JP2002159287A - 細胞走化性検出及び走化細胞分離装置 - Google Patents

細胞走化性検出及び走化細胞分離装置

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JP2002159287A JP2001226466A JP2001226466A JP2002159287A JP 2002159287 A JP2002159287 A JP 2002159287A JP 2001226466 A JP2001226466 A JP 2001226466A JP 2001226466 A JP2001226466 A JP 2001226466A JP 2002159287 A JP2002159287 A JP 2002159287A
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士朗 金ヶ▲崎▼
Yuji Kikuchi
佑二 菊池
Hiroko Kikuchi
裕子 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、走化性因子による細胞の走化性又
は走化性因子阻害剤による細胞の走化性阻害を検出する
に当たり、少量の細胞試料を用いて、細胞の自力に基づ
く動きを正確にしかも容易に検出しうる装置を提供する
と共に、細胞を分離する装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 複数のウエルが互いに流路を介して連通
していること及び各ウエルが試料を注入又は採取するた
めの管と試料の注入又は採取による昇圧又は減圧を回避
するための管とを備えていることを特徴とする細胞走化
性検出及び細胞分離装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞が自力で一定
の方向に移動するか否かの判定、細胞が自力で一定の方
向に移動する状態の観察、或いは一定の方向に自力で移
動した細胞の数を計数するための装置、即ち、細胞走化
性検出装置に関わる。更に、本発明は、細胞が選択的に
自力で一定の方向に移動することを利用する細胞の分離
装置及びそれを用いる細胞の分離方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】細胞の走化性をin vitro で検出する装
置としてボイデンチャンバーが使用されてきた。これ
は、細胞が通過できる大きさの穴(直径3〜8μm)が
あいているフィルターで上室と下室とに2分された構造
を有し、上室に細胞浮遊液を、下室に走化性因子を含む
検体溶液を入れ、走化性因子に向かって移動する細胞が
フィルターを通過し又は裏面に現れた数を観察する装置
である。今日最も普通に使用されている装置であるが、
細胞浮遊液の量として、1×106 cells/mlの濃度の
浮遊液を1/4ml〜1/20ml要する。これは、細胞数に
して、少なくとも5×104個を必要とすることを意味
する。多量に得られる細胞を対象とする場合はさしたる
問題はないが、例えば、好酸球は抹消血白血球に占める
割合が1〜5%程度、好塩基球は同じく1%以下、単球
は同じく1〜2%程度であり、この様な少量のみ存在する
細胞を対象とする場合は、必要量を手に入れるために多
くの労力を要する。また、マウスのような小動物を用い
る場合、採血可能な量は限られており、一頭あたりせい
ぜい0.7ml程度である。更に、がん細胞や組織に存在
する細胞にも多量には入手しにくい細胞があり、その性
質を調べるには使用量が少ないことが望まれる。また、
ボイデンチャンバーにおいては、移動する過程にある細
胞の状態の観察や数の計数をすることができない。
【0003】細胞の走化を数個のレベルで観察できる定
性用スライドグラスが市販されている。これは、スライ
ドグラス上に1mm幅の土手(流路)を挟んで幅4m
m、長さ25mm、深さ1mmの溝が2本設けられてい
る。一方の溝に細胞浮遊液を入れ、他方の溝に走化性因
子を含有する検体溶液を入れ、一方の溝から土手を越え
て他方の溝へ移動する細胞を顕微鏡で観察する。この製
品では、夫々の溝に細胞浮遊液や検体溶液を入れる際、
液が夫々の溝から溢れて他方の溝に流れ込まないように
するために微妙な調節を要する。また、一本の溝の容積
が100μlであり、少なくとも1/10mlの細胞浮遊液を要
する。
【0004】スライドグラス上に、同心円状に二つのウ
エルを設け、その間を土手(流路)で隔てたケモタキシ
スチャンバーが市販されている(ウェーバーサイエンテ
ィフィック社)。これは、内側のウエルに細胞浮遊液
を、外側のウエルに検体を夫々入れ、カバーグラスを被
せて、マウントを通過する細胞を顕微鏡で観察するもの
である。土手はカバーグラスより20μm低く設定されて
おり、細胞はその隙間を通過する。この装置を使用する
場合は、各ウエルに細胞浮遊液又は検体を入れる際に、
液が溢れないように微妙な調節をする必要があり、また
液面が盛り上がりカバーグラスを被せたとき両ウエルの
液が土手を乗り越えて混ざり合うことが起こりやすい。
従って、この装置では、細胞の走化・遊走を観察するの
にとどまり、走化・遊走の有無や定量を行うことは難し
い。
【0005】血液レオロジーの計測のために、シリコン
単結晶基板表面に半導体作製技術を利用して微細な溝を
複数本設けてなる流路を備えた装置が提案されている
(Kikuchi 他、SPIE Vol.2978,165−171(1997)、菊池
他、生物物理 214号254−258(1997))。これは、流
路を挟んで圧力差を与えることにより血球浮遊液の流れ
を作り、血流の状況を観察し研究しようとするもので、
細胞レベルでの挙動を観察することを可能とするもので
あるが、血球の自力による移動を観察乃至計測すること
を目的としていない。
【0006】特開平3−257366号公報には、一端部に流
入口を有し、他端部に流出口を有する大きな溝を並列に
配置し、且つ、この溝を区画する障壁に、前記流入口と
流出口とを結ぶ直線に対し直交する方向において、溝相
互を連通する微小な溝を設けてなる血液回路が記載され
ている。これは、大きな溝の一つに血液試料を流し、他
方の溝に走化性因子を含む検体を流しておき、血液試料
の一部のみを微細な溝(流路)に導き、微細な溝(流路)を
通過する細胞を検出することで、細胞の動きや機能をチ
ェックし、或いは遊走性を観察・測定するものである。
大きな溝により血液試料及び走化性因子を含む検体が循
環する流れを作るため、血液試料及び検体が相当量必要
であり、微量な試料を用いて細胞の性質を調べるには不
向きである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、走化性因子
による細胞の走化性又は走化性因子阻害剤による細胞の
走化性阻害を検出するに当たり、細胞の自力に基づく動
きを正確にしかも容易に検出しうる装置を提供すること
を目的とする。ここに、自力に基づく動きとは、圧力等
の影響を受けることなく、細胞が自らの運動により移動
する状態を意味し、走化性因子の作用を高い信頼度で検
