JP2002161201A - 光学用ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法および該方法で得られた光学用ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

光学用ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法および該方法で得られた光学用ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2002161201A
JP2002161201A JP2000361844A JP2000361844A JP2002161201A JP 2002161201 A JP2002161201 A JP 2002161201A JP 2000361844 A JP2000361844 A JP 2000361844A JP 2000361844 A JP2000361844 A JP 2000361844A JP 2002161201 A JP2002161201 A JP 2002161201A
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Kazunari Inoue
上 一 成 井
Hiromi Ishida
田 博 巳 石
Tomoaki Shimoda
田 智 明 下
Takahito Kimura
村 隆 人 木
Akira Minami
暁 南
Shigeru Hatano
成 波多野
Lorenza Costa
コスタ ロレンツァ
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
    • C08G64/307General preparatory processes using carbonates and phenols

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温での色相安定性および成形性に優れた光学
用ポリカーボネートの製造方法を提供する。 【解決手段】ビスフェノール類と炭酸ジエステルとをア
ルカリ性化合物触媒の存在下に溶融重縮合させたのち、
(a)pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合物また
はその誘導体を、得られた反応生成物に対して、1〜1
00ppmの量で添加し、さらに減圧下で撹拌し、次い
で、得られたポリカーボネート組成物(A)が溶融状態
にある間に、(A)ポリカーボネート組成物に対して、
(B)亜リン酸を0.1〜10ppm、(C)pKa値が
3以下であるイオウ含有酸性化合物またはその誘導体を
0.5〜5ppm、(D)エステル基含有アルコール化合
物を50〜1000ppm、(E)水を5〜3000ppmの
量で、添加し、混練する光学用ポリカーボネート組成物
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光学用ポリカーボネート
樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、色相安定性、成形
性に優れ、特に光ディスク基板用に好適な光学用ポリカ
ーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などに優
れており、各種機械部品、光学用ディスク、自動車部品
などの用途に広く用いられている。特にメモリー用光デ
ィスク、光ファイバー、レンズなどの光学用途への期待
が大きく、種々の研究が盛んになされている。
【0003】このようなポリカーボネートの製造方法と
しては、ビスフェノールAなどのビスフェノール類とホ
スゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビ
スフェノールAなどのビスフェノール類とジフェニルカ
ーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融重縮合反応
(エステル交換反応)させる方法などが知られている。
このうち、ホスゲンを用いる界面法は、塩化メチレンな
どの溶媒を大量に使用するため、塩素の除去が非常に難
しく、必ずしも光学用ポリカーボネートとしては好まし
いものではなかった。
【0004】一方、溶融重縮合反応法は、界面法と比較
して安価にポリカーボネートを製造することができると
いう利点を有している。またホスゲンのような毒性物質
を使用せず、さらに塩化メチレンなどの溶媒も必要とし
ないため、光学用ポリカーボネートの製造方法として大
きく期待されている。ところで、光学用に使用されるポ
リカーボネート樹脂組成物には、成形時の加熱によって
着色したりすることなく、色相安定性に優れていること
が望まれている。
【0005】このようなポリカーボネートの成形時の色
相安定性を向上させる試みとしては、特開平10−60
247号公報、特開平4−81457号公報に、ポリカ
ーボネートに各種亜リン酸エステル系化合物を配合する
ことが提案されているが、こららの方法は、いずれもホ
スゲンを使用した界面法によって得られるポリカーボネ
ートを対象としたものであり、そのまま溶融縮合法に転
用しても、十分にポリカーボネート樹脂の色相安定性を
向上させることはできなかった。
【0006】このため、本出願人は、特開平4−175
368号公報、特開平4−328156号および特開平
5−262969号公報にて、溶融重縮合法で得られた
反応生成物に、酸性化合物を添加することによって、色
相安定性が向上したポリカーボネートが得られることを
見出し、提案している。しかしながら、このようなポリ
カーボネート樹脂組成物は、比較的低温での色相は安定
しているものの、近年、DVD、DVD−Rなどの高密
度ディスクなど、さらに高温での色相安定性、成形性が
要求される用途には、必ずしも不十分であり、改良が望
まれていた。
【0007】さらに、本発明者らは、このような諸問題
を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネートに各
種離型剤を配合する際に、再度酸性化合物を特定量添加
することによって、高温での色相安定性に優れたポリカ
ーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、特願平
2000-169690号公報にて提案している。しかしながら、
このような光学用ポリカーボネート樹脂組成物は、高温
での色相安定性については改良されるものの、成形時の
金型汚れが多く、このため、金型を洗浄する必要が生じ
たり、連続成形が難しいなど、成形性の点で必ずしも満
足しうるものではなかった。
【0008】このような情況の下、本発明者らは、上記
問題点を解消するため、検討を行ったところ、金型汚れ
は、光学用ポリカーボネート組成物中に離型剤として含
まれている多価アルコールのモノカルボンエステル化合
物の量自体が少なくなることに起因していることを見出
した。そこで、本発明者らは、さらに検討を行った結
果、ポリカーボネート組成物を製造する際に、イオウ含
有酸性化合物を2段階に分けて添加し、まず、1段目の
添加でポリカーボネートの溶融重縮合反応を終了させ、
さらに、減圧を続け残留モノマー等の除去を行ったの
ち、溶融状態にある間に、最終工程で他の添加剤ととも
に、酸性化合物および特定量の水を配合すれば、ポリカ
ーボネート組成物中に残存する多価アルコールのモノカ
ルボンエステル化合物の量が少なくなることがなく、色
相安定性に優れるとともに成形性にも優れた光学用ポリ
カーボネート組成物が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、高温での色相安定性および成形
性に優れた光学用ポリカーボネートの製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る光学用ポリカーボネート樹
脂組成物の製造方法は、ビスフェノール類と炭酸ジエス
テルとをアルカリ性化合物触媒の存在下に溶融重縮合さ
せたのち、(a)pKa値が3以下であるイオウ含有酸性
化合物またはその誘導体を、得られた反応生成物に対し
て、1〜100ppmの量で添加し、さらに減圧下で撹拌
し、次いで、得られたポリカーボネート組成物(A)が
溶融状態にある間に、(A)ポリカーボネート組成物に
対して、(B)亜リン酸を0.1〜10ppm、(C)pKa
値が3以下であるイオウ含有酸性化合物またはその誘導
体を0.5〜5ppm、(D)エステル基含有アルコール
化合物を50〜1000ppm、(E)水を5〜3000p
pmの量で、添加し、混練することを特徴としている。
