JP2002160660A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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JP2002160660A
JP2002160660A JP2000358872A JP2000358872A JP2002160660A JP 2002160660 A JP2002160660 A JP 2002160660A JP 2000358872 A JP2000358872 A JP 2000358872A JP 2000358872 A JP2000358872 A JP 2000358872A JP 2002160660 A JP2002160660 A JP 2002160660A
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steering
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joystick
operation reaction
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JP2000358872A
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Nobuo Sugitani
伸夫 杉谷
Masaaki Kono
昌明 河野
Osamu Tsurumiya
修 鶴宮
Makoto Murata
真 村田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者の望む操作感覚に応じて運転操作子に
反力を与える車両の操舵装置を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 運転操作子(ジョイスティック)1の操
作に基づいて転舵アクチュエータ(ステアリングモー
タ)5を駆動して操舵を行う車両の操舵装置(運転操作
装置)Aであって、運転操作子1の操作量を検出する操
作量検出手段(転舵操作量センサ)2と、車両の挙動を
検出する挙動検出手段(ラック位置センサ、ヨーレート
センサ)10,20と、検出した操作量および車両の挙
動に基づいて運転操作子1に反力を与える反力手段(制
御装置、転舵操作反力モータ)4,8とを備える車両の
操舵装置Aにおいて、運転操作子1の操作モードを運転
者によって設定可能な操作モード設定手段(操作モード
スイッチ)21を備え、反力手段4は、操作モード設定
手段21からの操作モードに応じて反力の大きさを変更
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジョイスティック
等の運転操作子の操作に基づいて転舵アクチュエータを
駆動して操舵を行う車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者が操作を行うための操舵機構と転
舵輪を転舵させるための転舵機構とを分離し、この2つ
の機構をSBW(Steer By Wire)制御に
よって電気的に連動させる操舵装置が開発されている。
この操舵装置は、操舵機構としてジョイスティック等の
運転操作子を備え、この運転操作子の操作量に基づいて
目標転舵角を設定し、この目標転舵角に応じて転舵機構
によって転舵輪を転舵させる。さらに、この操舵装置
は、操舵機構に反力用モータを備え、運転者による運転
操作子への操作中に、反力用モータによって運転操作子
を介して運転者に反力を与え、車両の運転状態を運転操
作子に反映させる。この反力の大きさは、目標転舵角と
実際の転舵角との偏差に基づいて設定される場合や車両
のヨーレート等の車両挙動の状態量を加味して設定され
る場合等がある。なお、反力の大きさは、基本的には転
舵角の偏差に応じて設定され、車両挙動の状態量に対し
ては車両の挙動が発生した分が上乗せされる。
【0003】例えば、特開2000−108914号公
報には、操舵ハンドルの操作に応じてアクチュエータを
駆動制御することによって、転舵軸に連結された転舵輪
の転舵制御を行う操舵制御装置について開示されてい
る。この操舵制御装置は、検出した操舵角とヨーレート
等の車両挙動の状態量に基づいて反力の大きさを設定
し、反力付与手段によって操舵ハンドルに反力を付与す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た操舵制御装置では、運転者の好みや走行状況等にかか
わらず、検出した車両挙動の状態量に基づいて反力が与
えられる。そのため、運転者が受ける操作感覚が車両挙
動の状態量に基づいた一律な操作感覚となり、運転者に
とっては負担となる場合があった。例えば、ワインディ
ングロード等でスポーツ走行を行う場合、通常走行時と
同一の車両挙動の状態量に基づいた反力の大きさでは、
スポーツ走行時の反力の大きさとしては小さい。そのた
め、運転者が運転操作子に対する操作力を抑えながら運
転しなければならないので、運転者には微妙な操作力が
求められる。つまり、スポーツ走行時では運転操作子に
よる操作量を抑え(つまり、転舵輪の転舵量を抑え)な
がら車両の挙動を安定させて走行を行いたいので、運転
者としては運転操作子の操作量を抑制するために通常走
行時よりも大きな反力を望んでいる。特に、ジョイステ
ィック等の運転操作子は、ステアリングホイールと比較
して操作範囲が少ないので、運転者が望む操作感覚や走
行状況に応じた反力を必要とする。
【0005】そこで、本発明の課題は、運転者の望む操
作感覚に応じて運転操作子に反力を与える車両の操舵装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係る車両の操舵装置は、運転操作子の操作に基づい
て転舵アクチュエータを駆動して操舵を行う車両の操舵
装置であって、前記運転操作子の操作量を検出する操作
量検出手段と、前記車両の挙動を検出する挙動検出手段
と前記検出した操作量および車両の挙動に基づいて、前
記運転操作子に反力を与える反力手段とを備える車両の
操舵装置において、前記運転操作子の操作モードを運転
者によって設定可能な操作モード設定手段を備え、前記
反力手段は、前記操作モード設定手段からの操作モード
に応じて前記反力の大きさを変更することを特徴とす
る。この車両の操舵装置によれば、反力手段によって操
作モード設定手段で設定された操作モードに応じた大き
さの反力を運転操作子に与える。そのため、運転者は、
運転者が望む操作感覚に対応した反力を受けるので、運
転操作子に対する操作が快適になる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る車両の操舵装置の実施の形態について説明する。
【0008】本発明に係る車両の操舵装置は、運転操作
子の操作に基づいて転舵アクチュエータを駆動して操舵
を行う。また、この車両の操舵装置は、反力手段によっ
て検出した運転操作子の操作量および車両の挙動に基づ
いて運転操作子に反力を与える。さらに、この車両の操
舵装置は、運転者の望む操作感覚を提供するために、運
転操作子の操作モードを運転者によって設定可能な操作
モード設定手段を備え、設定された操作モードに応じた
大きさの反力を運転操作子に与える。
【0009】本実施の形態では、本発明に係る車両の操
舵装置を、運転操作子の操作量に応じて車両の加減速お
よび転舵をアクチュエータを介して制御する運転操作装
置に適用する。そのために、この運転操作装置は、運転
操作子としてジョイスティックを備え、ジョイスティッ
クの前方への操作量をスロットル操作量とし、後方への
操作量をブレーキ操作量とし、左右方向への操作量を転
舵操作量とする。また、この運転操作装置は、ブレーキ
液圧を変化させるためのブレーキアクチュエータ、スロ
ットル開度を変化させるスロットルアクチュエータおよ
び転舵アクチュエータとしてラック軸の位置を移動させ
るためのステアリングモータを備える。さらに、この運
転操作装置は、ジョイスティックの操作モードを運転者
によって設定可能な操作モードスイッチ(操作モード検
出手段)を備え、この操作モードスイッチで設定された
操作モードに応じた大きさの転舵操作反力を運転操作子
に与える。本実施の形態では、操作モードとして通常走
行用のノーマルモード、スポーツ走行用のスポーツモー
ドおよびゲーム感覚用のゲームモードを有する。なお、
本実施の形態では、前方は車両の進行方向であり、後方
は車両の後退方向であり、左方は進行方向に向かって左
側であり、右方は進行方向に向かって右側である。
【0010】まず、図1を参照して、運転操作装置Aの
全体構成について説明する。運転操作装置Aは、ジョイ
スティック1、転舵操作量センサ2、加減速操作量セン
サ3、制御装置4、ステアリングモータ5、スロットル
アクチュエータ6、ブレーキアクチュエータ7、転舵操
作反力モータ8、加減速操作反力モータ9、ラック位置
センサ10、スロットル開度センサ11、ブレーキ液圧
センサ12、傾動支持機構13、復帰機構15,16、
