JP2002163926A - 導電素子およびその製造方法 - Google Patents

導電素子およびその製造方法

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JP2002163926A JP2000360214A JP2000360214A JP2002163926A JP 2002163926 A JP2002163926 A JP 2002163926A JP 2000360214 A JP2000360214 A JP 2000360214A JP 2000360214 A JP2000360214 A JP 2000360214A JP 2002163926 A JP2002163926 A JP 2002163926A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高キャリア移動度、電極からのキャリア注入
特性を向上し、高導電率が達成される液晶化合物をキャ
リア輸送層として用いた導電素子を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される液晶化合物
をキャリア輸送層として用いた導電素子を提供する。 【化1】 (A及びBはそれぞれキノリン−2,6−ジイル、X及
びX’は単結合、酸素原子、硫黄原子、−OOC−また
は−COO−、R、R’の一方は水素原子、F、Cl、
Br、CF3 または炭素数1〜20の直鎖状あるいは分
岐状のアルキル基を示し、他方は炭素数3〜20の直鎖
状あるいは分岐状のアルキル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶化合物をキャリ
ア輸送層として用いた導電素子およびその製造方法に関
し、特にその液晶化合物が2つの6員環が縮合されたπ
共役縮合環を少なくとも2つ有し、その中に窒素原子を
少なくとも1つ含む液晶化合物をキャリア輸送層として
用いた導電素子およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】棒状液晶の応用研究は、表示素子を中心
に精力的に行われてきた。最近、液晶が有する自己組織
性や配列構造を利用して、液晶を電子あるいはホールの
キャリア輸送層に用いるなど、液晶に導電性を持たせる
研究が行われている。スメクティック液晶のキャリア輸
送層への応用としては、半那らの報告がある(特開平1
0−312711号公報や特開平9−316442号公
報、応用物理、第68巻、第1号(1999))。それ
によれば、スメクティック液晶のキャリア移動度は、高
いもので10-2cm2 /Vs程度まで達し、これは分子
結晶を除く有機化合物で最も大きな値であり、またアモ
ルファスシリコンに匹敵するものである。
【0003】また、一般に言われるように、ポリドメイ
ンからなる結晶の場合には、ドメインバウンダリーが深
いトラップ順位となり、キャリア輸送を阻害するが、液
晶の場合にはこのドメインバウンダリーがトラップにな
らず、キャリア輸送を妨げないことが確認されるなど液
晶性化合物特有の性質を持っている。ここに用いられて
いる液晶化合物の代表例としては、
【0004】
【化3】
【0005】
【化4】
【0006】等があげられる。これらは、ともに10-3
cm2 /Vs程度のキャリア移動度を示している。
【0007】一方、1987年にT.W.Tangらに
より蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子の薄膜を
積層した構造を利用して、低電圧DC駆動で高輝度な発
光が得られることが実証されて以来、高速応答性や高効
率の発光素子として有機エレクトロルミネセンス素子
(以下有機EL素子と記す)の応用研究が精力的に行わ
れている。有機EL素子は、発光層に到達した電子と正
孔が再結合する際に生じる発光を利用した、キャリア注
入型の自発光デバイスである。
【0008】図4は一般的な有機EL素子の構成であ
る。陰極には金属電極21、発光した光を取り出すため
に陽極には透明電極24を用いる。両電極間に有機化合
物層が挟持されている。各有機層は数百Å程度の膜厚が
一般的である。一般に陰極の金属材料としては、アルミ
ニウムやアルミニウム・リチウムの合金、マグネシウム
・銀の合金などの仕事関数の小さな金属が用いられる。
また、陽極にはインジウム錫酸化物(ITO)等の仕事
関数の大きな導電性材料が用いられる。有機化合物層は
発光層22と正孔輸送層23からなる2層構造、あるい
は、図5のような電子輸送層32、発光層33、正孔輸
送層34の3層からなる構造が一般的である。
【0009】ここで、正孔輸送層は陽極からの正孔を効
率よく発光層に注入させるため、また、電子輸送層は陰
極からの電子を効率よく発光層に注入させる機能を有し
ている。また、同時に正孔輸送層は電子を、電子輸送層
は正孔を発光層に閉じこめる(キャリアブロック)機能
を有し、発光効率を高める効果がある。これら、キャリ
ア輸送層に関して、重要な特性と考えられるのが電荷輸
送能、特にキャリア移動度である。一般的にアモルファ
ス状態の有機化合物のキャリア移動度は10-5cm2
Vsec程度であり、輸送特性は十分なものとは言えな
い。キャリア輸送層の移動度を上げることが出来れば、
