JP2002166975A - 青果物用の緩衝材とその製造方法 - Google Patents

青果物用の緩衝材とその製造方法

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JP2002166975A
JP2002166975A JP2000361998A JP2000361998A JP2002166975A JP 2002166975 A JP2002166975 A JP 2002166975A JP 2000361998 A JP2000361998 A JP 2000361998A JP 2000361998 A JP2000361998 A JP 2000361998A JP 2002166975 A JP2002166975 A JP 2002166975A
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Masahito Hirai
雅人 平井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 損傷しやすい青果物を理想的な状態で、損傷
しないように保持して、長い期間にわたって新鮮な状態
に保持する。 【解決手段】 青果物用の緩衝材は、青果物を保持する
複数の保持凹部1を連結部2で連結してなる形状として
いる。連結部2と保持凹部1は、50重量%以上の紙パ
ルプを含む繊維材を、立体的に方向性なく繊維の間に無
数の空隙を設けてシート状に集合して、繊維の交点を結
合している。保持凹部1は、青果物の重量で変形する柔
軟性があって、3mmよりも厚く成形され、連結部2
は、保持凹部1よりも硬く成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばイチゴ、
桃、メロン、トマト、梨等の青果物用の緩衝材とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】青果物は、できるかぎり損傷を少なくす
るために、緩衝材を入れて梱包している。とくに、イチ
ゴや桃等のように柔らかい青果物は、極めて弱い衝撃で
変質してしまう性質がある。青果物を梱包して運搬する
とき、局部的な衝撃をできるかぎり少なくするために緩
衝材が使用される。緩衝材には、紙繊維を水に分散した
スラリーを、成形型の表面に吸着して成形しているパル
プモールドやプラスチックの軟質発泡体が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】パルプモールドやプラ
スチックの軟質成形体は、青果物に沿う保持凹部を設け
ることができる。このため、保持凹部で青果物を広い面
積で柔らかく支持できる特長がある。しかしながら、パ
ルプモールドの緩衝材は硬いので、衝撃に弱い青果物を
損傷しないように包装できない。このため、梨やリンゴ
のように比較的硬い青果物の緩衝材としては使用できる
が、イチゴや桃のように、柔らかい青果物の緩衝材には
使用できない。損傷しやすい青果物であるイチゴの緩衝
材として、軟質のプラスチック発泡体が使用される。こ
の緩衝材は、全体を柔らかく成形できるので、パルプモ
ールドに比較すると、青果物の損傷を少なくできる。し
かしながら、この緩衝材も、理想的な状態では青果物を
保持できない。とくに、軟質のプラスチック発泡体は、
表面には伸び難い非発泡層があって、内部には変形しや
すい発泡層があるので、全体としては柔軟な割には、表
面を柔軟にして青果物を柔らかく支持するのが難しい。
【0004】さらに、表面に非発泡層があるプラスチッ
ク発泡体は、表面の非発泡層によって表面の通気性が失
われるために、青果物との接触面が蒸れやすい欠点があ
る。このことは、青果物を新鮮な状態で日持ちさせるの
を難しくする。プラスチック発泡体は、表面の非発泡層
を除去して、表面を発泡層とすることができる。この緩
衝材は、表面を柔軟にできると共に、青果物の蒸れを多
少は少なくできる。ただ、この構造の緩衝材は、製造コ
