JP2002165565A - ポリ乳酸を用いた食品用素材転写用シート、食品の調理方法及び保存方法 - Google Patents

ポリ乳酸を用いた食品用素材転写用シート、食品の調理方法及び保存方法

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JP2002165565A
JP2002165565A JP2000365574A JP2000365574A JP2002165565A JP 2002165565 A JP2002165565 A JP 2002165565A JP 2000365574 A JP2000365574 A JP 2000365574A JP 2000365574 A JP2000365574 A JP 2000365574A JP 2002165565 A JP2002165565 A JP 2002165565A
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food
polylactic acid
sheet
food material
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Osamu Miura
治 三浦
Yoshinao Tanaka
良直 田中
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OSAKA KAGAKU GOKIN KK
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    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素、調味料、フレーバー等の食品用素材を
転写するための食品用シートにおいて、簡単に土壌中に
廃棄でき、製袋加工が容易なシートを開発する。 【解決手段】 ポリ乳酸フィルムの内面に、色素、調味
料、フレーバーの少なくとも一種を有効成分とする食品
用素材層を形成した、ポリ乳酸を用いた食品用素材転写
用シートである。ポリ乳酸フィルムは優れたヒートシー
ル性を有するため、製袋加工がきわめて容易であるう
え、袋状に加工した転写用シートにハム、ソーセージな
どの食品原料を充填して加熱すると、色素、調味料など
の食品用素材を食品表面に良好に転写できる。また、ポ
リ乳酸フィルムは優れた生分解性を有するため、転写後
のシートを生ゴミとして簡便に廃棄できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリ乳酸を用いた食
品用素材転写用シート、並びに当該シートを利用した食
品の調理方法及び保存方法に関して、製袋加工が容易
で、優れた生分解性により環境汚染がなく土壌中に簡便
に廃棄できるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】ハム、ソーセージ等の加工肉食品に適用
する色素、調味剤、フレーバーなどの転写用シートは、
色付けや風味付けが容易であり、また、くん煙フレーバ
ーなどを用いると従来のくん煙工程を省略できるため、
作業性に優れていることから、本出願人は、先に下記の
発明などを開示した。
【0003】 (1)従来技術1(特公昭46−5021号公報) 天然チクル、シェラック、コーパルなどの天然樹脂類を
ベンゼン、トルエン、トリクレン、酢酸エチル、ヘキサ
ンなどの有機溶剤に溶解又は分散した着色液を、セロフ
ァン、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリエステル、
ポリアミドなどの食品包装用のフィルムに噴霧、塗布又
は浸漬してなる加工肉食品表面着色用のシートである。
【0004】 (2)従来技術2(特公平1−17653号公報) ケーシング用セルロース皮膜の内面に、色素、フレーバ
ー、調味料などを含み、且つ耐水加工を施したプルラ
ン、カードラン、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン
ナトリウム、アルギン酸塩、ペクチンなどの水溶性高分
子物質を主成分とする可食性皮膜形成材からなる内張り
