JP2002167762A - 法面施工機と法面の施工方法 - Google Patents

法面施工機と法面の施工方法

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JP2002167762A
JP2002167762A JP2000364378A JP2000364378A JP2002167762A JP 2002167762 A JP2002167762 A JP 2002167762A JP 2000364378 A JP2000364378 A JP 2000364378A JP 2000364378 A JP2000364378 A JP 2000364378A JP 2002167762 A JP2002167762 A JP 2002167762A
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slope
inclined surface
rail
gantry
construction machine
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JP2000364378A
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English (en)
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Satoru Nishimura
悟 西村
Akira Yasumizu
晃 安水
Shigenori Matsushita
重則 松下
Takanori Hata
孝典 畑
Norishige Muto
教重 武藤
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】傾斜面における掘削から植生までの一連の法面
施工を安全に且つ効率良く行うことができる法面の施工
方法を提供する。 【解決手段】法面施工機1 は、傾斜面2 に沿って上下方
向に平行に敷設された一対のレール3 上を自走する架台
6 上に作業台7 を前後及び左右に移動可能に設置してい
る。作業台7 上には旋回可能な作業機11が設置されてい
る。法面の施工に際して、作業台7 上の運転室9 からの
操作に基づき、動力源11を介してレール3 に沿って法面
施工機1 を上下、前後及び左右に移動させる。上下方向
の移動時に、法面施工機1 の移動の妨げとなる傾斜面2
の地山の一部を掘削する。作業機11は、傾斜面2 に沿っ
た上下方向、傾斜面2 に対する前後、左右方向の三方向
に移動することができる。作業機11の動きに自由度が増
え、法面施工機1 の作業範囲が大幅に拡大でき、作業効
率が大幅に向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は法面施工機と法面の施工
方法に係わり、特に、可能な限り傾斜面を自然状態に維
持しつつ、その掘削から植生までの施工を安全に且つ効
率良く法面の形成を可能にする法面施工機とその施工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、傾斜地の斜面の安定や保護を
図るために、例えば特開平6−306867号公報や特
開平7−292963号公報に開示されているように、
各種の法面施工方法が知られている。
【0003】各公報に開示された急傾斜地の掘削方法
は、先ず、急傾斜地の傾斜下方位置に立設した構台基礎
支柱に支持された作業構台を構築する。その作業構台上
に設置された掘削機を使用して、作業構台に近接した第
1傾斜面を一定の傾斜勾配及び幅で平坦面に掘削し、そ
の第1傾斜面の領域内の左右側部に所定の間隔をもって
最下段の第1レールを上下方向に平行に敷設する。次
に、その第1レール上に掘削架台を上下動可能に架け渡
して設置すると共に、その掘削架台上に前記掘削機を搭
載する。
【0004】掘削架台を第1レール上に沿って所望の位
置に移動させたのち、掘削架台上の掘削機を使って、第
1レールが敷設された掘削領域の上段側の第2傾斜面を
前記勾配と同じ傾斜勾配と幅をもって平坦面に掘削す
る。その第2傾斜面の領域内の両側に第1レールに連続
させて上段側に第2のレールを平行に敷設する。第2レ
ールを敷設したのち、同第2レール上に掘削架台と共に
掘削機を移動させる。
【0005】次に、掘削架台上の掘削機により、第2レ
ールが敷設された掘削領域の上段側に、前記第2傾斜面
と同様の第3傾斜面を一定の傾斜勾配と幅をもって平坦
に掘削したのち、第2レールに連続させて第3レールを
平行に敷設する。こうして、急傾斜地の傾斜面の上方側
に向けて、傾斜面の掘削、レールの設置、及び掘削架台
の移動を順次繰り返して、最上段の傾斜面にレールの敷
設が完了したのち、その最上段の傾斜面の仕上げ掘削及
び法面整形を行う。
【0006】こうして、所望の法面が形成されたのち
は、最上段の傾斜面に敷設されたレール上の掘削架台を
掘削機と共に下方側に既設された次段のレール上に下降
移動させる。このレールの撤去を下方に向けて順次行
い、所定幅の法面の施工が完了する。次いで、同様の操
作を繰り返して、隣接する傾斜地に順次法面を形成す
る。
【0007】また、掘削深度の必要な急傾斜地の傾斜面
をさらに掘削する場合には、最上段の傾斜面の仕上げ掘
削及び法面整形を終了したのち、掘削架台の下方側に既
設された下段のレール上に掘削架台と共に掘削機を下降
