JP2002170679A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2002170679A
JP2002170679A JP2000366680A JP2000366680A JP2002170679A JP 2002170679 A JP2002170679 A JP 2002170679A JP 2000366680 A JP2000366680 A JP 2000366680A JP 2000366680 A JP2000366680 A JP 2000366680A JP 2002170679 A JP2002170679 A JP 2002170679A
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JP2000366680A
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Mitsuru Hashimoto
充 橋本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の化合物を用いた素子と比較して、高輝
度発光で高耐久な有機電界発光素子を提供する。 【解決手段】 陽極1と陰極5の間に発光層3を含む一
層又は複数層の有機薄膜層を有する有機電界発光素子に
おいて、前記有機薄膜層の少なくとも一層が、下記一般
式で表される芳香族メチリデン化合物を含む有機電界発
光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電界発光素子に
関し、更に詳しくは特定の芳香族メチリデン化合物を用
いた、低電圧印加で高輝度発光が可能で、かつ安定性に
も優れた有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】物質の電界発光現象を利用する電界発光
素子は、液晶素子に比べて自己発光型であるために視認
性が高く、ディスプレーなどに用いる場合に鮮明な表示
が可能であったり、また完全固体素子であるために耐衝
撃性に優れる等の特徴を有している。そのため、今後薄
型ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト、あ
るいは平面光源などに広く用いられて行くことが期待さ
れる。
【0003】現在実用化されている電界発光素子として
は、硫化亜鉛等の無機材料を用いた分散型電界発光素子
があるが、この分散型電界発光素子は駆動に比較的高い
交流電圧を必要とすることから、駆動回路が複雑になっ
たり、また輝度が低いなどの問題がありあまり広く実用
化されていないのが実状である。
【0004】一方、有機材料を用いる有機電界発光素子
は、1987年にシー・ダブリュー・タン(C.W.Tang)らに
よるアプライド・フィジックス・レター、51巻、91
3頁、1987年(Appl.Phys.Lett.,vol.51,pp.913-91
5(1987))及び特開昭63-264629号公報において、電子輸
送性の有機蛍光物質と正孔輸送性の有機物を積層して、
電子と正孔の両キャリヤーを蛍光物質層中に注入して発
光させる積層構成の素子が提案され、一躍脚光を浴びる
ところとなった。この素子では、10V以下の駆動電圧
で、1000cd/m2以上の発光が得られるとされており、こ
の提案を発端として周辺の活発な研究が行われるように
なっている。現在では、様々な材料や素子構成等が提案
され、実用化に向けた研究開発が広く行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】その一方で、これまで
に提案された材料を用いる有機電界発光素子にはまだ様
々な問題があることも事実である。いくつかの例を挙げ
れば、駆動状態あるいは非駆動状態であっても時間と共
に素子の機能が劣化して発光輝度が低下したり、またダ
ークスポットと呼ばれる発光しない領域が発生したり、
さらにはそれが成長したりする劣化が起こり、最終的に
は素子が短絡して破壊が起こったりする問題等を挙げる
ことができる。このような問題はそこで用いられている
材料の本質に起因すると考えられ、現状の材料を用いる
素子においては、実用に際して比較的短い寿命でも対応
できるデバイスに限定されてしまう等の制約がある。
【0006】また素子のカラー化を考えれば、対応でき
る方式や材料が充分に用意されているとは言い難く、い
ずれにしても有機電界発光素子の広範な実用化を目指す
には、これらの問題等を着実に解決してゆく必要性があ
る。この様な観点から高性能な発光材料、あるいは電荷
輸送材料等の新たな材料開発が極めて重要であると言え
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような有
機電界発光素子の実状に鑑みなされたもので、低電圧で
高輝度な発光が可能な有機電界発光素子を得るべく鋭意
研究を重ねた結果、ある特定の有機化合物が有機電界発
光素子の構成材料として優れていることを見いだし本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は陽極と陰極の間に発光
