JP2002164208A - 圧粉磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方法、およびそれを用いた高周波リアクトル - Google Patents

圧粉磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方法、およびそれを用いた高周波リアクトル

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JP2002164208A
JP2002164208A JP2000363019A JP2000363019A JP2002164208A JP 2002164208 A JP2002164208 A JP 2002164208A JP 2000363019 A JP2000363019 A JP 2000363019A JP 2000363019 A JP2000363019 A JP 2000363019A JP 2002164208 A JP2002164208 A JP 2002164208A
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Masayoshi Ishii
政義 石井
Teruhiko Fujiwara
照彦 藤原
Keita Isotani
桂太 磯谷
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Tokin Corp
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    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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    • H01F41/0246Manufacturing of magnetic circuits by moulding or by pressing powder

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源回路の効率を向上させるためロス特性、
周波数特性に優れ、しかも定格電流における透磁率が高
い高周波リアクトル用合金粉末並びにこの合金粉末を使
用したリアクトルを容易かつ安価に提供することであ
る。 【解決手段】 組成が3.0wt%以上から6.0wt%
以下の範囲のシリコン(Si)、0.1wt%以上から
1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、0wt%以上か
ら1.0wt%以下の範囲の燐(P)(但し、0wt%
を含まず)、残部鉄(Fe)から成り、かつ粒径が実質
的に150μm以下の範囲の合金粉末と、バインダーと
を金型を使用して圧縮成形して形成された高周波リアク
トル用の圧粉磁芯。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、産業機
器あるいは一般家庭用電気製品に搭載されるスイッチン
グ電源に使用されるのに好適な、(そのスイッチング周
波数が10kHz以上の電源に搭載される)高周波リア
クトル用の圧粉磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方
法およびそれを用いた高周波リアクトルに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、CO問題の高ま
りから、一般家電および産業用機器において省エネルギ
ー対策が急速に進んでいる。一般的に、消費電力が大き
く、省エネルギー効果が高いものとして、エアコン、冷
蔵庫等のモーターを使用しているもの、および照明器具
等が上げられる。これら製品の省エネルギー化を進める
ために、高効率モーターの採用、電気回路の高効率化等
が進められている。電気回路で効率が大きく問題となる
のは、50/60HzAC入力をDC化する電源部であ
り、その効率改善のため、SW電源の普及が近年急速に
進んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SW電
源を採用すると、電流波形の歪により高調波電流の発生
が問題となっていた。この対策として、様々な回路方式
が提案されており、例えば、チョークインプット方式、
一石コンバーター方式、アクティブフィルター方式等が
挙げられるが、何れの方式においても、電流の導通角を
広げるためにリアクトルが使用されていた。このリアク
トルに求められる特性は、インダクタンス値の他に、高
変換効率、可聴域の唸りがない、温度上昇が小さい、小
型軽量、および低コスト等、多岐にわたっている。
【0004】これら特性を達成する方法は、個別には種
々あるが、同時に解決できる最も有効な手段として、S
W周波数を上げることが考えられる。その場合、使用さ
れるリアクトル材が重要であり、高周波まで低損失、し
かも定格電流で高透磁率の材質が必要とされる。
【0005】実際、小容量の電源では、高周波用フェラ
イト材の商品化が高周波電源の設計に大きく貢献してい
ることは周知の事実である。
【0006】一方、大容量の電源では、上記特性に加え
直流重畳特性が重要であり、飽和磁化の低いフェライト
材は使用できない。従って、他の、飽和磁化の高い材質