移動させる。その掘削架台の移動前の上段側のレールを
掘削架台上で撤去したのち、そのレールが撤去された領
域内の傾斜面の仕上げ掘削及び法面整形を行う。
【0008】このように、傾斜面の下方側に向けて、レ
ールの撤去、傾斜面の掘削、及び掘削架台の移動を順次
繰り返して、最下段の上記第1レール上に到達したの
ち、掘削架台上の掘削機を上記作業構台に降ろす。次い
で、その作業構台上で掘削架台を最下段の第1レール上
から取り外して第1レールを撤去したのち、その第1レ
ールの領域内に対応する第1傾斜面の仕上げ掘削及び法
面整形を行い、一スパン分の作業を終了する。
【0009】こうした従来の急傾斜地の掘削方法によれ
ば、傾斜面の掘削及びレールの設置を順次繰り返してレ
ール上に沿って掘削架台を急傾斜地に移動させていくた
め、仮設足場を掘削範囲全体にわたって組み立てるよう
な面倒な作業を行う必要がなく、安全に且つ短時間で機
械的に掘削することができるという利点等があるとして
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の急傾斜地の掘削
方法は、上記各公報の全記載からも明らかなように、急
傾斜地を略一定の幅及び傾斜勾配で掘削し、掘削された
平坦な傾斜面の左右端に所定の間隔をもってレールを直
線状に敷設している。法面のレール敷設にあたっては、
従来の掘削設備の掘削架台はレールの敷設角度に応じて
水平状態を確保すると共に、単にレールの走行面に対し
て平行に上下動するだけであって、レールに沿った上下
方向以外の方向には移動できない。一方、この掘削架台
に搭載された自走式掘削機は、架台上を左右方向に自走
する。従って、掘削機自体が傾斜地の斜面に対して前後
に移動することができず、斜面に対して前後方向の掘削
範囲も自ずと制限されることになる。
【0011】レールの敷設時には、一対のレールの敷設
面を含む各レール間の全ての傾斜面を平坦で且つ同一勾
配となるように掘削するため、レールの敷設面から突出
する周辺の地山の全てを掘削せざるを得ず、その傾斜面
の掘削量が多く、且つ掘削領域も広いため、作業量が増
大し、掘削時間も大幅にかかるようになる。また、自然
の景観を極力維持した状態で法面の施工を行ないたい場
合があっても、掘削架台は直線上に敷設されるレールの
走行面に平行に上下動するだけであって、その移動範囲
は略一定に規定されるため、掘削架台は傾斜勾配の異な
る自然状態にある傾斜面を残した状態で移動することは
できない。
【0012】また、前記掘削架台では、レールの走行面
よりも上方側にあって、レールに沿う上下方向に向けて
移動させる以外には移動できないため、前記掘削架台に
搭載された自走式掘削機の掘削範囲は略一定に規定され
る。その結果、幅方向に対する一スパン分の作業範囲が
狭くなり、幅方向に対するレールの敷設頻度が増加して
作業効率が悪化する。
【0013】また、前記掘削架台は、その機能上、レー
ル周辺の地山と干渉しないように地山との間にクリアラ
ンスを確保する必要がある。表面の起伏が多い傾斜面に
あっては、必然的にレールの設置面を含む各レール間の
全ての傾斜面の掘削、レールの設置、及び掘削架台の移
動を順次繰り返しながら、法面施工を行なわざるを得え
ないため、作業工程が多く煩雑になりやすく、法面施工
の作業時間の増大に繋がる。
【0014】本発明は、上記課題を解決すべくなされた
ものであり、左右に所定の間隔をもって、自然状態にあ
る傾斜面に沿って上下方向に屈曲する一対の平行なレー
ルを敷設すると共に、同レール上を移動しながら法面を
施工することを可能にした法面施工機を提供することを
第1の目的とし、更には、法面施工機の移動の妨げとな
る自然状態にある傾斜面の一部を掘削して傾斜面を可能
な限り自然状態に維持しつつ、傾斜面における掘削から
植生までの一連の法面施工を安全に且つ効率良く行うこ
とができる法面の施工方法を提供することを第2の目的
としている。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本件請求項
1に係る発明は、左右に所定の間隔をもって、傾斜面に
沿って上下方向に平行に敷設された一対のレール上を上
下方向に移動して法面を形成する法面施工機であって、
前記レール上に架け渡され、同レール上を移動可能な架
台と、同架台に設置され、同架台に対して少なくとも前
記傾斜面に向けて前後進可能な作業台とを備えてなり、
前記作業台上に運転室、動力源及び作業機などの各種設
備が設置されてなることを特徴とする法面施工機にあ
る。
【0016】本発明の法面施工機は、傾斜面に沿って上
下方向に平行に敷設された一対のレールと、同レール上
を自走する架台と、同架台との間で前後方向及び左右方
向に相対移動可能に設置される作業台と、同作業台上に
設置される各種設備とを備えている。この法面施工機の
代表的な実施態様としては、例えば架台が一対のレール
を横断する方向に移動可能とすると共に、作業台が架台
上を斜面に向けて前後方向に移動可能とするように構成
する。この作業台上には、作業機が、例えば旋回可能に
設置される。前記作業台は傾斜面に対して水平面上にあ
って、前記運転室からの操作に基づき、動力源を介して
前記架台の移動と共にレールに沿って上下方向に移動
し、更には前記架台上を前後及び左右方向に移動する。
【0017】従って、前記作業機は、傾斜面に沿った上
下方向、傾斜面に対する前後、左右方向の三方向に移動
