JP2002168341A - 変速比無限大無段変速機の制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の制御装置

Info

Publication number
JP2002168341A
JP2002168341A JP2000366896A JP2000366896A JP2002168341A JP 2002168341 A JP2002168341 A JP 2002168341A JP 2000366896 A JP2000366896 A JP 2000366896A JP 2000366896 A JP2000366896 A JP 2000366896A JP 2002168341 A JP2002168341 A JP 2002168341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
continuously variable
ratio
range
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000366896A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Yamazaki
努 山崎
Hiromasa Sakai
弘正 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2000366896A priority Critical patent/JP2002168341A/ja
Publication of JP2002168341A publication Critical patent/JP2002168341A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧制御装置の故障等が発生した場合、運転
者の意図しない変速を防止する。 【解決手段】 変速比が動力循環モード前進側にある場
合にはアクチュエータ(136)がギアードニュートラ
ルポイントより無段変速機の変速比HIGH側への移動
を阻止する規制手段(301)と、変速比が動力循環モ
ード後退側にある場合にはアクチュエータ(136)が
ギアードニュートラルポイントより無段変速機の変速比
LOW側への移動を阻止する規制手段(302)との少
なくとも一方を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる変速比無限大無段変速機の制御装置の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式
やトロイダル型の無段変速機が知られており、このよう
な無段変速機の変速領域をさらに拡大するために、無段
変速機に一定変速機と遊星歯車機構を組み合わせて変速
比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無段変速機
が知られており、例えば、特開平9−42428号公報
などがある。
【0003】これは、エンジンに連結される変速比無限
大無段変速機のユニット入力軸に変速比を連続的に変更
可能なハーフトロイダル型の無段変速機と、一定変速機
(減速機)を並列的に連結するとともに、これらの出力
軸を遊星歯車機構で選択的に結合したもので、無段変速
機の出力軸を遊星歯車機構のサンギアに、一定変速機の
出力軸は動力循環モード(ローモード)クラッチを介し
て遊星歯車機構のキャリアに連結される。
【0004】サンギアと連結した無段変速機出力軸は、
直結モード(ハイモード)クラッチを介して変速比無限
大無段変速機の出力軸であるユニット出力軸に結合され
る一方、遊星歯車機構のリングギアもユニット出力軸に
結合される。
【0005】このような変速比無限大無段変速機では、
トラニオンを駆動する油圧アクチュエータのピストンの
差圧を制御することで、伝達トルクと変速比の制御を行
っており、図1に示すように、動力循環モードクラッチ
を締結する一方、直結モードクラッチを解放することに
より、無段変速機と一定変速機の変速比の差に応じて、
ユニット変速比(以下IVT比iiでユニット入力軸回
転数/ユニット出力軸回転数)を負の値から正の値まで
無限大(=ギアードニュートラルポイント)を含んで連
続的に変速制御を行う動力循環モードと、動力循環モー
ドクラッチを解放する一方、直結モードクラッチを締結
して無段変速機の変速比(以下CVT比ic)に応じて
変速制御を行う直結モードを選択的に使用することがで
きる。
【0006】また、変速比無限大無段変速機の前進方向
と後進方向で、それぞれ変速制御を行うものとして、例
えば、特開平10−325459号公報がある。
【0007】これは、前進レンジのときには、図1で示
すギアードニュートラルポイントGNPに対応したCV
T比icgnpより大側(回転同期点RSP側=Lo側)
で変速制御を行うアクチュエータおよび制御弁と、後退
レンジのときに、ギアードニュートラルポイントGNP
に対応したCVT比icgnpより小側(Hi側)で変
速制御を行うアクチュエータおよび制御弁を、それぞれ
備えたもので、コントロールユニットの故障などで、ア
クチュエータが進行方向とは反対側のCVT比icへ向
けて駆動されても、進行方向とは反対側の伝達トルク
(=エンジンブレーキ)を遮断し、故障時にエンジンブ
レーキが課題になるのを抑制している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の従来例では、車両の前進時には車速の低下に伴って
動力循環モードのギアードニュートラルポイントGNP
へ向かうが、コントローラの故障やアクチュエータの誤
作動により、変速比がギアードニュートラルポイントG
NP側へ変速すると、通常のシフトダウンと異なり、意
図しない過大なエンジンブレーキが作用するため、運転
者に違和感を与えてしまうという問題がある。
【0009】また上記後者の従来例では、ギアードニュ
ートラルポイントGNPに対応したCVT比icgnp
によって、進行方向に応じて制御領域を分けて、コント
ロールユニットまたはアクチュエータの故障や、信号回
路の断線などが発生してもエンジンブレーキが課題にな
るのを抑制することはできるが、直結モードでは、ギア
ードニュートラルポイントGNPに対応したCVT比i
cgnpよりも小側(Hi側)のCVT比icを利用す
ることができず、IVT比iiの変速制御範囲が狭くな
るのに加えて、複数のアクチュエータおよび制御弁を使
用しなければならないため、制御装置の機構や制御が複
雑になって、製造コストが上昇する。
【0010】そこで本発明は、上記問題点を解決する変
速比無限大変速機の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、変速比を
連続的に変更可能な無段変速機と一定変速機とをユニッ
ト入力軸にそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一
定変速機の出力軸を遊星歯車機構と複数の締結手段を介
してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速機
と、車両の運転状態に応じて前記複数の締結手段を選択
的に締結して動力循環モードあるいは直結モードの一方
の走行モードを選択するクラッチ制御手段と、運転状態
に基づき変速比無限大無段変速機の目標変速比である目
標ユニット変速比を演算する手段と、前記目標ユニット
変速比に基づき無段変速機の目標変速比を演算する手段
と、前記無段変速機の目標変速比に基づき変速制御弁を
車両の前進時および後進時にわたって制御する1つのア
クチュエータとを備えた変速比無限大無段変速機の制御
装置において、前記クラッチ制御手段により動力循環モ
ードが選択されたときに進行方向が前進側の場合、前記
無段変速機の変速比が前後進の中立位置であるギアード
ニュートラルポイントよりHIGH側にならないよう前
記アクチュエータの移動を阻止する規制手段と、進行方
向が後進側の場合、前記変速比がギアードニュートラル
ポイントよりLOW側にならないよう前記アクチュエー
タの移動を阻止する規制手段との少なくとも一方を備え
ることを特徴とする。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、前記
規制手段は油圧式アクチュエータにより駆動される前記
アクチュエータの移動を阻止するストッパであることを
特徴とする。
【0013】第3の発明は、第1の発明において、前記
規制手段は電気式アクチュエータにより駆動される前記
アクチュエータの移動を阻止するストッパであることを
特徴とする。
【0014】
【発明の効果】第1から第3の発明は、変速アクチュエ
ータを前進方向と後進方向とで使い分けることなく1つ