層を備えたセルロースケーシングである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】転写用シートは、基本
的に色素、調味料などを転写した後に廃棄する必要があ
るが、上記従来技術1では、包装用フィルムは合成樹脂
などを材質とするため、そのまま土壌中に廃棄すること
はできず、産業廃棄物となってゴミの増大につながり、
環境保全の見地から好ましくない。また、従来技術2の
ケーシングはセルロースを材質とするため、合成樹脂製
のフィルムと同列には扱えないが、土壌中の分解には長
期を要する。しかも、従来技術1〜2の各種フィルムの
中には高周波シールなどによって製袋加工するものがあ
り、また、塩化ビニリデンなどを材質とするものでは廃
棄の際の燃焼によってダイオキシン類が発生する危険も
ある。
【0006】本発明は、色素、フレーバーなどの食品用
素材を転写するための食品用シートにおいて、上記従来
技術とは別種の材料を用いて、簡単に土壌中に廃棄で
き、且つ、筒状などへの製袋加工が容易なシートを新た
に開発することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、食品包装
フィルムの材料にポリ乳酸を利用することを着想し、鋭
意研究した結果、ポリ乳酸を使用した包装フィルムで
は、色素、フレーバーなどの転写機能を従来と遜色なく
良好に保持できること、その優れた生分解性により廃棄
が簡単なこと、さらには、その優れたヒートシール性に
より製袋加工が容易なことなどの様々な利点を兼備する
ことを見い出して、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明1は、ポリ乳酸フィルムの内
面に、色素、調味料、フレーバーの少なくとも一種を有
効成分とする食品用素材層を形成したことを特徴とする
ポリ乳酸を用いた食品用素材転写用シートである。
【0009】本発明2は、ポリ乳酸フィルムの内面に、
保存剤、鮮度保持剤、酸化防止剤の少なくとも一種を有
効成分とする食品用素材層を形成したことを特徴とする
ポリ乳酸を用いた食品用素材転写用シート。
【0010】本発明3は、上記本発明1の食品用素材転
写用シートの食品用素材層の内側に臨むように食品原料
を収容し、加熱処理により食品用素材層の有効成分を食
品表面に転写可能にしたことを特徴とする食品の調理方
法である。
【0011】本発明4は、上記本発明2の食品用素材転
写用シートの食品用素材層の内側に臨むように食品を収
容し、食品用素材層の有効成分を食品に転写可能にした
ことを特徴とする食品の保存方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、第一に、ポリ乳酸フィ
ルムに色素、調味料、フレーバーの少なくとも一種を有
効成分とする食品用素材層を成膜した食品用素材転写用
シートであり、第二に、色素などに代えて、保存剤、鮮
度保持剤、酸化防止剤の少なくとも一種を有効成分とす
る食品用素材層を成膜した食品用素材転写用シートであ
り、第三に、このポリ乳酸をベースとするシートを用い
て食品表面に色素、調味料、フレーバーを転写する方法
であり、第四に、このシートを用いて食品表面に保存
剤、鮮度保持剤、酸化防止剤を転写させて食品を保存す
る方法である。
【0013】上記ポリ乳酸は、ポリL−乳酸、ポリD−
乳酸、或は、L−乳酸とポリD−乳酸の共重合体であ
り、乳酸から直接に脱水重縮合し、或は、ラクチド、グ
リコリド、ε−カプロラクトンなどを開環重合し、又は
その他の公知の方式で製造することができ、分子量は特
に限定されるものではない。また、本発明のポリ乳酸
は、乳酸とグリコール酸、ヒドロキシ酪酸などの他のオ
キシカルボン酸との共重合体も含む概念である。
【0014】本発明1の食品用素材転写用シートは上記
ポリ乳酸フィルムをベースフィルムとして、これに色
素、調味料、フレーバーを有効成分とする食品用素材層
を被覆したものである。当該シートは薄いフィルムから
厚いシートまでを包含する概念である。上記色素として
は、アナトー、コウリャン、シアナット、ウコン、モナ
スカス、カカオ、ベニバナ、クチナシ、コチニール、ク
ロレラ、スピルリナ、カラメル、シソ、タマネギ、アカ
ネなどの天然色素、食用赤色2号、3号、102号、1
