JP2002167505A - ポリアミド樹脂組成物及びプラスチック多層体 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物及びプラスチック多層体Info
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Abstract
フッ素樹脂とポリアミド樹脂との多層複合体を作製する
際、接着界面においてオーバーリアクション等の不具合
が発生しない又は発生しにくいポリアミド樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】 ポリアミド樹脂組成物は、(A)カルボ
キシル末端基とアミノ末端基との比率が、前者/後者
(モル比)>1であるポリアミドと、(B)分子量15
000以下のアミノカルボン酸と、(C)pKa(25
℃)10以上の塩基又はその塩とを含有する。ポリアミ
ド(A)の相対粘度(0.5重量%m−クレゾール溶
液;25℃)は、例えば1.9〜2.7程度である。ア
ミノカルボン酸(B)には、(B1)数平均分子量が20
0〜15000であるポリアミド、(B2)脂肪族アミノ
カルボン酸などが含まれる。塩基又はその塩(C)とし
て、例えば環状アミン又はその塩などが使用できる。
Description
成物、より詳細には、フッ素樹脂に対して優れた接着性
を有するポリアミド樹脂組成物に関する。また、本発明
は、ポリアミド樹脂層とフッ素樹脂層とが直接接着して
いるプラスチック多層体、及びポリアミド樹脂からなる
外層とフッ素樹脂からなる内層とが直接接着している多
層チューブに関する。この多層チューブは自動車等の燃
料ホースなどとして利用できる。
成形性等に優れるが、極性物質や燃料成分に対する遮断
性が低いという欠点を有している。一方、フッ素樹脂
は、成形性が低く、高価ではあるが、極性物質や燃料成
分に対する遮断性に優れている。そこで、この両者の長
所を生かし短所を相補うものとして、ポリアミド樹脂と
フッ素樹脂とを組み合わせた多層複合体が提案され、自
動車産業、電気産業、機械産業等における構造物品(多
層チューブ、多層シートなど)として利用されている。
溶性がないため、これらの多層複合体を製造するには相
関接着力が不足するという問題点がある。この問題点を
解決するため、特開平9−194815号公報には、ポ
リアミド樹脂層とフッ素樹脂層との間に、アミノ末端基
を過剰に有するポリアミドと所定量のジアミンとを含む
中間層を設けることを提案している。この方法によれ
ば、確かにポリアミド樹脂層とフッ素樹脂層とが強固に
接着した多層複合体が得られるが、チューブ等の製造時
には余分な接着力が災いし、接着界面でオーバーリアク
ションを起こし、各層の厚みが不均一になったり、最悪
の場合チューブ等の押出しそのものができなくなったり
するという問題が生じる。
定の官能基を有するグラフト化合物によりグラフト化さ
れたフッ素樹脂で構成されたフッ素樹脂層と、ポリアミ
ド樹脂層とからなる2層積層構造の燃料ホースが開示さ
れている。また、特開平8−104805号公報には、
カルボン酸の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7塩を所定量含むポリアミド樹脂層と、フッ
素樹脂層とからなる燃料ホースが開示されている。しか
し、これらの燃料ホースは、接着性等の点で必ずしも十
分満足できるものではない。
は、フッ素樹脂と強固に接着可能であり、しかもフッ素
樹脂とポリアミド樹脂との多層複合体を作製する際、接
着界面においてオーバーリアクション等の不具合が発生
しない又は発生しにくいポリアミド樹脂組成物を提供す
ることにある。
アミド樹脂層とが強固に接合し、しかも製造・加工時に
おいてオーバーリアクション等が生じない又は生じにく
いプラスチック多層体を提供することにある。
らなる内層とポリアミド樹脂からなる外層とが強固に接
着し、しかも製造・加工時においてオーバーリアクショ
ン等の不具合が発生しない又は発生しにくい多層チュー
ブを提供することにある。
を達成するため鋭意検討した結果、カルボキシル末端基
がアミノ末端基よりも過剰に存在するポリアミドと、分
子量が特定の範囲にあるアミノカルボン酸と、pKaが
特定値以上の塩基又はその塩とを組み合わせると、フッ
素樹脂に対して強固に接着すると共に、チューブ等の成
形時においてもオーバーリアクション等の不具合を防止
又は抑制できることを見出し、本発明を完成した。
末端基とアミノ末端基との比率が、前者/後者(モル
比)>1であるポリアミドと、(B)分子量15000
以下のアミノカルボン酸と、(C)pKa(25℃)1
