JP2002157795A - 光磁気情報再生テスト方法及び光磁気情報記録再生装置 - Google Patents

光磁気情報再生テスト方法及び光磁気情報記録再生装置

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JP2002157795A
JP2002157795A JP2000354583A JP2000354583A JP2002157795A JP 2002157795 A JP2002157795 A JP 2002157795A JP 2000354583 A JP2000354583 A JP 2000354583A JP 2000354583 A JP2000354583 A JP 2000354583A JP 2002157795 A JP2002157795 A JP 2002157795A
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Yasuyuki Miyaoka
康之 宮岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁壁移動型のディスクにおいてディスク温度
が低温になった場合、ゴースト信号が発生し、再生不可
能になる恐れがある。 【解決手段】 光磁気ディスク1に記録された所定記録
マークを再生して、光ビーム進行方向後方からの磁壁移
動によるゴースト信号の有無を検出し、ゴースト信号が
検出された時は記録情報の再生を行わないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁壁移動型光磁気
記録媒体を用いて記録情報を再生する場合の再生テスト
方法及び磁壁移動型光磁気記録媒体に情報を記録しある
いは再生する光磁気情報記録再生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え可能な高密度記録方式と
して、半導体レーザの熱エネルギーを用いて磁性薄膜に
磁区を書き込んで情報を記録し、光磁気効果を用いてこ
の情報を読み出す光磁気記録媒体がある。また、近年こ
の光磁気記録媒体の記録密度を更に高めて大容量の記録
媒体とする要求が高まっている。光磁気記録媒体等の光
ディスクの線記録密度は、再生光学系のレーザ波長及び
対物レンズの開口数に大きく依存する。即ち、再生光学
系のレーザ波長λと対物レンズの開口数NAが決まると
ビームウエストの径が決まるため、記録マーク再生時の
空間周波数は2NA/λ程度が検出可能な限界となって
しまう。従って、従来の光ディスクで高密度化を実現す
るためには、再生光学系のレーザ波長を短くし、対物レ
ンズのNAを大きくする必要がある。
【0003】しかしながら、レーザ波長や対物レンズの
開口数の改善にも限度があるため、記録媒体の構成や読
み取り方法を工夫し、記録密度を改善する技術が開発さ
れている。例えば、特開平6−290496号公報にお
いて、磁気的に結合される再生層と記録保持層とを有し
てなる多層膜の、記録保持層に信号記録を行うと共に光
ビームの照射による温度勾配を利用し、記録保持層の記
録データを変化させることなく再生層の記録マークの磁
壁を移動させ、光ビームスポットの一部領域が同一の磁
化になるように再生層を磁化させて、光ビームの反射光
の偏向面の変化を検出することにより光学系の回折限界
以下の記録マークを再生する信号再生方法及び装置が提
案されている。この方法によれば、再生信号が矩形状に
なり、再生信号振幅を光学的な分離能に依存して低下さ
せることなく光学系の回折限界以下の記録マークが再生
可能となり、記録密度並びに転送速度を大幅に向上する
ことができる。
【0004】図6は上記磁壁移動による方法を用いた光
磁気記録再生装置の構成を示すブロック図である。図6
において、1は磁壁移動型の光磁気ディスクである。光
磁気ディスク1はガラスあるいはプラスチックを素材と
した基板2に、光ビームの照射による温度勾配を利用
し、記録層の記録データを変化させることなく再生層の
記録マークの磁壁を移動させ、再生スポット内の磁化を
拡大し、光ビームの反射光の偏向面の変化を検出し光の
回折限界以下の記録マークを再生することが可能な光磁
気記録膜3が形成され、更にその上に保護膜4が形成さ
れている。この光磁気ディスク1はマグネットチャッキ