のアクチュエータで車両の前進時および後退時にわたっ
て変速を生じさせるとともに、動力循環モードで前進時
には前記アクチュエータがギアードニュートラルポイン
トに対応するCVT変速比のHIGH側への移動を阻止
する手段(油圧式もしくは電気式で駆動されるストッ
パ)と、動力循環モードで後退時にはギアードニュート
ラルポイントに対応するCVT変速比のLOW側への移
動を阻止する手段(油圧式もしくは電気式で駆動される
ストッパ)の少なくとも一方の手段を備えるので、以下
の効果を有する。
【0015】すなわち、直結モードにおいてギアードニ
ュートラルポイントに対応したCVT比よりもHi側の
CVT比を利用することができるため、変速制御範囲を
制限されることがなく、かつコントロールユニット等の
故障により前記アクチュエータが進行方向とは反対側の
CVT比へ向けて駆動されても進行方向とは反対側の伝
達トルクを遮断し、運転者の意図しないエンジンブレー
キが生じることを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0017】図2は、ハーフトロイダルで構成されたダ
ブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機構2を用い
て変速比無限大無段変速機を構成した一例を示す。
【0018】まず図2において、エンジン(図示せず)
と連結されるユニット入力軸1は、一定変速機構3のギ
ア3aが設けられるとともに、トロイダル型の無段変速
機構2の入力側と連結する。また、無段変速機構2の出
力側には、出力歯車2aが設けられている。
【0019】このユニット入力軸1と平行して、一定変
速機出力軸3c、キャリア50、無段変速機出力軸4、
ユニット出力軸6が順次、同軸的に配設される。
【0020】一定変速機出力軸3cの一端には、カウン
タギア3dを介してユニット入力軸1のギア3aと歯合
するギア3bが配設される。なお、一定変速機構3は、
ギア3a、カウンタギア3d、ギア3bから構成され
る。
【0021】一定変速機出力軸3cの途中には、キャリ
ア50の一端と選択的に締結するオーバーラン&リバー
スクラッチ(OVR&R/C)92が介装される。
【0022】そして、一定変速機出力軸3cの他端に
は、キャリア50の途中と選択的に締結されるフォワー
ドワンウェイクラッチ(FWD/OWC)93とフォワ
ードクラッチ(FWD/C)91が直列的に介装され
る。
【0023】また、フォワードワンウェイクラッチ93
は、一定変速機出力軸3cからキャリア50へ向けたト
ルクを伝達する一方、逆方向(キャリア50から一定変
速機出力軸3c)のトルクを遮断する。
【0024】このキャリア50の他端は、無段変速機出
力軸4の途中に配設された遊星歯車機構5のピニオン5
bに連結される。
【0025】ここで、無段変速機出力軸4の一端には、
無段変速機構2の出力歯車2aと歯合するギア4aが配
設され、無段変速機出力軸4の途中には、遊星歯車機構
5のサンギア5aが形成される。
【0026】遊星歯車機構5は、このサンギア5aがキ
ャリア50を介して一定変速機出力軸3cと選択的に結
合するピニオン5bと歯合し、さらにこのピニオン5b
は、ユニット出力軸6の一端と結合したリングギア5c
と歯合する。
【0027】そして、無段変速機出力軸4の他端と、ユ
ニット出力軸6の途中との間には、直結モードのときに
締結するハイクラッチ(H/C)10が介装される。
【0028】この変速比無限大無段変速機の出力軸とな
るユニット出力軸6は、他端に設けた変速機出力ギア7
から、カウンタギア7a、ファイナルギア12を介して
駆動軸11へトルクを伝達する。
【0029】なお、上記フォワードクラッチ91と、オ
ーバーラン&リバースクラッチ92及びフォワードワン
ウェイクラッチ93の3つが、動力循環モードのときに
少なくともひとつか締結される3ウェイクラッチユニッ
ト9を構成する。
【0030】<1.無段変速機構>ここで、無段変速機
構2は、図3、図4に示すように、2組の入力ディスク
21、出力ディスク22で、パワーローラ20をそれぞ
れ挟持、押圧するダブルキャビティのトロイダル型で構
成される。
【0031】パワーローラ20は、図4に示すように、
下端を油圧シリンダ30に結合して軸方向へ変位可能か
つ軸まわりに回転可能なトラニオン23(パワーローラ
支持部材)に軸支され、複数のトラニオン23のうちの
一つトラニオン23の下端には、トラニオン23の軸方
向変位量とパワーローラ20の傾転角φ(トラニオン2
3の回転角≒実変速比)を、図5に示すようなシフトコ
ントロールバルブ246にフィードバックするためのプ
リセスカム135が設けられる。
【0032】そして、プリセスカム135は、図4に示
すように円周方向に所定の傾斜を備えたカム溝135A
(またはカム面)を備えており、このカム溝135Aに
揺動自在なフィードバックリンク38の一端が摺接す
る。
【0033】フィードバックリンク38は、例えば、L
字状に形成されるとともに揺動軸39を中心に揺動自在
に支持されており、一端で上記カム溝またはカム面と摺
接する一方、他端で変速リンク37の一端と係合し、ト
ラニオン23の軸方向変位量及び回転量、すなわちパワ
ーローラ20の傾転角を変速リンク37の一端に伝達す
る。
【0034】変速リンク37は、図5に示すように、中
央部でシフトコントロールバルブ246のスプール24
6Sと連結する一方、フィードバックリンク38と連結
した変速リンク37の他端はステップモータ136(ア
クチュエータ)と連結し、変速リンク37はステップモ
ータ136の駆動によってシフトコントロールバルブ2
46(変速制御弁)を軸方向に変位させるとともに、ト
ラニオン23の回動と軸方向変位に応じてシフトコント
ロールバルブ246のスプール46Sを軸方向に変位さ
せる。
【0035】そして、ステップモータ136の駆動位置
に応じて、トラニオン23が軸方向に駆動されてパワー
ローラ20が傾転し、所望の変速比(以下、CVT比i
cとする)になると、フィードバックリンク37の作用
によって油室30A、30Bの油圧が調整され、ステッ
プモータ136の駆動位置に対応したCVT比ic(=
ユニット入力軸回転数Ni/無段変速機出力軸回転数N
o)を維持する。
【0036】こうして、CVT比icを変更すること
で、変速機無限大無段変速機の総変速比=IVT比ii
(ユニット入力軸回転数Ni/ユニット出力軸回転数N
out)を変更するのである。なお、総変速比をIVT
比iiとし、このIVT比iiの逆数を、以下、IVT
速度比eとする。
【0037】<2.コントロールユニット>次に、変速
比無限大無段変速機の制御は、図6に示すように、マイ
クロコンピュータを主体に構成された変速制御コントロ
ールユニット80(目標ユニット変速比演算手段、無段
変速機の目標変速比演算手段)によって変速比と伝達ト
ルクの制御が行われる。
【0038】変速制御コントロールユニット80には、
ユニット入力軸1の回転数Ni(=エンジン回転数N
e)を検出する入力軸回転数センサ81からの出力と、
無段変速機出力軸4の回転数Noを検出する無段変速機
出力軸回転数センサ82からの出力と、ユニット出力軸
6の回転数Noutに基づいて車速VSPを検出する車
速センサ83からの出力や、図示しないセレクトレバー
またはスイッチに応動するインヒビタスイッチ85から
のセレクト位置POS、アクセル操作量センサ84が検
出したアクセルペダルの踏み込み量APSがそれぞれ入
力される。
【0039】変速制御コントロールユニット80は、こ
れらの検出値を運転状態として処理し、この運転状態に
応じて図5に示すように、アクチュエータとしてのハイ
クラッチソレノイド190、オーバーランクラッチソレ
ノイド211、モード切り換えソレノイド260を駆動
することでフォワードクラッチ(FWD/C)91、ハ
イクラッチ(H/C)10、オーバーラン&リバースク
ラッチ(OVR&R/C)92を選択的に締結して、動
力循環モードと直結モードを切り換えるとともに、運転
状態に応じたユニット変速比(IVT比)となるように
ステップモータ136を駆動する。
【0040】上記のような構成の変速比無限大無段変速
機では、ハイクラッチ10、フォワードクラッチ91、
オーバーラン&リバースクラッチ92を選択的に締結す
ることにより、次の表のように運転状態を選択すること
ができる。
【0041】
【表1】 ただし、○:締結 ×:解放 B:動力循環モード(Lモード)で所定車速以上、か
つ、運転者がエンジンブレーキの要求をしたとき(Ds
レンジ、Mレンジ)のみ締結 である。
【0042】まず、NレンジまたはPレンジのときに
は、ハイクラッチ10、フォワードクラッチ91、オー
バーラン&リバースクラッチ92をすべて解放すること
で、キャリア50はフリーとなってサンギア5aの回転