より多くのキャリアを発光層に注入させることが出来、
発光効率が高まると考えられており、同時に高移動度が
達成されれば、一般的に数百Å程度の膜厚であるキャリ
ア輸送層の膜厚を厚く(1μm程度)することが出来る
ため、上下ショートなどを防止し、生産性も向上するこ
とが期待出来る。現在、有機ELの高効率化を達成する
ためのキャリア輸送層の化合物材料開発が活発に行われ
ている。このような状況で、キャリア輸送層を形成する
有機化合物に液晶性を付与することで高移動度を達成し
ようとする動きがある。
【0010】ところで、電圧印加に対して高速に応答す
る、即ち良好なスイッチング特性を発現する液晶化合物
が特開平7−309838号公報に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術に鑑みてなされたものであり、その目的はホール
・電子などのキャリア輸送に適した液晶化合物を導電素
子のキャリア輸送層として用いることにあり、詳しく
は、高キャリア移動度あるいは電極からのキャリア注入
特性を向上し、高導電率が達成される液晶化合物をキャ
リア輸送層として用いた導電素子およびその製造方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
対の電極と、前記一対の電極間に設けられるキャリア輸
送層とを有する導電素子において、前記キャリア輸送層
として下記一般式(1)で表される液晶化合物を用いて
なることを特徴とする導電素子である。
【0013】
【化5】
【0014】(式中、A,Bはそれぞれ単独に無置換あ
るいはF,Cl,Br,CH3およびCF3から選ばれた
置換基の1個または2個を有するナフタレン−2,6−
ジイルである。ただし、A,Bの少なくとも一方のナフ
タレン環の1〜4個のCHがNで置換している。
【0015】X及びX’は、単結合、酸素原子、硫黄原
子、−OOC−または−COO−を示す。
【0016】R、R’の一方は水素原子、F、Cl、B
r、CF3または炭素数1〜20の直鎖状あるいは分岐
状のアルキル基を示し、他方は炭素数3〜20の直鎖状
あるいは分岐状のアルキル基を示す。ただし、該アルキ
ル基中の1個のメチレン基はヘテロ原子が隣接しない条
件で酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡
C−に置き換わってもよい。)
【0017】前記一対の基板の間には、エレクトロルミ
ネッセンス層が設けられているのが好ましい。前記エレ
クトロルミネッセンス層は有機エレクトロルミネッセン
ス層または無機エレクトロルミネッセンス層であるのが
好ましい。前記キャリア輪送層は、層内で電子が移動す
ることで電流が流れる電子性キャリア輸送層または層内
で正孔が移動することで電流が流れる正孔性キャリア輪
送層であるのが好ましい。
【0018】前記キャリア輸送層は、前記一対の電極の
少なくとも何れかの電極と前記エレクトロルミネッセン
ス層との間に配置されているか、あるいは前記一対の電
極のそれぞれの電極と前記エレクトロルミネッセンス層
との間に配置されているのが好ましい。前記キャリア輸
送層と前記エレクトロルミネッセンス層とは境目が実質
的に無い同一層であるのが好ましい。前記導電素子は表
示装置の表示素子であるのが好ましい。
【0019】また、本発明は、一対の電極と、前記一対
の電極間に設けられるキャリア輸送層とを有し、前記キ
ャリア輸送層として上記一般式(1)で表される液晶化
合物を用いてなる導電素子の製造方法であつて、前記一
対の電極の少なくとも何れかの電極に接して前記液晶化
合物の層を形成する工程か、あるいは前記液晶化合物の
層を形成する工程の後に該液晶化合物の層に接して前記
少なくとも何れか一方の電極を形成する工程の少なくと
も何れかの工程を有することを特徴とする導電素子の製
造方法である。
【0020】前記液晶化合物の層を形成する工程は、前
記液晶化合物を蒸着によって層に形成する工程であるの
が好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】電極間に液晶化合物を配置し、電
界を印加することで高導電率を得るには、いくつかの要
件が必要である。それは、 1.電極からの電子またはホール注入性がよいこと 2.高移動度を有すること である。
【0022】これまで、比較的良いホール注入・輸送材
料は有機ルミネッセンスの開発過程で見出されている
が、十分な特性を有する電子注入・輸送材料は、いまだ
見出されてない。本発明では特に電子注入あるいは輸送
又はその両方に適した液晶性化合物を見出すことができ
た。
【0023】すなわち、本発明に係るキャリア輸送層
は、下記一般式(1)で表される液晶化合物を用いるこ
とを特徴とする。
【0024】
【化6】
【0025】一般式(1)において、A,Bはそれぞれ
単独に無置換あるいはF,Cl,Br,CH3およびC
3から選ばれた置換基の1個または2個を有するナフ
タレン−2,6−ジイルである。ただし、A,Bの少な
くとも一方のナフタレン環の1〜4個のCHがNで置換
している。
【0026】X及びX’は、単結合、酸素原子、硫黄原
子、−OOC−または−COO−を示す。なお、単結合
とは、X及びX’が無くて、RとAがあるいはBとR’