することができる。このため作業機の動きに自由度が増
え、法面施工機の作業範囲を大幅に拡大することができ
ると共に、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0018】また、前記作業機は、傾斜面に対して前後
及び左右の二軸方向に移動可能に配されるため、自然状
態にある傾斜面との干渉を避けて、前記作業台の移動の
妨げとなる傾斜面を乗り越えて移動したり、或いは前記
作業台の移動の妨げとなる地山の一部を掘削すればよ
く、傾斜面が自然状態を残して自然の景観が維持された
法面の施工を行なうことができる。更に、前記作業台を
備えることにより、従来のごとく傾斜面の掘削、レール
の設置、及び架台の移動からなる作業手順にこだわるこ
となく、前記傾斜面の形態に応じて作業内容を選択して
所望の手順で法面の施工を行なうことができる。
【0019】請求項2に係る発明は前記作業台は斜面に
対して前後及び左右の双方向に移動可能に前記架台に設
置されていることを特徴としており、請求項3に係る発
明は前記作業機は自走式作業車両であり、少なくとも前
記作業台上を左右方向に自走可能に配されていることを
特徴としている。
【0020】請求項2に係る発明にあっては、作業台と
架台との間に移動基台を介装して、前後方向及び左右方
向に延びる案内軌道に案内されて、作業台が双方向に移
動する。また、請求項3に係る発明のように、作業機が
自走式作業用車両である場合には、架台に設置される作
業台は架台に対して単に前後方向に移動可能とし、自走
式作業用車両を作業台上で左右方向に走行可能に設置す
ればよい。作業台と自走式作業用車両の移動方向は逆で
あってもよい。
【0021】すなわち、これらの発明にあっては、前記
作業機が傾斜面に沿った上下方向、傾斜面に対する前後
及び左右の三方向に移動可能となり、作業機による作業
範囲は、前記三方向の移動範囲に作業機自体の作業範囲
を加えたものとなるため、法面施工機の作業範囲を大幅
に拡大することができる。
【0022】請求項4に係る発明にあっては、前記架台
に、二本の前記レール間の捩れを矯正する捩れ矯正機構
を設けることを特徴としている。この発明の捩れ矯正機
構は、例えばボールジョイントや揺動式アクチュエータ
等の従来から広く知られた周知の構造を有する揺動機構
を効果的に使用することができる。
【0023】自然状態にある異なる傾斜勾配を有する傾
斜面によって、たとえ相対する二本のレールが互いに上
下方向に互い違いに変化して捩れた状態で設置される部
位があっても、二本のレール間のそれぞれの傾斜角度に
応じて、前記捩れ矯正機構が自動的に作動して前記架台
の姿勢を水平状態に矯正する。
【0024】この捩れ矯正機構を備えることにより、前
記架台は、傾斜面に対して自動的に水平状態に矯正され
るため、前記架台を常に傾斜面に対して水平面上に維持
することができ、前記作業台上での各種の作業が安全に
なされ、その安全性が充分に確保される。
【0025】本発明の法面の施工方法は、以上の施工機
を使って効果的に実施される。その代表的な方法が、請
求項5に係る発明であり、上記請求項1記載の施工機を
用いて法面を施工する方法であって、自然状態にある傾
斜面に沿って左右に所定の間隔をおいて上下方向に平行
に一対の主レールを敷設すること、前記一対の主レール
上に上記施工機を設置すること、上記施工機の作業台を
前記一対の主レールに沿って上下方向に移動させるこ
と、及び上下方向の移動時に、上記施工機の移動の妨げ
となる前記傾斜面の一部を掘削することを含んでいるこ
とを特徴としている。
【0026】この発明は、傾斜面の傾斜下方位置から上
方に向けて法面の施工を行う場合と傾斜面の高所から下
方に向けて法面の施工を行う場合との双方を含んでい
る。
【0027】この発明によれば、先ず、左右に所定の間
隔をおいて自然状態にある傾斜面に沿って上下方向に平
行に一対の主レールを敷設する。次に、その主レール上
に上記法面施工機の架台を上下動可能に設置すると共
に、その架台上に上記法面施工機の作業台を少なくとも
前後進可能に設置する。前記作業台を前記架台を介して
レール上に沿って所望の位置に移動させ、この作業台を
更に傾斜面に対して前後或いは左右に移動させたのち、
例えば前記作業台上の掘削機を使って、上記架台が乗り
越えて移動することが不可能なレール間から突出する地
山の一部を掘削する。こうして地山の一部を掘削しなが
ら、順次レールを接続して敷設し、所要の高さ位置に到
達させる。その掘削作業終了後に、次の法面整形に移
る。本発明にあっては、従来のごとき仕上げ掘削を必ず
しも必要としない。
【0028】この発明にあっては、上記請求項1記載の
法面施工機を用いて、同法面施工機を上下方向に移動さ
せるとき、同法面施工機の移動の妨げとなる傾斜面の一
部だけを掘削することにより、可能な限り地山を残して
自然の景観を維持した状態で法面保護施工を行なうこと
ができる。従来のごとく同一勾配を有する平坦な傾斜面
を得るための掘削、同傾斜面へのレールの設置、及び架
台の移動からなる作業手順を順次繰り返して法面整形す
る場合と較べると、作業効率が大幅に向上され、作業期
間を大幅に短縮することができる。
【0029】請求項6に係る発明は、自然状態にある傾
斜面に沿って屈曲して敷設された前記主レールの接続端
を枕体を介して傾斜面に固定支持することを含んでいる
ことを特徴としている。自然状態にある斜面にあって
は、起伏が多いため、主レールを上下方向に同一の勾配