に応じて空転し、リングギア5cにはトルクが伝達され
ない。
【0043】後退レンジとしてのRレンジの時には、3
ウェイクラッチユニット9のうち、オーバーラン&リバ
ースクラッチ92のみを締結することで、キャリア50
と一定変速機出力軸3cを結合し、サンギア5aに伝達
された無段変速機構2からのトルクを、ピニオン5bと
リングギア5cへそれぞれ分割して伝達し、図1に示し
たように、IVT速度比eが負となる動力循環モードの
後退方向となる。
【0044】この、動力循環モードの後退方向では、キ
ャリア50へ伝達された無段変速機構2からのトルクの
一部は、オーバーラン&リバースクラッチ92から一定
変速機出力軸3c、一定変速機構3を介して、ユニット
入力軸1から無段変速機構2へ入力されて、トルクが循
環する。
【0045】一方、前進レンジとしてのDレンジでは、
図1に示したように動力循環モード(上記表1のL)
と、直結モード(上記表1のH)でクラッチの締結状態
が異なる。
【0046】まず、Dレンジの動力循環モードでは、3
ウェイクラッチユニット9のうち、フォワードクラッチ
91のみを締結することで、一定変速機出力軸3cから
フォワードワンウェイクラッチ93、フォワードクラッ
チ91を介してキャリア50へトルクを伝達し、図1に
示したように、IVT速度比e(またはIVT比ii)
が正で、ギアードニュートラルポイントGNPから回転
同期点RSPの範囲でCVT比ic及びIVT速度比e
を制御することができる。
【0047】この動力循環モードの前進方向では、一定
変速機出力軸3cからフォワードワンウェイクラッチ9
3、フォワードクラッチ91を介してキャリア50へ伝
達されたトルクが、ピニオン5bと歯合したリングギア
5c及びサンギア5aへそれぞれ伝達され、リングギア
5cへ伝達されたトルクで車両が推進され、サンギア5
aへ伝達されたトルクは、無段変速機構2の出力側から
入力側へ伝達され、ユニット入力軸1を介して一定変速
機構3へ入力されて循環する。
【0048】動力循環モードの前進方向では、フォワー
ドクラッチ91のみを締結している場合、フォワードワ
ンウェイクラッチ93によって、キャリア50から一定
変速機出力軸3cへ向かうトルク(エンジンブレーキ側
のトルク)が遮断されるので、エンジンブレーキは作動
しない。
【0049】そこで、運転者がエンジンブレーキを要求
したときには、上記表1のBで示すように、フォワード
クラッチ91に加えてオーバーラン&リバースクラッチ
92も同時に締結することで、駆動側のトルクに加え
て、エンジンブレーキ側のトルクも伝達することができ
る。
【0050】なお、エンジンブレーキの要求は、例え
ば、Dsレンジ(スポーツレンジ)、Mレンジ(マニュ
アルモード)あるいはLレンジ(低速レンジ)などを図
4に示すインヒビタスイッチ85で選択可能にしてお
き、これらのレンジが選択されたときに、オーバーラン
&リバースクラッチ92を締結する。
【0051】次に、Dレンジで、フォワードクラッチ9
1とハイクラッチ10を締結すると、無段変速機出力軸
4とユニット出力軸6が結合されて、無段変速機構2の
CVT比icに応じてユニット出力軸6へトルクが伝達
される直結モードとなり、図1に示したように、IVT
速度比eが回転同期点ersp以上の領域で、変速制御
を行うことができる。
【0052】この直結モードでは、遊星歯車機構5のサ
ンギア5aとともに、ピニオン5bが公転してキャリア
50も駆動されるが、図1において、回転同期点RSP
に対応するIVT速度比ersp以上では、キャリア5
0の回転数が、一定変速機出力軸3cの回転数よりも高
くなり、フォワードワンウェイクラッチ93によってキ
ャリア50から一定変速機出力軸3cへの動力伝達経路
が遮断されるため、キャリア50はサンギア5a及びリ
ングギア5cとともに連れ回るだけとなる。
【0053】したがって、直結モードではハイクラッチ
10のみを締結しておけばよいのであるが、3ウェイク
ラッチユニット9のうちのフォワードクラッチ91を締
結しておいても支障がないため、前進レンジのDレンジ
では、常時フォワードクラッチ91を締結しておく。
【0054】前進レンジで、フォワードクラッチ91を
常時締結しておけば、ハイクラッチ10の締結状態を制
御することで、動力循環モードと直結モードの切り換え
を迅速かつ容易に行うことができ、フォワードクラッチ
91とハイクラッチ10の双方を繋ぎ代えて運転モード
の切り換えを行う場合に比して、運転モードの切り換え
制御を大幅に簡略化することができる。
【0055】なお、3ウェイクラッチユニット9の動作
は、まず、フォワードクラッチ91のみを締結すると、
フォワードワンウェイクラッチ93によって一定変速機
出力軸3cからキャリア50への一方向のみにトルクを
伝達する(第1締結状態)。
【0056】そして、オーバーラン&リバースクラッチ
92を締結すれば、フォワードクラッチ91の締結状態
に係わらず、一定変速機出力軸3cとキャリア50の双
方へトルクを伝達することができる(第2締結状態)。
【0057】また、フォワードクラッチ91とオーバー
ラン&リバースクラッチ92を共に解放すれば、一定変
速機出力軸3cとキャリア50の間でトルクの伝達を遮
断するのである(解放状態)。
【0058】<3.伝達トルクの制御>トロイダル型の
無段変速機構2では、本願出願人が提案した特願平10
−53187号などにも示したように、図4において、
油圧シリンダ30のピストン31に加わる差圧ΔPがパ
ワーローラ20の伝達トルクであり、油圧シリンダ30
の油室30Aと30Bの油圧Plo、Phiを調整する
ことで、伝達トルクの制御を行うことができる。
【0059】差圧ΔPの調整により、伝達トルクの制御
を行うときには、油圧シリンダ30が支持する伝達トル
クの方向に応じて、シフトコントロールバルブ246を
切り換えればよく、例えば、図5において、油室30B
側にライン圧PLが供給されている場合には、図4に示
すように、入力ディスク21が回転しているとすると、
正の伝達トルク(入力ディスク21から出力ディスク2
2へトルクが伝達される方向を正とする。以下同様)
を、油室30Aの油圧Ploを調整することで制御でき
る。
【0060】逆に、図5において、油室30A側にライ
ン圧PLが供給されている場合には、図4に示すよう
に、入力ディスク21が回転しているとすると、負の伝
達トルク(出力ディスク22から入力ディスク21への
トルクを負とする。以下同様)を、油室30Bの油圧P
hiを調整することで制御できる。
【0061】ここで、変速機無限大無段変速機では、動
力循環モードと直結モードの運転モードと、進行方向に
応じて伝達トルクが変化する。
【0062】まず、直結モードでは、無段変速機構2か
らのトルクがユニット出力軸6へ伝達されるため、正方
向のトルクで車両の駆動が行われる一方、負方向のトル
クでエンジンブレーキが作用する。
【0063】ところが、動力循環モードでは、ハイクラ
ッチ10が解放されて、フォワードクラッチ91のみが
締結される前進時と、オーバーラン&リバースクラッチ
92のみが締結される後退時では、無段変速機構2を通
過する伝達トルクの方向が異なる。
【0064】まず、動力循環モードにおける前進時は、
キャリア50のピニオンの公転速度がサンギア5aの回
転速度よりも大きい場合、すなわち、無段変速機構2の
CVT比icが図1に示すギアードニュートラルポイン
トGNPより大側(Lo側)にあるときで、キャリア5
0に伝達されたトルクは、リングギア5cとサンギア5
aに伝達されるため、無段変速機構2への入力トルク
は、ギア4aを介して出力ディスク22側から入力さ
れ、負の方向となる。ちなみに、出力ディスク22から
入力ディスク21へ伝達されたトルクは、ユニット入力
軸1aから一定変速機構3へ伝達されて、駆動力が循環
することになる。
【0065】一方、動力循環モードにおける後進時で
は、サンギア5aの回転速度がキャリア50の公転速度
よりも十分大きい場合、すなわち、無段変速機構2のC
VT比icが、図1に示すギアードニュートラルポイン
トGNPよりも小側(Hi側)にあるときで、このと
き、サンギア5aに伝達されたトルクは、キャリア50
とリングギア5cに伝達されるため、無段変速機構2へ
の入力トルクは、入力ディスク21から出力ディスク2
2へ伝達される正方向となり、サンギア5aを介してキ
ャリア50へ伝達されたトルクは、一定変速機構3を介
して再び入力ディスク21へ循環する。
【0066】したがって、動力循環モードの前進時で
は、無段変速機構2を通過する負のトルクを制御するこ
とで、駆動側の伝達トルクを制御でき、すなわち、図
4、図5に示したように、油室30Aに供給されるライ
ン圧PLと、油室30Bに供給される油圧Phiとの差
圧ΔPを制御すればよい。
【0067】また、動力循環モードの前進時にエンジン
