JP2002156516A - 再帰反射シート - Google Patents

再帰反射シート

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JP2002156516A
JP2002156516A JP2001234634A JP2001234634A JP2002156516A JP 2002156516 A JP2002156516 A JP 2002156516A JP 2001234634 A JP2001234634 A JP 2001234634A JP 2001234634 A JP2001234634 A JP 2001234634A JP 2002156516 A JP2002156516 A JP 2002156516A
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retroreflective sheet
propylene polymer
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mmmm
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JP2001234634A
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English (en)
Inventor
Masato Kijima
正人 木島
Tomohiro Nagao
知浩 長尾
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクルが容易であり、廃棄時や焼却時に
有毒ガス等の発生する恐れが少なく地球環境に優しく、
べたつきが少なく、柔軟性及び透明性にも優れる再帰反
射シートを提供すること。 【解決手段】 (1)メソペンタッド分率(mmmm)
が0.2〜0.6である、(2)ラセミペンタッド分率(r
rrr)と(1−mmmm)とが[rrrr/(1−m
mmm)]≦0.1であるという条件を満たすプロピレン
重合体[I]からなる層を少なくとも一層有する再帰反
射シート、並びにプロピレン重合体[I]1〜99質量
%及びオレフィン系重合体[II]99〜1質量%を含む
樹脂組成物からなる層を少なくとも一層有する再帰反射
シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れ、リ
サイクルが容易であり、廃棄時や焼却時に塩化水素ガ
ス、塩素ガスなどの有毒ガス等の発生する恐れが少なく
地球環境に優しく、かつべたつきが少なく、ポリ塩化ビ
ニルと同等の柔軟性を有し、透明性にも優れる再帰反射
シートに関するものである。本発明の再帰反射シート
は、安全シート,屋外用シート、寒冷地用シート、移動
車両用シートとして好適に使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、再帰反射シートとしては、ガ
ラスビーズ型再帰反射シートやキューブコーナー型再帰
反射シートが使用されており、一般に、キューブコーナ
ー型再帰反射シートは、ガラスビーズ型再帰反射シート
と比べて遠距離視認性及び反射輝度が優れている。軟質
のキューブコーナー型再帰反射シートを作製する場合、
転写性、二次加工性、低価格とするなどの点から、軟質
ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)が、材料として使用され
ている。しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は、焼却時
に、塩化水素ガス、塩素ガス等を発生させるため、酸性
雨等の原因となるなどとされ、環境衛生面での問題が指
摘されている。また、可塑化に用いられている可塑剤が
環境ホルモンとして人体に悪影響を及ぼすという懸念も
指摘されている。そこで近年、代替材料として、ポリオ
レフィン系樹脂の開発が盛んに行われている。しかしな
がら、従来のポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂は、柔軟性を発現させるために共重合
させたり、ゴム成分を配合したりする必要がある。この
ため、低分子量成分や、共重合成分によりべたつきが生
じたり、透明性が低下するというが問題があった。ま
た、硬質品としては、アクリル系樹脂やポリカーボネー
ト等からなる再帰反射シートもあるが、これらの樹脂は
汎用樹脂とはいえず、また高価であるため、用途に制限
がある。一般的なプロピレン単独重合体は立体規則性が
高いため、柔軟性に劣るという問題があり、一方、柔軟
性のあるAPP(アタクチックポリプロピレン)は、低
分子量成分により非常にべたつくため、いずれも再帰反
射シートを形成する材料としては不適当である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、再帰反射シ
ートにおける前記のような問題点を改良し、地球環境に
優しく、かつべたつきが少なく、ポリ塩化ビニルと同等
の柔軟性を有し、透明性及び輝度の高い再帰反射シート
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のプロピ
レン重合体からなる層を少なくとも一層、あるいは特定
のプロピレン重合体とオレフィン系重合体を含む樹脂組
成物からなる層を少なくとも一層有する再帰反射シート
が、本目的を達成できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、〔1〕下記の(1)
及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
る を満たすプロピレン重合体[I]からなる層を少なくと
