JP2001226864A - 弾性繊維構造体及びその製造方法 - Google Patents

弾性繊維構造体及びその製造方法

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JP2001226864A
JP2001226864A JP2000030104A JP2000030104A JP2001226864A JP 2001226864 A JP2001226864 A JP 2001226864A JP 2000030104 A JP2000030104 A JP 2000030104A JP 2000030104 A JP2000030104 A JP 2000030104A JP 2001226864 A JP2001226864 A JP 2001226864A
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biodegradable
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heat
fiber structure
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Koji Yoshida
広治 吉田
Hiroshi Kajiyama
宏史 梶山
Satomi Sugiyama
里見 杉山
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自然環境下で分解し、環境への負荷を軽減する
生分解性繊維製弾性繊維構造体とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】生分解性繊維を構成成分として含む繊維構
造物からなる弾性繊維構造体であって、繊維構造物が、
生分解性合成繊維,天然繊維,または再生繊維から選択
される1種以上と、生分解性熱融着合成繊維が、重量比
で90:10〜10:90の割合で混綿してなる繊維構
造物であり、該繊維構造物中の立体的に連続した繊維の
交絡部が上記生分解性熱融着合成繊維の溶融によって融
着されていることを特徴とする生分解性繊維製弾性繊維
構造体とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性に優れた
繊維よりなる弾性繊維構造体とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在弾性繊維構造体の材料としては、発
泡ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートに代表さ
れる芳香族ポリエステル等が利用されている。これらの
素材はクッションとしての特性、反発性や強度には優れ
るが、最終処分(焼却・埋め立て等)の際の環境汚染が
問題となっている。この為、各種生分解性樹脂を原料と
した弾性繊維構造体が提案されているが、生分解性樹脂
からなる繊維は一般に反発性や強度と言う点で従来の弾
性繊維構造体には及ばないものしかなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的と
するところは、自然環境下で分解し、環境への負荷がな
く、しかも十分な反発性,強度を有する弾性繊維構造体
とその製造方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、生
分解性繊維を構成成分として含む繊維構造物からなる弾
性繊維構造体であって、繊維構造物が、生分解性合成繊
維,天然繊維,または再生繊維から選択される1種以上
と、生分解性熱融着合成繊維が、重量比90:10〜1
0:90の割合で混綿されたものであることを特徴とす
る弾性繊維構造体である。
【0005】そして、生分解性合成繊維がポリ乳酸から
なることを特徴とする該弾性繊維構造体であり、生分解
性熱融着合成繊維が芯鞘型複合繊維で、鞘が、芯より融
点が10℃以上低い低融点成分からなることを特徴とす
る該弾性繊維構造体である。
【0006】また、生分解性合成繊維、天然繊維,再生
繊維から選択される1種以上と、生分解性熱融着合成繊
維が、重量比で90:10〜10:90の割合で混綿さ
れてなる繊維集合体を、積層し、乾熱処理して、前記積
層体を形成する各層間を相互に融着させることを特徴と
する弾性繊維構造体の製造方法である。
【0007】そして、生分解性合成繊維,天然繊維,ま
たは再生繊維から選択される1種以上と、生分解性熱融
着合成繊維が、重量比で90:10〜10:90の割合