0以上の塩基又はその塩とを含有するポリアミド樹脂組
成物を提供する。
重量%m−クレゾール溶液;25℃)は例えば1.9〜
2.7程度である。ポリアミド(A)として、例えば、
ポリアミド11、ポリアミド1010、ポリアミド10
12、ポリアミド1212及びポリアミド12から選択
された少なくとも1種のポリアミドを使用できる。
ば、(B1)数平均分子量が200〜15000であるポ
リアミド及び(B2)脂肪族アミノカルボン酸から選択さ
れた少なくとも1種のアミノカルボン酸を使用できる。
ポリアミド(B1)には、例えば、ポリアミド11、ポリ
アミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド12
12、ポリアミド12等が含まれる。前記ポリアミド
(B1)の相対粘度(0.5重量%m−クレゾール溶液;
25℃)は例えば1.05〜1.7程度である。アミノ
カルボン酸(B)の使用量は、ポリアミド(A)100
重量部に対して、例えば0.1〜50重量部程度であ
る。
環状アミン又はその塩などが好ましく用いられる。塩基
又はその塩(C)の使用量は、ポリアミド(A)100
重量部に対して、例えば0.1〜20重量部程度であ
る。
素樹脂層と、該フッ素樹脂層に直接積層形成されたポリ
アミド樹脂からなるポリアミド樹脂層とで構成されたプ
ラスチック多層体であって、前記ポリアミド樹脂層が上
記のポリアミド樹脂組成物を用いて形成されているプラ
スチック多層体を提供する。
層と、該内層の外周面に直接積層形成されたポリアミド
樹脂からなる外層とで構成された多層チューブであっ
て、前記外層が、上記のポリアミド樹脂組成物を用いて
形成されている多層チューブを提供する。
IN53727/ISO307に準じ、0.5重量%m
−クレゾール溶液中、25℃の条件で測定した値であ
る。
リアミド樹脂組成物は、(A)カルボキシル末端基とア
ミノ末端基との比率が、前者/後者(モル比)>1であ
るポリアミド(以下、「カルボン酸末端ポリアミド」と
称する場合がある)をベースレジンとして含有してい
る。
は、例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族ジアミンと、脂
肪族、脂環式又は芳香族ジカルボン酸との重縮合により
得られるポリアミド;ε−アミノヘキサン酸、11−ア
ミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の縮合によって
得られるポリアミド;ε−カプロラクタム、ω−ラウロ
ラクタムなどのラクタムから得られるポリアミド;又は
前記成分からなる共重合ポリアミド;これらのポリアミ
ドの混合物等が挙げられる。
ドとして、ポリアミド11、ポリアミド1010、ポリ
アミド1012、ポリアミド1212、ポリアミド12
などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、特に加工特性に優れることから、ポリ
アミド11、ポリアミド12などが好ましい。
シル末端基と全アミノ末端基との比率(モル比)は、前
者/後者(モル比)が1より大きい範囲であればよい
が、好ましくは前者/後者(モル比)>1.2[例え
ば、10>前者/後者(モル比)>1.2]、さらに好
ましくは前者/後者(モル比)>1.5[例えば、5>
前者/後者(モル比)>1.5]である。上記の比率が
1以下の場合には、チューブ等の成形時にオーバーリア
クションなどが起こり、各層の厚みの均一な成形品が得
られにくくなる。
する割合は、例えば50〜100モル%、好ましくは5
2〜95モル%、さらに好ましくは55〜90モル%程
度である。
基の濃度は、例えば0〜30mmol/kg、好ましく
は0〜20mmol/kg程度であり、カルボキシル末
端基の濃度は、例えば15〜80mmol/kg、好ま
しくは20〜60mmol/kg程度である。
比率や、アミノ末端基濃度、カルボキシル末端基濃度
は、重合時に添加する末端調整剤(例えば、モノアミ
ン、ジアミン、一塩基酸、二塩基酸など)の量を調節し
たり、ジアミンとジカルボン酸との重縮合によりポリア
ミドを製造する場合には、該ジアミンとジカルボン酸の
モル比を変化させることによりコントロールできる。例
えば、末端調整剤としてモノアミンを使用するとカルボ
キシル末端基が減少し、ジアミンを用いるとカルボキシ
ル末端基が減少するとともにアミノ末端基が増加する。
また、末端調整剤として一塩基酸を用いるとアミノ末端
基が減少し、二塩基酸を用いるとアミノ末端基が減少す
るとともにカルボキシル末端基が増大する。カルボキシ
ル末端基やアミノ末端基の量は慣用の方法、例えば、末