ング等でスピンドルモータに支持され、回転軸に対して
回転自在の構造となっている。
【0005】5は光磁気ディスク1にレーザ光を照射
し、更に反射光から情報を得る光ヘッドであり、集光レ
ンズ、集光レンズを駆動するアクチュエータ、半導体レ
ーザ、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ等から
構成されている。半導体レーザから出射されたレーザ光
は光学部品群を介して光磁気ディスク1に照射される。
この時、集光レンズはアクチュエータの制御によってフ
ォーカシング方向及びトラッキング方向に移動してレー
ザ光が光磁気記録膜3上に逐次焦点を結ぶように制御さ
れ、且つ、光磁気ディスク上に刻まれた案内溝に沿って
トラッキングする構成になっている。
【0006】光磁気ディスク1で反射されたレーザ光は
光学部品群を介して光磁気記録膜3の磁化の極性に応じ
た偏向方向の違いによって、それぞれのセンサに集光さ
れ、それらを差動増幅することで光磁気信号が生成され
る。コントローラ6は光磁気ディスク1の回転数及び記
録半径・記録セクタ情報、更には環境温度等を入力情報
として、記録パワー、記録信号等を出力し、LDドライ
バ7、磁気ヘッドドライバ8等を制御するものである。
【0007】9は記録動作時に光磁気ディスクのレーザ
照射部位に変調磁界を印加するための記録ヘッドであ
り、光磁気ディスク1を挟み光ヘッド5と対向して配置
されている。記録時には光ヘッド5から記録レーザパワ
ーをDC光で照射し、これと同時にこの磁気ヘッド9は
磁界変調ドライバ8の駆動により記録信号に対応して極
性の異なる磁界を発生する。また、この磁気ヘッド9は
光ヘッド5と連動して光磁気ディスク1の半径方向に移
動し、記録時には逐次光磁気ディスク1のレーザ照射部
位に磁界を印加することで情報の記録を行う。
【0008】次に、図7を用いて記録動作に関して説明
する。図7(a)は記録信号、図7(b)は記録パワ
ー、図7(c)は変調磁界、図7(d)は記録マーク
列、図7(e)は再生信号である。図7(a)に示すよ
うな記録信号を記録する場合、記録動作開始とともにレ
ーザパワーは図7(b)に示すように所定の記録パワー
に制御され、更に、図7(a)の記録信号に基づく図7
(c)のような変調磁界が印加される。これらの動作に
より記録媒体の冷却過程において図7(d)に示すよう
に記録マーク列が形成される。なお、斜線部及び白抜き
部は互いに逆の磁化の向きを持つ磁区を表している。
【0009】次に、再生動作に関して図8を用いて説明
する。ここでは、光磁気ディスク1の光磁気記録膜3
は、記録マークの保存を司る記録保持層、磁壁が移動し
再生信号に直接寄与する磁壁移動層、記録保持層と磁壁
移動層の結合状態をスイッチするスイッチング層の3層
構造の場合に関して説明する。
【0010】図8(a)は磁区再生状態を示す模式図、
図8(b)は記録膜の状態図、図8(c)は媒体の温度
状態図、図8(d)は再生信号を示している。まず、再
生時において図8(a)に示すように光ビームの照射に
より磁壁移動媒体の再生層(磁壁移動層)の磁壁が移動
するTs温度条件まで加熱される。この時、図8(b)
に示すスイッチング層はTsより低い温度領域では交換
結合により、記録保持層、磁壁移動層と結合した状態と
なっている。媒体が光ビームの照射によりTs温度以上
に加熱されると、スイッチング層はキュリー点に達し、
磁壁移動層と記録保持層との結合が切れた状態となる。
【0011】このため、このTs温度領域に記録マーク
の磁壁が到達すると同時に、磁壁移動層の磁壁は磁壁移
動層の温度勾配に対してエネルギー的に磁壁が安定して
存在する位置、即ち、光ビーム照射による温度上昇の線
密度方向の最高温度点にランドを横切るように磁壁が瞬
時に移動する。これにより、再生光ビームに覆われる領
域の大部分の磁化状態が同じになるため、通常の光ビー
ム再生原理においては再生不可能な微小な記録マークで
あっても、図8(d)に示すように矩形に近い状態の再
生信号を得ることができる。
【0012】従って、図7(d)に示すような記録マー
ク列を光ビームで再生することにより、図7(e)に示
すような再生信号が得られる。この方法によれば、光ビ
ームに覆われる磁化状態は大部分が同じになるため、図
7(e)に示すように再生信号が矩形に近い状態にな
り、再生信号振幅をほとんど低下させることなく光の回
