JP2002158110A - 超電導コイル冷却装置 - Google Patents

超電導コイル冷却装置

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JP2002158110A
JP2002158110A JP2000353778A JP2000353778A JP2002158110A JP 2002158110 A JP2002158110 A JP 2002158110A JP 2000353778 A JP2000353778 A JP 2000353778A JP 2000353778 A JP2000353778 A JP 2000353778A JP 2002158110 A JP2002158110 A JP 2002158110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導コイルを収容したコイル容器内の冷媒
が減少したり、無くなった場合でも、クエンチを起こす
ことなく超電導コイルの運転が引き続き可能な超電導コ
イル冷却装置を提供する。 【解決手段】 超電導コイル1が巻き付けられた巻き枠
2を高熱伝導材料で形成すると共に、巻き枠2と冷凍機
7のコールドヘッド7bの間を、高熱伝導材料よりなる
伸縮自在な高熱伝導部材9で熱的に連結したもので、コ
イル容器4内が液体ヘリウムで満たされている場合は、
液体ヘリウム3の沸騰冷却で超電導コイル1が冷却され
ているが、コイル容器4内の液体ヘリウム3が漏れるな
どの原因で減少したり、無くなった場合でも、超電導コ
イル1で発生した熱は、ヘリウムガスにより巻き枠2へ
伝達されて冷却されるため、クエンチを起こすことなく
超電導コイル1の運転が引き続き可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコイル容器内の冷媒
が減少しても、超電導コイルの運転が引き続き可能な超
電導コイル冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超電導コイル冷却装置において
は、超電導コイルを冷却する冷凍機が停電などによって
停止すると、超電導コイルの温度が上がってクエンチを
起こし、超電導コイルが破損するなどの不具合が発生す
る。
【0003】係る不具合を防止するため、例えば特開2
000−125542号公報で、冷凍機が停電などによ
り停止しても、超電導コイルが破損することなく運転を
続けることが可能な超電導コイル装置が提案されてい
る。前記公報の超電導コイル装置は、中間シールド内に
コイルと冷却板が収容されていて、冷凍機により冷却板
を介してコイルを冷却するように構成されている。
【0004】また中間シールド内には、冷却板と流体密
に接合された熱吸収部が設けられており、この熱吸収部
は箱状のケーシングと、このケーシング内に設けられた
再凝縮器とより構成されていて、ケーシング内には液体
ヘリウムや、液体水素などの液化ガスが冷媒として収容
されている。
【0005】そして通常運転時には、冷凍機により冷却
板を介してコイルが冷却されているが、停電などにより
冷凍機が停止されると、ケーシング内の液化ガスが蒸発
する際の潜熱により冷却板を介してコイルが冷却され
て、コイルの温度上昇が抑制されるため、コイルは超電
導状態に維持され、これによって冷凍機が停止しても、
比較的長時間コイルを破損することなく運転が続けられ
るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記公報の超電
導コイル装置では、停電などによって冷凍機が停止され
た場合、比較的長時間コイルを破損することなく運転を
続けることができるが、中間シールド内に収容された冷
媒が漏れて減少したり、無くなった場合、コイルの温度
が急激に上昇してクエンチを起こし、その結果コイルが
破損するなどの不具合がある。
【0007】本発明は係る従来の不具合を解消するため
になされたもので、超電導コイルを収容したコイル容器
内の冷媒が減少したり、無くなった場合でも、クエンチ