出するために重要な事項である。そのためには、細胞浮
遊液や検体溶液等の試料が、各ウエルに注入される際、
相互に混ざり合わないことが必要である。また、本発明
は、少量の細胞試料を用いて細胞の走化性を検出するこ
とができる装置を提供することを目的とする。加えて、
本発明は、細胞の走化性物質及びそれを阻害する物質の
検索を行う装置の提供を目的とする。更に、本発明は、
細胞の動きを個々のレベルで捉えることができる装置の
提供を目的の一つとする。本発明は、一度に多数の検体
につき、検出・測定を自動的に行うことができる装置を
提供することも、その目的の一つとする。本発明は、複
数種の細胞の混合液から特定の細胞を選択的に分離採取
する装置を提供することも、その目的の一つとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる装置は、
複数のウエルが互いに流路を介して連通していること及
び各ウエルが試料を注入又は採取するための管と試料の
注入又は採取による昇圧又は減圧を回避するための管と
を備えていることを特徴とする細胞走化性検出及び走化
細胞分離装置である。
【0009】複数のウエルは流路を介して直列に連通し
ていても良く、また、1つのウエルに複数のウエルが流
路を介して連通していても良い。更に、後者の場合にお
いて、1つのウエルに流路を介して連通している複数の
ウエルの内、少なくとも2つが相互に流路を介して更に
他の共通のウエルと連通していてもよい。
【0010】これ等ウエルの少なくとも一つにおいて、
流路の近傍における液体の量を制限するために、流路に
直交して壁を設けることができる。
【0011】本発明において好ましい流路は、狭い隙間
を形成する土手であり、土手には、細胞の径又はその変
形能に合わせた幅の溝を1乃至複数本、例えば、約100
本構成する障壁を設けることが好ましい。流路において
相対するウエルに向かう方向の複数の溝が、これに直交
する1乃至複数本の溝で互いに連通していてもよく、
又、相対するウエルに向かう方向の複数本の溝の幅が、
これに直交する溝を横切る度に段階的に変化してもよい
。更に、相対するウエルに向かう方向の複数本の溝
が、これに直交する溝を横切る度に相互の位置関係をシ
フトさせ、例えば2分の1ピッチずらして形成されていて
もよい。
【0012】また、土手には、テラスが設けられていて
もよく、テラスは多段に形成されていてもよい。土手の
中央にテラスを設け、テラスを挟んで溝を構成する障壁
の列が2箇所に形成されていてもよい。
【0013】本発明の細胞走化性検出及び走化細胞分離
装置は、上記の各装置を1ユニットとし、同一又は複数
種のユニットを複数個集積させた集積ユニットを1乃至
複数個有することができる。これは、多検体を同時に処
理し、多数又は多種の細胞の走化性を同時に検出し、或
いは多種の細胞を一度に分離するために役立つ。
【0014】本発明は、上記細胞走化性検出及び走化細
胞分離装置よりなる単位ユニットの1個、同一又は複数
種のユニットを複数個集積させてなる集積ユニット又は
複数個の集積ユニットよりなるユニット部、細胞貯蔵
部、検体貯蔵部、これ等各部を移動する細胞供給ピペッ
ト、検体供給ピペット及びユニット部における細胞の移
動を検出し、必要に応じて検出結果を記録する検出部を
ユニット部と一体化して設けるか、または、複数のユニ
ット部に対応可能な様に設け、且つ、細胞供給ピペット
及び検体供給ピペットの移動を制御する機構及び、必要
に応じ、ユニット部を検出部に移動させると共に次のユ
ニット部をピペットの動線の位置に移動させるための機
構を備えている自動化された細胞走化性検出及び走化細
胞分離装置を含む。ここで、ピペットの材質は、ガラス
に限らず、金属、プラスチック等適宜選んで使用でき
る。
【0015】更に本発明は、必要に応じ、ピペット洗浄
部を備え、ピペットがピペット洗浄部において洗浄液を
吸引・排出するよう制御される機構を含むことができ
る。
【0016】本発明は、細胞供給ピペットが細胞貯蔵部
から予め定められた量の細胞懸濁液を、必要に応じ攪拌
後、吸引し、これをユニット部に供給するよう制御され
ること、検体供給ピペットが検体貯蔵部から予め定めら
れた量の検体を吸引し、これをユニット部に供給し、次
いでピペット洗浄部で洗浄液を吸排して洗浄するよう制
御されること、必要時応じ、検体供給ピペットが、検体
供給動作の前に、先に供給された細胞のウエル内におけ
る位置を調整するために所定量の液体を吸引するよう制
御されることを含む自動化された細胞走化性検出及び走
化細胞分離装置である。
【0017】本発明は、本発明に関わる細胞走化性検出
及び走化細胞分離装置において、一つのウエルに複数種
の細胞の混合浮遊液を入れ、他のウエルに特定の細胞に
対する走化性因子含有溶液を入れ、当該他のウエルに移
動した細胞を採取することによる細胞の分離方法に関わ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に関わる細胞走化性検出及
び走化細胞分離装置は、複数のウエルが流路を挟んで結
合し、互いに連通しており、夫々のウエルには試料を注
入又は採取するための管及び試料の注入又は採取による
昇圧又は減圧を回避するための管の二本の管が設けられ
ている。ここで、流路とは、二つのウエルを連通させて
いる部分であり、一つのウエルから他方のウエルに細胞
が移動するときに細胞が通過する通路である。本発明の
装置は、試料を注入・採取する際、流路において相対す
るウエルに向かう方向の液流が生じにくく、流路の両端
にあるウエルの液体が互いに混ざり合うことがなく、そ
の結果、細胞が専ら走化性因子の作用によってのみ移動
する場合を検出できる装置であって、原理を図1(断面
図)及び図2(下面図)により説明すれば次の通りであ
る。
【0019】図1及び図2において、1は流路、2は細
胞浮遊液や検体溶液等の試料を収納するウエルであり、
試料はマイクロピペット等により管3を通じてウエル2
に供給され、或いはウエル2から採取される。ウエル2
の一つ(2A)に細胞浮遊液を入れたとき、細胞は、他
方のウエル(2B)の検体溶液が走化性因子である場合
はウエル2Bに向かって移動しようとし、流路1を通過
する。
【0020】試料の一つである細胞浮遊液を、マイクロ
ピペット等により管3を通じてウエル2Aに供給する
際、注入する液圧により細胞が流路1を通過して反対側
のウエル2Bに移動してしまうことが生じる。これは、
細胞の移動が検体の有する走化性によるのか否かの判定
に混乱を与える要因となるとともに、細胞の分離を目的
とする場合は、所望の細胞に他の細胞が混合してしまう
ことになり目的が達せられないことになる。この問題点
を解決するために、本発明は、管3と連通するように管
4を設け、管3に加わる注入圧を管4の方向に逃がし、
流路1に向かって細胞が強制的に流れることを防止す
る。
【0021】同様に、検体溶液を、マイクロピペット等
により管3を通じてウエル(2B)に供給する際、注入
圧により検体溶液が流路1を通って反対側のウエル(2
A)に入り細胞浮遊液と混合する事態が生じ、細胞がそ