で混綿されてなる繊維集合体を、乾熱処理により仮接着
して一次積層体とし、更に一次積層体を積層したものを
蒸気釜に入れ、前記蒸気釜内部を減圧した後、前記蒸気
釜に蒸気を導入し、前記一次積層体を熱処理し、前記一
次積層体を形成する各層間を相互に融着させることを特
徴とする弾性繊維構造体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の弾性繊維構造体とは、弾
性を有する繊維構造体であり、織・編布又はそれらを
積層して厚みを持たせ一体化した積層物,スパンボン
ド等の不織布又はそれを積層して一体化した積層物,
不織布原料として用いられるウェッブを積層するか又は
紡糸した糸を直接空気流で積層し、厚みの大きい繊維塊
となしたもの,当該繊維塊を加温・加圧等の条件下で
圧縮成形したブロック,更にそれを薄くカットしたも
の等が挙げられ、クッション材,固綿,ロックウール代
替マット等の他、吸音材,断熱材として用いることがで
きるものである。
【0009】本発明に使用する生分解性合成繊維として
は、現在市販されている生分解性合成樹脂からなる繊維
が使用可能である。例えばL−乳酸を主体としたポリ乳
酸繊維(商品名:カネボウ合繊(株)ラクトロン)、ポ
リカプロラクトン(商品名:UCC社トーン)或いはポ
リブチレンサクシネート(商品名:昭和高分子(株)ビ
オノーレ)等が代表的なものである。これらの生分解性
合成繊維は、その耐熱性や強力、生分解性等が異なるの
で用途や目的に応じて使用することが出来るが、一般的
にポリ乳酸繊維は生分解速度が遅く、他のものは比較的
生分解速度が速い。
【0010】ポリ乳酸を主成分としてなる生分解性合成
繊維の場合の、ポリ乳酸の比率は、生分解性繊維の中で
も、ポリ乳酸が紡糸性に優れている等の点から、50重
量%以上であることが好ましく、更に好ましくは70重
量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
【0011】なお、弾性繊維構造体は、再利用時に熱水
等で殺菌処理を施すことがあるため、融点の高いポリ乳
酸繊維が、好ましく使用され、例えば、融点が100℃
以上のものが好ましく、更に好ましくは110℃以上、
特に好ましくは120℃以上、最も好ましくは、130
℃以上である。
【0012】天然繊維は、綿、ウール、麻などが使用で
き、再生繊維は、天然繊維の代わりに混合して使用でき
るが、レーヨン、キュプラ、アセテート等が良い。
【0013】生分解性熱融着合成繊維は、上述した生分
解性合成繊維そのものを熱融着繊維として使用すること
もできる。しかしながら、弾性繊維構造体としての性能
を発現させるためには、芯に融点の高い成分そして鞘に
芯より融点の低い成分で構成した芯鞘型複合繊維を使用
することが好ましい。
【0014】また、融点差は10℃以上が好ましい。1
0℃以上であると熱加工条件が広く、成形がし易いから
である。例えば、芯の融点が170℃位であるポリ乳酸
芯鞘型複合繊維の場合、鞘の融点は110〜155℃が
好ましく、更に好ましくは120〜145℃である。
【0015】生分解性熱融着合成繊維の該繊維構造物中
での使用量は、少なくとも10重量%、好ましくは20
重量%以上である。10重量%より少ない場合は繊維構
造物の融着が不十分である。
【0016】使用する生分解性熱融着合成繊維の融点は
通常90℃以上が好ましく、更に好ましくは110℃以
上のものがよい。90℃以上では、製造工程や使用中の
熱にて融着が進むおそれが無く、形態の変化も生じない
からである。
【0017】本発明に使用する生分解性合成繊維或いは
天然繊維或いは再生繊維は、繊維構造物中の高々90重
量%、好ましくは80重量%以下である。
【0018】生分解性繊維製弾性繊維構造体を構成する
生分解性合成繊維は、繊度が2.2デシテックス以上で
あることが、弾性繊維構造体としての性能が充分となる
ので好ましく、更に好ましくは4.4デシテックス以
上、特に好ましくは5.6デシテックス以上デシテック
ス、最も好ましくは6.7デシテックス以上である。
【0019】一方、繊維の製造が容易でコスト上有利と
いう点からは、20デシテックス以下であることが好ま
しく、更に好ましくは17デシテックス以下、特に好ま
しくは14以下である。
【0020】従って、繊度は、弾性繊維構造体としての
性能とコストの両面から適宜選択することができ、状況
に応じて例えば2.2〜20デシテックス,2.2〜1
7デシテックス,2.2〜14デシテックス,4.4〜
20デシテックス,4.4〜17デシテックス,4.4
〜14デシテックス,5.6〜20デシテックス,5.
