JP2002160549A - 車両の表示装置用表示板の製造方法及び製造システム - Google Patents

車両の表示装置用表示板の製造方法及び製造システム

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JP2002160549A
JP2002160549A JP2000361327A JP2000361327A JP2002160549A JP 2002160549 A JP2002160549 A JP 2002160549A JP 2000361327 A JP2000361327 A JP 2000361327A JP 2000361327 A JP2000361327 A JP 2000361327A JP 2002160549 A JP2002160549 A JP 2002160549A
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Teruhiko Iwase
輝彦 岩瀬
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷版を用いず迅速かつ低コストにて多品種
小ロット印刷を可能とするオンデマンド印刷手法の用い
方に工夫を凝らし、スクリーン印刷した実質的に同様の
表示板を製造するようにした車両の表示装置用表示板の
製造方法及び製造システムを提供する。 【解決手段】 車両製造計画部門50の製造計画装置5
1により各表示装置の表示板の製造指示データを通信回
線I1を介し出力し、組立工場60の部品管理装置61
により当該製造指示データを通信回線I2を介し印刷工
場70の製造指示作成装置70aに出力する。印刷制御
装置群70cは、製造指示作成装置70aからの製造指
示データ及び印刷データ入力装置70bからの表示板の
デザインデータに基づき、オンデマンド印刷機群70d
に、当該デザインデータを、透明基板の表面に印刷層と
して印刷させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
装備される計器等の表示装置用表示板の製造方法及び製
造システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、乗用車用計器に設けられ
る計器板の製造にあたり、印刷層は、背景部としての不
透光部内に目盛りや文字からなる透光部を有するよう
に、ポリカーボネート等の樹脂性透明基板の表面にスク
リーン印刷して形成される。
【0003】これにより、例えば、夜間においては、計
器板の裏面側に配設して光源により当該計器板を照明す
ることで計器板のうち透光部である文字や目盛りだけを
明るく表示するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、アッ
プル社製マッキングトッシュコンピュータで用いられる
アドビ社製画像処理用ソフトウェアによれば、コンピュ
ータとモニタとでもって、デジタルデザインを簡便に行
うことが可能となっている。ここで、スクリーン印刷は
個別色の刷りあわせで表現する方法であるため、例え
ば、シアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの4色ド
ットの掛け合わせで色を表現するデジタルデザインデー
タを用いて、透明基板の表面に、直接、スクリーン印刷
しようとしても、困難である。
【0005】具体的には、スクリーン印刷で、例えば、
8色印刷を行う場合に、上記4色の組み合わせで形成さ
れている色を個別に8色の全く別の色として扱わなけれ
ばならず、それぞれに整合したインクを選択しかつその
印刷版を製作しなければならない。従って、色数が多い
ほど、印刷版の製作とこの印刷版に相当するインクの色
あわせが必要となり、非常に時間がかかる。
【0006】さらには、スクリーン印刷は印刷版の製作
等印刷準備の段取りに時間がかかるため、刷り数が少な
い製品の場合には、印刷時間よりも段取り時間の方が多
くかかる。従って、計器板の製造コストを低減するに
は、実際の必要数よりも多く刷った計器板を在庫として
保有しなければならない。
【0007】特に、乗用車の場合、車名は同じでも排気
量やグレード、さらには海外仕向け地仕様等といった違
いで、計器板の表示内容だけが異なることが多く、実際
には、乗用車のメーカからの発注量に連動した印刷を実
施すると、一日の計器の製造台数が一種類あたり100
台以下のことが多く、印刷コスト、在庫管理、リードタ
イムといった課題を多く抱えている。
【0008】さらには、乗用車の多様化が進む中、カス
タマイズされた乗用車等も増加しており、表示内容もカ
スタマイズされた計器板を採用することや限定番号をナ
ンバリングするといった多種多様の対応は、上記課題が
障害となり、困難である。
【0009】これに対しては、近年、商印刷分野におい
て普及しつつある即時応答印刷手法(いわゆる、オンデ
マンド印刷手法)を採用することが考えられる。このオ
ンデマンド印刷手法は、スクリーン印刷手法とは異な
り、印刷版を用いず迅速かつ低コストにて多品種小ロッ
ト印刷を可能とする点で優れている。しかし、このオン
デマンド印刷手法は、主として、紙に印刷することを目
的としているため、耐久性を必要とする上述のような樹
脂性の透明基板の表面に安定的に印刷することや不透光
部の濃度を濃く印刷することには、原則として、適さな
い。
【0010】そこで、本発明は、以上のようなことに対
処するため、印刷版を用いず迅速かつ低コストにて多品
種小ロット印刷を可能とするオンデマンド印刷手法の用
い方に工夫を凝らし、スクリーン印刷した実質的に同様
の表示板を製造するようにした車両の表示装置用表示板
の製造方法及び製造システムを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、請求項1に記載の発明に係る車両の表示装置用表示
板の製造方法では、各種車両にそれぞれ装備される各表
示装置の表示板(M)の製造に必要な共通の透明基板
(10)を、複数、準備しておき、車両製造計画部門
(50)において、その車両製造計画部門側端末手段