層を含む一層又は複数層の有機薄膜層を有する有機電界
発光素子において、前記有機薄膜層の少なくとも一層
が、下記一般式で表される芳香族メチリデン化合物を単
独もしくは混合物として含むことを特徴とする有機電界
発光素子である。
【0009】
【化2】
【0010】(但し、式中Ar1、Ar2およびAr3は、2価の
非置換もしくは置換の芳香族炭化水素残基または2価の
非置換もしくは置換の芳香族複素環式炭化水素残基を表
し、Ar1 1、Ar22およびAr33は、非置換もしくは置換の芳
香族炭化水素残基または非置換もしくは置換の芳香族複
素環式炭化水素残基を表す。R1、R2、R3、R4、R11、R22
およびR33は、非置換もしくは置換の芳香族炭化水素残
基、非置換もしくは置換の芳香族複素環式炭化水素残
基、非置換もしくは置換のアルキル基、水素またはシア
ノ基を表す。またAr11とR11、Ar22とR22およびAr33とR
33は共同で、少なくとも一つの非置換もしくは置換の芳
香族炭化水素または非置換もしくは置換の芳香族複素環
式炭化水素が縮合した環を形成していても良い。) 次に、上記一般式におけるAr1、Ar2、Ar3、Ar11、A
r22、Ar33、R1、R2、R3、R4、R11、R22およびR33につい
て、更に詳細に説明する。
【0011】Ar1、Ar2およびAr3における、2価の非置換
または置換芳香族炭化水素残基、および2価の非置換ま
たは置換芳香族複素環式炭化水素残基の具体的な例とし
ては、2価の非置換または置換ベンゼン、2価の非置換ま
たは置換ビフェニル、2価の非置換または置換テルフェ
ニル、2価の非置換または置換クアテルフェニル、2価の
非置換または置換キンクフェニル、2価の非置換または
置換のナフタレン、2価の非置換または置換のアセナフ
テン、2価の非置換または置換のアセナフチレン、2価の
非置換または置換のアントラセン、2価の非置換または
置換のフェナントレン、2価の非置換または置換のピレ
ン、2価の非置換または置換のフルオレン、2価の非置換
または置換のフルオレノン、2価の非置換または置換の
アントラキノン、2価の非置換または置換のフェナント
レンキノン、2価の非置換または置換のビナフチル、2価
の非置換または置換のトリフェニルベンゼン、2価の非
置換または置換のチオフェン、2価の非置換または置換
のピロール、2価の非置換または置換のフラン、2価の非
置換または置換のビチオフェン、2価の非置換または置
換のピリジン、2価の非置換または置換のピリダジン、2
価の非置換または置換のピリミジン、2価の非置換また
は置換のピラジン、2価の非置換または置換のトリアジ
ン、2価の非置換または置換のキノリン、2価の非置換ま
たは置換のイソキノリン、2価の非置換または置換のシ
ンノリン、2価の非置換または置換のキノキサリン、2価
の非置換または置換のフタラジン、2価の非置換または
置換のジベンゾチオフェン、2価の非置換または置換の
ジベンゾフラン、2価の非置換または置換のカルバゾー
ル、2価の非置換または置換のジフェニルオキサジアゾ
ール、2価の非置換または置換のジフェニルチオフェ
ン、2価の非置換または置換のジチエニルベンゼン、等
が挙げられる。
【0012】Ar1、Ar2およびAr3における置換基の例と
しては、炭素数1から12の直鎖または分岐したアルキル
基、シクロペンチル基あるいはシクロヘキシル基などの
シクロアルキル基、炭素数1から12の直鎖または分岐し
たアルコキシ基、フッ素、塩素、あるいは臭素などのハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アセチル基あるいは
ベンゾイル基などのアシル基、カルボキシル基及びその
エステル、トリフルオロメチル基あるいはベンジル基な
どの置換アルキル基などを例示することが出来る。また
置換数としては、1または複数であっても良く、複数の
場合には、それらは同一または異なったもののいずれで
も良い。
【0013】Ar11、Ar22およびAr33における、非置換ま
たは置換芳香族炭化水素残基、及び非置換または置換芳
香族複素環式炭化水素残基の具体的な例としては、1価
の非置換または置換ベンゼン、1価の非置換または置換
ビフェニル、1価の非置換または置換テルフェニル、1価
の非置換または置換クアテルフェニル、1価の非置換ま
たは置換キンクフェニル、1価の非置換または置換のナ
フタレン、1価の非置換または置換のアセナフテン、1価
の非置換または置換のアセナフチレン、1価の非置換ま
たは置換のアントラセン、1価の非置換または置換のフ
ェナントレン、1価の非置換または置換のピレン、1価の
非置換または置換のフルオレン、1価の非置換または置
換のフルオレノン、1価の非置換または置換のアントラ
キノン、1価の非置換または置換のフェナントレンキノ
ン、1価の非置換または置換のビナフチル、1価の非置換
または置換のトリフェニルベンゼン、1価の非置換また
は置換のチオフェン、1価の非置換または置換のピロー
ル、1価の非置換または置換のフラン、1価の非置換また
は置換のビチオフェン、1価の非置換または置換のピリ
ジン、1価の非置換または置換のピリダジン、1価の非置
