JP2002160026A - 樹脂ラミネートアルミニウム箔の加工方法およびその装置 - Google Patents
樹脂ラミネートアルミニウム箔の加工方法およびその装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡便でかつ安価に成形限界を向上させ、また
プレス成形時の成形物のパンチへの食い付きによる形状
不安定、生産の遅延を解消する方法並びにそれに使用す
る金型の提供。 【解決手段】 樹脂ラミネートアルミニウム箔のプレス
成形加工において、プレス成形機のパンチ1に、気体の
吹き出し孔2を設けたパンチを用い、パンチとラミネー
トアルミ箔の間に気体を流しながら加工することを特徴
とするラミネートアルミ箔の成形方法。
プレス成形時の成形物のパンチへの食い付きによる形状
不安定、生産の遅延を解消する方法並びにそれに使用す
る金型の提供。 【解決手段】 樹脂ラミネートアルミニウム箔のプレス
成形加工において、プレス成形機のパンチ1に、気体の
吹き出し孔2を設けたパンチを用い、パンチとラミネー
トアルミ箔の間に気体を流しながら加工することを特徴
とするラミネートアルミ箔の成形方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、薬品、化粧
品などの包装用容器、電子部品用容器などの製造に際し
て、アルミニウム箔の少なくとも片面に樹脂フィルムが
積層された樹脂ラミネートアルミニウム箔(以下「ラミ
ネートアルミ箔」という。)を材料とし、パンチを使用
して深絞り成形を行う場合の成形加工方法、そのための
金型およびその成形加工方法によって得られた成形体に
関する。
品などの包装用容器、電子部品用容器などの製造に際し
て、アルミニウム箔の少なくとも片面に樹脂フィルムが
積層された樹脂ラミネートアルミニウム箔(以下「ラミ
ネートアルミ箔」という。)を材料とし、パンチを使用
して深絞り成形を行う場合の成形加工方法、そのための
金型およびその成形加工方法によって得られた成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記の用途に対して厚さ30〜50μm
程度のアルミニウム箔に樹脂フィルムを積層したラミネ
ートアルミ箔を用いてこれを冷間張り出し成形法、しご
き成形法(以下これらの成形法を「深絞り成形法」また
は「プレス成形法」という。)などにより連続的に所定
の厚さの容器に成形する方法が採用されている。この場
合、限界成形高さをできるだけ高いものとなしうること
が要請される。このような要請に対処するための方策と
して、成形素材の選択、改善は勿論極めて重要である
が、一方において成形方法、成形条件も成形高さに支配
的な影響がある。ここで成形方法の選択として、単に成
形高さを高くするだけであれば、応力が成形材料の全体
に均一に負荷される真空成形あるいはバルジ成形などが
好ましいが、いずれも生産性、形状選択の自由度に劣る
欠点がある。従って生産性、形状選択の自由度に優れた
パンチを用いた張り出し成形法などのプレス成形が広く
採用されている。
程度のアルミニウム箔に樹脂フィルムを積層したラミネ
ートアルミ箔を用いてこれを冷間張り出し成形法、しご
き成形法(以下これらの成形法を「深絞り成形法」また
は「プレス成形法」という。)などにより連続的に所定
の厚さの容器に成形する方法が採用されている。この場
合、限界成形高さをできるだけ高いものとなしうること
が要請される。このような要請に対処するための方策と
して、成形素材の選択、改善は勿論極めて重要である
が、一方において成形方法、成形条件も成形高さに支配
的な影響がある。ここで成形方法の選択として、単に成
形高さを高くするだけであれば、応力が成形材料の全体
に均一に負荷される真空成形あるいはバルジ成形などが
好ましいが、いずれも生産性、形状選択の自由度に劣る
欠点がある。従って生産性、形状選択の自由度に優れた
パンチを用いた張り出し成形法などのプレス成形が広く
採用されている。
【0003】ところでプレス成形などによりできるだけ