のリアクトル材を使用しなければならないが、一般珪素
鋼鈑は高周波でのコアロスが大きいため使用できなかっ
た。また、高珪素鋼鈑でも20kHzを超えると急激に
コアロスの増大と透磁率の著しい劣化が発生するため、
使用周波数が20kHz以下に限定されていた。
【0007】次に、アモルファス材は、高価なボロン
(B)を使用すること、および特殊な製造装置が必要な
ので、どうしても高コストであった。さらに、アモルフ
ァス材は、磁歪が大きいため可聴域の唸りの発生が避け
られないので、最適な材料ではなかった。
【0008】これに対して、圧粉磁芯は、周波数特性が
良好であるが、初透磁率が低いという欠点がある。しか
し、一方で初透磁率を下げることにより、直流重畳特
性、具体的には直流印加磁界が4,000A/m近辺で
の透磁率が良好であること、コアロスも比較的低いこと
が知られている。
【0009】しかし、リアクトルに要求される直流重畳
特性は、12,000A/m近辺の高磁界であり、さら
にコアロス特性も重要なので、従来の圧粉磁芯の特性で
は、SW電源への搭載が困難であった。一般的に、直流
重畳特性を改善する方法として、磁心の飽和磁化を高く
すること、磁路の一部に空隙を設けることなどが考えら
れていた。
【0010】そこで、我々は、種々検討を重ねた結果、
例えば、特開平2−290002に飽和磁化の高いSi
Fe合金粉末を使用した圧粉磁心の初透磁率と周波数特
性、直流重畳特性、コアロスの改良につい述べている。
しかし、今後、省エネルギー、CO抑制は必須の課題
であり、大容量SW電源において、さらに高周波数化、
低ロス化は不可避と考えられ、それに適合可能なリアク
トルが強く求められている。
【0011】従って、本発明の目的は、上記問題点に鑑
み、電源回路の効率を向上させるため、ロス特性、周波
数特性に優れ、しかも定格電流における透磁率が高い高
周波リアクトル用の圧粉磁芯用粉末、圧粉磁芯およびそ
の製造方法、およびそれを用いた高周波リアクトルを提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の圧粉磁芯は、前
記課題を達成するべくリアクトルついて検討を重ねた結
果、組成が3.0〜6.0wt%Si、0.1〜1.0wt
%O、0〜1.0wt%(但し、0を含まず)のP、残
部Feから成り、かつ粒径が実質的に150μm以下の
合金粉末と、バインダーとを混合することにより優れた
特性の高周波リアクトル用合金粉末並びにこの合金粉末
を適当な金型で圧縮成形することにより、交流透磁率:
μ(20kHz)が直流印加磁界12,000(A/
m)において25以上で、かつ鉄損特性が20kHz、
0.1Tの測定条件で1,000(kW/m)以下の磁
芯が得られ、これに巻線を巻き回すことにより回路効率
に優れた高周波リアクトルを提供するものである。
【0013】直流重畳特性を向上させるためには、可能
な限り高い飽和磁化の磁性体を使用し、しかも磁界の変
化に対する透磁率の変化が極力小さくなるように、即ち
磁化曲線が平坦な特性を示す必要がある。磁性体の種類
は、低SiFe系、パーマロイPB系、純鉄等が考えら
れるが、特性、コストの面から、ほぼ低SiFe系に限
定される。
【0014】次に、磁化曲線の平坦化には、磁路の一部
を空隙又は非磁性体で置換する方法もあるが、圧粉磁芯
は、元来、初透磁率が低いため、それだけで必要な特性
を得るのは困難である。
【0015】現在まで本発明者らは、優れた軟磁気特性
を示す6.5%SiFeよりも、低Siかつ0.1〜1.
0wt%酸素とを含有する合金の磁化曲線の方が高磁界
まで平坦であり、直流重畳特性に優れることを発見して
いる。これは、適度な磁気異方性を有する方が直流重畳
特性の向上に有効なことを示しており、酸素量について
も、これら適度の磁気異方性に何らかの効果があるもの
と推測される。一方、C(炭素)は、保磁力を増加さ
せ、コアロスの原因となるので、300ppm以下が望
ましい。
【0016】さらに、本発明者らは、0〜1.0wt%
(但し、0を含まず)の燐(P)を上記合金に添加する
ことにより、ロス特性が向上することを発見した。これ
は、燐(P)を添加することで、材料のK1(異方性定
数)が低下することか、結晶粒が粗大化することに起因
していると推察される。この方法によれば、リアクトル
製造のための特殊な装置を必要としないので、容易かつ
安価にリアクトルを提供することが可能となる。
【0017】ここで、圧粉磁芯用粉末の出発原料は、溶
解法によって作製したインゴットを機械的に粉砕したも
のでも良いし、アトマイズ法によって作製した粉末のど
ちらを使用しても問題無い。
【0018】次に、粉末の酸素量が0.1wt%以下の
時は、適当な酸素雰囲気と温度で熱処理し粉末表面に酸
化処理を施す。ここで、水アトマイズ粉末は既に適当な
酸素量を含有しているので、酸化処理を省略しても良
い。これら粉末に、バインダーとして熱硬化性樹脂を混
合し、次に、例えばトロイダル形状の金型を使用して圧
縮成形する。次に、その成形体に対し、適当な温度で歪
とり熱処理を行う。次に、定格電流に応じた線径のマグ
ネットワイヤーを使用し、所望のインダクタンス値にな
るようにターン数を決める。
【0019】ここで、合金の組成を規定した理由を述べ
ると、Si量が3.0wt%以下では、合金の磁気異方
性が高く、しかも比抵抗が低いためにコアロスが高くな
るためであり、6.0wt%以上では、合金の飽和磁化
