JP2002160626A - 搬送台車及びこれを用いたシールドトンネルの施工方法 - Google Patents

搬送台車及びこれを用いたシールドトンネルの施工方法

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JP2002160626A
JP2002160626A JP2000359773A JP2000359773A JP2002160626A JP 2002160626 A JP2002160626 A JP 2002160626A JP 2000359773 A JP2000359773 A JP 2000359773A JP 2000359773 A JP2000359773 A JP 2000359773A JP 2002160626 A JP2002160626 A JP 2002160626A
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Japan
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obstacle
shield tunnel
passage
personnel
steering
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JP2000359773A
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English (en)
Inventor
Jinpei Akagami
仁平 赤上
Norifumi Fujieda
憲文 藤枝
Tadashi Okamoto
正 岡本
Masami Mochizuki
政美 望月
Yoshinori Katsuji
義典 勝治
Yoshirou Tazaki
愛眞郎 田崎
Masahiko Watanabe
晶彦 渡辺
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Shimizu Construction Co Ltd
Tomoe Electric Manufacturing Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Tomoe Electric Manufacturing Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 限られた空間内を無人でも安全にかつ安定し
て走行が可能な搬送台車を提供し、またこうした搬送台
車を用いて資機材及び人員の搬送効率を高めることので
きるシールドトンネルの施工方法を提供する。 【解決手段】 人員又は資機材を搬送するための搬送台
車の構成を、台車本体10に設けられた車輪11a、1
1b、11c、11dを回転駆動させる走行用モータ1
3a、13b、13c、13dと、操舵する操舵用モー
タ15a、15b、15c、15dと、これら走行用モ
ータ及び操舵用モータを制御する演算制御装置25と、
走行路に敷設された誘導線55を非接触状態で検出し
て、検出信号を演算制御装置25に出力するピックアッ
プコイル21a、21b及び検出回路部と、を備え、演
算制御装置25は、検出回路部からの検出信号に基づい
て走行用モータ及び操舵用モータを制御するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシールドト
ンネル内において人員又は資機材を搬送する搬送台車、
及びこうした搬送台車を用いたシールドトンネルの施工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シールドトンネルは、シールド掘削機を
用いて地中を掘削しながら、その後方に形成された掘削
孔内にセグメントを覆工していくことで、順次施工され
ていく。シールドトンネル施工途中における、シールド
掘削機側と地上側との間の人員又は資機材の搬送は、同
じ通路面を分離して行っていた。すなわち、一方を人員
の歩行用通路と、他方を資機材の搬送用通路とし、人員
搬送用通路は歩道として、また資機材搬送用通路には軌
道を敷設して資機材搬送用台車を走行させていた。シー
ルドトンネルの延長が長い場合には、資機材搬送用通路
の軌道に、人員搬送用台車を個別に走行させたり、資機
