JP2002164594A - アルミニウム製チャンバ - Google Patents

アルミニウム製チャンバ

Info

Publication number
JP2002164594A
JP2002164594A JP2000360637A JP2000360637A JP2002164594A JP 2002164594 A JP2002164594 A JP 2002164594A JP 2000360637 A JP2000360637 A JP 2000360637A JP 2000360637 A JP2000360637 A JP 2000360637A JP 2002164594 A JP2002164594 A JP 2002164594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
heat
aluminum
heat exchange
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000360637A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Kuriyama
和也 栗山
Natsuyuki Suzuki
夏志 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP2000360637A priority Critical patent/JP2002164594A/ja
Publication of JP2002164594A publication Critical patent/JP2002164594A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温下にあるチャンバ内の高温ガスの冷却とチ
ャンバ本体の冷却とを積極的に行い、チャンバの熱膨張
に基づく歪みによる変形をなくし、高精度の加工性と耐
久性とが得られる各種の高温下に曝される各種加工機の
アルミニウム製チャンバを合理的な価格で提供する。 【解決手段】アルミニウム製のチャンバ本体(10)にヒー
トパイプ構造やスカイビングフィン構造を有する熱交換
ユニット(11,16) を、その受熱部(11a,16a) をチャンバ
内部に臨ませ、その放熱部(12)をチャンバ外に臨ませて
直付けする。この熱交換ユニット(11)の直付けにより、
チャンバ本体(10)を小型化でき、しかもチャンバ内の高
温ガスに対する冷却が効率的に行われると同時に、チャ
ンバ本体(10)の過熱も効果的に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部が高温の雰囲
気下におかれる各種のレーザ発振器用チャンバ、或いは
半導体製造設備における各種の成膜用やスパッタリング
用チャンバなどに適用可能なチャンバに関し、特にアル
ミニウムから構成される冷却効率に優れた各種のチャン
バに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の、例えば半導体デバイスの製造機
置における加工精度の向上は目ざましく、サブミクロン
の微細加工が可能となっている。これらの高精度な加工
を実現するには、各種の加工条件の適正な設定が重要で
あることは当然として、高温下に曝されて、放電や各種
の高温ガスによる損傷を受けやすいチャンバの材質に注
目することも重要である。このため、従来は放電による
コンタミネーション(contamination)の発生が少なく、
各種の流体に対する耐食性などに優れたステンレスが主
体として使われてきた。
【0003】しかして、近年は、例えば特開昭58−7
7712号公報や特開昭62−179809号公報にも
記載されているように、電気的特性の改善が容易で、熱
伝導性及び電気伝導性に優れ、加工が容易であり、軽量
であることなどの理由から、粒子加速用ビームチャンバ
としてアルミニウム製の中空押出形材が使われるように
なってきている。これらの公報によれば、押出形材の中
空部内面が成形中に大気と接触しないため、同内面にア
ルミニウムの腐食を助長する水和性酸化物が生成され
ず、逆に緻密な酸化膜が形成されるため、特に高真空度
が要求される粒子加速用ビームチャンバに好適であると
している。
【0004】しかして、かかるアルミニウム製チャンバ
は、例えば実開平3−14144号公報にも記載されて
いるような、加工時に高温の環境下に置かれるスパッタ
リング用の真空チャンバにも適用され、また例えば特開
平6−132582号公報、特開平9−298329号
公報などに記載されているような、反応性ガスの励起時
における放電により高温下に曝されるエキシマレーザ用
チャンバにも使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記スパッ
タリング用の真空チャンバやエキシマレーザ用チャンバ
は、高温下にある加工時の影響を避けるべく、その内部
が冷却手段を使って積極的に冷却される。例えば、前記
エキシマレーザ用チャンバであれば、駆動時の過熱を避
けるため、チャンバ内部の高温ガスを冷却する必要があ
り、ガス流路中に熱交換器が設置されている。この熱交
換器の設置はガスの冷却には効果的であるが、チャンバ
自体の冷却には殆ど寄与していない。
【0006】更に、チャンバ内に独立して熱交換器を設
置することはチャンバの大型化につながるばかりでな
く、チャンバを外部から積極的に冷却していない現状で
は、チャンバ自体が極めて高温となりやすく、その温度
上昇時の熱膨張による歪みに基づく変形の発生は無視で
きない。すなわち、チャンバ自体のこのような変形は、
光学系にずれを生じさせてビーム出射角などが変動し、
ビーム精度に著しく影響する。
【0007】上記変形を避けるには、アルミニウム製チ
ャンバの本体に冷却水通路を直接形成して同本体を冷却
することが好ましい。しかるに、アルミニウムは一般的
に水に侵されやすく、アルミニウム製のチャンバ本体に
冷却水通路用の孔を直接形成すると、冷却通路用の孔の
内壁が冷却水との接触により腐蝕してしまい、耐久性が
なくなるばかりでなく、例えば半導体製造工場のクリー
ンルームであれば、漏水によるクリーン度への影響も否