換または置換のピリミジン、1価の非置換または置換の
ピラジン、1価の非置換または置換のトリアジン、1価の
非置換または置換のキノリン、1価の非置換または置換
のイソキノリン、1価の非置換または置換のシンノリ
ン、1価の非置換または置換のキノキサリン、1価の非置
換または置換のフタラジン、1価の非置換または置換の
ジベンゾチオフェン、1価の非置換または置換のジベン
ゾフラン、1価の非置換または置換のカルバゾール、1価
の非置換または置換のジフェニルオキサジアゾール、1
価の非置換または置換のジフェニルチオフェン、1価の
非置換または置換のジチエニルベンゼン、等が挙げられ
る。
【0014】Ar11、Ar22およびAr33に於ける置換基の例
としては、炭素数1から12の直鎖または分岐したアルキ
ル基、シクロペンチル基あるいはシクロヘキシル基など
のシクロアルキル基、炭素数1から12の直鎖または分岐
したアルコキシ基、フッ素、塩素、あるいは臭素などの
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アセチル基あるい
はベンゾイル基などのアシル基、カルボキシル基及びそ
のエステル、トリフルオロメチル基あるいはベンジル基
などの置換アルキル基などを例示することが出来る。ま
た置換数としては、1または複数であっても良く、複数
の場合には、それらは同一または異なったもののいずれ
でも良い。
【0015】R1、R2、R3、R4、R11、R22およびR33にお
ける、非置換または置換芳香族炭化水素残基、非置換ま
たは置換芳香族複素環式炭化水素残基、及び非置換また
は置換のアルキル基の具体的な例としては、1価の非置
換または置換ベンゼン、1価の非置換または置換ビフェ
ニル、1価の非置換または置換テルフェニル、1価の非置
換または置換クアテルフェニル、1価の非置換または置
換キンクフェニル、1価の非置換または置換のナフタレ
ン、1価の非置換または置換のアセナフテン、1価の非置
換または置換のアセナフチレン、1価の非置換または置
換のアントラセン、1価の非置換または置換のフェナン
トレン、1価の非置換または置換のピレン、1価の非置換
または置換のフルオレン、1価の非置換または置換のフ
ルオレノン、1価の非置換または置換のアントラキノ
ン、1価の非置換または置換のフェナントレンキノン、1
価の非置換または置換のビナフチル、1価の非置換また
は置換のトリフェニルベンゼン、1価の非置換または置
換のチオフェン、1価の非置換または置換のピロール、1
価の非置換または置換のフラン、1価の非置換または置
換のビチオフェン、1価の非置換または置換のピリジ
ン、1価の非置換または置換のピリダジン、1価の非置換
または置換のピリミジン、1価の非置換または置換のピ
ラジン、1価の非置換または置換のトリアジン、1価の非
置換または置換のキノリン、1価の非置換または置換の
イソキノリン、1価の非置換または置換のシンノリン、1
価の非置換または置換のキノキサリン、1価の非置換ま
たは置換のフタラジン、1価の非置換または置換のジベ
ンゾチオフェン、1価の非置換または置換のジベンゾフ
ラン、1価の非置換または置換のカルバゾール、1価の非
置換または置換のジフェニルオキサジアゾール、1価の
非置換または置換のジフェニルチオフェン、1価の非置
換または置換のジチエニルベンゼン、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル
基、フェネチル基、等が挙げられる。
【0016】R1、R2、R3、R4、R11、R22およびR33の置
換芳香族炭化水素残基、置換芳香族複素環式炭化水素残
基、に於ける置換基の例としては、炭素数1から12の直
鎖または分岐したアルキル基、シクロペンチル基あるい
はシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、炭素数1
から12の直鎖または分岐したアルコキシ基、フッ素、塩
素、あるいは臭素などのハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基、アセチル基あるいはベンゾイル基などのアシル
基、カルボキシル基及びそのエステル、トリフルオロメ
チル基あるいはベンジル基などの置換アルキル基などを
例示することが出来る。また置換数としては、1または
複数であっても良く、複数の場合には、それらは同一ま
たは異なったもののいずれでも良い。
【0017】本発明に関わる芳香族メチリデン化合物
は、例えば、それぞれ対応するアルデヒド誘導体と、芳
香族炭化水素基や芳香族複素環式炭化水素基で置換され
たメチルホスホン酸ジアルキル誘導体とを、塩基性下で
反応させることや、その他一般的なスチルベン誘導体の
合成法に準ずる等の方法により合成することが出来る。
【0018】また本発明に関わる芳香族メチリデン化合
物には、場合によっていわゆるシスあるいはトランスの
構造異性体の存在があるが、本発明ではそれらを限定す
るものではなく、いずれの構造異性体でも好適に用いる
ことが可能である。
【0019】次に、本発明の化合物の具体例を示すが、
あくまでも例示であり、本発明はこれらの化合物に限定