がR−AあるいはB−R’の直接結合をしていることを
意味する。
【0027】R、R’の一方は水素原子、F、Cl、B
r、CF3または炭素数1〜20の直鎖状あるいは分岐
状のアルキル基を示し、他方は炭素数3〜20の直鎖状
あるいは分岐状のアルキル基を示す。ただし、該アルキ
ル基中の1個のメチレン基はヘテロ原子が隣接しない条
件で酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡
C−に置き換わってもよい。
【0028】また、前記一般式(1)において、Aおよ
びBがそれぞれ単独に無置換あるいはF,Cl,Br,
CH3およびCF3から選ばれた置換基の1個または2個
を有するキノリン−2,6−ジイル、イソキノリン−
3,7−ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、
[1,5]ナフチリジン−2,6−ジイル、[1,6]
ナフチリジン−3,7−ジイル、[1,7]ナフチリジ
ン−2,6−ジイル、[1,8]ナフチリジン−2,6
−ジイル、キナゾリン−2,6−ジイル、シンノリン−
3,7−ジイル、ピリド[2,3−b]ピラジン−2,
6−ジイル、ピリド[2,3−b]ピラジン−3,7−
ジイル、ピラジノ[2,3−b]ピラジン−2,6−ジ
イル、プテリジン−2,6−ジイルまたはナフタレン−
2,6−ジイルであり、ただしA,Bが共にナフタレン
−2,6−ジイルであることはないことが好ましい。
【0029】前記一般式(1)において、R=R’、X
=X’、A=Bであることが好ましい。
【0030】前記一般式(1)において、AまたはBが
キノリン−2,6−ジイルであることが好ましい。前記
一般式(1)において、A及びBがキノリン−2,6−
ジイルであることが好ましい。
【0031】以下に本発明に係る液晶化合物の分子設計
指針をまとめて示す。 (1)LUMO準位の低下 電子輸送は、液晶分子のLUMO(最低非占分子軌道)
上をホッピング伝導するため、LUMOへの電極からの
注入が問題となる。一般に電極の化学的安定性を考える
と、仕事関数を小さくすることが出来ないので、如何に
液晶化合物のLUMO準位を低下させるかが大きなポイ
ントである。LUMO準位を予測するために、分子軌道
法を用い本発明の液晶化合物の一部に用いられる環構造
のHOMO(最高占有分子軌道)/LUMO(最低非占
分子軌道)準位を計算した。(分子軌道計算には、半経
験的分子軌道計算法の1つであるAM1法を用いた)
【0032】
【化7】
【0033】以上のように、LUMOの値がナフタレン
に比して、ナフタレン骨格の炭素を1〜4置換したもの
は、LUMO準位を低下させる。したがってこれらのヘ
テロ縮合環を液晶化合物の骨格に用いることで、LUM
Oが低下し電極からの電子注入性が向上する。
【0034】(2)分子構造の対称性 液晶の導電性を司るのは、前に述べたとおりホッピング
伝導であり、それは、隣接分子間のπ電子雲の重なり積
分の大きさに依存している。このπ電子雲の重なりを大
きくすることが伝導性を持たせる大きなポイントであ
る。ところで、電子伝導には、液晶分子の配列状態秩序
の高いスメクティック相が用いられる。スメクティック
相は層構造を持ち、その層内に層の法線方向あるいは少
し傾いた方向に液晶分子長軸が配列している。
【0035】一般に液晶分子は、分子対称性がないため
Head−tail(分子構造の頭−尾)が存在する
が、スメクティック層内では、Head−tailがラ
ンダムに配列している。そのため、電子伝導のためのπ
電子骨格が常に接近して配列しているとは限らない。そ
こでこれを改善するために、分子に対称性を付与して、
スメクティック層内で近接した位置にπ電子骨格を配置
させることができる。これにより、π電子重なり積分が
大きくなり、移動度が向上し、伝導率が改善される。ま
た、完全な対称性が無いとしても、例えば側差の長さが
おおよそ等しく、類似の骨格構造を有している液晶分子
でも、この効果は失われないと考えられる。
【0036】(3)回転異性体(コンホマー) より好ましくは、以下に述べるように、安定なコンホマ
ーが少ないことが重要である。
【0037】以下の実施例に示す液晶化合物の骨格構造
を有すビキノリンの場合を例にとって、ビナフタレンと
対比しながら分子内部回転異性体を考える。以下の単結
合の2面角をφ1、φ2とする(以下に示した形の時φ
=0°)。上記と同様、半経験的分子軌道計算AM1法
で、エネルギー計算をして、コンホマー安定性を見積も
った。
【0038】ビキノリンの場合、φ=0〜180°で4
0°にエネルギーのシングルミニマムをもつが、ビナフ
タレンの場合40°と140°にダブルミニマムを持
つ。したがってビナフタレンの場合には、2つのコンホ
マーの存在確率が高く、その分子形状は大きく異なる。
一方、ビキノリンの場合には、単一のコンホマーの存在
確率が高いために、ビキノリン骨格の方が均一な分子間
相互作用することができ、π電子重なりが大きくホッピ
ング確率が向上し、導電率が改善できると考えられる。
【0039】
【化8】
【0040】以上の3つの項目が、大きな設計指針では
あるが、必ずしもすべてを満たしている必要は無い。
【0041】本発明者らは、以上の設計指針に基づいた
液晶化合物を、有機エレクトロルミネッセンス素子のキ