材搬送用台車に連結して走行させるなどしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シールドトン
ネル内の限られた空間での資機材や人員の搬送において
は、必然的に資機材の搬送を優先して行わなくてはなら
ず、人員の搬送は思うに任せなかった。すなわち、セグ
メントや工事用機械などの資機材は大型の重量物である
ことから、資機材搬送用台車は大型化せざるを得ないた
め、人員搬送用台車はすれ違い等を考慮して小型化せざ
るを得ず、多人数を一度に搬送することが困難であっ
た。
【0004】また、シールドトンネルは、略円形の断面
とすれば、高い耐圧強度を確保でき、地圧を受けるのに
理想的な形状とできる、といった利点があるため、この
ような略円形の断面とする場合が多い。しかし、自動車
用あるいは鉄道用のトンネルとして使用する場合には、
床面をほぼ水平としてその上に道路あるいは線路を敷設
する必要があり、通常は区画床を施工して、シールドト
ンネル内に平面部分を形成している。すなわち、略円形
断面のシールドトンネルを施工するには、区画床の下側
のデッドスペースとなる部分も含めて掘削施工しなけれ
ばならない。こうした区画床の下側には、施工途中にお
いては、専ら工事用配管等が配設されていたに過ぎな
い。こうした区画床の下側のデッドスペースを、通路と
して有効に利用できれば、搬送効率は非常に高いものと
なるが、狭い空間内であって良好な視界も確保し難いこ
とから、搬送台車を安全にかつ安定して走行させること
は非常に困難であった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、限られた空間内を無人でも安全にかつ安定して走行
が可能な搬送台車を提供し、またこうした搬送台車を用
いて資機材及び人員の搬送効率を高めることのできるシ
ールドトンネルの施工方法を提供すること、を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、人員又は資機材を搬送するための搬送台車であっ
て、台車本体に設けられた車輪を回転駆動させる走行用
アクチュエータと、前記車輪を操舵する操舵用アクチュ
エータと、前記走行用アクチュエータ及び前記操舵用ア
クチュエータを制御する制御手段と、走行路に敷設され
た誘導線を非接触状態で検出して、検出信号を前記制御
手段に出力する走行路検出手段と、を備え、前記制御手
段は、前記走行路検出手段からの検出信号に基づいて前
記走行用アクチュエータ又は前記操舵用アクチュエータ
を制御することを特徴とする。
【0007】このように、走行路に敷設された誘導線を
検出し、その検出信号に基づいて搬送台車の走行及び操
舵を制御するようにしているので、無人の自動運転を容
易に行わせることができる。また、走行路検出手段と誘
導線とを非接触としているので、摩耗、破損を防止し
て、メンテナンスを容易にできる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の搬送台車であって、前記走行路検出手段は、前記誘導
線から発生する磁界を検出する磁界検出手段であること
を特徴とする。
【0009】このように、搬送台車に磁界検出手段を設
けるようにしているので、誘導線には電流を流しておく
だけで搬送台車は誘導線を検出することができ、走行路
側の装置構成を簡易なものとできる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の搬送台車であって、前記走行路上の障害
物を検出して、検出信号を前記制御手段に出力する障害
物検出手段を備えていることを特徴とする。また、請求
項4に記載の発明は、請求項3に記載の搬送台車であっ
て、前記障害物検出手段は、障害物を光学的に検出する
障害物センサを含むことを特徴とする。
【0011】このように、走行路上の障害物を検出でき
るようにしているので、障害物を検出すると、搬送台車
を即座に停止させる、あるいは回避動作を行わせること
ができる。そして、障害物を光学的に検出できるように
すれば、障害物を離間した位置から検出して、徐々に減
速していき障害物の手前で停止させることができるた
め、搬送台車の急激な動作を抑制することができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の搬送台車であって、人員の搬送時に
は、前記台車本体に着脱可能な座席及び屋根カバーを備
えた状態の有蓋台車として、資機材の搬送時には、前記