端基法(中和滴定法)により定量できる。
1.9〜2.7の範囲が好ましい。相対粘度が1.9未
満の場合には、溶融粘度が低すぎて、例えば、チューブ
等を押出成形する際、ドローダウンして直管が得られ難
くなりやすい。カルボン酸末端ポリアミドの数平均分子
量は、例えばポリアミド12などの場合、20000〜
35000程度である。
アミド樹脂組成物は、また、分子量15000以下のア
ミノカルボン酸を含んでいる。なお、アミノカルボン酸
(B)がポリマーである場合、前記分子量は数平均分子
量を意味する。
らなる層と、本発明のポリアミド樹脂組成物により形成
されたポリアミド樹脂層とを共押出し等により積層して
複合体を製造する際、フッ素樹脂層中のフッ素樹脂と反
応して両層の結合を強める働きをするものと推察され
る。
(B1)数平均分子量が200〜15000であるポリア
ミド、(B2)脂肪族アミノカルボン酸等が含まれる。ア
ミノカルボン酸(B)は単独で又は2種以上組み合わせ
て使用できる。
記カルボン酸末端ポリアミドと同様のものが挙げられ
る。より具体的には、ポリアミド(B1)として、ポリア
ミド11、ポリアミド1010、ポリアミド1012、
ポリアミド1212、ポリアミド12などが例示され
る。ポリアミド(B1)としては、前記カルボン酸末端ポ
リアミドと同種のものを用いるのが相溶性等の点から好
ましい。
基と全アミノ末端基との比率(モル比)は、特に限定さ
れないが、前者/後者(モル比)が1程度(例えば0.
9〜1.1程度)のものが好ましい。
1.7以下(1.05〜1.7程度)、好ましくは1.
1〜1.65、さらに好ましくは1.15〜1.6の範
囲である。相対粘度が1.7を超えるとオーバーリアク
ションが起きやすくなる。
は、例えば、β−アラニン、3−アミノプロピオン酸、
4−アミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、6−アミ
ノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオク
タン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカ
ン酸、12−アミノドデカン酸等のω−アミノ脂肪族カ
ルボン酸;グリシン、アラニン、バリン、リジン、ロイ
シン、イソロイシン、プロリン、トレオニン、メチオニ
ン等のα−アミノ酸などが挙げられる。これらの中で
も、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸等の炭素数6〜15程度の脂肪族アミノカルボン酸が
好ましい。
アミド(A)100重量部に対して、例えば0.1〜5
0重量部、好ましくは0.3〜45重量部、さらに好ま
しくは0.5〜40重量部程度である。アミノカルボン
酸(B)の量が少なすぎると、フッ素樹脂に対して十分
な接着強度が得られにくくなり、多すぎるとチューブ等
の成形時に、メルトフラクチャー、オーバーリアクショ
ンなどの不具合が起こり、各層の厚みの均一な成形品が
得られにくくなる。
の塩(C)における塩基としては、pKa(25℃)が
10以上の塩基であれば特に制限されないが、その代表
的な例として、例えば、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、エチレンジアミンなどの脂肪族
アミン;シクロヘキシルアミンなどの脂環式アミン;ピ
ロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メ
チルピペリジン、1,5−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン−5(=1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデセン−7;DBU)、1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などの環
状アミン等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ム等の無機塩基などが例示できる。
また、塩基性の強さ等から環状アミンが好適である。特
に好ましい塩基には、DBU、DBNなどの架橋環式第
3級アミン等が含まれる。
酸、ソルビン酸、安息香酸、ナフトエ酸等のカルボン酸
の塩、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸の塩、フ
ェノール、クレゾール、ノボラック等のフェノール類の