が低く、また硬度が高いので成形体密度が低くなり、直
流重畳特性が劣化するためである。
【0020】次に、酸素が0.1wt%以下では初透磁
率が高すぎて直流重畳特性が向上せず、1.0wt%以
上では粉末中の磁性体の割合が減少するため、飽和磁化
が著しく低下し、直流重畳特性が劣化するためである。
次に、P量が1.0wt%以上では飽和磁化の低下が著し
く直流重畳特性が劣化するためである。
【0021】以上優れた磁芯の条件は、交流透磁率:μ
(20kHz)が直流印加磁界12,000(A/m)に
おいて25以上で、かつ鉄損特性が20kHz、0.1
Tの測定条件で1,000(kW/m3)以下であること
である。
【0022】即ち、本発明は、組成が3.0wt%以上
から6.0wt%以下の範囲のシリコン(Si)、0.1
wt%以上から1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、
0wt%以上から1.0wt%以下の範囲の燐(P)
(但し、0wt%を含まず)、残部鉄(Fe)から成
り、かつ粒径が実質的に150μm以下の範囲の合金粉
末とする圧粉磁芯用粉末である。
【0023】また、本発明は、組成が3.0wt%以上
から6.0wt%以下の範囲のシリコン(Si)、0.1
wt%以上から1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、0
wt%以上から1.0wt%以下の範囲の燐(P)(但
し、0wt%を含まず)、残部鉄(Fe)から成り、か
つ粒径が実質的に150μm以下の範囲の合金粉末と、
バインダーとを金型を使用して圧縮成形して形成された
高周波リアクトル用の圧粉磁芯である。
【0024】また、本発明は、前記圧粉磁芯において、
20kHzの測定条件での交流透磁率μが直流印加磁界
12,000(A/m)において25以上の範囲であっ
て、かつ鉄損特性が20kHz、0.1Tの測定条件で
1,000(kW/m3)以下の範囲である圧粉磁芯であ
る。
【0025】前記圧粉磁芯において、バインダーがSi
系樹脂で、かつ磁心の成形圧力が10(t/cm2)以
上から20(t/cm2)以下の範囲で、かつ成形体の
熱処理温度が750℃以上から1,000℃以下の範囲
とする圧粉磁芯である。
【0026】また、本発明は、前記圧粉磁芯と、巻線と
で構成される高周波リアクトルである。
【0027】また、本発明は、組成を3.0wt%以上
から6.0wt%以下の範囲のシリコン(Si)、0.1
wt%以上から1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、
0wt%以上から1.0wt%以下の範囲の燐(P)
(但し、0wt%を含まず)、残部鉄(Fe)として、
かつ粒径を実質的に150μm以下の範囲とした合金粉
末と、バインダーとを金型を使用して圧縮成形して成形
体を形成し、前記のバインダーをSi系樹脂とし、かつ
圧粉磁心の成形圧力を10(t/cm2)以上から20
(t/cm2)以下の範囲とし、かつ成形体の熱処理温
度を750℃以上から1,000℃以下の範囲として形
成する圧粉磁芯の製造方法である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例による圧粉磁芯用粉
末、圧粉磁芯およびその製造方法、およびそれを用いた
高周波リアクトルについて、以下に説明する。
【0029】(実施例1)本発明の実施例1による圧粉
磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方法について説明
する。
【0030】水アトマイズ法で作製した4.5wt%S
i−0.5wt%O−0,0.01,0.05,0.1,
0.2,0.5,0.8,1.0,1.5,2.0wt%P−
balFe合金粉末を150μm以下に分級し、次に、
バインダーとしてSi系樹脂を重量比で1.5wt%混
合した。次に、成型用金型を使用し、外形27mm、内
径14mm、高さ18mmのトロイダル形状に金型成形
した。
【0031】この時、成形圧力は、10(t/cm2
以上から20(t/cm2)以下の範囲とするものであ
る。その根拠は、成形圧力が10(t/cm2)未満で
は、成形体の密度が低くなり、圧粉磁心としての特性が
出ず、また成形圧力が20(t/cm2)を超えると、
金型が壊れ、成形が不可能となるからである。
【0032】次に、この成形体を不活性雰囲気中で85
0℃×1時間、保持後、室温まで徐冷した。ここで、成
形体の熱処理温度の範囲は、750℃以上から1000
℃以下の範囲が選択される。その根拠は、熱処理温度が
750℃未満であると、成形体の成形歪が開放されず、
圧粉磁心としての特性が出ず、また熱処理温度が100
0℃を超えると、成形体が焼結してしまい、圧粉磁心と
しての特性が出ないからである。
【0033】次に、この各磁芯に対して巻線をし、HP
製4284Aプレシジョンメーターで直流重畳特性を測
定した。結果を図1に示す。また、HP製4194Aイ
ンピーダンスアナライザーでμの周波数特性を測定し
た。
【0034】結果を図2に示す。また、岩崎通信機のS
Y−8232交流BHトレーサーで20kHz、0.1
Tにおけるコアロス特性を測定した。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から、燐(P)添加量0〜1.