定できないことから、その実現がむずかしい。
【0008】こうした冷却水による腐食を回避するに
は、水にも侵されず熱伝達にも優れた銅を使うことが望
ましい。しかしながら、銅製のチャンバは材料コストが
大幅に上がってしまい、到底、実施化は難しい。そのた
め、チャンバ本体の外面に銅パイプをろう付けして取り
付け、このパイプに冷却水を供給することにより、該冷
却水を上記チャンバ本体に直接接触させることなく冷却
を行うようにしたアルミニウム製真空チャンバも公知で
ある。しかるに、アルミニウムに銅を直接ろう付けする
ことは技術的に困難であることから、中間に介在物を介
してろう付けが行われる。その結果、製造コストを上げ
ざるを得ず、しかも銅パイプがアルミニウムと直接接触
しないため、熱伝達が低くなり冷却効率も低下する。
【0009】そこで、例えば上記実開平3−14144
号公報により提案されているように、チャンバ本体にド
リルなどの機械加工によって圧縮空気通路孔を穿設し、
明記されてはいないが、その途中の一部開口を閉塞する
と共に、残る連続する両端開口に圧縮空気の供給管と排
出管を接続して、チャンバ本体に圧縮空気を圧送してシ
ーズヒータの輻射熱によるチャンバ本体の過熱を防止し
ようとしている。しかして、所詮は空冷であるに過ぎ
ず、冷却効率は低く、過熱を防ぐに止まり、上述のごと
きレーザ用チャンバのような、チャンバ本体の変形によ
るビーム精度の低下が防止できるまでには到らない。
【0010】更に、例えばエキシマレーザ用チャンバで
あれば、チャンバの内部には高温のフッ素ガスが循環す
る。このフッ素ガスはアルミニウムに対する腐食性が高
く、短時間でアルミニウムを侵食する。そこで、従来も
アルミニウム製のエキシマレーザ用チャンバには、その
表面にニッケル−燐メッキなどを施してフッ素ガスに対
する耐腐食性を確保している。
【0011】また、例えばレーザチャンバ本体に冷却用
通路を形成し、その内壁面に直接冷却用フィンを突設す
ることも考えられるが、チャンバ内を循環する高温ガス
の冷却を優先させると、冷却用フィンの高温ガスに対す
る接触面積を増やすため、冷却用フィンの突出長さを可
能な限り長くしなければならない。一方、冷却用フィン
の有効な熱交換能力は、その断面積、熱伝導長さ及び熱
伝導率により決まるため、必然的に前記突出長さにも制
限があり、ある一定以上の長さになると熱交換能力は飽
和する。
【0012】本発明は、各種の有利な電気的或いは機械
的特性を有し、安価で優れた加工性を有するアルミニウ
ムを使用して、高温ガスとチャンバ本体とが効果的に冷
却され、高温ガスの影響を受けずに各種の加工が可能で
あり、更には高温による熱変形などの弊害がなく、高精
度の加工性と耐久性とが確保された高温下に曝される各
種加工機用のアルミニウム製チャンバを合理的な価格を
もって提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記課題に
鑑みて多面的に検討を行った結果、成形のしやすさと、
その物性から、チャンバ本体はアルミニウムの押出しに
より成形することが好ましく、更には熱交換効率に優れ
た熱交換器をチャンバ本体に直接取り付けることが、チ
ャンバ内を循環する高温ガスの冷却と同時にチャンバ自
体の冷却にも効果を上げることができるため好ましいと
の結論に達した。
【0014】チャンバ本体をアルミニウム材を押出しに
より成形することにより、一般的には切削や研削などの
機械加工により形成されるガス通過路や冷却媒体の通過
路をチャンバ本体の押出しと同時に成形でき、しかも高
精度に成形することが可能なため、滑らかな表面が得ら
れるので表面研磨などの仕上げも不要となる。
【0015】請求項1に係る発明は、こうした利点を合
理的に活かした基本的な構成を備えている。すなわち、
請求項1に係る発明は、高温雰囲気下に置かれる各種の
アルミニウム製チャンバ本体と、受熱部及び放熱部とを
有する熱交換ユニットとを有し、前記熱交換ユニットの
受熱部を前記チャンバ本体の内部に配すると共に、その
放熱部を外部に配して、同熱交換ユニットをチャンバ本
体に直付けしてなることを特徴とするアルミニウム製チ
ャンバにある。
【0016】この発明におけるチャンバ本体は、上述の
ように生産能率が高く、高精度に成形されることから、
押出しにより成形されることが好ましい。しかし、通常
のボルトにより組み立てることもできる。しかして、本
発明ではチャンバ内を循環する高温ガスの冷却とチャン
バ本体との冷却を、別途製造される受熱部及び放熱部を
有する熱交換ユニットにより構成する。この熱交換ユニ
ットは市販されているものを適用することもできるが、
それらの熱交換ユニットをチャンバに直付けするに適し
た構造に改造して使うことが好ましい。
【0017】この種のチャンバには、例えば放電電極ユ
ニットや各種フィルタ等の他の付帯装置を独立して取り
付ける必要がある。そのため、チャンバ本体にはそれら
の装置を取り付けるための窓や配線孔等が形成される。
本発明では、それらの装置の一つとして上述のような受
熱部及び放熱部を有する熱交換ユニットを加え、この熱
交換ユニットをチャンバ本体に予め形成した熱交換ユニ
ット設置用窓に受熱部をチャンバ本体の内部に臨ませる
と共に放熱部を外部に露呈させて直付けする。
【0018】前記直付けの方法には、通常のボルトによ
る固設、ろう付け、後述する「摩擦攪拌接合方法」など
が採用できる。この種のヒートパイプ構造を備えた熱交
換ユニットは、その殆どがアルミニウム素材から構成さ
れている。この点は、チャンバ本体をアルミニウムによ
り構成しており、同一の材質から構成されるため、熱交
換ユニットをチャンバ本体に固設するにあたっても、前
述のろう付けや摩擦攪拌接合方法が容易に採用し得る。
【0019】ヒートパイプは、広く知られているとおり
通常の金属による熱交換効率と較べると熱の交換が極め
て高い効率で行われる。通常のフィンによる冷却は、既
述したとおり、フィンの断面積、熱伝導率及びフィンの
突出長さにより決まり、単にフィンを長く突出させれば
冷却効率が高まるものではない。その点、ヒートパイプ
構造を採用すると、受熱範囲の自由度が増し、しかもそ
の熱の搬送が作動液の気化により行われるため、極めて