塩などの有機酸の塩;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ
酸などの無機酸の塩が例示できる。
種以上組み合わせて用いることができる。塩基又はその
塩(C)の使用量は、ポリアミド(A)100重量部に
対して、例えば0.1〜20重量部、好ましくは0.5
〜10重量部程度である。塩基又はその塩(C)の使用
量が0.1重量部未満の場合にはポリアミド樹脂層とフ
ッ素樹脂層との接着性が低下しやすくなり、20重量部
を超えるとポリアミド樹脂層の機械的強度等が低下しや
すくなる。
からなる層と、本発明のポリアミド樹脂組成物により形
成されたポリアミド樹脂層とを共押出し等により積層し
て複合体を製造する際、フッ素樹脂層中のフッ素樹脂と
ポリアミド樹脂層中のアミノカルボン酸(B)[又はポ
リアミド(A)]との反応の触媒として機能するものと
推測される。
の成分(A)、(B)、(C)のほか、必要に応じて、
ポリアミド以外のポリマー;耐熱安定剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、可塑剤、結晶核剤、滑剤、難燃剤、無機
充填剤、導電付与剤などの通常用いられる添加剤、ガラ
ス繊維、ガラス球、炭素繊維、鉱物繊維などの充填剤又
は強化材などが添加されていてもよい。
ば、前記成分(A)、(B)、(C)と、必要に応じて
適宜の添加剤とを、ポリアミド(A)が溶融する温度下
(例えば200〜300℃程度)、二軸混練押出機等を
用いて混練することにより得ることができる。
樹脂層とポリアミド樹脂層とが直接接触している多層体
(多層チューブ、多層シート等)における該ポリアミド
樹脂層の形成材料として有用である。
本発明のプラスチック多層体において、フッ素樹脂層を
構成するフッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロ
エチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(C
TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ
化ビニリデン(VDF)、パーフルオロメチルビニルエ
ーテル(PMVE)等のパーフルオロアルキルビニルエ
ーテル(PFA)、フルオロアルキル(メタ)アクリレ
ートなどのフッ素原子含有モノマーを構成単位として含
む樹脂が挙げられる。フッ素樹脂は、フッ素原子含有モ
ノマーと共に、該フッ素原子含有モノマーと共重合可能
な単量体を構成単位として含んでいてもよい。このよう
な単量体として、例えば、エチレン、プロピレン、1−
ブテンなどのオレフィン;アルキルビニルエーテル;ア
ルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
トラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ
化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフ
ルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフル
オロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共
重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合
体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデンとフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体とのグラフト重合体などが含まれる。
様の添加剤が添加されていてもよい。
もフッ素樹脂層とポリアミド樹脂層とを有していればよ
く、フッ素樹脂層及び/又はポリアミド樹脂層の外側に
他の樹脂層等が1層又は2層以上積層されていてもよ
い。
含む熱可塑性樹脂からなる導電性樹脂層、補強層などが
例示される。導電性材料としては、例えば、銅、ニッケ
ル、銀などの金属の粉末;鉄やステンレスなどの金属の
繊維;カーボンブラック;表面が金属で被覆された粉末
や粒状物などが挙げられる。前記熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレ
フィン系樹脂;ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂な
どのスチレン系樹脂;ポリエステル;ポリアミド;ポリ
イミド;ポリフェニレンスルフィド;メタクリル樹脂;
塩化ビニル樹脂;フッ素樹脂などが挙げられる。