ャリア輸送層に用いることで高効率の発光素子が実現で
きることを見出した。また、この液晶化合物を無機エレ
クトロルミネッセンス素子のキャリア輸送層に用いるこ
とも可能である。
【0042】このような高効率な発光素子は、省エネル
ギーや高輝度が必要な製品に応用が可能である。応用例
としては表示装置・照明装置やプリンターの光源、液晶
表示装置のバックライトなどが考えられる。表示装置と
しては、省エネルギーや高視認性・軽量なフラットパネ
ルディスプレイが可能となる。また、プリンターの光源
としては、現在広く用いられているレーザビームプリン
タのレーザー光源部を、本発明の発光素子に置き換える
ことができる。独立にアドレスできる素子をアレイ上に
配置し、感光ドラムに所望の露光を行うことで、画像形
成する。本発明の素子を用いることで、装置体積を大幅
に減少することができる。照明装置やバックライトに関
しては、本発明による省エネルギー効果が期待できる。
【0043】また、金属との高接合効率や高移動度が実
現できることで、発光素子にとどまらず電極間に介在す
る物質に電極から供給される電流(電圧)を効率良く供
給したい場合、種々の半導体デバイスに応用することが
可能である。
【0044】以下本発明に係る液晶化合物の具体的な構
造式を表5〜表15に示す。但し、これらは、代表例を
例示しただけで、本発明は、これに限定されるものでは
ない。表5〜表15に使用しているa1 〜a33は表1〜
表4に示した環構造を表わしている。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】
【0057】
【表13】
【0058】
【表14】
【0059】
【表15】
【0060】また、本発明の導電素子は、上記の液晶化
合物をキャリア輸送層として用いたことを特徴とする。
導電素子の構成としては、例えば本発明に係る液晶化合
物を導電膜層として用いることにより、つまり電子が移
動する電子移動性のキャリア輸送層あるいは正孔(ホー
ル)が移動する正孔移動性のキャリア輸送層として用い
ることにより、素子の電流特性向上の作用をし、良好な
素子特性を得ることができる。
【0061】また、本発明の導電素子が、無機EL素子
あるいは有機EL素子である場合、上記の液晶化合物を
用いたことを特徴とする。有機EL素子の構成として
は、例えば本発明に係る液晶化合物をキャリア輸送層に
用いることにより、電極からの電子注入特性や輸送性の
向上の作用をし、良好な発光特性を得ることができる。
この液晶化合物を用いたキャリア輸送層は、電極とエレ
クトロルミネッセンス層との間に配置されるものであ
り、この場合、電極とは正極および負極の少なくともい
ずれか一方である。これらの一連の液晶化合物のうち、
電子輸送性あるいは正孔輸送性の良しあしを考慮し、正
極側または負極側のいずれかに配置すればよいか適宜選
べばよいし、電子輸送性および正孔輸送性も良好な液晶
化合物の場合は、正極側および負極側の両方に配置して
もよい。
【0062】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0063】合成例1 上記表中の例示化合物(20)の6,6’−ビス(ヘプ
チル)−2,2’−ビキノリンの合成経路及び合成法を
以下に示す。
【0064】
【化9】
【0065】1,1,3,3−テトラエトキシプロパン
(i)150.0g(680.9mmole)、3%p
−トルエンスルホン酸水溶液13.6gを300mlナ
スフラスコに入れ、47〜55℃で2時間加熱攪拌し
た。水16.4gを加えて、さらに3.5時間加熱攪拌
した。反応物を冷却し、減圧蒸留してb.p.47〜8
5℃/4100Pa(31Torr)の粗エトキシアク
ロレイン(ii)の淡黄色液体54.8g(粗収率8
0.4%)を得た。このものはこれ以上精製しないで、
次の反応に用いた。
【0066】
【化10】
【0067】エトキシアクロレイン(ii)31.4g
(314mmole),メタノ−ル300mlを1リッ
トルナスフラスコに入れて、氷冷攪拌下p−ヘプチルア
ニリン(iii)23.4g(122mmole)を滴
下した。反応物を冷蔵庫内に一晩放置し、メタノ−ルを
減圧留去し、得られた赤褐色粘性液体をシリカゲルカラ
ムクロマト(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
で精製してβ−(p−ヘプチルアニリノ)アクロレイン
(iv)の赤褐色結晶17.3g(収率57.8%)を
得た。
【0068】
【化11】
【0069】β−(p−ヘプチルアニリノ)アクロレイ
ン(iv)17.2g(70.1mmole),濃硫酸
103.2gを300mlナスフラスコに入れ、77〜
82℃で5時間加熱攪拌した。反応物を冷却し、氷水
1.0Kgを加えて攪拌しながら48%NaOH水溶液
でpH11とした。トルエンで抽出し、有機層を水洗・
芒硝乾燥後減圧乾固した。得られた黒色液体をシリカゲ
ルカラムクロマト(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=5
/1)で精製して6−ヘプチルキノリン(v)のオレン
ジ色の液体11.2g(収率70.4%)を得た。
【0070】
【化12】
【0071】ジイソプロピルアミン6.00g(59.