も一層有することを特徴とする再帰反射シートを提供す
るものであり、また、〔2〕下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
る を満たすプロピレン重合体[I]1〜99質量%及びオ
レフィン系重合体[II]99〜1質量%を含む樹脂組成
物からなる層を少なくとも一層有することを特徴とする
再帰反射シートを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の再帰反射シートは、特定
のプロピレン重合体[I]からなる層を少なくとも一層
有する再帰反射シート(a)、あるいは特定のプロピレ
ン重合体[I]とオレフィン系重合体[II]を含む樹脂
組成物からなる層を少なくとも一層有する再帰反射シー
ト(b)である。特定のプロピレン重合体[I]は、下
記の(1)及び(2)を満たすプロピレン重合体であ
る。 (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
る プロピレン重合体[I]において、メソペンタッド分率
(mmmm)は0.3〜0.6が好ましく、0.4〜0.5がさ
らに好ましい。ラセミペンタッド分率(rrrr)と
(1−mmmm)との関係は、[rrrr/(1−mm
mm)]≦0.08であることが好ましく、[rrrr/
(1−mmmm)]≦0.06であることがさらに好まし
く、[rrrr/(1−mmmm)]≦0.05であるこ
とが特に好ましい。プロピレン重合体[I]が、上記の
関係を満たすと、得られる再帰反射シートのべたつき成
分の量と弾性率の低さと透明性のバランスが優れる。す
なわち、弾性率が低く柔軟性(軟質性ともいう)に優
れ、べたつき成分が少なく表面特性(例えば、ブリード
や他の製品へのべたつき成分の移行が少ない等に代表さ
れる)にも優れ、かつ透明性にも優れるという利点があ
る。プロピレン重合体[I]のメソペンタッド分率(m
mmm)が0.2未満では、べたつきの原因となり、0.6
を超えると弾性率が高くなり好ましくない。プロピレン
重合体[I]の[rrrr/(1−mmmm)]が0.1
を超えるとべたつきの原因となる。なお、本発明で用い
られるメソペンダッド分率(mmmm分率)とは、エイ
・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Mac
romolecules,6,925(1973)」で
提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルのメ
チル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子
鎖中のペンタッド単位でのメソ分率である。これが大き
くなると、立体規則性が高くなることを意味する。同じ
くラセミペンダッド分率(rrrr分率)とは、ポリプ
ロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのラセミ分率であ
る。[rrrr/(1−mmmm)]は、上記のペンタ
ッド単位の分率から求められ、プロピレン重合体の立体
規則性分布の均一さを表わす指標である。この値が大き
くなると立体規則性分布が広がり、既存触媒系を用いて
製造される従来のポリプロピレンのように高立体規則性
PP(ポリプロピレン)とアタクチックPP(APP)
の混合物となり、べたつきが増し、透明性が低下するこ
とを意味する。なお、13C−NMRスペクトルの測定
は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により
「Macromolecules,8,687(197
5)」で提案されたピークの帰属に従い、下記の装置及
び条件にて行う。
【0006】装置:日本電子(株)製JNM−EX40
0型13C−NMR装置 方法:プロトン完全デカップリング法 濃度:220mg/ミリリットル 溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの
90:10(容量比)混合溶媒 温度:130℃ パルス幅:45° パルス繰り返し時間:4秒 積算:10000回 プロピレン重合体[I]としては、前記の(1)及び
(2)要件の他に、
【0007】(3)テトラリン中135℃にて測定した
極限粘度[η]が1.0〜3.0デシリットル/gであるも
のが好ましい。なかでもより好ましくは1.0〜2.5デシ
リットル/g、特に好ましくは1.2〜2.2デシリットル
/gである。極限粘度〔η〕が1.0デシリットル/g未
満では、べたつきが発生することがある。また3.0デシ
リットル/gを超えると、流動性が低下するため成形性
が不良となることがある。さらに、前記(1)、(2)
及び(3)の要件の他に、(4)昇温クロマトグラフィ
ーにおける25℃以下で溶出する成分量(W25)が2
0〜100質量%であるものが好ましく、30〜100
質量%がさらに好ましく、50〜100質量%が特に好
ましく、60〜100質量%が最も好ましい。W25と
は、実施例において述べる操作法、装置構成及び測定条
件の昇温クロマトグラフィーにより測定して求めた溶出
曲線におけるTREFのカラム温度25℃において充填
剤に吸着されないで溶出する成分の量(質量%)であ
る。W25は、プロピレン重合体が軟質であるか否かを
表す指標である。この値が大きくなると弾性率の低い成
分が多くなったり、及び/又は立体規則性分布の不均一
さが広がっていることを意味する。本発明においては、
W25が20%未満では、柔軟性がなくなり好ましくな
いことがある。
【0008】プロピレン重合体[I]としては、さらに
下記の〜のいずれかの要件を満たすものが好まし
い。 ゲルパーミエイション(GPC)法により測定した分
子量分布(Mw/Mn)が4以下、さらに好ましくは3.