効率的に熱交換が行えるばかりでなく、その放熱部との
距離を任意に決めることができる。
【0020】本発明によれば、アルミニウム製チャンバ
本体に、受熱部及び放熱部からなる熱交換ユニットを、
その受熱部をチャンバ内に臨ませると共に、その放熱部
をチャンバ外に露呈させて直付けするため、チャンバ内
を循環する高温ガスから素早く熱を奪い、これを効率的
にチャンバ外に放出するため、チャンバ内を効果的に冷
却すると同時に、チャンバ本体の直付け部分に冷却媒体
を配するようにすれば、チャンバ本体の冷却をも効果的
に行うことができる。
【0021】本発明にあって、チャンバ本体をアルミニ
ウムの押出しにより成形する場合には、例えば本体の押
出しと同時に、その冷却媒体通路に別途冷却媒体を供給
すればチャンバ本体が直接冷却されるため、更にチャン
バ本体の過熱が防止される。一方、前記熱交換ユニット
はチャンバ本体の製造とは別途に製造されるため、品質
の確保がしやすいばかりでなく、チャンバ製造の能率を
向上させることができる。また本発明にあっては、前記
チャンバ本体を押出しにより成形することなく、機械的
な組立てと機械加工によって製作することも可能であ
る。
【0022】請求項2に係る発明は、前記熱交換ユニッ
トの前記受熱部はヒートパイプ構造を有し、前記放熱部
は冷却配管を有する基台からなることを特徴とする請求
項1記載のアルミニウム製チャンバにある。
【0023】ヒートパイプは、広く知られているとお
り、通常の金属による熱交換効率と比べると熱の交換が
極めて高い効率で行われる。通常のフィンによる冷却
は、前述のとおり、フィンの断面積、熱伝導率及びフィ
ンの突出長さにより決まり、単にフィンを長く突出させ
れば冷却効率が高まるものではない。ヒートパイプ構造
を採用すると、受熱範囲の自由度が増し、しかもその熱
の搬送が作動液の気化により行われるため、極めて効率
的に熱交換が行えるばかりでなく、その放熱部との距離
を任意に決めることができる。
【0024】本発明によれば、アルミニウム製チャンバ
本体に、受熱部をヒートパイプで構成し、このヒートパ
イプをもってアルミニウム製フィンを覆う構造とし、放
熱部を冷却配管を設けた基材とした熱交換ユニットを、
その受熱部をチャンバ本体内に臨ませると共に、その放
熱部をチャンバ本体の外部に露呈させて直付けするた
め、チャンバ内を循環する高温ガスから素早く熱を奪
い、これを効果的に冷却するためにチャンバ本体に直付
けする基材にも冷却配管を設けて、冷却媒体を循環させ
ることにより、チャンバ本体の冷却をも効果的に行うこ
とができる。
【0025】請求項3に係る発明は、前記熱交換ユニッ
トの前記受熱部はスカイビングフィン構造を有し、前記
放熱部は冷却配管を有する基材からなることを特徴とす
る請求項1記載のアルミニウム製チャンバにある。
【0026】一般的なフィン構造は、連続板状のルーバ
ータイプや所定形状の板を接着又はろう付けにより、幾
重に連続したものが知られている。また、細密な箇所に
設ける熱交換器では、ピンタイプとされることが多い。
しかし、受熱面積を広く確保するためには、広幅で長い
フィンにする必要が或る。
【0027】受熱部に用いるスカイビングフィン構造
は、アルミニウム材をシェーパ(形削り盤)で削ぐよう
に順次切削し(スカイビング加工)、フィン状に製作し
たものである。市販品としては、スカイブヒートシンク
(昭和アルミニウム社製(商品名))が知られており、
例えば、幅が10〜20mm、長さが30〜50mmの
ものを得ることができる。
【0028】請求項4に係る発明は、前記熱交換ユニッ
トのチャンバ本体に対する直付けが、摩擦熱に基づく塑
性流動化による母材同士の組織攪拌をもってなされてな
る請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム製チャ
ンバにある。
【0029】摩擦熱を利用して、接合しようとする母材
同士の組織を塑性流動化させると同時に、同組織を攪拌
させることにより接合させる方法は知られている。この
接合方法が、上述の「摩擦攪拌接合方法」と呼ばれるも
のである。この摩擦攪拌接合方法は、例えば先端中心に
ピン状のツールを有する回転ドリルのツールを母材の境
界面に沿って高速で回転させながら走行させると、ツー
ルの回転摩擦により生じる母材の境界面の温度が約40
0℃以上に達する。この温度に達すると境界面の内部組
織は変形抵抗を失い、塑性流動が起こり母材同士の組織
が攪拌される。この結果、境界面はなくなり母材同士が
接合できる。
【0030】この摩擦攪拌接合方法による利点は、接合
時の熱の影響による強度低下が小さく、母材の熱歪も非
常に小さいため、熱歪を好まない本発明のチャンバ本体
の加工には最適である。更に、前述のように母材の溶融
を伴わない固相の接合方法であるため、チャンバとして
有害なガスの発生が通常の溶融溶接やろう付けと比較し
て著しく少ない。なお、本発明にあっては、チャンバ本
体に対する上記熱交換ユニットの直付け手段として、前
記摩擦攪拌接合方法による以外にも、当然に従来からよ
く知られているろう付け、或いはボルトとOリングを併
用する固着手段を採用することも可能である。
【0031】請求項5に係る発明にあっては、上記アル
ミニウム製チャンバがレーザチャンバである場合を、請
求項6に係る発明にあっては、前記アルミニウム製チャ
ンバが半導体製造装置用チャンバである場合を特徴とし
ている。
【0032】
【発明の実施形態】以下、本発明の典型的な実施形態で
あるエキシマレーザ発振器のチャンバに基づいて図面を
参照しながら具体的に説明する。なお、以下に述べる実
施形態にあっては、チャンバ本体に配されるパイプを水
冷用パイプとして銅パイプを使用している。これは、既
述したとおりアルミニウムは水に浸食されるがため、直
接接触させることができないためである。
【0033】また、本発明における流体通路は、必ずし
も冷却用に限定されず、例えばエキシマレーザ発振器用
チャンバにあってはフッ素ガスなどの反応性ガスの給排
出用通路をも含むものである。
【0034】図1はエキシマレーザ発信器の一般的な構
造例を示している。なお、図中の矢印はレーザ媒質ガス
の流れ方向を示している。符号1はエキシマレーザ発振
器のチャンバ、2はファン、3,4は主電極、5は熱交