を起こすことなく超電導コイルの運転が引き続き可能な
超電導コイル冷却装置を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の超電導コイル冷却装置は、超電導コイル及び前
記超電導コイルを冷却する液体ヘリウムが収容されたコ
イル容器と、コイル容器が収容され、かつコイル容器の
周囲を真空状態に保持する真空容器と、コイル容器と真
空容器の間に設けられ、かつ真空容器側からの輻射熱を
遮蔽するシールドと、コイル容器内で蒸発したヘリウム
ガスを冷却して液化させる冷凍機とを備えた超電導コイ
ル冷却装置であって、超電導コイルが巻き付けられた巻
き枠を高熱伝導材料で形成すると共に、巻き枠と冷凍機
のコールドヘッドの間を、高熱伝導材料よりなる伸縮自
在な高熱伝導部材で熱的に連結したものである。
【0009】前記構成により、コイル容器内が液体ヘリ
ウムで満たされている場合は、液体ヘリウムの沸騰冷却
で超電導コイルが冷却されているが、コイル容器内の液
体ヘリウムが漏れるなどの原因で減少したり、無くなっ
た場合でも、超電導コイルで発生した熱は、ヘリウムガ
スにより巻き枠へ伝達されて冷却されるため、クエンチ
を起こすことなく超電導コイルの運転が可能になる、ま
た巻き枠と冷凍機のコールドヘッドの間が伸縮自在な高
熱伝導部材で熱的に連結されているため、予め冷凍機に
与圧を付与することにより、冷凍機のコールドヘッドと
高熱伝導部材の間に隙間を生じることなく両者を密着さ
せることができるため、接触熱抵抗が減少し、これによ
って冷却効率が向上する。
【0010】前記目的を達成するため本発明の超電導コ
イル冷却装置は、高熱伝導部材と巻き枠の間に伝熱部材
を介在させると共に、伝熱部材とコイル容器間に、高熱
伝導部材を囲むようにシールを設けたものである。
【0011】前記構成により、伝熱部材とコイル容器が
溶接困難な材料で形成されていても、シールによってコ
イル容器内を密閉することができる。
【0012】前記目的を達成するため本発明の超電導コ
イル冷却装置は、停電時前記冷凍機または冷凍機と超電
導コイルに電力を供給するバックアップ電源及び発電機
を設けたものである。
【0013】前記構成により、雷等で一時停電した場合
でも、超電導コイル及び冷凍機に電力を供給することが
できるため、引き続き超電導コイルの運転が可能とな
る。
【0014】前記目的を達成するため本発明の超電導コ
イル冷却装置は、超電導コイル及び前記超電導コイルを
冷却する液体窒素が収容されたコイル容器と、コイル容
器が収容され、かつコイル容器の周囲を真空状態に保持
する真空容器と、コイル容器と真空容器の間に設けら
れ、かつ真空容器側からの輻射熱を遮蔽するシールド
と、コイル容器内で蒸発した液体窒素を冷却して液化さ
せる冷凍機とを備えた超電導コイル冷却装置であって、
コイル容器に冷凍機のコールドヘッドを熱的に接続する
ことにより、コイル容器内の液体窒素を冷却して固体窒
素とし、かつ固体窒素を介して超電導コイルを冷却する
ようにしたものである。
【0015】前記構成により、超電導コイルを形成する
超電導導体の隙間に固体窒素が充満されて、超電導コイ
ル全体の平均熱伝導率が向上するため、超電導線の熱的
安定性も向上する。
【0016】前記目的を達成するため本発明の超電導コ
イル冷却装置は、超電導コイル及び超電導コイルを冷却
する冷媒が収容されたコイル容器と、コイル容器が収容
され、かつコイル容器の周囲を真空状態に保持する真空
容器と、コイル容器と真空容器の間に設けられ、かつ真
空容器側からの輻射熱を遮蔽するシールドと、コイル容
器内で蒸発した冷媒ガスを冷却して液化させる冷凍機と
を備えた超電導コイル冷却装置であって、超電導コイル
を複数分割し、かつ各超電導コイルを独立したコイル容
器内に収容すると共に、コイル容器の一方に、超電導コ
イルを冷却する固体窒素を充填し、また他方に、超電導
コイルを冷却を冷却する液体ヘリウムを充填したもので
ある。
【0017】前記構成により、一方の超電導コイルを固
体窒素で冷却し、また他方の超電導コイルを液体ヘリウ