ヨーレートセンサ20、操作モードスイッチ21等から
構成される。なお、図1は、運転操作装置Aの全体構成
図である。なお、本実施の形態では、運転操作装置Aが
特許請求の範囲に記載の車両の操舵装置に相当し、ジョ
イスティック1が特許請求の範囲に記載の運転操作子に
相当し、転舵操作量センサ2が特許請求の範囲に記載の
操作量検出手段に相当し、ステアリングモータ5が特許
請求の範囲に記載の転舵アクチュエータに相当し、制御
装置4および転舵操作反力モータ8が特許請求の範囲に
記載の反力手段に相当し、ラック位置センサ10および
ヨーレートセンサ20が特許請求の範囲に記載の挙動検
出手段に相当し、操作モードスイッチ21が特許請求の
範囲に記載の操作モード設定手段に相当する。
【0011】まず、ジョイスティック1の構成について
説明する。運転操作装置Aは、車両の加減速操作および
転舵操作を行うためのジョイスティック1を備える。そ
のため、ジョイスティック1は、車両の進行方向に対し
て前後方向に傾動する操作ができるとともに左右方向に
も傾動する操作ができるように傾動支持機構13に支持
される(図2、図3参照)。そのため、ジョイスティッ
ク1は、円運動を描くように操作することができる。
【0012】ジョイスティック1を前後方向に傾動する
操作は、ジョイスティック1の前後方向の操作を可能と
する回転軸に備えられたポテンショメータ等からなる加
減速操作量センサ3により、その操作量が電圧として検
出(出力)されるようになっている。この操作量は、ジ
ョイスティック1の中立状態を基準にして、後方に傾動
する場合がブレーキ操作量であり、前方に傾動する場合
がスロットル操作量である。そして、加減速操作量セン
サ3は、検出した電圧を加減速操作量信号STBとして
制御装置4に送信する。ちなみに、このジョイスティッ
ク1を前後方向に傾動する操作が、車両への加減速操作
となる。
【0013】図7の(a)図を参照して、ジョイスティ
ック1の前後方向の操作量に対する加減速操作量センサ
3の出力の設定について説明する。なお、図7の(a)
図は、ジョイスティック1の前後方向の位置と加減速操
作量センサ3の出力との関係図である。この図から判る
ように、加減速操作量センサ3は、ジョイスティック1
を前方に傾動する操作を行うと出力を増加させ、後方に
傾動する操作を行うと出力を低下させるように設定され
る。そして、加減速操作量センサ3の出力は、基準値を
上回る部分がスロットル操作量であり、基準値を下回る
部分がブレーキ操作量である。したがって、加速操作お
よび減速操作(制動操作)とも、ジョイスティック1を
傾動する操作の度合いが大きくなればなるほど、加減速
操作量センサ3で検出(出力)されるスロットル操作量
およびブレーキ操作量も大きくなる。なお、スロットル
操作量かブレーキ操作量かの判断は、後記する制御装置
4の目標ブレーキ液圧設定部40および目標スロットル
開度設定部47で判断される(図5参照)。
【0014】また、ジョイスティック1を左右方向に傾
動する操作も、ジョイスティック1の左右方向の操作を
可能とする回転軸に備えられたポテンショメータ等から
なる転舵操作量センサ2により、その操作量が電圧とし
て検出(出力)されるようになっている。この場合の操
作量も、ジョイスティック1の中立状態を基準にして、
右側に傾動する場合が右側転舵操作量であり、左側に傾
動する場合が左側転舵操作量である。そして、転舵操作
量センサ2は、検出した電圧を転舵操作量信号SSRと
して制御装置4に送信する。ちなみに、このジョイステ
ィック1を左右方向に傾動する操作が、車両への転舵操
作となる。
【0015】図7の(b)図を参照して、ジョイスティ
ック1の左右方向の操作量に対する転舵操作量センサ2
の出力の設定について説明する。なお、図7の(b)図
は、ジョイスティック1の左右方向の位置と転舵操作量
センサ2の出力との関係図である。この図から判るよう
に、転舵操作量センサ2は、ジョイスティック1を右側
に傾動する操作を行うと出力を増加させ、左側に傾動す
る操作を行うと出力を低下させるように設定される。そ
して、転舵操作量センサ2の出力は、基準値を上回る部
分が右側転舵操作量であり、基準値を下回る部分が左側
転舵操作量である。したがって、右側転舵操作および左
側転舵操作は、ジョイスティック1を傾動する操作の度
合いが大きくなればなるほど、転舵操作量センサ2で検
出(出力)される右側転舵操作量および左側転舵操作量
も大きくなる。なお、右側転舵操作量か左側転舵操作量
かの判断は、後記する制御装置4の目標ラック位置設定
部52で判断される(図6参照)。
【0016】なお、傾動支持機構13は、ジョイスティ
ック1を前後方向に傾動する操作に対して、その操作量
が多くなればなるほど受動的にジョイスティック1を中
立状態に復帰する力が大きく発生するような、バネ(弾
性体)を用いた復帰機構15,16を有している(図2
乃至図4参照)。
【0017】ここで、図2乃至図4を参照して、ジョイ
スティック1と傾動支持機構13との構成を詳細に説明
しておく。なお、図2は、ジョイスティック1の傾動支
持機構13の一部破断側面図である。図3は、ジョイス
ティック1の傾動支持機構13の一部破断平面図であ
る。図4は、ジョイスティック1の復帰機構15,16
の一部破断正面図である。
【0018】ジョイスティック1は、車両の運転者が片
手で操作できるように、運転席の例えば左側近傍に配置
されている。ジョイスティック1は、パイプ状のスティ
ック本体1Aの上端に操作グリップ1Bが固定された構
造を有し、スティック本体1Aの下端部が傾動支持機構
13を介して左右方向および前後方向に傾動自在に支持
されている。なお、この傾動支持機構13は、スティッ
ク本体1Aに外装されたブーツ14によって覆われてい
る(図1参照)。
【0019】傾動支持機構13は、ジョイスティック1
を左右の転舵方向に傾動操作自在に支持する機構とし
て、スティック本体1Aの下端部を前後方向に貫通して
これに固定された左右傾動用支持軸13Aと、この左右
傾動用支持軸13Aの前後の両端部をベアリングBRG
を介して回転自在に支持する傾動支持ベース13Bとを
備えている。この傾動支持ベース13Bは、平面視にお
いて上方が開口した左右方向に長い概略長方形の枠状に
形成されている。また、ジョイスティック1を傾動支持
ベース13Bと共に前後の加減速方向に傾動操作自在に
支持する機構として、傾動支持ベース13Bの左右の端
部に同軸状に突設された一対の前後傾動用支持ピン13
Cと、この一対の前後傾動用支持ピン13Cをベアリン
グBRGを介して回転自在に支持する固定支持ベース1
3Dとを備えている。この固定支持ベース13Dは、左
右の両端部に側壁を有する上方が開口したコ字状に形成
されている。
【0020】さらに、ジョイスティック1のスティック
本体1Aと傾動支持機構13の傾動支持ベース13Bと
の間には、ジョイスティック1を左右の転舵操作方向の
中立状態に復帰させる復帰機構15が設けられている。
また、傾動支持機構13の傾動支持ベース13Bと固定
支持ベース13Dとの間には、傾動支持ベース13Bと
共にジョイスティック1を前後の加減速操作方向の中立
状態に復帰させる復帰機構16が設けられている。
【0021】復帰機構15および復帰機構16は、略同
様に構成されているため、その一方の復帰機構15につ
いて説明し、他方の復帰機構16については説明を省略
する。この復帰機構15は、傾動支持ベース13Bから
スティック本体1Aへ向けて左右傾動用支持軸13Aと
平行に突設された固定ピン15Aと、スティック本体1
Aから傾動支持ベース13Bへ向けて左右傾動用支持軸
13Aと平行に突設された回動ピン15Bと、左右傾動
用支持軸13Aに巻装された巻バネ15Cとで構成され
ている。固定ピン15Aは、左右傾動用支持軸13Aの
軸心を通る鉛直線上に配置して左右傾動用支持軸13A
の上方に配置されている。また、巻バネ15Cは、その
両端部を放射方向に折り曲げた係止部15Dが固定ピン
15Aに交差状態で係止されている。一方、回動ピン1
5Bは、スティック本体1Aの傾動操作に応じて巻バネ
15Cの一対の係止部15Dのいずれか一方を押動する
ように、交差状態の一対の係止部15Dの間に挿入され
ている。そして、この回動ピン15Bが一対の係止部1
5Dに押動されて固定ピン15Aの下方に位置すると、
ジョイスティック1が略垂直に起立して左右の転舵操作
方向の中立状態に停止するように構成されている。
【0022】また、傾動支持機構13は、運転者による
ジョイスティック1の操作に対して、ジョイスティック
1の動きに反力を加える反力発生手段を有する(反力の
方向および大きさについては後記する)。この反力発生
手段は、ジョイスティック1の前後方向の回転軸の動き
に反力を加える加減速操作反力モータ9、およびジョイ
スティック1の左右方向の回転軸の動きに反力を加える
転舵操作反力モータ8を有する(図1参照)。加減速操
作反力モータ9は、制御装置4が生成する加減速操作反
力モータ駆動電圧RSBに基づいて駆動される。また、
転舵操作反力モータ8は、制御装置4が生成する転舵操