06号、同黄色4号、5号、同青色1号などの合成色素
が挙げられる。上記調味料としては、醤油、ウスターソ
ース、みそ、焼肉タレ、ニンニク、粉末のり、粉末ゴ
マ、ペパー、ジンジャー、チリ、ナツメグ、パプリカ、
キャラウェー、ハツカ、ワサビ、酵母エキス、肉エキ
ス、カツオエキス、グルタミン酸ナトリウム、イノシン
酸ナトリウム、食塩、砂糖などの天然調味料、燻結晶、
炒り麦粉、粉末チーズ、バター、マーガリン、お茶類な
どが挙げられる。上記フレーバーとしては、スモークフ
レーバー、バナナ、イチゴ、オレンジ、メロン等の果汁
フレーバー、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、チ
キンフレーバー、カツオフレーバー、ウメフレーバーな
どが挙げられる。
【0015】上記色素、調味料、フレーバーはポリ乳酸
フィルムの内面に直接付着して食品用素材層を形成して
も良いが、色素などの付着を強化する見地からは、食品
用素材層に結合剤を含有させることが好ましい。上記結
合剤としては、各種デキストリン、プルラン、アラビア
ガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、タ
マリンドガム、ローカストビーンガムなどの天然ガム
類、アルギン酸塩、マンナン、ペクチン、ゼラチン、ゼ
イン、シェラックなどの水溶性或はアルコール溶解性の
糊料が挙げられる。結合剤を使用する場合には、通常、
結合剤を水又は、水とエタノールなどの加水アルコール
類に溶解し、次いで、上記色素、風味料、フレーバーを
混合した添加液をポリ乳酸フィルムの内面に塗布又は含
浸するか、結合剤の水溶液をポリ乳酸フィルムに塗布・
含浸した後に、上記色素、風味料、フレーバーを振り掛
け状に付着させても良い。
【0016】本発明2の食品用素材転写用シートは、上
記本発明1の食品用素材転写用シートの食品用素材層の
有効成分を、色素、調味料などから、保存剤、鮮度保持
剤、酸化防止剤の食品保存機能のある処理剤に置き替え
たものである。上記保存剤としては、ソルビン酸類、デ
ヒドロ酢酸、安息香酸、或はこれらの塩、プロタミン、
ε−ポリリジンなどが挙げられる。上記鮮度保持剤は、
からし、わさび、これらの抽出物、抗菌性カルシウム、
キトサン、グレープフルーツ種子抽出物などのような、
保存剤より機能が緩いが、短期の制菌作用を有するもの
をいう。上記酸化防止剤としては、トコフェロール、没
食子酸プロピルなどのポリフェノール類、グアヤク脂、
L−アスコルビン酸、各種フラボノイド類などが挙げら
れる。
【0017】特に、本発明1のように、上記調味剤、フ
レーバー、色素、保存剤を有効成分とする食品用素材を
ポリ乳酸フィルムに被覆する場合、シリコン、レシチ
ン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、脂肪酸グリセリドなどの可食性界面活性剤、或は各
種油脂類などを離型剤として食品用素材層に含有させる
と、ポリ乳酸フィルムからの食品用素材層の剥離がスム
ーズになる。また、上記グリセリン、プロピレングリコ
ールなどの多価アルコール類、ソルビット、マンニット
などの糖アルコール類を食品用素材層に含有すると、食
品用素材層に柔軟性又は可塑性を付与するのに有効であ
る。
【0018】上記色素、風味料、フレーバー、或は、保
存剤、鮮度保持剤、酸化防止剤は単用又は必要に応じて
併用できる。これらの有効成分は、結合剤などの各種処
理剤、水や加水アルコールなどの溶媒と共に使用するの
が一般的であるが、この場合、上記有効成分の食品用素
材層における添加量は、転写用シートの使用目的によっ
ても異なるが、概ね食品用素材層(乾燥時)100重量部
当たり10〜50重量部が好ましい。
【0019】上記食品用素材層をポリ乳酸フィルムの内
面に形成する場合には、前述したように、ポリ乳酸フィ
ルムを食品用素材層溶液又は分散液に浸漬し、或は、コ
ーターによる塗布、スプレーによる噴霧などによって実
施される。
【0020】本発明3は、上記ポリ乳酸をベースとする
転写用シートを用いて食品表面に色素、調味料、フレー
バーを転写させて、食品に着色、味付け又は風味付けを
行う調理方法である。即ち、上記本発明1の転写用シー
トの、色素、調味料、或はフレーバーを有効成分とする