ストが極めて高くなるばかりでなく、材料の利用効率も
著しく悪くなる欠点がある。それは、成形して保持凹部
を設けることができず、裁断または切削加工して、表面
の非発泡層を除去しながら保持凹部を設けるからであ
る。
【0005】本発明は、従来の青果物用の緩衝材が有す
るこのような欠点を解決することを目的に開発されたも
ので、本発明の重要な目的は、イチゴのように極めて損
傷しやすい青果物であっても、理想に近い状態で保持し
て、傷つきを極減し、しかも、新鮮な状態で長い期間支
持できる青果物用の緩衝材とその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の緩衝材は、青果
物を保持する複数の保持凹部1を連結部2で連結してな
る形状としている。連結部2と保持凹部1は、50重量
%以上の紙パルプを含む繊維材を、立体的に方向性なく
繊維の間に無数の空隙を設けてシート状に集合して、繊
維の交点を結合している。さらに、本発明の緩衝材は、
保持凹部1を青果物の重量で変形する柔軟性のある状態
に成形すると共に、3mmよりも厚く成形している。さ
らにまた、緩衝材の連結部2は、保持凹部1よりも硬く
成形して、全体をしっかりとした構造としている。
【0007】緩衝材は、好ましくは、保持凹部1の上面
に集合させている繊維材の平均長さを、保持凹部1の下
面に集合させている繊維材の平均長さよりも長くする。
いいかえると、保持凹部1の下面に短い繊維材を集合し
て、保持凹部1の上面に長い繊維材を集合する。この緩
衝材は、長い繊維材を集合している保持凹部1の上面
を、短い繊維材を集合している下面よりもより柔軟でク
ッション性に富む状態にできる。また、保持凹部1の上
面の空隙を大きして、調湿作用を向上できる。さらに、
原料に使用する紙パルプには、好ましくは古紙パルプを
使用することができる。また、保持凹部1の内面部分を
外側部分よりも柔軟に成形することで、より理想的な状
態で青果物を支持できる。
【0008】本発明の青果物用緩衝材の製造方法は、5
0重量%以上の紙パルプを含む繊維材を、立体的に方向
性なく集合して、繊維の間に無数の空隙のある嵩高原料
マット3とする原料マット製作工程と、原料マット製作
工程で製作された嵩高原料マット3を金型4で加熱状態
で挟着して、青果物を保持する複数の保持凹部1を連結
部2で連結してなる形状に成形すると共に、青果物の重
量で変形する柔軟性があって3mmよりも厚く保持凹部
1を成形し、連結部2を保持凹部1よりも硬く成形する
成形工程とからなる。
【0009】原料マット製作工程において、たとえば、
繊維材を乾式で嵩高原料マット3とし、あるいは、繊維
材を湿式で嵩高原料マット3とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための緩衝材とその製造方法を
例示するものであって、本発明は緩衝材とその製造方法
を下記に特定しない。
【0011】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0012】図1に示す青果物用の緩衝材は、青果物を
保持する複数の保持凹部1を連結部2で連結している形
状としている。緩衝材の連結部2と保持凹部1は、50
重量%以上の紙パルプを含む繊維材を、立体的に方向性
なく繊維の間に無数の空隙を設けてシート状に集合し
て、繊維の交点を結合している。繊維材には、紙パルプ
に、天然繊維および化学繊維、無機質繊維等の人造繊維
を添加することもできる。天然繊維には、綿、羊毛、
絹、麻、やし等、化学繊維には、ナイロン、レーヨン、
アセテート、テトロン、ポリエステル繊維、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン−ポリプロ
ピレン繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリアク
リルニトリル繊維、アルギン酸、タンパク質繊維等を使
用する。無機質繊維には、ガラス繊維、岩石繊維、セラ