ブレーキを制御するには、無段変速機構2を通過する正
のトルクを制御すればよく、フォワードクラッチ91に
加えてオーバーラン&リバースクラッチ92を締結し、
油室30Bに供給されるライン圧PLと、油室30Aに
供給される油圧Ploとの差圧Pを制御すればよい。
【0068】一方、動力循環モードの後進時では、上記
の関係が逆になって、無段変速機構2を通過する正のト
ルクを制御することで、駆動側の伝達トルクを制御で
き、油室30Bに供給されるライン圧PLと、油室30
Aに供給される油圧Ploとの差圧ΔPを制御すればよ
い。
【0069】同様に、後進方向のエンジンブレーキの制
御は、負のトルクを制御すればよいから、上記動力循環
モードの前進時と同様に、油室30Aに供給されるライ
ン圧PLと、油室30Bに供給される油圧Phiとの差
圧ΔPを制御すればよい。
【0070】次に、図5の油圧回路について、各要素毎
に説明する。
【0071】<4−1.ライン圧及び潤滑圧制御系>図
5において、オイルポンプ110の吐出ポート110p
は、ライン圧回路101を介してプレッシャーレギュレ
ータバルブ100のライン圧ポート100pに導かれる
一方、ライン圧ソレノイド90からの信号圧Psigp
lがプレッシャーレギュレータバルブ100のポート1
00fに接続される。
【0072】この信号圧Psigplによる力と、スプ
リング100bの付勢力の合力と、吐出ポート110p
からの油圧が釣り合うようにスプール100aが変位し
て、ライン圧ポート100pに接続されたライン圧回路
101のライン圧PLが所定の値に制御される。
【0073】なお、ライン圧ソレノイド90は、変速制
御コントロールユニット80に制御されており、パイロ
ット圧回路102からのパイロット圧Ppを元圧として
信号圧を調圧するもので、このパイロット圧Ppは、パ
イロットバルブ103がプレッシャーレギュレータバル
ブ100からのライン圧PLに比例して調圧したもので
ある。また、ライン圧ソレノイド90とポート100f
の間には、アキュームレータ120が介装されている。
【0074】オイルポンプ110の吸入ポート110i
は、ポンプ吸入油路104に接続されており、ライン圧
PLが上昇した場合には、このポンプ吸入油路104と
連通したプレッシャーレギュレータバルブ100の第2
ドレンポート100dと、ライン圧ポート100pが連
通することで、ライン圧PLの上昇が抑制される。な
お、ライン圧PLが所定値を超えた場合には、リリーフ
バルブ140が作動して、ライン圧回路101の減圧を
行う。
【0075】第1ドレンポート100eは、クーラーレ
デューシングバルブ155の供給圧になっており、クー
ラーポート291にクーラーレデューシングバルブ15
5の制御圧が接続されている。
【0076】クーラーレデューシングバルブ155は、
クーラ供給圧が一定値を超えて増大することを防止し、
クーラ配管系を保護している。また、クーラーレデュー
シングバルブ155がスティックした場合に、クーラ系
圧力の異常上昇を防止するため、さらに作動の迅速なク
ーラリリーフバルブ150が、クーラーレデューシング
バルブ155の制御圧に接続されている。
【0077】クーラーレデューシングバルブ155の制
御圧は、クーラーポート291並びにオリフィスを介し
て潤滑ポート292に接続されて、変速比無限大無段変
速機の各部へ供給されて潤滑、冷却を行う。
【0078】プレッシャーレギュレータバルブ100に
よって調圧されたライン圧回路101には、図示しない
シフトレバーに応動するマニュアルバルブ230、変速
リンク37を介してステップモータ136とプリセスカ
ム135に応動するシフトコントロールバルブ246が
接続される。
【0079】なお、ステップモータ136は、ステップ
数を減少させるとCVT比icが小側(Hi側)となる
ように変速リンク37を駆動し、ステップ数を増大させ
るとCVT比icが大側(Lo側)となるように変速リ
ンク37を駆動する。
【0080】これに伴って、プリセスカム135のカム
面135Aの回転方向とフィードバックリンク38の駆
動方向の関係は、図4においてに、プリセスカム135
がCVT比icの大側(Lo側)に回転すると、フィー
ドバックリンク38の端部38aを図中下方に変位させ
る一方、プリセスカム135がCVT比icの小側(H
i側)に回転すると、フィードバックリンク38の端部
38aを図中上方に変位させ、他端で係合した変速リン
ク37を駆動する。
【0081】ステップモータ136の可動部136a
は、図5に示す通り、所定変速比よりLOW側への移動
を規制する機構部301と、所定変速比よりHIGH側
への移動を規制する機構部302によってその可動範囲
を規制されており、各規制機構部301、302は、後
述するように油圧により駆動され、油室301a、30
2aと対向して設置されたバネ301c、302cによ
り、油圧が解放されバネ力の設定力以下になると規制す
るためのストッパ301b、302bが解除され、ステ
ップモータ136の可動部136aの移動が可能な状態
となる。
【0082】<4−2.シフトコントロールバルブ>次
に、シフトコントロールバルブ246は、図5におい
て、ライン圧回路101に連通した供給ポート246P
と、油圧シリンダ30の油室30Aと連通したLo側ポ
ート246Lと、油圧シリンダ30の油室30Bと連通
したHi側ポート246Hとを備え、変速リンク37と
連結したスプール246Sの変位に応じて、ライン圧P
LがLo側ポート246LまたはHi側ポート246H
の一方に供給される。そして他方のポートは、排出ポー
ト246Cまたは246Dの一方に接続される。
【0083】Lo側ポート246Lと連通可能な排出ポ
ート246CとHi側ポート246Hと連通可能なポー
ト246Dは、ポンプ吸入油路104と連通する。
【0084】<4−3.マニュアルバルブ>次に、マニ
ュアルバルブ230のスプール230jは、セレクトレ
バー等に応じて回動する図示しないカム等によって駆動
され、前進レンジのDレンジ、後退レンジのRレンジま
たは停車レンジのNレンジ、Pレンジの3つの位置のい
ずれかに設定される。
【0085】すなわち、Dレンジが選択されときには、
スプール230jが図中最も下方に位置し、Rレンジが
選択されたときには、スプール230jは図中最も上方
に位置する。
【0086】そして、NレンジまたはPレンジのときに
は、DレンジとNレンジの中間の位置にスプール230
jが変位する。
【0087】{Dレンジ選択時}Dレンジやスポーツ走
行に用いるDsレンジ等の前進レンジが選択されたとき
には、図5に示す図中上方の位置へスプール230jが
変位して、ライン圧回路101と連通したライン圧ポー
ト230hが、Dレンジ圧ポート230iに接続され、
Dレンジ圧回路107(第1油圧供給手段)へライン圧
PLが供給される。
【0088】Dレンジを選択したときには、図5におい
て、Dレンジ圧回路107からハイクラッチ制御バルブ
180(第3油圧供給手段)とフォワードクラッチ91
の2つにライン圧PLが供給される。
【0089】さらに、オーバーラン&リバースクラッチ
制御バルブ201(第2油圧供給手段)の供給ポート2
01gへライン圧PLが供給され、Dレンジ圧回路10
7からのライン圧PLを供給してオーバーラン&リバー
スクラッチ92の締結を許可し、Dレンジの前進時にエ
ンジンブレーキを作動可能にしておく。
【0090】また、Rレンジ圧回路108と連通したR
レンジ圧ポート230gはドレンポート230fに接続
され、シャトル弁271を介してRレンジ圧回路108
に接続されたオーバーラン&リバースクラッチ(以下O
VR&R/Cとする)92には、Rレンジ圧回路108
からの油圧の供給が遮断される。
【0091】そして、マニュアルバルブ230のポート
230eは、Dレンジのときには封止される。
【0092】{NレンジまたはPレンジ選択時}Nレン
ジまたはPレンジの停止レンジが選択された場合には、
スプール230jは全ストロークのほぼ中間へ変位し
て、ライン圧ポート230hを封止するとともに、Dレ
ンジ圧ポート230iを大気開放して図中下方よりドレ
ーンするとともに、Rレンジ圧ポート230gをドレー
ンポート230fへ接続して、Dレンジ圧回路107と
Rレンジ圧回路108を共にドレーンし、ハイクラッチ
制御バルブ180とオーバーラン&リバースクラッチ制
御バルブ(以下OVR&R/C制御バルブ)201及び
フォワードクラッチ91へのライン圧PLを遮断するこ
とで、フォワードクラッチ91、ハイクラッチ10及び
OVR&R/C92をすべて解放させ、ユニット入力軸
1からユニット出力軸6との間のトルクの伝達を遮断す
る。
【0093】{後退レンジ選択時}Rレンジの後退レン
ジが選択された場合には、スプール230jは図中下方
へ変位して、Rレンジ圧ポート230gをライン圧ポー