折限界以下の周期の記録マークの再生が可能となり、記
録密度並びに転送速度を大幅に向上することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8に示す
記録保持層、磁壁移動層等の多層構造を持つ光磁気記録
媒体の再生には、光ビーム照射により磁壁移動層の磁壁
が移動するTs温度条件まで磁壁移動を加熱することが
必要となる。そして、記録マークの磁壁がこのTs温度
領域に到達すると同時に、この磁壁が安定して存在する
位置、ここでは光ビーム照射による温度上昇の線密度方
向の最高温度点であるランドを横切るような位置に磁壁
が移動することにより、再生光ビーム中に覆われる領域
の大部分の磁化状態が一瞬にして同じ状態になり、急峻
な極性変化を生じる再生信号を得ることができる。
【0014】しかしながら、磁壁が移動を開始する条件
となる記録媒体温度Tsの等温線をみると、ビーム進行
方向前方とビーム進行方向後方の両方に存在しており、
磁壁はビーム進行方向前方での移動と、ビーム進行方向
後方での移動との2つが存在することとなる。従って、
光ビームによって形成される温度上昇領域の最高温度到
達点が光ビーム内にあるため、光ビームによって生成す
る温度分布に於いて、磁壁が移動を始める臨界温度領域
の光ビーム進行方向前方での温度勾配によって磁壁が最
高温度到達点へ移動することにより発生する信号と、こ
れに対して臨界温度領域の光ビーム進行方向後方での温
度勾配によって磁壁が最高温度到達点へ移動することに
より発生する信号(以下、ゴースト信号という)、との
合成信号が再生信号として検出される。このゴースト信
号は記録媒体の工夫により規格内の使用条件下において
は発生を抑制できるまでに至っている。
【0015】しかし、磁壁移動現象は温度勾配に依存す
るものであるから、ディスク温度が規格を外れてより低
温になった場合、再生光により形成される温度勾配に変
化が現われ、光ビームの後方で温度勾配が急峻になりゴ
ースト信号が発生する危惧がある。その場合、このゴー
スト信号は本来の再生信号の外乱となるために再生不可
能な状況に陥る可能性がある。また、ディスクの温度は
ドライバ装置の温度と必ずしも相関がとれるものではな
く、例えば、ディスクのみを低温下に放置した状態から
ドライブ装置に挿入した場合は、大きな温度差が発生す
る。故に、ディスク温度をドライブ装置内温度を検出す
る事により認識することは容易なことではなく、ゴース
ト信号により情報再生ができないといった事態が発生す
る恐れがあった。
【0016】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、ゴースト信号の有無を検出し、
記録媒体が良好に再生可能か否かを判断することによ
り、記録情報の再生の信頼性をより向上することが可能
な光磁気情報再生テスト方法、光磁気情報記録再生装置
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のこのような目的
は、少なくとも、磁壁移動層、スイッチング層、記録保
持層を有する磁壁移動型光磁気記録媒体に再生用光ビー
ムを照射して記録情報を再生するに当たり、記録情報の
再生の可否をテストする方法であって、前記記録媒体に
記録された所定記録マークを再生して、光ビーム進行方
向後方からの磁壁移動によるゴースト信号の有無を検出
し、前記ゴースト信号が検出された時は記録情報の再生
を行わないことを特徴とする光磁気情報再生テスト方法
によって達成される。
【0018】また、本発明の目的は、少なくとも、磁壁
移動層、スイッチング層、記録保持層を有する磁壁移動
型光磁気記録媒体に記録用光ビームを照射して情報を記
録し、あるいは再生用光ビームを照射し、再生用光ビー
ムの反射光の偏向面の変化を検出することによって記録
情報を再生する光磁気情報記録再生装置において、前記
記録媒体に記録された所定記録マークを再生して、光ビ
ーム進行方向後方からの磁壁移動によるゴースト信号の
有無を検出する手段を備え、前記ゴースト信号が検出さ
れた時は記録情報の記録又は再生を行わないことを特徴
とする光磁気情報記録再生装置によって達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の光磁
気情報記録再生装置の一実施形態の構成を示すブロック