の走化性により流路1を通過する現象が混乱乃至阻害さ
れる。これを防止するために、検体を収納するウエル(2
B)においても管4を設ける。かくして、本発明におい
て試料を注入する管3に連通する管4を設けることによ
り、水平方向への液圧の影響を最小にすることができ、
検体溶液が細胞走化性を有するか否かの判定をより正確
に行うことができる。管4による圧力差の緩和作用は、
ウエルから細胞などの試料を採取する際の減圧を緩和す
る上でも有効であり、試料の採取を容易にする。
【0022】本発明の装置においてウエルに試料を注入
する場合を、図1により説明すると、予め各ウエル及び
流路を細胞等張液で満たしておき、ウエル2Aの管3か
ら細胞浮遊液を、ウエル2Bの管3から走化性因子含有
溶液を、夫々ほぼ等量づつ注入する。こうすることによ
り、試料注入時の圧力は管4により緩和される。
【0023】本発明の装置において、夫々のウエルが試
料を注入又は採取するための管と共に試料の注入又は採
取による昇圧又は減圧を回避するための管とを備えてい
るため、他のウエルに影響を与えることなく、各ウエル
に試料を注入し、或いはウエルから試料を採取すること
ができ、このことの故に、複数のウエルを目的に応じて
種々の様式で結合させ、互いに連通させることが可能で
ある。複数のウエル2が流路1を介して結合し互いに連
通する様式は、後述するように、目的に応じて種々採用
しうる(図12〜図16)。
【0024】細胞の走化性を検出し、或いは分離する場
合、注入された細胞は、当初、ウエル内において土手或
いは流路の近傍に集められることが望ましい。図1で示
す細胞走化性検出又は走化細胞分離装置のユニットを例
にとれば、管3を通してウエル2Aに注入された細胞は、
土手の近傍、即ち、ウエル2Bに向かう流路の近傍に存
在することが望ましい。この位置の調節は、流路を介し
て相対するウエル2Bの管3又は4から適当量の液体を適
当な速度で吸引することにより行うことができる。吸引
する液体の量は、管及びウエルの容積から求められる。
吸引する液体の量及び吸引速度はコンピュータープログ
ラムにより容易に制御することができる。
【0025】流路1には、図4乃至11に示すような、細
胞の径又はその変形能に合わせた幅の溝を1乃至複数
本、例えば、約100本構成する障壁を設けることが好ま
しい。ここに、細胞の変形能とは、細胞が弾力性を有す
るものであるとき、その弾力性のために容易に形を変
え、扁平状やひも状などの形態をとり、通常、細胞が自
由空間でとる形状(球状)において有する径よりも狭い
間隔の溝を通り抜けることを言う。かかる溝を設けるこ
とにより、細胞を個々のレベルで観察することが可能と
なり、又、細胞を所望の種類ごとに分離することができ
る。なお、図3は、流路1において図4〜図11に例示さ
れるような溝5を構成するべく、障壁6が設けられてい
る場合を示す。
【0026】細胞の移動の観察乃至流路を通過中又は通
過後の細胞数の計数は、図3に示すように流路1に検知
装置、例えば顕微鏡をセットすることにより行われる。
また、顕微鏡−ビデオカメラ、或いはCCDカメラを組
み合わせることにより、自動的に細胞の移動する経過を
記録することが可能となる。
【0027】流路1を通過する細胞の検出・計数は、細
胞を直接顕微鏡で捉えることにより行うこともできる
が、常法に従い、予め細胞を発光・蛍光物質でマーキン
グしておき、その発光・蛍光を捕捉することにより容易
に検出・計数することができる。
【0028】上述した、連通管を備えたウエルが流路を
介して連通してなる装置を1ユニットとし、複数のユニ
ットを集積させることにより、多種類の検体又は多種類
の細胞を対象として、同時に検出を行うことができる装
置とすることができる。検体溶液を注入するための管及
び細胞浮遊液を注入・採取するための管が、夫々直線上
又は同心円上に並ぶように各ユニットを集積させること
により、複数のマイクロピペットによる作業を容易と
し、又、夫々の流路を通過する細胞を同時並行して観察
することが可能となる(図17〜図21、図25参照)。細胞
の分離に当たっても、一度に多数の試料を処理すること
ができる。
【0029】本発明によれば、かかる装置の全体を小型
化することが可能であり、試料の処理を微量で行うこと
ができ、しかも各ユニットを多数集積させて、多数検体
の処理を同時に行うことが可能となる。更に、液体の吸
引・注入量のプログラム制御により自動化して行うこと
が容易である。
【0030】即ち、装置の自動化は、ユニット単体、同
一又は複数種のユニットを複数個集積させてなる集積ユ
ニット又は複数の集積ユニットよりなるユニット部と共
に、細胞貯蔵部、検体貯蔵部、必要に応じてピペット洗
浄部及びこれ等各部を移動する細胞や検体等の試料供給
ピペットを備え、且つ、これ等ピペットの作動を制御す
る機構をを備えることにより、細胞や検体等の供給・採
取も含めた装置全体を自動制御することができる。この
制御は、コンピュータープログラムにより容易に行われ
る。
【0031】本発明に関わる装置の構造を更に具体的に
説明すれば、次の通りである。
【0032】1)ユニットの構造 図1及び図2に例示するように、流路1及びウエル2は
基板7上に一体的に構築され、基板7には各ウエルに通
じる二本の管と連絡する穴(貫通孔)3′、4′が設け
られる。基板7の貫通孔3′、4′に相当する管3、4
を穿ったブロック9が、各管が基板7上の各貫通孔
3′、4′に合致するように固着される。基板7の下面
には光学研磨したガラス基板8を圧着させる。なお、ブ
ロック9、基板7及びガラス基板8はO−リングで締め
付ける等により圧着・固定してもよい(図22参照)。
【0033】2)ウエル ウエル2は、試料、即ち、細胞浮遊液又は走化性因子含
有溶液、同阻害剤含有溶液等の検体溶液を収納するもの
で、容積は、特に制限は無く、必要最小限の液量を収納
できればよい。例えば、深さ0.1mm程度、幅1.2mm程
度、長さ2.5mm程度あれば充分である。
【0034】流路を介して互いに連通しているウエルの
何れか一方、例えば細胞を収納するウエル、又は双方に
おいて、流路の近傍における液体又は細胞懸濁液の量を
制限するべく、流路に直交して壁を設けることにより、
ウエル内における細胞の流路に対する位置関係を調整す
ることが容易となり、或いは、検体試料の流れを調整す
ることが容易となる(図23)。図23は、流路1を介してウ
エル2A、2Bが連通しており、夫々のウエルに、流路
1に直交して壁14A及び14Bが設けられている場合を示
す。試料注入管3Aからウエル2Aに細胞が注入された
とき、細胞は壁14Aと流路1の間に集まり易い。壁14と
流路1との間隔は任意に設定できるが、通常は50〜300
μmから選ばれる。
【0035】図24は、流路に直交して壁を設けたウエル
と流路の変形例を示しており、(1)はウエルの幅の一部
に流路が設けられている場合を、(2)は流路が中央で
二分されており、流路を挟んで一個のウエル(2A)に対
し二個のウエル(2B、2C)が設けられていると共にウ
エル2A側にのみ壁24が設けられている場合を、(3)は