(51)により各表示装置の表示板の製造指示データを
通信回線(I1)を介し出力し、部品製造部門(60、
70)において、車両製造計画部門側端末手段から通信
回線を介し出力される各製造指示データを部品製造部門
側端末手段(61、I2、70a)にて入力されて、こ
れら各入力製造指示データに基づき各表示装置の表示板
の製造指示計画を部品製造部門側端末手段により製造指
示計画データとして作成し、この製造指示計画データに
基づき、オンデマンド印刷手段(70c、70d)によ
り、各表示装置の表示板のデザインデータを、各透明基
板の面にそれぞれ各印刷層(30)として印刷し、各表
示板を製造する。
【0012】これにより、人手や書面を介することな
く、短納期にて表示板の製造が可能となる。また、透明
基板への印刷層の印刷にあたりオンデマンド印刷を利用
するので、当該印刷を必要なときに必要なだけ行う。以
上より、印刷版を用いず迅速かつ低コストにて多品種小
ロット印刷でも、スクリーン印刷した実質的に同様の表
示板を製造できる。
【0013】また、請求項2に記載の発明に係る車両の
表示装置用表示板の製造方法では、各種車両にそれぞれ
装備される各表示装置の表示板(M)の製造に必要な共
通の原板を、透明基板(10)の面に接着材層(20)
を形成した構成にて、複数、準備しておき、車両製造計
画部門(50)において、その車両製造計画部門側端末
手段(51)により各表示装置の表示板の製造指示デー
タを通信回線(I1)を介し出力し、部品製造部門(6
0、70)において、車両製造計画部門側端末手段から
通信回線を介し出力される各製造指示データを部品製造
部門側端末手段(61、I2、70a)にて入力され
て、これら各入力製造指示データに基づき各表示装置の
表示板の製造指示計画を部品製造部門側端末手段により
製造指示計画データとして作成し、この製造指示計画デ
ータに基づき、オンデマンド印刷手段(70c、70
d)により、各表示装置の表示板のデザインデータを各
原板の接着材層の表面にそれぞれ各印刷層(30)とし
て印刷し、各表示板を製造する。
【0014】これによっても、請求項1に記載の発明の
作用効果を達成し得るのは勿論のこと、オンデマンド印
刷を用いて印刷層を接着層を介し透明基板に印刷するの
で、印刷層が接着層により透明基板の面に確実に接着さ
れる。従って、オンデマンド印刷によっても、印刷層が
透明基板に安定的になされ得る。
【0015】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1又は2に記載の車両の表示装置用表示板の製造方法に
おいて、部品製造部門側端末手段において、製造指示計
画データが各表示装置の組立工程と連動して作成される
ことを特徴とする。
【0016】これにより、請求項1又は2に記載の発明
の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、表示板の製造
後における表示装置の組立が無駄なく行える。
【0017】また、請求項4に記載の発明に係る車両の
表示装置用表示板の製造システムでは、各種車両にそれ
ぞれ装備される各表示装置の表示板(M)の製造に必要
な共通の原板を、透明基板(10)の面に接着材層(2
0)を形成した構成にて、複数、保管しておく原板保管
手段と、各表示装置の表示板の製造指示データをそれぞ
れ通信回線(I1)を介して出力する車両製造計画部門
側端末手段(51)を備える車両製造計画部門(50)
と、車両製造計画部門側端末手段から通信回線を介し出
力された各製造指示データを入力されて当該各入力製造
指示データに基づき各表示装置の表示板の製造指示計画
を製造指示計画データとして作成する部品製造部門側端
末手段(61、I2、70a)と、製造指示計画データ
に基づき各表示装置の表示板のデザインデータを各原板
の接着材層の表面にそれぞれ印刷層(30)として印刷
するオンデマンド印刷手段(70c、70d)とを備え
る部品製造部門(60、70)とを具備する。
【0018】これにより、請求項2に記載の発明の作用
効果を達成し得る車両の表示装置用表示板の製造システ
ムを提供できる。
【0019】また、請求項5に記載の発明では、請求項
4に記載の車両の表示装置用表示板の製造システムにお
いて、部品製造側端末手段は、製造指示計画データを各
表示装置の組立工程と連動して作成することを特徴とす
る。
【0020】これにより、請求項4に記載の発明の作用
効果を達成し得るのは勿論のこと、表示板の製造後にお
ける表示装置の組立が無駄なく行える。
【0021】また、請求項6に記載の発明では、請求項
4又は5に記載の車両の表示装置用表示板の製造システ
ムにおいて、表示板のデザインデータを記録する記録手
段(70b)を備えて、オンデマンド印刷手段は、記録
手段の記録データに基づき印刷層の印刷を行うことを特
徴とする。
【0022】これによっても、請求項4又は5に記載の
発明と同様の作用効果を達成できる。
【0023】また、請求項7に記載の発明では、請求項
6に記載の車両の表示装置用表示板の製造システムにお
いて、車両販売部門側端末手段(80a)を有する車両
販売部門(80)を備え、車両販売部門側端末手段は、
車両購入者の好みを考慮した複数の表示板用デザインデ
ータのうち、当該車両購入者により選択されるデザイン
データを車両生産計画側端末手段に他の通信回線(I
3)を介し出力するようになっており、車両製造計画側
端末手段は、選択デザインデータを製造指示計画データ
に含めて出力することを特徴とする。
【0024】これにより、車両購入者の好みに応じたデ
ザインデータを表示板の印刷層の印刷に実現できる。そ
の結果、車両購入者の好みを満たしつつ請求項6に記載
の発明の作用効果を達成できる。
【0025】また、請求項8に記載の発明では、請求項
7に記載の車両の表示装置用表示板の製造システムにお
いて、オンデマンド印刷手段は、印刷層がその外周縁部
にて車両に関する可変情報を表す可変情報部(30d、
30e)を有するように、当該印刷層を印刷することを
特徴とする。
【0026】これにより、請求項7に記載の発明の作用
効果を達成できるのは勿論のこと、表示板の可変情報で
