHig
hレベルとなり、比較器CP1〜CP3の出力端はそれ
ぞれLowレベルとなる。これに伴って、制御信号Sh
のみがHighレベルとなり、制御信号Se〜Sgがそ
れぞれLowレベルとなる。このため、カレントミラー
回路のマスタートランジスタとしてPMOSトランジス
タ16〜18がそれぞれオンして活性化し、PMOSト
ランジスタ19はオフして遮断状態となる。
【0061】上述したように、VCO7aにおいても、
発振周波数は、インバータINV1〜INVnに供給さ
れる電流量Iに比例し、インバータ回路の段数n、各イ
ンバータ回路INV1〜INVnの負荷容量C、各イン
バータ回路INV1〜INVnの出力振幅Vに反比例す
るため、電源電圧VCCが低下すれば出力振幅Vが低下
することでVCO7aの発振周波数は増加する。
【0062】このように、VCO7aは、電源電圧VC
Cの低下に伴ってカレントミラー回路のマスタートラン
ジスタとして動作するトランジスタを、例えばPMOS
トランジスタ16及び17から更にPMOSトランジス
タ18を加えることにより、リングオシレータ11に供
給される電流は減少する。このため、VCO7aの出力
周波数が低下し、電源電圧VCCの低下に伴うVCO7
aの発振周波数の増加を抑制することが可能となる。
【0063】上記の説明から分かるように、本第2の実
施の形態におけるPLL回路は、VCO7aにおいて、
電源電圧VCCの増加に対して、PMOSトランジスタ
16〜19の内、活性化させるトランジスタ数を減少さ
せると共に、電源電圧VCCの減少に対して、PMOS
トランジスタ16〜19の内、活性化させるトランジス
タ数を増加させるようにした。このことから、上記第1
の実施の形態1と同様の効果を得ることができると共
に、電源電圧VCCの変動に対するPMOSトランジス
タ16〜19のスイッチング動作を減少させることがで
き、PMOSトランジスタ16〜19のスイッチングで
発生するノイズを低下させることができる。
【0064】なお、上記第2の実施の形態では、マスタ
ートランジスタにPMOSトランジスタ16〜19を使
用した場合を例にして説明したが、これは一例であり、
マスタートランジスタとして使用するPMOSトランジ
スタ16〜19の各ゲート幅を、必ずしもW16>W1
7>W18>W19にする必要はない。
【0065】第3の実施の形態.上記第1及び第2の実
施の形態では、ある特定の発振周波数範囲で動作するP
LL回路のみに使用が限定され、発振周波数範囲の設定
変更はできず、PLL回路に必要とされる周波数範囲が
広範囲になった場合、VCOに入力される制御電圧Vc
ntの変化量に対するVCOの出力周波数の変化量であ
る、VCOの利得を大きくする必要がある。しかし、V
COの利得を大きくした場合、VCOの利得の小さいP
LL回路と比較して、制御電圧Vcntがノイズ等の影
響で変動するとVCOの出力周波数の変動量は大きくな
り、PLL回路のジッタ量が増大するということが考え
られる。そこで、カレントミラー回路のマスタートラン
ジスタとして動作するトランジスタ群を発振周波数範囲
に応じて複数設けるようにしてもよく、このようにした
ものを本発明の第3の実施の形態とする。
【0066】本第3の実施の形態におけるPLL回路の
構成例を示した概略のブロック図は、図1のVCO7を
VCO7bにし、図1のPLL回路1をPLL回路1b
にする以外は図1と同じであるので省略する。図8は、
本発明の第3の実施の形態におけるPLL回路のVCO
の例を示した回路図である。なお、図8では、図6と同
じものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略する
と共に図6との相違点のみ説明する。
【0067】図8における図6との相違点は、カレント
ミラー回路のマスタートランジスタとして動作するトラ
ンジスタ群を発振周波数範囲に応じて複数設けるように
したことにある。すなわち、対応するマスタートランジ
スタ群を有する第1マスタートランジスタ部61及び第
2マスタートランジスタ部62を備えると共に制御回路
29aが電源電圧VCCの変動に応じて該第1マスター
トランジスタ部61及び第2マスタートランジスタ部6
2の動作制御を行うようにし、これらに伴って、図6の
VCO7aをVCO7bにした。
【0068】図8において、VCO7bは、リングオシ