流路において障壁の列がテラス11を挟んで二列設けられ
ている場合を、夫々示している。このような変形は例示
として挙げたもので、これ等に限られないことは云うま
でもない。
【0036】3)流路 流路1の構造の一例を図1、図3により説明すれば次の
通りである。流路1は、両端のウエル2Aとウエル2B
を隔てる土手10(基板7上の突出部)及びガラス基板8
により構成される。好ましい態様としては、土手の上
に、図4〜図11に例示されるような複数の障壁6が設け
られ、細胞が通過する溝5が形成される。
【0037】土手10は、流路1の両端にあるウエル2を
隔てるもので、そのサイズは、特に限定されるものでは
ないが、例えば、高さ0.1mm程度、相対するウエルに向
かう方向における長さとして0.01〜1.0mm程度、相対す
るウエルに向かう方向に直交する方向における長さとし
て1.2mm程度あればよい。
【0038】土手の上面に、障壁を挟んで、平面を設け
ると細胞の通過が観察しやすくなる(この平面をテラス
と呼ぶことにする)。テラス11(図3)は、必須のもので
はないが、設けることが好ましい。テラス11を設ける場
合、その相対するウエルに向かう方向の長さは約0.03m
m乃至約0.4mmから適宜選ばれる。
【0039】なお、図26に例示するように、テラス11を
多段式に形成することにより、一方のウエル側から吸引
すると他方のウエルに入れた細胞が土手10の近傍に集ま
り易くなる。例えば、細胞が好中球、好酸球、好塩基球
等である場合、テラス11-2及び11-3のガラス基板8から
の距離(図においては障壁6の高さ)を3μm、テラス1
1-1及び11-4のガラス基板8からの距離を4.5μmとし、ウ
エル2Aに細胞を入れ、ウエル2Bの側から液を吸引す
ると、細胞はテラス11-1のところで一旦止まった後、テ
ラス11-2とガラス基板8との間に集まり易くなる。各テ
ラス11-14のガラス基板8からの距離は、取扱う細胞
に応じて適宜設定することができ、概ね3乃至5μmの範
囲で設定され得るが、これに限定されるわけではない。
ここで、細胞を収納するウエルの反対側のテラス(1
1-3)の長さを、細胞を収納するウエルの側のテラス
(テラス11-2)より約1.5乃至5倍長くすると、溝を通
り抜けた細胞の観察や計数をより容易に行うことができ
る。なお、図26は障壁6が設けられている場合を示して
いるが、テラス11-2 及び11-3のガラス基板6からの距
離が細胞の径又は変形能に相当する場合は、障壁は必ず
しも必要ではない。
【0040】土手の上面に障壁6(図3〜5参照)を設ける
場合、障壁6により構成される溝5の断面は、V字型断
面、凹型断面、半円型断面等、任意の形状とすることが
できるが、通常はV字型断面が好ましい。溝5の幅は、
通常3〜50μmから選ばれ、対象とする細胞が1個づつ
通過するだけの幅であることが好ましく、細胞の種類に
合わせて好適な幅が選ばれる。赤血球、好中球、好酸
球、好塩基球、単球・マクロファージ、T細胞、B細胞
等の場合は3〜10μm、例えば6、7、8又は10μmから
選ばれ、がん細胞や組織に存在する細胞の場合は10〜20
μmの幅が選ばれる。溝5の数は1乃至約100本、好まし
くは約5乃至約80本、より好ましくは約10乃至約50本
である。
【0041】障壁6の長さは、約10〜約400μmから選
ばれ、例えば、10、20、30、40、60、100、200、300又
は400μmのものが用いられる。障壁6自体の幅は適宜
選ぶことができ、通常は溝5の幅の2倍程度が好まし
い。図10に示す構造を採る場合は縦横の長さがほぼ等し
い方が効果的である。
【0042】流路1を形成する溝5は、図6〜図10に例
示するごとく、相対するウエルに向かう方向に直交する
1乃至複数本の溝12で互いに連通していてもよい。かく
することにより細胞が通過する様子をより正確に把握す
ることができる。その場合、図8、図9の如く溝5の幅
を、相対するウエルに向かう方向でこれに直交する溝12
を横切る度に段階的に変化させても良い。なお、図8で
は、障壁6自体の幅が変化する例を示しているが、図9
に示すように、同一の大きさを有する障壁6の数を増減
させることにより溝5の幅を変化させることもできる。
【0043】図10に例示する如く、相対するウエルに向
かう方向の複数の溝5が、これに直交する溝12を横切る
度に、相互の位置関係をシフトさせて形成されていても
よい。図10は、相対するウエルに向かう方向の溝5が、
それと直交する溝12を横切る毎に、5aと5bのよう
に、2分の1ピッチづつ位置関係を変えて形成されている
場合を示す。溝5をこのように形成させることにより、
走化性因子や阻害物質を含有する検体溶液の拡散を行わ
せることができ、相対する流路に向かう方向での検体溶
液を均一に分布させることができると共に、細胞や検体
の注入・採取による昇圧・減圧をより効率よく回避する
ことが可能となる。
【0044】更に、障壁6は、図11に例示する如く相対
するウエルに向かう方向に繋がった連続形であっても良
い。また、土手の中央にテラスを設け、テラスをはさん
で障壁の列を2箇所に形成することもでき(図24(3)、図35
参照)、かかる構造とすることにより、溝を通過した後
の細胞の観察・計数が容易に行われる。なお、中央のテ
ラスの大きさは、顕微鏡の視野でカバーできる大きさで
あることが望ましい。図35において、(1)は上面図、
(2)は断面図である。
【0045】障壁6の高さ(溝の深さ)は、細胞の移動
を観察する際の顕微鏡の焦点深度内に収まる深さである
と便利であり、例えば、10〜40倍の顕微鏡の焦点深度に
合わせると4.5μm程度が好ましいが、これに限定され
る必要はない。
【0046】4)流路を介したウエルの連通様式 流路を介したウエルの連通様式は、図1、図2に例示す
る2連式、図12に例示する3連式等が考えられるが、必
要に応じて更に結合させ、連通させることもできる。連
通の形式として、図12のような直列型の他に、図13に例
示するように、一つのウエルの周りに流路を介して複数
のウエルを連通させた、所謂、同心状の形式をとること
もできる。図13のタイプの変形として、図14の如く、同
心円状にすることもできる。図14は、3連式を同心円状
にした例であり、図15は断面図である。
【0047】図13の場合、基板の貫通孔3'に管3が設
けられており、貫通孔4'には管4が設けられる。ウエ
ル2Aに管3を通して細胞浮遊液を入れ、ウエル2B1
4に種々の検体を入れることにより、複数の走化性因
子の検索を同時に行うことができる。更に、複数種の細
胞を含む試料をウエル2Aに入れることにより、細胞を
種類別に分離することを一度に行うことができる(ソー
ティング)。例えば、ウエル2B14に細胞の種類に対
応した走化性因子を入れ、中央のウエル2Aに複数種の
細胞を含む試料、例えば全血を入れる。細胞は、夫々の
走化性因子のある各ウエル2B14に向かって移動す
る。一定時間経過後に、各ウエル2B14から、貫通孔
3′に接続している管3を通じて細胞を採取する。この
際、ウエル2B 14の貫通孔4′に接続している管4の
作用により、吸引時に発生する減圧でウエル2Aの細胞