5以下、特に好ましくは3以下である。分子量分布(M
w/Mn)が4を超えるとべたつきが発生したりするこ
とがある。なお、上記Mw/Mnは、実施例において述
べるゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法
により求められる。 DSC測定による融解吸熱量ΔHが30J/g以下で
あると柔軟性が優れ好ましい。ΔHは、軟質であるかな
いかを表す指標でこの値が大きくなると弾性率が高く、
軟質性が低下していることを意味する。 融点(Tm)及び結晶化温度(Tc)があってもなく
てもよいが、軟質性の点からないこと、あるいは低い
値、特にTmについては100℃以下であることが好ま
しい。なお、ΔH、Tm及びTcは、実施例において述
べるDSC測定により求める。
【0009】プロピレン重合体[I]としては、前記
(1)及び(2)を満たすものであればよく、本発明の
目的を損なわない範囲で、プロピレン以外のコモノマー
を2質量%以下共重合させたものであっても構わない。
コモノマーとしては、エチレン,1−ブテン,1−ペン
テン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−
オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセ
ン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコ
センなどが挙げられ、本発明においては、これらのうち
一種又は二種以上を用いることができる。本発明に用い
られるプロピレン重合体[I]の製造方法としては、
(A)2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷
移金属化合物と(B)助触媒を組み合わせて得られるメ
タロセン触媒を用いてプロピレンを重合または共重合す
る方法が好ましい。具体的に例示すれば、一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はラ
ンタノイド系列の金属元素を示し、E 1 及びE2 はそれ
ぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換
インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘ
テロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド
基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子
であって、A1 及びA2 を介して架橋構造を形成してお
り、またそれらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、
複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,
1 ,E2 又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩
基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異な
っていてもよく、他のY,E1 ,E2 又はXと架橋して
いてもよく、A1 及びA2 は二つの配位子を結合する二
価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、
ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、
−S−、−SO2 −、−Se−、−NR1 −、−PR1
−、−P(O)R1 −、−BR1 −又は−AlR1 −を
示し、R1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20
の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水
素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示
し、rは0〜3の整数を示す。〕で表される遷移金属化
合物(A)、及び該(A)成分の遷移金属化合物又はそ
の派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(B−1)及びアルミノキサン(B−2)から選ばれる
助触媒成分(B)を含有する重合用触媒の存在下、プロ
ピレンを重合又は共重合させる方法が挙げられる。
【0012】一般式(I)で表される遷移金属化合物の
具体例としては、(1,2' −ジメチルシリレン)
(2,1' −ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチル
インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジ
メチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス
(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシ
リレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス(4,5
−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレ
ン)ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチ
ルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス
(4,7−ジ−i−プロピルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシ
リレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス(3−メ
チル−4−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジク
ロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −
ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレ
ン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシ
リレン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(3−
メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2' −ジメチルシリレン)(2,1' −イソプロピリデ
ン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチ
ルシリレン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス
(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,など及びこれらの化合物におけるジルコ
ニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げる
ことができる。
【0013】次に、(B)成分のうちの(B−1)成分
としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テト
ラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェ
ニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テ
トラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモ
ニウムなどを挙げることができる。(B−1)は一種用
いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、
メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブ
チルアルミノキサン等が挙げられる。これらのアルミノ
キサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。前記重合用触媒としては、上記(A)成分
及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニ
ウム化合物を用いることができる。
【0014】(C)成分の有機アルミニウム化合物とし
ては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウ
ム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルア
ルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチル
アルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリ
ド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニ
ウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,
ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセ
スキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウ
ム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用い
てもよい。ここで、プロピレンの重合に際しては、触媒
成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いるこ
とができる。
【0015】重合方法は特に制限されず、スラリー重合
法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法
などのいずれの方法を用いてもよいが、塊状重合法,溶
液重合法が特に好ましい。重合温度は通常−100〜2
50℃、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノ
マー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは1〜10
8 、特に100〜105 となることが好ましい。さら
に、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は通常、
常圧〜20MPa(gauge)である。
【0016】本発明の再帰反射シート(b)を形成する
樹脂組成物に含まれるオレフィン系重合体[II]として
は、プロピレン重合体[I]以外のポリプロピレン、プ
ロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−
ジエン共重合体、ポリエチレン、エチレン/α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げ
られる。これらは、一種を単独で用いてもよいし、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。この樹脂組成物は、
プロピレン重合体[I]1〜99質量%とオレフィン系
重合体[II]99〜1質量%からなる。好ましくは、プ
ロピレン重合体[I]10〜80質量%とオレフィン系
重合体[II]90〜20質量%からなる。さらに好まし
くは、プロピレン重合体[I]25〜75質量%とオレ
フィン系重合体[II]75〜25質量%からなる。特に
好ましくは、プロピレン重合体[I]40〜75質量%
とオレフィン系重合体[II]60〜25質量%からな
る。
【0017】本発明の再帰反射シート(b)を形成する
樹脂組成物は、プロピレン重合体[I]1〜99質量%
とオレフィン系重合体[II]99〜1質量%、及び所望
に応じて用いられる各種添加剤とをヘンシェルミキサー
等を用いてドライブレンドし、単軸又は2軸押出機、バ
ンバリーミキサー等により、溶融混練したものである。
所望に応じて用いられる各種添加剤としては、紫外線吸
収剤、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)、滑
剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、核剤、石油樹
脂、抗菌剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。な
お、これらの添加剤は、プロピレン重合体[I]からな
る層を少なくとも一層有する再帰反射シート(a)にお
いても添加することができる。
【0018】着色剤としては、公知の染料、無機顔料及
び有機顔料を特に限定することなく使用することができ
る。染料としては、アゾ染料,アントラキノン染料,ア
ゾイック染料,ナフトール染料,トリフェニルメタン染
料,ポリメチン染料,金属錯塩染料,含金属染料,反応
染料,直接染料,ビスアゾ染料,トリスアゾ染料,硫化
染料,硫化建染染料,建染染料,インジゴイド染料,ア
イス染料,媒染染料,酸性媒染染料,蛍光増白剤,複合
染料,有機溶剤溶解染料,塩基性染料,顔料樹脂なっ染
料(ピグメントレジンカラー)などが挙げられる。無機
顔料としては、雲母状酸化鉄,鉛白,鉛丹,銀朱,群
青,紺青,酸化コバルト,二酸化チタン,二酸化チタン
被膜雲母,ストロンチウムクロメート,チタンイエロ
ー,チタンブラック,ジンククロメート,鉄黒,モリブ
デン赤,モリブデンホワイト,リサージ,リトポン,エ
メラルドグリーン,ギネー緑,コバルト青などが挙げら
れる。有機顔料としては、β−ナフトール溶性アゾ顔
料,β−ナフトール不溶性アゾ顔料,β−オキシナフト
エ酸系アゾ染料,ナフトールAS系溶性アゾ顔料,ナフ
トールAS系不溶性アゾ顔料,アセトアセトアリリド系
溶性アゾ顔料,アセトアセトアリリド系不溶性アゾ顔
料,ピラゾロン系アゾ顔料,ナフトールAS系不縮合ア
ゾ顔料,アセトアセトアリリド系縮合溶性アゾ顔料,フ
タロシアニンブルー,染色レーキ,イソインドリノン,
キナクリドン,ジオキサジンバイオレット,ペリノン,
ペリレン,アズレンなどが挙げられる。
【0019】本発明の再帰反射シートは、プロピレン重
合体[I]からなる層のみ、あるいはプロピレン重合体
[I]とオレフィン系重合体[II]を含む樹脂組成物か
らなる層を一層のみを有する単層構造のものであっても
よく、これらの層を少なくとも一層有する多層構造のも
のであってもよい。多層構造の再帰反射シートは、層数
が2以上のものであるが、層数は3〜10が好ましく、
3〜5がより好ましい。本発明の再帰シートを3層構造
のものとする場合、中心層をプロピレン重合体[I]か
らなる層、あるいはプロピレン重合体[I]とオレフィ
ン系重合体[II]を含む樹脂組成物からなる層とするこ
とが好ましく、この中心層の厚さは、他の層の厚さの0.
5〜20倍とすることが好ましい。
【0020】プロピレン重合体[I]からなる層以外の
層、あるいはプロピレン重合体[I]とオレフィン系重
合体[II]を含む樹脂組成物からなる層以外の層は、こ
れらの層に、プロピレン重合体[I]以外のポリプロピ