換器、6は絶縁部材である。この他に、図示は省略する
が主電極4,5を挟むようにして予備励起用の予備電極
が配されている。
【0035】レーザ媒質ガスはファン2の駆動により放
電を持続する主電極3,4の間を流れ、主電極3,4間
のガスを吹き払ったのち、熱交換器5で冷却されて再び
ファン2に戻る。このファン2によって生じる圧力さを
利用してダストフィルタケース7内に流れを発生させ
る。この流れに乗って、レーザ媒質ガスはダストフィル
タケース7内に配された図示せぬフィルタを通って濾過
され、清浄なレーザ媒質ガスがチャンバ1に戻される。
【0036】本発明のチャンバ1はアルミニウム合金を
使って、例えば特開昭62−179809号公報に開示
された押出技術に倣って押出成形される。従って、本明
細書ではその具体的な成形方法の説明は省略する。本実
施形態で使用されるアルミニウム合金としては、JIS
A6063又はA6061のビレットが使用される。
【0037】図2は、本発明の第1実施形態を示してい
る。この実施形態によるチャンバ本体10は略卵形の横
断面を有するアルミニウム合金からなる中空押出形材に
より構成される。チャンバ本体10の天井部及び図面の
右側壁部は、のちに機械加工により窓が明けられ、上記
主電極4を支持する絶縁部材6が固設される平坦壁部1
0bと本発明の特徴部をなすヒートパイプ構造を有する
熱交換ユニット11が固設される弧面壁部10cとを有
している。図示は省略したが、図面の左上側にはチャン
バ本体の成形と同時にレーザ媒質ガスの給排通路を成形
することもできる。このガス給排通路には、のちに内外
と通じる図示せぬガス供給口及び排出口が機械加工によ
って形成される。
【0038】本実施形態にあっては、上記熱交換ユニッ
ト11を設置する他に、チャンバ本体10の図面左側の
外側面と底部10aの外面とには、複数の略半円形断面
をもつ隆起状突条10eが一体に成形されている。こう
して、チャンバ本体10の外側表面と外気との接触面積
を増やして、空冷効果を上げる。
【0039】前記専用の熱交換ユニット11は市販され
ているヒートポンプ構造を有する熱交換ユニットに僅か
な機械加工を加えるだけで容易に製作できる。本実施形
態では、同熱交換ユニット11は、図3に示すように、
内部にフロリナート(商品名:米国、スリーエム社製)
のような作動流体が封入されたアルミニウム製の図示せ
ぬ押出管を内部に収容して得られる薄板体11aを屈曲
させ、その屈曲空間に、同じくアルミニウム製の薄板材
11bをジグザグ状に屈曲して収容一体化して得られる
受熱部であるヒートパイプ部11cを、放熱部である厚
手のアルミニウム製基板12にろう付けして一体化した
ものである。
【0040】アルミニウム製基板12には、外部から給
排される、例えば水やガス等の冷却媒体を流すようにし
てもよい。ただし、アルミニウムは水に侵食されること
から、アルミニウム製基板12の内部に直接水を流すこ
とはできないため、水冷の場合には銅パイプを介して流
すようにする。
【0041】いま、前記熱交換ユニット11を上記チャ
ンバ本体10に直付けするには、図2に示すように、先
ずチャンバ本体10の高温ガスの循環路に相当する領域
に、前記アルミニウム製基板12の外周面取付部と略同
一形状の窓部13を機械加工により形成する。この窓部
13に、前記熱交換ユニット11の受熱部であるヒート
ポンプ部11cをチャンバ本体10の内部に臨ませると
共に、その放熱部であるアルミニウム製基板12をチャ
ンバ本体10の外部に露呈させるようにして嵌め込み、
適宜手段により仮止めする。
【0042】次いで、窓部13及びアルミニウム製基板
12の各嵌合面に同一材質のアルミニウム片をあてがう
と共に、図4に示すような回転ツール14の先端中央部
から突出するピン部材14aを挿入して、ツール14を
窓部13及びアルミニウム製基板12の各嵌合面に外側
から押圧しながらピン部材14aと一緒に高速で駆動回
転させて、前記嵌合面に沿って移動させる。このときの
回転摩擦により、窓部及びアルミニウム製基板12の各
嵌着面が400℃以上に昇温し、そこにあてがわれたア
ルミニウム片と一緒に各母材も塑性流動化して、互いの
組織が攪拌されて一体化し、これを冷却することによ
り、図5(a)に示すごとく強固に接合一体化する、い
わゆる摩擦攪拌接合法を採用している。
【0043】しかして、本発明による前記熱交換ユニッ
ト11の固設手段としては、前述の接合一体化手段に限
定されず、例えば図5(b)に示すごとく、チャンバ本
体10の窓部13の周面に段差を設けると共に、熱交換
ユニット11のアルミニウム製基板12の外周取付部に
も前記窓部13に嵌着する段差を設け、その段差の部分
を接合面にOリング15aを介して気密に密接させ、両
者をボルト15により固定一体化することもできる。ま
た、例えば図示を省略したが、熱交換ユニット11のア
ルミニウム製基板12とチャンバ本体10の窓部13と
をろう付けにより一体化することもできる。
【0044】このヒートパイプ構造を備えた熱交換ユニ
ット11の設置にあたっては、図5に示すごとくヒート
パイプを内蔵する薄板体11aの屈曲空間に収納一体化
されたジグザグに屈曲するアルミニウム製の薄板材11
bの各板面がチャンバ内の高温ガス循環方向と平行にな
るようにして、上記ヒートパイプ部11cをチャンバ本
体10の内部に臨設させる。
【0045】このように、本実施形態によれば、チャン
バ本体10とは別にアルミニウム製のヒートパイプ構造
をもつ熱交換ユニット11をチャンバ本体10に直付け
して、チャンバ1内のガス循環路に沿ってヒートパイプ
部11cが臨設されることになるため、従来のごとく独
立した熱交換器をチャンバ内部に設置しないでも済む。
その結果、チャンバ本体10が小型化でき、しかもヒー
トパイプ構造を採用することにより、前記ヒートパイプ
部11cの受熱面積に対する自由度が大きくなり必要最
大限の臨設長に設定できる。
【0046】そして、ヒートパイプ構造による冷却であ
るため、当然に熱交換性能も著しく向上する。更に、本
実施形態によると、熱交換ユニット11によりチャンバ
内の高温ガスの冷却がなされると同時に、チャンバ本体
10を直接冷却するため、例えばチャンバ本体10に水