図である。なお、図1では図6の従来装置と同一部分は
同一符号を付している。図1において、エンベロープ検
波回路11は光磁気再生信号のエンベロープを検出する
回路であり、ピーク検波回路11a、ローパスフィルタ
(LPF)11b、ボトム検波回路11c、ローパスフ
ィルタ(LPF)11dから構成されている。ローパス
フィルタ11b,11dはそれぞれピーク検波回路11
a、ボトム検波回路11cの出力の不要な高域ノイズを
除去するフィルタである。
【0020】差動増幅器12はピーク検波出力とボトム
検出出力を差動検出し、光磁気再生信号の振幅を検出す
る回路である。サンプリング回路13は内部にA/D変
換回路(図示せず)を含み、コントローラ6からのサン
プリング制御信号に応じて差動増幅器12の出力である
光磁気再生信号の信号振幅値をサンプリングし、A/D
変換器でデジタル化してコントローラ6に出力する。こ
れらのエンベロープ検波回路11、差動増幅器12、サ
ンプリング回路13は、詳しく後述するように光ビーム
進行方向後方からの磁壁移動による再生信号(ゴースト
信号)を検出するのに用いられる。本実施形態では、こ
のゴースト信号を検出した時に光磁気ディスク1が所定
温度以下の温度状況にあることをシステムとして認識
し、警告を発する等の処置を行う。
【0021】その他の構成は図6の従来装置と同様であ
る。即ち、光磁気ディスク1は磁壁移動型の記録媒体、
光ヘッド5は記録、再生用光ビームを光磁気ディスクに
照射する記録再生ヘッドである。光ヘッド5は集光レン
ズ、集光レンズを駆動するアクチュエータ、半導体レー
ザ、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ等から構
成されている。光磁気ディスク1で反射されたレーザ光
は、光学部品群を介して光磁気ディスク1の記録膜の磁
化の極性に応じた偏向方向の違いによって、それぞれの
センサで検出され、それらを差動増幅することで光磁気
再生信号が出力される。
【0022】また、コントローラ6は光磁気ディスク1
の回転数及び記録半径・記録セクタ情報等を入力情報と
して、記録パワー、記録信号等を出力し、LDドライバ
7、磁気ヘッドドライバ8等を制御する他に、光磁気再
生信号の振幅値のサンプリング制御、複数サンプリング
した場合のディジタルデータの平均化処理、それら算出
値からのゴースト信号の有無の判断、更にゴースト信号
発生時のシステムへの警告フラグ等発信制御等の役割を
担っている。
【0023】磁気ヘッド9は記録動作時に光磁気ディス
ク1のレーザ照射部位に変調磁界を印加するための記録
ヘッドであり、光磁気ディスク1を挟み光ヘッド5と対
向して配置されている。情報の記録時においては、光ヘ
ッド5から記録光をDC光で照射し、これと同時にこの
磁気ヘッド9は磁界変調ドライバ8の駆動により記録信
号に対応して極性の異なる磁界を発生する。記録時の動
作は図7で説明した通りである。本実施形態において
は、記録方式を磁界変調記録方式にて説明しているが、
この限りではなく、光変調記録、パルスアシスト磁界変
調記録であっても差し支えない。
【0024】次に、本願明細書の課題で説明したゴース
ト信号の発生メカニズムを含む再生動作に関して図2を
用いて説明する。ここでは、図8と同様に光磁気ディス
ク1が記録マークの保存を司る記録保持層、磁壁が移動
し再生信号に直接寄与する磁壁移動層、及び記録保持
層、磁壁移動層の結合状態をスイッチするスイッチング
層の3層構造の場合に関して説明する。
【0025】図2(a)は磁区再生状態を示す模式図、
図2(b)は記録膜の状態図、図2(c)は媒体の温度
状態図、図2(d)は再生信号を示している。再生時に
おいて図2(a)に示すように光ビーム照射により磁壁
移動媒体の再生層の磁壁が移動するTs温度条件まで加
熱される。この時、図2(b)に示すスイッチング層は
Tsより低い温度領域では交換結合により、記録保持層
及び磁壁移動層と結合した状態となっている。媒体が光
ビームの照射によりTs温度以上に加熱されると、スイ
ッチング層はキュリー点に達し、磁壁移動層と記録保持
層との結合が切られる。
【0026】このため、このTs温度領域に記録マーク
の磁壁が到達すると同時に、磁壁移動層の磁壁は磁壁移
動層の温度勾配に対してエネルギー的に磁壁が安定して