ムで冷却することにより、超電導コイルの熱的安定性が
向上すると同時に、超電導コイルの高さを低く抑えるこ
とができるため、磁気共鳴撮像装置に好適な小型の超電
導コイル冷却装置が得られるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
ないし図3に示す図面を参照して詳述する。図1は超電
導コイル冷却装置の断面図を示すもので、超電導コイル
1は高熱伝導材料からなる巻き枠2に超電導導体を巻き
付けることにより形成されており、この超電導コイル1
を沸騰冷却するため、超電導コイル1が収納されたコイ
ル容器4には、液体ヘリウム3が冷媒として充填されて
いる。
【0019】また超電導コイル1へのガスによる伝導熱
を小さくするため、超電導コイル1は真空容器5内部に
収納されており、室温の真空容器5からコイル容器4に
入る輻射熱を遮蔽するため、真空容器5とコイル容器4
間には、シールド6が設けられている。7は真空容器5
の上部に設けられた冷凍機で、シールド6上に設置され
た第1ステージコールドヘッド(以後第1ヘッドと言
う)7aと、コイル容器4上に設置された第2ステージ
コールドヘッド(以後第2ヘッドと言う)7bとよりな
る2段の小形ヘリウム冷凍機より構成されていて、冷却
運転温度は約80Kと4Kとなっており、第1ヘッド7
aはシールド6に熱的に接続されていると共に、第2ヘ
ッド7bはコイル容器4内部に設置された高熱伝導材料
よりなる冷却ベンチ8と熱的に接続されている。
【0020】そして冷却ベンチ8の下面と巻き枠2の上
面を覆う円板状の伝熱部材10の間に、第2ヘッド7b
の冷却熱を巻き枠2に効率よく伝達する高熱伝導部材9
が介在されている。銅やアルミニウムなどの高熱伝導材
料より形成された高熱伝導部材9は、はぼU字形に形成
された2部材を、位相を90度回転した状態で、互いに
上下方向に連結することにより構成されていて、第2ヘ
ッド7bと伝熱部材10の接離方向に伸縮自在となって
いる。
【0021】また同じく銅やアルミニウムなどの高熱伝
導材料より形成された伝熱部材10は、巻き枠2の両端
部と外周部が熱的接続されていると共に、第1ヘッド7
aと第2ヘッド2bを連結する連結部材7dが貫通する
コイル容器4上面の開口部4aには、コイル容器4内か
らのガスが漏れるのを封止するシール部材11が設けら
れている。
【0022】一方冷凍機7の上部は、真空容器5の上面
に開口された開口部5aより真空容器5に上方へ突出さ
れており、突出部にはベローズ12が嵌挿されている。
ベローズ12は冷凍機7を上下方向に移動自在に支持す
ると同時に、真空容器5内を真空状態に保持できるよう
になっている。真空容器5より上方へ突出された冷凍機
7の上部には、冷凍機7を駆動するモータ7cが設置さ
れており、このモータ7cで冷凍機7のコンプレッサ1
3が駆動されるようになっていると共に、コンプレッサ
13と冷凍機7のモータ7c及び超電導コイル1へ電力
を供給する超電導コイル用電源20には、停電等で電力
の供給が一時停止した場合でも電力を供給できるようバ
ッテリよりなるバックアップ電源14が接続されてお
り、停電が長時間続き、バックアップ電源14より電力
の供給ができなくなった場合は、発電機15が駆動され
て、発電機15よりバックアップ電源14に電力が供給
されるようになっている。
【0023】またコイル容器4には液体ヘリウム3を供
給するための注液ポート16が接続されており、この注
液ポート16には、コイル容器4の内圧が大気圧以下の
ときは弁を閉じ、コイル容器4の内圧が大気圧以上のと
き弁を開く逆止弁17が設けられていると共に、前記注
液ポート16とは別に、超電導コイル1がクエンチを起
こしてコイル容器4内の圧力が異常に高圧になっとき
に、管路18aを密閉している破壊板18bが破壊され
て、コイル容器4内の高圧を大気に放出することによ
り、コイル容器4が破損するのを防止する安全弁18
と、超電導コイル1に一端が接続されたケーブル21を
真空容器5外へ延出する配線用ポート19が接続されて