0wt%で良好な結果が得られることがわかった。ま
た、本実施例で作製した磁芯(P添加磁芯)は、比較例
(P無添加)に対し、直流重畳特性、μの周波数特性は
同等でロス特性が良好であることが分かる。
【0037】(実施例2)本発明の実施例2による圧粉
磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方法について説明
する。
【0038】Si量が0.5,1.5,2.5,3.5,
4.5,5.5,6.5,7.5,8.5,9.5wt%で、
酸素量が0.5±0.1wt%、かつ全ての組成について
P量が0.1wt%、残部Feよりなる合計10個の組
成について、水アトマイズ法で合金粉末を作製し、実施
例1と全く同様の方法で150μmに分級後、バインダ
ーを添加し、金型成形にてトロイダル形状に磁芯を成形
した。次に、歪とりの熱処理を行い、26A直流重畳時
(12,000A/m)のインダクタンスを周波数20
kHzにおいて測定した。
【0039】そのインダクタンス値より、26A直流重
畳時の透磁率を計算した結果を図3に示す。Si量が
6.5wt%以下の時、μ25以上の透磁率を示すこと
が分かる。次に、20kHz、0.1Tの条件でコアロ
スを測定したところ、2.5%Si組成以上の磁芯のコ
アロスは1,000(kW/m)以下であることを確
認した。
【0040】(実施例3)本発明の実施例3による圧粉
磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方法について説明
する。
【0041】Si量が4.5wt%でP量が0.1wt
%、残部Fe合金組成のガスアトマイズ粉末を作製し、
150μmに分級後、温度を一定にし雰囲気を適当に調
節することにより、O(酸素)量が0.05,0.1,
0.25,0.5,0.75,1.0,1.25wt%の各
合金粉末を作製した。次に、この合金に実施例1,2と
全く同じ方法でバインダー混合後、実施例1と全く同じ
方法、形状のトロイダル磁芯を作製し、次に、歪とり熱
処理後、これら磁芯に実施例1と全く同様の方法で巻線
をし、20kHz、0.1Tの条件でコアロスを測定し
た。その結果を図4に示す。図4より、O量が0.1w
t%より低くなると急激にコアロスが劣化することが分
かる。
【0042】次に、実施例2と全く同様の方法で巻線を
し、26A直流重畳時(12,000A/m)の20k
Hzのインダクタンス値から透磁率を求めたところ、酸
素量が1.25wt%の磁芯のμは13、酸素量が0.0
5wt%の磁芯のμは23であり、それ以外の磁芯のμ
は25以上であった。
【0043】(実施例4)本発明の実施例4による圧粉
磁芯用粉末、圧粉磁芯およびその製造方法について説明
する。
【0044】水アトマイズ法で作製した4.5wt%S
i−0.5wt%O−0.1wt%P−balFe合金粉
末を使用して、外径50mm、内径25mm、高さ20
mmのトロイダルコアを金型を使用して作製した。次
に、このトロイダルコアを歪とり熱処理し、次に、φ
1.8mmのマグネットワイアーを60ターン巻線し、
リアクトルを作製した。このリアクトルの40A直流重
畳時のインダクタンスを測定したところ、550μHで
あった。
【0045】次に、出力2000W級のごく一般的なイ
ンバーター制御用のアクティブフィルターが搭載された
SW電源に、このリアクトルを接続し回路効率を測定し
た。ここで、出力側には負荷抵抗を接続した。また、回
路効率は、出力電力を入力電力で割った値を使用した。
その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】比較例として、P無添加(4.5wt%S
i−0.5wt%O−balFe)を上記実施例と同様
に作製したリアクトルと、幅20mmのFe系アモルフ
ァス薄帯を使用し、上記実施例と全く同じ寸法のトロイ
ダルコアを作製し、次に、実施例と全く同じインダクタ
ンスになるようにギャップを挿入した後、60ターン巻
線しリアクトルを作製した。
【0048】これらリアクトルのインダクタンスを測定
したところ、550μH、545μHであった。次に、
上記実施例と全く同じ方法でSW電源に接続し、その回
路効率を測定した。その結果も表2に示す。
【0049】表2より、本発明によるリアクトルは、比
較例に比較し、回路効率が高い事が分かった。これはP
添加により、ロスが減少したためであると考えられる。
また、アモルファスコアはギャップを入れる必要があ
り、そのため唸りが発生し、更にギャップ付近で漏洩磁
束が生ずる等、効率に悪影響を及ぼしているためと思わ
れる。
【0050】(実施例5)図5に、先の実施例1、実施
例2、実施例3、実施例4で説明した圧粉磁芯と、巻線