成形高さの高い成形を可能とするためには、一般的にパ
ンチの天面、すなわち成形素材と接するパンチの頭頂面
において、成形素材に良好な広がり性を持たせることが
必要である。このため、パンチ天面をなるべく摩擦係数
の小さい滑り性の良好な面とすることが有利とされてい
る。例えばステンレス製のパンチに代え、材質的に摩擦
係数の小さいフッ素樹脂面を有するパンチを用いて成形
する方法の提案がある。またラミネートアルミ箔と金型
との摩擦係数を出来るだけ低減するため、樹脂層に滑材
を混入したり、金型に表面を鏡面にする、成形素板のフ
ランジ部や成形体の側壁部などを局所的に加熱し、成形
素板の変形を進行させることにより、成形素板の大きな
変形を得るなどの工夫がその代表例である。
成形高さの高い成形を可能とするためには、一般的にパ
ンチの天面、すなわち成形素材と接するパンチの頭頂面
において、成形素材に良好な広がり性を持たせることが
必要である。このため、パンチ天面をなるべく摩擦係数
の小さい滑り性の良好な面とすることが有利とされてい
る。例えばステンレス製のパンチに代え、材質的に摩擦
係数の小さいフッ素樹脂面を有するパンチを用いて成形
する方法の提案がある。またラミネートアルミ箔と金型
との摩擦係数を出来るだけ低減するため、樹脂層に滑材
を混入したり、金型に表面を鏡面にする、成形素板のフ
ランジ部や成形体の側壁部などを局所的に加熱し、成形
素板の変形を進行させることにより、成形素板の大きな
変形を得るなどの工夫がその代表例である。
【0004】また成形中のしわ押さえ力を積極的に制御
し、パンチ力を材料の破断荷重以下に抑える可変しわ押
さえ力方式も実用化されている。しかしこれらの対策は
材料コストや金型費あるいはプレス装置(含むダイセッ
ト機構)のコスト増につながるため、簡便かつ安価で成
形限界を向上させる技術が求められている。
し、パンチ力を材料の破断荷重以下に抑える可変しわ押
さえ力方式も実用化されている。しかしこれらの対策は
材料コストや金型費あるいはプレス装置(含むダイセッ
ト機構)のコスト増につながるため、簡便かつ安価で成
形限界を向上させる技術が求められている。
【0005】上記に示した成形限界を向上させる成形法
において 共通する考え方は、破断危険部になるパンチ
肩R、さらに限定すればパンチ肩頂点部R近傍の材料を
より多く流動させ、頂点部Rの材料厚さが薄くなること
を防ぐことを主眼においている。最近は、電子機器の小
型化、軽量化、携帯性等の要求とともにその需要は顕著
な伸びを示している。これに伴いこれら電子機器に使用
される各種の電子部品、例えば二次蓄電池などの電子部
品用容器等として使用されるラミネートアルミ箔製のプ
レス成形体の使用量も大きく拡大している。
において 共通する考え方は、破断危険部になるパンチ
肩R、さらに限定すればパンチ肩頂点部R近傍の材料を
より多く流動させ、頂点部Rの材料厚さが薄くなること
を防ぐことを主眼においている。最近は、電子機器の小
型化、軽量化、携帯性等の要求とともにその需要は顕著
な伸びを示している。これに伴いこれら電子機器に使用
される各種の電子部品、例えば二次蓄電池などの電子部
品用容器等として使用されるラミネートアルミ箔製のプ
レス成形体の使用量も大きく拡大している。
【0006】これらの電子部品用容器類は、小型化、軽
量化に加え、小型化された電子機器の狭小な内部空間に
セットするため、より深い物(□30mm程度の大きさ
に対し、10mm程度の深さ)、よりシャープな形状
(肩R2.0、コーナーR2.0程度)の要求が高まっ
ている。そのような成形において大きいひずみのかかる
成形をする場合には、成形物がパンチに食いつくことが
多々発生する。このような現象が発生すると生産ライン
としては成り立たなくなってしまうため、型離れの良い
成形方法の開発も要請されていた。
量化に加え、小型化された電子機器の狭小な内部空間に
セットするため、より深い物(□30mm程度の大きさ
に対し、10mm程度の深さ)、よりシャープな形状
(肩R2.0、コーナーR2.0程度)の要求が高まっ
ている。そのような成形において大きいひずみのかかる
