JP2002169989A - 商品売買の仲介システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】製造者が新商品を製造し販売する場合、販売個
数を予想し製造しなければならないが、売れ残ると不良
在庫になり、且つ製造のため調達した資金が返済できな
くなる。 【解決手段】新商品販売開始前に商品情報を仲介サーバ
ー２で公開し、購入者は商品代金を全額予め支払うこと
によって商品交換権の設定を受け、商品完成後に商品を
購入者に引き渡すようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、新商品を購入者に
販売する際の仲介を行うシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】メーカーが新商品を企画立案し販売する
場合、その新商品がどれだけの数売れるかを市場調査し
決定する。次に、決定した数量の新商品を製造するのに
必要な資金を調達する。決定した数量の商品が完成する
と倉庫等にストックしておき、購入者が商品を購入する
毎に順次倉庫等からストックしている商品を送りだして
いく。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のシステムで
は、商品を製造する前に生産量を決定する必要がある
が、決定された生産量はあくまで予想であり、実際に商
品の販売を開始すると予想した生産量より多く売れる場
合もあれば販売量が生産量を下回る場合もある。予想し
た生産量より需要が大きければ直ちに追加生産を行わな
ければならないが、近年の商品は流行性が強く、販売時
期を逸すると本来販売できたであろう量より少ない量し
か販売できない場合が生じる。また、逆に生産した商品
が売れずに残ると不良在庫となる。仮に、生産した商品
が全て販売できたとしても、全て販売し終えるまで完成
した商品を倉庫等にストックしておかなければならず、
ストックコストを要する。

【０００４】また、生産するため資金を調達する場合に
は、商品が売れて調達資金を返済するまで金利が発生す
る。更に、商品が売れ残ると資金が返済できなくなると
いう大きなリスクが発生する。

【０００５】尚、従来より商品発売に先立って購入予約
を受け付けるシステムが存在するが、このような予約で
は無料かもしくは商品代金に一部しか事前に払い込まな
いので、予約時から商品販売開始までの間に他社から高
スペックや高コストパフォーマンスな同種商品が販売も
しくは発表されると、予約した需要者が実際には商品を
購入しなくなる。従って、予約数に基づいて生産個数を
決定すると大量の売れ残りが発生するおそれがある。

【０００６】そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上
記の問題点が生じない商品売買の仲介システムを提供す
ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明による商品売買の仲介システムは、新商品の販
売開始に先立って新商品の仕様や価格等の商品情報をサ
ーバーに公開し、該サーバーに接続可能な端末機を介し
て購入者からの購入希望を受け付け、購入を希望する購
入者から商品代金の全額を集金すると共に商品代金の全
額を支払った購入者に債権である商品引換権を設定する
ことを特徴とする。

【０００８】商品を販売する前に商品代金の全額を需要
者に支払わせ、商品発売開始後には商品と引き換えるこ
とのできる商品引換権を設定することにより、確実な販
売個数を商品製造前に把握することができる。また、商
品を製造するために必要な資金は借り入れるのではなく
需要者から商品購入代金として集金したものを利用でき
るので調達資金の返済が不可能になるというリスクを大
幅に低減することができる。

【０００９】但し、最終的に商品を購入する需要者の殆
どが直接商品を購入するのではなく事前に商品引換権の
設定を受けることが望ましい。そのためには、上記商品
引換権を設定された需要者の購入条件を、商品引換権の
設定を受けず新商品の販売開始後に購入する場合の購入
条件より有利に設定すればよい。

【００１０】また、商品製造者の代行として商品代金を
集金するので、購入者から集金した商品代金を運用する
資金運用プランを立案しまたは実行することができる。

【００１１】一方、購入者は商品代金を支払い商品交換
権が設定されると、商品購入を取り消すことができな
い。そのため購入意思がなくなった場合には債権である
商品交換権を他人に譲渡することが考えられる。但し個
人で商品交換権を売買するのは手続的に煩わしく、また
代金回収にリスクがあるため、当該仲介システムの一環
として、購入者からの委託により商品引換権の譲渡の仲
介を行う。