【0011】本発明に係る製造方法では、得られたポリ
カーボネート組成物(A)が溶融状態にある間に、
(B)〜(E)とともに、さらに(F)亜リン酸エステ
ルおよびリン酸トリメチルから選ばれる少なくとも1種
の化合物を、ポリカーボネート組成物(A)に対して1
0〜1000ppmの量で、添加し、混練してもよい。本
発明に係る光学用ポリカーボネート樹脂組成物は前記製
造方法で得られたものであることを特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る光学用ポリカ
ーボネート樹脂組成物の製造方法について具体的に説明
する。 [ポリカーボネート組成物(A)の製造]本発明では、
まず、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとをアルカリ
性化合物触媒の存在下に溶融重縮合させたのち、(a)p
Ka値が3以下であるイオウ含有酸性化合物またはその
誘導体を添加し、さらに減圧下で撹拌してポリカーボネ
ート組成物を製造する。
【0013】ポリカーボネートの溶融重縮合 ポリカーボネートを溶融重縮合する際に原料として使用
されるビスフェノール類として、たとえば下記式[I]
で示される化合物が使用される。
【0014】
【化1】
【0015】上記のような式[I]で示されるビスフェ
ノール類としては、具体的には、1,1-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(以下ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-
ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類などが挙げら
れる。
【0016】また本発明では、上記式中、Xが−O−、
−S−、−SO−または−SO2−であるようなビスフ
ェノール類も挙げられ、たとえば4,4'-ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチル
フェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エ
ーテル類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィ
ドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルフィド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどの
ビス(ヒドロキシジアリール)スルホキシド類、4,4'-
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-
3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロ
キシジアリール)スルホン類などを挙げることもでき
る。
【0017】またビスフェノール類として下記式[II]
で示される化合物も用いられる。
【0018】
【化2】
【0019】(式中、Rfはハロゲン原子または炭素数
1〜10の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基で
あり、nは0〜4の整数である。nが2以上のとき、R
fは同一であっても異なっていてもよい。) この式[II]で示されるビスフェノール類としては、具
体的に、レゾルシンおよび3-メチルレゾルシン、3-エチ
ルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾル
シン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、
3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシ
ン、2,3,4,6-テトラブロムレゾルシンなどの置換レゾル
シン、カテコール、ハイドロキノンおよび3-メチルハイ
ドロキノン、3-エチルハイドロキノン、3-プロピルハイ
ドロキノン、3-ブチルハイドロキノン、3-t-ブチルハイ
ドロキノン、3-フェニルハイドロキノン、3-クミルハイ
ドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルハイドロキノン、2,
3,5,6-テトラ-t-ブチルハイドロキノン、2,3,5,6-テト
ラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6-テトラブロムハイ
ドロキノンなどの置換ハイドロキノンを挙げることがで
きる。
【0020】ビスフェノール類としては、さらに下記式
で示される2,2,2',2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'-テトラ
メチル-1,1'-スピロビ-[IH-インデン]-6,6'-ジオールを
用いることもできる。
【0021】
【化3】
【0022】これらのうちでも、上記式[I]で示され
るビスフェノール類が好ましく、特にビスフェノールA
が好ましい。また、炭酸ジエステルとして、具体的に
は、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネー
ト、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジル
カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェ
ニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシ
ルカーボネートなどを用いることができ、これらを2種
以上併用することもできる。これらのうちでも特にジフ
ェニルカーボネートが好ましく用いられる。
【0023】このような炭酸ジエステル中には、ジカル
ボン酸あるいはジカルボン酸エステルが含有されていて
もよい。具体的に、炭酸ジエステルは、ジカルボン酸あ
るいはジカルボン酸エステルを好ましくは50モル%以
下、さらに好ましくは30モル%以下の量で含有してい
てもよい。このようなジカルボン酸あるいはジカルボン
酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどの
芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェニ
ル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニルな
どの脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボン
酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタン
ジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-
シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シク
ロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸
ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニ
ル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シ
クロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。
炭酸ジエステルは、これらのジカルボン酸あるいはジカ
ルボン酸エステルを2種以上含有していてもよい。
【0024】本発明では、ビスフェノール類と炭酸ジエ
ステル類は、予め溶融状態にある間に、フィルターで濾
過処理されていてもよい 上記炭酸ジエステルとビスフェノール類とは、炭酸ジエ
ステルがビスフェノール類1モルに対して、通常1.0
0〜1.30モル、好ましくは1.01〜1.20モルと
なるように混合される。
【0025】炭酸ジエステルとビスフェノール類とを溶
融重縮合する際には、溶融重縮合触媒としてアルカリ性
化合物触媒が含まれている。アルカリ性化合物触媒とし
ては、通常、(a)アルカリ金属化合物および/またはア
ルカリ土類金属化合物(以下(a)アルカリ(土類)金属
化合物ともいう)が使用される。(a)アルカリ(土類)
金属化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類
金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化