レータ11と、該リングオシレータ11の各インバータ
回路INV1〜INVnへの電源電流を制御して、リン
グオシレータ11の発振周波数を制御する発振周波数制
御部12bとで構成されている。更に、発振周波数制御
部12bは、PMOSトランジスタQP1〜QPn,1
3と、NMOSトランジスタQN1〜QNn,14と、
V−I変換器15と、第1マスタートランジスタ部61
と、第2マスタートランジスタ部62と、該第1マスタ
ートランジスタ部61及び第2マスタートランジスタ部
62の動作制御を行う制御回路29aとを備えている。
【0069】PMOSトランジスタ13のゲートとV−
I変換器15との接続部には、第1マスタートランジス
タ部61の出力端G1及び第2マスタートランジスタ部
62の出力端G2がそれぞれ接続されており、更に第1
マスタートランジスタ部61及び第2マスタートランジ
スタ部62は、制御回路29aからの制御信号Se〜S
h,/Se〜/Shがそれぞれ入力されている。また、
第1マスタートランジスタ部61には、外部からの動作
制御信号SEL1が、第2マスタートランジスタ部62
には、外部からの動作制御信号SEL2がそれぞれ入力
される。第1マスタートランジスタ部61は、所定の動
作制御信号SEL1が入力されると動作し、第2マスタ
ートランジスタ部62は、所定の動作制御信号SEL2
が入力されると動作する。
【0070】図9は、第1マスタートランジスタ部61
の内部構成例を示した回路図であり、図9を用いて第1
マスタートランジスタ部61の内部構成について説明す
る。図9において、第1マスタートランジスタ部61
は、マスタートランジスタをなすPMOSトランジスタ
M1a〜M1dと、トランスミッションゲート71a〜
74a,71b〜74b,71c〜74c,71d〜7
4dと、インバータ回路75とで構成されている。
【0071】VCC端子と第1マスタートランジスタ部
61の出力端G1との間には、PMOSトランジスタM
1a〜M1dがそれぞれ並列に接続されている。また、
VCC端子と出力端G1との間には、トランスミッショ
ンゲート71aと72a、トランスミッションゲート7
1bと72b、トランスミッションゲート71cと72
c、トランスミッションゲート71dと72dの各直列
回路がそれぞれ接続されている。
【0072】更に、VCC端子とトランスミッションゲ
ート71a及び72aの接続部との間にはトランスミッ
ションゲート73aと74aが、VCC端子とトランス
ミッションゲート71b及び72bの接続部との間には
トランスミッションゲート73bと74bがそれぞれ直
列に接続されている。同様に、VCC端子とトランスミ
ッションゲート71c及び72cの接続部との間にはト
ランスミッションゲート73cと74cが、VCC端子
とトランスミッションゲート71d及び72dの接続部
との間にはトランスミッションゲート73dと74dが
それぞれ直列に接続されている。
【0073】また、トランスミッションゲート73aと
74aとの接続部はPMOSトランジスタM1aのゲー
トに、トランスミッションゲート73bと74bとの接
続部はPMOSトランジスタM1bのゲートにそれぞれ
接続されている。同様に、トランスミッションゲート7
3cと74cとの接続部はPMOSトランジスタM1c
のゲートに、トランスミッションゲート73dと74d
との接続部はPMOSトランジスタM1dのゲートにそ
れぞれ接続されている。
【0074】また、トランスミッションゲート71a〜
71dの各非反転入力端及びトランスミッションゲート
72a〜72dの各反転入力端には、制御回路29aか
らの制御信号Se〜Shがそれぞれ対応して入力され、
トランスミッションゲート71a〜71dの各反転入力
端及びトランスミッションゲート72a〜72dの各非
反転入力端には、制御回路29aからの制御信号/Se
〜/Shがそれぞれ対応して入力されている。一方、ト
ランスミッションゲート73a〜73dの各反転入力端
及びトランスミッションゲート74a〜74dの各非反
転入力端には、制御信号SEL1がそれぞれ入力され、
トランスミッションゲート73a〜73dの各非反転入
力端及びトランスミッションゲート74a〜74dの各
反転入力端には、インバータ回路75によって制御信号
SEL1の反転信号がそれぞれ入力されている。
【0075】これらのことから、トランスミッションゲ