ミック繊維、炭素繊維、活性炭繊維等を使用する。
【0013】紙パルプには、好ましくは古紙パルプを使
用する。古紙パルプは、段ボール紙や新聞紙等の古紙を
機械的に破砕して紙パルプとしたものを使用する。リグ
ニンを含む段ボール紙等の古紙パルプは、バインダーを
添加することなく、蒸気で加熱して繊維材を結合できる
特長がある。乾式で製造される緩衝材は、繊維材を10
0%古紙パルプとして製造することもできる。ただ、湿
式で嵩高原料マットを製造して、これを成形して製造さ
れる緩衝材は、全体の嵩比重を小さくするために、天然
繊維、人造繊維等を混合するのがよい。
【0014】繊維材を立体的に集合している緩衝材は、
保持凹部1の厚さを3mm以上に厚く成形すると共に、
青果物の重量で変形する柔軟性があるように成形する。
3mmよりも薄い保持凹部では、充分な緩衝作用で繊維
材を支持できなくなる。また、青果物の調湿作用も低下
する。したがって、保持凹部1の厚さは、好ましくは3
〜30mm、より好ましくは5〜20mm、最適には5
〜15mmとする。
【0015】さらに、保持凹部1は、上面と下面とで繊
維材の平均長さを異なるようにすると、より好ましい状
態で青果物を保持する。保持凹部1の上面には、下面よ
りも長い繊維材を集合させる。長い繊維材を集合してい
る保持凹部1の上面は、空隙率が高くなって、調湿作用
が向上し、さらに多い空隙によって、より変形しやすく
柔軟になる。このため、青果物の重量で保持凹部1の上
面が変形して、より広い面積で青果物の表面に優しく面
接触して支持する。
【0016】さらにまた、緩衝材は、保持凹部1の上面
を柔軟に成形して、下面を硬く成形することもできる。
この構造は、たとえば、金型で挟着して成形するとき
に、下面を上面よりも高温に加熱して、繊維材を密に押
し潰し、また、繊維材に含まれるリグニン等を強固に固
めて硬くする。さらに、バインダーで繊維材の交点を結
合する緩衝材にあっては、下面に多量のバインダーを塗
布して、下面を硬く硬化することができる。この構造の
緩衝材は、保持凹部1の上面を柔軟にして青果物を柔ら
かく支持しながら、全体をしっかりと強い構造にでき
る。
【0017】連結部2は、緩衝材全体をしっかりとした
強度にするために、保持凹部1よりも硬く成形してい
る。硬い連結部2は、強く圧縮して薄く成形し、あるい
は繊維材を密に集合して強靭な構造とする。
【0018】図1に示す緩衝材は、以下の工程で製造す
る。 原料マット製作工程 以下のようにして嵩高原料マットを製作する。50重量
%以上の紙パルプを含む繊維材を、立体的に方向性なく
集合して、繊維の間に無数の空隙のある嵩高原料マット
とする。この製造工程において、嵩高原料マットは、乾
式または湿式で製造される。乾式の製造方法は、水平台
の上に、繊維材を方向性なく落下させて所定の厚さと
し、これを軽くプレスして所定の厚さの嵩高原料マット
とする。この方法で製造される嵩高原料マットは、厚さ
を10〜200mm、好ましくは30〜100mmとす
る。湿式の製造方法は、繊維材を水に分散させてスラリ
ーとし、図2に示すように、スラリー10をポンプ6で
もって網材7を介して吸入し、網材7の上に方向性なく
繊維材を吸着して所定の厚さとし、これを乾燥して嵩高
原料マットとする。この方法で製造される嵩高原料マッ
トは、厚さを10〜50mmとする。湿式で製造される
嵩高原料マットは、紙パルプに長い他の繊維を混合し
て、高い空隙率で集合できるようにする。
【0019】 成形工程 図3に示すように、原料マット製作工程で製作された嵩
高原料マット3を以下のようにして成形する。嵩高原料
マット3を金型4で挟着して加熱し、青果物を保持する
複数の保持凹部1を連結部2で連結してなる形状に成形
する。成形工程において、嵩高原料マット3は、青果物
の重量で変形する柔軟性があって3mmよりも厚く保持
凹部1を成形する。また、連結部2を保持凹部1よりも
薄く硬く成形する。
【0020】
【実施例】[実施例1]以下のようにして、イチゴ用の