存在する位置、即ち、光ビーム照射による温度上昇の線
密度方向の最高温度点にランドを横切るように磁壁が瞬
時に移動する。これにより、再生光ビーム中に覆われる
領域の大部分の磁化状態が同じになり、図2(d)−1
に示すように矩形に近い状態の再生信号を得ることがで
きる。
【0027】ここで、図2においてTs等温線に関して
見ると、光ビームの進行方向前方のみならず、光ビーム
進行方向後方にもTs温度が存在していることが解る。
この光ビーム進行方向後方のTs等温線に於いては、ス
イッチング層がキュリー点以下になり、磁壁移動層に記
録層の磁化状態が転写され始め、微小磁区が存在するよ
うになる。この時、磁壁移動層に芽生えた磁区が磁壁移
動を起こす条件下にある場合は、この転写された磁区の
磁壁が、光ビーム進行方向前方で起こる現象と同様に、
磁壁移動層の温度勾配に対してエネルギー的に磁壁が安
定して存在する位置、即ち、光ビーム照射による温度上
昇の線密度方向の最高温度点にランドを横切るように磁
壁が瞬時に移動する現象が発生する。
【0028】この現象により課題で説明したようなゴー
スト信号(図2(d)−2に示す)なる再生信号が現わ
れる。このゴースト信号は媒体構成によっても変化する
が、記録磁区長が長くなることで発生し易くなることが
確認されている。これは、記録磁区長が長くなることで
記録保持層の磁区が磁壁移動層に転写するエネルギーが
大きくなり、より早く移動層に磁壁が転写されるためで
ある。この時の磁壁位置とTs等温線の位置関係により
磁壁が移動し、ゴースト信号になると考えられている。
【0029】また、記録保持層の磁区が磁壁移動層に転
写するエネルギーは温度勾配によっても変化する。図3
はディスク温度が低温時と室温時に形成される媒体上の
温度分布の違いを示す。ディスクの温度が低い場合、再
生光の光ビームにより形成される温度勾配は、ディスク
の温度がより高い場合に比べより急峻になる。この時、
光ビーム後方における磁壁の再転写位置における転写エ
ネルギーは温度勾配が急峻になることでより大きくな
り、磁壁の転写位置がよりビームセンターに近づくこと
になる。従って、ディスク温度が下がることでゴースト
信号がより発生しやすい状況になる。
【0030】また、磁壁移動現象における再生信号に関
して、光ビーム進行方向前方からの磁壁移動による再生
信号振幅は記録マーク長に関係なく一定であり、ゴース
ト信号の振幅においてもゴースト信号が発生する場合に
は記録マーク長に関係なく一定となる。また、ゴースト
信号の発生はマーク長依存性を有し、ゴースト信号が発
生する時は図2(d)に示すように光ビーム進行方向前
方からの再生信号にゴースト信号が合成されるため、記
録磁区長の違いにより再生信号振幅の違いが明らかに発
生した場合にはゴースト信号が発生したと判断できる。
【0031】次に、以上の原理を踏まえてゴースト信号
発生の検出動作に関して説明する。このゴースト信号の
検出は記録媒体が装置に挿入される毎あるいは情報の記
録/再生前に行う。まず、光磁気ディスク1の所定の再
生テスト領域に於いてゴースト信号発生の検出動作を行
うに当たり、この再生テスト領域には予め所定の記録パ
ターンが記録されているものとする。これは、テスト時
に記録することも考えられるが、ディスク温度が未知で
あるため記録パワーの設定に問題が発生する。従って、
予めディスクにテストパターンを記録していることが望
ましい。再生テスト領域はディスク1の最内周、最外
周、更にディスク内でゾーン等に分割されている場合
は、ゾーンの切り換え領域等に設けるものとする。再生
パワーはドライブ設定の基準値を使用すれば特に問題は
ない。
【0032】記録するテストパターンは先述したようゴ
ースト発生現象から考えて、使用する変調符号上の最短
マークの繰り返し列と、最長マークの繰り返しパターン
或いはそれ以上の記録マークパターンを適用することが
望ましい。即ち、ゴースト信号の現れない最短マークの
繰り返しの再生から得られた再生信号振幅値と、ゴース
ト信号が現れる可能性を持つロングマークの繰り返し再
生から得られる再生信号振幅値とを比較することによっ
て、ゴースト信号の有無を判断しようとするものであ
る。
【0033】また、選択するマーク長によってゴースト
発生時の信号振幅が増加する場合と減少する場合がある
ので注意が必要である。これは、光ビーム前方での磁壁
移動信号に対するゴースト信号のディレイ量が関係して