座席及び前記屋根カバーを取り外した状態の無蓋台車と
して、各々使用可能であることを特徴とする。
【0013】このように、搬送台車を有蓋台車にも無蓋
台車にもできるので、人員搬送用としても資機材搬送用
としても用いることができ、多様な用途に対応させるこ
とができる。
【0014】請求項6に記載の発明は、既にセグメント
が覆工されたシールドトンネルを、人員及び資機材の搬
送用通路として用いながら、順次シールドトンネルを施
工していくシールドトンネルの施工方法であって、該シ
ールドトンネル内を区画床によって上側通路と下側通路
とに区画し、上側通路を資機材の搬送用通路として、下
側通路を人員の搬送用通路として各々使用し、該下側通
路を、請求項1〜5のいずれかに記載の搬送台車の走行
路とすることを特徴とする。
【0015】このように、従来はデッドスペースとされ
ていた、区画床の下側の限られた空間内で、自動運転可
能な搬送台車を運転し、人員搬送用通路として利用する
ことができるので、シールドトンネルのスペースを有効
に利用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る搬送台車の実
施の形態について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0017】この搬送台車1は、人員搬送用としても、
資機材搬送用としても、用いることができるものであ
る。すなわち、人員搬送用として使用する際には、台車
本体10に座席31及び屋根カバー32を取り付けて有
蓋台車とする。また、資機材搬送用として使用する際に
は、座席31及び屋根カバー32を台車本体10から取
り外して無蓋台車とする。なお、搬送台車1の、有蓋台
車の形態を符号1Aとして図1に、無蓋台車の形態を符
号1Bとして図2に、各々示すこととする。
【0018】先ず、有蓋台車1Aと無蓋台車1Bとの共
通の構成要素である、台車本体10について説明する。
台車本体10は、車輪11a、11b、11c、11d
と、これら車輪11a、11b、11c、11dを回転
駆動させる走行用モータ(走行用アクチュエータ)13
a、13b、13c、13dと、操舵させる操舵用モー
タ(操舵用アクチュエータ)15a、15b、15c、
15dと、走行用モータ13a、13b、13c、13
d、操舵用モータ15a、15b、15c、15d、及
びブレーキを制御する演算制御装置25と、を備えて構
成されている。
【0019】車輪11a、11b、11c、11dに各
々回転可能に軸支されており、その周囲にはウレタン等
の弾性体からなるタイヤを履いている。車輪支持部12
a、12b、12c、12dは、サスペンション(図示
省略)を介して左右方向回動可能に、台車本体10に支
持されている。
【0020】走行用モータ13a、13b、13c、1
3dは、各々走行用減速機14a、14b、14c、1
4dを介して、車輪11a、11b、11c、11dに
連結されており、これら車輪11a、11b、11c、
11dを回転駆動させることで、搬送台車10を走行さ
せるものである。操舵用モータ15a、15b、15
c、15dは、各々操舵用減速機16a、16b、16
c、16dを介して、車輪支持部12a、12b、12
c、12dに連結されており、これら車輪支持部12
a、12b、12c、12dを回動させることで車輪1
1a、11b、11c、11dを操舵し、搬送台車10
の走行方向を変化させるものである。なお、これら走行
用モータ13a、13b、13c、13d、及び操舵用
モータ15a、15b、15c、15dは、図示しない
電気回路でバッテリー18と連結されており、電力を供
給されるようになっている。なお、車輪11a、11
b、11c、11dには、ブレーキ17a、17b、1
7c、17d(図4にのみ図示)が備えられている。
【0021】この台車本体10には、シールドトンネル
50のセグメント52上に設置された誘導線55から発
生する磁界を検出する磁界検出手段(検出手段)が備え
られている。この磁界検出手段は、台車本体10の両端
部側の下部に設けられた一対のピックアップコイル21
a、21bと、これらピックアップコイル21a、21
bに連結された検出回路部22(図4にのみ図示)と、
から概略構成されている。
【0022】図1(c)及び図3に示すように、誘導線
55は、シールドトンネル50の掘進軸線方向と略平行
にセグメント52上に敷設されており、図示しない電源