浮遊液がウエル2B14に流入することが一時的に防止
される。
【0048】図12で例示される3連式の場合は、ウエ
ル2Aに細胞浮遊液、ウエル2Bに阻害剤含有液、ウエ
ル2C走化性因子含有液を入れることにより、複数検体
につき3者の関係を一度に調べることができる。
【0049】図16には、1つのウエル(2A)に流路を介
して連通している複数のウエルの内、少なくとも2つの
ウエル(2B1及び2B2)が相互に流路を介して更に他の
共通のウエル(2C)と連通しているタイプが例示されて
いる。この場合、ウエル2Aに細胞浮遊液を、ウエル2
Cに走化性因子を含有する検体溶液を入れ、ウエル2B
1及び2B2に夫々異なった阻害剤を含む検体溶液を入れ
ることにより、夫々の阻害剤の性質を同一条件下で比較
しながら調べることができる。
【0050】5)ウエルと流路の作製 基板7の材質としては、微細加工が容易で、細胞に対し
比較的不活性なシリコン単結晶が好ましい。流路1の障
壁6及び溝5は、このシリコン単結晶に集積回路の製作
で使用されるエッチングやフォトリソグラフィ等により
工作される。ウエル2及び貫通孔3′、4′は障壁6や
溝5に比べれば比較的大きいので様々な既知の工作技術
を適用して作製することができる。シリコン単結晶以外
にも、硬質ガラス、硬質プラスチック、金属等も流路に
おける微細な構造が構築可能であれば使用できる。な
お、流路1とウエル2を夫々別に作製し、組合わせても
よい。
【0051】製作過程の一例を図27により説明すると、
まず、シリコン単結晶基板の一部(1)に、(2)及び
(3)に示す如く、溝5を形成させる。ここで、(2)
は上面図であり、(3)は破線部における断面図であ
る。次いで、溝5及び障壁6を残して全体を障壁の高さ
(例えば、4.5μm)だけ掘り下げる(4)。その後、
中央に土手10を残して、更に掘り下げてウエル2を形成
させ(5)、最後に、サンドプラスト法等により、ウエ
ルの底部に貫通孔3′、4′を設ける(6)。(7)
は、(6)の上面図である。
【0052】6)ブロック及び管 ブロック9は図1に例示するように、ウエルに通じる管
を有する部分である。物理的に可能であれば、ウエルの
貫通孔3′、4′に管を直接装着してもよく、その場合
は、ブロックは必要でない。管3、4の断面は、通常は
四角形又は円形から選ばれる。管の太さは、特に限定さ
れるものではないが、四角形の場合は1辺が1mm程度
でよく、円形の場合は直径が1mm程度でよい。長さ
は、細胞浮遊液、検体溶液の容量を保持する上から、2
mm〜10mm程度は必要である。
【0053】ブロック又は管を構成する材質は、ガラ
ス、アクリル等のプラスチックス又は金属から選ぶこと
ができ、管は、通常の工作手段、例えば、レーザー光線
による鑿孔その他により容易に作製される。
【0054】各ユニットに手作業(マニュアル)で、細胞
又は検体を注入する場合において、作業を容易にするた
めに、夫々の注入管の上端部の周りを、注入管の径より
も大きくロート状に掘り窪めておくと、ピペットの挿入
が容易となる(図28(1)及び(2)における29参照)。
【0055】7)ガラス基板 ガラス基板8は、図1に例示するように、基板7に圧着
して液体を収納する空間を構成し、且つ流路を通過する
細胞の観察を可能とするもので、光学的に透明且つ平面
性を保持しするものである。また、細胞が接着すること
が望ましい。かかる目的に適うものであれば、ガラス以
外にも、透明アクリル等のプラスチックも使用できる。
厚さは、特に限定されるものではないが、1〜2mmあ
れば充分である。
【0056】8)多数のユニットの配列 流路を介して連通した複数のウエルを1ユニットとし
て、複数のユニットを1枚の基板上に配置乃至集積して
多数検体を同時に処理する装置とすることができる。同
じタイプのユニットを並列に配置する場合(例えば図17
〜18)、円形に集積する場合(例えば図20〜21)、異種の
ユニットを配列する場合(例えば図19)など、必要に応じ
て種々の配置乃至集積をすることが可能である。以下に
各図に基づいて配置乃至集積の様式を説明するが、もと
よりこれ等は例示であり、これ等に限定されるものでは
なく、目的に応じて種々の組み合わせを採ることができ
る。
【0057】図17及び図18は、図1、図2に示す、2つ
のウエルが流路を介して連通してなるユニットが、1辺
が16mmの正方形である一枚の基板7上に12個設けられ
た場合を示す。1ユニットの大きさは長辺が5.7mm、
短辺が1.2mm、ユニットの間隔は0.8mmで配置されて
いる。なお、図17では、基板7に設けられた貫通孔3′
及び4′が四角形であるのに対し、図18は貫通孔が円形
である場合を示す。
【0058】図19は、図16や図17に示される多数ユニッ
トの集積を更に集積させた場合を示す。即ち、図19にお
いてA14、B14、C14で表される四辺形の夫々が
図17又は図18で示される集積である。ここで、A行、B
行及びC行は互いに異なったタイプのユニットの集積で
あることができる。
【0059】図20は、2連式の独立したユニットが円形
に集積されている場合を示す。図21はその断面図であ
る。大きさを例示すると、ウエル2A及び2Bは半径方
向の幅が1.5mm、流路の幅は0.5mmであり、10μ
m幅の溝5が設けられている。この場合、ユニット全体
としての円の半径は5.0mmである。目的に応じて、
大きさを変えられることは云うまでもない。
【0060】これら、多数のユニットを集積させる場合
において、ブロック9は全てのユニットに夫々管を接続
する1個のものとして構成することができ、ガラス基板
8も全体で1枚とすることができる。
【0061】図25は、図23に示すタイプのユニットが12
個集積配置された場合を示す。
【0062】図22は、多数ユニットを集積させた細胞走
化性検出及び走化細胞分離装置を組立てる場合の一例を
示す。カバーキャップ17と中間支持体21の間に多数ユニ
ットを集積させた基板7、パッキング16とそれをカバー
する1個のブロック9をおき、中間支持体21と底支持体2
2の間に1枚のガラス基板8をおき、ネジで締め付ける。
ブロック9と基板7との位置関係は中間支持体21で規定
され、中間支持体21に設けられたガイドピン20とブロッ
ク9の底面に設けられたガイドピン受孔19によって固定
される。なお、基板5ブロック9とは直接圧着させても
よい。
【0063】なお、図22において、1対のウエルと流路
を設けた基板7を用い、全体を組み立てたユニットを、
一定の間隔で複数個配置することも可能である。この場
合、ユニット毎に逐次交換することができる。
【0064】8)自動制御機構 本発明の装置を自動化する場合について具体例を挙げて
説明すれば次の通りである。なお、これは例示であり、
自動化という目的を達成するために、種々の態様を採用
し得ることは云うまでもない。
【0065】本発明に関わる細胞走化性検出及び走化細
胞分離装置の自動制御機構の例を図29に示す。図29にお
いて、Uはユニット部、Cは細胞貯蔵部、Sは検体貯蔵
部、Wはピペット洗浄部を示す。直線X−X'は、横列