ト230hと連通させる一方、Dレンジ圧ポート230
iを大気開放して図中上方よりドレーンする。
【0094】この結果、Rレンジ圧ポート230gから
Rレンジ圧回路108にライン圧PLが加わるため、シ
ャトル弁271の弁体は図5において左側へ移動し、O
VR&R/C92が締結される。
【0095】一方、Dレンジ圧回路107の油圧はポー
ト230iからドレーンされるため、フォワードクラッ
チ91は解放され、ハイクラッチ制御バルブ180d
と、OVR&R/C制御バルブ201の元圧は共に遮断
されて、ハイクラッチ10は解放される。
【0096】<4−4.クラッチ制御バルブ>次に、パ
イロットバルブ103で調圧されたパイロット圧回路1
02は、ハイクラッチ10を制御するハイクラッチソレ
ノイド190と、OVR&R/C92を制御するOVR
&R/Cソレノイド211と、モード切り換えバルブ1
75を制御するモード切り換えソレノイド260に、そ
れぞれパイロット圧Ppを供給する。
【0097】これら、ハイクラッチソレノイド190
と、OVR&R/Cソレノイド211、モード切り換え
ソレノイド260は、図6に示すように、変速制御コン
トロールユニット80によってデューティ制御される。
【0098】ハイクラッチソレノイド190で調圧され
た信号圧PsolH/Cは、ハイクラッチ制御バルブ1
80のポート180eへ供給される。
【0099】また、OVR&R/Cソレノイド211で
調圧された信号圧PsolOVR/Cは、OVR&R/
C制御バルブ201のポート201eへ供給される。
【0100】ハイクラッチ制御バルブ180は、ポート
180eに供給された信号圧PsolH/Cに応じてス
プール180aを駆動し、ポート180gに供給された
Dレンジ圧回路107からのDレンジ圧Pd(ライン圧
PL)を減圧して、出力ポート180cから制御圧Ph
cとしてモード切り換えバルブ175に供給する。な
お、ポート180dは、ポンプ吸入油路104に接続さ
れている。
【0101】信号圧PsolH/Cは、スプリング18
0b及びDレンジ圧Pdに対抗してスプール180aを
付勢しており、信号圧PsolH/Cの増大に応じて、
制御圧Phcが図7に示すように増大する。
【0102】そして、信号圧PsolH/Cが0のとき
には、ハイクラッチ制御バルブ180は、ポート180
cをポート180dに連通させて、制御圧Phcを抜
く。
【0103】同様に、OVR&R/C制御バルブ201
は、ポート201eに供給された信号圧PsolOVR
/Cに応じてスプール201aを駆動し、ポート201
gに供給されたRレンジ圧回路108からのDレンジ圧
Pd(ライン圧PL)を減圧して、出力ポート201c
から制御圧Povrcとしてモード切り換えバルブ17
5に供給する。なお、ポート201dは、ポンプ吸入油
路104に接続されている。
【0104】信号圧PsolOVR/Cは、スプリング
201b及びDレンジ圧Pdに対抗してスプール201
aを付勢しており、信号圧PsolOVR/Cの増大に
応じて、制御圧Povrcが図7に示すように増大す
る。
【0105】そして、信号圧PsolOVR/Cが0の
ときには、OVR&R/C制御バルブ201は、スプリ
ング201bの付勢力によって出力ポート201cとポ
ート201dを連通させて、制御圧Povrcをポンプ
吸入油路104へ排出する。
【0106】<4−5.モード切り換えバルブ>ハイク
ラッチ制御バルブ180とOVR&R/C制御バルブ2
01から供給される制御圧Phcと制御圧Povrc
は、モード切り換えソレノイド260からの信号圧Ps
olMCに応動するスプール175aを備えたモード切
り換えバルブ175を介して、OVR&R/C92とハ
イクラッチ10へそれぞれ供給される。
【0107】ハイクラッチ制御バルブ180の出力ポー
ト180cと、OVR&R/C制御バルブ201の出力
ポート201cは、それぞれモード切り換えバルブ17
5のポート175d、175gに接続されている。
【0108】モード切り換えバルブ175のポート17
5eは、ハイクラッチ10と連通する一方、ポート17
5hは、シャトル弁271を介してOVR&R/C92
と連通し、これらポート175e、175gの間に形成
されたポート175fは、ドレーンされ、スプール17
5aの変位に応じて、ハイクラッチ10への制御圧Ph
cまたはOVR&R/C92への制御圧Povrcのど
ちらか一方が供給される。
【0109】このため、モード切り換えバルブ175の
スプール175aの端部には、モード切り換えソレノイ
ド260からの信号圧PsolMCを受ける油室175
cが形成されており、信号圧PsolMCがスプリング
175b(または弾性部材)に対向してスプール175
aを押圧する。
【0110】信号圧PsolMCが0のときには、図5
に示すように、スプール175aはスプリング175b
に押し切られて図中上方へ変位し、ポート175dをポ
ート175eと連通して、制御圧Phcをハイクラッチ
10へ供給する一方、ポート175g、175fを連通
させて、シャトル弁271への油圧をドレーンする。
【0111】一方、信号圧PsolMCが最大になる
と、図5において、スプール175aはスプリング17
5bを押し切って図中下方へ変位し、ポート175gを
ポート175hと連通して、制御圧Povrcをシャト
ル弁271を介してOVR&R/C92へ供給する一
方、ポート175e、175fを連通させて、ハイクラ
ッチ10をドレーンさせて解放する。
【0112】<5.動作>次に、各運転状態に応じた動
作について説明する。
【0113】{5.1 N−Dセレクト及び動力循環
(L)モードの前進}停車レンジから前進レンジへ切り
換えると、まず、マニュアルバルブ230からDレンジ
圧回路107へDレンジ圧(ライン圧Pd)が供給され
て、フォワードクラッチ91が締結され、動力循環モー
ドとなる。
【0114】このとき、上記したように、フォワードワ
ンウェイクラッチ93の作用により、動力循環モードで
駆動側(前進側)のみのトルクが伝達され、エンジンブ
レーキ側のトルクは伝達されない。
【0115】したがって、この動力循環モードの前進方
向では、変速制御コントロールユニット80の故障など
によってCVT比icが後退側に変速しても、エンジン
ブレーキ側(逆走側)にトルクが発生することはない。
【0116】アクセルペダルの解放状態(APS=0)
では、特開平10−267117号にも開示されるとお
り、所定のクリープトルクを得るため、図1に示すよう
に、ステップモータ136が前進方向(CVT比icの
大側)に送られる。
【0117】そして、アクセルペダルを踏み込むと、通
常のCVT比icの制御は、車速VSPに対して、所定
の入力軸回転を達成するように制御され、例えば、図9
の変速マップに示すように、アクセル踏み込み量APS
と、車速VSPに応じた目標入力軸回転数Ninが決定
される。
【0118】なお、図9の変速マップにおいて、目標入
力軸回転数Nin/無段変速機出力軸回転数Noが目標
とするCVT比icを示し、回転同期点RSPに対応し
たCVT比icrspと、目標CVT比と車速VSPに
基づいて、運転モードも決定される。なお、このマップ
では、運転モードの切り換えを、回転同期点RSPに対
応したCVT比icrspで行う場合を示している。
【0119】そして、ユニット出力軸回転数Noutを
この目標入力軸回転数Ninで除して、目標のIVT速
度比e=Nout/Ninを算出し、さらに図10のマ
ップより運転モードを考慮して、目標のCVT比icを
算出する。
【0120】その後、目標とするCVT比icから、目
標とする傾転角φを図8のマップなどに基づいて算出
し、ステップモータ136の位置を目標傾転角に対して
フィードバック制御する。
【0121】この動力循環モードのDレンジでは、モー
ドの切り換えソレノイド260に通電(ON)して、信
号圧PsolMCを発生させておけば、モード切り換え
バルブ175のスプール175aは、図5において下方
へ変位し、ポート175eをドレーンポート175fへ
接続することで、変速制御コントロールユニット80等
の故障によって制御圧Phcが発生しても、ハイクラッ
チ10が締結することがなく、したがって、前記従来例
のように回転同期点RSPへ向けた意図しない変速を防
止することができる。
【0122】一方、動力循環モードの前進方向で、エン
ジンブレーキが必要な状況、例えば、運転者がDsレン
ジ等を選択した場合、所定の車速(10Km/h程度)以上
であれば、OVR&R/Cソレノイド211に通電し、
制御圧Povrcを生成するとともに、モード切り換え
ソレノイド260にも通電して信号圧PsolMCを発
生させてモード切り換えバルブ175へ供給し、スプー
ル175aを図5の下方に押し下げて、ポート175h
からポート175gを介して、シャトル弁271から制
