JP2002167465A - プラスチックの処理方法 - Google Patents

プラスチックの処理方法

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JP2002167465A
JP2002167465A JP2000365212A JP2000365212A JP2002167465A JP 2002167465 A JP2002167465 A JP 2002167465A JP 2000365212 A JP2000365212 A JP 2000365212A JP 2000365212 A JP2000365212 A JP 2000365212A JP 2002167465 A JP2002167465 A JP 2002167465A
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Japan
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reactor
treated
plastics
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Masahiko Kajioka
正彦 梶岡
Kazuya Takemura
一也 竹村
Tatsuya Nobusawa
達也 信澤
Toshihide Suzuki
利英 鈴木
Makoto Shitomi
誠 侍留
Kazuya Miyagawa
和也 宮川
Hideaki Unzaki
秀明 運崎
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JFE Steel Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の熱媒体または熱媒体の回収設備を用い
ることなくプラスチックを処理し、粉砕が極めて容易
で、実質的に塩素を含有しないプラスチック処理物に転
化することが可能なプラスチックの処理方法、並びに、
燃焼性に優れた固体燃料、固体還元剤を得ることが可能
なプラスチックの処理方法の提供。 【解決手段】 プラスチックおよび熱媒体を反応器に供
給し、200 〜400 ℃に加熱した後、該温度範囲内に加熱
した被処理物中に、新たにプラスチックを供給し、200
〜400 ℃で処理するとともに、被処理物を反応器から抜
き出し、冷却、固化するプラスチックの処理方法、およ
び、該プラスチックの処理方法で得られた冷却・固化物
であるプラスチック処理物を粉砕するプラスチックの処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉砕が極めて容易
なプラスチック処理物を得ることが可能なプラスチック
の処理方法に関し、さらには、塩素含有プラスチックを
含むプラスチックを、実質的に塩素を含有しないプラス
チック処理物に転化することが可能なプラスチックの処
理方法に関する。
【0002】また、本発明は、燃焼性に優れた固体燃
料、固体還元剤を得ることが可能なプラスチックの処理
方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、廃プラスチックの有効利用のため
の一つの解決手段として、廃プラスチックから固体還元
剤、固体燃料を製造する方法が検討されている。これ
は、プラスチックを微粉化すると燃焼性が飛躍的に向上
し、有用な燃料資源となり得るためである。
【0004】プラスチックを固体燃料に転化するこれま
での技術は、例えば「プラスチックス Vol.47,No.7,P6
0」に解説されているように、プラスチックを、直接、
粉砕機で微粉砕するものである。しかし、この方法の場
合、堅いプラスチックを1〜2mmの粒度にまでしか粉砕
できず、しかも、この粉砕に多大の時間と費用を要し、
また、繊維状やフィルム状のプラスチックは粉砕が困難
なため、別途、溶融固化後に粉砕しなければならず、工
程が複雑になるなどの問題があった。
【0005】また、廃プラスチックを高炉用還元剤など
の還元剤や燃料として用いる場合、廃プラスチックには
ポリ塩化ビニル(以下、PVC とも記す)などの塩素含有
プラスチックが混入しているため、そのまま用いると塩
化水素などが発生し、炉が腐食するなどの問題がある。
このため、PVC などの塩素含有プラスチックを分離除去
したり、廃プラスチックを加熱、脱塩素処理した後、炉
に投入する。
【0006】廃プラスチックを加熱、脱塩素処理する場
合、ニーダーや混練機などのプラスチック溶融用の専用
機を用いれば、効率は良くなるが、大量処理が困難で、
多額の設備費を要するなどの問題がある。このため、廃
プラスチックを加熱、脱塩素処理するに際しては、固体
状の廃プラスチックを容器に投入し、250 〜350 ℃程度
に加熱、脱塩素した後、被処理物の全量を容器から抜き
出し、再度、固体状の廃プラスチックを容器に投入し、
同様の操作を行っていた。
【0007】しかし、プラスチック充填層は熱伝導率が
悪いため、加熱する際に時間を要し、上記した従来の方
法では非常に効率が悪い。このため、プラスチック充填
層の熱伝導率などを向上させるために、廃プラスチック
を鉱物油などの熱媒体と共に加熱、脱塩素する方法が開
示されている(特公昭52-38594号公報、特公昭57-16160
号公報参照)。
【0008】上記した方法によれば、熱媒体を用いるこ
とによって、加熱時間を短縮することができる。しかし
ながら、上記した方法の場合、熱媒体を多量に用いる必
要があり、熱媒体の回収、再利用などの面から、設備が
複雑となると共に、運転費などがかかり経済的には最適
とはいえない。
【0009】また、上記した熱媒体を用いる方法におい
て熱媒体として鉱物油などの有機溶媒を用いる場合、得
られるプラスチック処理物は、膨潤状態の処理物で粉砕
が困難であるため、燃焼性に優れた微粉の固体燃料、固
体還元剤を製造する上で問題がある。本発明者らは、廃
プラスチックの処理に関して各種方法を検討する過程
で、プラスチックおよび鉱油などの有機溶媒を150 ℃以
上の温度で混合状態とし、プラスチックの結合の一部を
熱と有機溶媒によって切断し、同時に脱塩素を行った
後、得られた粘稠な液を減圧蒸留などを行い有機溶媒を
除去した後、冷却固化することによって、破砕性に優れ
たプラスチックの脱塩素固形化物を得ることが可能であ
ることを見出した(特開平11- 292976号公報参照)。
【0010】上記したプロセスは、微粉砕が極めて容易
で脱塩素されたプラスチック処理物が得られる優れた効
果を有するが、有機溶媒の蒸発操作を伴うため、エネル
ギーを必要とするという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、ニーダーや混練機などのプラ
スチック溶融用の専用機や多量の熱媒体または熱媒体の
回収設備を用いることなくプラスチックを処理し、粉砕
が極めて容易で、さらには実質的に塩素を含有しないプ
ラスチック処理物に転化することが可能なプラスチック
の処理方法を提供することを目的とする。
【0012】さらに、本発明は、燃焼性に優れた固体燃
料、固体還元剤を得ることが可能なプラスチックの処理
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、プラスチ
ックおよび熱媒体を反応器に供給し、 200〜 400℃、よ
り好ましくは 250〜 340℃に加熱した後、 200〜 400
℃、より好ましくは 250〜 340℃に加熱した被処理物中
に、新たにプラスチックを間欠的または連続的に供給