冷用の銅パイプを配する必要がなくなる。
【0047】勿論、本実施形態のごとく、前記熱交換ユ
ニット11によるだけではチャンバ本体10の過熱が生
じるような場合には、チャンバ本体10の内外に銅パイ
プを密着固定化して、前記熱交換ユニット11のアルミ
ニウム製基板12との両面からチャンバ本体10を積極
的に冷却することも可能である。
【0048】図6は、本発明の第2実施形態を示してい
る。この実施形態において、熱交換ユニット11の受熱
部には、市販されているスカイビングフィン構造部材1
6を採用している。このスカイビングフィン構造部材1
6は、アルミニウムの押出材にスカイビング加工、つま
りアルミニウム押出材を削ぐようにして順次切削を施
し、複数枚のフィン16aを順次形成して得られる。既
述したと同様の構造をもつ放熱部であるアルミニウム製
基材12の表面に、上述の摩擦攪拌接合方法により前記
スカイビングフィン構造部材16を一体化して熱交換ユ
ニットが製作される。
【0049】アルミニウム製基材12には、既述したよ
うに、外部から給排される、例えば水やガス等の冷却媒
体を流すようにしてもよい。ただし、アルミニウムは水
に侵食されることから、アルミニウム製基板12の内部
に直接水を流すことはできないため、水冷の場合には銅
パイプを介して流すようにする。
【0050】前記熱交換ユニット11を上記チャンバ本
体10に直付けするには、図7に示すように、先ずチャ
ンバ本体10の高温ガスの循環路に相当する側壁部10
dに、前記アルミニウム製基板12の外周面取付部と略
同一形状の窓部13を機械加工により形成する。この窓
部13に、前記熱交換ユニット11の受熱部であるスカ
イビングフィン構造部材15をチャンバ1の内部に臨ま
せると共に、その放熱部であるアルミニウム製基板12
をチャンバ1の外部に露呈させて嵌め込み、適宜手段に
より仮止めする。
【0051】次いで、窓部13及びアルミニウム製基板
12の各嵌合面に同一材質のアルミニウム片をあてがう
と共に、上記実施形態と同様に、図4に示すような回転
ツール14の先端中央部から突出するピン部材14aを
挿入して、ツール14を窓部13及びアルミニウム製基
板12の各嵌合面に外側から押圧しながらピン部材14
aと一緒に高速で駆動回転させて、前記嵌合面に沿って
移動させる。このときの回転摩擦により強固に接合一体
化する摩擦攪拌接合法が採用される。しかして、本発明
による前記熱交換ユニット11の固設手段としては、前
述の接合一体化手段に限定されず、例えば図示は省略す
るがチャンバ本体10の直付け窓部の周面に段差を設け
ると共に、熱交換ユニット11のアルミニウム製基板1
2の外周取付部にも前記窓部の段差に嵌着する段差を設
け、上記実施形態と同様、その段差間を接合面にOリン
グを介して気密に密接させ、両者をボルトにより固定一
体化することもできる。また、例えば熱交換ユニット1
1のアルミニウム製基板12とチャンバ本体10の直付
け窓部とをろう付けにより一体化することもできる。
【0052】このスカイビングフィン構造を備えた熱交
換ユニット11の設置にあたっては、図7に示すごとく
片側に形成されるフィン16aを構成するアルミニウム
製板材の板面がチャンバ内の高温ガス循環方向に平行に
配して、前記フィン16aをチャンバ本体10の内部に
臨設させる。
【0053】このように、本実施形態によれば、チャン
バ本体10とは別にアルミニウム製のスカイビングフィ
ン構造をもつ熱交換ユニット11をチャンバ本体10に
直付けして、チャンバ1内のガス循環路に沿ってフィン
エレメント11bが配されるため、従来のごとく独立し
た熱交換器をチャンバ内部に設置する必要がない。その
結果、チャンバ本体10が小型化でき、しかもスカイビ
ングフィン構造を採用することにより、前記フィン16
aの受熱面積に対する自由度が大きくなり必要最大限の
臨設長を設定できる。そして、スカイビングフィン構造
による冷却であるため、当然に熱交換性能も著しく向上
する。
【0054】勿論、本実施形態にあっても、前記熱交換
ユニット11によるだけではチャンバ本体10の過熱が
生じるような場合には、チャンバ本体10の内外に銅パ
イプを密着固定化して、前記熱交換ユニット11のアル
ミニウム製基板12との両面からチャンバ本体10を積
極的に冷却することも可能である。
【0055】図8は、前述のごとくチャンバ本体10に
前記熱交換ユニット11を設置すると共に、チャンバ本
体10に直接水冷すくための銅パイプを埋設一体化する
場合の本発明における第3実施形態を示している。
【0056】すなわち、チャンバ本体10の側壁部10
dには、複数の銅パイプを挿入密嵌せるためのパイプ嵌
着孔17が押出方向に延びて平行に形成されている。こ
のパイプ嵌着孔17は機械加工によって形成されるもの
ではなく、チャンバ本体10の成形と同時に形成され
る。なお、本実施形態では、チャンバ本体10を水冷す
るため銅パイプを使用しているが、例えばアルミニウム
と親和性のない液体や気体からなる冷却媒体を使用する
場合には、前記パイプ嵌着孔17がそのまま冷却媒体通
路として使われる。
【0057】このようにして押出成形されるチャンバ本
体10の中空内壁面、空洞部10cの内面及びパイプ嵌
着孔17の内面は、いずれも面粗さが小さく、研磨など
の機械的な仕上加工の必要がない。つまり、チャンバ本
体10の内面部分に対する機械的な仕上加工は不要であ
って、押出状態のままでチャンバの組立て工程に廻すこ
とが可能である。
【0058】本実施形態による水冷構造を得るには、上
記パイプ嵌着孔17に図示せぬ銅パイプを挿入すること
から始まる。銅は熱伝導率に優れ、しかも既述したとお
り水に侵されることもない。一方、アルミニウムは水に
侵されやすく、直接水に接触させると長期の使用に耐え
られない。そこで、本実施形態では、前述のごとく形成
されるパイプ嵌着孔17に銅パイプを密嵌して、同銅パ
イプを介してチャンバ本体10を水冷する。
【0059】銅パイプの外径は前記パイプ嵌着孔17の
内径よりも僅かに小さく設定され、その肉厚も以降の膨
管加工に耐え得る厚さに設定される。銅パイプの長さ
は、以降の銅パイプ同士の結合のためチャンバ本体10
の全長より僅かに長く設定される。前記パイプ嵌着孔1