されるものではない。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】本発明の、陽極と陰極の間に発光層を含む
一層又は複数層の有機薄膜層を有する有機電界発光素子
において、上記一般式の芳香族メチリデン化合物の使用
形態に特別な制限はないが、有機薄膜層の少なくとも一
層が、上記一般式で表される芳香族メチリデン化合物を
単独もしくは混合物として含むことを特徴とする有機電
界発光素子である。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の芳香族メチリデン化合物
を用いた有機電界発光素子の構成は、各種の態様をとり
うるが、基本的には、一対の電極(陽極と陰極)間に、
発光層を挟持した構成である。これに、必要に応じて正
孔輸送層や電子輸送層を介在させることも出来る。具体
的には、(1)図1に示した陽極/発光層/陰極、から
なる構成の素子、(2)図2に示した陽極/正孔輸送層
/発光層/陰極、からなる構成の素子、(3)図3に示
した陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、か
らなる素子、(4)図4に示した陽極/発光層/電子輸
送層/陰極、からなる素子構成等を挙げることができ
る。正孔輸送層や電子輸送層は、必ずしも必須のもので
はないが、一般的にそれらの層は、素子の発光特性を向
上させることも多いので、その必要性によって設けるこ
とが好ましい。また、いずれの素子構成においても、基
本的には基板に支持されていることが好ましい。以下各
構成要素ごとに更に詳細な説明を行う。
【0028】先ず基板について述べる。基板には特に制
限はなく例えばガラス、透明なプラスチック、あるいは
石英などが挙げられ、これらは適宜素子構成上の必要性
によってその材質が選択され、またその厚みや形状が決
定される。
【0029】陽極としては仕事関数の比較的大きい金
属、合金、電気伝導性物質及びそれらの混合物等が用い
られる。このような電極の具体例としてはAuなどの金
属、CuI、ITO、SnO2、ZnOなどの誘電性透明材料を挙げ
ることができる。陽極は、蒸着、スパッタリングなどの
方法により、一般に薄膜として形成する。電極としての
シート抵抗は単位面積あたり数百Ω以下が好ましい。さ
らに膜厚はその材質にもよるが、通常は10nmないし500n
m程度であり、更に好ましい範囲としては、通常20nmな
いし300nmの範囲で選択される。
【0030】陰極は、比較的仕事関数の小さい金属、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が用いられ
る。このような電極の具体例としては、ナトリウム、ナ
トリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マ
グネシウム/銅混合物、Al/AlO2、インジウムなどを挙げ
ることが出来る。陰極も陽極と同様、蒸着、スパッタリ
ングなどの方法により、薄膜として形成する。電極とし
てのシート抵抗は単位面積あたり数百Ω以下が好まし
い。膜厚は通常50nmないし1000nm好ましくは100nmない
し500nmの範囲である。
【0031】正孔輸送層は、正孔輸送性の化合物からな
る層であって、陽極より注入された正孔を発光層に輸送
・注入する機能を有する。正孔輸送性化合物について
は、前述の機能を有するものであれば特に制限はなく、
従来から有機光導電性材料において、正孔輸送材として
用いられているものや、有機電界発光素子の正孔輸送層
に使用される公知のものの中から任意のものを選択して
用いることができる。
【0032】このような化合物としては、例えばトリア
ゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導
体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ア
リールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキ
サゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオ
レノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベル誘導体、
ポルフィリン誘導体、芳香族第三級アミン誘導体及びス
チリルアミン化合物などを挙げることができる。
【0033】これらの正孔輸送性化合物は、一種又は二
種以上からなる一層で構成されてもよいし、あるいは、
前記層とは別種の化合物からなる正孔輸送層を積層した
ものであってもよい。この正孔輸送層は、一般に良く用
いられる成膜方法である蒸着、あるいはスピンコートな
どの方法により形成することが出来、その膜圧は通常10
nmないし1μm、好ましくは20nmないし500nmである。
【0034】電子輸送層は、電子輸送性化合物からなる
ものであって、陰極より注入された電子を発光層に輸送
・注入する機能を有している。このような電子輸送性化
合物についても、従来公知の化合物の中から任意のもの
を選択して用いることができる。