食品用素材層の内側に臨む状態で各種の食品原料を充填
した後、蒸煮、湯煮、焙焼などの加熱処理を施してこれ
らの食品用素材層の有効成分を食品の表面に転写するも
のである。ポリ乳酸フィルムは円筒、袋状のケーシング
に製袋加工してから食品原料を充填することを基本とす
る。この場合、ポリ乳酸フィルムはヒートシール性があ
るため、高周波シールなどの必要がなく、製袋加工がき
わめて容易である。この転写用シートに適用できる食品
は特に限定はなく任意であるが、ハム、ソーセージなど
の加工肉食品、チーズなどの乳製品、かまぼこ、はんぺ
んなどの水産練り製品などが好ましい。
【0021】本発明4は、上記ポリ乳酸をベースとする
転写用シートを用いて食品表面に保存剤、鮮度保持剤、
酸化防止剤を転写させて食品を保存する方法である。即
ち、上記本発明2の転写用シートの、保存剤、鮮度保持
剤、或は酸化防止剤を有効成分とする食品用素材層の内
側に臨む状態で食品を充填し、これらの食品用素材層の
有効成分を食品に転写可能にするものである。この場
合、食品の水分を吸って食品用素材層が溶解したり、食
品用素材層の有効成分が揮発することによって食品に転
移するため、上記本発明3のような加熱を要しない。前
述したように、本発明1〜2の転写用シートを用いて転
写する場合、ポリ乳酸フィルムの面同士をヒートシール
してケーシングに製袋加工した後に、ケーシング内に食
品原料又は食品を充填し、転写処理を行うことを基本と
するが、シート形態のまま食品又は食品原料を包み込ん
だり、載置して転写処理を行っても良い。転写用シート
を適用する食品は、前記本発明3と同様に、ハム、ソー
セージなどの加工肉食品、卵類や魚類の加工調理食品、
かまぼこなどの水産練り製品の外、腐敗防止、鮮度保
持、制菌などの目的に応じて、任意の食品が選択でき
る。
【0022】
【発明の効果】(1)ポリ乳酸は優れた生分解性を有する
ため、本発明の転写用シートは、上記従来技術のような
合成樹脂シートとは異なり、色素、調味料など又は保存
剤などの転写を行った後に、そのまま生ゴミとして簡便
に廃棄でき、環境保全に有益である。
【0023】(2)ポリ乳酸フィルムはヒートシール性が
あるため、本発明の転写用シートは袋状、筒状などに簡
便に形成でき、製袋加工がきわめて容易である。
【0024】(3)本発明3の転写用シートの場合、食品
用素材に臨ませて食品原料を収容して加熱すると、後述
の試験例に示すように、色素、調味料、或はフレーバー
を食品表面に円滑に転写し、食品を良好に着色、味付け
又は風味付けすることができる。また、本発明4の転写
用シートでは、食品用素材に臨ませて食品を収容する
と、後述の試験例に示すように、食品の水分で結合剤が
溶解し、或は、保存剤などが揮発することにより、保存
剤、鮮度保持剤、或は酸化防止剤の有効成分が食品に円
滑に移行し、食品を良好に保存できる。この場合、上記
転写性能、又は保存性能は従来の合成樹脂などをベース
フィルムとする転写用シートに比べても遜色はない。
【0025】
【実施例】以下、本発明の食品用素材転写用シートの製
造実施例、当該色素転写用シートを用いた転写性能試験
例、保存剤の転写用シートを用いた保存性能試験例、並
びに転写用シートの生分解性試験例を順次述べる。尚、
本発明は下記の実施例、試験例などに拘束されるもので
はなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をな
し得ることは勿論である。
【0026】《ポリ乳酸を用いた転写用シートの製造実
施例》 (1)色素転写用ケーシングの製造実施例 下記の実施例1〜2の転写用食品用素材は色素であり、
アルコール溶解性糊料を結合剤として色素をポリ乳酸フ
ィルム上に成膜したものである。 〔実施例1〕市販のポリ乳酸フィルム(エコロージュS
EP25;三菱樹脂社製)上に色素溶液を5μm程度の
厚みになるようにコーターで均一に塗布した後、ポリ乳
酸フィルムの面同士をヒートシールして筒状に製袋加工
し、色素転写用ケーシングを製造した。上記色素溶液の
組成は下記の通りである。 アナトー色素 13重量% 赤色3号 2重量% シェラック 22重量% エタノール 56重量% 水 7重量% 尚、結合剤としては、デキストリン及びシェラックをア