し、 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃で処理
するとともに、被処理物を前記反応器から間欠的または
連続的に抜き出し、冷却、固化することを特徴とするプ
ラスチックの処理方法である。
【0014】前記した第1の発明においては、前記熱媒
体が有機溶媒であることが好ましい(第1の発明の第1
の好適態様)。また、前記した第1の発明の第1の好適
態様においては、前記有機溶媒が、石炭系タール、石炭
系タールの蒸留留出分および石油系有機溶媒から選ばれ
る1種または2種以上であることが好ましい(第1の発
明の第2の好適態様)。
【0015】また、前記した第1の発明の第1の好適態
様、第2の好適態様においては、前記したプラスチック
および熱媒体を反応器に供給し、 200〜 400℃、より好
ましくは 250〜 340℃に加熱する際の、熱媒体である有
機溶媒とプラスチックとの質量比が1/1以下であるこ
とが好ましい(第1の発明の第3の好適態様、第4の好
適態様)。
【0016】なお、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様〜第4の好適態様においては、前記した
新たなプラスチックの供給および被処理物の反応器から
の抜き出しは、時刻を前後して行ってもよく、時刻をラ
ップして行ってもよい。また、前記した新たなプラスチ
ックの供給および被処理物の反応器からの抜き出しを時
刻を前後して行う場合は、新たなプラスチックの供給を
行った後、被処理物を反応器から抜き出しても良く、被
処理物を反応器から抜き出した後、新たなプラスチック
の供給を行っても良い。
【0017】また、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様〜第4の好適態様において、被処理物を
反応器から抜き出す方法として間欠的抜き出し法を用い
る場合は、被処理物の一部を抜き出し、反応器中に反応
器内容積の 10vol%以上、より好ましくは10〜 90vol%
の被処理物を残留せしめ、1回の抜き出し量が反応器内
容積の 90vol%以下、より好ましくは10〜 90vol%であ
ることが好ましい(第1の発明の第5の好適態様〜第9
の好適態様)。
【0018】なお、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様〜第9の好適態様における間欠的供給
法、間欠的抜き出し法とは、それぞれ、非連続的に供給
する方法、非連続的に抜き出す方法を示し、それらにお
ける時間間隔を等しくする必要はなく、また1回の供給
時間、1回の抜き出し時間は特に制限されるものではな
い。
【0019】また、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様〜第4の好適態様において、被処理物を
反応器から抜き出す方法として連続的抜き出し法を用い
る場合は、反応器中の被処理物の保持量を反応器内容積
の 10vol%以上、より好ましくは 18vol%以上に維持す
る条件下で抜き出すことが好ましい(第1の発明の第10
の好適態様〜第14の好適態様)。
【0020】前記した第1の発明、第1の発明の第1の
好適態様〜第14の好適態様のプラスチックの処理方法
は、塩素含有プラスチックを含むプラスチックの処理方
法として特に好適に用いられる(第1の発明の第15の好
適態様〜第29の好適態様)。第2の発明は、前記した第
1の発明、第1の発明の第1の好適態様〜第29の好適態
様いずれかのプラスチックの処理方法で得られた冷却・
固化物であるプラスチック処理物を粉砕することを特徴
とするプラスチックの処理方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決
するために鋭意検討した結果、プラスチック処理開始時
のみ反応器に熱媒体を仕込み、定常運転に移った後は加
熱した被処理物中に新たなプラスチックを仕込むことに
よって、十分な昇温速度と均一加熱性が得られ、処理速
度を増加できると共に、反応器中の加熱溶融状態の被処
理物(溶融プラスチックおよび/または加熱処理物)が
熱媒体として作用し、熱媒体の使用量を低減した条件下
でプラスチックを効率に優れた方法で処理できることを
見出した。
【0022】さらに、上記で得られるプラスチック処理
物は、処理物中の有機溶媒の除去などを行わずとも極め
て粉砕性に優れると共に、ポリ塩化ビニルなどの塩素含
有プラスチックを含むプラスチックを原料とした場合に
おいても、実質的に塩素を含有しないプラスチック処理
物に転化することが可能なため、廃プラスチックを原料
として無公害かつ燃焼性に優れた固体燃料、固体還元剤
を製造することができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0023】すなわち、第1の発明は、プラスチックお
よび熱媒体を反応器に供給し、 200〜 400℃、より好ま
しくは 250〜 340℃に加熱した後、 200〜 400℃、より
好ましくは 250〜 340℃に加熱した被処理物中に、新た
にプラスチックを間欠的または連続的に供給し、 200〜
400℃、より好ましくは 250〜 340℃で処理するととも
に、被処理物を前記反応器から間欠的または連続的に抜
き出し、冷却、固化することを特徴とするプラスチック
の処理方法である。
【0024】また、第2の発明は、前記した第1の発明
で得られた冷却・固化物であるプラスチック処理物を粉
砕するプラスチックの処理方法である。前記した第1の
発明、第2の発明(以下、これらを本発明とも記す)に
よれば、下記(1) 〜(6) の優れた効果が得られる。 (1) 燃焼性に優れた固体燃料、固体還元剤の製造:粉砕
が極めて容易なプラスチック処理物を得ることができ、
廃プラスチックを原料として燃焼性に優れた固体燃料、
固体還元剤を製造することができる。
【0025】(2) 無公害の固体燃料、固体還元剤の製
造:ポリ塩化ビニルなどの塩素含有プラスチックを含む
プラスチックを、実質的に塩素を含有しないプラスチッ
ク処理物に転化することが可能なため、廃プラスチック
を原料として無公害の固体燃料、固体還元剤を製造する
ことができる。 (3) 固体燃料、固体還元剤として使用する際の炉内壁耐
火物の化学的浸食の防止:上記したように、本発明の処
理方法で得られるプラスチック処理物は、塩素を実質的
に含有しないため、高炉、ボイラ、キルン、キュポラ、
コークス炉などにおける固体還元剤、固体燃料、コーク
ス用原料として用いた場合、塩素もしくは塩素化合物に
よる炉の内壁耐火物の化学的侵食を防止することが可能
となる。
【0026】(4) 熱媒体使用量の削減:本発明の処理方
法によれば、反応器内にプラスチック処理物である溶融
物を残留せしめ、残留溶融物を、新たに供給するプラス
チックに対する熱媒体として利用するため、熱媒体使用
量を削減することができる。 (5) 設備の簡易化、所要エネルギーの低減:本発明の処
理方法で得られる冷却・固化物はそれ自体の粉砕性が優
れ、冷却・固化物からの減圧蒸留などによる有機溶媒
(熱媒体)の除去が不要なため、減圧蒸留設備など熱媒
体の除去、回収設備などの付帯設備が不要であり設備が
簡易化できる。
【0027】また、上記した熱媒体の除去、回収設備が
不要なため、所要エネルギーを低減することができる。 (6) プラスチック処理効率の向上:本発明の処理方法に
よれば、単位時間当たり、反応器単位容積当たりのプラ
スチックの処理量を高めることができ、プラスチックを
効率的に処理することができる。