ート71a〜71dは、対応するトランスミッションゲ
ート72a〜72dの動作と相反する動作を行うと共
に、トランスミッションゲート73a〜73dは、対応
するトランスミッションゲート74a〜74dの動作と
相反する動作を行う。このように、制御信号SEL1が
ハイ(High)レベルのときは、制御回路29aからの
制御信号Se〜Sh及び/Se〜/Shに応じて、PM
OSトランジスタQP1〜QPn、13及びM1a〜M
1dは、カレントミラー回路を形成する。これに対し
て、制御信号SEL1がロー(Low)レベルのときは、
制御回路29aからの制御信号Se〜Sh及び/Se〜
/Shに関係なく、PMOSトランジスタM1a〜M1
dはオフして遮断状態となり、マスタートランジスタと
しての動作を停止する。
【0076】次に、図10は、第2マスタートランジス
タ部62の内部構成例を示した回路図である。なお、図
10において、図9のPMOSトランジスタM1a〜M
1dをマスタートランジスタをなすPMOSトランジス
タM2a〜M2dに、図9のトランスミッションゲート
71a〜74a,71b〜74b,71c〜74c,7
1d〜74dを、トランスミッションゲート81a〜8
4a,81b〜84b,81c〜84c,81d〜84
dに、図9のインバータ回路75をインバータ回路85
にそれぞれ符号を置き換えると共に、図9の制御信号S
EL1を制御信号SEL2に符号を置き換える以外は図
9と同じであるのでその説明を省略する。
【0077】第2マスタートランジスタ部62において
も、第1マスタートランジスタ部61と同様に、トラン
スミッションゲート81a〜81dは、対応するトラン
スミッションゲート82a〜82dの動作と相反する動
作を行うと共に、トランスミッションゲート83a〜8
3dは、対応するトランスミッションゲート84a〜8
4dの動作と相反する動作を行う。
【0078】このように、制御信号SEL2がハイレベ
ルのときは、制御回路29aからの制御信号Se〜Sh
及び/Se〜/Shに応じて、PMOSトランジスタQ
P1〜QPn、13及びM2a〜M2dは、カレントミ
ラー回路を形成する。これに対して、制御信号SEL2
がローレベルのときは、制御回路29aからの制御信号
Se〜Sh及び/Se〜/Shに関係なく、PMOSト
ランジスタM2a〜M2dはオフして遮断状態となり、
マスタートランジスタとしての動作を停止する。なお、
制御回路29aの構成は、図7の制御回路29aと同じ
であることから、その説明を省略する。
【0079】このような構成において、制御信号SEL
1がハイレベル、制御信号SEL2がローレベルの場合
について説明する。制御信号SEL1がハイレベルの
時、第1マスタートランジスタ部61のPMOSトラン
ジスタM1a〜M1dの各ゲートに対応して接続されて
いる各トランスミッションゲートにおいて、トランスミ
ッションゲート74a〜74dがそれぞれオン状態とな
り、トランスミッションゲート73a〜73dがそれぞ
れオフして遮断状態となる。このとき、第1マスタート
ランジスタ部61は、制御信号Se〜Sh,/Se〜/
Shによって、PMOSトランジスタM1a〜M1dか
ら、活性化させるトランジスタが選択される。
【0080】制御信号SEL2がローレベルのとき、第
2マスタートランジスタ部62のPMOSトランジスタ
M2a〜M2dの各ゲートに対応して接続されている各
トランスミッションゲートにおいて、トランスミッショ
ンゲート84a〜84dがそれぞれオフして遮断状態と
なり、トランスミッションゲート83a〜83dはオン
状態となる。PMOSトランジスタM2a〜M2dの各
ゲートは、VCC端子に接続されるため、PMOSトラ
ンジスタM2a〜M2dはオフして遮断状態となり、第
2マスタートランジスタ部62の出力端G2はオープン
状態となる。
【0081】また、制御信号SEL1がローレベル、制
御信号SEL2がハイレベルの場合は、第1マスタート
ランジスタ部61の出力端G1がオープン状態となり、
第2マスタートランジスタ部62は、制御信号Se〜S
h,/Se〜/Shによって、PMOSトランジスタM
2a〜M2dから、活性化させるトランジスタが選択さ
れる。更に、制御信号SEL1及びSEL2が共にハイ
レベルの場合は、制御信号Se〜Sh,/Se〜/Sh
によって、PMOSトランジスタM1a〜M1d及びM
2a〜M2dから、活性化させるトランジスタが選択さ