おり、このディレイ量は、おおむね図2に示すTs等温
線の光ビーム進行方向の前方位置と後方位置との距離に
相当する。この長さを奇数分割した記録マーク長、即
ち、光ビーム前方での磁壁移動信号に対してゴースト信
号が丁度逆位相で重畳される時、再生信号振幅は減少す
る。従って、ゴースト検出のための信号検出は、ゴース
ト信号重畳に信号振幅の増加のみならず、増減を考慮し
信号振幅の変化として検出することが望ましい。
【0034】本実施形態に於いては、記録マークパター
ンを0.15μmの繰り返しパターンと、およそ0.6
μmの繰り返しパターンとして説明する。0.6μmの
記録マーク長はこの値に限定されるものではなく、記録
符号列の変調上の最長マーク以上で、規格温度を外れた
場合にゴースト信号が現れるような記録マーク長を選ぶ
ことが好ましい。ここでは、記録マークが0.15μm
ではゴースト信号が規格外温度でも発生せず、記録マー
クが0.6μmの場合は規格外温度の低温下でゴースト
信号が発生すると仮定している。
【0035】図4はゴースト信号が発生しない0.15
μmを再生した場合の再生信号、図5はゴースト信号が
発生する可能性を持つ0.6μmを再生し、ゴースト信
号が発生した場合の再生信号を示している。以下、ゴー
スト信号の有無の検出手法に関して説明する。記録マー
ク列は前述したように記録パワー上の問題から所定の再
生テスト領域に予め記録されている。図4(a)は記録
パターンの模式図を示す。図中、斜線部と白抜き部は互
いに逆の極性に磁化された磁区を示している。図4
(b)はこの時の再生信号、図4(c)はエンベロープ
検波回路12の出力のエンベロープ波形を示している。
【0036】また、図4(c)のエンベロープ波形中に
示す↑はサンプリング回路13のサンプリングポイント
を示している。サンプル数に関しては特に特定する必要
は無いが、記録媒体の周内ムラ等を考慮して、必要最小
限多く取ることが望ましく、コントローラ6においてそ
れを平均化することが望ましい。また、記録媒体の周内
の複数点に於いてゴースト信号の有無を検出することが
望ましい。また、記録マーク周期でサンプリングするこ
とが望ましく、更には再生信号に同期したサンプリング
であることが望ましい。
【0037】まず、図4において0.15μm(最短マ
ーク)を再生した場合、磁壁移動現象は光ビーム進行方
向前方のみで発生し、その結果、再生信号は光ビーム進
行方向前方の磁壁移動信号となる。従って、エンベロー
プ検波信号は図4(c)に示すようになる。この時のエ
ンベロープ検波信号の振幅値V1をリファレンス値とす
る。これに対して、図5において磁壁移動現象は光ビー
ム進行方向前方のみならず、光ビーム進行方向後方で発
生し、その結果、再生信号は光ビーム進行方向前方の磁
壁移動信号とゴースト信号の重畳信号となる。従って、
エンベロープ検波信号は図5(c)に示すようになり、
この時のエンベロープ検波信号の振幅値はV2と検出さ
れる。
【0038】コントローラ6はこれらの信号振幅値V
1,V2からΔV=|V1−V2|を算出し、このΔV
が所定値V0内にあるか否かを判断する。この値V0が
所定値内にある場合は、ディスク温度は規格内にあり使
用可能な温度状況にあると判断しシステムに情報を提供
する。V0は温度分布に依存し、磁壁移動距離と温度分
布内のカー回転角θkの変化により決定されるが、おお
むねV0≒0.2×V1の値でゴースト信号の検出の判
断が可能と考えられる。
【0039】この値ΔVが所定値V0を越える場合はデ
ィスク温度が規格値より低くなっていると判断し、記録
情報の再生を行わないように制御し、且つ、システムに
警告を示す情報を提供する。システムとしてはこの信号
を受けて現状のディスク温度が規格値より低い情報をユ
ーザに通知し、更にディスク温度が規格内になるまで使
用できない等の情報を提供する。また、システム全体と
しては、所定の時間後に以上の一連のゴースト信号検出
を再度行い、ゴースト信号がなくなりディスク温度が規
格内と判断されるまで一連の動作を繰り返し行う。
【0040】また、情報を記録する時は記録媒体から管
理情報を読み出す必要があるが、ゴースト信号が検出さ
れた時は管理情報を再生できないので、情報を記録する
場合も再生テストでゴースト信号が検出された時は同様
に記録を行わないように制御し、且つ、記録できないこ