成形をする場合には、成形物がパンチに食いつくことが
多々発生する。このような現象が発生すると生産ライン
としては成り立たなくなってしまうため、型離れの良い
成形方法の開発も要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ラミネート
アルミ箔成形物とプレス金型の間の摩擦を低減させるこ
とにより、簡便でかつ安価に成形限界を向上させ、また
プレス成形時の成形物のパンチへの食い付きによる形状
不安定、生産の遅延を解消する方法、そのための金型の
開発を目的とする。
アルミ箔成形物とプレス金型の間の摩擦を低減させるこ
とにより、簡便でかつ安価に成形限界を向上させ、また
プレス成形時の成形物のパンチへの食い付きによる形状
不安定、生産の遅延を解消する方法、そのための金型の
開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】[1] ラミネートアル
ミ箔のプレス成形加工において、パンチとラミネートア
ルミ箔の間に気体を流しながら加工することを特徴とす
るラミネートアルミ箔の成形方法、[2] パンチとラ
ミネートアルミ箔の間に流す気体が空気である上記
[1]に記載のラミネートアルミ箔の成形方法、[3]
パンチとラミネートアルミ箔の間に気体を流す期間
が少なくとも成形下死点(クランク角度180°)まで
である上記[1]または[2]に記載のラミネートアル
ミ箔の成形方法、
ミ箔のプレス成形加工において、パンチとラミネートア
ルミ箔の間に気体を流しながら加工することを特徴とす
るラミネートアルミ箔の成形方法、[2] パンチとラ
ミネートアルミ箔の間に流す気体が空気である上記
[1]に記載のラミネートアルミ箔の成形方法、[3]
パンチとラミネートアルミ箔の間に気体を流す期間
が少なくとも成形下死点(クランク角度180°)まで
である上記[1]または[2]に記載のラミネートアル
ミ箔の成形方法、
【0009】[4] パンチとラミネートアルミ箔の
間に気体を流す期間が成形体からダイが離れるまでであ
る上記[1]または[2]に記載のラミネートアルミ箔
の成形方法、[5] パンチとラミネートアルミ箔の間
に流す気体が、ラミネートアルミ箔の耐力の5〜100
%の範囲である上記[1]ないし[3]のいずれかに記
載のラミネートアルミ箔の成形方法。
間に気体を流す期間が成形体からダイが離れるまでであ
る上記[1]または[2]に記載のラミネートアルミ箔
の成形方法、[5] パンチとラミネートアルミ箔の間
に流す気体が、ラミネートアルミ箔の耐力の5〜100
%の範囲である上記[1]ないし[3]のいずれかに記
載のラミネートアルミ箔の成形方法。
【0010】[6] プレス成形機のパンチに、気体
の吹き出し孔を設けたことを特徴とするラミネートアル
ミ箔の成形用金型、[7] ラミネートアルミ箔の深絞
り成形加工において、パンチとラミネートアルミ箔の間
に気体を流しながら加工して製造されたラミネートアル
ミ箔の深絞り成形体、を開発することにより上記の目的
を達成した。
の吹き出し孔を設けたことを特徴とするラミネートアル
ミ箔の成形用金型、[7] ラミネートアルミ箔の深絞
り成形加工において、パンチとラミネートアルミ箔の間
に気体を流しながら加工して製造されたラミネートアル
ミ箔の深絞り成形体、を開発することにより上記の目的
を達成した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の対象となるラミネートア
ルミ箔としては原則として従来プレス成形に使用してい
たものと本質的に同じであって成形体の限界成形高さや
成形体のパンチへの食いつき防止には同様に効果があ
る。すなわちアルミニウム箔としては、成形体の用途、
成形体のサイズなどにより変わり相当幅があるが、通常
は30〜50μm程度が用いられる。材質的にも強度、
表面処理性、耐食性あるいは製品形状など、用途に応じ
て採用されるが、通常は1000番台の純アルミニウム
系、3000番台のアルミニウム−マンガン合金系、5