おり、真空容器5外へ延出されたケーブル21の他端は
超電導コイル用電源20に接続されている。
【0024】次に前記構成され超電導コイル冷却装置の
作用を説明すると、モータ7cによりコンプレッサ13
が駆動されて、冷凍機7が冷却を開始すると、冷凍機7
で発生された冷却熱は第1ヘッド7aより連結部材7d
を介して第2ヘッド7bへと伝達され、さらに第2ヘッ
ド7bより冷却ベンチ8、高熱伝導部材9及び伝熱体1
0を介して巻き枠2へと伝達されて、超電導コイル1が
冷却される。
【0025】また超電導コイル1の巻き枠2に熱的に接
続された冷却ベンチ8や、高熱伝導部材9、伝熱部材1
0は、銅またはアルミニウムのような高熱伝導材料から
形成されている上、高熱伝導部材9は上下方向に伸縮自
在に形成されているため、予め冷凍機7に下方の与圧を
加えておくことにより、冷却ベンチ8と高熱伝導部材9
が接する面は、常に接触状態に維持されて両者の間に隙
間が生じることがなく、また仮令隙間が生じても、この
隙間にヘリウムガスまたは液体ヘリウム3浸入するの
で、両者間の接触熱抵抗はさらに小さくなり、これによ
つて冷凍機7の第2ヘッド7bと巻き枠2の温度差を小
さくすることができる。
【0026】さらに巻き枠2に巻かれた超電導コイル1
が発熱しても、超電導コイル1の巻き線間には隙間があ
って、この隙間にはヘリウムガスが充満しているので、
超電導コイル1からの熱はヘリウムガスが熱伝導体とな
って巻き枠2へと伝導されるため、コイル容器4内の液
体ヘリウム3が漏れるなどして、液体ヘリウム3の液量
が減少したり、無くなっても、超電導コイル1は巻き枠
2により引き続き冷却されるので、クエンチを起すこと
なく超電導状態を維持するができるようになる。
【0027】一方図2は液体ヘリウム3の代わりにヘリ
ウムガス3aを使用した超電導コイル冷却装置の変形例
を示すもので、次にこれを説明する。なお前記第1の実
施の形態と同一部分は同一符号を付して、その説明は省
略する。この変形例では、超電導コイル1に接続された
ケーブルを真空容器5の外部へ延出する配線用ポートと
コイル容器4内へヘリウムガス3aを供給するガスポー
ト16aを兼用させて、このガスポート16aよりコイ
ル容器4内へヘリウムガス3aを供給するようにしてい
る。
【0028】前記ガスポート16aには、コイル容器4
へヘリウムガス3aを供給した後、閉じることによって
コイル容器4内を密封するバルブ17aと、コイル容器
4の内圧が大気圧以下のときは弁を閉じ、コイル容器4
の内圧が大気圧以上のとき弁を開く前記第1の実施の形
態と同様な逆止弁17が接続されている。また冷却ベン
チ8より巻き枠2の上面を覆う伝熱部材10へ冷却熱を
効率よく伝達する高熱伝導部材9は、コイル容器4上面
に開口された開口部4bよりシールド6内に突出された
構造となつており、このため真空容器5の内部を真空に
維持するためにはコイル容器4開口部4bを密封する必
要がある。
【0029】しかしステンレス鋼で形成されたコイル容
器4と、銅またはアルミニュウム等の高熱伝導材料から
なる伝熱体10は溶接が困難である。そこで図3に示す
ように、コイル容器4の周囲を囲むように伝熱体10の
上面にV溝10aを環状に形成し、かつこのV溝10a
に沿って伝熱体10とコイル容器4の上面間に、柔らか
なインジュウム等のシール21を介在させて、コイル容
器4側より挿入したボルトなどの固着具22を締め付け
ることにより、固着具22の締め付け力でシール21を
潰して、コイル容器4と筒10間の隙間をシールしてい
る。
【0030】これによってコイル容器4をほぼ完全に密
封することができると共に、固着具22の首部に嵌挿さ
れたばね座金23によって固着具22が緩むのを防止す
ることができるため、コイル容器4内に充填されたヘリ
ウムガスが漏れるのを長期に亘って防止することができ
る。
【0031】以上のように構成された超電導コイル装置
冷却装置の作用は、前記第1の実施の形態と同様なので
その説明は省略するが、この変形例では、ヘリウムガス
3aが封入されたコイル容器4内の巻き枠2の温度が4.