御圧Povrcを供給してOVR&R/C92を締結さ
せる。
【0123】ただし、いかなる運転状態においても、所
定車速に達しない極低車速域(車速10Km/ h以下程
度)においては、OVR&R/C92を解放して、エン
ジンブレーキ側のトルクが伝達されるのを防止する。
【0124】なお、OVR&R/C92の解放は、モー
ド切り換えソレノイド260への通電を遮断するだけで
も行うことができ、信号圧PsolMCが0になると、
スプール175aはスプリング175bに押し切られて
図5の上方へ変位し、ポート175gをポート175f
に連通させて、OVR&R/C92の油圧をドレーンす
る。
【0125】このOVR&R/C92を解放する判断
は、所定車速以下で判断してもよいしIVT速度比e
(またはIVT比ii)が、遊星歯車式の自動変速機に
おける1速相当の変速比や、トルクコンバータ付き無段
変速機の最Lo変速比程度になったところで行ってもよ
く、このようにOVR&R/C92を制御することによ
り、低車速領域においてエンジンブレーキ側トルクの伝
達が防止できるため、変速制御コントロールユニット8
0の故障などによる過大なエンジンブレーキを抑制でき
る。
【0126】また、OVR&R/C制御バルブ201に
元圧を供給するポート201gは、Dレンジ圧ポート2
30iからDレンジ圧Pdを受けるようになっている。
【0127】このため、10、11に示したように、傾
転角φがφdよりも大側(CVT比icがicdよりも
Hi側)にあれば、OVR&R/C制御バルブ201の
元圧となるポート201gは、ポート201dを介して
ポンプ吸入油路104に接続されてドレーンされるた
め、制御圧Povrcが発生することはなく、したがっ
て、OVR&R/C92は解放されてエンジンブレーキ
側へのトルクが伝達されることはない。
【0128】すなわち、動力循環モードで前進中に、変
速制御コントロールユニット80が故障して、ギアード
ニュートラルポイントGNPよりもCVT比icのHi
側にステップモータ136が駆動され、かつ、OVR&
R/Cソレノイド211が通電されたとしても、傾転角
φd以上(CVT比icd以下)では、OVR&R/C
制御バルブ201によってOVR&R/C92の元圧
(Dレンジ圧Pd)が遮断されるため、故障による意図
しない変速とエンジンブレーキを防止できる。
【0129】さらに、OVR&R/C92を締結してエ
ンジンブレーキを作用させる動力循環モードの前進時で
は、モードの切り換えソレノイド260の信号圧Pso
lMCを発生させて、モード切り換えバルブ175のス
プール175aが、図5において下方へ押し下げられる
ため、上記したように、ハイクラッチ10を締結するこ
とができず、したがって、OVR&R/C92とハイク
ラッチ10が同時に締結されるのを防いで、回転同期点
RSPへ向けた意図しない変速を防止できる。
【0130】しかしながら、何らかの原因でOVR&R
/C92の制御圧PovrcがOVR&R/C92に供
給された場合においても、図5に示すHIGH側可動規
制機構部(記載手段)302の油室302aに、制御圧
Povrcが導かれストッパ302bを押し上げ、ステ
ップモータ136の可動部136aを所定のCVT変速
比よりHIGH側への移動を規制する。これにより、図
1に示すIVT変速比がGNPを越えて変速することで
生じる意図しないエンジンブレーキを防止できる。制御
圧Povrcが解放されると、HIGH側可動規制機構
部302のストッパ302bがバネ302cにより戻
り、ステップモータ136が可動自在になる。
【0131】{5.2 運転モード切り換え(動循→直
結)}動力循環モードから直結モードへの切り換えを行
う際には、まず、OVR&R/C92を締結している場
合には、OVR&R/Cソレノイド211への通電を遮
断して、速やかにOVR&R/C92を解放する。
【0132】そして、このOVR&R/C92の解放と
同時または少し遅延して、ハイクラッチソレノイド19
0に通電し、制御圧Phcの供給を開始してハイクラッ
チ10を締結する。
【0133】このとき、モード切り換えバルブ175
は、OVR&R/C92の解放時にモード切り換えソレ
ノイド260への通電が遮断されているため、スプール
175aは図5のように上昇して、制御圧Povrcに
係わらずOVR&R/C92を解放するとともに、ハイ
クラッチ10の締結を行うことができる。
【0134】フォワードクラッチ91は、上記表1にも
示したように、Dレンジ(前進レンジ)選択時では常時
締結されているため、動力循環モードの前進方向におけ
る駆動側のトルクは、運転モードの切り換え期間中で
も、フォワードクラッチ91によるトルクの伝達が継続
する。
【0135】ここで、ハイクラッチ10を締結する際に
は、ハイクラッチソレノイド190をノーマルクローズ
式で構成した場合、このソレノイドを制御するONデュ
ーティ比を徐々に増大させることで、ハイクラッチ制御
バルブ180からの制御圧Phcを徐々に上昇させてい
き、ハイクラッチ10の締結に必要な制御圧Phcまで
上昇すると、直結モードに切り替わる。
【0136】さらに前進レンジで、フォワードクラッチ
91を常時締結しておくことで、ハイクラッチ10の締
結状態だけを制御することで、動力循環モードと直結モ
ードの切り換えを迅速かつ容易に行うことができ、フォ
ワードクラッチ91とハイクラッチ10の双方を繋ぎ代
えて運転モードの切り換えを行う場合に比して、運転モ
ードの切り換え制御を大幅に簡略化することができる。
【0137】{5.3 直結(H)モード走行}この直
結モードにおいては、フォワードワンウェイクラッチ9
3の作用により、図2で示したキャリア50から一定変
速機出力軸3cへのトルク伝達を行わないため、ハイク
ラッチ10のみによって、駆動側及びエンジンブレーキ
側の双方のトルクが伝達される。
【0138】したがって、直結モードにおいて、動力循
環モードの前進側で駆動側のトルクの伝達を行うフォワ
ードクラッチ91を締結しておいても、前記従来例のよ
うに回転同期点RSPへ向けた意図しない変速を生じる
ことがない。
【0139】さらに、直結モードで走行中には、モード
の切り換えソレノイド260は非通電(OFF)となっ
て、信号圧PsolMC=0であるから、モード切り換
えバルブ175のスプール175aは図5に示すように
上昇しており、仮に変速制御コントロールユニット80
等の故障によってOVR&R/C制御バルブ201から
制御圧Povrcが発生しても、OVR&R/C92は
モード切り換えバルブ175のポート175g、175
fを介してドレーンされているため、ハイクラッチ10
とOVR&R/C92が同時に締結されることはなく、
前記従来例のように回転同期点RSPへ向けた意図しな
い変速が生じるのを確実に防止できる。
【0140】そして、直結モードでは、図1に示したよ
うに、回転同期点RSPに対応したCVT比icrsp
から最Hi側のCVT比ichiまで、無段変速機構2
で設定可能なすべての変速領域を使用することができ
る。
【0141】{5.4 運転モード切り換え(直結→動
循)}直結モードで走行中に、ハイクラッチソレノイド
190を制御するONデューティ比を下げ、ハイクラッ
チ制御バルブ180からの制御圧Phcを抜いて(低下
させて)いくことで、最終的にハイクラッチ10を解放
すると、締結しているクラッチはフォワードクラッチ9
1のみとなって、直結モードから動力循環モードへ滑ら
かに切り替わる。
【0142】そして、制御圧Phcを抜いた後に、モー
ド切り換えソレノイド260を通電して、ポート175
eをドレーンポート175fに連通させることにより、
運転モードの切り換え時のショックを抑制することがで
きる。
【0143】なお、動力循環モードの前進方向で、エン
ジンブレーキが必要な場合では、上記と同様に、OVR
&R/Cソレノイド211を制御することで、OVR&
R/C92を締結させればよい。
【0144】OVR&R/C92が締結されると、図5
に示すHIGH側可動規制機構部302の油室302a
にも制御圧Povrcが導かれ、ストッパ302bが押
し出され、ステップモータ可動部136aが所定CVT
変速比よりHIGH側へ移動することを規制する。これ
により、図1に示すIVT変速比がGNPを超え、後進
側になることを防止できる。エンジンブレーキの必要が
なくなり、OVR&R/C92の制御圧Povrcが解
放されると、HIGH側可動規制機構部302のストッ
パ302bがバネ302cにより戻り、ステップモータ
136が可動自在となる。
【0145】{5.5 Rレンジ}後退レンジのRレン
ジ走行においては、OVR&R/C92にマニュアルバ
ルブ230、シャトル弁271を介してライン圧PLが
供給され、常時締結となる。
【0146】このとき、Dレンジ圧回路107にはライ
ン圧PL(Dレンジ圧Pd)が供給されないため、信号