3mmole),テトラヒドロフラン60mlを500
mlナスフラスコに入れ、乾燥窒素気流下−20〜−1
0℃に保って1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶
液34.3mlを15分間かけて滴下した。その後同じ
温度で30分間攪拌した。乾燥窒素気流下−20〜−1
0℃に保って、この反応物に6−ヘプチルキノリン
(v)6.30g(27.7mmole)をテトラヒド
ロフラン31.5mlに溶かしたものを30分間かけて
滴下した。その後同じ温度で30分間攪拌し、6−ヘプ
チルキノリン(v)6.30g(27.7mmol
e),HMPA 5.9g,テトラヒドロフラン63m
lの混合物を乾燥窒素気流下−70〜−69℃に保って
40分間かけて滴下した。滴下終了後同じ温度で1.5
時間攪拌した。その後2時間かけて0℃まで昇温し、0
〜10℃で1時間と10〜21℃で1時間攪拌し、その
後室温で一晩放置した。反応物を氷水に注入し、トルエ
ンで抽出し、有機層を水洗・芒硝乾燥後減圧乾固した。
残渣をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:トルエン)
で精製し、エタノ−ルで再結晶して6,6’−ビス(ヘ
プチル)−2,2’−ビキノリン(例示化合物(2
0))の淡黄色結晶2.9g(収率23.1%)を得
た。
【0072】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst → 82℃ → SmX → 129℃
→ N → 132℃→ Iso SmXは相同定がなされていないものであるが、偏光顕
微鏡観察とDSC(示差走査熱量計)のチャートの相転
移時のエンタルピー変化から、高次のスメクティック液
晶相であるが、詳細は明らかではない。
【0073】実施例1 例示化合物(20)を用いて、図1に示す有機EL素子
(有機エレクトロルミネセンス素子)を作成した。
【0074】1mmの厚さのガラス基板11上に、スパ
ッタリング法によりITOを70nmの厚さで形成し、
紫外線照射による表面洗浄を行い、陽極(ITO)12
を作成した。この陽極12上に、ホール輸送層13とし
て下記の(d)式で示されるαNPDを真空蒸着法によ
り50nmの膜厚で形成した。真空蒸着機内の圧力は約
1.33×10-3Pa(約1×10-5Torr)であ
り、加熱による蒸着速度は0.1nm/secである。
【0075】さらに、同様の条件で発光層14を50n
mの膜厚で形成した。この発光層は複数の発光波長を取
れるようにマスク蒸着により3種の異なる有機層を用い
た。有機層のホスト材料としては下記の(a)式で示さ
れるAlq3を用いて、ドーピング材料として下記の
(b)式で示されるペリレン(Alq3 95wt%に
対し5wt%)を用いて発光波長を短波長側にシフトさ
せた層と、下記の(c)式で示されるDCM(スチリル
系色素)(Alq3 95wt%に対し5wt%)を用
いて発光波長を長波長側にシフトさせた層、そして中心
波長にはドーパントを用いないAlq3層を用いた。そ
の上に、スメクティック液晶化合物(例示化合物(2
0))を20nmの膜厚で電子注入層16として蒸着し
た。
【0076】陰極電極15としては第一層にAlLi
(Al 98.2wt%、Li 1.8wt%)合金膜
を真空蒸着によって厚さ10nmに形成し、その上に第
二層としてAl電極層を150nmの厚さに真空蒸着に
よって形成して用いた。図1にこの発光デバイスの構造
を示す。
【0077】この素子のドーパントの無い部分、即ち前
述したAlq3のみを用いた発光層14の部分の電流電
圧特性を測定した結果を図2に示す。この液晶化合物が
スメクチック相の状態にある温度範囲である85℃で測
定した。電界に対して、整流性をもち、高電流密度が得
られたことを示している。発光輝度は、おおよそ電流密
度に比例するため、高輝度が確認された。
【0078】なお、この電流電圧特性の測定にあたって
作成したEL素子をメトラーネ社製FP90−FP82
で所定の温度に保ち、ヒューレッドパッカード社製の微
小電流計4140Bで測定した。
【0079】また、下記比較例と比較して、電界強度が
低い(有機層厚が厚い)にもかかわらず高電流が得られ
たことで、本実施例の液晶により、電子の注入効率が向
上したと考えられる。
【0080】
【化13】
【0081】比較例1 実施例1においてスメクティック液晶化合物(例示化合
物(20))で構成した電子注入層16を無くした以外
は同じ構成にした。この場合のドーパンの無い部分の電
圧電流特性を図3に示す。図3は図2と同じ温度即ち8
5℃を測定温度とした。電流密度が、実施例1より小さ
い値が得られた。実施例1より電界強度が強いにもかか
わらず比較例1の電流値が小さいことから、電子注入性
が液晶化合物を用いた実施例1より劣る。
【0082】比較例2 特開平10−312711号公報の124ペ−ジに記載
されている6,6’−ビス(ヘプチル)−2,2’−ビ
ナフタレン( LCReg 7508 )を次に示す経
路で合成した。
【0083】
【化14】
【0084】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst → 126℃→ SmE → 136℃
→ SmA → 163℃ → Iso
【0085】実施例1のスメクティック液晶化合物(例
示化合物(20))の代りにこの化合物を用いる以外は
全く同様に有機EL素子を作成し、電流電圧特性を測定
した。この場合のドーパントの無い部分の電圧電流特性
を図6に示す。図6のデータの測定温度は結晶相からS
mE相への転移温度125℃より3℃高い128℃であ
る。電流密度が、実施例1及び比較例1より小さい値が
得られた。電子注入性が本発明の例示化合物(20)の
液晶化合物を用いた実施例1および、液晶化合物の無い
比較例1より劣っている。
【0086】合成例2 上記表中の例示化合物(18)の6,6’−ビス(ペン
チル)−2,2’−ビキノリンの合成経路及び合成法を