で敷設することは難しい場合がある。本発明にあって
は、自然状態にある地山の傾斜面に沿ってレールを敷設
するにあたり、地山を越えて延在するレール部分を高さ
の異なる枕体を介して支持固定し、次に敷設するレール
の後端を前記レールの先端に屈曲状態で接続させて、次
の敷設部の傾斜面に沿わせるようにする。
【0030】本発明によれば、前記主レールと傾斜面と
の間には異なるクリアランスが生じるが、上述のごとく
上記作業台はレールの間に入り込んで傾斜面に接近し、
或いは傾斜面から遠ざかることができるため、自然状態
にある傾斜面の形態に差ほど左右されることなく、その
傾斜面に沿って主レールを敷設することができる。
【0031】従来のごとく全ての傾斜面の土壌等を略一
定の幅方向及び傾斜勾配で掘削し、法面整形する場合と
較べると、本発明は多様な傾斜勾配を有する傾斜面に適
用することができると共に、地山の一部を残して自然状
態にある傾斜面に沿って作業を容易に且つ効率的に行う
ことができ、法面施工後の傾斜地の景観を略自然のまま
に残すことができる。
【0032】請求項7に係る発明にあっては、傾斜面に
沿って高所から下方向に向けて法面を施工するにあたっ
て、上記主レールの敷設に先立って前記高所に掘削によ
り水平面を形成し、同水平面に補助レールを敷設したの
ち、補助レールの先端に傾斜面に沿って敷設こされる前
記主レールの一端を接続することを含んでいることを特
徴としている。
【0033】この発明は、傾斜地の高所から下方向に向
けて傾斜面に沿って法面を施工する際には、前記高所に
形成した水平面上に補助レールを敷設したのち、その補
助レールの先端に上記主レールの一端を傾斜下方向に屈
曲させて接続する。次いで、前記補助レールに上記法面
施工機を設置したのち、下方に向けて上記請求項5記載
に係る発明と同様に法面の施工を行う。
【0034】この発明によれば、前記補助レールが水平
面の地盤上に設置されるため、同レールに架台や作業
台、各種の機械や資材等を容易に且つ効率的に設置する
ことができると共に、前記補助レールから傾斜下方向の
前記主レールに向けて上記法面施工機を移動させること
を容易にし、且つ作業の安全性が確保されると共に、作
業時間を短縮して円滑で且つ効率的な法面の敷設作業が
実現できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
の代表的な第1実施形態である法面施工機1の一例を模
試的に示す側面図、図2は図1の矢視A方向からみた正
面図であり、図3及び図4は本発明の代表的な法面の施
工手順の一例を概略的に示す側面図である。
【0036】図1及び図2において、左右に約10m程
度の間隔をおいて、高さが約20m以上の自然状態にあ
る傾斜面2に沿って平行に一対の主レール3,3が連続
して敷設されている。図示例によれば、主レール3は同
一寸法を有する複数個のレールから構成されており、主
レール3と傾斜面2との間には傾斜面2の起伏形態に応
じて異なる高さを有する枕体5が介在されている。単一
の主レール3の中間部は、前記枕体5を介してアンカー
ボルト4(ロックボルト4)にて傾斜面2上に固定支持
されると共に、その主レール3の接続端はピン3aによ
り屈曲して接続されている。
【0037】自然状態にある斜面にあっては、起伏が多
いため、多様な傾斜勾配を有する傾斜面2に沿って主レ
ール3を敷設する際には自然状態にある地山を越えて主
レール3を前記枕体5を介して支持固定し、次に敷設す
る主レール3の後端を前記ピン3aを介して先に敷設さ
れた主レール3の先端に屈曲状態で接続させる。
【0038】一対の主レール3,3上には、第1実施形
態である法面施工機1が昇降可能に設置されている。こ
の法面施工機1は一対の主レール3,3上に沿って上下
動可能に架け渡された架台6と、同架台6上に前後及び
左右の二方向に移動可能に設置された本発明の主要な構
成の一部をなす作業台7とを備えている。作業台7上に
は機体8が設置されており、機体8には運転室9、動力
源10及び作業機11等が装備されている。
【0039】前記架台6は、敷設された一対の主レール
3,3の間の設定間隔寸法よりも長い寸法を有してお
り、平面視で略矩形をなしている。自然状態にある傾斜
面2の地山との干渉を避けるため、前記架台6は、例え
ば平面からみて傾斜面2に向けて開口する門型形状を呈
することもできる。この架台6の前端部は、主レール3
に沿って移動可能に配された一対の架台移動部材6a,
6aを介して揺動可能に支持されると共に、架台6の後
側下面部は前記架台移動部材6aを介して一対の架台支
持部材6b,6bに揺動可能に支持されている。架台6
の下面中間部の両端と一対の架台支持部材6b,6bの
中間部とを揺動可能に連結する一対の油圧シリンダ6
c,6cにより、架台6の床面が水平状態に保持されて
いる。
【0040】前記架台移動部材6aは、例えば減速機を
介して動力源10により駆動される昇降用モータと接続
したピニオンを介して、主レール3に形成されたラック
に噛合している。前記架台6の移動及び停止は運転室9
からの操作により前記昇降用モータを駆動及び停止して
行われる。前記ラックの歯面とピニオンの歯面との間に
は適当な隙間があり、互いの噛合いに自由度をもたせて
いるため、自然状態にある傾斜面2に沿って屈曲して敷
設された主レール3の接続端を円滑に移動することがで
きる。
【0041】更に、この架台6には、各主レール3の間
の捩れを矯正する図示を省略した捩れ矯正機構が設けら