作反力モータ駆動電圧RSRに基づいて駆動される。な
お、加減速操作反力モータ駆動電圧RSBおよび転舵操
作反力モータ駆動電圧RSRの大きさおよび印加方向は
制御装置4により設定されるが、この点は後記する。
【0023】次に、図1に戻って、運転操作装置Aにお
けるブレーキ系の構成を説明する。この車両のブレーキ
系は、通常の車両と異なりブレーキペダルを有しない。
その代わりに、ジョイスティック1がブレーキペダルの
役割を有し、前記したように、中立状態のジョイスティ
ック1を後方に傾動する操作を行うとブレーキが効くよ
うになっている。
【0024】また、この車両のブレーキ系は、エンジン
の負圧等を利用するブレーキ倍力装置やマスタシリンダ
等を有しない。その代わりに、トラクションコントロー
ルシステム(TCS)やアンチブレーキロックシステム
(ABS)のような、ブレーキ液圧発生用のポンプおよ
びブレーキ液圧制御用の比例電磁弁を有し、ポンプが発
生したブレーキ液圧を、比例電磁弁を介してホイールシ
リンダに作用させるようになっている。なお、ブレーキ
アクチュエータ7は、前記した比例電磁弁に相当し、制
御装置4が生成するブレーキアクチュエータ駆動電圧D
BAに基づいて駆動される。
【0025】次に、運転操作装置Aにおけるスロットル
系の構成を説明する。この車両のスロットル系は、通常
の車両と異なりスロットルペダル(アクセルペダル)を
有しない。その代わりに、ジョイスティック1がスロッ
トルペダルの役割を有し、前記したように、中立状態の
ジョイスティック1を前方に傾動する操作を行うとスロ
ットル弁が開くようになっている。
【0026】この車両のスロットル弁は、弁駆動モータ
により駆動される。なお、スロットルアクチュエータ6
は、前記した弁駆動モータに相当し、制御装置4が生成
するスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAに基づい
て駆動される。
【0027】次に、運転操作装置Aにおける転舵系の構
成を説明する。この車両の転舵系は、通常の車両と異な
りステアリングホイールを有しない。その代わりに、ジ
ョイスティック1がステアリングホイールの役割を有
し、前記したように、中立状態のジョイスティック1を
左側に傾動する操作を行うと、転舵輪W,Wが左側に転
舵するようになっている。また、左側に傾動したジョイ
スティック1を中立状態に戻す操作を行うと、転舵輪
W,Wが中立状態に戻るようになっている。一方、中立
状態のジョイスティック1を右側に傾動する操作を行う
と転舵輪W,Wが右側に転舵するようになっている。ま
た、右側に傾動したジョイスティック1を中立状態に戻
す操作を行うと、転舵輪W,Wが中立状態に戻るように
なっている。
【0028】また、この車両は、運転者の操舵力をラッ
ク軸18に伝達するステアリング軸やラックアンドピニ
オン機構等を有しない。その代わりに、ラック軸18を
軸方向に動かすステアリングモータ(ステアリングアク
チュエータ)5およびボールねじ機構17を有する。な
お、ステアリングモータ5は車体フレームに対して固定
され、ステアリングモータ5の回転運動をボールねじ機
構17を介してラック軸18の直線運動に変換してい
る。これにより、ステアリングモータ5が発生する回転
トルクがラック軸18の軸力に変換され、ラック軸18
に生じた軸力は、ラック軸18の端部のタイロッド1
9,19を介して転舵輪W,Wの転舵トルクへと変換さ
れる。なお、ステアリングモータ5は、制御装置4が生
成するステアリングモータ駆動電圧DSMに基づいて駆
動される。
【0029】さらに、運転操作装置Aを制御装置4で制
御するために、車両には各種情報を制御装置4に取り込
むためのセンサが設けられる。ラック位置センサ10
は、ラック軸18の左右方向の直線運動におけるラック
位置を検出し、ラック位置信号SRを制御装置4に送信
する。スロットル開度センサ11は、スロットル弁の開
度を検出し、スロットル開度信号STを制御装置4に送
信する。ブレーキ液圧センサ12は、ホイールシリンダ
のブレーキ液圧を検出し、ブレーキ液圧信号SBを制御
装置4に送信する。また、ヨーレートセンサ20は、車
両の横方向の運動状態としてヨーレートを検出し、ヨー
レート信号SYを制御装置4に送信する。
【0030】また、車両には、転舵操作時に運転者の望
む操作感覚をジョイスティック1に転舵操作反力として
与えるために、操作モードスイッチ21が設けられる。
操作モードスイッチ21は、3段階の切り替え式のスイ
ッチであり、ノーマルモード、スポーツモードおよびゲ
ームモードのいずれかに切り替えることができる。そし
て、操作モードスイッチ21は、運転者によって設定さ
れた操作モードを操作モード信号SMとして制御装置4
に送信する。なお、ノーマルモードは、ジョイスティッ
ク1からの転舵操作反力として通常走行用の転舵操作反
力が得られるモードである。スポーツモードは、ジョイ
スティック1からの転舵操作反力としてスポーツ走行用
の大きさの転舵操作反力が得られるモードであり、ノー
マルモードより大きな転舵操作反力となる。ゲームモー
ドは、ジョイスティック1からの転舵操作反力として、
ゲームのジョイスティックのように転舵操作反力が得ら
れないかまたは殆ど得られないモードである。
【0031】次に、図5および図6を参照して、制御装
置4の構成について説明する。制御装置4は、ジョイス
ティック1の操作に基づいてステアリングモータ5、ス
ロットルアクチュエータ6およびブレーキアクチュエー
タ7を制御するとともに、ジョイスティック1に操作反
力を与えるために転舵操作反力モータ8および加減速操
作反力モータ9を制御する。そのために、制御装置4
は、ブレーキ制御部4A、ブレーキ操作反力制御部4
B、スロットル制御部4C、スロットル操作反力制御部
4D、転舵制御部4Eおよび転舵操作反力制御部4Fを
有する。なお、図5は、制御装置4のブレーキ制御部4
A、ブレーキ操作反力制御部4B、スロットル制御部4
Cおよびスロットル操作反力制御部4Dの構成図であ
る。図6は、制御装置4の転舵制御部4Eおよび転舵操
作反力制御部4Fの構成図である。
【0032】なお、制御装置4は、RAM(Rando
m Access Memory)、ROM(Read
Only Memory)、CPU(Central
Processing Unit)およびI/Oイン
ターフェース等からなるマイクロコンピュータ(図示せ
ず)を備えるとともに、各種モータを駆動する駆動回路
を備える。また、制御装置4は、取り込んだセンサ信号
をディジタル信号に変換し、センサ信号をディジタル信
号で取り扱う。
【0033】まず、図5を参照して、ブレーキ制御部4
Aについて説明する。ブレーキ制御部4Aは、運転者に
よるジョイスティック1の加減速操作のブレーキ操作量
に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに作用させる
制御を行う。そのために、ブレーキ制御部4Aは、目標
ブレーキ液圧設定部40、偏差演算部41、ブレーキア
クチュエータ制御信号出力部42およびブレーキアクチ
ュエータ駆動回路43を備える。なお、ブレーキ制御部
4Aのうち、ブレーキアクチュエータ駆動回路43を除
いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュー
タにソフトウェア的に構成される。
【0034】目標ブレーキ液圧設定部40は、加減速操
作量センサ3からの加減速操作量信号STBが入力さ
れ、目標ブレーキ液圧信号を偏差演算部41に出力す
る。目標ブレーキ液圧設定部40は、ブレーキ操作量に
応じた加減速操作量信号STBに基づいてブレーキマッ
プを検索し、ホイールシリンダに加えるべき目標ブレー
キ液圧信号を設定する(図8の(a)図参照)。なお、
ブレーキマップは、ブレーキ操作量が大きくなれば目標
ブレーキ液圧も大きくなるように設定されている。ただ
し、加減速操作量信号STBとブレーキ操作量との関係
は、加減速操作量センサ3の出力が小さいほどブレーキ
操作量が大きくなるというものである(図7の(a)図
参照)。したがって、ブレーキマップは、加減速操作量
センサ3の出力が0から基準値まで増加するに従って、
目標ブレーキ液圧が減少するように設定される(図8の
(a)図参照)。なお、図8の(a)図は、加減速操作
量センサ3の出力と目標ブレーキ液圧との関係図であ
る。
【0035】偏差演算部41は、ブレーキ液圧センサ1
2からのブレーキ液圧信号SBおよび目標ブレーキ液圧
設定部40からの目標ブレーキ液圧信号が入力され、偏
差信号をブレーキアクチュエータ制御信号出力部42お
よび目標ブレーキ操作反力設定部44に出力する。偏差
演算部41は、目標ブレーキ液圧信号からブレーキ液圧
信号SBを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0036】ブレーキアクチュエータ制御信号出力部4
2は、偏差演算部41からの偏差信号が入力され、ブレ
ーキ制御信号をブレーキアクチュエータ駆動回路43に
出力する。ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42