6〜17デシテックス,5.6〜14デシテックス,
6.7〜20デシテックス,6.7〜17デシテック
ス,6.7〜14デシテックス等の範囲に設定すること
が好ましい。
【0021】またカット長は、25〜104mmである
ことが好ましい。
【0022】また、生分解性熱融着合成繊維は、製造の
容易さやコストの面から、繊度が2.2デシテックス以
上であることが好ましく、更に好ましくは3.3デシテ
ックス以上、である。
【0023】一方、繊維構造物製造の際に、ある程度の
本数を確保し、熱融着による形状保持性を確保するため
には、1本あたりの太さが17デシテックス以下である
ことが好ましく、更に好ましくは11デシテックス以
下、特に好ましくは6.7デシテックス以下である。
【0024】従って、繊度は、弾性繊維構造体の形状保
持性能と製造コストの両面から適宜選択することがで
き、状況に応じて例えば2.2〜17デシテックス,
2.2〜11デシテックス,2.2〜6.7デシテック
ス,3.3〜17デシテックス,3.3〜11デシテッ
クス,3.3〜6.7デシテックス等の範囲に設定する
ことが好ましい。
【0025】また、カット長は25〜76mmであるこ
とが好ましい。
【0026】本発明の弾性繊維構造体には、厚物に限ら
ず薄物のものも含まれるが、その厚さは3mm以上であ
ることが好ましい。3mm以上である場合に、弾性繊維
構造体としての性能が充分に発揮されるからである。
【0027】本発明の弾性繊維構造体の密度は、0.0
03g/cm3以上であることが好ましく、更に好まし
くは0.010g/cm3以上、特に好ましくは0.0
20g/cm3以上である。密度が0.003g/cm3
以上の場合は、繊維構造体が適度な剛性を有するため、
弾性繊維構造体として適当だからである。
【0028】また、その密度は、0.15g/cm3
下であることが好ましく、更に好ましくは0.10g/
cm3以下、特に好ましくは0.05/cm3以下であ
る。密度が0.15g/cm3以下の場合は、適度な硬
さの弾性繊維構造体が得られるからである。
【0029】本発明の弾性繊維構造体の製造方法は、工
業的安価にかつ大量に製造する方法として従来公知の織
・編方法、不織布の製造方法等を使用しても良い。
【0030】弾性繊維構造体が、繊維塊を加温・加圧等
の条件下で圧縮成形したブロック,又はそれを薄くカッ
トしたものである場合は、以下の様にして製造すること
ができる。
【0031】生分解性合成繊維或いは他の繊維を混合
し、通常のカード機などにかけ、得られた繊維構造体
(ウェッブ)を積層する。又は、生分解性合成繊維と他
の繊維を混合し開繊したものを、直接空気流によって積
層する。その後、次の工程にかけやすいように、軽いニ
ードルパンチをかけたりして繊維同士を軽く交絡させる
こともできる。
【0032】そして、それらのウェッブを所定の密度及
び厚さとした後、熱風式ヒーターを通しまたは遠赤外線
ヒーターをあてる等の、乾熱処理を施し、一部の繊維を
熱融着させる事により目的とする弾性繊維構造体を得る
ことができる。
【0033】また、ウェッブを所定の密度及び厚さとし
た後、オーブン熱風式ヒーターを通しまたは遠赤外線ヒ
ーターをあてる等の乾熱処理を施すことで、一部の繊維
を熱融着させた一次積層体を製造し、更にこの一次積層
体を積層して、乾熱処理または湿熱処理することによ
り、目的とする弾性繊維構造体を得ることもできる。
【0034】乾熱処理は、真空の設備が不要である点で
好ましい。
【0035】湿熱処理の場合には、減圧後に蒸気を加え
るため、熱が均一に伝わり易く、表面と中心における融
着ムラがなく、均一な密度のものが得られる。そのた
め、厚物の製造に好適であり、特に吸音材や断熱材とし
て好適である。また、湿熱処理は、熱が均一に伝わり易
いため、芯と鞘の融点が接近した芯鞘型繊維を用いてい
る場合に、シビアな温度条件での処理が可能である点で
も、好ましい。
【0036】湿熱処理の条件としては、上記釜内部を9
99.8hPa以下に減圧した後、当該蒸気釜に、0.