もって、その車両の購入者に対し差別感等の優越感を与
えることができる。
【0027】請求項9に記載の発明では、請求項8に記
載の車両の表示装置用表示板の製造システムにおいて、
車両が限定企画車であって、可変情報部の可変情報は、
当該限定企画車の限定ナンバーであることを特徴とす
る。
【0028】これによっても、請求項8に記載の発明と
同様の作用効果を達成できる。
【0029】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図5に基づいて説明する。図1及び図2は、図3及
び図4にて示す乗用車用計器の計器板Mを製造する製造
システムSの一例を示している。当該計器板Mは、図4
にて示すごとく、透明基板10と、接着材層20と、印
刷層30と、光沢調整層40とにより構成されている。
【0031】透明基板10は、透明の板状合成樹脂によ
り構成されている。接着材層20は、透明の樹脂性接着
材により、透明基板10の表面11に層状に塗布形成さ
れている。
【0032】印刷層30は、後述するオンデマンド印刷
方法により接着材層20の表面21に層状に印刷形成さ
れており、この印刷層30は、図3にて示すごとく、円
弧状車速表示部30a及び車速単位表示部30bを背景
部30c内に有する。
【0033】車速表示部30aは、背景部30cの図3
にて図示中央部において、貫通穴部H1を中心として円
弧状に形成されている。この車速表示部30aは、複数
条のスリット状目盛り31を放射状に円弧方向に間隔を
おいて配列するとともに、複数の数32を目盛り31の
内周に沿い間隔をおいて配列して形成されている。ま
た、車速単位表示部30bは、背景部30aのうち車速
表示部30aの両端部間中央に文字及び記号により形成
されている。なお、貫通穴部H1は、当該計器板Mにそ
の板厚方向に図3にて示す位置において板厚方向に形成
されている。
【0034】背景部30cは、不透光部となっており、
この不透光部内に、車速表示部30aの各目盛り及び各
数の輪郭の内側がそれぞれ透光部として形成されてい
る。光沢調整層40は、艶消し材料により、印刷層30
の表面33に層状にオンデマンド印刷手法により印刷形
成されている。この光沢調整層40は、印刷層30の表
面33に外光により生ずる艶を消す役割を果たす。
【0035】次に、上述のように構成した計器板Mを製
造する製造システムSの構成について図1及び図2を参
照して説明する。製造システムSは、製造計画部門50
に配置した端末装置である製造計画装置51と、組立工
場60に配置した端末装置である部品管理装置61と、
印刷工場70に配置した端末装置である製造指示作成装
置70a、印刷データ入力装置70b、印刷制御装置群
70c及びオンデマンド印刷機群70dとを備えてい
る。
【0036】製造計画装置51は、パーソナルコンピュ
ータ、キーボード及びディスプレイを備えており、この
製造計画装置51は、計器板Mを含む各種の計器板の製
造発注指示を、キーボードの操作に基づきパーソナルコ
ンピュータから組立工場60の部品管理装置61に製造
発注指示データとして公衆回線I1を通し送信する。
【0037】部品管理装置61は、各計器の計器板及び
この計器板以外の部品の手配、計器の組立進渉や計器の
組立の有無を管理する。この管理において、当該部品管
理装置61は、製造計画装置51からの製造発注指示デ
ータをいわゆるカンバン方式のもとに解析し、この解析
データを公衆回線I2を介し印刷工場70の製造指示作
成装置70aに送信する。
【0038】ここで、部品管理装置61における上記製
造発注指示データの解析は次のようにしてなされる。部
品管理装置61は製造計画装置51から製造発注指示デ
ータを受けると、この製造発注指示データに基づく各計
器板に関する内示情報(月次の製造計画を表す)及び確
定情報(日次の製造計画を表す)が演算され、これら内
示情報及び確定情報に基づき必要なカンバンの枚数が算
出される。このカンバンの枚数の算出は、組立工場60
において各計器の組立にあたり過不足なきように、各計
器を組み立てるに必要な計器板が、対応のカンバンを付
した搬送箱内に収容されて、印刷工場70から組立工場
60に搬送されるように行われる。なお、部品管理装置
61において算出された数の各カンバンは空の各搬送箱
にそれぞれ付されて組立工場60から印刷工場70に搬
送される。
【0039】製造指示作成装置70aは、パーソナルコ
ンピュータ、キーボード及びディスプレイを備えてお
り、この製造指示作成装置70aは、公衆回線I2を介
する部品管理装置61からの製造発注指示データに応じ
て、キーボードの操作に基づき部品としての各計器板の
最適発注計画をパーソナルコンピュータにより演算して
各計器板に対する製造計画を作成し、当該パーソナルコ
ンピュータから各製造計画データとして通信回線L1を
介し印刷制御装置群70cに出力する。ここで、上記製
造計画の作成は、上記カンバン方式からも分かるよう
に、組立工場60の組立工程に連動してなされる。な
お、上記各製造計画データは、図2にて例示するごと
く、各計器板の品番789−001乃至789−004
等やこれら各計器板の製造枚数、製造日等により特定さ
れる。
【0040】印刷データ入力装置70bは、パーソナル
コンピュータ、キーボード及びディスプレイを備えてお
り、この印刷データ入力装置70bにおいては、各種の
計器板の印刷用デザインデータが、キーボードの操作に
基づき、パーソナルコンピュータに入力記憶されてい
る。また、印刷データ入力装置70bは、当該各印刷用
デザインデータを、キーボードの操作に応じて、パーソ
ナルコンピュータから読み出して通信回線L2を介して
印刷制御装置群70cに出力する。なお、上記各印刷用
デザインデータは、図2にて例示するごとく、各計器板
の品番789−001乃至789−004に対応する各
印刷デザインデータD1乃至D5等よりそれぞれ特定さ
れる。
【0041】印刷制御装置群70cは、図2にて示すご
とく、複数の印刷制御装置C1乃至Cmにより構成され
ており、これら各印刷制御装置C1乃至Cmは、製造指
示作成装置70aのパーソナルコンピュータから各製造