【００１２】商品交換権にプレミアが付く場合も考えら
れるので、上記商品引換権の譲渡の仲介をオークション
形式で行うことが考えられる。

【００１３】また、販売開始までの所定の設定日に債権
の設定件数が所定数に達しない場合に新商品の生産を中
止することを考慮する。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１を参照して、１は新商品を開
発し、製造しようとしている製造者（メーカー）であ
る。製造者１は最初に仲介サーバー２の管理者との間で
契約を行い取り引きに必要な口座を予め開設しておく。
次に、製造者１は新商品についての商品情報、出荷日
（販売開始日）、事前販売価格、出荷数、購入数上限、
追加生産の可能性の各情報を仲介サーバー２に送る（Ｓ
１）。ここで、商品情報とは新商品の機能やデザイン、
形状、重量等である。事前販売価格とは、本発明の仲介
システムを利用して購入する場合の価格であり、販売が
開始され、本発明による仲介システムを利用することな
く購入する際の価格より低価格に設定されている。購入
数上限とは、本仲介システムを利用して１人の購入者が
購入できる商品個数の上限である。販売開始後の通常の
購入条件より有利な条件で商品を購入できるので購入数
上限を決めておく必要がある。追加生産の可能性は例え
ばパーセント数値で表され、購入者が商品にプレミアが
付くかの判断材料となる。その他の情報として、例えば
本システムを介して販売される商品の個数と、通常の店
頭販売等の他の販売方法により販売開始日以降に販売さ
れる商品の個数との比率が商品情報に含まれる。

【００１５】これら各情報が仲介サーバー２に送られる
と、仲介サーバー２はこれらの情報を、例えばインター
ネット通信網を介して接続された複数の端末機に対して
公開する（Ｓ２）。但し、製造者から提供された各情報
の中で、出荷数に関する情報は端末機に対して公開しな
い。購入の申し込みが少なく採算ラインに到達しない場
合には製造そのものを中止する場合が考えられるからで
あり、事前に出荷数を購入者に約束できないからであ
る。製造を中止するか否かは商品の販売開始日前に設定
した設定日に本システムを介して販売された商品の個数
が予め設定された個数に到達しているか否かによって判
断される。

【００１６】予め設定された個数は損益分岐点を基に算
出されるが、設定日に該設定された個数に達していない
からといって機械的に製造が終始されるわけではない。
設定個数に大きく達しておらず、設定日以降も大きく販
売個数が伸びないと予想させる場合には製造を中止する
が、販売個数が設定個数に僅かに及ばないだけで、かつ
設定日に近づくにつれ販売個数が大きく伸びているよう
な状況があれば製造を中止しない。何れにしろ設定日に
おいて製造を予定通り行うか中止するかの判断が行われ
る。

【００１７】仮に、製造の中止が決定すると、既に支払
われている商品代金は全額返金するが、そのほかに非売
品の景品を提供し、あるいは次回商品販売に際し、優先
的に申し込める権利を付与する等の特典を提供すること
が考えられる。尚、製造が中止される場合があることは
予め購入者に提示されている。

【００１８】商品を購入したい購入者３は端末機を介し
て仲介サーバー２にアクセスし、公開されている情報を
基に商品を購入するか否かを判断する。購入する場合に
は購入意思を仲介サーバー２に送信し、商品代金を仲介
サーバー２に対して全額支払う。該購入意思を送信する
際に、購入者の氏名、住所等の購入者情報を合わせて送
信する。尚、既に本システムを利用した者や予め購入者
情報を登録した者はＩＤが送信される。

【００１９】仲介サーバー２は購入者３から購入意思が
送信されてくると購入台数の合計と共に購入者情報を製
造者１に送信する（Ｓ４）。製造者１は購入台数の合計
が予め設定した所定台数に到達すると、商品の製造を開
始する。商品の製造に必要な資金は仲介サーバー２が代
行して集金した商品代金の一部または全部を使用する。
また、仲介サーバー２は購入者３に対して商品交換権を
設定する（Ｓ５）。

【００２０】製造者１が実際に商品を製造すると購入者
３は商品交換権に基づく権原を行使して商品を手に入れ
る。ところで、商品交換権は製造された商品と交換する
ことを請求し得る債権であるため、商品と交換する前に
商品交換権を第三者に譲渡することができる。例えば商
品と交換する前に商品に対する興味がなくなった場合に
譲渡するが、購入意思の申し出が締め切られた後で商品
の人気が上昇し、商品交換権の市場価値が支払った商品
代金より高額になる場合等が考えられる。