レン系樹脂やポリエチレン系樹脂をブレンドするか、あ
るいはこれらのポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系
樹脂で形成することができる。この場合も、上述した各
種添加剤を添加することができる。プロピレン重合体
[I]以外のポリプロピレン系樹脂としては、例えばホ
モプロピレン,プロピレン−エチレンランダム共重合
体,プロピレン−エチレン−1−ブテン三元共重合体及
びSPP(シンジオタクチックポリプロピレン)などが
挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、LDPE
(低密度ポリエチレン),炭素数が4,6又は8のLL
DPE(直鎖状低密度ポリエチレン),メタロセン系L
LDPE,EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体),
EMMA(エチレン・メタクリル酸メチル共重合体),
EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体),E
MA(エチルメタクリレート),EMAA(エチレン・
アクリル酸メチル共重合体)及びエチレンアイオノマー
などが挙げられる。
【0021】本発明の再帰反射シートには、ガラスビー
ズ再帰反射シート型及びコーナーキューブ型再帰反射シ
ートが含まれる。ガラスビーズ型再帰反射シートは、シ
ート上にガラスビーズを散布し、公知の方法により作製
することができる。コーナーキューブ型再帰反射シート
は、公知のシート成形法(カレンダー成形法,Tダイ押
出し成形法,インフレーション成形法)によりシートを
作製した後に、このシートの片面にエンボス加工機によ
りエンボスパターンを形成するか、あるいはシート成形
と同時にシートの片面にエンボスパターンを形成するこ
とのより、作製することができる。再帰反射シートのエ
ンボス面には、裏打ち基材を積層することが好ましく、
特に白色シートが好ましい。
【0022】本発明の再帰反射シートにおいて、再帰反
射シートの片面のエンボス面は、他の面の非エンボス面
から入射した光を入射方向に反射する複数のプリズムを
配したエンボスパターンを有するものが好ましく、この
ようなエンボスパターンとして、正三角錐キューブコー
ナーパターンなどが例示される。これらのプリズムの高
さは、30〜200μmであるものが好ましく、50〜
100μmがより好ましい。本発明の再帰反射シートの
厚さは、0.05〜1mmであることが好ましい。再帰反
射シートの引張弾性率は、20〜500MPaであるこ
とが好ましく、20〜300MPaがより好ましい。J
IS K 7105に準拠して測定した全ヘイズは10
%以下であることが好ましい。再帰反射シートの片面の
非エンボス面の光沢度(JIS K 7105−198
2に準拠して測定)は80%以上であることが好まし
い。再帰反射シートの輝度は50cd(カンデラ)/l
x(ルクス)/m2 以上であることが好ましく、より好
ましくは70cd/lx/m2 以上、特に好ましくは1
00cd/lx/m2 以上である。
【0023】本発明の再帰反射シートは、例えば特開2
000−221312号公報の図1に記載された製造装
置により製造することができる。図1に示すように、こ
の製造装置は、供給ロールから繰り出される樹脂原反シ
ート10に型転写を行うものであり、エンボスパターン
形成用ロール20と、樹脂原反シート10をロール20
に押しつけてパターンを転写させる二つのニップロール
30と、樹脂原反シート10の型転写された面の反対面
に艶付け(光沢付け)する転写手段である艶付け手段4
0と、ロール20の外側に配置された加熱手段50と、
樹脂原反シート10の転写部20A及び剥離部20Bを
加熱手段50から遮蔽する熱遮蔽板60とを備えてい
る。艶付け手段40は、ロール41〜43とエンドレス
ベルト44からなる。35はバックアップロール、70
は冷却ボックスである。
【0024】再帰反射シートは、以下のようにして製造
される。すなわち、スタンパーロール21内に支持ロー
ル22を偏心させて配置し、各ロール21,22間に冷
却部25及び空隙部26を形成しておく。この状態にお
いて、スタンパーロール21を回転させると共に、エン
ドレスベルト44を循環走行させ、更に加熱手段50に
よりスタンパーロール21の空隙部26に対応した位置
を加熱して転写部20Aを高温に維持させ、一方支持ロ
ール22内には冷却媒体を流入させて支持ロール22を
冷却し、剥離部20Bを低温に維持する。そして、樹脂
原反シート10を高温の転写部20Aに連続的に供給し
て軟化させると共に、弾性材31を有するニップロール
30で面状圧接して樹脂原反シート10にエンボスパタ
ーンを転写する。この後、型転写された樹脂原反シート
10をスタンパーロール21の回転と共に移動させ、エ
ンボスパターン形成用20の冷却部25において、エン
ドレスベルト44により樹脂原反シート10の裏面を押
圧して鏡面転写し、艶付けを行う。更に、製造された再
帰反射性シート28を冷却部25の前方、すなわち剥離
部20Bでロール20から剥離し、これにより、エンボ
スパターンが形成された再帰反射性シート28を得る。
本発明の再帰反射シートは、安全シート,屋外用シー
ト、寒冷地用シート、移動車両用シートとして好適であ
る。
【0025】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
制限されるものではない。 製造例1〔プロピレン重合体(P1)の製造〕 (1)錯体の合成 (1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチル
シリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの合成 シュレンク瓶に(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)−ビス(インデン)のリチウ
ム塩の3.0g(6.97mmol)をTHF50ミリリッ
トルに溶解し−78℃に冷却した。ヨードメチルトリメ
チルシラン2.1ミリリットル(14.2mmol)をゆっ
くりと滴下し室温で12時間攪拌する。溶媒を留去しエ
ーテル50ミリリットルを加えて飽和塩化アンモニウム
溶液で洗浄する。分液後、有機相を乾燥し溶媒を除去し
て(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチ
ルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルイン
デン)を3.04g(5.88mmol)を得た。(収率8
4%) 次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に前記で得られ
た(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチ
ルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルイン
デン)を3.04g(5.88mmol)とエーテル50ミ
リリットルを入れる。−78℃に冷却しn−BuLi
(ヘキサン溶液1.54M)を7.6ミリリットル(11.7
mmol)加えた後、室温で12時間攪拌する。溶媒を
留去し、得られた固体をヘキサン40ミリリットルで洗
浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.
06g(5.07mmol)を得た(収率73%)。1 H−NMR(90MHz,THF−d8 )による測定
の結果は、: δ 0.04(s,18H,トリメチルシ
リル),0.48(s,12H,ジメチルシリレン),1.