2Kのとき、ヘリウムガス3aの絶対圧力が0,12Mp
aになると、ヘリウムガス3aは巻き枠2または伝熱体
10の表面で凝縮が起こる。しかし、ヘリウムガス3a
の絶対圧力が0,095Mpaのときには、ヘリウムガ
ス3aは凝縮せず、巻き枠2の温度が4.2Kであれば超
電導コイル1はヘリウムガス3a及び超電導導体の熱伝
導により十分冷却されるので、クエンチを起こすことな
く超電導コイル1を運転することができる。
【0032】一方図4は第2の実施の形態を示すもの
で、次にこれを説明する。なお前記変形例と同様に、第
1の実施の形態と同一部分は同一符号を付して、その説
明は省略する。これは後述する第3の実施の形態につい
ても同様である。
【0033】図4は円筒状に形成された超電導コイル1
の断面図を示すもので、この超電導コイル1は高熱伝導
の巻き枠2に、ニオブ・チタンよりなる超電導体1cを
密に巻き付けることにより形成されていて、軸線が水平
となるように設置されている。超電導コイル1の収容さ
れたコイル容器4内には、超電導体1cの臨界温度以上
の温度で固化した固体窒素31が充填されており、コイ
ル容器4の一端側は、高熱伝導体よりなる均熱板32取
付けられていて、この均熱板32に冷凍機7の第2ヘッ
ド7bが接続されている。そして冷凍機7の冷却熱は、
コイル容器4の端部を一様な温度にする均熱板32から
コイル容器4へ伝達され、さらに巻き枠2から超電導コ
イル1に伝達されて、超電導コイル1が冷却されると同
時に、コイル容器4に充満された液体窒素が冷却固化さ
れることにより、固体窒素31が超電導コイル1の周囲
を覆うようになっている。
【0034】なお図4中16aは、液体窒素をコイル容
器4に供給する際に使用する窒素ポートである。また図
5は図4の点線円で示す部分の超電導コイル1の拡大断
面図で、超電導導体1aの中心部に超電導線1bが設け
られている。超電導線1bに使用する超電導線材料に
は、現在臨界温度が液体窒素温度(77.4K)以上の特性
をもつ高温超電導体があるが、ここではニオブ・チタン
を使用しており、超電導線1bの外周は、銅またはアル
ミニュウム等の高電気伝導体からなる安定化材1cで覆
われていると共に,超電導導体1aの最外層はエナメル
等の電気絶縁膜1dで被覆されている。
【0035】さらに超電導導体1aを巻き枠2に巻き付
ける際、隣接している超電導導体1aとの間に隙間が生
じてしまうことがあり、隣接している超電導導体1aと
の間に隙間があると、超電導導体1aのある部分で発熱
した場合、その隙間によって大きな熱抵抗が生じてしま
い、その結果発熱した超電導導体1aは冷却が不十分と
なって、超電導コイル1がクエンチを起すことがある。
これを防止するため従来では、隣接している超電導導体
1aとの間の隙間に、ヘリウムガスより熱伝導率が高い
エポキシ樹脂を塗布しているが、エポキシ樹脂は固体窒
素や固体アルゴンなどに比べて熱伝導率が低い。
【0036】図6は固体窒素とアルゴン、大気圧(0,
1Mpa)のヘリウムガス、そしてエポキシの熱伝導率
及び超電導体であるニオブ・チタンの臨界温度(約8
K)を示すもので、超電導導体1aの動作範囲(約8K
以下)では、固体窒素31や固体アルゴンは従来のエポ
キシ樹脂に比べて約50倍の熱伝導率をもっている。従
って、超電導導体1aの各巻き線間に生じた隙間に固体
窒素31または固体アルゴンを充填すれば、隙間の熱抵
抗は従来のエポキシ樹脂を塗布した場合に比べて1/5
0以下になる。
【0037】そこでこの第2の実施の形態では、超電導
導体1aの各巻き線間に生じた隙間に固体窒素31や、
固体アルゴンを充填して、超電導コイル1のある一部の
超電導導体1aで発熱した場合、固体窒素31や固体ア
ルゴンを介して速やかに熱を近接する超電導導体1aに
伝播させ、高熱伝導材料よりなる巻き枠2から冷凍機7
の第2ヘッド7bに伝わるようにしたもので、これによ
って超電導コイル1は従来以上に熱的に安定性が高くな
るため、クエンチが起きにくくなる。
【0038】図7及び図8は、医療用の磁気共鳴撮像装
置に本発明の超電導コイル冷却装置を適用した第3の実
施の形態を示すもので、次にこれを説明する。この第3
の実施の形態では、超電導コイル1は上部超電導コイル
1と下部超電導コイル12に分離されていて、上下超電