以下に示す。
【0087】
【化15】
【0088】6−ヒドロキシキノリン95.8g(66
0mmole),ピリジン950mlを3L(リット
ル)三つ口フラスコ入れて溶かし、氷冷攪拌下トリフル
オロメタンスルホン酸無水物279.3g(990mm
ole)を反応温度を5〜13℃に保って1時間25分
かけて滴下した。その後、20〜23℃で3時間攪拌し
た。反応物を3Lの冷水にゆっくり注入し、トルエン5
00mlで4回抽出し、有機層を3N−塩酸、蒸留水で
順次洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマト(溶離液:トルエン/THF=20/1)
で精製して6−トリフルオロメチルスルホニルオキシキ
ノリンの黄色油状物159.2g(収率87.0%)を
得た。
【0089】
【化16】
【0090】1−ペンテン21.8g(311mmol
e),テトラヒドロフラン170mlを5L三つ口フラ
スコ入れて溶かし、窒素気流中で攪拌下反応温度を−2
5〜−20℃に保って9−BBN(9−ボラビシクロ
[3.3.1]ノナン)の0.5Mテトラヒドロフラン
溶液673.4mlを15分間で滴下し、その後−10
℃で1時間、5℃で3時間順次攪拌した。氷冷攪拌下こ
の反応物にPd(PPh 34 6.75g(5.84m
mole)を添加し、6−トリフルオロメチルスルホニ
ルオキシキノリン79.6g(287mmole)をD
MF1010mlに溶かして滴下し、さらに無水炭酸カ
リウム62.1gを加えて10分間攪拌した。その後昇
温して、50〜54℃で3時間加熱攪拌した。反応物を
放冷し、3Lの冷水にゆっくり注入し、トルエン500
mlで4回抽出し、有機層を水洗した。有機層を約1L
まで濃縮し、塩酸を加えてpH1とし、水層をトルエン
で洗浄した。水層を10%NaOH水溶液でpH11と
し、トルエンで抽出して有機層を燥後減圧乾固した。得
られた黒色液体をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:
ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して6−ペンチ
ルキノリン42.6g(収率74.4%)を得た。
【0091】合成例1と同様に6−ペンチルキノリン3
4.6g(174mmole)を用いて6,6’−ビス
(ペンチル)−2,2’−ビキノリンの淡黄色結晶3.
9g(収率9.2%)を得た。
【0092】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→ 78.5℃ → SmX → 149.
8℃ →Iso SmXは高次のスメクティック液晶相である。
【0093】合成例3 合成例2と同様にして6−トリフルオロメチルスルホニ
ルオキシキノリンから6−デシルキノリンを収率66.
3%で得た。そして合成例1と同様にして6−デシルキ
ノリンから上記表中の例示化合物(23)である6,
6’−ビス(デシル)−2,2’−ビキノリンを収率
6.7%で得た。
【0094】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→ 108.0℃ → SmX → 11
7.8℃ → SmA126.3℃ → Iso SmXは高次のスメクティック液晶相である。
【0095】合成例4 500ml三口フラスコに4−ブチルアニリン38.6
g(259mmole),グリセリン80.5g(87
5mmole),m−ニトロベンゼンスルホン酸25.
0g,硫酸第二鉄7.6g,ホウ酸13.2gを入れ、
氷冷攪拌下濃硫酸47.4mlを20分間かけて滴下し
た。温度が8℃から50℃に上昇した。その後加熱し
て、135から145℃で2時間還 流攪拌した。反応
終了後、反応物を氷水に注入し、20%水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH11としてトルエンで抽出し、有機層を
水洗後に減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
(溶離液:トルエン/テトラヒドロフラン)で精製して
6−ブチルキノリン31.9g(収率66.6%)を得
た。
【0096】1L三口フラスコにジイソプロピルアミン
12.6g(125mmole),テトラヒドロフラン
126mlを入れ、窒素気流下ドライアイス−アセトン
浴で冷却しながら1.6M n−ブチルリチウムヘキサ
ン溶液73.3ml(117mmole)を30分間で
滴下した。(内温−20〜−30℃)その後同じ温度で
1時間攪拌した。さらに6−ブチルキノリン21.6g
(117mmole)をテトラヒドロフラン150ml
に溶かして、−20〜−30℃で50分間かけて滴下し
た。その後同じ温度で1時間攪拌し、昇温して10℃付
近で4時間攪拌し、室温で一晩放置した。反応物を氷水
に注入し、トルエンで抽出して有機層を水洗後に減圧乾
固した。残渣をエタノ−ルで洗浄し、シリカゲルカラム
クロマト(溶離液:トルエン)で精製した。得られた黄
色結晶をアルミナカラムクロマト(溶離液:トルエン)
で精製し、上記表中の例示化合物(17)である6,
6’−ビス(ブチル)−2,2’−ビキノリンを6.2
0g(収率28.9%)得た。
【0097】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→ 108.0℃ → SmX → 11
7.8℃ → SmA126.3℃ → Iso SmXは高次のスメクティック液晶相である。
【0098】合成例5 合成例4と同様にして4−プロピルアニリンから6−プ
ロピルキノリンを収率53.7%で得た。そして合成例
4と同様にして6−プロピルキノリン34.0g(19
9mmole)から上記表中の例示化合物(16)であ
る6,6’−ビス(プロピル)−2,2’−ビキノリン
を7.9g(収率23.4%)得た。
