JP2002167642A - プラスチック成形機用バレル - Google Patents

プラスチック成形機用バレル

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JP2002167642A
JP2002167642A JP2001015692A JP2001015692A JP2002167642A JP 2002167642 A JP2002167642 A JP 2002167642A JP 2001015692 A JP2001015692 A JP 2001015692A JP 2001015692 A JP2001015692 A JP 2001015692A JP 2002167642 A JP2002167642 A JP 2002167642A
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JP
Japan
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barrel
wear
cast iron
molding machine
plastic molding
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Pending
Application number
JP2001015692A
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English (en)
Inventor
Takaharu Tashiro
貴晴 田代
Atsushi Masuda
淳 増田
Sakae Takahashi
栄 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック成形機用のバレルにおいて、ス
クリュとの間の摺動面における摩耗を減少させることが
できるバレルを提供する。 【解決手段】 本発明のプラスチック成形機用バレル
は、C:2.4wt%以上3.2wt%以下、Si:
0.4wt%以上0.8wt%以下、Mn:0.8wt
%以上1.5wt%以下、Ni:2.0wt%以下、C
r:16wt%以上20wt%以下、Mo:3.0wt
%以下、残部がFe及び不可避的な不純物からなる高ク
ロム鋳鉄によって構成される。なお、バレルの少なくと
も内周の表層部が、上記組成を備えた高クロム鋳鉄で構
成されていれば、摺動の相手方となるスクリュ及び当該
バレル自身の摩耗を減らすことができる。好ましくは、
前記バレルの内周面に焼入れを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックの成
形を行う射出成形機や押出成形機において、原料のプラ
スチックの可塑化及び混練に使用される成形機用バレル
の構造に係る。
【0002】
【従来の技術】各種の産業設備において、摩耗に曝され
る部材が数多く存在する。その様な部材の寿命を長くす
るため、耐摩耗性に優れた材料が開発され実用化されて
いる。単に、耐摩耗性を向上させるのであれば、硬度が
高い材料を使用すれば良いことが経験的に知られてい
る。その様な場合に、古くから多くの分野で適用されて
きたのが、Crが大量に配合された高クロム鋳鉄であ
る。Crは、鋳鉄成分中のCと結合して硬度の高いCr
を大量に折出し、これによって生地のマルテンサ
イトとともに、硬度の高い耐摩耗性鋳鉄を形成する。
【0003】プラスチック成形機を構成するバレル及び
スクリュなどの摺動部分では、その摺動面の摩耗を防ぐ
ために潤滑油を使用することができないので、従来、バ
レル材料には高い耐摩耗性を有する高クロム鋳鉄(28
%Cr)を使用していた。しかし、この様な高クロム鋳
鉄を使用することによって、バレル側の摩耗を抑えるこ
とはできるが、その摺動相手であるスクリュ(例えば、
合金工具鋼SKD11製)が激しく摩耗してしまうと言
う問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
従来のプラスチック成形機用における摺動部分の摩耗に
ついての問題点を解決するために成されたものであり、
本発明の目的は、バレルとスクリュの間の摺動面におけ
る摩耗を減少させることができるバレルを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチック成
形機用バレルは、少なくとも内周の表層部が、C:2.
4wt%以上3.2wt%以下、Si:0.4wt%以
上0.8wt%以下、Mn:0.8wt%以上1.5w
t%以下、Ni:2.0wt%以下、Cr:16wt%
以上20wt%以下、Mo:3.0wt%以下、残部が
Fe及び不可避的な不純物からなる高クロム鋳鉄によっ
て構成されることを特徴とする。
【0006】なお、本発明のプラスチック成形機用バレ
ルは、その全体を、上記組成を備えた高クロム鋳鉄によ
って製作することもできるが、例えば、鋳包みなどの方
法を用いて、その内周の表層部のみを上記組成を備えた
高クロム鋳鉄で構成することもできる。
【0007】好ましくは、本発明のプラスチック成形機
用バレルにおいて、前記内周の表面に焼入れを施す。
【0008】ここで、上記の様に組成を規定した理由に
ついて説明する。Cは、硬度の高い炭化物を析出させ、
優れた耐摩耗性を持たせるために必要であるが、過度の
添加は靭性を低下させ、熱処理の際にクラックが発生し
易くなるので2.4〜3.2wt%とした。Siは、溶
湯の脱酸を目的に添加されるが、過度に添加すると炭化
物の形状が大きくなり機械的性質が低下するので、0.
4〜0.8wt%とした。Mnは、溶湯の脱酸を目的に
添加されるが、1.5wt%以上では残留オーステナイ
トが増加して硬度の低下を招くので、0.8〜1.5w
t%とした。
【0009】Niは、焼入れ性を高める元素であるが、
過度に添加すると焼なまし時の生地をもマルテンサイト
組織にして焼なまし硬度が低くならないので、2.0w
t%以下とした。Crは、硬度の高いクロム炭化物を形
成させるのに必要ではあるが、過度に添加すると靭性を
低下させる。そこで、Cr量は16〜20wt%とし
た。Moは、クロム炭化物よりも硬い(Cr−Mo)