7は押出方向に平行であることから直線状であり、従っ
て銅パイプも格別の折り曲げを行うことなく直線状に準
備される。
【0060】図9は、前記パイプ嵌着孔17に銅パイプ
18を挿入し、これを機械的に膨管させてパイプ嵌着孔
17に密着固定する過程を示している。同図中の符号2
0は銅パイプ18の外径を拡大させるための棒状のマン
ドレルを示しており、このマンドレル20は、図10に
示すように、先端が前記銅パイプ18の内径よりも小さ
く設定され、その先端からの基端部に向かう一部の径
を、銅パイプ18が前記パイプ嵌着孔17に密着するに
十分な径まで漸増しており、続く基端部までの径は同一
径とされている。
【0061】いま、銅パイプ18がパイプ嵌着孔17に
挿入されると、図9(a)に示すように銅パイプ18と
パイプ嵌着孔17との間には微小な間隙が存在する。こ
の状態で、同図(b)に示すようにマンドレル20の先
端を銅パイプ18に挿入する。次いで、マンドレル20
を銅パイプ18の中空部に押し込むと、同図(c)に示
すように銅パイプ18の内径及び外形が拡大して膨管状
態となり、遂には銅パイプ18の外径がチャンバ本体1
0に形成されたパイプ嵌着孔17の内径に密着状態で密
嵌固定される。なお、銅パイプ18の径を拡大するため
の膨管手段としては、前記マンドレル20による機械的
な膨管に代えて、油圧や空気圧などを利用して膨管させ
ることも可能である。
【0062】こうして各パイプ嵌着孔17に銅パイプ1
8が密嵌固定されると、隣合う銅パイプ18の開口端に
U字状銅パイプ18aの開口端を突き合わせて、例えば
ろう付けにより、図11に示すように接合一体化する。
これをチャンバ本体10の前後両端面において交互に行
うことにより、ジグザグ状の銅パイプ18がチャンバ本
体10の側壁部10dに直接取り付けられることにな
る。
【0063】銅パイプ18の取り付けが終了すると、図
示は省略するが、チャンバ本体10の前後開口面を前後
壁部材により密閉固定する。そのため、図示せぬ前後壁
部材の閉塞面には、チャンバ本体10の前後面面から露
呈する上記U字状銅パイプ18aを収容するためのU字
状溝が形成されている。また、チャンバ本体10に対す
る前後壁部材の固着は、Oリングを介してボルトにより
固定してもよいが、既述した上記摩擦攪拌接合法を採用
して母材同士の接合面を摩擦により昇温させて、塑性流
動を起こさせると同時に、その組織を攪拌して冷却接合
する。
【0064】こうして製造される本実施形態によるエキ
シマレーザ発振器用のチャンバによれば、チャンバ本体
10が所要の断面形状を備えた中空押出形材からなるた
め、生産性に優れ、しかもチャンバ本体10を水冷用銅
パイプ18を介して直接冷却することができるようにな
る。従って、冷却効率が著しく向上し、レーザ発振時の
放電によるチャンバ本体の過熱を確実に回避することが
でき、熱歪も発生しないため、光学系にずれが生じるこ
ともなく、ビーム出射角などの変動によるビーム精度の
低下を招くこともない。
【0065】図12は、本発明の第4実施形態であるエ
キシマレーザ発振器用チャンバの本体を示している。こ
の実施形態によるチャンバ本体10も略卵形断面を有す
るアルミニウム合金からなる中空押出形材により構成さ
れる。
【0066】チャンバ本体10の図面左側の外側面と底
部10aの外面には、外気による冷却効率を高めるため
に複数の略半円形断面を有する突条10eが一体に成形
されている。チャンバ本体10の天井部には、図1に示
した用に主電極4を支持する絶縁部材6を固設するた
め、のちに窓が明けられる平坦壁部10bが形成されて
いる。前記突条10eはチャンバ本体10の押出し成形
と同時に成形される。
【0067】また、本実施形態にあっては、チャンバ本
体10の上記熱交換ユニット11が設置される側壁部と
は反対側の側壁部の外壁面に、多数本のパイプ支持部1
9が押出し方向に平行に突設されている。このパイプ支
持部19は、同図に示すように略U字状断面をもつ複数
の突条からなり、その押出方向に延びる凹溝部19aに
は水冷用銅パイプ18が嵌着される。本実施形態による
水冷構造を得るには、上記パイプ支持部19に図示せぬ
銅パイプを嵌着することから始まる。従って、凹溝部1
9aの底面は銅パイプ18の外径とほぼ等しい径からな
る円弧面として形成されている。
【0068】なお、前記パイプ支持部19は、チャンバ
本体10の外面に形成されていることから、その凹溝部
19aに順次銅パイプ18を嵌着させることができるた
め、銅パイプ18を凹溝部19aの本数と同数の直線部
分と、その隣合う端部を折り曲げて反転させるU字部分
とからなるジグザグ状に予め形成しておくことができ
る。銅パイプ18の前記直線部分の長さはチャンバ本体
10の長さにほぼ等しい。
【0069】いま、本実施形態によるチャンバ本体10
に対する冷却用銅パイプ18の密着一体化は、図13に
示す手順でなされる。先ず、図13(a)のように、銅
パイプ18がパイプ支持部19の凹溝部19aに嵌着す
る。銅パイプ18がパイプ支持部19の凹溝部19aに
嵌着されると、図13(b)に示すようにパイプ支持部
19の凹溝部19aを構成する一対の脚片19b,19
cが機械的にかしめられる。
【0070】このかしめは、図14に示すようなローラ
面が円弧状の凹面に形成された鼓状の複数対の自由回転
する成形ローラ群の間を通すことによりなされる。複数
対の成形ローラ21の円弧状ローラ面は、チャンバ本体
10の移動方向の下流側に向けて順次小径となり、最終
的には前記脚片19b,19cを銅パイプ18の周面に
密着させる径となるように設定されている。
【0071】各パイプ支持部19にジグザグ状に屈曲成
形された銅パイプ18を順次密嵌固定すると、図15に
示すように、チャンバ本体10の前後開口面を前後壁部
材22,22により密閉固定する。そのため、前記前後
壁部材22、22の閉塞面には、チャンバ本体10の前
後面面から露呈する上記U字状銅パイプ18aを収容す
るためのU字状溝が形成されている。また、チャンバ本
体10に対する前後壁部材22,22の固着は、ボルト
による固定でもよいが、第1実施形態と同様の摩擦攪拌
接合法を採用して母材同士の接合面を摩擦により昇温さ
せ、塑性流動を起こさせると同時に組織を攪拌して冷却