と連結されて、電流が流れるようになっている。誘導線
55に電流が流れると、図3において二点鎖線で示すよ
うに、この誘導線55の周囲に同心円状に磁界が発生す
る。この磁界の強さは、ピックアップコイル21a、2
1bで検出される。検出回路部22は、ピックアップコ
イル21a、21bで検出された磁界の強さ(磁束密
度)を、各々検出信号Ba、Bbとして、後記する演算
制御装置(制御手段)25へと出力する。
【0023】また、台車本体10には、走行路であるシ
ールドトンネル50のセグメント52上の障害物を検出
する障害物検出手段が備えられている。この障害物検出
手段は、台車本体10の進行方向両端部側に設けられた
障害物センサ23a、23b、23cと、これら障害物
センサ23a、23b、23cに連結された検出回路部
24(図4にのみ図示)と、から概略構成されている。
障害物センサ23aは進行方向右側に、障害物センサ2
3bは中央部に、障害物センサ23cは進行方向左側
に、各々設けられており、各々が進行方向に位置する障
害物の有無、及び有の場合にその障害物までの距離を、
光学的に検出するものである。なお、ここでは障害物セ
ンサを3個設けることとしているが、設けられる障害物
センサの数及び位置は任意である。
【0024】検出回路部24は、障害物センサ23a、
23b、23cで検出された結果を各々検出信号Da、
Db、Dcとして、後記する演算制御装置25へと出力
するものである。
【0025】演算制御装置25は、演算部25aと、走
行用モータ制御部25bと、操舵用モータ制御部25c
と、ブレーキ制御部25dと、を備えて概略構成されて
いる。演算部25aは、磁界検出手段及び障害物検出手
段から送られてきた各検出信号に基づいて、搬送台車1
の適正な速度や操舵量を算出する。そして、これら算出
された値に基づいて、走行用モータ13a、13b、1
3c、13dの回転数や、操舵用モータ15a、15
b、15c、15d、及びブレーキ17a、17b、1
7c、17dの作動量等の適正値を算出し、それらを指
令信号として各々走行用モータ制御部25b、操舵用モ
ータ制御部25c及びブレーキ制御部25dに出力す
る。
【0026】この演算部25aは、検出信号BaとBb
との差を求めることによって、台車本体10が誘導線5
5からどれだけ外れているかを判断する。すなわち、B
a−Bb=0であれば、台車本体10の誘導線55から
のずれは0、すなわち軌道上を安定走行している状態で
あると判断する。そして、Ba−Bb>0であれば、台
車本体10は左側にずれていると、Ba−Bb<0であ
れば、台車本体10は右側にずれていると、各々判断す
る。そして、これらの差が大きくなり、ピックアップコ
イル21aと21bの中間位置が、図3に示した範囲
(符号R)から逸脱した場合には、脱線と判断し、台車
本体10を停止させる。また、誘導線55が断線等によ
って電流が流れなくなった場合、すなわち磁界が発生し
なくなり、Ba=Bb=0となった場合には、搬送台車
10が走行時であれば停止させ、停止時であれば発進不
能とする。
【0027】また演算部25aは、検出信号Da、D
b、Dcから、進行方向前方に障害物が存在するか否
か、存在する場合にはその障害物までの凡その距離を算
出する。そして搬送台車1を操舵することにより回避が
可能か、あるいは停止させなければならないか、等を判
断する。
【0028】このように演算部25aは、検出信号B
a、Bb、Da、Db、Dcに基づいて演算を行い、そ
の結果として、指令信号vを走行用モータ制御部25b
に、指令信号θを操舵用モータ制御部25cに、指令信
号sをブレーキ制御部25dに、各々出力する。走行用
モータ制御部25bは、指令信号vに基づいて走行用モ
ータ13a、13b、13c、13dを、操舵用モータ
制御部25cは、指令信号θに基づいて操舵用モータ1
5a、15b、15c、15dを、ブレーキ制御部25
dは、指令信号sに基づいてブレーキ17a、17b、
17c、17dを、各々制御する。
【0029】この台車本体10には、もう一つの障害物
検出手段として、バンパー19も設けられている。この
バンパー19にはリミットスイッチ(図示省略)が設け
られており、障害物が当接すると、走行用モータ13
a、13b、13c、13dを停止させる、あるいはブ
レーキ17a、17b、17c、17dを作動させて、
台車本体10を緊急停止させるようになっている。
【0030】この搬送台車1を人員搬送用として使用す