物あるいはアルコラートなどが好ましく用いられる。
【0026】具体的には、アルカリ金属化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水
素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二
カリウム塩、二リチウム塩、フェノール類のナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、アルカリ
土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、
炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグ
ネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。これら化合
物を2種以上併用することもできる。
【0027】このようなアルカリ(土類)金属化合物
は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1
×10-3モル、好ましくは1×10-7〜2×10-6
ル、さらに好ましくは1×10-7〜8×10-7モルの量
で、溶融重縮合反応中に含まれていることが望ましい。
また、溶融重縮合反応の原料であるビスフェノール類中
に予めアルカリ(土類)金属化合物が含まれている場
合、溶融重縮合反応時に存在するアルカリ(土類)金属
化合物の量が、ビスフェノール類1モルに対して、前記
範囲となるように添加量を制御することが望ましい。
【0028】また、溶融重縮合触媒として、上記のよう
な(a)アルカリ(土類)金属化合物に加えて(b)塩基性化
合物を併用されていてもよい。このような(b)塩基性化
合物としては、たとえば高温で易分解性あるいは揮発性
の含窒素塩基性化合物が挙げられ、具体的には、以下の
ような化合物を挙げることができる。テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモ
ニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシド(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアン
モニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)などのアル
キル、アリール、アルアリール基などを有するアンモニ
ウムヒドロオキシド類、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン
などの三級アミン類、R2NH(式中Rはメチル、エチ
ルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリール
基などである)で示される二級アミン類、RNH2(式
中Rは上記と同じである)で示される一級アミン類、4-
ジメチルアミノピリジン、4-ジエチルアミノピリジン、
4-ピロリジノピリジンなどのピリジン類、2-メチルイミ
ダゾール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール
類、あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボ
ロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウ
ムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモ
ニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメ
チルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4
などの塩基性塩。
【0029】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類が好ましく用いられる。上記のような
(b) 含窒素塩基性化合物は、ビスフェノール類1モルに
対して、1×10-6〜1×10-1モル好ましくは1×1
-5〜1×10-2モルの量で用いることができる。
【0030】またさらに触媒として、(c)ホウ酸化合物
を用いることもできる。このような(c) ホウ酸化合物と
しては、ホウ酸およびホウ酸エステルなどを挙げること
ができる。ホウ酸エステルとしては、下記一般式で示さ
れるホウ酸エステルを挙げることができる。
【0031】B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1,2または3である。
このようなホウ酸エステルとしては、具体的には、ホウ
酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、
ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリ
フェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなど
が挙げられる。
【0032】このような(c) ホウ酸またはホウ酸エステ
ルは、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8
1×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2
ル、さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量
で用いることができる。本発明では、溶融重縮合触媒と
しては、たとえば(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)
含窒素塩基性化合物とを組み合わせて、さらには(a)ア
ルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と
(c)ホウ酸またはホウ酸エステルとの三者を組み合わせ
て用いることが好ましい。
【0033】触媒として、上記のような量の(a)アルカ
リ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを組
み合わせて用いると、重縮合反応を十分な速度で進行さ
せることができるとともに、高分子量のポリカーボネー
トを高い重合活性で生成させることができるので好まし
い。なお、(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素
塩基性化合物とを併用する場合、あるいは(a)アルカリ
(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と(c)ホウ
酸またはホウ酸エステルとを併用する場合、各触媒成分
を混合したものを、ビスフェノール類と炭酸ジエステル
との溶融混合物に添加してもよく、また、個別にビスフ
ェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加して
もよい。
【0034】以上のようなビスフェノール類と炭酸ジエ
ステル類とを上記溶融重縮合触媒の存在下に溶融重縮合
を行う。ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの重縮合
反応は、従来知られている重縮合反応条件と同様な条件
下で行なうことが可能であり、たとえば2段以上の反応
段で行うことができる。
【0035】具体的には、第一段目の反応を80〜25
0℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは
120〜190℃の温度で、0.01〜5時間、好まし
くは0.01〜4時間、さらに好ましくは0.01〜3
時間、常圧下、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを
反応させる。次いで反応系を減圧にしながら反応温度を
高めて、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの反応を
行ない、最終的には5mmHg以下、好ましくは1mmHg
以下で、240〜320℃でビスフェノール類と炭酸ジ
エステルとの重縮合反応を行なう。
【0036】上記のような重縮合反応は、連続式で行な
ってもよく、バッチ式で行なってもよい。また上記の反
応を行なうに際して用いられる反応装置は、槽型であっ
ても管型であっても塔型であってもよい。また本発明で
は、ポリカーボネートを製造するに際して、上記のよう