に配置された複数個(図では6個)の検体供給ピペットの
動線の例を示し、直線Y−Y'は、横列に配置された複
数個(図では6個)の細胞供給ピペットの動線の例を示
す。ユニット部Uはピペットの動線位置にセットされて
いる。細胞貯蔵部Cには、細胞が収納されており、検体
貯蔵部Sには各種の検体が収納されている。各ピペット
の動きの一例を説明すれば以下の如きであるが、これに
限られないことは云うまでもない。なお、ピペットの材
質は、ガラスに限らず、金属、プラスチック等適宜選ん
で使用できる。
【0066】図29において、細胞供給ピペットが細胞貯
蔵部Cから所定量の細胞懸濁液を吸引し、動線Y−Y'
上をユニット部Uまで移動し、各ユニットのウエル2A
に細胞注入管3Aを通して細胞懸濁液を供給する。その
後、細胞供給ピペットはCの位置に戻り、作動を停止す
るか、後続のユニットに細胞懸濁液を供給するために移
動する。なお、細胞は重力下で沈殿するので、細胞供給
ピペットの排出吸入動作を利用し、細胞を吸引採取する
直前に、細胞貯蔵容器25内の細胞懸濁液を攪拌すること
が好ましい。
【0067】次に、検体供給ピペットが検体貯蔵部Sか
ら所定量の検体を吸引し、動線X−X'上をUまで移動
し、検体注入管3Bを通して検体を供給する。その後、
検体供給ピペットは動線X−X'上をWのピペット洗浄
部まで移動し、洗浄槽の洗浄液を反復吸排してピペット
を洗浄する。その後、ピペットは洗浄槽の液面上まで上
昇し、作動を停止するか、後続のユニット上に検体を供
給するために移動する。
【0068】なお、検体供給ピペットは、検体供給動作
の前に、図29のウエル2B側から所定量の液体を吸引
し、ウエル2Aに入れられている細胞を土手の近傍に集
める動作を行わせることが好ましい。
【0069】かくして細胞懸濁液及び検体が供給された
ユニット部Uは図29の矢印⇒の方向に移動し、流路1が
検出部に合致する位置で停止し、細胞の状態が検出・記
録される。ユニット部Uの移動により、次のユニット部
Uの列がピペットの動線位置にまで移動し、上記の一連
の作動が繰り返される。なお、ユニット部Uを検体貯蔵
部Sと一緒に移動させることもでき、その場合は、ユニ
ット部U及び検体貯蔵部Sの移動により、次のユニット
部U及び検体貯蔵部Sの列がピペットの動線位置にまで
移動することになる。
【0070】細胞貯蔵部Cは、ユニット部Uに供給され
る細胞を、一時的に収容するための容器であり、その機
能を有すれば容器は如何なる形状でも良い。図30は、細
胞貯蔵部Cの形体の一例を示すもので、ユニット部Uに
おける各ユニットの配置及び複数の細胞供給ピペットに
対応して複数の細胞貯蔵容器25が配置され、各容器への
細胞の注入を容易にし、細胞を無駄なく使用するための
注入口26が斜面の形で設けられている。更に、各容器に
は細胞懸濁液が無駄なく、且つ、容器内に入り易くする
ための導入部27を設けることが好ましい。このような構
造を採用することにより、細胞懸濁液を細胞貯蔵部Cの
任意の箇所で注入すれば、総ての容器に細胞懸濁液が供
給されるため、夫々の容器に注入する手間を省くことが
できる。また、容器から細胞懸濁液を取り出した際、残
留する量を少なくするために、容器の底部を細く絞るこ
とが望ましい。図30において、(1)は斜視図、(2)
は上面図、(3)は図(2)の破線A−A'における'断
面図であり、(4)は図(2)の破線B−B'における
断面図である。
【0071】検体貯蔵部Sは、ユニット部Uに供給され
る検体を、一時的に収容するための容器を備えており、
その機能を有すれば容器は如何なる形状でも良い。多種
類の検体がユニット部に供給される場合は、各検体をマ
イクロピペット等を用いた手作業により検体貯蔵部の容
器に注入することが多いが、その場合、手作業による注
入を容易にするために、図31に例示するように、容器よ
りも大きな開口部を有する注入口を設けることが好まし
い。また、容器から検体試料を取り出した際、残留する
量を少なくするために、容器の底部を細く絞ることが望
ましい(図31参照)。図31において、(1)は斜視図、
(2)は断面図、(3)は上面図である。なお、図(2)
には、マニュアル操作により検体を注入する際に、ピペ
ットの先端部15が注入口から容器の内部にまで挿入され
る状態を示してある。図32には、複数個の検体貯蔵容器
が、検体供給ピペットの動線X−X'に沿って配列され
た場合を示す。図の如く、注入口が交互に反対側になる
様に配置すれば、容器の間隔をユニット部Uにおけるユ
ニットの間隔に合わせることができる。なお、検体貯蔵
容器は角型であってもよく、その例を図33に示し、図33
(2)には複数個の検体貯蔵容器が、検体供給ピペットの
動線X−X'に沿って配列された場合を示す。
【0072】本発明の装置において使用されるピペット
は、移動及び液体の吸引・排出がコンピュータープログ
ラムで制御されるもので、図34に例示するような、マル
チチャネルシリンジを有するタイプのものが好ましい。
ピペットのニードル(先端部)は、ガラス、金属、プラス
チック等から作られるが、柔軟性を有する材質で製作さ
れたものが好ましい。(1)は上面図、(2)は横面図
である。
【0073】9)検出手段 本発明において用いられる検出手段は、流路を移動する
細胞又は移動した後の細胞を検出する手段であり、必要
に応じ検出結果を記録するための手段を含む。細胞を検
出・記録するために知られている手段であれば何れも使
用可能であり、例えば、顕微鏡、顕微鏡とビデオカメラ
の組合せ等である。対物レンズにCCDカメラを取り付
けた構造を採用することもできる。集積ユニットの検出
においては、対物レンズが各ユニットの流路を順次スキ
ャンする構造を採用することが好ましい。
【0074】検出手段は、通常は、図3に示すように、
ユニットの流路に設定されるが、多数ユニットを集積さ
せた自動装置においては、所定の位置に設置された検出
部に各ユニットの列が順次移動し、検出・記録を行う構
造を採ることもできる。検出は、直線上に並んでいる各
ユニットの流路を検出器がスキャンすることにより行わ
れる。スキャンする検出器は1個でも良いし、複数個で
もよい。かくすることにより、比較的少ない数の検出装
置で多数の集積ユニットに対応することが可能となる。
【0075】流路を通過中、または、通過後の細胞の検
出・計数は、細胞を直接顕微鏡で捉えることにより行う
こともできるが、常法に従い、予め細胞を発光・蛍光物
質でマーキングしておき、その発光・蛍光を捕捉するこ
とにより容易に検出・計数することができる。
【0076】
【発明の効果】本発明の装置によれば、ウエル2の夫々
に二本の管3及び4を設けたことにより、試料注入時に水
平方向の圧力の変化(昇圧)が生じにくいため、外圧に
よる検体や細胞の移動が起こりにくく、細胞の自力によ
る運動を正確に捉えることができ、走化性因子又は阻害
剤の作用と細胞の性質を忠実に反映させた定量及び定性
結果を得ることができる。
【0077】本発明の装置は、試料の注入に際し微妙な
調節を要しないことから、微量の試料を取り扱うことに
適している。即ち、使用する細胞の量を、従来使用され