る際には、図1に示すように、台車本体10上に、着脱
可能な座席31及び屋根カバー32を設け、有蓋台車1
Aとする。座席31は、台車本体10上に設けられ、搬
送する人員を着座させるもので、ここでは4人掛け4列
の16人分が設けられている。なお、座席31の数は任
意に選択可能である。屋根カバー32は、人員を乗降さ
せるためのドア33と、ドア33の開閉状態を検出する
ドアリミットスイッチ33aと、上部側の障害物を検出
する上部側リミットスイッチ35と、を備えている。ド
ア33は、片側3箇所合計6箇所設けられているが、そ
の数は任意に選択可能である。
【0031】ドアリミットスイッチ33a及び上側リミ
ットスイッチ35は、屋根カバー32に設けられている
安全装置である。ドアリミットスイッチ33aは、ドア
33が施錠されていない状態では、走行用モータ13
a、13b、13c、13dを停止させる、あるいはブ
レーキ17a、17b、17c、17dを作動させて、
有蓋台車1Aを走行不能とするものである。ドア33が
完全に閉じられて施錠されると、ドアリミットスイッチ
33aがそれを検出し、このとき有蓋台車1Aは走行可
能となる。また、上側リミットスイッチ35は、屋根カ
バー32の上側に障害物が接触すると、走行用モータ1
3a、13b、13c、13dを停止させる、あるいは
ブレーキ17a、17b、17c、17dを作動させ
て、台車本体10を緊急停止させるようになっている。
【0032】この搬送台車1を資機材搬送用として使用
する際には、図2に示すように、座席31及び屋根カバ
ー32を台車本体10から取り外し、無蓋台車1Bとす
る。このとき、台車本体10に積載した資機材をガード
する、パイプ材41が設けられる。
【0033】なお、図1に示すように、台車本体10の
進行方向両端部側に、手動運転を行うためのコントロー
ラ41を設けて、緊急時には手動運転ができるようにし
てもよい。
【0034】このような構成の搬送台車1が運転され
る、施工途中のシールドトンネル50は、図5に示すよ
うに断面略円形をなしており、その内部が区画床53で
上下に仕切られており、上側通路51aと下側通路51
bとが、各々形成されている。上側通路51aは、シー
ルドトンネル50の施工後には主要な通路をなす、すな
わち道路や鉄道などを敷設する部分であり、施工途中に
は資機材搬送用通路として使用される。この上側通路5
1aでは、資機材搬送用台車(図示省略)を適宜走行さ
せて、シールド掘削機側と地上側との間で、資機材を搬
送する。また、下側通路51bは、シールドトンネル施
工後には副次的な通路をなす、例えば換気や送水を行う
ための各種機材・配管等を敷設する部分である。施工途
中には、この下側通路51bを、人員搬送用通路として
使用される。この下側通路51bでは、搬送台車1(有
蓋台車1A)を走行させて、シールド掘削機側と地上側
との間で、人員を搬送する。
【0035】下側通路51bには、誘導線55が、シー
ルドトンネル50の掘進軸線方向と略平行に敷設されて
おり、搬送台車1が、無人の自動運転により、例えば時
速1〜4km/hで走行することができるようになって
いる。搬送台車1の演算制御装置25は、ピックアップ
コイル21a、21bで検出される磁界の強さBaとB
bとが常時等しくなるように、すなわち搬送台車1が誘
導線55に常時沿って走行するように、走行用モータ1
3a、13b、13c、13d、操舵用モータ15a、
15b、15c、15d、あるいはブレーキ17a、1
7b、17c、17dの作動量を制御する。そして、搬
送台車1が誘導線55から左右に一定距離以上外れた
ら、すなわち図3に示すRの範囲より逸脱したら、停止
させる。このRの範囲は、例えば500mm(中心から
左右に各々250mm)である。
【0036】また下側通路51bは、図5に示すよう
に、下側に凸の湾曲面と、上側の平面とで挟まれた狭い
空間である。そのため、例えばピックアップコイル21
a、21bの万が一の誤作動等によって、搬送台車1が
誘導線55から大きく逸脱すると、この円弧に沿って斜
面を登っていくこととなり、屋根カバー32が区画床5
3と接触し、搬送台車1が故障、破損するおそれがあ
る。しかし、屋根カバー32に上側リミットスイッチ3
5を設けていることで、区画床53に上側リミットスイ
ッチ35が当接すると搬送台車1は緊急停止されるの
で、搬送台車1が故障、破損するのを防止することがで
きる。