れる。
【0082】このように、第1マスタートランジスタ部
61及び第2マスタートランジスタ部62の2つのマス
タートランジスタ部で構成されている場合、第1マスタ
ートランジスタ部61及び第2マスタートランジスタ部
62が活性化される組み合わせは、制御信号SEL1が
ハイレベルで制御信号SEL2がローレベルのとき、制
御信号SEL1がローレベルで制御信号SEL2がハイ
レベルのとき、制御信号SEL1及びSEL2が共にハ
イレベルのときの3通りある。そこで、少なくとも、最
初にオンするPMOSトランジスタM1aとM2aの各
トランジスタサイズを異なるサイズにすることで、リン
グオシレータ11に供給する電流量を3通りに変化させ
ることができる。
【0083】ここで、制御信号SEL1がハイレベルで
制御信号SEL2がローレベルであり、制御信号Se〜
Sh,/Se〜/Shによって、PMOSトランジスタ
M1a〜M1dが選択的に活性化されたときに、リング
オシレータ11に供給される電流量をI(61)、制御電
圧Vcntに対するVCO7bの発振周波数をF(61)
とする。また、制御信号SEL1がローレベルで制御信
号SEL2がハイレベルであり、制御信号Se〜Sh,
/Se〜/Shによって、PMOSトランジスタM2a
〜M2dが選択的に活性化されたときに、リングオシレ
ータ11に供給される電流量をI(62)、制御電圧Vc
ntに対するVCO7bの発振周波数をF(62)とす
る。
【0084】更に、制御信号SEL1及びSEL2が共
にハイレベルであり、制御信号Se〜Sh,/Se〜/
Shによって、PMOSトランジスタM1a〜M1d及
び対応するPMOSトランジスタM2a〜M2dが選択
的に活性化されたときに、リングオシレータ11に供給
される電流量をI(61+62)、制御電圧Vcntに対
するVCO7bの発振周波数をF(61+62)とする。
【0085】ここで、PMOSトランジスタM1a〜M
1dのトランジスタのゲート幅をW1a〜W1dとし、
PMOSトランジスタM2a〜M2dのトランジスタの
ゲート幅をW2a〜W2dとする。例えば、W1a<W
2a、W1b<W2b、W1c<W2c及びW1d<W
2dとした場合、W1a<W2a<W1a+W2a、W
1b<W2b<W1b+W2b、W1c<W2c<W1
c+W2c及びW1d<W2d<W1d+W2dとなる
ことから、リングオシレータ11に供給される電流量
は、I(61)>I(62)>I(61+62)となる。この
ことから、同一の制御電圧Vcntに対して、VCO7
bが発振する周波数は、F(61)>F(62)>F(61
+62)となり、VCO7bにおいて、複数の発振周波
数範囲の設定が可能となる。
【0086】例えば、制御回路29aにおいて、電圧V
iがVg<Vi<Vfの関係にあると、制御信号Se及
びSfはそれぞれLowレベルになると共に、制御信号
Sg及びShはHighレベルとなる。この状態で、制
御信号SEL1がハイレベルで制御信号SEL2がロー
レベルの場合、第1マスタートランジスタ部61のPM
OSトランジスタM1a及びM1bのみがオンし、制御
信号SEL1がローレベルで制御信号SEL2がハイレ
ベルの場合、第2マスタートランジスタ部62のPMO
SトランジスタM2a及びM2bのみがオンする。
【0087】更に、制御信号SEL1及びSEL2が共
にハイレベルの場合、第1マスタートランジスタ部61
のPMOSトランジスタM1a及びM1b、並びに第2
マスタートランジスタ部62のPMOSトランジスタM
2a及びM2bがそれぞれオンする。すなわち、I(6
1)>I(62)>I(61+62)となり、F(61)>F
(62)>F(61+62)となることが分かる。
【0088】なお、上記第3の実施の形態の説明では、
2つのマスタートランジスタ部を設けた場合を例にして
説明したが、発振周波数範囲の設定を増加させたい場合
は、マスタートランジスタ部の数を増やすことで可能と
なる。また、上記第3の実施の形態の説明では、第2の
実施の形態における制御回路29aを使用した場合を例
にして説明したが、第1の実施の形態における制御回路
29を使用するようにしてもよい。この場合、制御信号
Seは制御信号/Saに、制御信号Sfは制御信号/S
bに、制御信号Sgは制御信号/Scに、制御信号Sh
は制御信号/Sdに置き換わり、これらに伴って、制御