緩衝材を製造する。 原料マット製作工程 ダンボール紙を解繊して古紙パルプとする。この古紙パ
ルプ100%からなる繊維材を、乾式で水平台の上に立
体的に方向性なく集合する。このとき、最初に短い古紙
パルプを水平台の上に集合して、その上に長い古紙パル
プを集積する。繊維材を約6cmの厚さに集合した後、
約3cmとなるまでプレスして、繊維の間に無数の空隙
のある板状の嵩高原料マットとする。
【0021】 成形工程 図3に示すように、金型4の上に嵩高原料マット3を載
せ、金型4を型締めして嵩高原料マット3を成形する。
金型4は、蒸気を噴射する加熱孔5を多数設けている。
加熱孔5は、加熱加圧蒸気を噴射して、プレスしている
嵩高原料マット3を加熱する。蒸気に加熱された嵩高原
料マット3は、古紙パルプに含まれるリグニンが繊維材
を変成結合させてプレスされた形状に成形される。この
とき、嵩高原料マット3の下面を押圧する下型4Bのみ
から加熱蒸気を噴射し、あるいは嵩高原料マット3の上
面をプレスする上型4Aよりも多量の水蒸気を下型4B
から噴射して、緩衝材の下面を上面よりも高密度に硬く
硬化できる。それは、下型4Bから多量に噴射される水
蒸気が、嵩高原料マット3の下面をより高温に加熱して
柔軟な状態として高密度に圧縮すると共に、多量の水蒸
気が繊維材を効率よく水素結合させるからである。
【0022】金型4は、保持凹部1の厚さが約5mmと
なるように成形する。この工程で成形された緩衝材は、
イチゴを入れる複数の保持凹部1を連結部2で連結して
いる形状で、保持凹部1の内面は、イチゴの重量で変形
する程度の柔軟性がある。連結部2は保持凹部1よりも
薄く、約2.5mmの厚さに硬く成形する。
【0023】この実施例で製造される緩衝材にイチゴを
入れると、イチゴは柔軟な保持凹部1に支持されて損傷
が極めて少なくなる。また、無数の空隙がある繊維材で
柔らかく支持するので、繊維の間の微細な空隙に過剰な
水分を吸収し、また吸収した水分を補給して調湿するの
で、イチゴの蒸れを防止して、新鮮な状態で保存する。
【0024】[実施例2]以下のようにして、桃の緩衝
材を製造する。 原料マット製作工程 新聞紙、電話帳、雑誌等の書籍を解繊した古紙パルプ
に、バインダーとして低融点のポリエステル繊維を添加
してなる繊維材を、乾式で水平台の上に立体的に方向性
なく集合する。ポリエステル繊維の添加量は5重量%と
する。ただし、バインダー繊維であるポリエステル繊維
の添加量は、1〜20重量%とすることもできる。バイ
ンダー繊維の添加量を多くすると、古紙パルプの交点が
より強く結合されて、緩衝材を硬く強くできる。バイン
ダー繊維の添加量を少なくすると、柔軟な状態になる。
この方法も、最初に短い古紙パルプを水平台の上に集合
して、その上に長い古紙パルプを集積する。繊維材を約
10cmの厚さに集合した後、約5cmとなるまでプレ
スして、繊維の間に無数の空隙のある板状の嵩高原料マ
ットとする。
【0025】 成形工程 図3に示すように、金型4の上に嵩高原料マット3を載
せ、金型4を型締めして嵩高原料マット3を成形する。
金型4は、加熱するための加熱孔5を内部に設けてお
り、あるいは、加熱するためのヒータ(図示せず)を内
蔵している。加熱された金型4は、プレスしている嵩高
原料マット3を加熱して、バインダー繊維を熱溶融し
て、古紙パルプの交点で結合し、プレスされた形状に成
形する。このようにしてプレス成形される嵩高原料マッ
ト3は、嵩高原料マット3の下面をプレスする下型4B
の温度を上型4Aよりも高温にして、緩衝材の下面を上
面よりも硬く硬化できる。
【0026】この成形工程において、金型4は、保持凹
部1の厚さが約10mmとなるように成形する。この工
程で成形された緩衝材は、桃を入れる複数の保持凹部1
を連結部2で連結している形状で、保持凹部1の内面
は、桃の重量で変形する程度の柔軟性がある。連結部2
は、保持凹部1よりも薄く、約5mmの厚さに硬く成形
する。
【0027】この実施例で製造される緩衝材に桃を入れ