【0028】また、本発明の処理方法によれば、繰り返
し連続処理を行うことが可能であるため、複雑かつ高価
な設備を用いる必要がなく、大量処理も可能であり、経
済性に優れている。以下、本発明を、本発明に関わる
I.プラスチック、II. 熱媒体、III.加熱処理工程、I
V. 粉砕工程の順に、さらに詳細に説明する。
【0029】〔I.プラスチック:〕本発明の対象とす
るプラスチック、すなわち本発明における原料プラスチ
ックとしては、バージン材プラスチック以外に、都市ゴ
ミ、産業廃棄物、一般廃棄物などに含まれる廃プラスチ
ックや容器包装材料、および電気製品、自動車などの解
体の過程で発生する廃プラスチックなどが例示される。
【0030】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートお
よびナイロンやその他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂な
ど全てのものが適用可能であり、上記プラスチックの内
のいずれか1種のみを用いることもできるし、2種以上
を用いることもできる。
【0031】特に、本発明の方法に従って処理を行う
と、実質的に塩素などのハロゲン元素をほとんど含まな
いプラスチック処理物を得ることができる。また、プラ
スチックに含まれる塩素などのハロゲン元素は、処理中
に塩化水素などのハロゲン化水素となり、洗浄などによ
って容易に処理できる。このため、本発明の対象とする
プラスチックにはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩素化ポリエチレンなどハロゲン元素を含有するプ
ラスチックが含まれていることが好ましく、本発明は、
処理対象であるプラスチック中に、ハロゲン元素を含有
するプラスチックの代表であるポリ塩化ビニルなど塩素
含有プラスチックを含むプラスチックの処理方法として
特に好適に適用される。
【0032】従って、本発明によれば、廃プラスチック
におけるプラスチックの選別が不要であり、この点で
も、極めて有利である。また、本発明で用いるプラスチ
ックの形状寸法は、粗く粉砕したものでよく、10cm角程
度の大きさで十分であり、一般的な廃プラスチックで
は、改めて粉砕する必要がなく、回収されたままの状態
で処理可能であり、フィルム状、シート状、繊維状のプ
ラスチックもそのままの形で処理できる。
【0033】なお、細かく粉砕した方が熱媒体である有
機溶媒および/または溶融被処理物に早く溶解するが、
その分、粉砕のコストは高くなる。 〔II. 熱媒体:〕本発明で用いる熱媒体としては、液状
熱媒体または固体状熱媒体またはそれらの両者を用いる
ことができる。
【0034】液状熱媒体としては、有機溶媒を用いるこ
とが好ましい。これは、液状熱媒体として有機溶媒を用
いることによって、反応器中のプラスチック同士の熱伝
導が大幅に促進されるばかりでなく、ハロゲン元素含有
プラスチックの脱ハロゲンが促進されるためである。ま
た、有機溶媒としては、石炭系タール、石炭系タールの
蒸留留出分および石油系有機溶媒から選ばれる1種また
は2種以上を用いることが好ましい。
【0035】上記した石油系有機溶媒としては、石油系
の鉱油を用いることが好ましく、さらに具体的には灯
油、軽油または重油、またはこれらの混合油など、油温
が100℃以下ではプラスチックを実質的に溶解しない溶
媒である。上記したように、これらの有機溶媒は、単独
で用いてもよく、これらの内2種以上を混合して用いて
も良い。
【0036】また、固体状熱媒体としては、石炭の粉粒
体、コークスの粉粒体または鉄粉、またはこれらの混合
物を用いることが好ましい。これは、固体状熱媒体とし
て石炭の粉粒体、コークスの粉粒体、鉄粉を用いること
によって、該粉粒体を介して反応器中のプラスチック同
士の熱伝導が促進されると共に、得られるプラスチック
処理物が石炭の粉粒体、コークスの粉粒体または鉄粉を
含有するため、プラスチック処理物の粉砕物をボイラー
などの固体燃料もしくは高炉の還元剤もしくはコークス
炉の原料などとして用いる場合、これらの固体状熱媒体
も燃料、還元剤、鉄源もしくはコークス用原料として利
用可能なためである。
【0037】なお、本発明においては、反応器中のプラ
スチック同士の熱伝導の面から、液状熱媒体を用いるこ
とが特に好ましい。 〔III.加熱処理工程:〕前記したように、第1の発明
は、プラスチックおよび熱媒体を反応器に供給し、 200
〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃に加熱した後、
200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃に加熱した
被処理物中に、新たにプラスチックを間欠的または連続
的に供給し、 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340
℃で処理するとともに、被処理物を前記反応器から間欠
的または連続的に抜き出し、冷却、固化するプラスチッ
クの処理方法である。
【0038】以下、第1の発明における加熱処理工程に
ついて、熱媒体として有機溶媒を用いる場合を例として
説明する。本発明における加熱処理工程は、反応器にプ
ラスチックと共に有機溶媒を供給して加熱処理を行う工
程(以下、前段加熱処理工程とも記す)および該前段加
熱処理工程後に上記反応器中の被処理物中に新たにプラ
スチックを供給して加熱処理を行うと共に被処理物を反
応器から抜き出す工程(以下、後段加熱処理工程とも記
す)に区分できる。
【0039】本発明における前記した後段加熱処理工程
において、被処理物中に新たにプラスチックを供給する
時期、被処理物を反応器から抜き出す時期は、特に制限
されるものではない。また、前記した被処理物中に新た
にプラスチックを供給する供給方法としては、間欠的供
給法または連続的供給法のいずれの供給法を用いてもよ
い。
【0040】また、被処理物を反応器から抜き出す抜き
出し法は、間欠的な抜き出し法または連続的な抜き出し
法のいずれの抜き出し法を用いてもよい。本発明におい
ては、後段加熱処理工程において反応器中の被処理物を
熱媒体として用いるため、被処理物を反応器から抜き出
す工程において、被処理物の一部を間欠的もしくは連続
的に抜き出し、抜き出した後も被処理物の一部を反応器
に残した状態で新たなプラスチックを補給する。
【0041】すなわち、本発明においては、被処理物を
反応器から抜き出す方法として間欠的抜き出し法を用い
る場合は、被処理物の一部を抜き出し、反応器中に反応
器内容積の 10vol%以上、より好ましくは10〜 90vol%
の被処理物を残留せしめ、1回の抜き出し量が反応器内
容積の 90vol%以下、より好ましくは10〜 90vol%であ
ることが好ましい。
【0042】また、被処理物を反応器から抜き出す方法
として連続的抜き出し法を用いる場合は、反応器中の被
処理物の保持量を反応器内容積の 10vol%以上、より好
ましくは 18vol%以上に維持する条件下で抜き出すこと
が好ましい。上記した本発明における加熱処理工程の後
段加熱処理工程におけるさらに具体的な工程順序として
は、下記(1) 〜(3) の工程順序が例示される。
【0043】(1) 被処理物の抜き出し→新たなプラスチ
ックの供給(間欠的抜き出し、間欠的供給) (2) 被処理物の抜き出しと新たなプラスチックの供給を
時刻をラップして行う(間欠的抜き出し、間欠的供給
または連続的抜き出し、連続的供給)。 (3) 新たなプラスチックの供給→被処理物の抜き出し