信号/Se〜/Shにおいても対応する制御信号Sa〜
Sdに置き換わる。
【0089】このように、本第3の実施の形態における
PLL回路は、発振周波数範囲が異なるように、カレン
トミラー回路のマスタートランジスタとして動作するト
ランジスタ群をなすPMOSトランジスタM1a〜M1
dを備える第1マスタートランジスタ部61と、カレン
トミラー回路のマスタートランジスタとして動作するト
ランジスタ群をなすPMOSトランジスタM2a〜M2
dを備える第2マスタートランジスタ部62とを備え、
発振周波数範囲が異なるように、PMOSトランジスタ
M1a〜M1dのトランジスタ群とPMOSトランジス
タM2a〜M2dのトランジスタ群を形成するようにし
た。
【0090】このことから、複数の発振周波数範囲の設
定が可能で、各設定周波数範囲で動作するVCOにおい
て、電源電圧の変動に対して、リングオシレータに供給
する電流量を変化させて発振周波数の変動を抑制するこ
とができ、必要とされる周波数範囲が広範囲になった場
合、複数の発振周波数範囲を持たせることによって様々
な周波数に対応させることができる。このため、発振周
波数範囲を満たすために必要なVCOの利得を小さくす
ることができ、入力電圧の変化量に対する発生電流の変
化量の小さいV−I変換器を用いることが可能となり、
制御電圧Vcntがノイズ等の影響で変動した場合にお
ける、VCOの出力周波数の変動量を小さくすることが
でき、PLL回路のジッタ量を低減させることができ
る。
【0091】なお、本発明は、電源電圧VCCの変動に
対する出力信号の周波数補正に対して、位相比較器4の
ように比較対象となる信号を同一周波数となるように補
正する、入力信号と出力信号の周波数が同一となるPL
L回路に限定するものではなく、周波数シンセサイザの
ように、少なくとも1つの基準周波数信号発生源から複
数の周波数を発生させる、入力信号と出力信号の周波数
が異なる逓倍用途のPLL回路に対しても適用すること
ができる。
【0092】また、検知したい電源電圧変動量は、設定
する基準電圧Va〜Vd又はVe〜Vhの電圧値によっ
て決めることができ、上記第1〜第3の実施の形態の各
説明では4種類の基準電圧を使用した場合を例にして説
明したが、本発明はこれに限定するものではなく、出力
信号の周波数を補正するステップ数を、使用する基準電
圧値の種類の数によって決めることができる。
【0093】更に、上記第1〜第3の実施の形態では、
比較器CP1〜CP4は、電圧比較を常時行う場合を例
にして説明したが、外部から入力されるタイミング信号
に応じて電圧比較を行うようにしてもよい。この場合、
該タイミング信号とし、図1の分周回路2に入力される
入力信号、図1の分周回路2から出力される信号、VC
Oから出力される信号、又は分周回路3から出力される
信号を使用するとよい。
【0094】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
のPLL回路によれば、位相比較結果を示す入力電圧及
び電源電圧に応じて、リングオシレータの各インバータ
回路に対する電源電流の供給制御を行うことにより、発
振部から出力される信号の周波数制御を行うようにし
た。このことから、入力信号を分周して得られる位相比
較信号周波数のリプルを除去できるようなローパスフィ
ルタの定数を保ちながら、電源電圧の変動によるVCO
の発振周波数の変動を抑制することができる。
【0095】具体的には、電源電圧の上昇に応じてリン
グオシレータの各インバータ回路に対する電源電流を増
加させ、電源電圧の低下に応じてリングオシレータの各
インバータ回路に対する電源電流を減少させるようにし
た。このことから、電源電圧の変動によるVCOの発振
周波数の変動を確実に抑制することができる。
【0096】また、位相比較結果を示す電圧を電流に変
換する電圧電流変換器と、該電圧電流変換器で変換され
た電流を、電源電圧に応じた電源電流に変換して発振部
の各インバータ回路に供給する電源電流供給部とを備え
るようにした。このことから、入力信号を分周して得ら
れる位相比較信号周波数のリプルを除去できるようなロ
ーパスフィルタの定数を保ちながら、PLLの自然角周
波数付近のようなPLLのジッタを特に増大させる低い
周波数の電源電圧変動を含む電源電圧変動に対して、追
従性がよく発振周波数変動の抑制を行うことができる。