れている。この捩れ矯正機構は、例えばボールジョイン
トや揺動式アクチュエータ等の従来から広く知られた周
知の構造を有する揺動機構を使用している。
【0042】第1実施形態によれば、前記捩れ矯正機構
は、例えば一方の前記架台移動部材6aと架台6の前端
部との間に設けられると共に、他方の前記架台移動部材
6aと架台支持部材6bとの間に設けられている。自然
状態にある異なる傾斜勾配を有する傾斜面2によって一
対の主レール3,3が上下方向に互い違いに傾いて設置
されているとき、二本の主レール3,3の間のそれぞれ
の傾斜角度に応じて前記捩れ矯正機構が作動して前記架
台6の姿勢を水平状態に矯正するようになっている。
【0043】この捩れ矯正機構を備えることにより、各
主レール3間のそれぞれの傾斜角度に応じて、傾斜面2
に対して前記架台6を水平状態に自動的に矯正すること
ができ、前記架台6は常に傾斜面2に対する水平面上に
維持される。このため、前記作業台7上では各種の作業
を安全に行うことができる。
【0044】前記作業台7は、敷設された一対の主レー
ル3,3の設定間隔寸法よりも短い寸法を有しており、
平面からみると略矩形をなしている。この作業台7に
は、例えば図示せぬ補助台を装着することもでき、作業
台7は、作業を安全に且つ効率的に行うために運転室
9、動力源10、作業機11等の各種の設備や図示せぬ
鉄骨材等の資材を設置し得る大きさを有している。作業
台7は移動基台7aを介して、前記傾斜面2に対して前
後及び左右方向に相対移動可能に前記架台6上に取り付
けられている。この移動基台7aは傾斜面2に対して前
後及び左右の双方向に延びる案内軌道に案内されて作業
台7を前後及び左右方向に移動させるようになってい
る。作業台7の移動操作は運転室9からの操作によって
行われる。
【0045】作業台7と架台6との間に介装された移動
基台7aには従来から広く知られた周知の構造を使用す
ることができる。この移動基台7aは、例えば所定の間
隔をおいて前記架台6の上面部に前後方向に向けて設け
られた一対のガイド部材に嵌合して摺動可能に配された
第1摺動ブロック体と、所定の間隔をおいて前記作業台
7の下面部に左右方向に向けて設けられた一対のガイド
部材に嵌合して摺動可能に配された第2摺動ブロック体
とを有している。同第2摺動ブロック体は前記第1摺動
ブロック体の上面部に固着されている。
【0046】前記架台6には、例えば減速機を介して動
力源10により駆動されるサーボモータ、チェーン、又
は動力源10により駆動される油圧シリンダ等の駆動ユ
ニットが備えられている。前記移動基台7aの第1及び
第2摺動ブロック体は、例えば前記架台6に装備された
駆動ユニットの駆動により前記架台6に設置されたガイ
ド部材に沿って前後方向に摺動するようになっている。
一方の前記作業台7には、同じく前記駆動ユニットが備
えられている。作業台7に設置されたガイド部材は、例
えば前記駆動ユニットに駆動され、前記移動基台7aの
第2摺動ブロック体を介して左右方向に摺動するように
なっている。従って、前記作業台7は前記架台6との間
で前後及び左右方向に相対移動する。前記ガイド部材の
設置方向は逆であってもよい。
【0047】前記作業台7上に設置される作業機11と
して、例えば作業台7上に装備された旋回、上下動可能
な作業装置、或いは油圧ショベル12等の各種の自走式
作業用車両などを使用することができる。この第1実施
形態にあっては、前記作業台7上に設置される機体8
は、掘削機、穿口機や吹付機等の作業装置を装着可能な
図示せぬ取付台等を有している。図示例によれば、機体
8の前部寄りに吊りフックを備えた掘削機11aが垂直
軸線周りに旋回可能に装備されると共に、削孔機11b
が備えられている。
【0048】作業機11が自走式作業用車両である場合
には、架台6上に設置される作業台7は架台6に対して
単に前後方向に移動可能に設置し、作業台7上に搭載さ
れる自走式作業用車両を作業台7上で左右方向に走行可
能に設置する。この場合には作業台7と自走式作業用車
両との移動方向は逆にすることもできる。
【0049】前記作業台7は傾斜面2に対して水平面上
にあって、前記運転室9からの操作に基づいて、動力源
10を介して前記架台6の移動と共にレール3に沿って
上下方向に移動し、前記架台6上を前後及び左右方向に
移動するため、これらの作業機11は、傾斜面2に沿っ
た上下方向、傾斜面2に対する前後方向及び左右方向の
三方向に移動する。作業機11の作業範囲は三方向の移
動範囲に作業機11自体の作業範囲を加えたものとなる
ため、作業機11の動きに自由度が増して、法面施工機
1の作業範囲が大幅に拡大できると共に、作業効率を大
幅に向上させることができる。
【0050】前記作業機11は、上述のごとく三方向に
移動可能に配されるため、法面施工時に、架台6が移動
の妨げとなる自然状態にある傾斜面2を乗り越えて移動
するか、又は乗り越えて移動することが不可能なレール
3間から突出する地山の一部を掘削する。上記法面施工
機1と自然状態にある傾斜面2との干渉を避けて、可能
な限り自然状態にある傾斜面2を残したまま、自然の景
観を維持して法面の施工を行なうことができる。更に、
傾斜面2の掘削及びレール3の設置等からなる作業手順
に左右されることなく、傾斜面2の起伏形態に応じて作
業内容を選択して所望の手順で法面の施工を行なうこと
ができる。
【0051】次に、上記法面施工機1を使用して図3a