0981MPa以上の蒸気を導入することが好ましい。
【0037】熱融着とは、熱融着合成繊維が外からの熱
と圧力により他の繊維又はそのものと融着し密着してい
る状態や繊維の少なくとも一部が融着し密着している
事、或いは融着まで至らなくても繊維同士が接着してい
る状態の事を言う。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施形態を更に詳細説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部、%は特に断らない限り重量基準である。また、分
子量とは、数平均分子量を意味する。まず、弾性繊維構
造体の評価方法を説明する。
【0039】<DSC>リガク製 TAS200によ
り、昇温速度10℃/分で測定した。
【0040】<表面硬度>アスカ硬度計にて測定し、そ
の平均値を示す。
【0041】<密度>試料の体積及び重量を測定し、次
式で算出する。D=W/V D:見掛け密度(g/cm3) W:試料重量(g) V:試料体積(cm3
【0042】<圧縮硬さ(圧縮応力)> (JIS K
6401に準ずる。) 高分子計器製の自動硬さ試験器に、100mm×100
mm(厚さは50mm以上)の試料をセットする。荷重
4.90N時の厚さを初期の厚さとする。初期の厚さの
25%まで50mm/min.の速度で押し込み、20
秒後の荷重を9.81×10-2Nまで読み取り、その値
から圧縮硬さ(圧縮応力(9.81×10-4MPa )を
示す。
【0043】<繰り返し圧縮残留歪>高分子計器製の自
動硬さ試験器に、100mm×100mm(厚さは50
mm以上)の試料をセットする。試料を直径200mm
の円形平行板の間に挟み、4.90Nの荷重,60回/
min.の圧縮速度で、試料の50%の厚さまで連続8
0,000回繰り返し圧縮する。その後、試料を取り出
し30分間放置後、その厚さを測定し繰り返し圧縮残留
歪率(%)を算出する。 C=(T0−T1)/T0×100 C :繰り返し圧縮残留歪率(%) T0 :初めの試料厚さ(mm) T1 :試験後の試料厚さ(mm)
【0044】(実施例1)L−乳酸を99.5%含む分
子量7.5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸を95.5
%含む分子量9.2万のポリ乳酸を鞘とする偏心させた
芯鞘構造のステープルを紡糸・延伸機にて、6.7デシ
テックス、繊維長51mm、捲縮数10ヶ/25mmの
ステープル(A)を得た。
【0045】又、L−乳酸を99.5%含む分子量7.
5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸96.0%とL−乳
酸90.0%の80:20の混練物からなる分子量8.
2万のポリ乳酸を鞘成分とする芯鞘構造のステープルを
紡糸・延伸機により、3.3デシテックス、繊維長51
mmの低温融着タイプのステープル(B)を得た。DS
Cから得られた吸熱は105℃より始まり、ピークは1
52℃であった。
【0046】ステープル(A)/(B)の30/70%
混合物を、開繊機にて混綿、カーディングをした後、ウ
ェッブをクロスレイアーにて積層した。軽くニードルパ
ンチ処理を施して、130℃×5分熱風処理して、厚さ
4mm、目付300g/m2の積層体を得た。密度は、
0.075g/cm3であり、通常のポリエステルクッ
ション材と同様の密度のものが得られた。
【0047】得られたクッション材を土中に埋めその生
分解性を調べた。6ヶ月で強度が下がり始め、約1年後
には初期の形態を保持していなかった。
【0048】(実施例2)L−乳酸を99.5%含む分
子量7.5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸を95.5
%含む分子量9.2万のポリ乳酸を鞘とする偏心させた
芯鞘構造のステープルを紡糸・延伸機にて、6.7デシ
テックス、繊維長51mm、捲縮数10ヶ/25mmの
ステープル(A)を得た。
【0049】又、L−乳酸を99.5%含む分子量7.