てきたボイデンチャンバーに比べ、10分の1乃至1000分
の1とすることが可能である。例えば、試料として全血
を使用したとき、好中球の走化性を検出する場合は0.1
μlの血液でよく、好酸球、単球又は好塩基球では1μl
程度の血液で測定可能である。
【0078】更に、液体の注入に際し、微妙な調整を要
しないところから検出装置の自動化が容易に行えるとい
うメリットがある。
【0079】複数種の細胞を含む細胞浮遊液から、特定
の細胞のみを移動させた後、これをウエルから管を通し
て採取するに当たり、水平方向の圧力の変化(減圧)が
生じにくいため、試料採取時の微妙な調節が不要であ
り、技術の熟練を要しない。その結果、目的の細胞を的
確に採取することができる。
【0080】夫々のウエルに設けられた昇圧又は減圧を
回避するための管は、注入液に気泡が入っていた場合、
気泡を逃がす役割を果たすため、気泡を計数することが
少なく、測定・観察における誤差が少ない。
【0081】本発明の装置において、流路1に細胞の径
又はその変形能に合わせた幅の溝5を設けることによ
り、細胞の個々の動きを捉えることが可能となる。その
結果、複数種の細胞を含む試料、例えば、全血を用い
て、その中に含まれる種々の血球の一部について、これ
を予め分離することなく、走化性を調べることができ、
又、複数種の細胞を含む試料から細胞を種類ごとに分離
することができる。
【0082】本発明に関わる装置の単位ユニットは微小
なものとすることができるため、多数のユニットを集積
させることが容易であり、多数検体の同時処理が可能な
装置を組み立てることができる。また、その場合、液体
の注入及び検出が自動化された装置とすることが容易で
ある。
【0083】多数のユニットを集積させるに当たり、異
なったタイプのユニットを組み合わせて集積させること
により、目的を異にする検出・分離を同時に行うことが
でき、処理の効率を上げることが可能となる。例えば、
同一種の細胞に対して種々の走化性因子またはその阻害
剤の検索を行う場合、同一の走化性因子について異なる
細胞の走化性を調べる場合等においてその検索を一度に
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる装置の原理を示す断面図
【図2】上記の下面図
【図3】流路の構造の一例
【図4】流路の障壁の配列例。図において、矢印は相対
するウエルに向かう方向を示す。
【図5】図4の破線部における断面図。
【図6】流路を挟んで相対するウエルに向かう方向の溝
が、これに直交する1本の溝で連通している場合を示
す。図中矢印は相対するウエルに向かう方向を示す。
【図7】流路を挟んで相対するウエルに向かう方向の溝
が、これに直交する2本の溝で連通している場合を示
す。図中矢印は相対するウエルに向かう方向を示す。
【図8】流路を挟んで相対するウエルに向かう方向の溝
が、これに直交する2本の溝で連通していると共に、相
対するウエルに向かう方向の溝の幅が直交する溝を横切
るごとに段階的に変化する場合を示す。図中矢印は相対
するウエルに向かう方向を示す。図は、障壁自体の幅が
変化する場合を示す。
【図9】図8の変形例で、障壁の大きさは同じである
が、その数が増減する場合を示す。図中矢印は相対する
ウエルに向かう方向を示す。
【図10】流路を挟んで相対するウエルに向かう方向の溝
が、これに直交する3本の溝で連通していると共に、相
対するウエルに向かう方向の溝が、これに直交する溝を
横切るごとに相互の位置関係を変えている場合を示す。
図では、2分の1ピッチ、直行する方向にシフトしている
場合を示す。図中矢印は相対するウエルに向かう方向を
示す。
【図11】障壁が相対するウエルに向かう方向に繋がって
いる場合を示す。図中矢印は相対するウエルに向かう方
向を示す。
【図12】流路を介してウエルが直列に3個連通している
場合を示す。
【図13】1つのウエルに複数のウエルが流路を介して連
通している場合を示す。
【図14】1つのウエルを中心にして、複数のウエルが流
路を介して連通している場合であって、全体として円形
を構成している場合を示す。
【図15】図13の装置の断面図。
【図16】1つのウエルを中心にして、複数のウエルが流
路を介して連通していると共に、それら複数のウエルの
内、2つづつが更に他の共通のウエルと流路を介して連
通している場合を示す。
【図17】多数ユニットの集積例であり、同一タイプのユ
ニットの集積例を示す。
【図18】多数ユニットの集積例であり、同一タイプのユ
ニットの集積例を示す。
【図19】多数ユニットの集積例であり、異なったタイプ
のユニットの集積例を示す。
【図20】多数ユニットの集積例であり、円形タイプの集
積例を示す。
【図21】図20の装置の断面図。
【図22】細胞走化性検出及び走化細胞分離装置の組立例
を示す図であり、(1)は部品毎の斜視図、(2)は対応する
断面図である。
【図23】流路に沿って壁が設けられたウエルの例を示す
図である。
【図24】流路に沿って壁が設けられたウエルの他の例を
示す図である。
【図25】図23のウエルが集積配置された例を示す図であ
る。
【図26】流路1における土手8が多段式のテラス11-1
4を有する場合を示す。
【図27】流路及びウエルを作製する工程の一例を示す
【図28】試料注入・採取用管3の上部にピペット挿入口
を設けた例を示す。
【図29】本発明に関わる細胞走化性検出又は走化細胞分
離装置の自動制御機構の例を示す図である。
【図30】細胞貯蔵部における容器の例を示す図である。
【図31】検体貯蔵部における容器の例を示す図である。
【図32】検体貯蔵部における図31の容器の配置例を示す
図である。
【図33】検体貯蔵部における容器の他の例を示す図であ
る。
【図34】本発明で使用されるピペットの例を示す図であ
る。
【図35】土手の中央にテラスを設け、テラスをはさんで
障壁の列を2箇所に形成した例を示す。
【符号の説明】
1:流路 2:ウエル。添字のA、B、B1-n、Cはウエルの区別
を意味する(以下同じ)。 3:試料注入・採取用管 3′:管3に対応する貫通孔 4:試料の注入・採取時における昇圧・減圧を回避する
ための管 4′:管4に対応する貫通孔 5:流路を挟んで相対するウエルに向かう方向の溝 6:障壁 7:基板 8:ガラス基板 9:管を穿ったブロック 10:土手 11、11-14:テラス 12:溝5に直交する溝 13:検出器 14:流路に沿って設けられた壁 15:マニュアル操作用ピペットの先端部 16:パッキング 17:カバーキャップ 18:0−リング 19:ガイドピン受孔 20:ガイドピン 21:中間支持体 22:底支持体 23:マルチチャネルシリンジ 24:自動ピペットのニードル 25:細胞貯蔵容器 26:細胞注入部 27:液体導入部 28:検体貯蔵容器 29:ピペットニードルの導入口 30:ピペット洗浄部 X―X':検体供給ピペットの動線 Y−Y':細胞供給ピペットの動線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/48 G01N 33/483 C 33/483 C12Q 1/06 // C12Q 1/06 C12N 5/00 E (72)発明者 菊池 裕子 北海道小樽市桂岡町14番30 Fターム(参考) 2G045 BB13 CA02 CA12 CA15 CA16 CA17 CA25 CB01 FA08 FA16 FA19 FB07 GC15 GC22 HA06 JA01 JA04 JA07 4B029 AA07 AA09 BB11 CC01 FA05 FA10 HA07 HA09 4B063 QA01 QA05 QQ03 QQ08 QQ20 QR66 QS10 QS39 QX01 4B065 AA90X AC20 BD50 CA46