10(t,6H,メチル),2.59(s,4H,メチレ
ン),3.38(q,4H,メチレン),6.2−7.7
(m,8H,Ar−H)であった。窒素気流下で前記で
得られたリチウム塩をトルエン50ミリリットルに溶解
した。−78℃に冷却し、ここへ予め−78℃に冷却し
た四塩化ジルコニウム1.2g(5.1mmol)のトルエ
ン(20ミリリットル)懸濁液を滴下した。滴下後、室
温で6時間攪拌した。その反応溶液の溶媒を留去した。
得られた残渣をジクロロメタンより再結晶化することに
より(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメ
チルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライドを0.9g(1.3
3mmol)を得た(収率26%)。1 H−NMR(90MHz,CDCl3 )による測定の
結果は、: δ 0.0(s,18H,トリメチルシリ
ル),1.02,1.12(s,12H,ジメチルシリレ
ン),2.51(dd,4H,メチレン),7.1−7.6
(m,8H,Ar−H)であった。
【0026】(2)プロピレンの重合 攪拌機付き、内容積10リットルのステンレス製オート
クレーブにn−ヘプタン4リットル、トリイソブチルア
ルミニウム2ミリモル、さらに、メチルアルミノキサン
(アルベマール社製)2ミリモルと、前記で得た(1,
2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレ
ン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)
ジルコニウムジクロライド2マイクロモルを、順次投入
した。次いで、水素を0.06MPa(gauge)導入
した後、60℃まで温度を上昇させながら、全圧で0.8
MPa(gauge)までプロピレンガスを導入した。
重合中、全圧が0.8MPa(gauge)になるように
調圧器によりプロピレンを供給した。重合温度60℃
で、30分間重合を行なった後、内容物を取り出し、減
圧下、乾燥することにより、プロピレン重合体(P1)
を得た。以下に示す「プロピレン重合体の樹脂特性の評
価方法」により得られた結果を第1表に示す。
【0027】<プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法
> (1)[η] の測定 (株) 離合社のVMR−053型自動粘度計を用い、テ
トラリン溶媒中135℃において測定した。 (2)ペンタッド分率の測定 明細書本文中に記載した方法により測定した。 (3)メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K 7210に準拠し、230℃、荷重21.1
8Nで測定した。 (4)分子量分布(Mw/Mn)の測定 Mw/Mnは、以下に述べる装置により測定した。
【0028】 GPC測定装置 カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT 検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C 測定条件 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン 測定温度 :145℃ 流速 :1.0ミリリットル/分 試料濃度 :2.2mg/ミリリットル 注入量 :160マイクロリットル 検量線 :Universal Calibration 解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
【0029】(5)DSC測定 示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製, DSC−
7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下220℃で3
分間溶融した後、1℃/分で−40℃まで降温したとき
に得られる結晶化発熱カーブの最大ピークのピークトッ
プを結晶化温度:Tcとした。さらに、−40℃で3分
間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得ら
れる融解吸熱量をΔHとした。また、このときに得られ
る融解吸熱カーブの最大ピークのピークトップを融点:
Tmとした。 (6)昇温分別クロマトグラフ 以下のようにして、溶出曲線におけるTREFのカラム
温度25℃において充填剤に吸着されないで溶出する成
分の量W25(質量%)を求めた。 (a)操作法 試料溶液を温度135℃に調節したTREFカラムに導
入し、次いで降温速度5℃/時間にて徐々に0℃まで降
温し、30分間ホールドし、試料を充填剤に吸着させ
る。その後、昇温速度40℃/時間にてカラムを135
℃まで昇温し、溶出曲線を得た。 (b)装置構成 TREFカラム :GLサイエンス社製 シリカゲルカラム (4.6φ×150mm) フローセル :GLサイエンス社製 光路長1mm KBrセル 送液ポンプ :センシュウ科学社製 SSC−3100ポンプ バルブオーブン :GLサイエンス社製 MODEL554オーブン (高温型) TREFオーブン:GLサイエンス社製 二系列温調器 :理学工業社製 REX−C100温調器 検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A CVF 10方バルブ :バルコ社製 電動バルブ ループ :バルコ社製 500マイクロリットルループ (c)測定条件 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 試料濃度 :7.5g/リットル 注入量 :500マイクロリットル ポンプ流量 :2.0ミリリットル/分 検出波数 :3.41μm カラム充填剤 :クロモソルブP(30〜60メッシュ) カラム温度分布 :±0.2℃以内
【0030】製造例2〔プロピレン重合体(P2)の製
造〕 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルのかきまぜ機付きガラス反応器を窒
素ガスで十分に置換したのち、これにエタノール約24
30g、ヨウ素16g及び金属マグネシウム160gを
仕込み、かきまぜながら加熱して、還流条件下で系内か
らの水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状応
生成物を得た。この固体状生成物を含む反応液を減圧下
で乾燥させることにより、マグネシウム化合物を得た。 (2)固体触媒成分(A)の調製 窒素ガスで十分置換した内容積5リットルのガラス製反
応器に、上記(1)で得られたマグネシウム化合物(粉
砕していないもの)160g、精製ヘプタン80ミリリ
ットル、四塩化ケイ素24ミリリットル及びフタル酸ジ
エチル23ミリリットルを仕込み、系内を80℃に保
ち、かきまぜながら四塩化チタン770ミリリットルを