ルギン酸ナトリウムなどに代替することもできる。ま
た、本実施例1のような色素転写用ケーシングの製造に
際しては、耐水性オーバーコート膜を被覆すると色流れ
の防止に有効である。
【0027】〔実施例2〕上記実施例1を基本として、
アナトー色素と赤色3号を組み合わせた色素を、コウリ
ャン色素とアナトー色素の組み合わせに代替して、食品
に転写する色調を変化させたものである。即ち、下記の
組成で色素溶液を調製し、上記実施例1と同様の条件で
色素転写用ケーシングを製造した。 コウリャン色素 12重量% アナトー色素 2重量% シェラック 12重量% エタノール 29重量% 水 45重量%
【0028】〔比較例1〕上記実施例1を基本として、
ベースフィルムをポリ乳酸から市販の普通セロファン
(#300;二村化学工業社製)に置き換え、このセロファ
ン上に上記実施例1と同様の条件でアナトー色素と赤色
3号の混合色素を塗布し、色素転写用ケーシングを製造
した。
【0029】〔比較例2〕上記実施例2を基本として、
ベースフィルムをポリ乳酸から市販の普通セロファン
(#300;二村化学工業社製)に置き換え、このセロファ
ン上に上記実施例2と同様の条件でコウリャン色素とア
ナトー色素の混合色素を塗布し、色素転写用ケーシング
を製造した。
【0030】(2)鮮度保持剤転写用シートの製造実施例
下記の実施例3の転写用食品用素材は鮮度保持剤であ
り、この鮮度保持剤をポリ乳酸フィルム上に成膜したも
のである。 〔実施例3〕市販のポリ乳酸フィルム(エコロージュS
EP25;三菱樹脂社製)上に、カラシ抽出物のシクロ
デキストリン包接物とシェラックを加水エタノールに溶
解したものを、30μm程度の厚みになるようにコータ
ーで均一に塗布し、カラシ転写用シートを製造した。
【0031】《色素転写試験例》そこで、上記実施例1
〜2及び比較例1〜2の各色素転写用ケーシングにソー
セージ原料を充填し、40分間蒸煮して加熱調理及び転
写処理を行った後、ケーシングを剥離したソーセージの
表面を色差計(Z−300A;日本電色工業社製)を用いて、
L、a、bの各数値を測定して、色素転写性能を調べ
た。尚、上記L値は測定対象の明度を表し、数値が大き
いほど明るく、小さいほど暗くて褐変度合が増している
ことを示す。a値は測定対象の赤系統の色相を表し、数
値が大きいほど赤みが増す。b値は測定対象の黄系統の
色相を表し、数値が大きいほど黄みが増す。また、色差
ΔEは、実施例と比較例の加熱前後の各数値の差ΔL、
Δa、Δbに基づいてJIS Z 8730に規定する色差式から
算出するものであるが、下記の試験結果では、比較例か
らの実施例の色差の相違値(即ち、比較例に対する色調
変化の濃淡の度合)をもって色差ΔEとして表した。
【0032】実施例1と比較例1の試験結果は下表の通
りである。 実施例1及び比較例1共に、ソーセージ表面の色調は橙
赤色であった。
【0033】また、実施例2と比較例2の試験結果は下
表の通りである。 実施例2及び比較例2共に、ソーセージ表面の色調は茶
褐色であった。
【0034】上記実施例1と比較例1を対比すると、明
度、赤み、黄みはほとんど変わらず、色差の点ではむし
ろ実施例1の方が比較例1より少し着色度合が濃い傾向
が見られた。また、この明度、赤み、黄み、或は着色度
合の傾向は、実施例2と比較例2を対比した場合にも同
様の結果を示した。従って、ポリ乳酸フィルムをベース
とする実施例1〜2の転写用ケーシングは、橙赤色、或
は茶褐色の色調を問わずソーセージ表面に対する優れた
色素転写性能を発揮し、その性能の水準は、セロファン
をベースとする比較例1〜2の従来ケーシングに比べて
も全く遜色がないことが判明した。
【0035】《食品の保存性試験例》前記実施例3の転
写用シートで市販の幕の内弁当を包み込み、弁当の各種
食品の細菌数の初期値からの経時変化を、下記の比較例
3〜4との対比において測定して、食品の保存性能を調
べた。比較例3はシートを用いずに弁当を外気中に暴露
させたブランク例であり、比較例4はポリエステルフィ
ルム上にカラシ抽出物のシクロデキストリン包接物を塗
布した市販のカラシシート(ワサパワー;積水化成品工
業社製)である。また、弁当を包む保存条件は25℃で
24時間とし、菌数の測定対象食品は幕の内弁当の中の