(間欠的供給、間欠的抜き出し) 前記したように、本発明においては、 200〜 400℃、よ
り好ましくは 250〜 340℃に加熱した被処理物を熱媒体
として利用するため、被処理物抜き出し後も、反応器中
に被処理物を、反応器内容積の 10vol%以上残留せしめ
るように被処理物を抜き出すことが好ましい。
【0044】上記した第1の発明における加熱処理工程
としては、下記の工程が例示される。すなわち、例え
ば、廃プラスチックを反応器内で加熱溶融し、脱塩素を
行った後、冷却、固化して廃プラスチックから固体燃
料、固体還元剤を製造するに際して、第1回目の廃プラ
スチックの加熱溶融・脱塩素時に鉱油を有機溶媒(熱媒
体)とし、廃プラスチックと鉱油の混合物を200 〜400
℃、より好ましくは 250〜340℃の温度範囲内で処理し
た後、反応器内の被処理物の一部を抜き出し冷却、固化
すると共に、残留被処理物を 200〜 400℃、より好まし
くは 250〜 340℃の温度範囲内に加熱した状態で上記し
た抜き出し時の抜き出し量の0.5 〜2質量倍の廃プラス
チックを補給する。
【0045】引き続き、第2回目の廃プラスチックの加
熱溶融・脱塩素処理として、残留被処理物および補給廃
プラスチックの混合物を、 200〜 400℃、より好ましく
は 250〜 340℃の温度範囲内で処理し、続いて反応器内
の被処理物の一部を抜き出し冷却、固化すると共に、残
留被処理物を 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340
℃の温度範囲内に加熱した状態で上記した第2回目の抜
き出し時の抜き出し量の0.5 〜2質量倍の廃プラスチッ
クを補給する。
【0046】第3回目以降の廃プラスチックの加熱溶融
・脱塩素処理においても、上記操作を繰り返し、残留被
処理物および補給廃プラスチックの混合物を 200〜 400
℃、より好ましくは 250〜 340℃の温度範囲内で処理す
る。なお、上記した被処理物の抜き出しおよび廃プラス
チックの補給は、前記したように、前後して行ってもよ
く、時刻をラップして行ってもよい。
【0047】以下、本発明における加熱処理工程を、前
記した前段加熱処理工程(:反応器にプラスチックと共
に有機溶媒を供給して加熱処理を行う工程)および前記
した後段加熱処理工程(:前段加熱処理工程後に反応器
の被処理物中に新たなプラスチックを仕込んで加熱処理
を行うと共に被処理物を反応器から抜き出す工程)に区
分して説明する。
【0048】〔III.−1.前段加熱処理工程:〕本発明
においては、前段加熱処理時(第1回目のプラスチック
処理時)に、反応器中においてプラスチックと有機溶媒
とを 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃の温度
範囲内で混合状態とする。有機溶媒とプラスチックとの
質量比率、すなわち、有機溶媒/プラスチック〔質量
比〕の好適範囲は、1/1以下であり、より好ましくは
0.05/1.0 〜1/1の範囲である。
【0049】上記した質量比が1/1を超える場合、所
定のプラスチック処理量に対して反応器の内容積を大き
くする必要があり、装置の大型化に伴う問題が生じると
共に、塩化水素回収系統に設ける有機溶媒回収用のコン
デンサー(凝縮器)の能力を増加する必要が生じ装置が
大型化する。逆に、上記した質量比が0.05/1.0 未満の
場合、反応器内の溶融物(被処理物)の粘度が高くなり
溶融物の攪拌および溶融物の抜き出しが困難となると共
に、脱塩素率が低下する。
【0050】プラスチックと有機溶媒とを 200〜 400℃
の温度範囲内で混合状態にする方法は、特には制限され
ない。すなわち、例えば、常温でプラスチックと有機溶
媒とを混合した後、 200〜 400℃の温度範囲内となるよ
うに加熱、昇温しても良いし、有機溶媒を 200〜 400℃
の温度範囲内となるように加熱、昇温した後、プラスチ
ックを供給、混合し、プラスチックと有機溶媒との混合
物の温度が200 〜400 ℃の温度範囲内となるように制御
しても良い。
【0051】混合物の温度が 200℃未満の場合、混合物
の溶融粘度が高くなり、取扱性が劣るほか、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有プラスチック
の脱塩素率が低下する。このため、混合物の温度は 200
℃以上、より好ましくは 250℃以上とする必要がある。
【0052】一方、混合物の温度が 400℃を超えて高く
なると、プラスチックのガス化や油化により固形物の収
率が低下し、目的とする固体燃料、固体還元剤などの固
形物を収率に優れた方法で製造することができない。ま
た、有機溶媒の蒸気圧が高くなるため、反応器の耐圧能
力を高くする必要があり、設備費の面から経済的でな
い。
【0053】このため、混合物の温度は 400℃以下、よ
り好ましくは 340℃以下とする必要がある。プラスチッ
クと有機溶媒との混合物を 200〜 400℃の温度範囲内で
混合状態にした後は、該温度範囲内で一定時間保持する
ことが好ましい。200〜 400℃における保持時間は、好
ましくは10分〜30時間、より好ましくは30分〜30時間で
ある。
【0054】保持時間が10分以上の場合、脱塩素が確実
に行え、また、溶融物(被処理物)の抜き出し、冷却後
に得られる固形物が脆くなり粉砕性が向上する。保持時
間が30時間を超える場合は、プラスチックの分解・ガス
化が進行し、目的とする固形物の収率が低下し、また設
備の処理能力が低下する。なお、上記した前段加熱処理
工程においては、有機溶媒の一部またはほぼ全部を蒸発
させて除去してもよい。
【0055】これは、本発明によれば、溶融物(被処理
物)抜き出しに際し、溶融物の一部を反応器に残すた
め、残留溶融物が下記する後段加熱処理工程において有
機溶媒の機能を発揮するためである。有機溶媒の蒸発量
は、使用する溶媒の沸点範囲によってほぼ決定される。 〔III.−2.後段加熱処理工程:〕本発明においては、
前記した前段加熱処理工程(第1回目の加熱溶融・脱塩
素工程)の後、反応器内に被処理物の一部を残留せしめ
る条件下で、反応器内の被処理物を間欠的に一部抜き出
すか、連続的に抜き出し冷却、固化すると共に、反応器
内の 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃に加熱
した残留被処理物中に新たにプラスチックを補給し、20
0 〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃で処理する
(後段加熱処理工程)。
【0056】上記した残留被処理物の温度および新たに
プラスチックを補給した後の処理温度が 200℃未満の場
合は、混合物の溶融粘度が高くなり、取扱性が劣るほ
か、塩素含有プラスチックの脱塩素率が低下する。ま
た、上記した残留被処理物の温度および新たにプラスチ
ックを補給した後の処理温度が 400℃を超えて高くなる
と、プラスチックのガス化や油化により固形物の収率が
低下し、目的とする固体燃料、固体還元剤などの固形物
を収率に優れた方法で製造することができない。
【0057】前記したように、被処理物の抜き出しおよ
び新たなプラスチックの補給は、前後して行ってもよ
く、時刻をラップして行ってもよい。また、前記したよ
うに、被処理物を反応器から抜き出す方法として間欠的
抜き出し法を用いる場合は、被処理物の一部を抜き出
し、反応器中に反応器内容積の10vol%以上、より好ま
しくは10〜 90vol%の被処理物を残留せしめ、1回の抜
き出し量が反応器内容積の 90vol%以下、より好ましく