000番台のアルミニウム−マグネシウム合金系、60
00番台のアルミニウム−マギネシウム−ケイ素合金系
などの、特にO材が主として用いられる。なかでも加工
性が良好な1000番台の純アルミニウム系が使用しや
すい。
ルミ箔としては原則として従来プレス成形に使用してい
たものと本質的に同じであって成形体の限界成形高さや
成形体のパンチへの食いつき防止には同様に効果があ
る。すなわちアルミニウム箔としては、成形体の用途、
成形体のサイズなどにより変わり相当幅があるが、通常
は30〜50μm程度が用いられる。材質的にも強度、
表面処理性、耐食性あるいは製品形状など、用途に応じ
て採用されるが、通常は1000番台の純アルミニウム
系、3000番台のアルミニウム−マンガン合金系、5
000番台のアルミニウム−マグネシウム合金系、60
00番台のアルミニウム−マギネシウム−ケイ素合金系
などの、特にO材が主として用いられる。なかでも加工
性が良好な1000番台の純アルミニウム系が使用しや
すい。
【0012】ラミネートアルミ箔の少なくとも1面にラ
ミネートする樹脂としては、成形体の目的に応じて樹脂
の種類、厚さなどが選択される。通常ラミネートアルミ
箔の1面にラミネートされるフィルムとしては、ポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル、6−ナイロ
ン、6,6ナイロンなどのポリアミド、ポリプロピレン
の二軸延伸フィルムをドライラミネート接着剤でラミネ
ートしたものが用いられる。成形後にヒートシール加工
をしないものであるときは、その反対面はアルミニウム
箔そのままであっても良いが、化成処理するか、あるい
は耐食性塗料などを塗布したものが多く使用される。
ミネートする樹脂としては、成形体の目的に応じて樹脂
の種類、厚さなどが選択される。通常ラミネートアルミ
箔の1面にラミネートされるフィルムとしては、ポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル、6−ナイロ
ン、6,6ナイロンなどのポリアミド、ポリプロピレン
の二軸延伸フィルムをドライラミネート接着剤でラミネ
ートしたものが用いられる。成形後にヒートシール加工
をしないものであるときは、その反対面はアルミニウム
箔そのままであっても良いが、化成処理するか、あるい
は耐食性塗料などを塗布したものが多く使用される。
【0013】成形体が成形後にヒートシールして使用さ
れる場合には、アルミニウム箔に直接あるいは二軸延伸
フィルムをラミネート、樹脂加工、化成処理した上にホ
ットメルト、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体など
のヒートシール性熱可塑性樹脂フィルムをラミネートす
るか該ヒートシール性樹脂をコーティングしたラミネー
トアルミ箔を用いることができる。これら樹脂層の厚さ
は従来プレス成形に使用しているラミネートアルミ箔と
同じであって良い。
れる場合には、アルミニウム箔に直接あるいは二軸延伸
フィルムをラミネート、樹脂加工、化成処理した上にホ
ットメルト、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体など
のヒートシール性熱可塑性樹脂フィルムをラミネートす
るか該ヒートシール性樹脂をコーティングしたラミネー
トアルミ箔を用いることができる。これら樹脂層の厚さ
は従来プレス成形に使用しているラミネートアルミ箔と
同じであって良い。
【0014】本発明のラミネートアルミ箔の成形方法に
使用するプレス成形機としては、原則として、パンチ天
面および/またはパンチ側面に気体の吹き出し孔を設
け、かつこの吹き出し孔に気体を供給する手段を設けた
パンチを用いる以外従来のプレス成形機をそのまま用い
ることができる。この気体吹き出し孔は、孔は1個であ
ってもパンチ天面および/またはパンチ側面に気体が均
一に吹き出せるように配置してあれば構わない。現実に
はパンチのサイズにより変わるがパンチが小さければ1
個でも十分であり、大きくなるに従いパンチ全体に気体