卵類、野菜類、穀類、魚介類とした。細菌測定培養条件
は35℃で48時間とし、細菌測定法は標準寒天培地を
使用した一般生菌法に基づいた。
【0036】下表はその試験結果を示す。 (1)食品の初期細菌数 卵類 野菜類 穀類 魚介類 初期値 1.64×102 1.46×10 4.14×102 3.76×10 (2)食品の24時間経過後の細菌数 卵類 野菜類 穀類 魚介類 比較例3 1.43×107 2.97×103 7.66×106 8.74×105 比較例4 9.58×106 1.93×103 3.94×106 4.91×105 実施例3 8.55×106 2.10×102 3.63×106 1.30×105
【0037】上記試験結果によると、ポリ乳酸フィルム
をベースとする実施例3の転写用シートはブランク例
(比較例3)に比して明らかな制菌作用が確認され、その
制菌作用は市販のカラシシート(比較例4)に比べても何
ら遜色がないことが明らかになった。但し、本実施例3
の転写用シートは鮮度保持剤であるカラシ成分を塗布し
ているため、長期間の食品保存を目的としたものではな
く、短時間の保存を目的としたいわば制菌シートであっ
て、上記試験結果の測定時間である24時間より短いス
パンでは、本実施例3の転写用シートはブランク例に対
してより鮮明な制菌作用の差異を示すものと考えられ
る。一般に、遠足、行楽などでは製造してから半日以内
に弁当を食する場合が多いことから、本実施例3の転写
用シートはこのような短時間の食品保存に好適である。
【0038】《転写用シートの生分解性試験例》そこ
で、上記実施例1〜3の転写用シートの基本となるポリ
乳酸フィルムを5cm×5cmの矩形状の試料として、市販
の家庭用コンポスト(生ゴミイーター;松下電工社製)内
に載置して、生分解される速度を目視観察した。この場
合、天然パルプを材質とする普通紙の上にポリ乳酸フィ
ルムを熱プレスしたラミネート紙(大きさは上記試料と
同じ)を基準例として、ポリ乳酸フィルムの分解速度の
水準を対比観察した。その結果、試料(ポリ乳酸フィル
ムのみ)はラミネート紙より速く、ほぼ12日程度で生
分解されて完全に消失してしまったが、ラミネート紙
(基準例)が分解し終えるのには20日程度の日数を要し
た。これにより、ポリ乳酸フィルムの迅速な生分解性能
が確認され、転写処理を終えた後の同フィルムを廃棄し
ても環境に無用の負荷を掛ける恐れは全くなく、もっ
て、本発明の転写用シートが良好な環境保全能を具備す
ることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/46 BSG B65D 65/46 BSG Fターム(参考) 3E086 AB01 AD12 BA04 BA15 BA24 BB15 BB63 BB90 CA22 4B018 LB06 LE01 MA02 MA05 MA06 MC01 MC07 4B035 LC01 LC05 LC16 LE11 LK01 LK02 LK19 LP31 LT16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸フィルムの内面に、色素、調味
    料、フレーバーの少なくとも一種を有効成分とする食品
    用素材層を形成したことを特徴とするポリ乳酸を用いた
    食品用素材転写用シート。
  2. 【請求項2】 ポリ乳酸フィルムの内面に、保存剤、鮮
    度保持剤、酸化防止剤の少なくとも一種を有効成分とす
    る食品用素材層を形成したことを特徴とするポリ乳酸を
    用いた食品用素材転写用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1の食品用素材転写用シートの食
    品用素材層の内側に臨むように食品原料を収容し、加熱
    処理により食品用素材層の有効成分を食品表面に転写可
    能にしたことを特徴とする食品の調理方法。
  4. 【請求項4】 請求項2の食品用素材転写用シートの食
    品用素材層の内側に臨むように食品を収容し、食品用素
    材層の有効成分を食品に転写可能にしたことを特徴とす
    る食品の保存方法。
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