加えて110℃で2時間反応させたのち、固体成分を分
離して90℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩
化チタン1220ミリリットルを加え、110℃で2時
間反応させたのち、精製ヘプタンで十分に洗浄して固体
触媒成分(A)を得た。
【0031】(3)プロピレンの気相重合 内容積200リットルの重合槽に、上記(2)で得られ
た固体触媒成分6.0g/時間、トリイソブチルアルミニ
ウム(TIBA)0.2モル/時間、1−アリル−3, 4
−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.012モル/時
間、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMD
MS)0.012モル/時間、プロピレン37kg/時間
で供給し、70℃、2.8MPa(gauge)で重合を
行ない、プロピレン重合体を製造した。得られたプロピ
レンパウダーに、2, 5−ジメチル−2, 5−ジ−(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサンを混合し、さらに下記
の添加剤処方を行い、単軸押出機(塚田樹機製作所製:
TLC 35−20型)にて押し出し造粒し、ペレット
を製造した。得られたペレット(P2)について、前記
「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」により得ら
れた結果を第1表に示す。
【0032】(添加剤処方) ・フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製,イルガノックス1010;1,000pp
m ・リン系酸化防止剤:クラリアント社製,P−EPQ;
500ppm ・中和剤:ステアリン酸カルシウム;500ppm ・中和剤:協和化学工業社製,DHT−4A;500p
pm
【0033】製造例3〔プロピレン重合体(P3)の製
造〕 内容積1リットルのステンレス製オートクレーブにヘプ
タン400ミリリットル,トリイソブチルアルミニウム
0.5ミリモル、さらに、ジメチルアニリニウム(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート2マイクロモルと、特開平
3−163088号公報の実施例1と同様にして製造し
た(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η
5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド
1マイクロモルをトルエン中5分間予備接触させた触媒
成分を投入した。ここで、水素0.03MPa(gaug
e)を導入した後、全圧で0.8MPa(gauge)ま
でプロピレンガスを導入し重合中圧力が一定になるよう
に調圧器によりプロピレンを供給した。重合温度70℃
で、1時間重合を行なった後、内容物を取り出し、減圧
下、乾燥することにより、プロピレン重合体(P3)を
得た。「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」を行
い、得られた結果を第1表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 上記で得たプロピレン重合体(P1)に以下の添加剤を
処方し、単軸押出機(塚田樹機製作所製,TLC 35
−20型)にて押し出し造粒し、P1のペレットを製造
した。 (添加剤処方) ・フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製,イルガノックス1010;500ppm ・リン系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ社製,イルガフォス168;1,000ppm
【0036】得られたP1のペレットを押出機(陸亜社
製,RT3−30)のTダイから押出し、タッチロール
方式で成膜して原反シートを作製し、このシートの片面
にプリズムの高さが70μm、一辺が173μmの正三
角錐キューブコーナーパターンを、図1に示す装置によ
り、温度100℃、加圧圧力6.0MPa、加圧時間4秒
の条件で型転写し、シートの裏面を15℃の水で30秒
間冷却して再帰反射シートを作製した。以下に示す「再
帰反射シートの特性の評価方法」による評価結果を第2
表に示す。
【0037】 <再帰反射シートの特性の評価方法> (1)引張弾性率 JIS K 7113に準拠した引張試験により測定し
た。 クロスヘッド速度:50mm/min ロードセル:100kg 測定方向:マシン方向(MD方向) (2)輝度 JIS Z 9117に準拠した方法により、照射角5
度、観測角0.2度、n=3の条件で測定し、平均値を求
めた。 (3)べたつき感 シートを手で触り、その感触で評価した。 ○:べたつきなし、×:粘着感がある。
【0038】実施例2 前記で得たP1のペレットを70質量%、出光石油化学
社製のポリプロピレンE−304GP(プロピレンホモ
ポリマー,メルトインデックス=3)(第2表において
は304と記す)を30質量%の割合で配合し、単軸押
出機(TLC35−20型,塚田樹機製作所製)にて押
出造粒し、押出成形用樹脂組成物としてのペレットを製
造した。このペレットを用いて、型転写温度を110℃
として以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを作
製し、同様の評価を行った。評価結果を第2表に示す。 実施例3 実施例1で用いたものと同様の押出機を3台使用し、そ
れぞれの押出機のTダイから、出光石油化学社製のポリ
プロピレンF−744NP(プロピレンランダムコポリ
マー,メルトインデックス=7)(第2表においては7
44と記す)からなる層、前記で得たP1のペレットか
らなる層及びポリプロピレンF−744NPからなる層
を押出し、これらの層が厚さの比1/8/1で順次積層
された3層構造を有する原反シートを作製し、実施例1
と同様のエンボスパターンをシートの片面に125℃に
おいて型転写し、再帰反射シートを作製した。この再帰
反射シートの評価結果を第2表に示す。
【0039】実施例4 実施例3において、P1のペレットからなる層を、P1
のペレットを70質量%、出光石油化学社製のポリプロ
ピレンE−304GPを30質量%の割合で配合してな
るペレット(実施例2と同様のペレット)からなる層に
変え、型転写温度を130℃とした以外は実施例3と同
様にして再帰反射シートを作製した。この再帰反射シー
トの評価結果を第2表に示す。 実施例5 実施例1において、P1のペレットにアントラキノン顔
料を主成分とする赤色着色剤(レジノカラー社製,M/
B MBF−T−5121)を2質量%混合した以外は
実施例1と同様にして再帰反射シートを作製した。この
再帰反射シートの評価結果を第2表に示す。 比較例1 実施例1において、P1のペレットの代わりに前記で得