〜図3d及び図4e〜図4gに示す法面の施工手順の一
例を説明する。図3及び図4は自然状態にある傾斜面2
の傾斜下方位置から上方に向けて法面の施工を行う手順
を示している。
【0052】この法面の施工方法によれば、先ず、図3
aに示すように自然状態にある傾斜面2の最下端位置で
油圧ショベル12を使用し、一対の主レール3,3の設
置面となる左右の第1傾斜面2,2を所望の傾斜勾配及
び幅で掘削する。次に、図3bに示すように第1傾斜面
2の最下端位置に仮設足場を構築する。次いで、仮設足
場で掘孔機11bを使用してアンカー用孔を地山内に施
工する。なお、主レール3の敷設に先立って仮設足場に
補助レールを敷設してもよい。この場合には、補助レー
ルの先端に主レール3の後端を傾斜上方向に屈曲させて
接続する。
【0053】アンカー用孔を地山内に施工したのち、図
3cに示すごとく油圧ショベル12の吊りフックを使用
して一方の主レール3を吊り上げ、第1傾斜面2の起伏
形態に見合う高さを有する枕体5を介して第1傾斜面2
に主レール3を傾斜上方に向けて敷設する。これと同様
に、他方の主レール3を吊り上げ、一方の主レール3の
傾斜角度に見合う高さを有する枕体5を介して第1傾斜
面2に主レール3を傾斜上方に向け、各レール3を互い
に平行に敷設する。このとき、掘孔機11bを使用して
枕体5からアンカーボルト4を地山内に打設して主レー
ル3を傾斜面2上に固定支持する。このとき、クラウト
材等の注入材を注入して固定強度を確保する。
【0054】ここで、主レール3と傾斜面2との間には
異なるクリアランスが生じるが、上記作業台7はレール
3の間に入り込んで傾斜面2に接近し、或いは傾斜面2
から遠ざかることができるため、自然状態にある傾斜面
2の形態に左右されることなく、傾斜面2に沿って主レ
ール3を敷設することができる。
【0055】次に、図3dに示すように油圧ショベル1
1の吊りフックを使用し、一対の主レール3,3上に架
け渡して架台6を上下動可能に設置したのち、この架台
6上に作業台7を前後及び左右方向に移動可能に設置す
る。更に、作業台7上に掘削機11aや削孔機11b等
の必要な作業機11を設置して法面施工機1を組み立て
る。このとき、架台6の一対の油圧シリンダ6c,6
c、及び図示せぬ捩れ矯正機構により、傾斜面2の傾斜
勾配及び主レール3の傾斜角度等に応じて架台6の床面
を水平状態に調整しておく。
【0056】次いで、法面施工機1の移動の妨げとなる
傾斜面2の地山を掘削し、又は法面施工機1の移動の妨
げとなる地山を越えて主レール3に沿って法面施工機1
を移動させる。法面施工機1が主レール3の上端に到達
したのち、次に敷設される一対のレール3,3の設置面
となる左右の第2傾斜面2,2を所望の傾斜勾配及び幅
で掘削する。このように、法面施工機1を上方向に移動
させるとき、法面施工機1の移動の妨げとなる傾斜面2
の一部を掘削すれば、可能な限り地山を残して自然の景
観を維持することができる。
【0057】続いて、図4e及び図4fに示すごとく、
上述した主レール3の設置手順と同様に、掘孔機11b
を用いてアンカー用孔を地山内に施工したのち、油圧シ
ョベル12の吊りフックを使用して主レール3を吊り上
げ、枕体5を介して第2傾斜面2に第1傾斜面2に敷設
された既設の主レール3と連続させて次の主レール3を
傾斜上方に設置する。このとき、ピン3aを介して次の
主レール3の後端を既設の主レール3の先端と傾斜方向
に屈曲させて接続する。掘孔機11bを使用して枕体5
からアンカーボルト4を地山内に打設して主レール3を
第2傾斜面2上に固定支持し、クラウト材等を注入して
固定強度を確保する。
【0058】図4gに示すように、法面施工機1を第1
傾斜面2に敷設された主レール3から第2傾斜面2に敷
設された主レール3に沿って上方向に移動させ、上方向
への移動時に、法面施工機1の移動の妨げとなる傾斜面
2の一部を掘削する。こうして、上述のごとき主レール
3の敷設を繰り返して、最上段の傾斜面2まで主レール
3の敷設を行う。
【0059】そして、最上段の傾斜面2に到達したの
ち、最上段の傾斜面2の掘削、法面整形を行う。次に、
図2に示すように、図示せぬ吹付機を使用することによ
りモルタル及びコンクリートを充填して格子状をなすの
り枠13を構築する。次いで掘孔機11bにより、のり
枠13の交差部にアンカーボルト4又はロックボルト4
を打設する。クラウト材等を注入して固定強度を確保す
る。次に、のり枠13の間に灌木や芝等を植生し、或い
は砂利や栗石等を被覆して法面を保護する。ここで、隣
接する地山側の法面施工を行わない場合には一対の主レ
ール3,3を撤去して傾斜面2の最下端に降ろす。隣接
する地山側の法面施工を行う場合には隣接する地山側の
主レール3と反対側の主レール3のみを撤去する。
【0060】こうして、最上段の傾斜面2の仕上げ施工
を行ったのち、法面施工機1を既設の主レール3に沿っ
て下方向に移動させつつ、のり枠工及び主レール3の撤
去等を繰り返して最下段の傾斜面2に到達し、主レール
3上での掘削、法面整形、のり枠13の構築及び植生等
を終了する。次いで、法面施工機1を主レール3上から
取り外したのち、最下段の主レール3を撤去し、最下段
の傾斜面2に対して、のり枠13の構築及び植生等を行
い、法面施工機1を次の作業位置へ移動させて一つの傾
斜面2の作業を終了する。
【0061】上記法面保護施工によれば、あらゆる傾斜
勾配を有する傾斜面2に適用することができると共に、