【0097】具体的には、電源電圧を所定比で分圧して
得られた電圧と、複数の基準電圧とを比較し、電圧電流
変換器で変換された電流に応じた電源電流を、該比較結
果に応じて可変してリングオシレータの各インバータ回
路における電源端に供給するようにした。このことか
ら、PLLのジッタを特に増大させる低い周波数の電源
電圧変動を含む電源電圧変動に対して、追従性がよく発
振周波数変動の抑制を行うことができる。
【0098】また、ダイオード接続される複数の起動用
トランジスタを有し、電圧電流変換器で変換された電流
に応じた電源電流を、リングオシレータの各インバータ
回路における正側電源端にそれぞれ供給する第1カレン
トミラー回路と、該各インバータ回路の正側電源端に供
給された電源電流に応じた電流をリングオシレータの各
インバータ回路の負側電源端からそれぞれ流す第2カレ
ントミラー回路を備えた。このことから、電源電圧の変
動によるVCOの発振周波数の変動をより確実に抑制す
ることができる。
【0099】更に、上記第1カレントミラー回路は、複
数の起動用トランジスタで構成された複数の起動用トラ
ンジスタ部を備え、該各起動用トランジスタ部は、外部
からの制御信号によって少なくとも1つが活性化される
ように活性化制御されると共に、活性化された起動用ト
ランジスタ部の各起動用トランジスタは、制御部によっ
て活性化制御されるようにしてもよい。このことから、
複数の発振周波数範囲の設定が可能となり、必要とされ
る発振周波数範囲が広範囲になった場合、複数の発振周
波数範囲を持たせることによって様々な周波数に対応さ
せることができるため、発振周波数範囲を満たすために
必要なVCOの利得を小さくすることができ、入力電圧
の変化量に対する発生電流の変化量の小さいV−I変換
器を用いることができ、制御電圧Vcntがノイズ等の
影響で変動したときのVCOの出力周波数の変動量を小
さくすることができ、PLL回路のジッタ量を低減させ
ることができる。
【0100】具体的には、上記各起動用トランジスタ
は、それぞれ電流供給能力が異なり、制御部は、比較部
からの比較結果に応じて、該各起動用トランジスタの1
つを排他的に活性化するようにした。このことから、電
源電圧の変動に対するVCOの発振周波数の変動を容易
に抑制することができる。
【0101】また、上記制御部は、比較部からの比較結
果に応じて、非活性化状態の起動用トランジスタを順に
活性化させ、又は活性化状態の起動用トランジスタを順
に非活性化させるようにしてもよい。このようにするこ
とによって、電源電圧VCCの変動に対する各起動用ト
ランジスタのスイッチング動作を減少させることがで
き、起動用トランジスタのスイッチングで発生するノイ
ズを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるPLL回
路の構成例を示した概略のブロック図である。
【図2】 図1で示したPLL回路におけるVCOの例
を示した回路図である。
【図3】 図2の制御回路29の回路例を示した図であ
る。
【図4】 差動アンプ型インバータ回路の例を示した図
である。
【図5】 図4の差動アンプ型インバータ回路を使用し
たVCOの例を示した回路図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態におけるPLL回
路のVCOの例を示した回路図である。
【図7】 図6の制御回路29aの回路例を示した図で
ある。
【図8】 本発明の第3の実施の形態におけるPLL回
路のVCOの例を示した回路図である。
【図9】 図8の第1マスタートランジスタ部61の内
部構成例を示した回路図である。
【図10】 図8の第2マスタートランジスタ部62の
内部構成例を示した回路図である。
【図11】 従来のVCOの例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 PLL回路 6 ローパスフィルタ 7,7a,7b VCO 11 リングオシレータ 12,12a,12b 発振周波数制御部 15 V−I変換器 16〜19,M1a〜M1d,M2a〜M2d マスタ
ートランジスタ 29,29a 制御回路 31,31a 基準電圧発生部 32 分圧部 33 比較部 34,34a 制御部 41 定電圧発生回路 CP1〜CP4 比較器 61 第1マスタートランジスタ部 62 第2マスタートランジスタ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号と出力信号の位相を比較し、該