なビスフェノール類と炭酸ジエステルとともに、1分子
中に3個以上の官能基を有する多官能化合物を用いるこ
ともできる。多官能化合物としては、フェノール性水酸
基またはカルボキシル基を有する化合物が好ましく、特
にフェノール性水酸基を3個含有する化合物が好まし
い。このような多官能化合物としては、たとえば1,1,1-
トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-トリ
ス(4-ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、
α-メチル-α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-
1,4-ジエチルベンゼン、α,α',α"-トリス(4-ヒドロ
キシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フ
ロログリシン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキ
シフェニル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシ
フェニル)ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキ
シフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリッ
ト酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸
などが挙げられる。
【0037】これらのうちでは、1,1,1-トリス(4-ヒド
ロキシフェニル) エタン、α,α',α"-トリス(4-ヒドロ
キシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが
好ましく用いられる。このような多官能化合物は、ビス
フェノール類1モルに対して、通常0.03モル以下、
好ましくは0.001〜0.02モル、さらに好ましくは
0.001〜0.01モルの量で用いることができる。
【0038】ポリカーボネートを製造する際には、上記
のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
ともに、末端封止剤を使用してもよい。このような末端
封止剤として、得られるポリカーボネートの分子末端に
下記一般式[I]で表わされる末端基を導入しうるアリ
ロキシ化合物が用いられる。 ArO− …[I] 式中、Arは炭素原子数6〜50の芳香族炭化水素基を
表す。芳香族炭化水素基は特に限定されず、フェニル基
およびナフチル基、アンスラニル基などの縮合環であっ
てもよく、さらにこれら芳香環と飽和炭化水素および/
または複素原子とで環を形成していてもよい。また、こ
れらの芳香族環は、ハロゲン、炭素原子数1〜9のアル
キル基で置換されていてもよい。
【0039】このようなアリロキシ化合物として、具体
的には、フェノール、ジフェニルカーボネート、p-tert
-ブチルフェノール、p-tert-ブチルフェニルフェニルカ
ーボネート、p-tert-ブチルフェニルカーボネート、p-
クミルフェノール、p-クミルフェニルフェニルカーボネ
ート、p-クミルフェニルカーボネート、2,2,4-トリメチ
ル-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4,6-テト
ラメチル-4-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロ
マン、2,2,3-トリメチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)ク
ロマン、2,2,3,6-テトラメチル-3-(3,5-ジメチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(2-
ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4,6-テトラメチル-
2-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)クロマンな
どのクロマン化合物を挙げることができる。
【0040】上記のようなアリロキシ化合物は、単独で
使用することもできるし、組み合わせて使用することも
できる。このようなアリロキシ化合物は、通常、芳香族
ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.01〜0.2モ
ル、好ましくは0.02〜0.15モル、さらに好ましく
は0.02〜0.1モルの量で用いられることが望まし
い。
【0041】末端封止剤としてアリロキシ化合物をこの
ような量で用いることにより、得られるポリカーボネー
トの分子末端は、1〜95%、好ましくは10〜95
%、さらに好ましくは20〜90%の割合で、上記一般
式[I]で表される末端基で封止される。上記のよう
に、一般式[I]で表される末端基が、上記割合で導入
されたポリカーボネートは、耐熱性に優れるとともに、
低分子量でも耐衝撃性などの機械的特性に優れる。
【0042】本発明では、末端封止剤として、上記よう
なアリロキシ化合物とともに、必要に応じて下記一般式
[III]で表される脂肪族炭化水素ユニットを導入可能
な脂肪族モノカルボキシ化合物を用いてもよい。
【0043】
【化4】
【0044】式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキ
ルであり、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、
またハロゲンで置換されてもよい。このような脂肪族モ
ノカルボキシ化合物として、具体的には、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、パル
ミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン
酸、ヘネイコサノイック酸、トリコサノイック酸、メリ
シック酸などのアルキルモノカルボン酸、ステアリン酸
メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸フェニルな
どの上記アルキルモノカルボン酸のメチルエステル、エ
チルエステル、フェニルエステルなどのアルキルモノカ
ルボン酸エステルを挙げることができる。
【0045】これらは、単独で用いてもよく、これらを
組み合わせて用いてもよい。上記のような脂肪族モノカ
ルボキシ化合物は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して、0.01〜0.20モルの量で、好ましく
は0.02〜0.15モルの量で、さらに好ましくは0.
02〜0.10モルの量で用いることが望ましい。な
お、以上のような末端封止剤は、合計で芳香族ジヒドロ
キシ化合物1モルに対して、0.2モル以上の量で用い
ると、重合速度が低下することがある。以上のようにし
て得られる反応生成物(ポリカーボネート)の20℃塩
化メチレン中で測定した極限粘度は、通常0.10〜1.
0dl/g好ましくは0.30〜0.65dl/gである。
【0046】こうして製造された反応生成物(ポリカー
ボネート)のメルトフローレートは、高粘度品では、温
度300℃、荷重1.2kgで測定して1〜70g/10
分、好ましくは2〜50g/10分であり、低粘度品で
は、温度250℃、荷重1.2kgで測定して同様に測定
して5〜20g/10分、好ましくは8〜16g/10分で
あることが望ましい。
【0047】本発明では、上記のようにしてポリカーボ
ネート溶融重縮合の最終段階で、下記のようなpKa値
が3以下であるイオウ含有酸性化合物および/または該
酸性化合物から形成される誘導体(以下酸性化合物とい
うこともある)を添加する。酸性化合物の添加 イオウ含有酸性化合物および該酸性化合物から形成され
る誘導体(酸性化合物ともいう)としては、亜硫酸、硫
酸、スルフィン酸系化合物、スルホン酸系化合物および
これらの誘導体を挙げることができる。具体的に、亜硫
酸誘導体としては、ジメチル亜硫酸、ジエチル亜硫酸、
ジプロピル亜硫酸、ジブチル亜硫酸、ジフェニル亜硫酸
などを挙げることができる。
【0048】硫酸誘導体としては、ジメチル硫酸、ジエ
チル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸、ジフェニル
硫酸などを挙げることができる。スルフィン酸系化合物
としては、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン
酸、ナフテレンスルフィン酸などを挙げることができ
る。またスルホン酸系化合物およびこの誘導体として
は、下記一般式[IV]で表わされる化合物またはそのア
ンモニウム塩、ホスホニウム塩を挙げることができる。
【0049】
【化5】
【0050】式中、Rgは炭素数1〜50の炭化水素基
またはハロゲン置換炭化水素基であり、Rhは水素原子
または炭素数1〜50の炭化水素基またはハロゲン置換
炭化水素基であり、nは0〜3の整数である。このよう
なスルホン酸系化合物およびこの誘導体としては、たと
えばベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ヘキ
シルスルホン酸、オクチルスルホン酸、デシルスルホン
酸、ドデシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸など
のスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンス
ルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼン
スルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p-
トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチ
ル、p-トルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン
酸オクチル、p-トルエンスルホン酸フェニルなどの前記
スルホン酸のエステル誘導体などが挙げられる。また、
前記スルホン酸アンモニウム塩およびホスホニウム塩も
用いることができる。アンモニウム塩およびホスホニウ
ムとしては、ヘキシルスルホン酸テトラメチルアンモニ
ウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラエチルアンモニウム
塩、ヘキシルスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩、
ヘキシルスルホン酸テトラヘキシルアンモニウム塩、ヘ
キシルスルホン酸テトラオクチルアンモニウム塩、オク
チルスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩、オクチル
スルホン酸テトラエチルアンモニウム塩、オクチルスル
ホン酸テトラブチルアンモニウム塩、オクチルスルホン
酸テトラヘキシルアンモニウム塩、オクチルスルホン酸
テトラオクチルアンモニウム塩、デシルスルホン酸テト
ラメチルアンモニウム塩、デシルスルホン酸テトラエチ
ルアンモニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルアン
モニウム塩、デシルスルホン酸テトラヘキシルアンモニ
ウム塩、デシルスルホン酸テトラオクチルアンモニウム
塩、ドデシルスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩、
ドデシルスルホン酸テトラエチルアンモニウム塩、ドデ
シルスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩、ドデシル
スルホン酸テトラヘキシルアンモニウム塩、ドデシルス
ルホン酸テトラオクチルアンモニウム塩、ヘキサデシル
スルホン酸テトラメチルアンモニウム塩、ヘキサデシル
スルホン酸テトラエチルアンモニウム塩、ヘキサデシル
スルホン酸テトラブチルアンモニウム塩、ヘキサデシル
スルホン酸テトラヘキシルアンモニウム塩、ヘキサデシ
ルスルホン酸テトラオクチルアンモニウム塩、ベンゼン
スルホン酸テトラメチルアンモニウム塩、ベンゼンスル
ホン酸テトラエチルアンモニウム塩、ベンゼンスルホン
酸テトラブチルアンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸テ
トラヘキシルアンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸テト
ラオクチルアンモニウム塩、トルエンスルホン酸テトラ
メチルアンモニウム塩、トルエンスルホン酸テトラエチ
ルアンモニウム塩、トルエンスルホン酸テトラブチルア
ンモニウム塩、トルエンスルホン酸テトラヘキシルアン
モニウム塩、トルエンスルホン酸テトラオクチルアンモ
ニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラメチルア
ンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチ
ルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラヘキシルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸テトラオクチルアンモニウム塩、ヘキシルスルホン
酸テトラメチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テ
トラエチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラヘキ
シルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラオクチ
ルホスホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラメチルホ
スホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラエチルホスホ
ニウム塩、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、オクチルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム
塩、オクチルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム
塩、デシルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、デ
シルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、デシルス
ルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン
酸テトラヘキシルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テ
トラオクチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テト
ラメチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラエ
チルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラヘキシルホ
スホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラオクチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラメチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラエチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラヘキシルホ
スホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホス
ホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニ
ウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム
塩、トルエンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、
トルエンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、トル
エンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、トルエン
スルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、トルエンス
ルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、ドデシルベン
ゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデ
シルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウ
ム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホス
ホニウム塩等が挙げられる。アンモニウム塩は、(C
3)3+−(CH2)10−N+(CH3)3、(CH3)3+−(C
2)15−N+(CH3)3、(CH3)3+−(CH2)15−N
+(CH3)3、(C49)3+−(CH2)10−N+(C49)3
どの2個以上の窒素原子を含む塩であってもよく、また
ホスホニウム塩は、(C49)3+−(CH2)10−P+(C4
9)3、(C65)3+−(CH2)10−P+(C65)3などの
2個以上のリン原子を含む塩であってもよい。
【0051】さらにトリフルオロメタンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリ
ル酸メチル-スルホン化スチレン共重合体などのスルホ
ン酸化合物およびそのエステル誘導体、アンモニウム
塩、ホスホニウム塩を用いてもよい。これらを2種以上
併用することもできる。このうち酸性化合物として、上
記一般式[IV]で表されるスルホン酸系化合物およびこ
の誘導体が好ましく用いられる。
【0052】特に上記一般式[IV]において、Rgは炭
素数1〜6の置換脂肪族炭化水素基、Rhは炭素数1〜
8の置換脂肪族炭化水素基、nは0〜3の整数で表され
るエステル化合物が好ましく用いられ、具体的に、ベン
ゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、p-
トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチ
ル、p-トルエンスルホン酸ブチルなどが好ましく用いら
れる。
【0053】これらのうちでも、p-トルエンスルホン酸
メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、p-トルエンスル
ホン酸ブチルが特に好ましく用いられる。これらを2種
以上併用することもできる。以上のような酸性化合物
を、反応生成物に対し、1〜100ppm、好ましくは
(3)〜(30)ppmの量で添加される。
【0054】このような量で酸性化合物が反応生成物
(ポリカーボネート)に添加されていると、反応生成物
(ポリカーボネート)中に残存する触媒のアルカリ性金
属化合物が中和、あるいは弱められて、溶融重縮合反応
自体を停止する。このように溶融重縮合反応を停止する
ことによって最終的に滞留安定性および耐水性がさらに
向上されたポリカーボネート組成物を得ることができ
る。酸性化合物の量が100ppm以上となると、酸性化
合物が触媒となる副反応が起こりやすくなり、色相が悪
化したり、最終組成物の熱安定性が低下することもあ
る。また、酸性化合物の量が少なかったり(1ppm未
満)、あるいは酸性化合物自体を添加しない場合では、
重縮合反応のコントロールが不安定となり、残留モノマ
ーの除去も不充分となることもある。
【0055】本発明では、酸性化合物を添加した後、さ
らに減圧下で撹拌する。酸性化合物を添加する際の減圧
条件および加熱条件としては、前記したポリカーボネー
ト溶融重縮合を行う際の条件と何ら変わるところなく、
たとえば、5mmHg以下、好ましくは1mmHg以下で、
240〜320℃の温度で行われる。この減圧処理・加
熱処理によって、反応生成物中に含まれている残留モノ
マーなどが除去される。
【0056】[添加剤の配合]上記のようにポリカーボ
ネートに酸性化合物を添加した後、さらに減圧下で撹拌
して得られたポリカーボネート組成物(A)が溶融状態
にある間に、直ちに、(B)亜リン酸、(C)pKa値
が3以下であるイオウ含有酸性化合物またはその誘導
体、(D)エステル基含有アルコール化合物、(E)水
を添加し、混練する。
【0057】(B)亜リン酸は、たとえばナトリウム
塩、カリウム塩などの塩であってもよい。このような
(B)亜リン酸の配合量は、(A)ポリカーボネート組
成物に対して、0.1〜10ppm、好ましくは0.2〜
5ppmの量であることが好ましい。このような量で
(B)亜リン酸を含んでいると、不純物として混入した
重金属イオンに起因する各種の弊害を防止することがで
きる。
【0058】また(C)pKaが3以下であるイオウ含
有酸性化合物またはその誘導体(以後、酸性化合物
(C)という)としては、上記ポリカーボネート組成物
(A)中に含まれている酸性化合物と同様のものが挙げ
られる。また、添加される(C)酸性化合物は、上記ポ
リカーボネート組成物(A)中に含まれている酸性化合
物と同一であっても、異なるものであってもよい。ま
た、添加する(C)酸性化合物の配合量は、(A)ポリ
カーボネート組成物に対して、0.5〜5ppm、好まし
くは1〜3ppmの量であることが好ましい。なお、本発
明のように、(C)酸性化合物を溶融重縮合触媒を失活
させるために添加したのち、さらにまた特定量の(C)
酸性化合物を添加することによって、成形時の加熱によ
るポリカーボネートの着色を抑制することができる。
【0059】(D)エステル基含有アルコール化合物
は,炭素数10〜22の1価の脂肪酸と多価アルコール
とから誘導される部分エステルであり、たとえばミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベ
ヘン酸、硫化魚油の脂肪酸などの炭素数10〜22の一
価脂肪酸と、たとえばエチレングリコール、グリセリ
ン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールから誘
導される部分エステルの単独または混合物などが使用さ
れる。このときのエステル化率は、多価アルコールを完
全にエステル化したときのエステル化率を100%とす
ると、10〜80%、好ましくは20〜60%の範囲に
あることが望ましい。このような(D)エステル基含有
アルコール化合物は、完全に縮合体となっていても、一
部が縮合体となっているものであってもよい。このよう
な(D)エステル基含有アルコール化合物の配合量は、
(A)ポリカーボネートに対して、50〜1000pp
m、好ましくは100〜800ppmの量であることが好ま
しい。(D)エステル基含有アルコール化合物は、光学
用ポリカーボネート組成物の離型剤としてを機能するも
のであり、このようなエステル基含有アルコール化合物
を含んでいると、成形時の成形品の離型性が良くなり、
生産性を向上させることができる。(D)エステル基含
有アルコール化合物の配合量が、50ppmより少ないと、
溶融成形時の離型性が低下し、成形品に曇りや離型歪み
に基づく光学的歪みを生じることがあり、1000ppm
より多いと、溶融成形時に熱分解により、成形品に銀条
を生じさせたり、基板やスタンパーに汚れを発生するこ
とがある。
【0060】また本発明では、前記(B)〜(D)とと
もに(E)特定量の水を添加する。この水(E)は、ポ
リカーボネート組成物(A)に対して、5〜3000pp
m、好ましくは50〜1000ppmの量で添加することが
望ましい。このように特定量の水(E)を添加すると、
ポリカーボネート組成物に含まれるエステル含有アルコ
ール(離型剤)残量を多くすることができ、このため、
エステル含有アルコール(D)が離型剤と機能を充分に
発揮し、金型汚れの少ない、極めて離型性(成形性)に
優れた光学用ポリカーボネート組成物を製造することが
できる。このように特定量の水を添加することで、ポリ
カーボネート組成物中に含まれるエステル含有アルコー
ル(離型剤)残量を多くすることができる理由は明確で
はないものの、酸性化合物とともに水を添加すること
で、酸性化合物による(D)エステル含有アルコール
(離型剤)の変性が抑制されることによるものと考えら
れる。なお、予め、水を最初に酸性化合物を添加すると
同時に添加しておいても、未反応モノマーを除去する際
に、水も同時に除去されるため、本発明のような効果は
発現されない。
【0061】なお、水(E)を3000ppmより多く添
加すると、ポリカーボネートの加水分解が起こり易くな
って、ポリカーボネートの物性が低下してしまう傾向に
ある。また、溶融混練時の水の揮散が過大となり、押し
出し性が不安定となり、生産性が阻害されることもあ
る。
【0062】本発明では、上記のようにして(A)ポリ
カーボネート組成物が溶融状態にある間に、上記(B)
〜(E)の添加剤を、添加・混練して光学用ポリカーボ
ネート組成物を製造している。具体的には、(B)〜
(E)の添加剤を、上述したようにして得られる(A)