とで構成された高周波リアクトルの外観図を説明する。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように、Si量が3.0
wt%〜6.0wt%でO量が0.1〜1.0wt%、P
を0〜1.0wt%(但し、0を含まず)、粉末の粒径
が実質的に150μm以下の範囲の粉末で、ロス特性に
優れたリアクトル用の圧粉磁心用粉末が得られ、この粉
末とバインダーとを金型を使用して圧縮成形することに
より、交流透磁率:μ(20kHz)が直流印加磁界1
2,000(A/m)において25以上で、かつ鉄損特
性が20kHz、0.1Tの測定条件で1,000(kW
/m)以下の特にロス特性の優れた圧粉磁芯およびそ
の製造方法、およびそれを用いた高周波リアクトルが提
供できTるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるP量による磁界と透
磁率μとの関係(直流重畳特性)を示す図。
【図2】本発明の実施例1におけるP量による周波数と
透磁率μとの関係を示す図。
【図3】本発明の実施例2におけるSi量と透磁率μと
の関係を示す図。
【図4】本発明の実施例3におけるO量とPcvとの関
係を示す図。
【図5】本発明の実施例による高周波リアクトルの外観
図。
【符号の説明】
1 圧粉磁芯 2 巻線 3 高周波リアクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/22 H01F 1/22 37/00 37/00 A Fターム(参考) 4K018 AA26 BB04 CA02 CA09 FA08 5E041 AA02 AA19 BB05 CA03 HB17 NN01 NN06 NN14 NN15 NN17 NN18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が3.0wt%以上から6.0wt%
    以下の範囲のシリコン(Si)、0.1wt%以上から
    1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、0wt%以上か
    ら1.0wt%以下の範囲の燐(P)(但し、0wt%
    を含まず)、残部鉄(Fe)から成り、かつ粒径が実質
    的に150μm以下の範囲の合金粉末とすることを特徴
    する圧粉磁芯用粉末。
  2. 【請求項2】 組成が3.0wt%以上から6.0wt%
    以下の範囲のシリコン(Si)、0.1wt%以上から
    1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、0wt%以上か
    ら1.0wt%以下の範囲の燐(P)(但し、0wt%
    を含まず)、残部鉄(Fe)から成り、かつ粒径が実質
    的に150μm以下の範囲の合金粉末と、バインダーと
    を金型を使用して圧縮成形して形成されたことを特徴と
    する圧粉磁芯。
  3. 【請求項3】 前記圧粉磁芯において、20kHzの測
    定条件での交流透磁率μが直流印加磁界12,000
    (A/m)において25以上の範囲であって、かつ鉄損
    特性が20kHz、0.1Tの測定条件で1,000(k
    W/m3)以下の範囲であることを特徴とする請求項2記
    載の圧粉磁芯。
  4. 【請求項4】 前記圧粉磁芯において、バインダーがS
    i系樹脂で、かつ磁心の成形圧力が10(t/cm2
    以上から20(t/cm2)以下の範囲で、かつ成形体
    の熱処理温度が750℃以上から1,000℃以下の範
    囲であることを特徴とする請求項2または3に記載の圧
    粉磁芯。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載した
    圧粉磁芯と、巻線とで構成されることを特徴とする高周
    波リアクトル。
  6. 【請求項6】 組成を3.0wt%以上から6.0wt%
    以下の範囲のシリコン(Si)、0.1wt%以上から
    1.0wt%以下の範囲の酸素(O)、0wt%以上か
    ら1.0wt%以下の範囲の燐(P)(但し、0wt%
    を含まず)、残部鉄(Fe)として、かつ粒径を実質的
    に150μm以下の範囲とした合金粉末と、バインダー
    とを金型を使用して圧縮成形して成形体を形成し、前記
    バインダーをSi系樹脂とし、かつ圧粉磁心の成形圧力
    を10(t/cm2)以上から20(t/cm2)以下の
    範囲とし、かつ成形体の熱処理温度を750℃以上から
    1,000℃以下の範囲として形成することを特徴とす
    る圧粉磁芯の製造方法。
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