5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸96.0%とL−乳
酸90.0%の80:20の混練物からなる分子量8.
2万のポリ乳酸を鞘成分とする芯鞘構造のステープルを
紡糸・延伸機により、3.3デシテックス、繊維長51
mmの低温融着タイプのステープル(B)を得た。DS
Cから得られた吸熱は105℃より始まり、ピークは1
52℃であった。
【0050】ステープル(A)/(B)/レーヨンの2
0/50/30%混合物を、開繊機にて混綿、カーディ
ングをした後、ウェッブをクロスレイアーにて積層し
た。軽くニードルパンチ処理を施して、125℃×5分
熱風処理して、厚さ4mm、目付200g/m2の成形
体を得た。密度は、0.05g/cm3であった。
【0051】得られたクッション材を土中に埋め、その
生分解性を調べた。実施例1より速く分解し、4ヶ月で
強度が下がり始めて、約8ヶ月後には初期の形態を保持
していなかった。
【0052】(実施例3)L−乳酸を99.5%含む分
子量7.5万のポリ乳酸をダブルC型ノズルを使用した
中空構造のステープルを紡糸・延伸機にて、14デシテ
ックス、繊維長64mm、捲縮数9ヶ/25mmのステ
ープル(A)を得た。
【0053】又、L−乳酸を99.5%含む分子量7.
5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸94.0%からなる
分子量8.6万のポリ乳酸を鞘成分とする芯鞘構造のス
テープルを紡糸・延伸機により、3.3デシテックス、
繊維長51mmの低温融着タイプのステープル(B)を
得た。DSCから得られた吸熱は130℃より始まり、
ピークは143℃であった。
【0054】ステープル(A)/(B)の70/30%
混合物を、開繊機にて混綿、カーディングをした後、ウ
ェッブをクロスレイアーにて積層した。155℃×5分
熱風処理して、厚さ40mm、目付800g/m2の成
形体を得た。密度は、0.020g/cm3であり、通
常のポリエステルクッション材と同様の密度のものが得
られた。
【0055】得られたクッション材は、寝装用固綿とし
て利用でき、また、農園芸用潅水マットとしても有用で
ある。得られたクッション材を土中に埋めその生分解性
を調べた。8ヶ月で形態の変化が始まり、約1年半後に
は初期の形態を保持できないほど生分解していた。土中
での分解を促進するために土壌改良剤として消石灰(弱
アルカリ性)を使用することもできた。
【0056】(実施例4)L−乳酸を99.5%含む分
子量7.5万のポリ乳酸をダブルC型ノズルを使用した
中空構造のステープルを紡糸・延伸機にて、6.7デシ
テックス、繊維長51mm、捲縮数9ヶ/25mmのス
テープル(A)を得た。
【0057】又、L−乳酸を99.5%含む分子量7.
5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸94.0%からなる
分子量8.6万のポリ乳酸を鞘成分とする芯鞘構造のス
テープルを紡糸・延伸機により、6.7デシテックス、
繊維長51mmの低温融着タイプのステープル(B)を
得た。DSCから得られた吸熱は130℃より始まり、
ピークは143℃であった。
【0058】ステープル(A)/(B)/ウールの20
/30/50%混合物を、開繊機にて混綿、カーディン
グをした後、ウェッブをクロスレイアーにて積層した。
155℃×5分熱風処理して、厚さ30mm、目付80
0g/m2の成形体を得た。密度は、0.027g/c
3であった。
【0059】得られたクッション材は、寝装用固綿や巻
きわた用芯材としても利用できた。得られたクッション
材を土中に埋め、その生分解性を調べた。6ヶ月で形態
の変化が始まり、約1年3ヶ月後には初期の形態を保持
できないほど生分解していた。土中での分解を促進する
ために土壌改良剤としての消石灰(弱アルカリ性)を使
用すればなお更効果的であった。
【0060】(実施例5)L−乳酸を99.5%含む分
子量7.5万のポリ乳酸をダブルC型ノズルを使用した
中空構造のステープルを紡糸・延伸機にて、14デシテ
ックス、繊維長64mm、捲縮数9ヶ/25mmのステ
ープル(A)を得た。
【0061】又、L−乳酸を99.5%含む分子量7.