は10〜 90vol%であることが好ましい。
【0058】また、被処理物を反応器から抜き出す方法
として連続的抜き出し法を用いる場合は、反応器中の被
処理物の保持量を反応器内容積の 10vol%以上、より好
ましくは 18vol%以上に維持する条件下で抜き出すこと
が好ましい。上記した後段加熱処理工程としては、下記
に示すように、被処理物の一部の抜き出しおよび新たな
プラスチックの補給をいずれも間欠的に行う回分式処理
法、または、被処理物を連続的に抜き出しながら、抜き
出し量に対応する量の新たなプラスチックを連続的に補
給する連続式処理法が例示される。
【0059】(回分式処理法:)前記した前段加熱処理
工程の後、先ず、反応器内の被処理物の一部を抜きだし
(:第1回目の抜き出し)、冷却、固化する。1回の抜
き出し量は、反応器内容積の10〜 90vol%であることが
好ましい。次に、残留被処理物を 200〜 400℃、より好
ましくは 250〜 340℃に加熱した状態で上記抜き出し時
の抜き出し量の0.5 〜2質量倍のプラスチックを補給
し、200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃の温度
範囲内で所定時間処理する。
【0060】次に、反応器内の被処理物の一部を抜き出
し(:第2回目の抜き出し)、冷却、固化すると共に、
残留被処理物を 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 3
40℃に加熱した状態で、上記した抜き出し時の抜き出し
量の0.5 〜2質量倍のプラスチックを補給し、 200〜 4
00℃、より好ましくは 250〜 340℃の温度範囲内で所定
時間処理する。
【0061】以降、上記した後段加熱処理を繰り返す。
前記した第1回目の抜き出し量と第2回目以降の抜き出
し量は必ずしも同一である必要はないが、いずれの場合
も1回の抜き出し量は、反応器内容積の10〜90vol%で
あることが好ましい。1回の抜き出し量が反応器内容積
の 10vol%未満の場合、反応器の空間利用効率が低下
し、経済性が失われると共に、バルブなどの開閉が頻繁
になり、工業的な安定操業上不利である。
【0062】また、1回の抜き出し量が反応器内容積の
90vol%を超える場合、新たに補給するプラスチックの
加熱溶融時の昇温速度が低下する。プラスチックの補給
量は、抜き出し量の 0.5〜2質量倍が好ましい。これ
は、抜き出し量と等量のプラスチックを補給することが
好ましいが、プラスチックの溶融物は粘稠であり、抜き
出し量を正確に把握することが出来ない場合が想定され
るためである。
【0063】すなわち、プラスチックの補給量を好まし
くは上記範囲内に制限することによって、プラスチック
補給後の反応器内の溶融物およびプラスチックの混合物
の量の変動を抑制することができる。プラスチックの補
給量が抜き出し量の 0.5質量倍未満の場合、反応器の空
間利用効率が低下し効率的でない。
【0064】また、補給量が抜き出し量の2質量倍を超
えることが繰り返された場合、いずれは反応器から溶融
物が溢流してしまうことは言うまでもない。 (連続式処理法:)前記した前段加熱処理工程の後、反
応器内の被処理物を連続的に抜きだし冷却、固化すると
共に、反応器内の残留溶融物を含む被処理物を 200〜 4
00℃、より好ましくは 250〜 340℃の温度範囲内に加熱
した状態で、反応器内の溶融物の液面高さがほぼ一定に
保持されるように所定量のプラスチックを連続的に補給
し、200〜 400℃、より好ましくは 250〜 340℃の温度
範囲内で処理する。
【0065】なお、この際、本発明の目的を損なわない
範囲で有機溶媒を連続的に補給してもよい。本発明によ
れば、反応器内に被処理物を残留せしめ、残留溶融物を
含む被処理物を 200〜 400℃、より好ましくは 250〜 3
40℃に加熱した状態でプラスチックを補給し、反応器内
の液面高さをほぼ一定に保持することによって、反応器
内には低粘度化された溶融プラスチック処理物が残り、
残留溶融プラスチック処理物が有機溶媒と同様の役割を
果たす。
【0066】すなわち、上記した残留溶融プラスチック
処理物の中に新たにプラスチックを補給しても、反応器
内容物の攪拌・昇温・均熱を容易に行うことができる。
反応器内のプラスチックの平均滞留時間は、反応器内の
被処理物の量を溶融物の抜き出し速度あるいは補給速度
で除することによって算出される。本発明においては、
反応器内のプラスチックの平均滞留時間が10分以上、30
時間以内であることが好ましい。
【0067】平均滞留時間が10分未満の場合、反応器内
の温度制御が困難となると共にプラスチック処理物の脱
塩素率が低下する。また、平均滞留時間が30時間を超え
る場合、処理効率が低下し経済的でない。 〔IV. 粉砕工程:〕前記したように、本発明における第
3の発明は、前記した第1の発明または第2の発明で得
られた冷却・固化物であるプラスチック処理物を粉砕す
るプラスチックの処理方法である。
【0068】すなわち、前記した第1の発明で得られた
冷却・固化物であるプラスチック処理物は、所定の粒径
となるように粉砕することが好ましい。前記した本発明
の方法で得られた冷却・固化物であるプラスチック処理
物の粉砕は、未処理のプラスチックの粉砕に比較して極
めて容易に行うことができる。すなわち、本発明の方法
で得られたプラスチック処理物は、あらゆるタイプの粉
砕機で粉砕可能であり、粉砕機として、例えばジョーク
ラッシャー、ロールクラッシャー、ボールミル、遠心ミ
ルなどを用いることができる。
【0069】粉砕後の粒径は、プラスチック処理物の使
用目的に応じて決めればよく、所定の粒径となるように
粒度調整を行えば、例えば、鉄鉱石などの鉱石還元剤、
すなわち高炉など銑鉄を製造する竪型炉の還元剤などの
原燃料や、ボイラ、キルンなどの燃焼用燃料、キュポラ
の燃料、コークス炉の原料として使用できる。また、上
記した用途以外にも固体燃料として使用できる。
【0070】なお、前記した高炉など銑鉄を製造する竪
型炉の還元剤として使用する場合、竪型炉の炉頂から装
入することも可能であるが、プラスチック処理物の還元
剤および燃料としての利用効率の面から、本発明のプラ
スチックの処理方法で得られたプラスチック処理物を、
銑鉄を製造する竪型炉の送風羽口前に形成されるレース
ウェイ内に吹き込むことが好ましい。
【0071】また、この場合、本発明のプラスチックの
処理方法で得られた冷却・固化物の粉砕品を、レースウ
ェイ内に吹き込むことが好ましい。レースウェイ内に吹
き込む方法としては、ブローパイプ方式、羽口吹き込み
方式のいずれも用いることが可能であり、吹き込み方式
は特に制限されるものではない。
【0072】本発明のプラスチックの処理方法で得られ
たプラスチック処理物は、前記したように塩素含有プラ
スチックを原料とした場合も塩素含有量が少ないため、
高炉、ボイラ、キルン、キュポラ、コークス炉などにお
ける還元剤、燃料、原料として用いた場合、塩素もしく
は塩素化合物による炉の内壁耐火物の化学的侵食を防止
することが可能であるという優れた特性を有している。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。なお、以下の実施例、比較例において
は、反応器内の被処理物の一部である所定量を間欠的に
抜き出し、抜き出し量に対応する量の新たなプラスチッ
クを間欠的に反応器内に仕込む操作を回分式処理法と記
す。
【0074】また、反応器内の被処理物を連続的に抜き
出しながら、抜き出し量に対応する量の新たなプラスチ