とを通知するのがよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゴ
ースト信号の有無を検出し、ゴースト信号の有無に応じ
て記録媒体が良好に再生可能か否かを判断することによ
り、媒体温度が低い時にゴースト信号の発生による再生
不可能な再生を行うことがなく、記録情報を正確に再生
することができ、より信頼性の高いシステムを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】ゴースト信号の発生メカニズムを含む再生動作
を説明するための図である。
【図3】記録媒体の再生時における温度分布の環境温度
依存性を示す図である。
【図4】図1の実施形態においてゴースト信号が発生し
ない記録マークを再生した場合の再生信号及び振幅波形
を示す図である。
【図5】図1の実施形態においてゴースト信号が発生す
る記録マークを再生した場合の再生信号及び振幅波形を
示す図である。
【図6】従来例の光磁気情報記録再生装置を示すブロッ
ク図である。
【図7】図6の従来装置の記録動作を説明するためのタ
イムチャートである。
【図8】図6の従来装置の再生動作を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 基板 3 光磁気記録膜 4 保護膜 5 光ヘッド 6 コントローラ 7 LDドライバ 8 磁気ヘッドドライバ 9 磁気ヘッド 11 エンベロープ検波回路 11a ピーク検波回路 11b,11d ローパスフィルタ 11c ボトム検波回路 12 差動増幅器 13 サンプリング回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、磁壁移動層、スイッチング
    層、記録保持層を有する磁壁移動型光磁気記録媒体に再
    生用光ビームを照射して記録情報を再生するに当たり、
    記録情報の再生の可否をテストする方法であって、前記
    記録媒体に記録された所定記録マークを再生して、光ビ
    ーム進行方向後方からの磁壁移動によるゴースト信号の
    有無を検出し、前記ゴースト信号が検出された時は記録
    情報の再生を行わないことを特徴とする光磁気情報再生
    テスト方法。
  2. 【請求項2】 前記ゴースト信号が検出された時は、前
    記情報の再生ができないことを報知することを特徴とす
    る請求項1に記載の光磁気情報再生テスト方法。
  3. 【請求項3】 前記ゴースト信号の有無の検出は、所定
    短マークと長マークとを用い、前記短マークと長マーク
    を再生して両者の再生信号振幅値の差を検出し、前記振
    幅値差が所定値を越えた時にゴースト信号の発生を検出
    することを特徴とする請求項1に記載の光磁気情報再生
    テスト方法。
  4. 【請求項4】 前記所定の短マークと長マークは、前記
    記録媒体の所定のテスト領域に記録され、前記短マーク
    と長マークを再生することによってゴースト信号の有無
    を検出することを特徴とする請求項1、3のいずれか1
    項に記載の光磁気情報再生方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも、磁壁移動層、スイッチング
    層、記録保持層を有する磁壁移動型光磁気記録媒体に記
    録用光ビームを照射して情報を記録し、あるいは再生用
    光ビームを照射し、再生用光ビームの反射光の偏向面の
    変化を検出することによって記録情報を再生する光磁気
    情報記録再生装置において、前記記録媒体に記録された
    所定記録マークを再生して、光ビーム進行方向後方から
    の磁壁移動によるゴースト信号の有無を検出する手段を
    備え、前記ゴースト信号が検出された時は記録情報の記
    録又は再生を行わないことを特徴とする光磁気情報記録
    再生装置。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体は、ゴースト信号の有無の
    検出に用いるテスト領域を有することを特徴とする請求
    項5に記載の光磁気情報記録再生装置。
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