【0035】電子輸送性化合物の例としては、ニトロ置
換フルオレノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、
ジフェノキノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、
フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体など
を挙げることができる。これらの電子輸送性化合物は、
一種又は二種以上からなる一層で構成されてもよいし、
あるいは、前記層とは別種の化合物からなる電子輸送層
を積層したものであってもよい。この電子輸送層につい
ても、その成膜は一般に良く用いられる成膜方法である
蒸着、あるいはスピンコートなどの方法により形成する
ことが出来、その膜圧は通常10nmないし1μm、好ましく
は20nmないし500nmである。
【0036】なお、正孔輸送層及び電子輸送層は電荷の
注入性,輸送性,障壁性等の機能を有する層であり、上
記した有機材料の他にSi、SiC、CdSなどの無機材料を用
いることもできる。無機材料を用いる正孔輸送層及び電
子輸送層は、真空蒸着法やスパッタリングなどにより形
成できる。
【0037】次に発光層は、電極、あるいは正孔輸送
層、電子輸送層から電子と正孔の注入を受け、それらの
再結合によって発光する機能の層である。本発明に関わ
る芳香族メチリデン化合物は、特にこの発光層に用いる
ことに適した化合物であり、該芳香族メチリデン化合物
は主にこの層で用いられる。本発明に関わる発光層は、
一種又は二種以上からなる一層で構成されてもよいし、
あるいは、前記層とは別種の化合物からなる発光層をを
積層したものであってもよい。勿論、本発明に関わる芳
香族メチリデン化合物と、公知の発光材料との併用もそ
の必要性に応じて行うことが出来る。
【0038】また、この発光層において、発光層の構成
をホスト化合物にゲスト化合物を比較的少量添加(ドー
プ)した、いわゆる「ゲスト・ホスト」構成とする事も
可能である。ゲスト・ホスト構成の発光層において、主
にその発光はゲスト化合物からなる。このゲスト・ホス
ト構成の発光層において、ゲスト化合物は、エネルギー
ギャップがホスト化合物よりも小さく、また強い蛍光を
有していることが好ましい。この種のゲスト化合物とし
ては、例えば各種の蛍光染料やレーザー色素などが挙げ
られ、中でもクマリン誘導体、縮合環化合物などが好適
である。
【0039】この構成により、素子の発光効率向上や駆
動耐久性の向上に寄与せしめることが出来る。本発明に
関わる芳香族メチリデン化合物は、このゲスト・ホスト
構成の、先に掲げたようなゲスト化合物との組み合わせ
による発光層のホスト化合物として、また、公知のホス
ト化合物との組み合わせによるゲスト化合物としても有
効であり、本発明はこの概念をも包含するものである。
【0040】なお、ゲスト化合物のホスト化合物に対す
る濃度は、濃度消光を起こさない濃度範囲であればよ
く、好適には0.01乃至40mol%程度の範囲で用いられる。
更に、ホスト化合物とゲスト化合物の混合物を主成分と
する層を他の発光材料からなる層と積層したり、異なる
組み合わせのホスト化合物とゲスト化合物の混合物を主
成分とした層とを積層した発光層とする事も可能であ
る。
【0041】この発光層についても、その成膜は一般に
良く用いられる成膜方法である蒸着、あるいはスピンコ
ートなどの方法により形成することが出来、その膜圧は
通常10nmないし500nm、好ましくは20nmないし200nmであ
る。
【0042】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いてさらに
詳しく説明する。
【0043】(実施例1)陽極として、透明電極である
インジウム錫酸化物の薄膜をあらかじめ形成したガラス
基板(以下ITOガラス基板と略記する)の電極上に、正
孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極として、アルミニ
ウム/リチウム電極(以下Al/Li電極と略記する)を順次
蒸着により形成して、図3にその断面図を示した、本発
明の有機電界発光素子を作製した。
【0044】具体的には、先ずITOガラス基板、正孔輸
送材料としてN,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェ
ニル)ベンジジン(以下TPDと略記する)、発光材料として
化合物番号9の芳香族メチリデン化合物、電子輸送材料
としてトリス(8-ヒドロキシキノリノ)アルミニウム
(以下Alqと略記する)を真空蒸着装置にセットし、10-
4Paまで排気した。次にITOガラス基板の電極上に、TPD
を0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度で蒸着し、正孔輸送層を50n
m形成した。次いで化合物番号9を0.1〜0.5nm/秒の蒸着
速度で蒸着し、発光層を50nm形成した。続いてAlqを0.1
nm/秒の速度で蒸着し、膜厚10nmの電子輸送層を形成し
た。