ックを連続的に反応器内に仕込む操作を連続式処理法と
記す。 〔実施例1〕(回分式処理法) 図1に、本実施例で用いた反応装置を示す。
【0075】なお、図1において、1は反応器、2はプ
ラスチック(原料)、3は熱媒体、4はプラスチック溶
融物(被処理物)、5はプラスチック処理物(溶融
物)、6は回収熱媒体、7は水封用の水、8は冷却水、
9は攪拌機、9aは攪拌翼、10はコンデンサー(凝縮
器)、11は回収熱媒体貯槽、12は水封装置、13は反応器
外壁のヒータ、14は冷却水通水管、15は弁を示す。
【0076】本実施例においては、下記に示すプラスチ
ックと共に熱媒体として有機溶媒を仕込んだ前段加熱処
理工程(以下、前段加熱処理と記す)および前段加熱処
理工程に引き続きプラスチックのみを仕込んだ後段加熱
処理工程(以下、後段加熱処理と記す)によってプラス
チックを処理した。 (前段加熱処理:)図1に示すステンレス製の反応器
(内容積:5L)1に、有機溶媒としてA重油:500g
と、ポリエチレン:300g、ポリプロピレン:260g、ポリ
スチレン:360g、ポリエチレンテレフタレート:20g 、
軟質ポリ塩化ビニル:30g および硬質ポリ塩化ビニル:
30g のそれぞれ市販のペレット(プラスチックの合計
量:1000g)を仕込み、反応器外壁のヒータ13によって
昇温を開始した。
【0077】なお、処理前のプラスチックの平均塩素含
有量は 2.4質量%であった。反応器内の被処理物の温度
が240 ℃に到達した時点から、A重油の蒸発が始まっ
た。昇温開始後135 分で被処理物の温度が260 ℃に到達
し、1時間この状態を保持した。
【0078】この過程で、塩化水素:20g が水封装置12
の水中に塩酸として回収され、また蒸発したA重油:65
g が回収熱媒体貯槽11に回収された。次に、反応器内の
被処理物の温度を260 ℃に保持しながら得られた被処理
物の内700gを抜き出し冷却した結果、黄褐色の固体
(塊)が得られた。 (後段加熱処理:)上記した前段加熱処理に引き続き、
残留被処理物の温度を260 ℃に保持した反応器1に、上
記で一部抜き出した被処理物の抜き出し量に対応して、
ポリエチレン:210g、ポリプロピレン:182g、ポリスチ
レン:252g、ポリエチレンテレフタレート:14g 、軟質
ポリ塩化ビニル:21g および硬質ポリ塩化ビニル:21g
のそれぞれ市販のペレット(プラスチックの合計量:70
0g)を仕込んだ。
【0079】仕込み後、反応器内の被処理物の温度が18
6 ℃まで低下したため、反応器外壁のヒータ13によって
昇温した。40分後、被処理物の温度が260 ℃に到達し、
1時間この状態を保持した。この過程で、塩化水素:14
g が水封装置12の水中に塩酸として回収され、また蒸発
したA重油:5gが回収熱媒体貯槽11に回収された。
【0080】次に、反応器1の内容物を全量抜き出し、
冷却した結果、黄褐色の固体(塊)が得られた。上記し
た実験後、上記した前段加熱処理および後段加熱処理の
それぞれで得られたプラスチック処理物である黄褐色の
固体(塊)について、塩素を分析すると共に、黄褐色の
固体(塊)の粉砕性を評価した。
【0081】この結果、前段加熱処理および後段加熱処
理で得られたプラスチック処理物である黄褐色の固体
(塊)の塩素含有量は、いずれも 0.1質量%であった。
また、前段加熱処理および後段加熱処理で得られたプラ
スチック処理物である黄褐色の塊:50g を、回転刃式粉
砕機に装入して粉砕した結果、いずれも極めて容易に粉
砕でき、いずれの黄褐色の塊についても粉砕時間:40秒
間で平均粒径:1mmの微粉末が得られた。
【0082】上記した実施例におけるプラスチックの単
位時間当たりの処理量は346g/hであった。 〔実施例2〕(回分式処理法) 前記した図1に示す反応装置を用いて実験を行った。本
実施例においては、下記に示す廃プラスチックの粉砕品
と共に熱媒体として有機溶媒を仕込んだ前段加熱処理工
程(:前段加熱処理)および前段加熱処理工程に引き続
き廃プラスチックの粉砕品のみを仕込んだ後段加熱処理
工程(:後段加熱処理)によってプラスチックを処理し
た。
【0083】(前段加熱処理:)図1に示すステンレス
製の反応器(内容積:5L)1に、有機溶媒としてA重
油:500gと、都市不燃ゴミからより分けた廃プラスチッ
クの粉砕品(粒径:9mm以下):1000g を仕込み、反応
器外壁のヒータ13によって昇温を開始した。なお、処理
前の廃プラスチックの粉砕品の塩素含有量は 3.1質量%
であった。
【0084】反応器内の被処理物の温度が240 ℃に到達
した時点から、A重油の蒸発が始まった。昇温開始後22
5 分で被処理物の温度が320 ℃に到達し、1時間この状
態を保持した。この過程で、塩化水素:27g が水封装置
12の水中に塩酸として回収され、また蒸発したA重油:
80g が回収熱媒体貯槽11に回収された。
【0085】回収したA重油には黒色の固体と、灰色の
結晶固体が含まれていた。次に、反応器内の被処理物の
温度を320 ℃に保持しながら得られた被処理物の内300g
を抜き出し冷却した結果、黒色の固体(塊)が得られ
た。 (後段加熱処理:)上記した前段加熱処理に引き続き、
反応器内の残留被処理物の温度を320 ℃に保持した反応
器1に、上記で一部抜き出した被処理物の抜き出し量に
対応して、都市不燃ゴミからより分けた廃プラスチック
の粉砕品(粒径:9mm以下):300gを仕込んだ。
【0086】仕込み後、反応器内の被処理物の温度が22
5 ℃まで低下したため、反応器外壁のヒータ13によって
昇温した。58分後、被処理物の温度が320 ℃に到達し、
1時間この状態を保持した。この過程で、塩化水素:7g
が水封装置12の水中に塩酸として回収され、また蒸発し
たA重油:20g が回収熱媒体貯槽11に回収された。
【0087】次に、反応器1の内容物を全量抜き出し、
冷却した結果、黒色の固体(塊)が得られた。上記した
実験後、上記した前段加熱処理および後段加熱処理のそ
れぞれで得られたプラスチック処理物である黒色の固体
(塊)について、塩素を分析すると共に、黒色の固体
(塊)の粉砕性を評価した。
【0088】この結果、前段加熱処理および後段加熱処
理で得られたプラスチック処理物である黒色の固体
(塊)の塩素含有量は、いずれも 0.3質量%であった。
また、前段処理および後段処理で得られたプラスチック
処理物である黒色の塊:50g を、回転刃式粉砕機に装入
して粉砕した結果、いずれも極めて容易に粉砕でき、前
段加熱処理で得られた黒色の固体(塊)の場合、粉砕時
間:50秒間で平均粒径:1mmの微粉末が得られ、後段加
熱処理で得られた黒色の固体(塊)の場合、粉砕時間:
52秒間で平均粒径:1mmの微粉末が得られた。
【0089】上記した実施例におけるプラスチックの単
位時間当たりの処理量は194g/hであった。 〔比較例1〕図1に示すステンレス製の反応器(内容
積:5L)1に、ポリエチレン:300g、ポリプロピレ
ン:260g、ポリスチレン:360g、ポリエチレンテレフタ
レート:20g 、軟質ポリ塩化ビニル:30g および硬質ポ
リ塩化ビニル:30g のそれぞれ市販のペレット(プラス
チックの合計量:1000g )を仕込み、反応器外壁のヒー
タ13によって昇温を開始した。
【0090】なお、処理前のプラスチックの平均塩素含
有量は 2.4質量%であった。昇温開始後165 分で被処理
物の温度が260 ℃に到達し、1時間この状態を保持し
た。この過程で、塩化水素:20g が水封装置12の水中に
塩酸として回収された。次に、被処理物を抜き出し冷却
した結果、黒色の固体(塊)が得られた。