は、PID(Proportional Integr
al Differential)コントローラおよび
PWM(Pulse Width Modulatio
n)信号発生部等を備える。まず、ブレーキアクチュエ
ータ制御信号出力部42は、偏差信号にP(比例)、I
(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づ
けるためにブレーキアクチュエータ7に供給する電流値
を示すPID制御信号を生成する。続いて、ブレーキア
クチュエータ制御信号出力部42は、このPID制御信
号に基づいて、ブレーキアクチュエータ7に供給する電
流値に対応したPWM信号を生成し、ブレーキ制御信号
とする。
【0037】ブレーキアクチュエータ駆動回路43は、
ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42からのブレ
ーキ制御信号が入力され、ブレーキアクチュエータ駆動
電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に出力する。ブ
レーキアクチュエータ駆動回路43は、ブレーキ制御信
号に基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAを
ブレーキアクチュエータ7に印加し、ブレーキアクチュ
エータ7を駆動する。そのために、ブレーキアクチュエ
ータ駆動回路43は、各車輪毎に設けられた比例電磁弁
に対応するように設けられた4つのFET(Field
EffectTransistor:電界効果トラン
ジスタ)および電源電圧(12v)で構成される(図示
せず)。そして、ブレーキアクチュエータ駆動回路43
は、4つのFETの各ゲートにブレーキ制御信号が入力
されると、このブレーキ制御信号に基づいて4つのFE
TがON/OFFし、ブレーキアクチュエータ7にブレ
ーキアクチュエータ駆動電圧DBAを印加する。する
と、ブレーキアクチュエータ7には電流が流れてブレー
キアクチュエータ7が駆動され(つまり、比例電磁弁が
開閉駆動され)、ジョイスティック1のブレーキ操作量
に応じてホイールシリンダのブレーキ液圧が制御され
る。
【0038】次に、図5を参照して、ブレーキ操作反力
制御部4Bについて説明する。ブレーキ操作反力制御部
4Bは、運転者がジョイスティック1を後方に傾動する
操作を行う際(つまり、ブレーキを効かせる操作を行う
際)、加減速操作反力モータ9を駆動して能動的にブレ
ーキ操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を
行う。そのために、ブレーキ操作反力制御部4Bは、目
標ブレーキ操作反力設定部44、加減速操作反力モータ
制御信号出力部45および加減速操作反力モータ駆動回
路46を備える。なお、ブレーキ操作反力制御部4Bの
うち、加減速操作反力モータ駆動回路46を除いた部分
は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフ
トウェア的に構成される。
【0039】目標ブレーキ操作反力設定部44は、偏差
演算部41からの偏差信号が入力され、目標ブレーキ操
作反力信号を加減速操作反力モータ制御信号出力部45
に出力する。目標ブレーキ操作反力設定部44は、偏差
信号に所定のゲインを乗じて目標ブレーキ操作反力信号
を設定する。なお、目標ブレーキ操作反力設定部44
は、偏差信号が「プラスの値」である場合には偏差信号
に応じた目標ブレーキ操作反力信号を設定し、偏差信号
が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標ブレ
ーキ操作反力信号をゼロに設定する。このように目標ブ
レーキ操作反力信号を設定するのは、ブレーキ力を増す
場合(通常の車両におけるブレーキペダルを踏み増す場
合)にのみブレーキ操作反力を生じさせるためである。
このため、ブレーキ力を減じるようなジョイスティック
1の操作を行う場合(ジョイスティック1を中立状態に
戻す操作を行う場合)には、ブレーキ操作反力(ジョイ
スティック1の動きの方向に反する力)は生じない。ち
なみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標ブレー
キ操作反力設定部44がジョイスティック1の戻りをア
シストするように目標ブレーキ操作反力信号を設定する
ようにしてもよい。
【0040】加減速操作反力モータ制御信号出力部45
は、目標ブレーキ操作反力設定部44からの目標ブレー
キ操作反力信号が入力され、ブレーキ操作反力制御信号
を加減速操作反力モータ駆動回路46に出力する。加減
速操作反力モータ制御信号出力部45は、PWM信号発
生部等を備える。加減速操作反力モータ制御信号出力部
45は、目標ブレーキ操作反力信号に基づいて、加減速
操作反力モータ9に供給する電流の向きと電流値に対応
したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、ブレー
キ操作反力制御信号とする。
【0041】加減速操作反力モータ駆動回路46は、加
減速操作反力モータ制御信号出力部45からのブレーキ
操作反力制御信号が入力され、加減速操作反力モータ駆
動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に出力する。加
減速操作反力モータ駆動回路46は、ブレーキ操作反力
制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RS
Bを加減速操作反力モータ9に印加し、加減速操作反力
モータ9を駆動する。そのために、加減速操作反力モー
タ駆動回路46は、4つのFETのスイッチング素子か
らなるブリッジ回路および電源電圧(12v)で構成さ
れる(図示せず)。加減速操作反力モータ駆動回路46
は、4つのFETの各ゲートにブレーキ操作反力制御信
号が入力されると、ブレーキ操作反力制御信号に基づい
て4つのFETがON/OFFし、加減速操作反力モー
タ9に加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを印加す
る。すると、加減速操作反力モータ9には電流が流れて
加減速操作反力モータ9が正転または逆転駆動され、ジ
ョイスティック1のブレーキ操作反力が制御される。
【0042】したがって、運転者がジョイスティック1
によりホイールシリンダにおけるブレーキ液圧を増加す
る操作を行う際には、ジョイスティック1に対してブレ
ーキ操作反力が与えられる。このブレーキ操作反力の大
きさは、ジョイスティック1の傾動支持機構13におけ
る現在位置を基準にして、ジョイスティック1を大きく
かつ素早く後方に傾動する操作をすればするほど、ジョ
イスティック1には大きなブレーキ操作反力が生じるよ
うになる。
【0043】次に、図5を参照して、スロットル制御部
4Cについて説明する。スロットル制御部4Cは、運転
者によるジョイスティック1の加減速操作のスロットル
操作量に応じた開度になるように、スロットル弁を制御
する。そのために、スロットル制御部4Cは、目標スロ
ットル開度設定部47、偏差演算部48、スロットルア
クチュエータ制御信号出力部49およびスロットルアク
チュエータ駆動回路50を備える。なお、スロットル制
御部4Cのうち、スロットルアクチュエータ駆動回路5
0を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコン
ピュータにソフトウェア的に構成される。
【0044】目標スロットル開度設定部47は、加減速
操作量センサ3からの加減速操作量信号STBが入力さ
れ、目標スロットル開度信号を偏差演算部48に出力す
る。目標スロットル開度設定部47は、スロットル操作
量に応じた加減速操作量信号STBに基づいてスロット
ルマップを検索し、目標スロットル開度信号を設定する
(図8の(b)図参照)。なお、スロットルマップは、
スロットル操作量が大きくなれば目標スロットル開度も
大きくなるように設定されている。このため、スロット
ルマップは、加減速操作量センサ3の出力が基準値から
増加するに従って、目標スロットル開度が増加するよう
に設定される(図8の(b)図参照)。なお、図8の
(b)図は、加減速操作量センサ3の出力と目標スロッ
トル開度との関係図である。
【0045】偏差演算部48は、スロットル開度センサ
11からのスロットル開度信号STおよび目標スロット
ル開度設定部47からの目標スロットル開度信号が入力
され、偏差信号をスロットルアクチュエータ制御信号出
力部49および目標スロットル操作反力設定部51に出
力する。偏差演算部48は、目標スロットル開度信号か
らスロットル開度信号STを減算し、その減算値を偏差
信号とする。
【0046】スロットルアクチュエータ制御信号出力部
49は、偏差演算部48からの偏差信号が入力され、ス
ロットル制御信号をスロットルアクチュエータ駆動回路
50に出力する。スロットルアクチュエータ制御信号出
力部49は、PIDコントローラおよびPWM信号発生