フッ素樹脂を含むフッ素樹脂組成物と前記本発明のポリ
アミド樹脂組成物とを共押出しすることにより製造でき
る。また、押出成形と、圧縮成形、射出成形等とを組み
合わせることにより製造することもできる。フッ素樹脂
層とポリアミド樹脂層との接着性を高めるため、成形後
に加熱処理を施してもよい。
樹脂層とポリアミド樹脂層とが強固に接合しているた
め、極性物質や燃料成分に対するバリア性等のフッ素樹
脂の有する長所と、耐熱性、耐磨耗性、成形性等のポリ
アミド樹脂の有する長所とを共に生かすことができる。
そのため、自動車産業、電気産業、機械産業等における
構造物品(多層チューブ、多層シートなど)として使用
できる。
ク多層体の1つの態様である。内層を構成するフッ素樹
脂は上記のものを使用できる。また、上記と同様、フッ
素樹脂層の内側やポリアミド樹脂層の外側には、必要に
応じて導電性樹脂層、補強層(ゴムや軟質樹脂で構成さ
れた層)、補強糸層(天然糸、合成糸、金属製糸等によ
る層)、外皮層(ゴムや軟質樹脂で構成された層)など
の他の層が形成されていてもよい。この多層チューブ
は、共押出法等により製造できる。
ド樹脂からなる外層の厚みは、用途によって適宜選択で
きる。
耐磨耗性、成形性等に優れるポリアミド樹脂からなり、
内層が燃料に対するバリア性に優れるフッ素樹脂からな
るため、燃料ホース等として好適に使用できる。
ば、フッ素樹脂と強固に接着可能であり、しかもフッ素
樹脂とポリアミド樹脂との多層複合体を作製する際、オ
ーバーリアクション等の不具合の発生を防止又は抑制で
きる。
層チューブでは、フッ素樹脂層とポリアミド樹脂層とが
強固に接合するとともに、製造・加工時においてオーバ
ーリアクション等が生じない又は生じにくいので、各層
の厚みが均一である。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
kg、カルボキシル末端基濃度が20mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)100重量部に、相対粘度が1.
6、アミノ末端基濃度とカルボキシル末端基濃度の比率
が1:1であるポリアミド12(商品名「ダイアミ
ド」、ダイセル・ヒュルス(株)製)30重量部、及び
DBN2重量部を加え、二軸押出機を用いてコンパウン
ド化を行い、外層形成用のポリアミド樹脂組成物を得
た。このポリアミド樹脂組成物と、内層形成用のテトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化
ビニルデン共重合体(ターポリマー)(商品名「THV
−500」、3M社製)とを用い、多層管成形用押出機
により、280℃(ダイの温度)で内層と外層とを同時
に押出成形して、2層構造の多層チューブ(外径8m
m、内径2mm)を作製した。
kg、カルボキシル末端基濃度が20mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)100重量部に、12−アミノド
デカン酸0.5重量部、及びDBN2重量部を加え、二
軸押出機を用いてコンパウンド化を行い、外層形成用の
ポリアミド樹脂組成物を得た。このポリアミド樹脂組成
物を用いた点以外は実施例1と同様の操作を行い、2層
構造の多層チューブ(外径8mm、内径2mm)を作製
した。
kg、カルボキシル末端基濃度が20mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)を外層用のポリアミド樹脂組成物
として用いた点以外は実施例1と同様の操作を行い、2
層構造の多層チューブ(外径8mm、内径2mm)を作
製した。
kg、カルボキシル末端基濃度が20mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)100重量部に、DBN2重量部
を加え、二軸押出機を用いてコンパウンド化を行い、外
層形成用のポリアミド樹脂組成物を得た。このポリアミ
ド樹脂組成物を用いた点以外は実施例1と同様の操作を
行い、2層構造の多層チューブ(外径8mm、内径2m
m)を作製した。
kg、カルボキシル末端基濃度が10mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)を外層用のポリアミド樹脂組成物
として用いた点以外は実施例1と同様の操作を行い、2
層構造の多層チューブ(外径8mm、内径2mm)を作
製した。
kg、カルボキシル末端基濃度が10mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)100重量部に、相対粘度が1.