導コイル11,12の間に均一な磁界分布を形成するよう
になっており、図7の点線円で囲まれた空間に、検査を
受ける人間が入るように構成されている。上部の超電導
コイル11を収容したコイル容器4a内には固体窒素3
1が充填されていて、固体窒素31により超電導コイル
1が冷却されるようになっており、コイル容器4の端
面に均熱板32を介して冷凍機7の第二ヘッド7bが接
続されている。
【0039】また下部超電導コイル12を収容したコイ
ル容器4b内には液体ヘリウム3が充填されていて、液
体ヘリウム3により下部超電導コイル12が沸騰冷却さ
れるようになっている。コイル容器4b内で蒸発したヘ
リウムガスは、コイル容器4a,4b間を接続する凝縮
配管34を上昇して、冷凍機7の第2ヘッド7b近傍に
設置された凝縮器33で凝縮されるようになっており、
凝縮器33内で液化された液体ヘリウム3は、再び凝縮
配管34を通って下部のコイル容器4b内へと循環され
るようになっている。
【0040】以上のように前記第3の実施の形態では、
上部超電導コイル11を固体窒素31で冷却し,下部超
電導コイル12を液体ヘリウム3で冷却するようにして
いるが、その理由を次に説明する。もし上下のコイル容
器4a,4bに液体ヘリウム3を入れて、上部超電導コ
イル11と下部超電導コイル12を一台の冷凍機7で同
時に冷却しようとした場合、下部のコイル容器4bは常
に液で満たされるが、上部のコイル容器4aは熱侵入の
影響が液面変化となって現れ易くなってしまう。
【0041】またこの種の磁気共鳴撮像装置は、一般の
病院に設置することを想定しているため、装置をコンパ
クトに設計する必要があるが、上部超電導コイル11
液体ヘリウム3で冷却した場合、上部のコイル容器4a
の液面が下がると、上部超電導コイル11が液面から露
出して上部超電導コイル11の沸騰冷却が不十分とな
り、その結果クエンチが起きやすくなると共に,これを
防止するため液体ヘリウム3の容積を増やそうとする
と、超電導コイル1全体の高さが高くなって、磁気共鳴
撮像装置の小型化ができなくなってしまう。そこで前記
第3の実施の形態では、上部超電導コイル11を固体窒
素31で冷却し、下部超電導コイル12を液体ヘリウム
3で冷却することにより、超電導コイル1の熱的安定性
を向上させると同時に、超電導コイル1の高さを低く抑
えることにより、磁気共鳴撮像装置の小型化を実現して
いる。
【0042】なお前記各実施の形態及び変形例では、ニ
オブ・チタンの超電導体よりなる超電導コイルを使用し
た場合について説明をしたが、ニオブ・チタンの臨界温
度以上の超電導特性を有するNbSn3(ニオブサンス
ズ)の焼結した超電導体、またはイットリウム系、ビス
マス系、その他の高温超電導体を主成分とした超電導コ
イルにも適用できるものである。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、超電導コ
イルが巻き付けられた巻き枠を高熱伝導材料で形成する
と共に、巻き枠と冷凍機のコールドヘッドの間を、高熱
伝導材料よりなる伸縮自在な高熱伝導部材で熱的に連結
したことから、コイル容器内が液体ヘリウムで満たされ
ている場合は、液体ヘリウムの沸騰冷却で超電導コイル
が冷却されているが、コイル容器内の液体ヘリウムが漏
れるなどの原因で減少したり、無くなった場合でも、超
電導コイルで発生した熱は、ヘリウムガスにより巻き枠
へ伝達されて冷却されるため、クエンチを起こすことな
く超電導コイルの運転を引き続き継続することができる
ようになる。
【0044】また超電導コイルの巻き枠と冷凍機のコー
ルドヘッドの間が高熱伝導材料よりなる伸縮自在な高熱
伝導部材で熱的に連結されているため、予め冷凍機に与
圧を付与することにより、冷凍機のコールドヘッドと高
熱伝導部材の間に隙間を生じることなく両者を密着させ
ることができ、これによって両者間の接触熱抵抗が減少
するため、冷却効率の向上大幅な向上が図れるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態になる超電導コイル
冷却装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態になる超電導コイル
冷却装置の変形例を示す断面図である。