【0045】さらにAl/Li電極の蒸着を0.5nm/秒の速度
で行い、その厚さを150nmとした。これらの蒸着はいず
れも真空を破らずに連続してい、また膜厚は水晶振動子
によってモニターすることにより制御した。素子作製
後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、有機電
界発光素子を作成した。
【0046】このようにして作成した素子に、電圧を印
加したところ、均一な水色の発光が得られた。100mA/cm
2の電流を印加した場合の駆動電圧ならびに発光輝度を
測定したところ、駆動電圧は8.0V、発光輝度は1800cd/m
2であった。
【0047】(実施例2)ITOガラス基板の電極上に、
発光層、陰極を形成し、本発明による有機電界発光素子
を作製した。具体的には、ITOガラス基板、発光材料と
して化合物番号18を真空蒸着装置にセットし、10-4Paま
で排気した。次にITOガラス基板の電極上に、化合物番
号18を100nm形成した。さらに、Al/Li電極を150nm形成
した。これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連続して
行い、膜厚は水晶振動子によってモニターすることによ
り制御した。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取
り出しを行い、有機電界発光素子を作製した。
【0048】このようにして作製した素子に電圧を印加
したところ、均一な青緑色の発光が得られた。駆動電圧
は9.7V、発光輝度は950cd/m2であった。
【0049】(実施例3)ITOガラス基板の電極上に、
発光層、電子輸送層、陰極を形成し、本発明による有機
電界発光素子を作製した。具体的には、ITOガラス基
板、発光材料として化合物番号9、電子輸送材料とし
て、2-(ビフェニル-4-イル)-5-(4-tert-ブチルフェニ
ル)-1,3,4-オキサジアゾールを真空蒸着装置にセット
し、10-4Paまで排気した。次にITOガラス基板の電極上
に、発光層として化合物番号9を50nm形成した。続い
て、電子輸送層を50nm形成した。さらに、Al/Li電極を1
50nm形成した。
【0050】これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連
続して行い、膜厚は水晶振動子によってモニターするこ
とにより制御した。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電
極の取り出しを行い、有機電界発光素子を作製した。
【0051】このようにして作製した素子に電圧を印加
したところ、均一な水色の発光が得られた。駆動電圧は
8.9V、発光輝度は700cd/m2であった。
【0052】
【発明の効果】上述のように、本発明に関わる芳香族メ
チリデン化合物を用いた本発明の有機電界発光素子は、
従来の化合物を用いた素子と比較し、発光特性に優れ、
且つ、安定性にも優れた長寿命の素子である。従って、
本発明の有機電界発光素子は、様々な工業分野において
有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における有機電界発光素
子の断面図
【図2】本発明の一実施の形態における有機電界発光素
子の断面図
【図3】本発明の一実施の形態における有機電界発光素
子の断面図
【図4】本発明の一実施の形態における有機電界発光素
子の断面図
【符号の説明】
1 陽極 2 正孔輸送層 3 発光層 4 電子輸送層 5 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 43/215 C07C 43/215

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極の
    間に発光層を含む一層又は複数層の有機薄膜層を有する
    有機電界発光素子において、前記有機薄膜層の少なくと
    も一層が、下記一般式で表される芳香族メチリデン化合
    物を含む有機電界発光素子。 【化1】 (但し、式中Ar1、Ar2およびAr3は、2価の非置換もしく
    は置換の芳香族炭化水素残基または2価の非置換もしく
    は置換の芳香族複素環式炭化水素残基を表し、Ar1 1、Ar
    22およびAr33は、非置換もしくは置換の芳香族炭化水素
    残基または非置換もしくは置換の芳香族複素環式炭化水
    素残基を表す。R1、R2、R3、R4、R11、R22およびR
    33は、非置換もしくは置換の芳香族炭化水素残基、非置
    換もしくは置換の芳香族複素環式炭化水素残基、非置換
    もしくは置換のアルキル基、水素またはシアノ基を表
    す。またAr11とR11、Ar22とR22およびAr33とR33は共同
    で、少なくとも一つの非置換もしくは置換の芳香族炭化
    水素または非置換もしくは置換の芳香族複素環式炭化水
    素が縮合した環を形成していても良い。)
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