計画データを通信回線L1を介して入力されるととも
に、印刷データ入力装置70bから各デザインデータを
通信回線L2を介し入力される。
【0042】ここで、各印刷制御装置C1、C2、C
3、C4、C5、・・・は、各計器板の品番789−0
01、789−002、789−003、789−00
4、789−005、・・・にそれぞれ対応する。従っ
て、上記各製造計画データは、その製造日に、対応の各
印刷制御装置C1乃至Cmにそれぞれ入力される。ま
た、印刷データ入力装置70bから各デザインデータの
入力は、上記各製造計画データの入力にあわせて行われ
る。
【0043】各印刷制御装置C1乃至Cmは、その各入
力データに基づき、オンデマンド印刷機群70dを構成
する複数のオンデマンド印刷機P1乃至Pm(図2参
照)のうち対応の各オンデマンド印刷機を駆動するよう
に制御する。
【0044】各オンデマンド印刷機P1乃至Pmは、対
応の各印刷制御装置C1乃至Cmによる制御を受けて、
オンデマンド印刷方法により、各計器板の接着材層に印
刷層を印刷し、然る後、各印刷層の表面に光沢調整層を
印刷する。例えば、計器板Mが品番789−001の計
器板であれば、この計器板Mの印刷層のデザインデータ
はデザインデータD1で特定される。よって、オンデマ
ンド印刷機P1は、印刷制御装置C1によりデザインデ
ータD1に応じて計器板Mの印刷層を接着材層の表面に
印刷し、然る後、光沢調整層を当該印刷層の表面に印刷
する。なお、このように印刷した各計器板は、対応のカ
ンバンを付した搬送箱に収容されて組立工場60に搬送
されるようになっている。
【0045】次に、製造システムSにより計器板Mその
他の各計器板を製造する方法について説明する。
【0046】印刷工場70においては、透明の板状ポリ
カーボネート(三菱瓦斯化学株式会社製)を上記板状板
状合成樹脂として採用し、この板状合成樹脂を所定形状
に切断して透明基板10A(図5参照)を形成する。こ
の透明基板10Aは、上記透明基板10の4枚分に相当
するものである。なお、上記板状板状合成樹脂は、透明
のポリカーボネートに限らず、透明のポリエチレンテレ
フタレート、ナイロンやABS等であってもよい。
【0047】次に、ポリエステル系樹脂性接着材(80
℃にて弾性率5×105を有する)を透明の樹脂性接着
材として採用し、この透明の樹脂性接着材を透明基板1
0Aの表面に20μm乃至30μmの厚さにて層状に塗
布して接着材層20Aを形成する。上記樹脂性接着材
は、揮発性成分を飛ばした状態で、数ヶ月の間粘着性を
維持し得るものである。なお、この接着材層20Aの形
成材料としては、樹脂性接着材に限ることなく、透光性
接着材であってもよい。
【0048】このように接着材層20Aを形成した後
は、透明基板10Aに接着材層20Aを形成した構造を
原板とし、この原板に適宜な包装を施して予め印刷工場
70に在庫として保管しておく。なお、上記原板は、各
計器に共通に使用されるもの故、上記カンバンの枚数で
決まる枚数だけ形成されて保管される。
【0049】このような状態で、印刷工場70におい
て、製造指示作成装置70aが、公衆回線I2を通して
部品管理装置61から出力データを送信されると、この
製造指示作成装置70aは、当該出力データに応じて、
各計器板の製造計画を作成し、各製造計画データとして
通信回線L1を介し対応の各印刷制御装置C1乃至Cm
にそれぞれ出力する。
【0050】また、印刷データ入力装置70bは、キー
ボードの操作のもと、各計器板にそれぞれ対応する各デ
ザインデータをパーソナルコンピュータから対応の各印
刷制御装置C1乃至Cmにそれぞれ出力する。すると、
これら各印刷制御装置C1乃至Cmは、それぞれ、製造
指示作成装置70aからの対応の各出力データ及び印刷
データ入力装置70bからの対応の各デザインデータに
応じて対応の各オンデマンド印刷機P1乃至Pmを制御
する。
【0051】この制御内容をオンデマンド印刷機P1を
例にとって説明すると、印刷層30Aが接着材層20A
の表面に層状に印刷形成される。ここで、印刷層30A
は、図5にて示すごとく、4つの印刷層30から構成さ
れる。また、オンデマンド印刷機としては、インクジェ
ット方式印刷機或いは電子写真方式印刷機(例えば、レ
ーザプリンタ)を採用する。但し、オンデマンド印刷機
P1が上述した印刷層30Aの構成を接着材層20Aの
表面にオンデマンド印刷方法によりトナーを用いて印刷
するように、印刷制御装置C1がプログラムされてお
り、この印刷制御装置C1によって、上記オンデマンド
印刷機P1が制御されるようになっている。なお、上記
トナーのうち、白色トナーは酸化チタン系或いはシリコ
ン系の顔料を採用し、黒トナーはカーボンブラック系顔
料を採用した。
【0052】しかして、上述のように接着材層20Aが
形成された透明基板10Aである原板を上記オンデマン
ド印刷機P1にセットする。そして、上記印刷制御装置
C1により当該オンデマンド印刷機P1を制御して、上
記原板の接着材層20Aの表面に上述した印刷層30A
の構成となるように上記トナーでもって印刷する。背景
部30bの不透光部としての光透過濃度は、大日本スク
リーン社製DM500型透過濃度計により測定して、
2.0以上必要であるため、黒トナーの印刷回数は2回
程度以上とするのが望ましい。
【0053】然る後、上記オンデマンド印刷機により、
艶消し材料を、印刷層30Aの表面に層状に印刷して光
沢調整層40A(4つの光沢調整層40からなる)を形
成する。本実施形態では、光沢調整層40Aは次の方法
で形成される。即ち、オンデマンド印刷方法により、透
明なインク又はトナーを用い網点状に接着材層20Aの
表面に均一に積層状に印刷する方法である。この光沢調
整層40Aの光沢度(艶度)は所定値まで下げる必要が
あるが、当該光沢度は、乗用車用計器板では、60℃に
て20以下であることが望ましく、さらに、10以下で
あれば、好適である。このような観点から、上記艶消し
材料として、シリカ、アクリル樹脂粉末等の透明添加物
を使用することで耐光性を有するようにした。
【0054】スクリーン印刷では、網点の精細形成能力
が40乃至80線/インチ(線/24.5mm)と低