ポリカーボネート組成物が、反応器内または押出機内で
溶融状態にある間に添加する。この際、(B)〜(E)
成分は、別々に添加してもよいし、あるいは同時に添加
してもよく、添加順序は限定されないが、同時に添加す
るのが好ましい。こうして製造された光学用ポリカーボ
ネート組成物は、通常、ペレタイズされる。
【0063】(A)ポリカーボネート組成物と、(B)
〜(E)の添加剤との混練は、一軸押出機、二軸押出
機、スタティックミキサーなどの通常の混練機により行
われ、これらの混練機はベント付きでもベントなしでも
有効に使用される。このように(A)ポリカーボネート
組成物が溶融状態にある間に、(B)〜(E)成分を添
加・混練して光学用ポリカーボネート組成物を製造する
には、具体的には、たとえば反応器内にある重縮合反応
で得られた(A)ポリカーボネート組成物に、(B)〜
(E)を添加した後、押出機を通してペレタイズしても
よいし、また重縮合反応で得られた(A)ポリカーボネ
ート組成物が反応器から押出機を通ってペレタイズされ
る間に、(B)〜(E)線分を添加して、これらを混練
して光学用ポリカーボネート組成物とすることもでき
る。
【0064】また本発明では、上記(B)〜(E)成分
に加えて、(F)亜リン酸エステルまたはリン酸トリメ
チルから選ばれる少なくとも1種の化合物を添加しても
よい。このような(F)成分の添加量は、(A)ポリカ
ーボネートに対して、10〜1000ppm、好ましくは
10〜500ppmの量であることが好ましい。亜リン酸
エステルとしては、下記一般式で表される化合物を挙げ
ることができる。
【0065】P(OR)3 (式中、Rは脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基また
は芳香族炭化水素基を表す。これらは同一であっても異
なっていてもよい。) このような式で表される化合物としては、たとえば、ト
リメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ
ブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリ
ス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリノニルホス
ファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシル
ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリス
(2-クロロエチル)ホスファイト、トリス(2,3-ジクロ
ロプロピル)ホスファイトなどのトリアルキルホスファ
イト、トリシクロヘキシルホスファイトなどのトリシク
ロアルキルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリクレジルホスファイト、トリス(エチルフェニル)
ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホ
スファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリ
アリールホスファイト、フェニルジデシルホスファイ
ト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルイソオ
クチルホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイ
ト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどのア
リールアルキルホスファイトなどを挙げることができ
る。
【0066】さらに亜リン酸エステルとしては、たとえ
ば、ジステアリルペンタエリスリチルジホスファイト、
ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリチル
ジホスファイトなどを挙げることができる。これらを2
種以上併用することもできる。これらのうちでは、上記
一般式で表される亜リン酸エステルまたはリン酸トリメ
チルが好ましく、さらに芳香族亜リン酸エステルが好ま
しく、特にトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファ
イトが好ましく用いられる。
【0067】このような(F)成分の添加量は、(A)
ポリカーボネート組成物に対して、10〜1000pp
m、好ましくは30〜300ppmの量であることが好まし
い。さらに本発明においては、本発明の目的を損なわな
い範囲で、ポリカーボネート樹脂組成物には、(G)前
記(B)〜(F)以外の添加剤(以後、その他の添加剤
という)を添加してもよい。このような(G)その他の
添加剤は、溶融状態にあるポリカーボネートに(B)〜
(E)、(F)成分を添加する際に、同時に添加するこ
ともできるし、別々に添加することもできる。本発明で
は、以下に示すような(G)添加剤のうちでも、反応性
の添加剤は、(C)酸性化合物を添加した後に添加する
ことが好ましい。
【0068】本発明で用いられるその他の添加剤(G)
としては、具体的に、使用目的に応じて一般的にポリカ
ーボネートに添加される添加剤を広く挙げることがで
き、耐熱安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型
剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキ
ング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有
機系充填剤、無機系充填剤などを挙げることができる。
【0069】これらのうちでも、以下に示すような耐熱
安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色
剤などが好ましく用いられる。これらを2種以上併用す
ることもできる。以上のような製造方法で得られた光学
用ポリカーボネート樹脂組成物は、一般の成形材料はも
とより、シートなどの建築材料、自動車用ヘッドランプ
レンズ、眼鏡等の光学用レンズ類、光学用記録材料等に
好適に用いられ、特に光ディスク用成形材料として好適
である。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、成形時の色相安定性、
成形性に優れ、光学用材料とくに光ディスク成形材料と
して好適なポリカーボネート樹脂組成物を効率よく製造
することができる。とくに、本発明では、光学用ポリカ
ーボネート樹脂組成物を製造する際に、(B)亜リン
酸、(C)pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合
物またはその誘導体、(D)エステル基含有アルコール
化合物(離型剤)とともに、(E)水を特定量、添加
し、混練しているので、従来より問題となっていた離型
剤による金型汚れが著しく抑制され、色相安定性に優れ
るとともに成形性にも優れた光学用ポリカーボネート組
成物が得られる。
【0071】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0072】
【実施例1】ポリカーボネートの溶融重縮合 それぞれ、0.2μmフィルターで濾過されたビスフェ
ノールA(日本ジーイープラスチックス(株)製:塩素
0.1ppm以下、鉄0.1ppm以下、ナトリウム
0.1ppm以下、イオウ0.1ppm以下)0.44
キロモルと、ジフェニルカーボネート(エニィ社製:塩
素0.1ppm以下、鉄0.1ppm以下、ナトリウム
0.1ppm以下、イオウ0.1ppm以下)0.44
9キロモルとを第1の250リットル槽型攪拌槽に仕込
み、140℃で溶解し、このレベルを保つようにビスフ
ェノールA、ジフェニルカーボネートをそれぞれ毎時
0.16キロモル、0.163キロモルずつフィードし
ながら、この混合溶液を毎時ビスフェノールA換算で
0.16キロモルずつ第2の50リットル槽型攪拌槽に
送液する。この槽型攪拌槽の温度は180℃に保った。
【0073】触媒としてテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシドを毎時0.04モルおよび水酸化ナトリウムを
毎時0.00016モル(1×10-6モル/モル−ビス
フェノールA)添加し、滞留時間が30分となるようレ
ベルを調整し撹拌した。次に、この反応溶液を毎時ビス
フェノールA換算で0.16キロモルずつ次の第3の温
度210℃、圧力200mmHgの50リットル槽型攪拌
槽に送液した。滞留時間が30分となるようレベルを調