傾斜面2に沿って法面施工を容易に且つ効率的に行うこ
とができ、法面施工後の傾斜地2の景観を自然のままに
残すことができる。また、同一勾配を有する平坦な傾斜
面2を得るための掘削、同傾斜面2へのレール3の設
置、及び架台6の移動からなる作業手順を順次繰り返し
て法面整形する場合と較べると、作業効率が大幅に向上
され、作業期間を大幅に短縮することができる。
【0062】次に、図5〜図7に本発明における第2の
実施形態を示す。上記第1実施形態と異なるところは、
第2実施形態である法面施工機1は一対の主レール3,
3上に架け渡された架台6から吊り下げた作業台7を備
えた点、第2実施形態の法面施工機1を使用して、自然
状態にある傾斜面2の高所から下方に向けて法面の施工
を行う点にある。法面施工機1における他の構造及び部
材は上記第1実施形態の法面施工機1の構造及び部材と
実質的に異なるところはない。なお、上記第1実施形態
の法面施工機1と実質的に同様の部材には図1に付した
符号と同一の符号と部材名を付している。従って、これ
らの部材に関する詳細な説明は省略する。
【0063】図5は第2実施形態である法面施工機1を
示している。図6a〜図6d及び図7e〜図7gは傾斜
面2の高所から下方に向けて法面の施工を行う手順の一
例を示している。
【0064】図5に示すように、法面施工機1の架台6
の前端部は、主レール3に沿って移動可能に配された一
対の架台移動部材6a,6aを介して揺動可能に支持さ
れている。架台6の後側上面部は前記架台移動部材6a
を介して一対の架台支持部材6b,6bに揺動可能に支
持されている。前記架台6の上面中間部と架台支持部材
6bの中間部とを揺動可能に連結する一対の油圧シリン
ダ6c,6cにより、前記架台6が水平状態に保持され
ている。
【0065】前記架台移動部材5aは、上記第1実施形
態と同様に、動力源10により駆動される昇降用モータ
と接続したピニオンを介して、主レール3のラックに噛
合している。更には、前記架台6は、各主レール3の間
の捩れを矯正する図示を省略した捩れ矯正機構を備えて
いる。
【0066】前記架台6に吊り下げられた作業台7の下
面部には機体8が装着されている。機体8は運転室9、
動力源10及び作業機11等を備えている。前記作業台
7の上面部は、前記架台6の下面部に設置された移動機
台7aを介して前記傾斜面2に向けて前後及び左右に移
動可能に取り付けられている。作業機11は機体8の後
部に交換可能に装備されており、水平軸線周りに旋回可
能な吊りフック付き掘削機11a及び削孔機11bから
なる。
【0067】次に、この第2実施形態である法面施工機
1を使用して自然状態にある傾斜面2の高所から下方に
向けて法面の施工を行う手順の一例を説明する。
【0068】高所から下方向に向けて傾斜面2に沿って
法面を施工するとき、先ず、一対の主レール3,3の敷
設に先立って、図6aに示すように油圧ショベル12を
使用して高所を所望の深さ及び幅で略水平面状に掘削す
る。それと同時に、主レール3の設置面となる傾斜面2
を所望の傾斜勾配及び幅で掘削する。
【0069】次に、図6b及び図6cに示すように、掘
孔機11bを使用してアンカー用孔を地山内に施工す
る。次いで油圧ショベル12の吊りフックを使用して補
助レール30を吊り上げて搬送したのち、掘孔機11b
を使用してアンカーボルト4を地山内に打設して一対の
補助レール30,30を前記水平面の地盤上に固定支持
する。このとき、クラウト材等を注入して固定強度を確
保する。
【0070】前記水平面の地盤上に補助レール30を敷
設したのち、図6cに示すごとくピン3aを介して補助
レール30の先端に主レール3の後端を傾斜下方向に屈
曲させて接続する。次いで、掘孔機11bを使用して枕
体5からアンカーボルト4を地山内に打設することによ
り、一対の主レール3,3を傾斜面2上に平行に固定支
持する。このとき、クラウト材等を注入して固定強度を
確保する。
【0071】次に、図6dに示すごとく、油圧ショベル
12の吊りフックを使用して法面施工機1を補助レール
30に設置する。法面施工機1の設置後、法面施工機1
の運転室9からの操作により、法面施工機1を補助レー
ル30から主レール3に沿って移動させる。
【0072】続いて、図7eに示すように上記第1実施
形態の法面施工機1による法面施工と同様に、掘孔機1
1bを用いて先位の主レール3周辺の傾斜面2の一部を
掘削すると共に、掘孔機11bを旋回させて下向きに配
したのち、次に敷設される一対の主レール3,3の設置
面となる傾斜面2,2を所望の傾斜勾配及び幅で掘削す
る。
【0073】次に、図7f及び図7gに示すように、上
記第1実施形態の法面施工機1による法面施工と同様の
操作を繰り返して、一対の主レール3,3を互いに連続
させて傾斜下方に向けて設置する。このとき、法面施工
機1の移動の妨げとなる傾斜面2の一部を掘削する。そ
して、傾斜面2の最下端に到達したのち、傾斜面2の最
上端から最下端に向けてのり枠工等を行ない、のり枠工
等の終了後、傾斜面2の最下端から主レール3の撤去を
繰り返して補助レール30に到達し、一つの傾斜面の主
レール3上での掘削、法面整形、のり枠13の構築及び
植生等を終了する。
【0074】上記第2実施形態である法面の施工方法に
よれば、補助レール30が水平面上の地盤上に設置され
るため、補助レール30に架台6や作業台7、各種の機
械や資材等を容易に、 効率的に且つ安全に設置すること
ができる。しかも、前記補助レール30から傾斜下方向