く、網点が模様に見えてしまうため、一般的には、マッ
ト材なる添加物により印刷層の表面に凹凸をつけている
が、オンデマンド印刷方法によれば、100線/インチ
以上の精細性が得られるため、均一かつ細かい網点又は
微細パターンを透明な印刷層でもって形成することが可
能である。これらの網点又は微細パターンは非常に細か
いため、外観上は艶消し処理に見える。また、このよう
な方法によれば、小印刷ロットの製造時に向くだけでな
く、光沢度の調整もデータで行えるという利点がある。
【0055】当該光沢調整層を形成するためのオンデマ
ンド印刷方法はある程度の層厚が必要であり、液状でな
いインク又はトナーを用いるオンデマンド印刷方法が凹
凸感を与える観点から向いている。具体的には、熱溶融
型熱転写方法或いは固形トナーを用いる電子写真方法が
光沢調整層の形成に好適である。また、当該光沢調整層
に印刷層の耐久性を高めるためにUV吸収剤を添加する
ことも可能である。また、光沢調整層の透明材料は、必
ずしも、透明である必要はなく、下地の印刷色に影響を
与えない範囲の着色或いは同色系統の色の材料であって
もよい。
【0056】上述のように光沢調整層40Aを印刷した
後は、この光沢調整層40Aを、印刷層30A、接着材
層20A及び透明基板10Aと共に板厚方向に4分割す
る。これにより、計器板30が複数形成される。以上に
より、当該計器板の製造が終了する。
【0057】以上のように、印刷層30A(30)を、
直接、透明基板10A(10)の表面に印刷するのでは
なく、透明基板10A(10)の表面に形成してなる接
着材層20A(20)の表面に印刷形成するようにした
ので、当該印刷層30A(30)は、接着材層20A
(20)の接着力のもと、透明基板10A(10)の表
面に接着材層20A(20)を介し一様に密着し得る。
その結果、上記オンデマンド印刷機によるオンデマンド
印刷方法を用いても、印刷層30A(30)が透明基板
10A(10)からそれぞれ剥離することがない。これ
により、印刷層30A(30)における印刷の繰り返し
の安定性や色材層の密着性を安定的に向上できる。
【0058】また、このようにオンデマンド印刷方法を
用いることで、計器板の製造にあたり、本明細書の冒頭
にて述べたスクリーン印刷方法による場合の不具合を確
実に解消しつつ、迅速かつ低コストにて他品種小ロット
印刷を実現できる。
【0059】以上のようにして、各計器板を製造した後
は、これら各計器板を、対応のカンバンを付した搬送箱
に収容して、組立工場60に搬送する。このことは、カ
ンバン方式のもと、組立工場60における計器の組立に
必要な計器板をタイミングよく当該組立工場60に納入
できることを意味する。すると、この組立工場60にお
いては、印刷工場70から搬送された各計器板を用いて
対応の各計器を組み立てる。このとき、この組立に用い
た計器板に対応するカンバンを搬送箱から回収する。
【0060】因みに、80℃にて弾性率8×104を有
する樹脂性接着材で接着材層20Aを形成した点を除き
上記計器板と同様の構成を有するように製造した計器板
を比較例として準備し、この比較例を上記実施形態にお
ける計器板と比較したところ、次のような結果が得られ
た。
【0061】即ち、上記実施形態にて述べた計器板及び
上記比較例は、湿度95%及び温度65℃の雰囲気内で
1000時間放置しても、共に異常を示さなかった。し
かし、100℃の雰囲気内で1000時間放置した場
合、上記実施形態にて述べた計器板は異常を示さなかっ
たが、上記比較例は、異常を示し、透明基板の界面に浮
きを生じた。
【0062】このような検討結果から、接着材層の材質
は印刷層のオンデマンド印刷方法に応じて選択可能であ
るが、乗用車では一般に太陽光や内部照明、電気機器の
放熱等で80℃以上になり得るため、耐熱性が必要であ
り、80℃における弾性率が1×105(Pa)以上で
ある樹脂が望ましく、100℃においても弾性率が1×
105(Pa)以上である樹脂がさらに好適であること
が分かった。具体的には、ポリエステル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂やアクリル系樹脂等が接着材層の形成材料とし
て採用可能である。
【0063】図6は上記実施形態の第1変形例を示して
いる。この第1変形例では、上記実施形態にて述べた印
刷データ入力装置70bは、図6にて示すごとく、印刷
層30aの下部にて背景部30c内にカンバン情報をバ
ーコード30dとして印刷するように各デザインデータ
D1乃至D5を変更してパーソナルコンピュータ内に記
憶するようになっている。本第1変形例では、上記カン
バン情報は、各計器板の製造情報で特定される。その他
の構成は上記実施形態と同様である。
【0064】このように構成した本第1変形例では、印
刷工場70において、上述のように、製造指示作成装置
70aが各製造計画データを通信回線L1を介し対応の
各印刷制御装置C1乃至Cmにそれぞれ出力するのにあ
わせて、印刷データ入力装置70bは、キーボードの操
作のもと、各計器板にそれぞれ対応する各デザインデー
タをパーソナルコンピュータから対応の各印刷制御装置
C1乃至Cmにそれぞれ出力すると、これら各印刷制御
装置C1乃至Cmは、それぞれ、製造指示作成装置70
aからの対応の各出力データ及び印刷データ入力装置7
0bからの対応の各デザインデータに応じて対応の各オ
ンデマンド印刷機P1乃至Pmを制御する。
【0065】この制御内容をオンデマンド印刷機P1を
例にとって説明すると、上記実施形態にて述べたよう
に、印刷層30Aが上記原板の接着材層20Aの表面に
層状に印刷形成されるとき、各カンバン情報も、図6に
て示すごとく、バーコードデータ30dとして印刷形成
される。従って、ロット毎に分別されカンバンを付帯し
た搬送箱を用いた計器板の製造管理が、より一層正確な
部品製造状況でもってなされ得る。その他の作用効果は
上記実施形態と同様である。
【0066】図7は上記実施形態の第2変形例を示して
いる。この第2変形例では、上記実施形態にて述べた印
刷データ入力装置70bは、図7にて示すごとく、印刷