が均等に供給できるように増していけばよい。例えばパ
ンチ天面が□30mm位であれば各コーナー部に1個、
中央に1個程度、合計5個位設ければよい。食いつき防
止を目的とするときはパンチ側面に気体の吹き出し孔を
設けることが有利である。
使用するプレス成形機としては、原則として、パンチ天
面および/またはパンチ側面に気体の吹き出し孔を設
け、かつこの吹き出し孔に気体を供給する手段を設けた
パンチを用いる以外従来のプレス成形機をそのまま用い
ることができる。この気体吹き出し孔は、孔は1個であ
ってもパンチ天面および/またはパンチ側面に気体が均
一に吹き出せるように配置してあれば構わない。現実に
はパンチのサイズにより変わるがパンチが小さければ1
個でも十分であり、大きくなるに従いパンチ全体に気体
が均等に供給できるように増していけばよい。例えばパ
ンチ天面が□30mm位であれば各コーナー部に1個、
中央に1個程度、合計5個位設ければよい。食いつき防
止を目的とするときはパンチ側面に気体の吹き出し孔を
設けることが有利である。
【0015】なおここで使用する気体としては、パンチ
と成形素材の間に介在し、その摩擦係数を減少できるも
のであればいずれであっても良い。現実には空気が安価
で入手が容易である上、後処理が不要なので最も好まし
い。気体の流し方として重要なことはパンチと成形素材
の間にできるだけ気体を均一に流すことである。
と成形素材の間に介在し、その摩擦係数を減少できるも
のであればいずれであっても良い。現実には空気が安価
で入手が容易である上、後処理が不要なので最も好まし
い。気体の流し方として重要なことはパンチと成形素材
の間にできるだけ気体を均一に流すことである。
【0016】以下ラミネートアルミ箔の成形方法をより
具体的に説明する。すなわち、パンチに空気の吹き出し
穴を設け、適切な圧力の吹き出すことによって、ラミネ
ートアルミ箔成形物と金型(パンチ、ダイ、しわ押さ
え)の間の摩擦を小さくし、成形限界を向上させる。ま
た、ラミネートアルミ箔成形物とパンチの間に薄い気体
層(空気層)を形成させることによりラミネートアルミ
箔成形物がパンチに食いつくことを防止させる。
具体的に説明する。すなわち、パンチに空気の吹き出し
穴を設け、適切な圧力の吹き出すことによって、ラミネ
ートアルミ箔成形物と金型(パンチ、ダイ、しわ押さ
え)の間の摩擦を小さくし、成形限界を向上させる。ま
た、ラミネートアルミ箔成形物とパンチの間に薄い気体
層(空気層)を形成させることによりラミネートアルミ
箔成形物がパンチに食いつくことを防止させる。
【0017】ここで代表的な形状として図1に示すパン
チ天面1に5個の気体吹き出し孔2を設けたパンチを用
いてラミネートアルミ箔の成形を行った。使用した金型
は□が30mm、肩Rは2.0コーナーRは2.0のパ
ンチを用いた。ダイの肩Rは2.0である。ブランクの
サイズとしては80mm×150mmであった。
チ天面1に5個の気体吹き出し孔2を設けたパンチを用
いてラミネートアルミ箔の成形を行った。使用した金型
は□が30mm、肩Rは2.0コーナーRは2.0のパ
ンチを用いた。ダイの肩Rは2.0である。ブランクの
サイズとしては80mm×150mmであった。
【0018】上記の場合において、パンチ天面から空気
を吹き出して成形した場合と空気を吹き出さないで成形
した場合の限界成形高さを図2に示す。パンチ天面より
0.1MPaの空気を供給しながら成形したときは空気
を供給しない場合に比して10%程度成形限界高さが改
善できたことが明らかである。空気の吹き出しは成形加
工中常時吹き出していても問題はない。しかし空気吹き
出し終了のタイミングは、成形下死点(クランク角度1
80°)まで吹いていなければ効果がなく、成形限界を
あげることのみを目的とするときは、空気吹き出し終了
がクランクが下死点をすぎていれば十分である。
を吹き出して成形した場合と空気を吹き出さないで成形
した場合の限界成形高さを図2に示す。パンチ天面より
0.1MPaの空気を供給しながら成形したときは空気
を供給しない場合に比して10%程度成形限界高さが改