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のウエルが互いに流路を介して連通
    していること及び各ウエルが試料を注入又は採取するた
    めの管と試料の注入又は採取による昇圧又は減圧を回避
    するための管とを備えていることを特徴とする細胞走化
    性検出及び走化細胞分離装置。
  2. 【請求項2】 複数のウエルが流路を介して直列に連通
    していることを特徴とする請求項1記載の細胞走化性検
    出及び走化細胞分離装置。
  3. 【請求項3】 1つのウエルに複数のウエルが流路を介
    して連通していることを特徴とする請求項1記載の細胞
    走化性検出及び走化細胞分離装置。
  4. 【請求項4】 1つのウエルに流路を介して連通してい
    る複数のウエルの内、少なくとも2つのウエルが流路を
    介して更に他の共通のウエルと連通していることを特徴
    とする請求項3記載の細胞走化性検出及び走化細胞分離
    装置。
  5. 【請求項5】 流路を介して互いに連通しているウエル
    の何れか一方又は双方において、流路の近傍における液
    体の量を制限するために、流路に直交して壁を設けるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4記載の細胞走化性検出及
    び走化細胞分離装置。
  6. 【請求項6】 流路が、狭い隙間を形成する土手であ
    り、必要に応じてテラスを有することを特徴とする請求
    項1記載の細胞走化性検出及び走化細胞分離装置。
  7. 【請求項7】 流路において、土手に細胞の径又はその
    変形能に合わせた幅の溝を1乃至複数本構成する障壁が
    設けられていることを特徴とする請求6記載の細胞走化
    性検出及び走化細胞分離装置。
  8. 【請求項8】 流路において、相対するウエルに向かう
    方向の複数本の溝が、これに直交する1乃至複数本の溝
    で互いに連通していることを特徴とする請求項7記載の
    細胞走化性検出及び走化細胞分離装置。
  9. 【請求項9】 流路において、相対するウエルに向かう
    方向の複数本の溝の幅が、これに直交する1乃至複数の
    溝を横切る度に段階的に変化することを特徴とする請求
    項8記載の細胞走化性検出及び走化細胞分離装置。
  10. 【請求項10】 流路において、相対するウエルに向かう
    方向の複数の溝が、これに直交する1乃至複数本の溝を
    横切る度に、相互の位置をシフトさせて形成されている
    ことを特徴とする請求項8又は9記載の細胞走化性検出
    及び走化細胞分離装置。
  11. 【請求項11】 流路において、土手の中央にテラスを設
    け、テラスをはさんで溝を構成する障壁の列が2箇所に
    形成されていることを特徴とする請求項7乃至10記載の
    細胞走化性検出及び走化細胞分離装置。
  12. 【請求項12】 流路に設けられた土手のテラスが多段に
    形成されていることを特徴とする請求項6乃至11記載の
    細胞走化性検出及び走化細胞分離装置。
  13. 【請求項13】 流路において、土手に細胞の径又はその
    変形能に合わせた幅の溝を1乃至複数本構成する障壁が
    設けられており、且つ、土手にテラスが多段に形成され
    ていることを特徴とする請求項6記載の細胞走化性検出
    及び走化細胞分離装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13記載の細胞走化性検出及
    び走化細胞分離装置の夫々を1ユニットとし、同一又は
    複数種のユニットを複数個集積してなる集積ユニットを
    1又は複数個備えていることを特徴とする細胞走化性検
    出及び走化細胞分離装置。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至13記載の細胞走化性検出及
    び走化細胞分離装置よりなる単位ユニットの1個、同一
    又は複数種のユニットを複数個集積させてなる集積ユニ
    ット又は複数個の集積ユニットよりなるユニット部、細
    胞貯蔵部、検体貯蔵部、これ等各部を移動する細胞供給
    ピペット、検体供給ピペット及びユニット部における細
    胞の移動を検出し、必要に応じて検出結果を記録する検
    出部をユニット部と一体化して設けるか、または、複数
    のユニット部に対応可能な様に設け、且つ、細胞供給ピ
    ペット及び検体供給ピペットの移動を制御する機構及
    び、必要に応じ、ユニット部を検出部に移動させると共
    に次のユニット部をピペットの動線の位置に移動させる
    ための機構を備えていることを特徴とする自動化された
    細胞走化性検出及び走化細胞分離装置。
  16. 【請求項16】 ピペット洗浄部を備え、ピペットがピペ
    ット洗浄部において洗浄液を吸引・排出するよう制御さ
    れることを特徴とする請求項15記載の自動化された細胞
    走化性検出及び走化細胞分離装置。
  17. 【請求項17】 細胞供給ピペットが細胞貯蔵部から予
    め定められた量の細胞懸濁液を、必要に応じ攪拌後、吸
    引し、これをユニット部に供給するよう制御されるこ
    と、検体供給ピペットが検体貯蔵部から予め定められた
    量の検体を吸引し、これをユニット部に供給し、次いで
    ピペット洗浄部で洗浄液を吸排して洗浄するよう制御さ
    れること、必要時応じ、検体供給ピペットが、検体供給
    動作の前に、先に供給された細胞のウエル内における位
    置を調整するために所定量の液体を吸引するよう制御さ
    れることを特徴とする請求項16記載の自動化された細胞
    走化性検出及び走化細胞分離装置。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17記載の細胞走化性検出
    及び走化細胞分離装置において、一つのウエルに複数種
    の細胞の混合浮遊液を入れ、他のウエルに特定の細胞に
    対する走化性因子含有溶液を入れ、当該他のウエルに移
    動した細胞を採取することを特徴とする走化細胞の分離
    方法。
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