層30Aの各印刷層30aの下部にて、背景部30c内
に、限定車の発売台数にリンクしたエディションナンバ
ー情報をバーコード30eとして印刷するように各デザ
インデータD1乃至D5を変更してパーソナルコンピュ
ータ内に記憶するようになっている。その他の構成は上
記実施形態と同様である。
【0067】このように構成した本第2変形例では、印
刷工場70において、上述のように、製造指示作成装置
70aが各製造計画データを通信回線L1を介し対応の
各印刷制御装置C1乃至Cmにそれぞれ出力するのにあ
わせて、印刷データ入力装置70bが、キーボードの操
作のもと、各計器板にそれぞれ対応する各デザインデー
タをパーソナルコンピュータから対応の各印刷制御装置
C1乃至Cmにそれぞれ出力すると、これら各印刷制御
装置C1乃至Cmは、それぞれ、製造指示作成装置70
aからの対応の各出力データ及び印刷データ入力装置7
0bからの対応の各デザインデータに応じて対応の各オ
ンデマンド印刷機P1乃至Pmを制御する。
【0068】この制御内容をオンデマンド印刷機P1を
例にとって説明すると、上記実施形態にて述べたよう
に、印刷層30Aが上記原板の接着材層20Aの表面に
層状に印刷形成されるとき、各エディションナンバー情
報も、図7にて示すごとく、バーコードデータ30eと
して印刷形成される。従って、当該乗用車の所有者に対
する希少価値感を高めることができる。その他の作用効
果は上記実施形態と同様である。
【0069】図8は上記実施形態の第3変形例を示して
いる。この第3変形例においては、上記実施形態にて述
べた製造システムSにおいて、販売部門80の発注装置
80aが採用されている。この発注装置80aは、キー
ボード81、パーソナルコンピュータ82及びディスプ
レイ83を備えている。当該発注装置80aにおいて
は、キーボード81の操作に基づきパーソナルコンピュ
ータ82が乗用車の購入者の好みの計器板の印刷層のデ
ザインデータを複数のデザインデータから選択し、この
選択デザインデータを公衆回線I3を介して製造計画装
置51に送信する。ここで、上記複数のデザインデータ
は、パーソナルコンピュータ82による制御のもとにデ
ィスプレイ83に表示されるので、この表示内容から上
記好みのデザインデータが選択される。その他の構成は
上記実施形態と同様である。
【0070】このように構成した本第3変形例におい
て、上述のように好みのデザインデータが発注装置80
aから製造計画装置51に送信されると、このデザイン
データが製造計画装置51いより製造システム61に公
衆回線I1を通して送信される。すると、この製造シス
テム61は、上記実施形態にて述べたデータに加え、当
該デザインデータをも公衆回線I2を通して製造指示作
成装置70aに送信する。
【0071】これに伴い、当該デザインデータの対象と
なる計器板の製造計画をも含めた各製造計画データが製
造指示作成装置70aにより各印刷制御装置C1乃至C
mに出力される。すると、これら各印刷制御装置C1乃
至Cmは、それぞれ、製造指示作成装置70aからの対
応の各出力データ及び印刷データ入力装置70bからの
対応の各デザインデータに応じて対応の各オンデマンド
印刷機P1乃至Pmを制御する。
【0072】ここで、上記購入の対象となっている乗用
車の計器に採用される計器板の印刷がオンデマンド印刷
機P1によりなされる場合を例にとり、その制御内容を
説明すると、上記実施形態にて述べたように、印刷層3
0Aが上記好みのデザインデータでもって上記原板の接
着材層20Aの表面に層状に印刷形成される。従って、
当該乗用車の購入者の自己のデザイン要求を満たすこと
で他の所有者に対する優越感等の差別感を情報発信でき
る。その他の作用効果は上記実施形態と同様である。
【0073】図9及び図10は上記実施形態の第4変形
例を示している。この第4変形例においては、データ呼
び出し装置群70eが、上記実施形態にて述べた印刷デ
ータ入力装置70bと印刷制御装置群70cとの間に接
続されている。具体的には、当該データ呼び出し装置群
70eは、図10にて示すごとく、複数のデータ呼び出
し装置E1乃至Emにより構成されており、各データ呼
び出し装置E1乃至Emは、それぞれ、図10にて示す
ごとく、対応の各印刷制御装置C1乃至Cmと印刷デー
タ入力装置70bとの間に接続されている。
【0074】各データ呼び出し装置E1乃至Emは、そ
れぞれ、パーソナルコンピュータ、キーボード及びディ
スプレイを備えており、これら各データ呼び出し装置E
1乃至Emは、上記実施形態にて述べたように印刷デー
タ入力装置70bから出力される各デザインデータを、
対応の各印刷制御装置C1乃至Cmに入力することに加
えて、計器板のうち、例えば、試作品や特急品として要
求のあった場合に、キーボードの操作に基づき、パーソ
ナルコンピュータ内に印刷データ入力装置70bから要
求のあった各デザインデータを読み出して対応の各印刷
制御装置C1乃至Cmに入力する。その他の構成は上記
実施形態と同様である。
【0075】このように構成した本第4変形例におい
て、計器板のうち試作品や特急品として要求のあった場
合には、各データ呼び出し装置E1乃至Emは、データ
呼び出し装置毎に、キーボードの操作に基づき、パーソ
ナルコンピュータ内に印刷データ入力装置70bから要
求のあったデザインデータを読み出して対応の印刷制御
装置に入力する。これに伴い、各印刷制御装置C1乃至
Cmは、その各入力データに基づき、対応の各オンデマ
ンド印刷機P1乃至Pmを駆動制御する。これにより、
計器板のうち試作品や特急品を、短期間に製造できる。
その他の作用効果は上記実施形態と同様である。
【0076】なお、上記実施形態にて述べたオンデマン
ド印刷機として、熱溶融型転写方式印刷機を採用し、こ
の印刷機により印刷層30を接着材層20の表面に印刷
形成しても、上記実施形態にて述べたと同様の印刷層3
0を得ることができた。ここで、熱溶融型転写方式印刷
機において、インクリボンに使用する顔料系は電子写真
方式のものと同様の顔料系であることが耐光性の点から
望ましい。濃度の点からは、電子写真方式のものよりリ
ボンのインク層の厚さや顔料比率等の調整により不透光