善できたことが明らかである。空気の吹き出しは成形加
工中常時吹き出していても問題はない。しかし空気吹き
出し終了のタイミングは、成形下死点(クランク角度1
80°)まで吹いていなければ効果がなく、成形限界を
あげることのみを目的とするときは、空気吹き出し終了
がクランクが下死点をすぎていれば十分である。
【0019】成形物は一般的に形状的に制約を受けるた
めこのテストにおいて付与した空気圧は0.1MPa
(成形物天面(パンチ天面に対向する位置)の変形が起
きないための圧力)だが、空気圧は高いほどこの効果も
高くなる。成形物の形状、材質、(耐力、伸びなどの物
性値)により好適な値は異なってくる。
めこのテストにおいて付与した空気圧は0.1MPa
(成形物天面(パンチ天面に対向する位置)の変形が起
きないための圧力)だが、空気圧は高いほどこの効果も
高くなる。成形物の形状、材質、(耐力、伸びなどの物
性値)により好適な値は異なってくる。
【0020】図3にはパンチ荷重としわ押さえ面圧の関
係を示す。成形高さ10.6mmでの比較で、パンチ天
面より空気を吹き出したものは、空気を吹き出さなかっ
たものに比較して40Nほど荷重が高くなっている。図
4には成形時のフランジ部材料引き込まれ量を示す。成
形高さ10.6mm、しわ押さえ面圧0.1MPaでの
比較でパンチ天面より空気を吹き出した場合は、吹き出
さなかった場合に比較して0.3mmほど引き込まれ量
が多くなっていることが分かる。
係を示す。成形高さ10.6mmでの比較で、パンチ天
面より空気を吹き出したものは、空気を吹き出さなかっ
たものに比較して40Nほど荷重が高くなっている。図
4には成形時のフランジ部材料引き込まれ量を示す。成
形高さ10.6mm、しわ押さえ面圧0.1MPaでの
比較でパンチ天面より空気を吹き出した場合は、吹き出
さなかった場合に比較して0.3mmほど引き込まれ量
が多くなっていることが分かる。
【0021】図5に成形時のラミネートアルミ箔成形体
がパンチに食いつく確率を示す。パンチ天面より空気を
吹き出したときはパンチに成形体が食いつく確率が小さ
くなり、特に面圧0.3MPa以上、成形体からダイが
離れるまで、供給クランク角度としてほぼ160〜21
0°の間、空気を継続して供給したときは本パンチの形
状(上記図1に使用したものと同じもの)時においては
食いつきは全く発生しなかった。従って食いつき防止の
ためには、空気の吹き出しのクランク角度は成形下死点
で止めるのではなく、下死点を過ぎ、成形体がダイから
離れるまでの間(本テストに使用したプレス機では30
°程度)空気吹き出しを続けることが好ましい。
がパンチに食いつく確率を示す。パンチ天面より空気を
吹き出したときはパンチに成形体が食いつく確率が小さ
くなり、特に面圧0.3MPa以上、成形体からダイが
離れるまで、供給クランク角度としてほぼ160〜21
0°の間、空気を継続して供給したときは本パンチの形
状(上記図1に使用したものと同じもの)時においては
食いつきは全く発生しなかった。従って食いつき防止の
ためには、空気の吹き出しのクランク角度は成形下死点
で止めるのではなく、下死点を過ぎ、成形体がダイから
離れるまでの間(本テストに使用したプレス機では30
°程度)空気吹き出しを続けることが好ましい。
【0022】図6には空気吹きだし圧力を変えた場合の
成形限界高さの変化を示す。成形素材耐力の5%〜10
0%、好ましくは5〜50%の範囲内で成形限界の向上
が認められれる。素材の耐力の100%を超える圧力を
与えるときは成形体の形状が変形してバルジ成形品のよ
うになる危険がある。以上の説明からも分かるように、
本発明においてはパンチの形状(気体吹き出し孔の位
置、その数、成形体のサイズ、肩R、コーナーR等)は
特に限定されるものではない。ラミネートアルミ箔と金
型の間の摩擦を小さくすることがその目的であり、また
ラミネートアルミ箔成形体がパンチに食いつくことを防
止させることを目的とするものであり、パンチ天面に気
体吹き出し孔を設けた形状のプレス機は本発明に属する
ものである。
成形限界高さの変化を示す。成形素材耐力の5%〜10