【図3】図2のAで示す円内の拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態になる超電導コイル
冷却装置の断面図である。
【図5】図4のBで示す円内の拡大断面図である。
【図6】各種材料の熱伝導率特性を示す線図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態になる超電導コイル
冷却装置の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態になる超電導コイル
冷却装置の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 超電導コイル 11 上部超電導コイル 12 下部超電導コイル 2 巻き枠 3 液体ヘリウム 4 コイル容器 5 真空容器 6 シールド 7 冷凍機 7a 第1ヘッド(コールドヘッド) 7b 第2ヘッド(コールドヘッド) 9 高熱伝導部材 10 伝熱部材 21 シール 31 固体窒素

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイル及び前記超電導コイルを冷
    却する液体ヘリウムが収容されたコイル容器と、前記コ
    イル容器が収容され、かつ前記コイル容器の周囲を真空
    状態に保持する真空容器と、前記コイル容器と前記真空
    容器の間に設けられ、かつ前記真空容器側からの輻射熱
    を遮蔽するシールドと、前記コイル容器内で蒸発したヘ
    リウムガスを冷却して液化させる冷凍機とを備えた超電
    導コイル冷却装置であって、前記超電導コイルが巻き付
    けられた巻き枠を高熱伝導材料で形成すると共に、前記
    巻き枠と前記冷凍機のコールドヘッドの間を、高熱伝導
    材料よりなる伸縮自在な高熱伝導部材で熱的に連結した
    ことを特徴とする超電導コイル冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記高熱伝導部材と前記巻き枠の間に伝
    熱部材を介在させると共に、前記伝熱部材と前記コイル
    容器間に、前記高熱伝導部材を囲むようにシールを設け
    て、前記コイル容器内を密閉してなる請求項1に記載の
    超電導コイル冷却装置。
  3. 【請求項3】 停電時前記冷凍機または前記冷凍機及び
    前記超電導コイルに電力を供給するバックアップ電源及
    び発電機を設けてなる請求項1または2に記載の超電導
    コイル冷却装置。
  4. 【請求項4】 超電導コイル及び前記超電導コイルを冷
    却する液体窒素が収容されたコイル容器と、前記コイル
    容器が収容され、かつ前記コイル容器の周囲を真空状態
    に保持する真空容器と、前記コイル容器と前記真空容器
    の間に設けられ、かつ前記真空容器側からの輻射熱を遮
    蔽するシールドと、前記コイル容器内で蒸発した液体窒
    素を冷却して液化させる冷凍機とを備えた超電導コイル
    冷却装置であって、前記コイル容器に前記冷凍機のコー
    ルドヘッドを熱的に接続することにより、前記コイル容
    器内の液体窒素を冷却して固体窒素とし、かつ前記固体
    窒素を介して前記超電導コイルを冷却することを特徴と
    する超電導コイル冷却装置。
  5. 【請求項5】 超電導コイル及び前記超電導コイルを冷
    却する冷媒が収容されたコイル容器と、前記コイル容器
    が収容され、かつ前記コイル容器の周囲を真空状態に保
    持する真空容器と、前記コイル容器と前記真空容器の間
    に設けられ、かつ前記真空容器側からの輻射熱を遮蔽す
    るシールドと、前記コイル容器内で蒸発した冷媒ガスを
    冷却して液化させる冷凍機とを備えた超電導コイル冷却
    装置であって、前記超電導コイルを複数分割し、かつ各
    超電導コイルを独立したコイル容器内に収容すると共
    に、前記コイル容器の一方に、前記超電導コイルを冷却
    する固体窒素を充填し、また他方に、前記超電導コイル
    を冷却する液体ヘリウムを充填したことを特徴とする超
    電導コイル冷却装置。
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