ると、桃はイチゴと同じように柔軟な保持凹部1に支持
されて損傷が極めて少なくなる。また、無数の空隙があ
る繊維材で柔らかく支持するので、繊維の間の微細な空
隙に過剰な水分を吸収し、また吸収した水分を補給して
調湿するので、桃の蒸れを防止して、新鮮な状態で保存
できる。
【0028】[実施例3]以下のようにして、メロンの
緩衝材を製造する。 原料マット製作工程 段ボール紙を解繊した古紙パルプにポリエチレン繊維を
添加してなる繊維材を水に分散してスラリーとする。繊
維材は、50重量部の古紙パルプに、50重量部のポリ
エチレン繊維の混合する。さらに、このスラリーには、
古紙パルプ100重量部に対して、1.5重量部のポリ
アクリルアミドと、1重量部のポリアミドエピクロロヒ
ドリンをバインダーとして添加する。図2に示すよう
に、スラリー10をポンプ6で吸引して、網材7の表面
に繊維材を吸着して堆積させる。繊維材を連結部2で厚
く、保持凹部1で薄くするために、繊維材を吸着して堆
積される網材7には、図に示すように、貫通孔8Aを設
けたプレート8にネット9を積層したものを使用する。
この網材7は、貫通孔8Aの部分で多量の水を吸引する
ので、この部分に繊維材が厚く集積される。厚く集積す
る部分を連結部2として、厚くない部分を保持凹部1と
する。集積された繊維材をネットに載せてネットと一緒
に取り出し、ネットを水平台の上に載せて繊維材を乾燥
して嵩高原料マットとする。乾燥した後、嵩高原料マッ
トをネットから分離する。この工程で製作される嵩高原
料マットは、厚い部分の厚さを5cmとする。
【0029】 成形工程 図4に示すように、金型4の上に嵩高原料マット3を載
せ、金型4を型締めして嵩高原料マット3を成形する。
金型4は、実施例1と同じように、蒸気を噴射する加熱
孔5を設けたものを使用する。金型4は、嵩高原料マッ
ト3をプレスする状態で、加熱孔5から加熱加圧された
水蒸気を噴射して、プレスしている嵩高原料マット3を
加熱する。蒸気に加熱された嵩高原料マット3は、古紙
パルプに含まれるリグニンが変成結合して繊維材をプレ
スされた形状に成形する。この成形工程においても、嵩
高原料マット3の下面を押圧する下型4Bのみから加熱
蒸気を噴射し、あるいは嵩高原料マット3の上面をプレ
スする上型4Aよりも多量の水蒸気を下型4Bから噴射
して、緩衝材の下面を上面よりも高密度に硬く硬化でき
る。
【0030】この実施例の金型4は、嵩高原料マット3
の連結部2と保持凹部1を同じ厚さである約10mmに
成形して、連結部2を保持凹部1よりも硬く成形でき
る。それは、嵩高原料マット3を、連結部2で厚く、保
持凹部1で薄くしているからである。厚い嵩高原料マッ
ト3を同じ厚さに成形すると、密度が高く硬くなる。保
持凹部1は連結部2よりも薄いので、成形状態において
低密度となり、柔らかく変形できる状態でメロンを優し
く保持する。
【0031】この成形工程において、金型4は、保持凹
部1と連結部2の厚さが約10mmとなるように成形す
る。この工程で成形された緩衝材は、メロンを入れる複
数の保持凹部1を連結部2で連結している形状で、保持
凹部1の内面は、メロンの重量で変形する程度の柔軟性
がある。この実施例で製造される緩衝材にメロンを入れ
ると、メロンは柔軟な保持凹部1に支持されて傷つきが
極めて少なくなる。また、無数の空隙がある繊維材で柔
らかく支持するので、繊維の間の微細な空隙に過剰な水
分を吸収し、また吸収した水分を補給して調湿するの
で、メロンの蒸れを防止して、新鮮な状態で保存でき
る。
【0032】
【発明の効果】本発明の青果物用の緩衝材とその製造方
法は、極めて損傷しやすい青果物であっても、理想に近
い状態で保持して傷つきを極減できる特長がある。それ
は、本発明の緩衝材が、50重量%以上の紙パルプを含
む繊維材を立体的に方向性なく集合して、繊維の間に無
数の空隙のある状態で保持凹部を設け、さらに、この保
持凹部を3mmよりも厚くすると共に、青果物の重量で
変形する柔軟な構造としているからである。
【0033】さらに、本発明の緩衝材とその製造方法