圧PsolHCが発生することはない。
【0147】また、シフトコントロールバルブ246の
Phi側の排出ポート246Dは、図5のように、ポン
プ吸入油路104に接続される。
【0148】このRレンジでは、油室30Bの油圧Ph
iに供給される油圧は、ライン圧ポート246Pからの
ライン圧PLとなる。
【0149】一方、Rレンジが選択されると、図5に示
すリバース制御圧PrがLOW側可動規制機構部(規制
手段)301の油室301aに導かれ、ストッパ301
bが押し出され、ステップモータ136の可動部136
aが所定CVT変速比よりLOW側へ移動することを規
制する。
【0150】Rレンジからそれ以外のレンジへ変更され
ると、リバース制御圧Prが解放され、LOW側可動規
制機構部301内のリターンスプリング301cによ
り、ストッパ301bが戻され、ステップモータ136
が可動自在となる。
【0151】次に図11、図12に示す第2の実施形態
について説明する。
【0152】第2の実施形態は、第1の実施形態と比較
して、締結手段のスリーウェイクラッチユニット9をロ
ークラッチ(以下、L/C)94に置き換え、L/C9
4(動循モードで締結)とH/C10(直結モードで締
結)の締結、解放でモードの切り換えを行うものであ
る。
【0153】第2の実施形態では、第1締結手段として
のL/C94と第2締結手段としてのH/C10と選択
的に締結、解放を切り換えることにより、下表のように
運転状態を切り換えることができる。
【0154】
【表2】 ただし、○:締結 ×:解放 である。
【0155】図1に示すCVT比とIVT比との関係
は、第1の実施形態と同様である。
【0156】第2実施形態の概略構成図を図12に示
す。第1実施形態に対してOVR&R/C92、FWD
/OWC93を削除し、FWD/C91とほぼ同様の作
用を有するL/C94を設置したもので、他の構成は同
様である。
【0157】まずNレンジまたはPレンジの時には、L
/C94とH/C10をともに解放することでキャリア
50はフリーとなって、サンギア5aの回転に応じて空
転し、リングギア5cにはトルクが伝達されない。
【0158】後進レンジとしてのRレンジの時には、L
/C94を締結することでキャリア50と一定変速機出
力軸3cを結合し、サンギア5aに伝達された無段変速
機2からのトルクをピニオン5bとリングギア5cへそ
れぞれ分割して伝達し、図1に示すようにIVT速度比
eが負となる動力循環モードの後進方向となる。
【0159】一方、前進モードとしてのDレンジでは、
動力循環モードと直結モードでクラッチの締結状態が異
なる。
【0160】まず、Dレンジの動力循環モードでは、L
/C94を締結することで、一定変速機出力軸3cから
L/C94を介してキャリア50へトルクを伝達し、図
1に示すように、IVT速度比eが正で、ギアードニュ
ートラルポイントGNPから回転同期点RSPの範囲で
CVT比icおよびIVT変速比を制御することができ
る。
【0161】次に、Dレンジで回転同期点RSPの近傍
の変速比において、H/C10を締結させ、L/C94
とともに締結状態とし、その後、L/C94を解放する
ことで直結モードとなり、図1に示すように、IVT速
度比eが回転同期点ersp以上の領域で変速を行うこ
とができる。
【0162】無段変速機の変速制御は第1実施形態と同
様である。 <6.動作>本実施例の動作についてはステップモータ
6136の可動を規制することにより、運転者の意図し
ないエンジンブレーキを防止する点ついて、以下説明す
る。 {6.1 N−Dセレクト}停止レンジから前進レンジ
に切り換えると、まず、マニュアルバルブ6230から
Dレンジ圧回路6107へDレンジ圧(ライン圧PL)
が供給されて、L/C94が締結され、動力循環モード
となる。
【0163】アクセルペダルの解放状態(ASP=0)
では、所定のクリープトルクを得るために図1に示すよ
うに、ステップモータ6136が前進方向(CVT比i
cの大側)に送られる。
【0164】ここで、基本的な変速制御は、前述した第
1実施形態と同じである。
【0165】L/C94に油圧が供給されると、HIG
H側可動規制機構部6302にも油圧が供給されてスト
ッパ6302bが押し出され、ステップモータ可動部1
36aが所定CVT変速比よりHIGH側へ移動するこ
とを規制する。これにより、図1に示すIVT変速比が
GNPを超え、後進側になることを防止できる。
【0166】また、N、P、Rレンジに切り換えられる
とL/C94の油圧が解放され、HIGH側可動規制機
構部6302のストッパ6302bがバネ6302cに
より戻され、ステップモータ6136が可動自在とな
る。 {6.2 Rレンジ}後退レンジのRレンジにおいて
は、L/C94にマニュアルバルブ6230、シャトル
弁6271を介してライン圧PLが供給され、L/C9
4は常時締結状態となる。Rレンジにおける変速制御
は、第1実施形態ではRレンジ制御圧PrがOVR&R
/C92に供給されているのに対して、第2実施形態で
は、Rレンジ制御圧PrがL/C94に供給される点が
異なるだけで、その他は同様である。
【0167】Rレンジが選択されると、図12に示すリ
バース制御圧PrがLOW側可動規制機構部6301に
導かれ、ストッパ6301bが押し出され、ステップモ
ータ136の可動部136aが所定CVT変速比よりL
OW側へ移動することを規制する。これにより、運転者
の意図しない過大なエンジンブレーキを防止することが
できる。
【0168】Rレンジからそれ以外のレンジに切り換え
ると、リバース制御圧Prが解放され、LOW側可動規
制機構部6301内のリターンスプリング6301cに
より、ストッパ6301bが戻され、ステップモータ6
136が可動自在となる。
【0169】第3の実施形態の構成図を図13に示す。
【0170】本実施形態は他の実施形態とセレクトレバ
ーの位置を検出する装置503と、電気式ステップモー
タストッパとしてのLOW側可動規制機構部501とH
IGH側可動規制機構部502と、これらを制御するス
テップモータストッパ制御装置500を有する点で異な
る。
【0171】本実施形態の効果は他の実施形態と同様で
あるので割愛し、ここではステップモータストッパ制御
装置500が行うステップモータ236の位置規制の制
御内容について図14のフローチャートに基づいて以
下、説明する。
【0172】まずステップS1で、セレクトレバー位置
検出装置503を用いて、セレクトレバーの位置がDレ
ンジもしくはRレンジであるか検出する。それ以外のレ
ンジにある時にはこの判定を繰り返し行い、Dもしくは
RレンジのときのみステップS2に進む。
【0173】ステップS2ではDレンジであることを判
定し、Dレンジの場合にはステップS3に進み、Rレン
ジの場合にはステップS4に進む。
【0174】ステップS3でHIGH側可動規制機構5
02を作動し、ステップモータ236がHIGH側に移
動しないように規制する。
【0175】次いでステップS5では、IVT変速比と
モード切り換え点のIVT変速比であるIVTrspと
の大小関係を判定し、IVT変速比がIVTrspより
大きい場合には、ステップS6に進んで、HIGH側可
動規制機構502による規制を解除し、ステップモータ
236がCVT比のHIGH側に最大限移動できる状態
とする。IVT変速比がIVTrsp以下の場合には、
ステップS3の制御状態を維持し、ステップS1から制
御を繰り返す。
【0176】ステップS4では、LOW側可動規制機構
501を作動し、ステップモータ236がLOW側に移
動しないように規制する。
【0177】次いでステップS7で、セレクトレバーが
Rレンジ以外を選択したかどうかを判断し、Rレンジ以
外を選択した場合にはステップS8でLOW側可動規制
機構501による規制を解除し、ステップモータ236
がCVT比のLOW側に最大限移動できる状態とする。
Rレンジを維持している場合には、ステップS4の制御
状態を維持し、ステップS1から制御を繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機の変速比(CVT比)とユニット変
速比(IVT比)の逆数の関係を示すマップ。
【図2】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変
速機の概略構成図。
【図3】トロイダル型無段変速機の概略図。
【図4】トロイダル型無段変速機の変速機構を示す概念
図。
【図5】変速制御装置の油圧回路図。
【図6】変速比無限大無段変速機の制御概念図。
【図7】信号圧と制御圧の関係を示すグラフである。
【図8】傾転角φとCVT比icの関係を示すマップで
ある。
【図9】車速VSPとアクセル踏み込み量APSに応じ
た目標入力軸回転数Ninのマップで、図中波線がCV
T比icを示す。