【0037】搬送台車1の走行路に障害物がある場合、
障害物センサ23a、23b、23cはその障害物を手
前側で検知して、搬送台車1を、所定距離から減速を開
始して停止させるか、障害物を回避するように動作す
る。例えば、6m手前から減速を開始し、3m手前で停
止させる。そして、例えば障害物センサ23a、23
b、23cの万が一の誤作動等によって、検出されるべ
き障害物が検出されなかった場合等には、バンパー19
が障害物に当接した際に、搬送台車1が緊急停止され
る。
【0038】その他にも、搬送台車1の走行中にドア3
3が開いた場合には、ドアリミットスイッチ33aが動
作して、搬送台車1は緊急停止される。
【0039】本実施形態に係る搬送台車1においては、
走行路に敷設された誘導線55を検出する走行路検出手
段を備え、その検出信号に基づいて演算制御装置25が
搬送台車1の走行及び操舵を制御するようにしている。
そのため、無人の自動運転を容易に行わせることがで
き、運転者を不要とできるので、搬送効率を高めること
ができる。また、走行路検出手段が誘導線55を非接触
状態で検出できるようにしているので、走行路検出手段
と誘導線55とが摺動することがなく、摩耗・破損を防
止することができ、高い信頼性、耐久性を確保すること
ができるとともに、メンテナンスコストを抑制すること
ができるので、運転コストを低廉なものとすることがで
きる。
【0040】また、走行路検出手段を、ピックアップコ
イル21a、21bと検出回路部22とからなる磁界検
出手段とし、誘導線55から発生する磁界を検出するよ
うにしているので、誘導線55には電流を流しておくだ
けでよく、走行路側の装置構成を簡易なものとでき、メ
ンテナンスを容易にできるため、運転コストを更に低廉
なものとすることができる。
【0041】更に、障害物センサ23a、23b、23
cと検出回路部34とからなる障害物検出手段を備え、
障害物を離間した位置から光学的に検出できるようにし
ているので、障害物を検出した場合に、徐々に減速して
いき障害物の手前で停止させる、あるいは回避動作を行
わせることができる。そのため、急停車等の急激な動作
を抑制し、減速、停止時等におけるショックを緩和し、
乗り心地を向上させて高い走行安定性を確保することが
できるとともに、障害物と衝突して搬送台車1が故障、
破損するのを適切に防止することができる。
【0042】更に、搬送台車1を、有蓋台車1Aにも無
蓋台車1Bにもできるようにし、人員搬送用としても資
機材搬送用としても使用可能としている。そのため、搬
送台車1を多様な用途に対応させることができ、例え
ば、往路は人員搬送用として、復路は資機材搬送用とす
るような運転形態も採用することもでき、搬送効率を高
めることができる。
【0043】そして、本実施形態に係るシールドトンネ
ルの施工方法においては、施工途中のシールドトンネル
50内を区画床53によって上側通路51aと下側通路
51bとに区画、分離し、上側通路51aを資機材搬送
用通路として、下側通路51bを人員搬送用通路として
各々使用し、下側通路51aを、搬送台車1(有蓋台車
1A)の走行路とするようにしている。そのため、従来
はデッドスペースとされていた、区画床53の下側の限
られた空間内を人員搬送用通路として利用することがで
きるので、搬送用通路を目的に応じて分離することがで
き、シールドトンネルのスペースを有効に利用できると
ともに、人員と資機材の双方の搬送効率を高めることが
できる。そのため、シールドトンネル50の施工期間の
短縮化、及び施工コストの低廉化を図ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る搬送
台車及びシールドトンネルの施工方法においては、上記
の如き構成を採用しているので、限られた空間内を無人
でも安全にかつ安定して走行が可能な搬送台車を提供
し、またこうした搬送台車を用いて資機材及び人員の搬
送効率を高めることのできるシールドトンネルの施工方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る搬送台車の一実施形態として
の有蓋台車を示す図であって、(a)は平面図、(b)
は側面図、(c)は正面図である。
【図2】 本発明に係る搬送台車の一実施形態として
の無蓋台車を示す図であって、(a)は平面図、(b)
は側面図、(c)は正面図である。
【図3】 図1におけるピックアップコイルの近傍を
拡大して示す概略構成図である。