接合してもよく、或いはろう付けにより接合一体化す
る。
【0072】こうして製造される本実施形態によるエキ
シマレーザ発振器用のチャンバによれば、チャンバ本体
10が所要の断面形状を備えた中空押出形材からなるた
め、生産性に優れ、しかもチャンバ本体10を水冷用銅
パイプ18を介して直接冷却することができるようにな
る。従って、冷却効率が著しく向上し、レーザ発振時の
放電によるチャンバ本体の過熱を確実に回避することが
でき、熱歪も発生しないため、光学系にずれが生じるこ
ともなく、ビーム出射角などの変動によるビーム精度の
低下を招くこともない。更には、銅パイプ18をジグザ
グ状に予め屈曲形成しておけるため、生産性及び品質も
向上する。
【0073】以上の説明では、エキシマレーザ発振器用
チャンバ1を例に挙げて説明したが、本発明のチャンバ
はレーザ発振器用チャンバに限定されず、例えばスパッ
タリング用真空チャンバ、或いは各種の成膜用チャンバ
など、加工時に高温環境下に置かれる各種チャンバに
も、その基本原理を変更させることなく適用できる。な
お、図示は省略したが、上記第3実施形態におけるパイ
プ支持部19であるU字状の脚片19b,19cを、予
め銅パイプ18の外径よりも僅かに小さい径からなるC
字状断面に形成することもある。この場合には、銅パイ
プ18をパイプ支持部19の弾性を利用して嵌着させる
だけで、銅パイプ18をチャンバ本体10に密着させて
十分に支持できる。
【0074】また、上記実施形態では流体給排用通路と
して水冷用の銅パイプを前記通路に挿嵌して密着固定し
ているが、流体の化学的物性によってはパイプを挿入せ
ずに、前記通路を直接使うこともでき、また本発明にお
いて使用し得るパイプは、例えば各種の反応性ガスや冷
却媒体を使うことがあるため、必ずしも銅パイプに限定
されず、例えばステンレスパイプ等も採用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エキシマレーザ発振器の一般的な内部構造例を
示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるエキシマレーザ発
振器用チャンバの断面図である。
【図3】チャンバ本体に直付けされるヒートパイプ構造
を備えた熱交換ユニットの概略構造を示す立体図であ
る。
【図4】同チャンバに熱交換ユニットを直付けするとき
の代表的な手法である摩擦攪拌接合法の概略説明図であ
る。
【図5】上記第1実施例に適用されるヒートパイプ構造
を備えた熱交換ユニットの直付け態様例を示す要部の断
面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に適用されるスカイビン
グフィン構造をもつ熱交換ユニットの概略構成を示す部
分立体図である。
【図7】前記スカイビングフィン構造をもつ熱交換ユニ
ットのチャンバ本体に対する直付け態様例を示す要部の
断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示すエキシマレーザ発
振器用チャンバのチャンバ本体の断面図である。
【図9】第3実施形態における銅パイプの密嵌固定の手
順を示す説明図である。
【図10】銅パイプをパイプ嵌着孔に密嵌固定するとき
に使われるマンドレルの先端部を示す立体図である。
【図11】銅パイプ端部の連結構造を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の第4実施形態であるエキシマレーザ
発振器用チャンバのチャンバ本体の断面図である。
【図13】前記チャンバ本体の外面に形成されるパイプ
支持部に銅パイプを密嵌固定する固定手順を示す説明図
である。
【図14】前記パイプ支持部のかしめ機構例の説明図で
ある。
【図15】チャンバ本体の端部開口の閉塞態様を概略で
示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ発振器用チャンバ 2 ファン 3,4 主電極 5 熱交換器 6 絶縁部材 7 フィルターケース 10 チャンバ本体 10a 底部 10b 天井平坦壁部 10c 弧面部 10d 側壁部 10e (半円形断面)突条 11 ヒートパイプ構造を備えた熱交換ユ
ニット 11a ヒートパイプ内蔵のアルミニウム製
薄板体 11b アルミニウム製薄板材 11c ヒートパイプ部 12 アルミニウム製基板 13 窓部 14 回転ツール 14a ピン部材 15 ボルト 15a Oリング 16 スカイビングフィン構造を備えた熱
交換ユニット 16a フィン 17 パイプ嵌着孔 18 銅パイプ 18a U字状銅パイプ 19 パイプ支持部 19a 凹溝部 19b,19c 脚片 20 マンドレル 21 成形ローラ 22 前後壁部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 EB03 EJ01 5F071 AA06 DD08 FF05 JJ03 5F072 AA06 FF05 JJ03 TT03 TT04 TT05 TT22 YY08 5F103 AA08 BB60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温雰囲気下に置かれる各種のアルミニ
    ウム製チャンバ本体と、受熱部及び放熱部をもつ熱交換
    ユニットとを有し、 前記熱交換ユニットの受熱部を前記チャンバ本体の内部
    に配すると共に、その放熱部を外部に配して、同熱交換
    ユニットがチャンバ本体に直付けされてなることを特徴
    とするアルミニウム製チャンバ。
  2. 【請求項2】 前記熱交換ユニットの前記受熱部はヒー
    トパイプ構造を有し、前記放熱部は冷却配管を有する基
    台からなることを特徴とする請求項1記載のアルミニウ
    ム製チャンバ。
  3. 【請求項3】 前記熱交換ユニットの前記受熱部はスカ
    イビングフィン構造を有し、前記放熱部は冷却配管を有
    する基台からなることを特徴とする請求項1記載のアル
    ミニウム製チャンバ。
  4. 【請求項4】 前記熱交換ユニットのチャンバ本体に対
    する直付けが、摩擦熱に基づく塑性流動化による母材同