【図10】IVT速度比eとCVT比icに応じた運転
モードのマップである。
【図11】第2の実施形態を示す変速制御装置の油圧回
路図。
【図12】第2実施形態の変速比無限大無段変速機の概
略構成図。
【図13】第3実施形態を示す変速制御装置の油圧回路
図。
【図14】第3実施形態のステップモータストッパの制
御方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ユニット入力軸 2 無段変速機 3 一定変速機 3c 一定変速機出力軸 4 無段変速機出力軸 5 遊星歯車機構 6 ユニット出力軸 9 3ウェイクラッチユニット 10 ハイクラッチ(H/C) 50 キャリア 80 変速制御コントロールユニット 83 車速センサ 85 インヒビタスイッチ 91 フォワードクラッチ(FWD/C) 92 オーバーラン&リバースクラッチ(OVR&R/
C) 93 フォワードワンウェイクラッチ(FWD/OW
C) 107 Dレンジ圧回路 108 Rレンジ圧回路 120 アキュームレータ 136 ステップモータ 175 モード切り換えバルブ 180 ハイクラッチ制御バルブ 190 ハイクラッチソレノイド 201 オーバーランクラッチ制御バルブ 211 オーバーランクラッチソレノイド 230 マニュアルバルブ 246 シフトコントロールバルブ 260 モード切り換えソレノイド 271 シャトル弁 301 LOW側可動規制機構部 302 HIGH側可動規制機構部
フロントページの続き Fターム(参考) 3J552 MA09 MA29 NA01 NB01 PB01 PB10 RA28 RB01 SA46 SA47 SB13 SB14 VA32Z VA36Z VA62Z VA74W VA74Y VB01Z VC03Z VD02Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速比を連続的に変更可能な無段変速機
    と一定変速機とをユニット入力軸にそれぞれ連結すると
    ともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機
    構と複数の締結手段を介してユニット出力軸に連結した
    変速比無限大無段変速機と、 車両の運転状態に応じて前記複数の締結手段を選択的に
    締結して動力循環モードあるいは直結モードの一方の走
    行モードを選択するクラッチ制御手段と 運転状態に基づき変速比無限大無段変速機の目標変速比
    である目標ユニット変速比を演算する手段と、 前記目標ユニット変速比に基づき無段変速機の目標変速
    比を演算する手段と、 前記無段変速機の目標変速比に基づき変速制御弁を車両
    の前進時および後進時にわたって制御する1つのアクチ
    ュエータとを備えた変速比無限大無段変速機の制御装置
    において、 前記クラッチ制御手段により動力循環モードが選択され
    たときに進行方向が前進側の場合、前記無段変速機の変
    速比が前後進の中立位置であるギアードニュートラルポ
    イントよりHIGH側にならないよう前記アクチュエー
    タの移動を阻止する規制手段と、進行方向が後進側の場
    合、前記変速比がギアードニュートラルポイントよりL
    OW側にならないよう前記アクチュエータの移動を阻止
    する規制手段との少なくとも一方を備えることを特徴と
    する変速比無限大無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記規制手段は油圧式アクチュエータに
    より駆動される前記アクチュエータの移動を阻止するス
    トッパであることを特徴とする請求項1に記載の変速比
    無限大無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記規制手段は電気式アクチュエータに
    より駆動される前記アクチュエータの移動を阻止するス
    トッパであることを特徴とする請求項1に記載の変速比
    無限大無段変速機の制御装置。
JP2000366896A 2000-12-01 2000-12-01 変速比無限大無段変速機の制御装置 Pending JP2002168341A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366896A JP2002168341A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 変速比無限大無段変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366896A JP2002168341A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 変速比無限大無段変速機の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002168341A true JP2002168341A (ja) 2002-06-14

Family

ID=18837435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000366896A Pending JP2002168341A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 変速比無限大無段変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002168341A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3458818B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
EP0779453B1 (en) Continuously variable transmission
EP1271006B1 (en) Automatic transmission control system
JP2001165296A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JP4291555B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3508689B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP3508690B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP4048625B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JP3726685B2 (ja) クラッチ装置
US6317672B1 (en) Controller for infinite speed ratio transmission
JP2002168341A (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2003014098A (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2001280476A (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2000198375A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JPH09166215A (ja) 無段変速機
JP2002168328A (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JPS61105361A (ja) 車両用無段変速装置
JPH1054458A (ja) 自動変速機用油圧制御装置
JP3584774B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2001082595A (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2001241547A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JPH1194062A (ja) トロイダル型無段変速機の油圧制御装置
JPH11247983A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速御装置
JP2002213492A (ja) クラッチ装置
JP2000055178A (ja) 変速比無限大無段変速機のトルク伝達力制御装置