【0091】得られたプラスチック処理物である黒色の
固体(塊)の塩素を分析した結果、塩素含有量は 0.2質
量%であった。上記した比較例におけるプラスチックの
単位時間当たりの処理量は267g/hであった。 〔比較例2〕(回分式処理法) 前記した図1に示す反応装置を用いて実験を行った。
【0092】本比較例においては、下記に示す廃プラス
チックの粉砕品のみを仕込んだ前段加熱処理工程(:前
段加熱処理)および前段加熱処理工程に引き続き廃プラ
スチックの粉砕品のみを仕込んだ後段加熱処理工程(:
後段加熱処理)によってプラスチックを処理した。 (前段加熱処理:)図1に示すステンレス製の反応器
(内容積:5L)1に、都市不燃ゴミからより分けた廃
プラスチックの粉砕品(粒径:9mm以下):1000g を仕
込み、反応器外壁のヒータ13によって昇温を開始した。
【0093】なお、処理前の廃プラスチックの粉砕品の
塩素含有量は 3.1質量%であった。昇温開始後305 分で
被処理物の温度が320 ℃に到達し、1時間この状態を保
持した。この過程で、塩化水素:24g が水封装置12の水
中に塩酸として回収されたが、コンデンサー(凝縮器)
10の内部には多量の黒色固体の付着が認められた。
【0094】次に、反応器内の被処理物の温度を320 ℃
に保持しながら得られた被処理物の内400gを抜き出し冷
却した結果、黒色の固体(塊)が得られた。 (後段加熱処理:)上記した前段加熱処理に引き続き、
反応器内の残留被処理物の温度を320 ℃に保持した反応
器1に、上記で一部抜き出した被処理物の抜き出し量に
対応して、都市不燃ゴミからより分けた廃プラスチック
の粉砕品(粒径:9mm以下):400gを仕込んだ。
【0095】仕込み後、反応器内の被処理物の温度が23
0 ℃まで低下したため、反応器外壁のヒータ13によって
昇温した。65分後、被処理物の温度が320 ℃に到達し、
1時間この状態を保持した。この過程で、塩化水素:9g
が水封装置12の水中に塩酸として回収されたが、コンデ
ンサー(凝縮器)10の内部は黒色固体により閉塞寸前で
あった。
【0096】次に、反応器1の内容物を全量抜き出し、
冷却した結果、黒色の固体(塊)が得られた。上記した
実験後、上記した前段加熱処理および後段加熱処理のそ
れぞれで得られたプラスチック処理物である黒色の固体
(塊)について、塩素を分析した。この結果、前段加熱
処理および後段加熱処理で得られたプラスチック処理物
である黒色の固体(塊)の塩素含有量は、いずれも 0.4
質量%であった。
【0097】上記した比較例におけるプラスチックの単
位時間当たりの処理量は171g/hであった。 〔実施例3〕(連続式処理法) 図2に、本実施例で用いた反応装置を示す。なお、図2
において、16はプラスチック溶融物レベル(液面)指示
調節計、17は処理物抜き出し管に設けた処理物抜き出し
量調節弁を示し、その他の符号は前記した図1と同一の
内容を示す。
【0098】本実施例においては、下記に示すプラスチ
ックと共に熱媒体として有機溶媒を仕込んだ前段加熱処
理工程(:前段加熱処理)および前段加熱処理工程に引
き続きプラスチックのみを仕込んだ後段加熱処理工
程(:後段加熱処理)によってプラスチックを処理し
た。 (前段加熱処理:)図2に示すステンレス製の反応器
(内容積:5L)1に、有機溶媒としてA重油:500g
と、ポリエチレン:300g、ポリプロピレン:260g、ポリ
スチレン:360g、ポリエチレンテレフタレート:20g 、
軟質ポリ塩化ビニル:30g および硬質ポリ塩化ビニル:
30g のそれぞれ市販のペレット(プラスチックの合計
量:1000g)を仕込み、反応器外壁のヒータ13によって
昇温を開始した。
【0099】なお、処理前のプラスチックの平均塩素含
有量は 2.4質量%であった。反応器内の被処理物の温度
が240 ℃に到達した時点から、A重油の蒸発が始まっ
た。昇温開始後135 分で被処理物の温度が260 ℃に到達
した。この過程で、塩化水素:20g が水封装置12の水中
に塩酸として回収され、また蒸発したA重油:65g が回
収熱媒体貯槽11に回収された。
【0100】(後段加熱処理:)上記した前段加熱処理
に引き続き、反応器内の被処理物の温度を260 ℃に保持
した状態で、被処理物を毎分10g の割合で抜き出しなが
ら、反応器1に、十分に混合したポリエチレン:300g、
ポリプロピレン:260g、ポリスチレン:360g、ポリエチ
レンテレフタレート:20g 、軟質ポリ塩化ビニル:30g
および硬質ポリ塩化ビニル:30g のそれぞれ市販のペレ
ット(プラスチックの合計量:1000g )の混合物を毎分
10g の割合で仕込んだ。
【0101】上記操作を1時間継続した後、処理物抜き
出し量調節弁17を閉じると共に、プラスチックの仕込み
を中止した。この過程で、塩化水素:15g が水封装置12
の水中に塩酸として回収され、また蒸発したA重油:9g
が回収熱媒体貯槽11に回収された。次に、反応器1の内
容物を抜き出し、抜き出した溶融物を冷却した結果、黄
褐色の固体(塊)が得られた。
【0102】上記した実験後、得られたプラスチック処
理物である黄褐色の固体(塊)の塩素を分析すると共
に、粉砕性を評価した。この結果、得られたプラスチッ
ク処理物である黄褐色の固体(塊)の塩素含有量は、
0.1質量%であった。また、得られたプラスチック処理
物である黄褐色の塊:50g を、回転刃式粉砕機に装入し
て粉砕した結果、極めて容易に粉砕でき、粉砕時間:40
秒間で平均粒径:1mmの微粉末が得られた。
【0103】上記した実施例におけるプラスチックの単
位時間当たりの処理量は、492g/hであった。 〔実施例4〕(連続式処理法) 前記した図2に示す反応装置を用いて実験を行った。本
実施例においては、下記に示す廃プラスチックの粉砕品
と共に熱媒体として有機溶媒を仕込んだ前段加熱処理工
程(:前段加熱処理)および前段加熱処理工程に引き続
き廃プラスチックの粉砕品のみを仕込んだ後段加熱処理
工程(:後段加熱処理)によってプラスチックを処理し
た。
【0104】(前段加熱処理:)図2に示すステンレス
製の反応器(内容積:5L)1に、有機溶媒としてA重
油:500gと、都市不燃ゴミからより分けた廃プラスチッ
クの粉砕品(粒径:9mm以下):1000g を仕込み、反応
器外壁のヒータ13によって昇温を開始した。なお、処理
前の廃プラスチックの粉砕品の塩素含有量は 3.1質量%
であった。
【0105】反応器内の被処理物の温度が240 ℃に到達
した時点から、A重油の蒸発が始まった。昇温開始後22
5 分で被処理物の温度が320 ℃に到達した。この過程
で、塩化水素:27g が水封装置12の水中に塩酸として回
収され、また蒸発したA重油:340gが回収熱媒体貯槽11
に回収された。
【0106】回収したA重油には黒色の固体と、灰色の
結晶固体が含まれていた。 (後段加熱処理:)上記した前段加熱処理に引き続き、
反応器内の被処理物の温度を320 ℃に保持した状態で、
被処理物を毎分5g の割合で抜き出しながら、反応器1
に、都市不燃ゴミからより分けた廃プラスチックの粉砕
品(粒径:9mm以下)を毎分5g の割合で仕込んだ。
【0107】上記操作を1時間継続した後、処理物抜き
出し量調節弁17を閉じると共に、廃プラスチックの仕込
みを中止した。この過程で、塩化水素:7g が水封装置
12の水中に塩酸として回収され、また蒸発したA重油:
12g が回収熱媒体貯槽11に回収された。次に、反応器1
の内容物を抜き出し、抜き出した溶融物を冷却した結
果、黒色の固体(塊)が得られた。
【0108】上記した実験後、得られた廃プラスチック