整しフェノールを留出除去させながら撹拌した。
【0074】次に、この反応溶液を毎時ビスフェノール
A換算で0.16キロモルずつ次の第4の温度240
℃、圧力15mmHgの50リットル槽型攪拌槽に送液し
た。滞留時間が30分となるようレベルを調整しフェノ
ールを留出除去させながら撹拌した。反応が定常になっ
て得られた反応物の極限粘度[η]は0.15dl/g
であった。
【0075】次にこの反応物をギアポンプで昇圧し、毎
時ビスフェノールA換算で0.16キロモルずつ遠心式
薄膜蒸発機に送入し、反応を進めた。薄膜蒸発機の温
度、圧力はそれぞれ270℃、2mmHgにコントロール
した。蒸発機下部よりギアポンプにて270℃、0.2
mmHgにコントロールされた二軸横型攪拌重合槽(L/
D=3、攪拌翼回転直径220mm、内容積80リット
ル)に毎時ビスフェノールA換算で0.16キロモル
(約40kg/時間)ずつ送り込み滞留時間30分にて重
合させた。このときの、ポリマーの極限粘度〔IV〕は
0.35dl/gであり、フェノール末端基と水酸基末
端基の割合は91/9であった。
【0076】この最終段階で4ppmのp-トルエンスルホ
ン酸ブチルを添加して、さらに減圧下で撹拌して、(A)
ポリカーボネート組成物を調製した。添加剤の添加 得られた(A)ポリカーボネート組成物が溶融状態にある
間に、ギアポンプで二軸押出機に送出した。同時に、カ
ーボネート組成物に対して2ppmの(B)亜リン酸、1ppmの
(C)p-トルエンスルホン酸ブチル、200ppmの(D)グリセリ
ンモノステアレート(以後、GMSと略す)、50ppmの
(E)水(精製水)、および50ppmの(F)トリスノニルフェ
ニルフォスファイト(以後、Phosphiteと略す)を添加
し、溶融混練したのち、押出機より押し出し、光学用ポ
リカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0077】得られた光学用ポリカーボネート樹脂組成
物中に含まれるGMS量については、樹脂組成物中のGM
Sをシリル化した後、ガスクロ法で定量した。このよう
なGMSの定量は、具体的には以下のようにして行っ
た。 (1)まず、100mlの共栓付き三角フラスコに試料(ペレッ
ト)5.00gを採取し、塩化メチレン15mlで溶解した。
【0078】(2)次ぎに、内標液(ヒ゜レン)を10ml添加した
のち、さらに、n-ヘキサン60ml添加し、樹脂を析出させ
た。 (3)得られた樹脂析出物の懸濁液から、液相を注射器で
採取し、濾過して固形分を除去したのち、窒素雰囲気下
で乾固するまで濃縮した。 (4)濃縮物に塩化メチレンを添加し析出物を溶解したの
ち、再度、窒素雰囲気下で乾固させたのち、真空乾燥し
た。
【0079】(5)乾燥後、シリル化剤(TMSI−H)
2ml添加し、加熱して、シリル化誘導体を調製し
た。 (6)調製したシリル化誘導体溶液を濾過したのち、ガス
クロ(GC−14A)により測定した。金型付着性 また、得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットを
使用して、直径120mmのCDを、シリンダー温度34
0℃、金型温度100℃で、10000ショット成形
後、金型に付着している残渣を測定し、金型汚染の目安
とした。
【0080】色相安定性 得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、直径
120mmのCDを、シリンダー温度380℃で成形し、
380℃で10分間の滞留前後のCDの変色をDelta YI
から、色相安定性を評価した。なお、Delta YIは下記式
で表される。 Delta YI=YI(滞留後のYIの最大値)−YI(滞留前の初
期YI値) 結果をあわせて表1に示す。
【0081】
【実施例2〜7】実施例1において、添加剤の添加量を
表1のようにした以外は実施例1と同様にして光学用ポ
リカーボネート樹脂組成物ペレットを製造し、評価し
た。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【比較例1〜5】実施例1において、添加剤の添加量を
表2のようにした以外は実施例1と同様にして光学用ポ
リカーボネート樹脂組成物ペレットを製造し、評価し
た。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】実施例1〜7で得られたポリカーボネート
樹脂組成物は、組成物中のGMS含量が大きく、また、
10000ショット後の金型汚染が少ない。また、色相安定
性にも優れている。これに対し、比較例1〜3で得られ
たポリカーボネート樹脂組成物は、金型汚染は少ないも
のの、色相安定性が不充分であり、380℃で10分間
の滞留後させると、大きく黄変した。また、比較例4お
よび5で得られたポリカーボネート樹脂組成物は、金型
汚染が多く、成形性が不充分であり、また、色相安定性
にも劣っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/36 C08K 5/36 5/52 5/52 5/521 5/521 5/524 5/524 G02B 1/04 G02B 1/04 6/00 391 6/00 391 G11B 7/24 526 G11B 7/24 526G (72)発明者 下 田 智 明 千葉県市原市千種海岸3番地 日本ジーイ ープラスチックス株式会社千葉事業所内 (72)発明者 木 村 隆 人 千葉県市原市千種海岸3番地 日本ジーイ ープラスチックス株式会社千葉事業所内 (72)発明者 南 暁 千葉県市原市千種海岸3番地 日本ジーイ ープラスチックス株式会社千葉事業所内 (72)発明者 波多野 成 栃木県真岡市鬼怒ケ丘2−2 日本ジーイ ープラスチックス株式会社内 (72)発明者 ロレンツァ コスタ オランダ国 ベルゲン オプ ツーム エ ーシー 4600 ジェネラル エレクトリッ ク プラスチック ベーファー内 Fターム(参考) 2H050 AB42Z 4F070 AA50 AC12 AC36 AC43 AC55 AC65 AE03 FA03 FA06 FC05 4J002 CG011 CG021 CG031 DH029 DH037 EH058 EN136 EV186 EV236 EV296 EW049 EW069 EW079 EW176 GP00 4J029 AA10 AB04 AB07 AC01 AE04 AE05 BB04A BB05A BB12A BB13A BD09A BE05A BF14A BH02 DB06 DB11 DB13 HA01 HC05A JA093 JA193 JA253 JB123 JB183 JC093 JC363 JC373 JC383 JC483 JC583 JC633 JD06 JF021 JF031 JF041 JF141 JF151 JF161 KD02 KD07 5D029 KA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノール類と炭酸ジエステルとをア
    ルカリ性化合物触媒の存在下に溶融重縮合させたのち、
    (a)pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合物また
    はその誘導体を、得られた反応生成物に対して、1〜1
    00ppmの量で添加し、さらに減圧下で撹拌し、 次いで、得られたポリカーボネート組成物(A)が溶融
    状態にある間に、 (A)ポリカーボネート組成物に対して、(B)亜リン
    酸を0.1〜10ppm、(C)pKa値が3以下である
    イオウ含有酸性化合物またはその誘導体を0.5〜5pp
    m、(D)エステル基含有アルコール化合物を50〜1
    000ppm、(E)水を5〜3000ppmの量で、添加
    し、混練することを特徴とする光学用ポリカーボネート
    組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】得られたポリカーボネート組成物(A)が
    溶融状態にある間に、(B)〜(E)とともに、さらに
    (F)亜リン酸エステルおよびリン酸トリメチルから選
    ばれる少なくとも1種の化合物を、ポリカーボネート組
    成物(A)に対して10〜1000ppmの量で、添加
    し、混練することを特徴とする請求項1に記載の光学用
    ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の方法で得られた光学用
    ポリカーボネート樹脂組成物。
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