0%、好ましくは5〜50%の範囲内で成形限界の向上
が認められれる。素材の耐力の100%を超える圧力を
与えるときは成形体の形状が変形してバルジ成形品のよ
うになる危険がある。以上の説明からも分かるように、
本発明においてはパンチの形状(気体吹き出し孔の位
置、その数、成形体のサイズ、肩R、コーナーR等)は
特に限定されるものではない。ラミネートアルミ箔と金
型の間の摩擦を小さくすることがその目的であり、また
ラミネートアルミ箔成形体がパンチに食いつくことを防
止させることを目的とするものであり、パンチ天面に気
体吹き出し孔を設けた形状のプレス機は本発明に属する
ものである。
【0023】
【発明の効果】パンチに気体の吹き出し孔を設け、適切
な圧力の吹き出すことによって、ラミネートアルミ箔成
形物と金型(パンチ、ダイ、しわ押さえ)の間の摩擦を
小さくすることができ、その結果成形時のフランジ部引
き込まれ量が増え、成形限界を向上させることができ
る。またラミネートアルミ箔成形物とパンチの間に薄い
空気層をことによって、ラミネートアルミ箔成形物がパ
ンチに食い付くことを防止させることもできる。パンチ
から空気を吹き出すタイミングは、成形下死点まで吹き
続けることで成形限界向上の効果が得られ、下死点をす
ぎても成形体からダイが離れるまでの時間にわたり、吹
き続けることにより、パンチへの食い付き防止効果は大
きくなる。
な圧力の吹き出すことによって、ラミネートアルミ箔成
形物と金型(パンチ、ダイ、しわ押さえ)の間の摩擦を
小さくすることができ、その結果成形時のフランジ部引
き込まれ量が増え、成形限界を向上させることができ
る。またラミネートアルミ箔成形物とパンチの間に薄い
空気層をことによって、ラミネートアルミ箔成形物がパ
ンチに食い付くことを防止させることもできる。パンチ
から空気を吹き出すタイミングは、成形下死点まで吹き
続けることで成形限界向上の効果が得られ、下死点をす
ぎても成形体からダイが離れるまでの時間にわたり、吹
き続けることにより、パンチへの食い付き防止効果は大
きくなる。
【図1】本発明のプレス成形に使用するパンチの天面の
概要を示す斜視図。
概要を示す斜視図。
【図2】本発明方法と従来法によるしわ押さえ面圧と成
形限界高さの関係図。
形限界高さの関係図。
【図3】本発明方法と従来法によるパンチ荷重、ストロ
ーク変位およびしわ押さえ面圧の関係図。
ーク変位およびしわ押さえ面圧の関係図。
【図4】本発明方法と従来法による成形時の成形フラン
ジ部の引き込まれ量。
ジ部の引き込まれ量。
【図5】本発明方法と従来法による成形時のしわ押さえ
面圧と成形体のパンチへの食いつき発生確率の関係図。
面圧と成形体のパンチへの食いつき発生確率の関係図。
【図6】本発明方法と従来法によるしわ押さえ面圧、空
気吹き出し圧力と成形限界高さの関係図。
気吹き出し圧力と成形限界高さの関係図。
1 パンチ天面 2 気体吹きだし孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 51/30 B29C 51/30 B65D 1/09 B65D 65/40 D 65/40 B29L 9:00 // B29L 9:00 B65D 1/00 C B Fターム(参考) 3E033 AA06 BA09 BA13 BB08 FA01 GA03 3E086 AB01 BA04 BA13 BA15 BB01 BB90 CA01 CA28 CA31 DA08 4E050 AA11 AA14 4F202 AC03 AG03 AH55 AH56 AH58 CA17 CB01 CK11 CK52 CK90 4F208 AC03 AG03 AH55 AH56 AH58 MA06 MB01 MC02 MG04 MK20
Claims (7)
- 【請求項1】 樹脂ラミネートアルミニウム箔のプレス
成形加工において、パンチと樹脂ラミネートアルミニウ
ム箔の間に気体を流しながら加工することを特徴とする
樹脂ラミネートアルミニウム箔の成形方法。 - 【請求項2】 パンチと樹脂ラミネートアルミニウム箔