処理物である黒色の固体(塊)の塩素を分析すると共
に、粉砕性を評価した。この結果、得られた廃プラスチ
ック処理物である黒色の固体(塊)の塩素含有量は、
0.3質量%であった。また、得られた廃プラスチック処
理物である黒色の塊:50g を、回転刃式粉砕機に装入し
て粉砕した結果、極めて容易に粉砕でき、粉砕時間:50
秒間で平均粒径:1mmの微粉末が得られた。
【0109】上記した実施例における廃プラスチックの
単位時間当たりの処理量は、274g/hであった。 〔比較例3〕(連続式処理法) 前記した図2に示す反応装置を用いて実験を行った。本
比較例においては、下記に示す廃プラスチックの粉砕品
のみを仕込んだ前段加熱処理工程(:前段加熱処理)お
よび前段加熱処理工程に引き続き廃プラスチックの粉砕
品のみを仕込んだ後段加熱処理工程(:後段加熱処理)
によってプラスチックを処理した。
【0110】(前段加熱処理:)図2に示すステンレス
製の反応器(内容積:5L)1に、都市不燃ゴミからよ
り分けた廃プラスチックの粉砕品(粒径:9mm以下):
1000g を仕込み、反応器外壁のヒータ13によって昇温を
開始した。なお、処理前の廃プラスチックの粉砕品の塩
素含有量は 3.1質量%であった。
【0111】昇温開始後305 分で反応器内の被処理物の
温度が320 ℃に到達した。この過程で、塩化水素:24g
が水封装置12の水中に塩酸として回収されたが、コンデ
ンサー(凝縮器)11の内部には多量の黒色固体の付着が
認められた。 (後段加熱処理:)上記した前段加熱処理に引き続き、
反応器内の被処理物の温度を320 ℃に保持した状態で、
被処理物を毎分5g の割合で抜き出しながら、反応器1
に、都市不燃ゴミからより分けた廃プラスチックの粉砕
品(粒径:9mm以下)を毎分5g の割合で仕込んだ。
【0112】上記操作を1時間継続した後、処理物抜き
出し量調節弁17を閉じると共に、廃プラスチックの仕込
みを中止した。この過程で、塩化水素:6g が水封装置
12の水中に塩酸として回収されたが、コンデンサー(凝
縮器)10の内部は黒色固体により閉塞寸前であった。次
に、反応器1の内容物を抜き出し、抜き出した溶融物を
冷却した結果、黒色の固体(塊)が得られた。
【0113】上記した実験後、得られた廃プラスチック
処理物である黒色の固体(塊)の塩素を分析した。この
結果、得られた廃プラスチック処理物である黒色の固体
(塊)の塩素含有量は、 0.4質量%であった。上記した
比較例における廃プラスチックの単位時間当たりの処理
量は、214g/hであった。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、下記(1) 〜(7) の優れ
た効果を得ることができる。 (1) 粉砕が極めて容易なプラスチック処理物を得ること
ができ、廃プラスチックを原料として燃焼性に優れた微
粉の固体燃料、固体還元剤を製造することができる。
【0115】(2) 塩素含有プラスチックを含むプラスチ
ックを、実質的に塩素を含有しないプラスチック処理物
に転化することが可能なため、廃プラスチックを原料と
して無公害の固体燃料、固体還元剤を製造することがで
きる。 (3) 塩素含有プラスチックを含むプラスチックを、実質
的に塩素を含有しないプラスチック処理物に転化するこ
とが可能なため、本発明によって得られるプラスチック
処理物を高炉、ボイラ、キルン、キュポラ、コークス炉
などにおける固体還元剤、固体燃料、原料として用いた
場合、塩素もしくは塩素化合物による炉の内壁耐火物の
化学的浸食を防止することができる。
【0116】(4) 本発明の処理方法によれば、反応器内
にプラスチック処理物である溶融物を残留せしめ、残留
溶融物を、新たに供給するプラスチックに対する熱媒体
として利用するため、熱媒体使用量を削減することがで
きる。 (5) 本発明の処理方法で得られる冷却・固化物は、それ
自体の粉砕性が優れ、減圧蒸留などによる冷却・固化物
からの有機溶媒(熱媒体)の除去が不要なため、減圧蒸
留設備など有機溶媒の除去・回収設備などの付帯設備が
不要であり、設備を簡易化できる。
【0117】(6) 冷却・固化物からの有機溶媒(熱媒
体)の除去・回収設備が不要なため、所要エネルギーを
低減することができる。 (7) 本発明の処理方法によれば、単位時間当たり、反応
器単位容積当たりのプラスチックの処理量を高めること
ができ、プラスチックを効率的に処理することができ
る。
【0118】また、本発明の処理方法は、繰り返し連続
処理を行うことが可能であり、複雑かつ高価な設備を用
いる必要がなく、大量処理も可能で、経済性にも優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた反応装置を示す説明図(縦断
面図)である。
【図2】本実施例で用いた反応装置を示す説明図(縦断
面図)である。
【符号の説明】
1 反応器 2 プラスチック(原料) 3 熱媒体 4 プラスチック溶融物(被処理物) 5 プラスチック処理物(溶融物) 6 回収熱媒体 7 水封用の水 8 冷却水 9 攪拌機 9a 攪拌翼 10 コンデンサー(凝縮器) 11 回収熱媒体貯槽 12 水封装置 13 ヒータ 14 冷却水通水管 15 弁 16 プラスチック溶融物レベル指示調節計 17 処理物抜き出し量調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 一也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 信澤 達也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鈴木 利英 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 侍留 誠 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 宮川 和也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 運崎 秀明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4F301 AA13 AA14 AA15 AA17 AA25 CA09 CA22 CA41 CA51 CA72 4H015 AA02 AA17 AB01 BA12 BB01 BB02 BB03 CA03 CB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックおよび熱媒体を反応器に供
    給し、 200〜 400℃に加熱した後、該温度範囲内に加熱
    した被処理物中に、新たにプラスチックを間欠的または
    連続的に供給し 200〜 400℃で処理するとともに、被処
    理物を前記反応器から間欠的または連続的に抜き出し、
    冷却、固化することを特徴とするプラスチックの処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の処理方法で得られた冷却
    ・固化物であるプラスチック処理物を粉砕することを特
    徴とするプラスチックの処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007090335A (ja) * 2005-08-29 2007-04-12 Jfe Steel Kk 混合プラスチックの微粉およびその製造方法

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