5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸94.0%からなる
分子量8.6万のポリ乳酸を鞘成分とする芯鞘構造のス
テープルを紡糸・延伸機により、6.7デシテックス、
繊維長51mmの低温融着タイプのステープル(B)を
得た。DSCから得られた吸熱は130℃より始まり、
ピークは143℃であった。
【0062】ステープル(A)/(B)の80/20%
混合物を、開繊機にて混綿、カーディングをした後、ク
ロスレイアーにて目付400g/m2のウェッブとし
た。135℃の遠赤外線ヒーターで熱処理して、融着し
たウェッブを得た。
【0063】得られたウェッブを幅100cm、長さ2
00cmに裁断し、10枚を積層し、その上下にステン
レス製の金網を当て、積層体の厚さが100mmとなる
ようにサンドイッチ上に挟み、オーブン中で145℃×
30分熱風処理した。厚さ100mm、目付4,000
g/m2の成形体を得た。密度は、0.040g/cm3
であった。
【0064】得られたクッション材を50cm角8枚に
裁断した。硬度及び圧縮硬さ(圧縮応力)、繰り返し圧
縮試験をJIS K6401に準じて測定した。その結
果を次に示す。硬度は38、圧縮硬さ(圧縮応力)は
8.63×10-3MPa、繰り返し圧縮残留歪みは1
3.8%であった。
【0065】得られたクッション材は、寝装用クッショ
ン材、固綿として利用できた。また、ロックウールに替
わる農園芸用育苗マットとしても有用であった。
【0066】得られたクッション材を土中に埋めその生
分解性を調べた。10ヶ月で形態の変化が始まり、約1
年8ヶ月後には初期の形態を保持できないほど生分解し
ていた。土中での分解を促進するために土壌改良剤とし
ての消石灰など(弱アルカリ性)を使用しクッション材
を減量化することもできた。
【0067】(実施例6)L−乳酸を99.5%含む分
子量7.5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸を95.5
%含む分子量9.2万のポリ乳酸を鞘とする偏心させた
芯鞘構造のステープルを紡糸・延伸機にて、6.7デシ
テックス、繊維長51mm、捲縮数10ヶ/25mmの
ステープル(A)を得た。
【0068】又、L−乳酸を99.5%含む分子量7.
5万のポリ乳酸を芯とし、L−乳酸96.0%とL−乳
酸90.0%の80:20の混練物からなる分子量8.