【図4】 演算制御装置を示す概略構成図である。
【図5】 本発明に係るシールドトンネルの施工方法
の一実施形態を示す図であって、施工途中のシールドト
ンネルの断面図である。
【符号の説明】
1 搬送台車 1A 有蓋台車(搬送台車) 1B 無蓋台車(搬送台車) 10 台車本体 11a、11b、11c、11d 車輪 13a、13b、13c、13d 走行用モータ(走行
用アクチュエータ) 15a、15b、15c、15d 操舵用モータ(操舵
用アクチュエータ) 21a、21b ピックアップコイル(磁界検出手段、
走行路検出手段) 22 検出回路部(磁界検出手段、走行路検出手段) 23a、23b、23c 障害物センサ(障害物検出手
段) 24 検出回路部(障害物検出手段) 25 演算制御装置(制御手段) 25a 演算部 25b 走行用モータ制御部 25c 操舵用モータ制御部 25d ブレーキ制御部 31 座席 32 屋根カバー 50 シールドトンネル 51a 上側通路 51b 下側通路 52 セグメント 53 区画床 55 誘導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤枝 憲文 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 岡本 正 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 望月 政美 東京都品川区南大井六丁目28番6号 トモ エ電機工業株式会社内 (72)発明者 勝治 義典 東京都品川区南大井六丁目28番6号 トモ エ電機工業株式会社内 (72)発明者 田崎 愛眞郎 東京都品川区南大井六丁目28番6号 トモ エ電機工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 晶彦 東京都品川区南大井六丁目28番6号 トモ エ電機工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人員又は資機材を搬送するための搬送
    台車であって、 台車本体に設けられた車輪を回転駆動させる走行用アク
    チュエータと、 前記車輪を操舵する操舵用アクチュエータと、 前記走行用アクチュエータ及び前記操舵用アクチュエー
    タを制御する制御手段と、 走行路に敷設された誘導線を非接触状態で検出して、検
    出信号を前記制御手段に出力する走行路検出手段と、 を備え、前記制御手段は、前記走行路検出手段からの検
    出信号に基づいて前記走行用アクチュエータ又は前記操
    舵用アクチュエータを制御することを特徴とする搬送台
    車。
  2. 【請求項2】 前記走行路検出手段は、前記誘導線か
    ら発生する磁界を検出する磁界検出手段であることを特
    徴とする請求項1に記載の搬送台車。
  3. 【請求項3】 前記走行路上の障害物を検出して、検
    出信号を前記制御手段に出力する障害物検出手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    搬送台車。
  4. 【請求項4】 前記障害物検出手段は、障害物を光学
    的に検出する障害物センサを含むことを特徴とする請求
    項3に記載の搬送台車。
  5. 【請求項5】 人員の搬送時には、前記台車本体に着
    脱可能な座席及び屋根カバーを備えた状態の有蓋台車と
    して、資機材の搬送時には、前記座席及び前記屋根カバ
    ーを取り外した状態の無蓋台車として、各々使用可能で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    搬送台車。
  6. 【請求項6】 既にセグメントが覆工されたシールド
    トンネルを、人員及び資機材の搬送用通路として用いな
    がら、順次シールドトンネルを施工していくシールドト
    ンネルの施工方法であって、 該シールドトンネル内を区画床によって上側通路と下側
    通路とに区画し、上側通路を資機材の搬送用通路とし
    て、下側通路を人員の搬送用通路として各々使用し、該
    下側通路を、請求項1〜5のいずれかに記載の搬送台車
    の走行路とすることを特徴とするシールドトンネルの施
    工方法。
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