【００２１】一旦商品交換権が設定された購入者が第三
者に商品交換権を譲渡したい場合に、購入者自らが譲渡
の申し出行い、契約し、代金を回収するのは煩わしく、
また代金回収にリスクが伴う。そこで、仲介サーバー２
に商品交換権の売買を行えるサイトを設け、商品交換権
を譲渡したい購入者は仲介サーバー２にその旨を登録す
るようにした。そして、商品交換権の譲渡を受けたい者
は、仲介サーバー２に譲渡を受けたい旨を登録し、価格
等の条件が折り合う商品交換権を譲り受けられるように
した。尚、商品交換権の譲渡に関しオークション形式を
採用し、譲渡を望む者が複数いる場合には最も高い価格
を申し出た者に譲渡するようにした。

【００２２】ところで、図１に示した内容は商品を販売
するものであるが、製造者１がＳ１に示した情報を仲介
サーバー２に送信する際、合わせて資金運用プラン選択
情報を仲介サーバー２に送る。資金運用プラン選択情報
とは仲介サーバー２が資金運用プランを立案する際に必
要な情報であり、予め仲介サーバー２から製造者１に対
して複数の選択肢や質問事項等が提示されている。仲介
サーバー２は資金運用プラン選択情報に基づき資金運用
プランを立案する。ここで、資金とは製造者１に代行し
て購入者から集金した商品代金である。そして、立案し
た資金運用プランを製造者が承認して実行依頼が来る
と、仲介サーバー２は資金運用プランを実行する。そし
て、仲介サーバー２は運用利益が出るとそこから手数料
を徴収する。

【００２３】尚、上記実施の形態では、本システムを介
して商品を購入する者に対して通常の販売価格より安い
価格で購入できるようにして一般の購入者の購入条件よ
り有利な購入条件を設定したが、そのほか、本システム
を介して商品を購入した者のみに記念品を提供したり、
商品の色彩を一般の商品と相違させ限定色にする等の特
別仕様にすることによりプレミアが付きやすくするなど
が考えられる。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、新商品を製造販売する側として、新商品発売前に商
品代金を全額集金し、商品交換権を購入者に設定するの
で、製造計画がたてやすく、商品が売れ残って不良在庫
が発生したり、商品保管用の倉庫費用等が不要になる。

【００２５】また、商品を購入する側として、通常の従
来ルートで購入より価格が安くなる等の有利な購入条件
で商品を手に入れることができ、更に債権が設定された
後に商品の人気が上がり購入価格以上のプレミアが付く
可能性がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図

【符号の説明】

１ 製造者 ２ 仲介サーバー ３ 購入者

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西部 光洋 東京都品川区北品川４丁目７番35号 ソニ ーコミュニケーションネットワーク株式会 社内 (72)発明者 土屋 博一 東京都品川区北品川４丁目７番35号 ソニ ーコミュニケーションネットワーク株式会 社内 Ｆターム(参考） 5B049 BB07 BB36 CC00 CC05 CC08 GG02

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 新商品の販売開始に先立って新商品の
   仕様や価格等の商品情報をサーバーに公開し、該サーバ
   ーに接続可能な端末機を介して購入者からの購入希望を
   受け付け、購入を希望する購入者から商品代金の全額を
   集金すると共に商品代金の全額を支払った購入者に債権
   である商品引換権を設定することを特徴とする商品売買
   の仲介システム。
2. 【請求項２】 上記商品引換権を設定された需要者の
   購入条件を、商品引換権の設定を受けず新商品の販売開
   始後に購入する場合の購入条件より有利に設定したこと
   を特徴とする請求項１記載の商品売買の仲介システム。
3. 【請求項３】 購入者から集金した商品代金を運用す
   る資金運用プランを立案しまたは実行することを特徴と
   する請求項１または請求項２記載の商品売買の仲介シス
   テム。
4. 【請求項４】 購入者からの委託により商品引換権の
   譲渡の仲介を行うことを特徴とする請求項１乃至請求項
   ３記載の商品売買の仲介システム。
5. 【請求項５】 上記商品引換権の譲渡の仲介をオーク
   ション形式で行うことを特徴とする請求項４記載の商品
   売買の仲介システム。
6. 【請求項６】 販売開始までの所定の設定日に債権の
   設定件数が所定数に達しない場合に新商品の生産を中止
   することを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれか
   に記載の商品売買の仲介システム。