の主レール3に向けて上記法面施工機1を移動させるこ
とを容易にし、作業の安全性が確保されると共に、作業
時間を短縮して円滑で且つ効率的な法面の敷設作業を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な第1実施形態である法面施工
機の一例を模試的に示す側面図である。
【図2】図1の矢視A方向からみた正面図である。
【図3】本発明の代表的な法面の施工手順の一例を概略
的に示す側面図である。
【図4】図3に示す次の施工手順の一例を概略的に示す
側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態である法面施工機を模試
的に示す側面図である。
【図6】本発明の他の法面施工手順の一例を概略的に示
す側面図である。
【図7】図6に示す次の法面施工手順の一例を概略的に
示す側面図である。
【符号の説明】
1 法面施工機 2 傾斜面 3 主レール 3a ピン 4 アンカーボルト 5 枕体 6 架台 6a 架台移動部材 6b 架台支持部材 6c 油圧シリンダ 7 作業台 7a 移動基台 8 機体 9 運転室 10 動力源 11 作業機 11a 掘削機 11b 削孔機 12 油圧ショベル 13 のり枠 30 補助レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 重則 大阪府枚方市上野3―1―1 株式会社小 松製作所大阪工場内 (72)発明者 畑 孝典 大阪府枚方市上野3―1―1 株式会社小 松製作所大阪工場内 (72)発明者 武藤 教重 大阪府枚方市上野3―1―1 株式会社小 松製作所大阪工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に所定の間隔をもって、傾斜面に沿
    って上下方向に平行に敷設された一対のレール上を上下
    方向に移動して法面を形成する法面施工機であって、 前記レール上に架け渡され、同レール上を移動可能な架
    台と、 同架台に設置され、同架台に対して少なくとも前記傾斜
    面に向けて前後進可能な作業台と、を備えてなり、 前記作業台上に運転室、動力源及び作業機などの各種設
    備が設置されてなる、ことを特徴とする法面施工機。
  2. 【請求項2】 前記作業台は傾斜面に対して前後と左右
    の双方向に移動可能に前記架台に設置されてなることを
    特徴とする請求項1記載の法面施工機。
  3. 【請求項3】 前記作業機は自走式作業車両であり、少
    なくとも前記作業台上を左右方向に自走可能に配されて
    なることを特徴とする請求項1記載の法面施工機。
  4. 【請求項4】 前記架台には、二本の前記レール間の捩
    れを矯正する捩れ矯正機構が設けられてなることを特徴
    とする請求項1記載の法面の施工機。
  5. 【請求項5】 上記請求項1記載の施工機を用いて法面
    を施工する方法であって、 自然状態にある傾斜面に沿って左右に所定の間隔をおい
    て上下方向に平行に一対の主レールを敷設すること、 前記一対の主レール上に上記施工機を設置すること、 上記施工機の作業台を前記一対の主レールに沿って上下
    方向に移動させること、及び上下方向の移動時に、上記
    施工機の移動の妨げとなる前記傾斜面の一部を掘削する
    こと、を含んでなることを特徴とする法面の施工方法。
  6. 【請求項6】 自然状態にある傾斜面に沿って屈曲して
    敷設された前記主レールの接続端を枕体を介して傾斜面
    に固定支持することを含んでなることを特徴とする請求
    項4記載の法面の施工方法。
  7. 【請求項7】 傾斜面に沿って高所から下方向に向けて
    法面を施工するにあたって、上記主レールの敷設に先立
    って前記高所に掘削により水平面を形成し、同水平面に
    補助レールを敷設したのち、補助レールの先端に傾斜面
    に沿って敷設こされる前記主レールの一端を接続するこ
    とを含んでなることを特徴とする請求項4記載の法面の
    施工方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040021302A (ko) * 2002-09-03 2004-03-10 삼성에버랜드 주식회사 표층토를 이용한 비탈면 녹화공법
JP2010121724A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Jfe Engineering Corp 急斜面のパイプライン敷設・埋設方法
JP2011220067A (ja) * 2010-04-14 2011-11-04 Kokudo Saisei Kenkyuso Co Ltd 階段透水土留柵の施工方法
JP2012202043A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Kumagai Gumi Co Ltd 地盤の斜面を掘削する方法
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CN112323981A (zh) * 2020-10-28 2021-02-05 中国矿业大学(北京) 抗三维移动变形的可变向导轨式支撑结构

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