    位相差に応じた電圧を出力する位相比較器と、該位相比
    較器からローパスフィルタを介して入力された位相比較
    結果を示す電圧に応じた周波数の信号を生成して出力す
    る電圧制御発振器を備えるPLL回路において、 上記電圧制御発振器は、 遅延回路をなす複数のインバータ回路がリング状に接続
    されてなるリングオシレータで構成された発振部と、 上記位相比較結果を示す入力電圧及び電源電圧に応じ
    て、該発振部の各インバータ回路に対する電源電流の供
    給制御を行うことにより、発振部から出力される信号の
    周波数制御を行う発振周波数制御部と、を備えることを
    特徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】 上記発振周波数制御部は、電源電圧の上
    昇に応じて上記発振部の各インバータ回路に対する電源
    電流を増加させ、電源電圧の低下に応じて上記発振部の
    各インバータ回路に対する電源電流を減少させることを
    特徴とする請求項1記載のPLL回路。
  3. 【請求項3】 上記発振周波数制御部は、 上記位相比較結果を示す電圧を電流に変換する電圧電流
    変換器と、 該電圧電流変換器で変換された電流を電源電圧に応じた
    電源電流に変換して上記発振部の各インバータ回路に供
    給する電源電流供給部と、を備えることを特徴とする請
    求項1又は2記載のPLL回路。
  4. 【請求項4】 上記電源電流供給部は、 ダイオード接続される複数の起動用トランジスタを有
    し、上記電圧電流変換器で変換された電流に応じた電源
    電流を、上記発振部の各インバータ回路における電源端
    に供給するカレントミラー部と、 電源電圧を所定比で分圧して出力する分圧部と、 複数の基準電圧を生成して出力する基準電圧発生部と、 上記分圧部からの電圧と該基準電圧発生部からの各基準
    電圧とを比較し、該比較結果を出力する比較部と、 該比較部からの比較結果に応じてカレントミラー部の上
    記各起動用トランジスタの少なくとも1つを活性化させ
    てカレントミラー部の動作制御を行う制御部と、を備え
    ることを特徴とする請求項3記載のPLL回路。
  5. 【請求項5】 上記カレントミラー部は、 上記制御部によって活性化制御が行われるダイオード接
    続される複数の起動用トランジスタを有し、上記電圧電
    流変換器で変換された電流に応じた電源電流を、上記発
    振部の各インバータ回路における正側電源端にそれぞれ
    供給する第1カレントミラー回路と、 該第1カレントミラー回路によって上記発振部の各イン
    バータ回路の正側電源端に供給される電源電流に応じた
    電流を、上記発振部の各インバータ回路の負側電源端か
    らそれぞれ流す第2カレントミラー回路と、で構成され
    ることを特徴とする請求項4記載のPLL回路。
  6. 【請求項6】 上記第1カレントミラー回路は、複数の
    起動用トランジスタで構成された複数の起動用トランジ
    スタ部を備え、該各起動用トランジスタ部は、外部から
    の制御信号によって少なくとも1つが活性化されるよう
    に活性化制御されると共に、活性化された起動用トラン
    ジスタ部の各起動用トランジスタは、上記制御部によっ
    て活性化制御されることを特徴とする請求項5記載のP
    LL回路。
  7. 【請求項7】 上記各起動用トランジスタは、それぞれ
    電流供給能力が異なり、上記制御部は、比較部からの比
    較結果に応じて、該各起動用トランジスタの1つを排他
    的に活性化することを特徴とする請求項5又は6記載の
    PLL回路。
  8. 【請求項8】 上記制御部は、比較部からの比較結果に
    応じて、非活性化状態の起動用トランジスタを順に活性
    化させ、又は活性化状態の起動用トランジスタを順に非
    活性化させることを特徴とする請求項5又は6記載のP
    LL回路。
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