【0099】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→40.2℃ → SmX → 193.9
℃ → Iso SmXは高次のスメクティック液晶相である。
【0100】合成例6 合成例2と同様にして6−トリフルオロメチルスルホニ
ルオキシキノリンから6−ヘキシルキノリンを収率5
5.8%で得た。そして合成例4と同様にして6−ヘキ
シルキノリンから上記表中の例示化合物(19)である
6,6’−ビス(ヘキシル)−2,2’−ビキノリンを
収率18.2%で得た。
【0101】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→ 100.5℃ → SmX → 13
0.3℃ → Iso SmXは高次のスメクティック液晶相である。
【0102】合成例7 合成例2と同様にして4−メチル−1−ペンテンと6−
トリフルオロメチルスルホニルオキシキノリンから6−
(4−メチルペンチル)キノリンを収率56.4%で得
た。そして合成例4と同様にして6−(4−メチルペン
チル)キノリンから上記表中の例示化合物(204)で
ある6,6’−ビス(4−メチルペンチル)−2,2’
−ビキノリンを収率18.9%で得た。
【0103】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→ −35.0℃> → SmX → 16
8.2℃ → Iso SmXは高次のスメクティック液晶相である。
【0104】合成例8 合成例2と同様にしてアリルエチルエ−テルと6−トリ
フルオロメチルスルホニルオキシキノリンから6−(3
−エトキシプロピル)キノリンを収率78.9%で得
た。そして合成例4と同様にして6−(3−エトキシプ
ロピル)キノリンから上記表中の例示化合物(201)
である6,6’−ビス(3−エトキシプロピル)−2,
2’−ビキノリンを収率6.0%で得た。
【0105】この化合物の相転移を以下に示す。 Cryst→ 39.3℃→ SmX1→ 88.0℃
→ SmX2→113.9℃→ SmX3 → 13
3.5℃→ Iso SmX1,SmX2,SmX3はそれぞれ高次のスメク
ティック液晶相である。
【0106】本合成例および本発明に係る液晶化合物
は、光学活性な化合物を有していない。従って、スイッ
チング挙動を示さない。
【0107】実施例2 合成例2〜8に係る液晶化合物をキャリア輸送層とした
導電素子を実施例1と同様に作成した。実施例1と同様
に高キャリア移動度あるいは電極からのキャリア注入特
性を向上し、高導電率が達成された導電素子を得ること
ができた。
【0108】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の導電素子
は、上述の液晶化合物を、ホ−ル・電子などのキャリア
輸送として用いているので、特に高キャリア移動度ある
いは電極からのキャリア注入特性を向上し、高導電率が
達成される効果が得られる。また、本発明は、上記の液
晶化合物を用いて、安定で良好な発光特性を有する液晶
性導電素子および有機EL素子を得ることができる。
【0109】また、本発明の製造方法によれば、上記の
液晶化合物をキャリア輸送として用いた導電素子を容易
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の一実施例を示す概略図
である。
【図2】実施例2で作成した有機EL素子のド−パント
の無い部分の電流電圧特性を示す図である。
【図3】比較例1で作成した有機EL素子のド−パント
の無い部分の電流電圧特性を示す図である。
【図4】一般的な有機EL素子の構成を示す概略図であ
る。
【図5】一般的な有機EL素子の構成を示す概略図であ
る。
【図6】比較例2で作成した有機EL素子のド−パント
の無い部分の電流電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
11 ガラス基板 12 陽極(ITO) 13 ホ−ル輸送層 14 発光層 15 陰極電極 16 電子注入層 21、31 金属電極 22、33 発光層 23、34 正孔輸送層 24、35 透明電極 25、36 透明基板 32 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 217/24 C07D 217/24 237/28 237/28 239/74 239/74 241/42 241/42 241/44 241/44 471/04 113 471/04 113 114 114Z 120 120 475/00 475/00 487/04 147 487/04 147 H05B 33/14 H05B 33/14 B 33/22 33/22 D B (72)発明者 岡田 伸二郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森山 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB06 AB11 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 4C031 BA01 DA04 4C034 AF01 AM01 4C050 AA01 BB08 CC08 EE04 FF01 GG01 HH01 4C065 AA04 AA05 BB09 BB12 CC01 DD02 EE02 HH02 JJ03 KK01 KK02 LL01 LL03 PP01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極と、前記一対の電極間に設け
    られるキャリア輸送層とを有する導電素子において、前
    記キャリア輸送層として下記一般式(1)で表される液
    晶化合物を用いてなることを特徴とする導電素子。 【化1】 (式中、A,Bはそれぞれ単独に無置換あるいはF,C
    l,Br,CH3およびCF3から選ばれた置換基の1個
    または2個を有するナフタレン−2,6−ジイルであ