6、末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比率
が1:1であるポリアミド12(商品名「ダイアミ
ド」、ダイセル・ヒュルス(株)製)30重量部、及び
DBN2重量部を加え、二軸押出機を用いてコンパウン
ド化を行い、外層形成用のポリアミド樹脂組成物を得
た。このポリアミド樹脂組成物を用いた点以外は実施例
1と同様の操作を行い、2層構造の多層チューブ(外径
8mm、内径2mm)を作製した。
kg、カルボキシル末端基濃度が20mmol/kgで
あるポリアミド12(商品名「ダイアミド」、ダイセル
・ヒュルス(株)製)100重量部に、相対粘度が1.
6で、両末端がアミノ基であるポリアミド12(商品名
「ダイアミド」、ダイセル・ヒュルス(株)製)30重
量部、及びDBN2重量部を加え、二軸押出機を用いて
コンパウンド化を行い、外層形成用のポリアミド樹脂組
成物を得た。このポリアミド樹脂組成物を用いた点以外
は実施例1と同様の操作を行い、2層構造の多層チュー
ブ(外径8mm、内径2mm)を作製した。
を螺旋状に切断して10mm幅の試験片を作製した。こ
の試験片を手による剥離試験(180°)に供し、外層
と内層との界面で剥離するかどうかを調べ、下記の基準
で両層の接着性を評価した。結果を表1に示す。 ○:剥離しなかった。 ×:剥離した。
び比較例で得られた各多層チューブを切り開き、外層と
内層の界面及び内層の表面を目視観察し、オーバーリア
クションの有無等を調べた。結果を表1に示す。 ○:オーバーリアクションは見られず、内層表面は平滑
であった。 ×:オーバーリアクションが見られ、内層表面に凹凸が
観察された。
Claims (11)
- 【請求項1】 (A)カルボキシル末端基とアミノ末端
基との比率が、前者/後者(モル比)>1であるポリア
ミドと、(B)分子量15000以下のアミノカルボン
酸と、(C)pKa(25℃)10以上の塩基又はその
塩とを含有するポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリアミド(A)の相対粘度(0.5重
量%m−クレゾール溶液;25℃)が1.9〜2.7で
ある請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 ポリアミド(A)が、ポリアミド11、
ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド
1212及びポリアミド12から選択された少なくとも
1種のポリアミドである請求項1記載のポリアミド樹脂
組成物。 - 【請求項4】 アミノカルボン酸(B)が、(B1)数平
均分子量が200〜15000であるポリアミド及び
(B2)脂肪族アミノカルボン酸から選択された少なくと
も1種のアミノカルボン酸である請求項1記載のポリア
ミド樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリアミド(B1)が、ポリアミド11、
ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド
1212及びポリアミド12から選択された少なくとも
1種のポリアミドである請求項4記載のポリアミド樹脂
組成物。 - 【請求項6】 ポリアミド(B1)の相対粘度(0.5重
量%m−クレゾール溶液;25℃)が1.7以下である
請求項4記載のポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項7】 アミノカルボン酸(B)の使用量が、ポ
リアミド(A)100重量部に対して0.1〜50重量
部である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項8】 塩基又はその塩(C)が環状アミン又は
その塩である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項9】 塩基又はその塩(C)の使用量が、ポリ
アミド(A)100重量部に対して0.1〜20重量部
である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項10】 フッ素樹脂からなるフッ素樹脂層と、
該フッ素樹脂層に直接積層形成されたポリアミド樹脂か
らなるポリアミド樹脂層とで構成されたプラスチック多
層体であって、前記ポリアミド樹脂層が、請求項1〜9
の何れかの項に記載のポリアミド樹脂組成物により形成
されているプラスチック多層体。 - 【請求項11】 フッ素樹脂からなる内層と、該内層の
外周面に直接積層形成されたポリアミド樹脂からなる外
層とで構成された多層チューブであって、前記外層が、
請求項1〜9の何れかの項に記載のポリアミド樹脂組成
物により形成されている多層チューブ。
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