2万のポリ乳酸を鞘成分とする芯鞘構造のステープルを
紡糸・延伸機により、3.3デシテックス、繊維長51
mmの低温融着タイプのステープル(B)を得た。DS
Cから得られた吸熱は105℃より始まり、ピークは1
52℃であった。
【0069】ステープル(A)/(B)の80/20%
混合物を、開繊機にて混綿、カーディングをした後、ク
ロスレイアーにて目付450g/m2のウェッブとし
た。135℃の遠赤外線ヒーターで熱処理して、融着し
たウェッブを得た。
【0070】得られたウェッブを幅100cm、長さ2
00cmに裁断し、10枚を積層し、その上下にステン
レス板を当て、積層体の厚さが100mmとなるように
サンドイッチ上に挟み、蒸気釜内部に入れた。
【0071】蒸気釜内部(及びそこに配置されたウェッ
ブ積層体内部)の空気を真空ポンプで抜き、999.8
hPaに減圧した後、蒸気釜内部に0.255MPaの
蒸気を吹き込んで、125℃×15分間熱処理した。
【0072】その後、蒸気釜内部の蒸気を、再度真空ポ
ンプで抜いた。ウェッブ間が融着され一体成形されたク
ッション材を得た。寸法は、 幅100cm×長さ20
0cm×厚さ100mmであり、密度は0.045g/
cm3であった。
【0073】得られたクッション材を50cm角8枚に
裁断した。硬度及び圧縮硬さ(圧縮応力)、繰り返し圧
縮試験をJIS K6401に準じて測定した。その結
果を次に示す。硬度は45、圧縮硬さ(圧縮応力)は
9.32×10-3MPa、繰り返し圧縮残留歪みは1
2.6%であった。
【0074】得られたクッション材は非常に均一であ
り、実施例5と同じように、寝装用クッション材、固綿
として利用でき、ロックウールに替わる農園芸用育苗マ
ットとしても有用であった。また、ポリエステルに替わ
る吸音材、断熱材としても使用できた。
【0075】得られたクッション材を土中に埋めその生
分解性を調べた。10ヶ月で形態の変化が始まり、約1
年8ヶ月後には初期の形態を保持できないほど生分解し
ていた。土中での分解を促進するために土壌改良剤とし
て消石灰など(弱アルカリ性)を使用し減量化すること
もできた。
【0076】
【発明の効果】本発明による生分解性繊維製クッション
材は、従来と同様の製造設備及び方法で生産することが
でき、クッション材としての性能も満足のいくものであ
る。また、生分解性であるので自然環境下で分解し、環
境への負荷を軽減することができる。又、ウール、綿、
麻等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート等の
再生繊維等の組み合わせが自由であり、目的・用途に合
った最適のものを作ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B314 PC08 PC16 PC22 PC24 PC35 4F100 AJ01A AK01A BA02 DG01A DG01B DG20B EC032 EC051 EJ242 EJ422 GB90 JA04B JC00 JC00A JC00B JK07A JL12B JL16A YY00B 4L047 AA21 AB02 BA03 BA09 BB06 CB10 CC07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性繊維を構成成分として含む繊維
    構造物からなる弾性繊維構造体であって、繊維構造物
    が、生分解性合成繊維,天然繊維,または再生繊維から
    選択される1種以上と、生分解性熱融着合成繊維が、重
    量比90:10〜10:90の割合で混綿されたもので
    あることを特徴とする弾性繊維構造体。
  2. 【請求項2】 生分解性合成繊維がポリ乳酸を主成分と
    してなることを特徴とする請求項1記載の弾性繊維構造
    体。
  3. 【請求項3】 生分解性熱融着合成繊維が芯鞘型複合繊
    維であり、鞘が、芯より融点が10℃以上低い低融点成
    分からなることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性
    繊維構造体。
  4. 【請求項4】 弾性繊維構造体がクッション材であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性
    繊維構造体。
  5. 【請求項5】 生分解性合成繊維,天然繊維,または再
    生繊維から選択される1種以上と、生分解性熱融着合成
    繊維が、重量比で90:10〜10:90の割合で混綿
    されてなる繊維集合体を、積層し、乾熱処理して、前記
    積層体を形成する各層間を相互に融着させることを特徴
    とする弾性繊維構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 生分解性合成繊維,天然繊維,または再
    生繊維から選択される1種以上と、生分解性熱融着合成
    繊維が、重量比で90:10〜10:90の割合で混綿
    されてなる繊維集合体を、乾熱処理により仮接着して一
    次積層体とし、更に一次積層体を積層したものを蒸気釜
    に入れ、前記蒸気釜内部を減圧した後、前記蒸気釜に蒸
    気を導入し、前記一次積層体を熱処理し、前記一次積層
    体を形成する各層間を相互に融着させることを特徴とす
    る弾性繊維構造体の製造方法。
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