は、青果物を新鮮な状態で長い期間にわたって梱包でき
る特長がある。それは、本発明の緩衝材が、保持凹部を
繊維材を無数の空隙ができる状態で立体的に集合すると
共に、3mmよりも厚くして柔軟にしているために、過
剰な水分を繊維材の空隙に吸収し、また、吸収した水分
を乾燥した青果物に補給して調湿するからである。
【0034】さらに、本発明の緩衝材とその製造方法
は、青果物を保持する複数の保持凹部を連結部で連結し
てなる形状に成形すると共に、連結部を保持凹部よりも
硬く成形しているので、全体をしっかりと強い構造にで
きる特長もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の青果物用の緩衝材を示す断面
斜視図
【図2】本発明の実施例の緩衝材の製造方法にかかる湿
式による原料マットの製作工程を示す断面図
【図3】本発明の実施例の緩衝材の製造方法にかかる成
形工程を示す断面図
【図4】本発明の他の実施例の緩衝材の製造方法にかか
る成形工程を示す断面図
【符号の説明】
1…保持凹部 2…連結部 3…嵩高原料マット 4…金型 4A…上型 4B…
下型 5…加熱孔 6…ポンプ 7…網材 8…プレート 8A…貫通孔 9…ネット 10…スラリー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 青果物を保持する複数の保持凹部(1)を
    連結部(2)で連結してなる形状としており、連結部(2)と
    保持凹部(1)は、50重量%以上の紙パルプを含む繊維
    材を、立体的に方向性なく繊維の間に無数の空隙を設け
    てシート状に集合して、繊維の交点を結合しており、保
    持凹部(1)を青果物の重量で変形する柔軟性があって3
    mmよりも厚く成形しており、連結部(2)を保持凹部(1)
    よりも硬く成形してなる青果物用の緩衝材。
  2. 【請求項2】 保持凹部(1)の上面に集合している繊維
    材の平均長さを、保持凹部(1)の下面に集合させている
    繊維材の平均長さよりも長くしている請求項1に記載さ
    れる青果物用の緩衝材。
  3. 【請求項3】 紙パルプが古紙パルプを含む請求項1に
    記載される青果物用の緩衝材。
  4. 【請求項4】 保持凹部(1)の内面部分を外側部分より
    も柔軟に成形してなる請求項1に記載される青果物用の
    緩衝材。
  5. 【請求項5】 50重量%以上の紙パルプを含む繊維材
    を、立体的に方向性なく集合して、繊維の間に無数の空
    隙のある嵩高原料マット(3)とする原料マット製作工程
    と、 原料マット製作工程で製作された嵩高原料マット(3)を
    金型(4)で加熱状態で挟着して、青果物を保持する複数
    の保持凹部(1)を連結部(2)で連結してなる形状に成形す
    ると共に、青果物の重量で変形する柔軟性があって3m
    mよりも厚く保持凹部(1)を成形し、連結部(2)を保持凹
    部(1)よりも硬く成形する成形工程とからなる青果物用
    の緩衝材の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料マット製作工程において、繊維材を
    乾式で嵩高原料マット(3)とする請求項5に記載される
    青果物用の緩衝材の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料マット製作工程において、繊維材を
    湿式で嵩高原料マット(3)とする請求項5に記載される
    青果物用の緩衝材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014205502A (ja) * 2013-04-12 2014-10-30 積水化成品工業株式会社 包装トレイ

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