部等を備える。まず、スロットルアクチュエータ制御信
号出力部49は、偏差信号にP(比例)、I(積分)お
よびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるために
スロットルアクチュエータ6に供給する電流の向きと電
流値とを示すPID制御信号を生成する。続いて、スロ
ットルアクチュエータ制御信号出力部49は、このPI
D制御信号に基づいて、スロットルアクチュエータ6に
供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オ
ン信号、オフ信号を生成し、スロットル制御信号とす
る。
【0047】スロットルアクチュエータ駆動回路50
は、スロットルアクチュエータ制御信号出力部49から
のスロットル制御信号が入力され、スロットルアクチュ
エータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に
出力する。スロットルアクチュエータ駆動回路50は、
スロットル制御信号に基づいてスロットルアクチュエー
タ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に印加
し、スロットルアクチュエータ6を駆動する。そのため
に、スロットルアクチュエータ駆動回路50は、4つの
FETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および
電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。4つの
FETの各ゲートにスロットル制御信号が入力される
と、スロットル制御信号に基づいて4つのFETがON
/OFFし、スロットルアクチュエータ6にスロットル
アクチュエータ駆動電圧DSAが印加される。すると、
スロットルアクチュエータ6には電流が流れてスロット
ルアクチュエータ6が正転または逆転駆動され(つま
り、弁駆動モータが駆動され)、ジョイスティック1の
スロットル操作量に応じてスロットル弁の開度が制御さ
れる。
【0048】次に、図5を参照して、スロットル操作反
力制御部4Dについて説明する。スロットル操作反力制
御部4Dは、運転者がジョイスティック1を前方に傾動
する操作を行う際(つまり、エンジンの出力を増加する
操作を行う際)、加減速操作反力モータ9を駆動して能
動的にスロットル操作反力をジョイスティック1に作用
させる制御を行う。そのために、スロットル操作反力制
御部4Dは、目標スロットル操作反力設定部51、加減
速操作反力モータ制御信号出力部45および加減速操作
反力モータ駆動回路46を備える。なお、スロットル操
作反力制御部4Dのうち、加減速操作反力モータ駆動回
路46を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロ
コンピュータにソフトウェア的に構成される。また、ス
ロットル操作反力制御部4Dは、加減速操作反力モータ
制御信号出力部45および加減速操作反力モータ駆動回
路46を、ブレーキ操作反力制御部4Bと共用する構成
である。
【0049】目標スロットル操作反力設定部51は、偏
差演算部48からの偏差信号が入力され、目標スロット
ル操作反力信号を加減速操作反力モータ制御信号出力部
45に出力する。目標スロットル操作反力設定部51
は、偏差信号に所定のゲインを乗じて目標スロットル操
作反力信号を設定する。なお、この目標スロットル操作
反力設定部51は、偏差信号が「プラスの値」である場
合には偏差信号に応じた目標スロットル操作反力信号を
設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である
場合には目標スロットル操作反力信号をゼロに設定す
る。このように目標スロットル操作反力信号を設定する
のは、スロットルを増す場合(通常の車両におけるアク
セルペダルを踏み増す場合)にのみスロットル操作反力
を生じさせるためである。このため、スロットルを減じ
るようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイ
スティック1を中立状態に戻す操作を行う場合)には、
スロットル操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号が
マイナスの値の場合は、目標スロットル操作反力設定部
51がジョイスティック1の戻りをアシストするように
目標スロットル操作反力信号を設定するようにしてもよ
い。
【0050】加減速操作反力モータ制御信号出力部45
は、目標スロットル操作反力設定部51からの目標スロ
ットル操作反力信号が入力され、スロットル操作反力制
御信号を加減速操作反力モータ駆動回路46に出力す
る。加減速操作反力モータ制御信号出力部45は、目標
スロットル操作反力信号に基づいて、加減速操作反力モ
ータ9に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM
信号、オン信号、オフ信号を生成し、スロットル操作反
力制御信号とする。
【0051】加減速操作反力モータ駆動回路46は、加
減速操作反力モータ制御信号出力部45からのスロット
ル操作反力制御信号が入力され、加減速操作反力モータ
駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に出力する。
加減速操作反力モータ駆動回路46は、スロットル操作
反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧
RSBを加減速操作反力モータ9に印加し、加減速操作
反力モータ9を駆動する。加減速操作反力モータ駆動回
路46は、4つのFETの各ゲートにスロットル操作反
力制御信号が入力されると、スロットル操作反力制御信
号に基づいて4つのFETがON/OFFし、加減速操
作反力モータ9に加減速操作反力モータ駆動電圧RSB
を印加する。すると、加減速操作反力モータ9には電流
が流れて加減速操作反力モータ9が正転または逆転駆動
され、ジョイスティック1のスロットル操作反力が制御
される。
【0052】したがって、運転者がジョイスティック1
によりスロットル開度を増加する操作を行う際には、ジ
ョイスティック1に対してスロットル操作反力が与えら
れる。このスロットル操作反力の大きさは、ジョイステ
ィック1の傾動支持機構13における現在位置を基準に
して、ジョイスティック1を大きくかつ素早く前方に傾
動する操作をすればするほど、ジョイスティック1には
大きなスロットル操作反力が生じるようになる。
【0053】次に、図6を参照して、転舵制御部4Eに
ついて説明する。転舵制御部4Eは、運転者によるジョ
イスティック1の転舵操作の転舵操作量に応じて、転舵
輪W,Wを転舵する制御を行う。そのために、転舵制御
部4Eは、目標ラック位置設定部52、偏差演算部5
3、ステアリングモータ制御信号出力部54およびステ
アリングモータ駆動回路55を備える。なお、転舵制御
部4Eのうち、ステアリングモータ駆動回路55を除い
た部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータ
にソフトウェア的に構成される。
【0054】目標ラック位置設定部52は、転舵操作量
センサ2からの転舵操作量信号SSRが入力され、目標
ラック位置信号を偏差演算部53に出力する。目標ラッ
ク位置設定部52は、右側転舵操作量および左側転舵操
作量に応じた転舵操作量信号SSRに基づいて転舵マッ
プを検索し、目標ラック位置信号を設定する。なお、転
舵マップは、右側転舵操作量が大きくなればこれに応じ
て目標ラック位置が左側(転舵輪W,Wの切れ角として
は右転舵)に移動するように設定されるとともに、左側
転舵操作量が大きくなればこれに応じて目標ラック位置
が右側(転舵輪W,Wの切れ角としては左転舵)に移動
するように設定されている(図9参照)。ただし、転舵
操作量信号SSRと左側転舵操作量との関係は、転舵操
作量センサ2の出力が小さいほど左側転舵操作量が大き
くなるというものである(図7の(b)図参照)。した
がって、転舵マップは、転舵操作量センサ2の出力が基
準値から減少するに従って目標ラック位置がラック中立
位置から右側に移動し、転舵操作量センサ2の出力が基
準値から増加するに従って目標ラック位置がラック中立
位置から左側に移動するように設定される(図9参
照)。なお、図9は、転舵操作量センサ2の出力と目標
ラック位置との関係図である。
【0055】偏差演算部53は、ラック位置センサ10
からのラック位置信号SRおよび目標ラック位置設定部
52からの目標ラック位置信号が入力され、偏差信号を
ステアリングモータ制御信号出力部54および目標転舵
操作反力設定部56に出力する。偏差演算部53は、目
標ラック位置信号からラック位置信号SRを減算し、そ
の減算値を偏差信号とする。
【0056】ステアリングモータ制御信号出力部54
は、偏差演算部53からの偏差信号が入力され、ステア
リング制御信号をステアリングモータ駆動回路55に出