の間に流す気体が空気である請求項1に記載の樹脂ラミ
ネートアルミニウム箔の成形方法。 - 【請求項3】 パンチと樹脂ラミネートアルミニウム
箔の間に気体を流す期間が少なくとも成形下死点(クラ
ンク角度180°)までである請求項1または2に記載
の樹脂ラミネートアルミニウム箔の成形方法。 - 【請求項4】 パンチと樹脂ラミネートアルミニウム
箔の間に気体を流す期間が成形体からダイが離れるまで
である請求項1または2に記載の樹脂ラミネートアルミ
ニウム箔の成形方法。 - 【請求項5】 パンチと樹脂ラミネートアルミニウム箔
の間に流す気体が、樹脂ラミネートアルミニウム箔の耐
力の5〜100%の範囲である請求項1ないし4のいず
れか1項に記載の樹脂ラミネートアルミニウム箔の成形
方法。 - 【請求項6】 プレス成形機のパンチに、気体の吹き出
し孔を設けたことを特徴とする樹脂ラミネートアルミニ
ウム箔の成形用金型。 - 【請求項7】 樹脂ラミネートアルミニウム箔の深絞り
成形加工において、パンチと樹脂ラミネートアルミニウ
ム箔の間に気体を流しながら加工して製造された樹脂ラ
ミネートアルミニウム箔の深絞り成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000364519A JP2002160026A (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 樹脂ラミネートアルミニウム箔の加工方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000364519A JP2002160026A (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 樹脂ラミネートアルミニウム箔の加工方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002160026A true JP2002160026A (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18835446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000364519A Pending JP2002160026A (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 樹脂ラミネートアルミニウム箔の加工方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002160026A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008212995A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Showa Denko Packaging Co Ltd | 電池ケースの成形方法及び成形装置 |
CN107552639A (zh) * | 2017-09-30 | 2018-01-09 | 浙江大学华南工业技术研究院 | 一种水槽盆胆成型模具 |
-
2000
- 2000-11-30 JP JP2000364519A patent/JP2002160026A/ja active Pending
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JP2008212995A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Showa Denko Packaging Co Ltd | 電池ケースの成形方法及び成形装置 |
CN107552639A (zh) * | 2017-09-30 | 2018-01-09 | 浙江大学华南工业技术研究院 | 一种水槽盆胆成型模具 |
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