    る。ただし、A,Bの少なくとも一方のナフタレン環の
    1〜4個のCHがNで置換している。X及びX’は、単
    結合、酸素原子、硫黄原子、−OOC−または−COO
    −を示す。R、R’の一方は水素原子、F、Cl、B
    r、CF3または炭素数1〜20の直鎖状あるいは分岐
    状のアルキル基を示し、他方は炭素数3〜20の直鎖状
    あるいは分岐状のアルキル基を示す。ただし、該アルキ
    ル基中の1個のメチレン基はヘテロ原子が隣接しない条
    件で酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡
    C−に置き換わってもよい。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、AおよびB
    がそれぞれ単独に無置換あるいはF,Cl,Br,CH
    3およびCF3から選ばれた置換基の1個または2個を有
    するキノリン−2,6−ジイル、イソキノリン−3,7
    −ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、[1,5]
    ナフチリジン−2,6−ジイル、[1,6]ナフチリジ
    ン−3,7−ジイル、[1,7]ナフチリジン−2,6
    −ジイル、[1,8]ナフチリジン−2,6−ジイル、
    キナゾリン−2,6−ジイル、シンノリン−3,7−ジ
    イル、ピリド[2,3−b]ピラジン−2,6−ジイ
    ル、ピリド[2,3−b]ピラジン−3,7−ジイル、
    ピラジノ[2,3−b]ピラジン−2,6−ジイル、プ
    テリジン−2,6−ジイルまたはナフタレン−2,6−
    ジイルであり、ただしA,Bが共にナフタレン−2,6
    −ジイルであることはない請求項1記載の導電素子。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)において、R=R’、
    X=X’、A=Bでである請求項1または2記載の導電
    素子。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)において、AまたはB
    がキノリン−2,6−ジイルである請求項1及至3のい
    ずれかの項に記載の導電素子。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)において、A及びBが
    キノリン−2,6−ジイルである請求項1及至4のいず
    れかの項に記載の導電素子。
  6. 【請求項6】 前記一対の基板の間には、エレクトロル
    ミネッセンス層が設けられている請求項1記載の導電素
    子。
  7. 【請求項7】 前記エレクトロルミネッセンス層は有機
    エレクトロルミネッセンス層である請求項6記載の導電
    素子。
  8. 【請求項8】 前記エレクトロルミネッセンス層は無機
    エレクトロルミネッセンス層である請求項6記載の導電
    素子。
  9. 【請求項9】 前記キャリア輪送層は、層内で電子が移
    動することで電流が流れる電子性キャリア輸送層である
    請求項1記載の導電素子。
  10. 【請求項10】 前記キャリア輪送層は、層内で正孔が
    移動することで電流が流れる正孔性キャリア輪送層であ
    る請求項1記載の導電素子。
  11. 【請求項11】 前記キャリア輸送層は、前記一対の電
    極の少なくとも何れかの電極と前記エレクトロルミネッ
    センス層との間に配置される請求項6記載の導電素子。
  12. 【請求項12】 前記キャリア輪送層は、前記一対の電
    極のそれぞれの電極と前記エレクトロルミネッセンス層
    との間に配置される請求項6記載の導電素子。
  13. 【請求項13】 前記キャリア輸送層と前記エレクトロ
    ルミネッセンス層とは境目が実質的に無い同一層である
    請求項6記載の導電素子。
  14. 【請求項14】 前記導電素子は表示装置の表示素子で
    ある請求項1記載の導電素子。
  15. 【請求項15】 一対の電極と、前記一対の電極間に設
    けられるキャリア輸送層とを有し、前記キャリア輸送層
    として下記一般式(1)で表される液晶化合物を用いて
    なる導電素子の製造方法であつて、前記一対の電極の少
    なくとも何れかの電極に接して前記液晶化合物の層を形
    成する工程か、あるいは前記液晶化合物の層を形成する
    工程の後に該液晶化合物の層に接して前記少なくとも何
    れか一方の電極を形成する工程の少なくとも何れかの工
    程を有することを特徴とする導電素子の製造方法。 【化2】 (式中、A,Bはそれぞれ単独に無置換あるいはF,C
    l,Br,CH3およびCF3から選ばれた置換基の1個
    または2個を有するナフタレン−2,6−ジイルであ
    る。ただし、A,Bの少なくとも一方のナフタレン環の
    1〜4個のCHがNで置換している。X及びX’は、単
    結合、酸素原子、硫黄原子、−OOC−または−COO
    −を示す。R、R’の一方は水素原子、F、Cl、B
    r、CF3または炭素数1〜20の直鎖状あるいは分岐
    状のアルキル基を示し、他方は炭素数3〜20の直鎖状
    あるいは分岐状のアルキル基を示す。ただし、該アルキ
    ル基中の1個のメチレン基はヘテロ原子が隣接しない条
    件で酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡
    C−に置き換わってもよい。)
  16. 【請求項16】 前記液晶化合物の層を形成する工程
    は、前記液晶化合物を蒸着によって層に形成する工程で
    ある請求項15記載の導電素子の製造方法。
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