力する。ステアリングモータ制御信号出力部54は、P
IDコントローラおよびPWM信号発生部等を備える。
まず、ステアリングモータ制御信号出力部54は、偏差
信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を
行い、偏差を0に近づけるためにステアリングモータ5
に供給する電流の向きと電流値とを示すPID制御信号
を生成する。続いて、ステアリングモータ制御信号出力
部54は、このPID制御信号に基づいて、ステアリン
グモータ5に供給する電流の向きと電流値に対応したP
WM信号、オン信号、オフ信号を生成し、ステアリング
制御信号とする。
【0057】ステアリングモータ駆動回路55は、ステ
アリングモータ制御信号出力部54からのステアリング
制御信号が入力され、ステアリングモータ駆動電圧DS
Mをステアリングモータ5に出力する。ステアリングモ
ータ駆動回路55は、ステアリング制御信号に基づいて
ステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモー
タ5に印加し、ステアリングモータ5を駆動する。その
ために、ステアリングモータ駆動回路55は、4つのF
ETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電
源電圧(12v)で構成される(図示せず)。そして、
ステアリングモータ駆動回路55は、4つのFETの各
ゲートにステアリング制御信号が入力されると、ステア
リング制御信号に基づいて4つのFETがON/OFF
し、ステアリングモータ5にステアリングモータ駆動電
圧DSMを印加する。すると、ステアリングモータ5に
は電流が流れてステアリングモータ5が正転または逆転
駆動され、ジョイスティック1のステアリング操作量に
応じてラック軸18のラック位置が制御される。
【0058】次に、図6を参照して、転舵操作反力制御
部4Fについて説明する。転舵操作反力制御部4Fは、
運転者がジョイスティック1を左右方向に傾動する操作
を行う際(つまり、転舵操作を行う際)、転舵操作反力
モータ8を駆動して能動的に転舵操作反力をジョイステ
ィック1に作用させる制御を行う。さらに、転舵操作反
力制御部4Fは、操作モードスイッチ21で設定されて
いる操作モード(ノーマルモード、スポーツモード、ゲ
ームモード)に応じて転舵操作反力の大きさを変化させ
る。そのために、転舵操作反力制御部4Fは、目標転舵
操作反力設定部56、転舵操作反力モータ制御信号出力
部57および転舵速操作反力モータ駆動回路58を備え
る。なお、転舵操作反力制御部4Fのうち、転舵操作反
力モータ駆動回路58を除いた部分は、制御装置4を構
成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成さ
れる。
【0059】目標転舵操作反力設定部56は、操舵操作
量センサ2からの操舵操作量信号SSR、ヨーレートセ
ンサ20からのヨーレート信号SY、操作モードスイッ
チ21からの操作モード信号SMおよび偏差演算部53
からの偏差信号が入力され、目標転舵操作反力信号を転
舵操作反力モータ制御信号出力部57に出力する。目標
転舵操作反力設定部56は、ヨーレート信号SYおよび
偏差信号に基づいて(1)式から目標転舵操作反力を求
め、目標転舵操作反力信号を設定する。
【0060】 CS=Kp・(CR−RR)+Ky・γ・・・(1) CS・・・目標転舵操作反力 CR・・・目標ラック位置 RR・・・実際のラック位置 γ・・・・ヨーレート Kp・・・ラック位置に対するゲイン係数(一定値) Ky・・・ヨーレートに対するゲイン係数(可変値) なお、目標ラック位置CRは転舵輪W,Wに対する目標
転舵角に相当するものであり、実際のラック位置RRは
転舵輪W,Wの実際の転舵角に相当するものである。ま
た、目標転舵操作反力は、(CR−RR)は偏差演算部
53からの偏差信号に基づき、γはヨーレート信号に基
づいて算出される。
【0061】まず、目標転舵操作反力設定部56は、操
作モード信号SMに応じてヨーレートに対するゲイン係
数Kyを変更し、操作モード信号SMに応じて目標転舵
操作反力を算出する。例えば、ヨーレートに対するゲイ
ン係数Kyは、ノーマルモードの場合には0.5、スポ
ーツモードの場合には1、ゲームモードの場合には0と
する。すると、スポーツモードの場合にはノーマルモー
ドに比べて目標転舵操作反力が増加し、ジョイスティッ
ク1に作用する転舵操作反力が大きくなる。また、ゲー
ムモードの場合にはノーマルモードに比べて目標転舵操
作反力が減少し、ジョイスティック1に作用する転舵操
作反力が小さくなる。なお、ジョイスティック1には転
舵操舵反力モータ8による前記(1)式から求められる
反力と復帰機構15による機械的な反力が作用してい
る。
【0062】さらに、目標転舵操作反力設定部56は、
操舵操作量信号SSRに基づいて転舵輪W,Wが右側転
舵状態か左側転舵状態かを判断し、次のように目標転舵
操作反力を設定する。
【0063】目標転舵操作反力設定部56は、「右側転
舵状態」かつ偏差信号が「プラスの値」である場合には
偏差信号およびヨーレートに応じた目標転舵操作反力信
号を設定し、「右側転舵状態」かつ偏差信号が「ゼロお
よびマイナスの値」である場合には目標転舵操作反力信
号をゼロに設定する。このように目標転舵操作反力信号
を設定するのは、右側転舵量を増す場合に転舵操作反力
を生じさせるためである。このため、右側転舵量を減じ
るようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイ
スティック1を中立状態に戻す操作を行う場合)には、
転舵操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナ
スの値の場合は、目標転舵操作反力設定部56がジョイ
スティック1の戻りをアシストするように目標転舵操作
反力信号を設定するようにしてもよい。
【0064】また、目標転舵操作反力設定部56は、
「左側転舵状態」かつ偏差信号が「マイナスの値」であ
る場合には偏差信号およびヨーレートに応じた目標転舵
操作反力信号を設定し、「左側転舵状態」かつ偏差信号
が「ゼロおよびプラスの値」である場合には目標転舵操
作反力信号をゼロに設定する。このように目標転舵操作
反力信号を設定するのは、左側転舵量を増す場合に転舵
操作反力を生じさせるためである。このため、左側転舵
量を減じるようなジョイスティック1の操作を行う場合
(ジョイスティック1を中立状態に戻す操作を行う場
合)には、転舵操作反力は生じない。なお、右側転舵状
態と同様にして、ジョイスティック1の戻りをアシスト
するように目標転舵操作反力を設定するようにしてもよ
い。
【0065】転舵操作反力モータ制御信号出力部57
は、目標転舵操作反力設定部56からの目標転舵操作反
力信号が入力され、転舵操作反力制御信号を転舵操作反
力モータ駆動回路58に出力する。転舵操作反力モータ
制御信号出力部57は、PWM信号発生部等を備える。
転舵操作反力モータ制御信号出力部57は、目標転舵操
作反力信号に基づいて、転舵操作反力モータ8に供給す
る電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信
号、オフ信号を生成し、転舵操作反力制御信号とする。
【0066】転舵操作反力モータ駆動回路58は、転舵
操作反力モータ制御信号出力部57からの転舵操作反力
制御信号が入力され、転舵操作反力モータ駆動電圧RS
Rを転舵操作反力モータ8に出力する。転舵操作反力モ
ータ駆動回路58は、転舵操作反力制御信号に基づいて
転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モー
タ8に印加し、転舵操作反力モータ8を駆動する。その
ために、転舵操作反力モータ駆動回路58は、4つのF
ETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電
源電圧(12v)で構成される(図示せず)。転舵操作
反力モータ駆動回路58は、4つのFETの各ゲートに
転舵操作反力制御信号が入力されると、転舵操作反力制
御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、転舵
操作反力モータ8に転舵操作反力モータ駆動電圧RSR
を印加する。すると、転舵操作反力モータ8には電流が
流れて転舵操作反力モータ8が正転または逆転駆動さ
れ、ジョイスティック1の転舵操作反力が制御される。
【0067】したがって、運転者がジョイスティック1
により右側転舵量および左側転舵量を増加する操作を行
う際には、ジョイスティック1に対して転舵操作反力が
与えられる。この転舵操作反力の大きさは、右側転舵状
態の場合は、ジョイスティック1の傾動支持機構13に
おける現在位置を基準にして、ジョイスティック1を大
きくかつ素早く右方に傾動する操作をすればするほど、
ジョイスティック1には大きな転舵操作反力が生じるよ
うになる。一方、左側転舵状態の場合は、ジョイスティ
ック1の傾動支持機構13における現在位置を基準にし