    士の組織攪拌をもってなされてなることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム製チャン
    バ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミ
    製チャンバがレーザ発振器用チャンバであることを特徴
    とするアルミニウム製チャンバ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミ
    製チャンバが半導体製造装置用チャンバであることを特
    徴とするアルミニウム製チャンバ。
JP2000360637A 2000-11-28 2000-11-28 アルミニウム製チャンバ Pending JP2002164594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360637A JP2002164594A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 アルミニウム製チャンバ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360637A JP2002164594A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 アルミニウム製チャンバ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002164594A true JP2002164594A (ja) 2002-06-07

Family

ID=18832201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000360637A Pending JP2002164594A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 アルミニウム製チャンバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002164594A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007144009A1 (de) * 2006-06-12 2007-12-21 Trumpf Werkzeugmaschinen Gmbh & Co. Kg Bauteil einer laserbearbeitungsmaschine und verfahren zur herstellung einer korrosionsbeständigen beschichtung eines kanals des bauteils der laserbearbeitungsmaschine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007144009A1 (de) * 2006-06-12 2007-12-21 Trumpf Werkzeugmaschinen Gmbh & Co. Kg Bauteil einer laserbearbeitungsmaschine und verfahren zur herstellung einer korrosionsbeständigen beschichtung eines kanals des bauteils der laserbearbeitungsmaschine
US8435431B2 (en) 2006-06-12 2013-05-07 Trumpf Werkzeugmaschinen Gmbh + Co. Kg Method for producing a laser processing machine component having a corrosion-resistant internal coating

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100543975C (zh) 液冷套
JP3383364B2 (ja) 耐高圧、長寿命アルミニウム製熱交換器
KR20090018970A (ko) 열 교환기 조립체
JP2000304488A (ja) アルミニウム合金製熱交換器
JPH01104427A (ja) 熱交換器製造方法、及びその製造方法のための中空の形材
CN101410688A (zh) 制造基于泡沫金属的热交换器的方法
WO1999057501A1 (en) Heat exchanger manifold block with improved brazeability
EP4171859A1 (en) Integrated hybrid compact fluid heat exchanger
JP2002164594A (ja) アルミニウム製チャンバ
JP4243654B2 (ja) 電子機器部品の液体冷却板、液体冷却板の製造方法
CA3072194A1 (en) Finless heat exchanger apparatus and methods
EP0632246B1 (en) Heat exchanger
JP2002151763A (ja) アルミニウム製チャンバ
JP2002164593A (ja) アルミニウム製チャンバ
JP2008014624A (ja) 給湯機用水熱交換器及びその製法
JP2004122221A (ja) 冷却路を有する部品の製造方法
JP2003185365A (ja) 熱交換器
JP2002176220A (ja) エキシマレーザ発振器用チャンバ
KR102370743B1 (ko) 온도제어시스템의 열교환장치 및 이를 포함하는 온도제어시스템
JPH01247991A (ja) 熱交換器およびその製造方法
KR100770474B1 (ko) 수냉식 및 공냉식이 가능한 오일쿨러를 갖는 라디에이터
JP4628119B2 (ja) サーマルヘッドユニット
JP2001133174A (ja) 冷却体
JP2006226586A (ja) 鋼管製ヘッダ及び空気調和装置
JP4124310B2 (ja) ガスレーザ用熱交換器