性を高くすることが可能であるが、ピンホールの発生防
止の点から黒印刷材の複数回印刷を行うのが望ましい。
また、熱溶融型転写方式の場合、インクリボンの熱溶融
インク層と支持体ポリエステルフィルムの界面に転写性
をよくする離型層をもつが、この層にマット材を添加す
ることにより印画表面の光沢を下げることが可能であ
る。
【0077】また、上記実施形態では、光沢調整層40
をもオンデマンド印刷機で印刷形成するようにしたが、
これに代えて、光沢調整層40については、スクリーン
印刷機により、十条ケミカル社製2液性艶消しクリアイ
ンクを用いて、印刷層30の表面に印刷するようにして
もよい。このようにして製造した計器板は、100℃の
雰囲気内においても光沢度の変化が少なく、光源等の設
置状況により高温環境にさらされる計器の計器板として
は好適である。
【0078】また、透明基板10として、表面にエンボ
ス形状を有する板状ポリカーボネート(三菱瓦斯化学社
製MO1型)を用い、この透明基板の裏面に接着材層2
0及びオンデマンド30を形成するようにして、透明基
板10に光沢調整層としての役割をももたせるようにし
てもよい。なお、透明基板の表面のエンボス形状は、事
前に所定粒度のビーズやマット材を添加したコーティン
グ材をコーティングしたものでもよい。なお、傷付き性
まどを考慮すると、微細アクリルビーズが所定粒度のビ
ーズとして最適であった。
【0079】また、本発明の実施にあたり、光沢調整層
40の形成は、上記実施形態にて述べた方法に限ること
なく、次のような方法で行ってもよい。
【0080】第1の方法では、印刷ロットがある程度大
きい場合において、マットクリアインクを接着材層20
の表面にスクリーン印刷する。この方法によれば、計器
板の印刷パターン毎に印刷版を作る必要がないため、共
有の印刷版で印刷することができる。製版、刷版製作工
程は、その都度必要としないため、大きなコスト上昇は
ない。また、インクの種類を選択できるため、オンデマ
ンド印刷により形成される印刷層のトナーやインクの対
環境的要因、例えば、熱、湿度、光による凝集、酸化等
から、耐熱性の高いインクを用いることで。印刷層を保
護できる。例えば、マットクリアインクとしては、二液
性の架橋型インクが有効である。
【0081】第2の方法としては、粘着層や接着層を有
する所定光沢度のフィルムを常温又は高温にてラミネー
タ等で積層する方法がある。この方法によれば、フィル
ム厚みが確保できるため、UV吸収材等を多く添加する
ことも可能であり、紫外線に対し弱い色材しか選択でき
ないオンデマンド印刷の場合に有効である。フィルムの
例としては、例えば、デュポン社製テドラフィルムや旭
ガラス社製アフレックス等のフッ素系フィルムが耐熱性
や耐光性等から好適である。
【0082】また、本発明の実施にあたり、上記実施形
態にて述べた計器板の印刷層において、背景部のうち透
光部を含む領域を除き、スクリーン印刷を行い、上記透
光部を含む領域にのみオンデマンド印刷を施すようにし
てもよい。
【0083】ここで、スクリーン印刷は印刷ロット数が
大きければ低コストで製造できる方法故、計器板の目盛
り部中、スピードメータ等の表示内容が余り変動しない
部分をスクリーン印刷で印刷し、例えば、タコメータの
目盛り部のように乗用車の排気量やグレードにより表示
内容が変動し易い目盛り部をオンデマンド印刷方法で印
刷するようにして、スクリーン印刷とオンデマンド印刷
を併用すれば、さらに低コストでの製造が可能となる。
【0084】この場合、印刷層を、透明基板に直接印刷
せず、易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム
等に一旦印刷し、このフィルムを転写箔として透明基板
の表面に転写することも可能である。透明基板の表面が
平坦でない場合や透明基板が厚く、印刷機の搬送系に支
障がある場合に有効である。
【0085】また、本発明の実施にあたり、上記実施形
態にて述べた製造計画部門50は車両メーカの製造計画
部門であってもよく、組立工場60は、部品メーカの組
立工場であってもよく、また、印刷工場70は、印刷会
社の印刷工場であってもよい。また、上記第4変形例に
て述べた販売部門80は、販売会社の販売部門であって
もよい。
【0086】また、本発明の実施にあたり、公衆回線I
1乃至I3は、有線或いは無線による何らかの通信回線
であればよい。
【0087】また、本発明の実施にあたり、透明基板1
0は、無色透明に限ることなく、有色透明や半透明等の
光を透過し得る基板であればよい。
【0088】また、本発明の実施にあたり、上記原板
は、印刷工場70で製作保管するに限ることなく、部品
工場60で製造保管するようにしてもよく、外注工場で
製造保管するようにしてもよい。
【0089】また、本発明の実施にあたり、乗用車用計
器の計器板に限ることなく、一般に、自動車その他の車
両用計器の計器板や表示装置の表示板に本発明を適用し
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る計器板の製造システムの一実施形
態を示すブロック図である。
【図2】図1の印刷工場における構成を示すブロック図
である。
【図3】計器板の正面図である。
【図4】図3にて4−4線に沿う断面図である。
【図5】四つの計器板を有する原板の部分破断正面図で
ある。
【図6】上記実施形態の第1変形例を示す部分破断正面
図である。
【図7】上記実施形態の第2変形例を示す部分破断正面
図である。
【図8】上記実施形態の第3変形例を示す部分ブロック
図である。
【図9】上記実施形態の第4変形例を示す部分ブロック
図である。
【図10】上記第4変形例を示す詳細ブロック図であ
る。
【符号の説明】
10、10A…透明基板、20、20A…接着材層、3
0、30A…印刷層、30d、30e…バーコード、5
0…車両製造計画部門、51…製造計画装置、60…組
立工場、61…部品管理装置、70…印刷工場、70a
…製造指示作成装置、70b…印刷データ入力装置、7
0c…印刷制御装置群、70d…オンデマンド印刷機
群、80…販売部門、80a…発注装置、I1、I2、