て、ジョイスティック1を大きくかつ素早く左方に傾動
する操作をすればするほど、ジョイスティック1には大
きな転舵操作反力が生じるようになる。
【0068】さらに、転舵操作反力の大きさを、操作モ
ードがノーマルモードの場合には通常走行時の大きさと
し、操作モードがスポーツモードの場合には通常走行時
の大きさよりも大きくし、操作モードがゲームモードの
場合には通常走行時の大きさよりも小さくする。そのた
め、ジョイスティック1からは運転者には、運転者が望
む操作感覚に相当する転舵操作反力が与えられる。した
がって、スポーツモードの場合、大きな転舵操作反力に
よってジョイスティック1による転舵量を抑えながら車
両の挙動を安定させて走行を行うことができる。また、
ゲームモードの場合、殆ど転舵操作反力を受けること無
く、ジョイスティック1をゲーム感覚で操作することが
できる。
【0069】それでは、図1乃至図9を参照して、運転
操作装置Aの動作について説明する。
【0070】車両の発進前には、運転者が、ブレーキ力
を発生させるために、ジョイスティック1を後方に傾動
する。すると、運転操作装置Aでは、加減速操作量セン
サ3がジョイスティック1でのブレーキ操作量に対応す
る加減速操作量信号STBを制御装置4に送信する。
【0071】制御装置4では、ブレーキ制御部4Aが加
減速操作量信号STBに基づいて目標ブレーキ液圧信号
を設定し、さらにこの目標ブレーキ液圧信号とブレーキ
液圧信号SBとに基づいてブレーキ制御信号を設定す
る。そして、制御装置4では、ブレーキ制御部4Aがブ
レーキ制御信号に基づいてブレーキアクチュエータ駆動
電圧DBAを発生させ、このブレーキアクチュエータ駆
動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加する。
すると、ホイールシリンダには目標ブレーキ液圧信号に
相当するブレーキ液圧が発生し、ジョイスティック1で
のブレーキ操作量に応じたブレーキ力が発生する。
【0072】また、制御装置4では、ブレーキ操作反力
制御部4Bが目標ブレーキ液圧信号とブレーキ液圧信号
SBとの偏差信号(プラス値)に基づいて目標ブレーキ
操作反力信号を設定し、さらに目標ブレーキ操作反力信
号に基づいてブレーキ操作反力制御信号を設定する。そ
して、制御装置4では、ブレーキ操作反力制御部4Bが
ブレーキ操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モ
ータ駆動電圧RSBを発生させ、この加減速操作反力モ
ータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加す
る。すると、加減速操作反力モータ9が駆動され、ジョ
イスティック1にブレーキ操作反力が与えられる。
【0073】次に、車両の発進時には、運転者が、ブレ
ーキ力を無くして加速するために、ジョイスティック1
を後方から前方に傾動する。すると、運転操作装置Aで
は、加減速操作量センサ3がジョイスティック1でのブ
レーキ操作量またはスロットル操作量に対応する加減速
操作量信号STBを制御装置4に送信する。
【0074】まず、ジョイスティック1を後方から中立
状態に戻す過程(ブレーキ操作量が低減する過程)で
は、前記した制御と同様に、制御装置4では、ブレーキ
制御部4Aが加減速操作量信号STBとブレーキ液圧信
号SBとに基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧D
BAを発生させ、このブレーキアクチュエータ駆動電圧
DBAをブレーキアクチュエータ7に印加する。なお、
ブレーキ操作量の低減に従ってブレーキアクチュエータ
駆動電圧DBAが低減する。すると、ホイールシリンダ
ではブレーキ液圧が低減し、ジョイスティック1での低
減するブレーキ操作量に応じてブレーキ力が低減してい
く。
【0075】また、制御装置4では、目標ブレーキ液圧
信号とブレーキ液圧信号SBとの偏差信号がマイナス値
となるので、ブレーキ操作反力制御部4Bが目標ブレー
キ操作反力信号をゼロに設定する。そのため、制御装置
4では、ブレーキ操作反力制御部4Bが加減速操作反力
モータ駆動電圧RSBを発生させない。したがって、加
減速操作反力モータ9は駆動されず、ジョイスティック
1にブレーキ操作反力が与えられない。
【0076】次に、ジョイスティック1を中立状態から
前方に傾動する過程(スロットル操作量が増加する過
程)では、制御装置4では、スロットル制御部4Cが加
減速操作量信号STBに基づいて目標スロットル開度信
号を設定し、さらにこの目標スロットル開度信号とスロ
ットル開度信号STとに基づいてスロットル制御信号を
設定する。そして、制御装置4では、スロットル制御部
4Cがスロットル制御信号に基づいてスロットルアクチ
ュエータ駆動電圧DSAを発生させ、このスロットルア
クチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエー
タ6に印加する。すると、スロットル弁が目標スロット
ル開度信号に相当する開度となり、ジョイスティック1
でのスロットル操作量に応じてエンジンの駆動力が増加
する。
【0077】また、制御装置4では、スロットル操作反
力制御部4Dが目標スロットル開度信号とスロットル開
度信号STとの偏差信号(プラス値)に基づいて目標ス
ロットル操作反力信号を設定し、さらに目標スロットル
操作反力信号に基づいてスロットル操作反力制御信号を
設定する。そして、制御装置4では、スロットル操作反
力制御部4Dがスロットル操作反力制御信号に基づいて
加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させ、この
加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力
モータ9に印加する。すると、加減速操作反力モータ9
が駆動され、ジョイスティック1にスロットル操作反力
が与えられる。
【0078】次に、車両の転舵開始時(ここでは、右側
転舵とする)には、運転者が、転舵輪W,Wを右側に転
舵させるために、ジョイスティック1を右方に傾動す
る。すると、運転操作装置Aでは、転舵操作量センサ2
がジョイスティック1での右側転舵操作量(増加)に対
応する転舵操作量信号SSRを制御装置4に送信する。
【0079】制御装置4では、転舵制御部4Eが転舵操
作量信号SSRに基づいて目標ラック位置信号を設定
し、さらにこの目標ラック位置信号とラック位置信号S
Rとに基づいてステアリング制御信号を設定する。そし
て、制御装置4では、転舵制御部4Eがステアリング制
御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを
発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをス
テアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸18
が目標ラック位置信号に相当する左方位置に移動し、ジ
ョイスティック1での右側転舵操作量に応じて転舵輪
W,Wが右回転方向に転舵する。
【0080】また、制御装置4では、転舵操作反力制御
部4Fが操作モード信号SMに基づいてヨーレートに対
するゲイン係数Kyを決定し、さらに目標ラック位置信
号とラック位置信号SRとの偏差信号(プラス値)、ヨ
ーレート信号に基づいて目標転舵操作反力を(1)式か
ら算出し、目標転舵操作反力信号を設定する。このと
き、目標転舵操作反力信号は操作モード信号SMに応じ
て設定されるので、操作モードに応じて転舵操作反力の
大きさが変わる。さらに、制御装置4では、転舵操作反
力制御部4Fが操舵操作量信号SSRに基づいて転舵輪
W,Wが右側転舵状態か左側転舵状態かを判断する。そ
して、制御装置4では、転舵操作反力制御部4Fが目標
転舵操作反力信号に基づいて転舵操作反力制御信号を設
定する。続いて、制御装置4では、転舵操作反力制御部
4Fが転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モ
ータ駆動電圧RSRを発生させ、この転舵操作反力モー
タ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に印加する。
すると、転舵操作反力モータ8が駆動され、ジョイステ
ィック1に転舵操作反力が与えられる。このとき、転舵
操作反力の大きさは、スポーツモードの時にはノーマル
モードの時よりも大きくなり、ゲームモード時にはノー
マルモードの時よりも小さくなる。
【0081】車両の転舵終了時(ここでは、右側転舵と
する)には、運転者が、転舵輪W,Wを直進に戻すため
に、ジョイスティック1を右方から中立状態に戻す。す
ると、運転操作装置Aでは、転舵操作量センサ2がジョ
イスティック1での右側転舵操作量(減少)に対応する
転舵操作量信号SSRを制御装置4に送信する。
【0082】前記した制御と同様に、制御装置4では、
転舵制御部4Eが転舵操作量信号SSRとラック位置信
号SRとに基づいてステアリングモータ駆動電圧DSM