を形成して硬度の上昇に寄与するが、3.0wt%
以上添加してもその効果が増大しないので、3.0wt
%以下とした。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に基づくプラスチック成形
機用バレルの素材となる高クロム鋳鉄の特性を確認する
ため、組成を変えた高クロム鋳鉄A、Bの試験片を作成
し、摩耗試験を行った。また、比較のため、従来の高ク
ロム鋳鉄(28%Cr)からなる試験片も作成し、同様
の摩耗試験を行った。表1に、それぞれの試験片の化学
組成を示す。
【0011】
【表1】
【0012】なお、この摩耗試験は、大越式迅速摩耗試
験機を使用して、次の様な方法で実施した。
【0013】先ず、リング状試験片を、表1に示した材
料で作成するとともに、摺動の相手方となる平板試験片
を、SKD11の母材の表面にイオン窒化を施すことに
よって作成した。この試験では、平板試験片上でリング
状試験片を回転させ、その摩耗圧痕の幅を読み取ること
によって、平板試験片に対するリング状試験片の攻撃性
を評価した。図1に、この摩耗試験の結果を示す。
【0014】次いで、リング状試験片を、SKD11の
母材の表面にイオン窒化を施すことによって作成すると
ともに、摺動の相手方となる平板試験片を、表1に示す
材料で作成した。この試験では、平板試験片上でリング
状試験片を回転させ、その摩耗圧痕の幅を読み取ること
によって、平板試験片の耐摩耗性を評価した。図2に、
この摩耗試験の結果を示す。
【0015】なお、図1及び図2において、「比摩耗
量」とは、被摩耗材料の相手材料に対する摩耗特性をあ
らわす特性値で、下式で表される; S=(B・T)/(8・R・F・L) 但し; S:比摩耗量 B:摩耗痕の幅 T:回転円板の厚み R:回転円板の半径 F:荷重 L:摩耗距離。
【0016】図1及び図2に示した結果から、本発明に
基づく高クロム鋳鉄Aは、従来の高クロム鋳鉄と比較し
て、低速から高速までの摩擦速度の全領域に渡って、摺
動相手方の摩耗量が少ないともに、それ自身の耐摩耗性
も高いことが分かる。但し、高速域ではその差は縮ま
る。他方、本発明に基づく高クロム鋳鉄Bは、高クロム
鋳鉄Aに対してC量を若干減らし、焼入れ、焼戻し時に
クラックが発生しにくいようにしたものであり、高速域
では、それ自身の耐摩耗性は従来材より若干劣るが、そ
の他の点では、高クロム鋳鉄Aとほぼ同等の性質を有し
ている。
【0017】なお、本発明に基づく高クロム鋳鉄製のバ
レルの焼入れは、例えば、1020℃から急冷すること
により行う。これにより、硬度がHRC61程度とな
り、機械部品として十分な硬さに到達し、耐摩耗性が向
上する。
【0018】次に、本発明に基づく高クロム鋳鉄製のバ
レルを試作して、実際の押出成形機に組み込み、その性
能を評価した。表2に、素材として使用された高クロム
鋳鉄の化学組成を示す。
【0019】
【表2】
【0020】この高クロム鋳鉄に、焼鈍熱処理を行って
軟化させた後、機械加工を施し、図3に示す形状とし
た。次いで、これに焼入れ焼戻し処理を施して、硬度を
上げた(HRC35→HRC59)。最後に、研削加工
を行って、所定の寸法形状に仕上げた。
【0021】この様にして製作されたバレルを、二軸混
練押出機に組み込んで、ポリエチレンの押出成形を行っ
た。その結果、次の様な結果が得られた。
【0022】(a)従来のバレル材料(28%Cr鋳
鉄)を用いた場合と比べて、相手方のスクリュ(SKD
11製)の摩耗が減少し、スクリュの寿命が約15%延
びた。
【0023】(b)バレルの耐摩耗性が、従来のものと
比べて向上し、その寿命が約5%延びた。
【0024】
【発明の効果】本発明のプラスチック成形機用バレルに
よれば、摺動の相手方となるスクリュの寿命を延ばすと
ともに、バレル自身の寿命も延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リング状試験片に、本発明に基づく高クロム鋳
鉄と従来の高クロム鋳鉄とを使用したときの摩耗試験結
果を示す図。
【図2】平板状試験片に、本発明に基づく高クロム鋳鉄
と従来の高クロム鋳鉄とを使用したときの摩耗試験結果
を示す図。
【図3】製作されたプラスチック成形機用バレルの形状
を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 栄 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械株式 会社内 Fターム(参考) 4F206 AJ02 JA07 JQ41 4F207 AJ02 KA01 KA17 KL32 4K042 AA25 CA07 CA08 CA10 DA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内周の表層部が、C:2.4
    wt%以上3.2wt%以下、Si:0.4wt%以上
    0.8wt%以下、Mn:0.8wt%以上1.5wt
    %以下、Ni:2.0wt%以下、Cr:16wt%以
    上20wt%以下、Mo:3.0wt%以下、残部がF
    e及び不可避的な不純物からなる高クロム鋳鉄によって
    構成されたプラスチック成形機用バレル。
  2. 【請求項2】 前記内周の表面に焼入れが施されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形機
    用バレル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110453051A (zh) * 2019-09-16 2019-11-15 威德车业部件有限公司 一种螺栓紧固件自动淬火设备

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110453051A (zh) * 2019-09-16 2019-11-15 威德车业部件有限公司 一种螺栓紧固件自动淬火设备
CN110453051B (zh) * 2019-09-16 2021-07-02 威德车业部件有限公司 一种螺栓紧固件自动淬火设备

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