I3…公衆回線、M…計器板。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種車両にそれぞれ装備される各表示装
    置の表示板(M)の製造に必要な共通の透明基板(1
    0)を、複数、準備しておき、 車両製造計画部門(50)において、その車両製造計画
    部門側端末手段(51)により前記各表示装置の表示板
    の製造指示データを通信回線(I1)を介し出力し、 部品製造部門(60、70)において、前記車両製造計
    画部門側端末手段から前記通信回線を介し出力される前
    記各製造指示データを部品製造部門側端末手段(61、
    I2、70a)にて入力されて、これら各入力製造指示
    データに基づき前記各表示装置の表示板の製造指示計画
    を前記部品製造部門側端末手段により製造指示計画デー
    タとして作成し、この製造指示計画データに基づき、オ
    ンデマンド印刷手段(70c、70d)により、前記各
    表示装置の表示板のデザインデータを、前記各透明基板
    の面にそれぞれ各印刷層(30)として印刷し、前記各
    表示板を製造するようにした車両の表示装置用表示板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 各種車両にそれぞれ装備される各表示装
    置の表示板(M)の製造に必要な共通の原板を、透明基
    板(10)の面に接着材層(20)を形成した構成に
    て、複数、準備しておき、 車両製造計画部門(50)において、その車両製造計画
    部門側端末手段(51)により前記各表示装置の表示板
    の製造指示データを通信回線(I1)を介し出力し、 部品製造部門(60、70)において、前記車両製造計
    画部門側端末手段から前記通信回線を介し出力される前
    記各製造指示データを部品製造部門側端末手段(61、
    I2、70a)にて入力されて、これら各入力製造指示
    データに基づき前記各表示装置の表示板の製造指示計画
    を前記部品製造部門側端末手段により製造指示計画デー
    タとして作成し、この製造指示計画データに基づき、オ
    ンデマンド印刷手段(70c、70d)により、前記各
    表示装置の表示板のデザインデータを前記各原板の接着
    材層の表面にそれぞれ各印刷層(30)として印刷し、
    前記各表示板を製造するようにした車両の表示装置用表
    示板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記部品製造部門側端末手段において、
    前記製造指示計画データが前記各表示装置の組立工程と
    連動して作成されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の車両の表示装置用表示板の製造方法。
  4. 【請求項4】 各種車両にそれぞれ装備される各表示装
    置の表示板(M)の製造に必要な共通の原板を、透明基
    板(10)の面に接着材層(20)を形成した構成に
    て、複数、保管しておく原板保管手段と、 前記各表示装置の表示板の製造指示データをそれぞれ通
    信回線(I1)を介して出力する車両製造計画部門側端
    末手段(51)を備える車両製造計画部門(50)と、 前記車両製造計画部門側端末手段から前記通信回線を介
    し出力された前記各製造指示データを入力されて当該各
    入力製造指示データに基づき前記各表示装置の表示板の
    製造指示計画を製造指示計画データとして作成する部品
    製造部門側端末手段(61、I2、70a)と、前記製
    造指示計画データに基づき前記各表示装置の表示板のデ
    ザインデータを前記各原板の接着材層の表面にそれぞれ
    印刷層(30)として印刷するオンデマンド印刷手段
    (70c、70d)とを備える部品製造部門(60、7
    0)とを具備する車両の表示装置用表示板の製造システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記部品製造側端末手段は、前記製造指
    示計画データを前記各表示装置の組立工程と連動して作
    成することを特徴とすることを特徴とする請求項4に記
    載の車両の表示装置用表示板の製造システム。
  6. 【請求項6】 前記表示板の前記デザインデータを記録
    する記録手段(70b)を備えて、前記オンデマンド印
    刷手段は、前記記録手段の記録データに基づき前記印刷
    層の印刷を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載
    の車両の表示装置用表示板の製造システム。
  7. 【請求項7】 車両販売部門側端末手段(80a)を有
    する車両販売部門(80)を備え、 前記車両販売部門側端末手段は、車両購入者の好みを考
    慮した複数の表示板用デザインデータのうち、当該車両
    購入者により選択されるデザインデータを前記車両生産
    計画側端末手段に他の通信回線(I3)を介し出力する
    ようになっており、 前記車両製造計画側端末手段は、前記選択デザインデー
    タを前記製造指示計画データに含めて出力することを特
    徴とする請求項6に記載の車両の表示装置用表示板の製
    造システム。
  8. 【請求項8】 前記オンデマンド印刷手段は、前記印刷
    層がその外周縁部にて車両に関する可変情報を表す可変
    情報部(30d、30e)を有するように、当該印刷層
    を印刷することを特徴とする請求項7に記載の車両の表
    示装置用表示板の製造システム。
  9. 【請求項9】 前記車両が限定企画車であって、前記可
    変情報部の可変情報は、当該限定企画車の限定ナンバー
    であることを特徴とする請求項8に記載の車両の表示装
    置用表示板の製造システム。
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