を発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMを
ステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸1
8が左方から中立位置に移動し、ジョイスティック1で
の低減する右側転舵操作量に応じて転舵輪W,Wが直進
状態に戻る。
【0083】また、制御装置4では、目標ラック位置信
号とラック位置信号STの偏差信号がマイナス値となる
ので、転舵操作反力制御部4Fが目標転舵操作反力信号
をゼロに設定する。そのため、制御装置4では、転舵操
作反力制御部4Fが転舵操作反力モータ駆動電圧RSR
を発生させない。したがって、転舵操作反力モータ8は
駆動されず、ジョイスティック1に転舵操作反力が与え
られない。
【0084】次に、車両の減速時には、運転者が、減速
するために、ジョイスティック1を前方から後方に傾動
する。すると、運転操作装置Aでは、加減速操作量セン
サ3がジョイスティック1でのブレーキ操作量またはス
ロットル操作量に対応する加減速操作量信号STBを制
御装置4に送信する。
【0085】まず、ジョイスティック1を前方から中立
状態に戻す過程(スロットル操作量が低減する過程)で
は、前記した制御と同様に、制御装置4では、スロット
ル制御部4Cが加減速操作量信号STBとスロットル開
度信号STとに基づいてスロットルアクチュエータ駆動
電圧DSAを発生させ、このスロットルアクチュエータ
駆動電圧DBAをスロットルアクチュエータ6に印加す
る。すると、スロットル弁が目標スロットル開度信号に
相当する開度となり、ジョイスティック1でのスロット
ル操作量に応じてエンジンの駆動力が低減する。
【0086】また、制御装置4では、目標スロットル開
度信号とスロットル開度信号STとの偏差信号がマイナ
ス値となるので、スロットル操作反力制御部4Dが目標
スロットル操作反力信号をゼロに設定する。そのため、
制御装置4では、スロットル操作反力制御部4Dが加減
速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させない。した
がって、加減速操作反力モータ9は駆動されず、ジョイ
スティック1にスロットル操作反力が与えられない。
【0087】次に、ジョイスティック1を中立状態から
後方に傾動する過程(ブレーキ操作量が増加する過程)
では、前記した制御と同様に、制御装置4では、ブレー
キ制御部4Aが加減速操作量信号STBとブレーキ液圧
信号SBとに基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧
DBAを発生させ、このブレーキアクチュエータ駆動電
圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加する。な
お、ブレーキ操作量の増加に従ってブレーキアクチュエ
ータ駆動電圧DBAが増加する。すると、ホイールシリ
ンダではブレーキ液圧が増加し、ジョイスティック1で
の増加するブレーキ操作量に応じてブレーキ力が増加し
ていく。
【0088】また、前記した制御と同様に、制御装置4
では、ブレーキ操作反力制御部4Bが目標ブレーキ液圧
信号とブレーキ液圧信号SBとの偏差信号(プラス値)
に基づいて目標ブレーキ操作反力信号を設定し、さらに
目標ブレーキ操作反力信号に基づいてブレーキ操作反力
制御信号を設定する。そして、制御装置4では、ブレー
キ操作反力制御部4Bがブレーキ操作反力制御信号に基
づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生さ
せ、この加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速
操作反力モータ9に印加する。すると、加減速操作反力
モータ9が駆動され、ジョイスティック1にブレーキ操
作反力が与えられる。
【0089】この運転操作装置Aによれば、制御装置4
で操作モードスイッチ21で設定された操作モードに応
じてヨーレートに対するゲイン係数Kyを決定し、この
ヨーレートに対するゲイン係数Kyに基づいて目標転舵
操作反力を算出する。そのため、運転操作装置Aでは、
操作モードに応じて転舵操作反力の大きさが変わり、ジ
ョイスティック1には運転者が望む操作感覚の転舵操作
反力が発生する。そのため、スポーツモードではジョイ
スティック1から適度な転舵操作反力を受けるので、微
妙なジョイスティック1の操作が可能となる。また、ゲ
ームモードではジョイスティック1から殆ど転舵操作反
力を受けないので、ゲーム感覚でジョイスティック1の
操作が可能となる。
【0090】以上、本発明は、前記の実施の形態に限定
されることなく、様々な形態で実施される。例えば、操
作モータとして3つの操作モードを設定したが、女性モ
ードや男性モード等の他のモードを設定してもよい。ま
た、挙動検出手段として車速等の他の車両の挙動を検出
してもよい。また、目標転舵操作反力を算出する際に車
速、横加速度等の他の車両挙動を加味してもよい。ま
た、目標転舵操作反力を算出するための(1)式におい
てヨーレートに対するゲイン係数Kyのみを操作モード
に応じて可変としたが、ラック位置に対するゲイン係数
Kpも操作モードに応じて可変としてもよい。この場
合、KyとKpの設定によって目標転舵操作反力をゼロ
にすることも可能となる。また、操作モードに応じて転
舵操作反力の大きさを変更したが、操作モードに応じて
ブレーキ操作反力やスロットル操作反力の大きさも変更
するように構成してもよい。
【0091】
【発明の効果】本発明に係る車両の操舵装置は、反力手
段によって操作モード設定手段で設定された操作モード
に応じた大きさの反力を運転操作子に与えることができ
る。そのため、運転者は、運転者が望む操作感覚に対応
した反力を受けるので、運転操作子に対する操作が快適
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る運転操作装置の全体構成図
である。
【図2】図1のジョイスティックの傾動支持機構の一部
破断側面図である。
【図3】図1のジョイスティックの傾動支持機構の一部
破断平面図である。
【図4】図1のジョイスティックの復帰機構の一部破断
正面図である。
【図5】図1の制御装置のブレーキ制御部、ブレーキ操
作反力制御部、スロットル制御部およびスロットル操作
反力制御部の構成図である。
【図6】図1の制御装置の転舵制御部および転舵操作反
力制御部の構成図である。
【図7】ジョイスティックの操作量と各操作量センサの
出力との関係図であり、(a)はジョイスティックの前
後方向の位置(前後方向操作量)と加減速操作量センサ
の出力との関係図であり、(b)はジョイスティックの
左右方向の位置(左右方向操作量)と転舵操作量センサ
の出力との関係図である。
【図8】加減速操作量センサの出力と各目標制御量との
関係図であり、(a)は加減速操作量センサの出力と目
標ブレーキ液圧との関係図であり、(b)は加減速操作
量センサの出力と目標スロットル開度との関係図であ
る。
【図9】転舵操作量センサの出力と目標ラック位置との
関係図である。
【符号の説明】
1・・・ジョイスティック(運転操作子) 2・・・転舵操作量センサ(操作量検出手段) 4・・・制御装置(反力手段) 5・・・ステアリングモータ(転舵アクチュエータ) 8・・・転舵操作反力モータ(反力手段) 10・・・ラック位置センサ(挙動検出手段) 20・・・ヨーレートセンサ(挙動検出手段) 21・・・操作モードスイッチ(操作モード設定手段) A・・・運転操作装置(車両の操舵装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴宮 修 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 村田 真 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC08 DA05 DA47 DA61 DA92 DA93 DD18 EA01 EB12 EC29 FF01 FF07 3D033 CA02 CA03 CA04 CA14 CA18 CA21 JB17

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転操作子の操作に基づいて転舵アクチ
    ュエータを駆動して操舵を行う車両の操舵装置であっ
    て、 前記運転操作子の操作量を検出する操作量検出手段と、 前記車両の挙動を検出する挙動検出手段と 前記検出した操作量および車両の挙動に基づいて、前記
    運転操作子に反力を与える反力手段と、 を備える車両の操舵装置において、 前記運転操作子の操作モードを運転者によって設定可能
    な操作モード設定手段を備え、 前記反力手段は、前記操作モード設定手段からの操作モ
    ードに応じて前記反力の大きさを変更することを特徴と
    する車両の操舵装置。
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