たP2のペレットを用い、型転写温度を180℃とした
以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを作製し
た。この再帰反射シートの評価結果を第2表に示す。 比較例2 実施例1において、P1のペレットの代わりに前記で得
たP3のペレットを用いた以外は実施例1と同様にして
再帰反射シートを作製した。この再帰反射シートの評価
結果を第2表に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、リサイクルが容易であ
り、廃棄時や焼却時に有毒ガス等の発生する恐れが少な
く地球環境に優しく、べたつきが少なく、軟質性及び透
明性にも優れる再帰反射シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る再帰反射性シートの製造装置の概
略図である。
【符号の説明】
10 樹脂原反シート 20A 転写部 20B 剥離部 20 エンボスパターン形成用ロール 21 スタンパーロール 22 支持ロール 25 冷却部 28 再帰反射性シート 31 弾性材 40 艶付け手段 41〜43 ロール 44 エンドレスベルト 50 加熱手段 70 冷却ボックス
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 23:12 C08L 23:12 Fターム(参考) 2H042 EA01 EA04 EA05 EA14 EA20 4F071 AA20 AA80 AA88 AA89 AC11 AC15 AE05 AE09 AF20Y AF29Y BA01 BB06 BC01 4F100 AK03A AK03B AK07A AK07B AK62A AK62B AK66A AK66B AL05A AL05B BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA16 CA13A CA13B EH17 EJ05A EJ05B EJ40 GB31 GB90 HB21A HB21B JA06A JA06B JK07 JK07A JK07B JL00 JL16 JN06 JN21 JN21A JN21B YY00A YY00B 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA07Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q CA01 CA04 DA09 DA39 DA41 FA10 JA28 JA67

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
    ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
    mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
    る を満たすプロピレン重合体[I]からなる層を少なくと
    も一層有することを特徴とする再帰反射シート。
  2. 【請求項2】 プロピレン重合体[I]が、さらに下記
    の(3) (3)テトラリン中135℃にて測定した極限粘度
    [η]が1.0〜3.0デシリットル/gである を満たすプロピレン重合体である請求項1に記載の再帰
    反射シート。
  3. 【請求項3】 プロピレン重合体[I]が、さらに下記
    の(4) (4)昇温クロマトグラフィーにおける25℃以下で溶
    出する成分量(W25)が20〜100質量%である を満たすプロピレン重合体である請求項1又は2に記載
    の再帰反射シート。
  4. 【請求項4】 プロピレン重合体[I]が2個の架橋基
    を介して架橋構造を形成してなる遷移金属化合物と助触
    媒からなるメタロセン触媒を用いて重合されたものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の再帰反射シート。
  5. 【請求項5】 下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
    ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
    mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
    る を満たすプロピレン重合体[I]1〜99質量%及びオ
    レフィン系重合体[II]99〜1質量%を含む樹脂組成
    物からなる層を少なくとも一層有することを特徴とする
    再帰反射シート。
  6. 【請求項6】 プロピレン重合体[I]が、さらに下記
    の(3) (3)テトラリン中135℃にて測定した極限粘度
    [η]が1.0〜3.0デシリットル/gである を満たすプロピレン重合体である請求項5に記載の再帰
    反射シート。
  7. 【請求項7】 プロピレン重合体[I]が、さらに下記
    の(4) (4)昇温クロマトグラフィーにおける25℃以下で溶
    出する成分量(W25)が20〜100質量%である を満たすプロピレン重合体である請求項5又は6に記載
    の再帰反射シート。
  8. 【請求項8】 プロピレン重合体[I]が2個の架橋基
    を介して架橋構造を形成してなる遷移金属化合物と助触
    媒からなるメタロセン触媒を用いて重合されたものであ
    る請求項5〜7のいずれかに記載の再帰反射シート。
  9. 【請求項9】 再帰反射シートが、その引張弾性率が2
    0〜500MPaのものである請求項1〜8のいずれか
    に記載の再帰反射シート。
  10. 【請求項10】 再帰反射シートが着色剤を含むもので
    ある請求項1〜9のいずれかに記載の再帰反射シート。
  11. 【請求項11】 再帰反射シートが、その輝度が50c
    d/lx/m2 以上のものである請求項1〜10のいず
    れかに記載の再帰反射シート。
  12. 【請求項12】 再帰反射シートが、その片面のエンボ
    ス面は、他の面の非エンボス面から入射した光を入射方
    向に反射する複数のプリズムを配したエンボスパターン
    を有し、これらのプリズムの高さが30〜200μmで
    あることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
    の再帰反射シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009265347A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 光反射シート
JP2013060516A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Japan Polypropylene Corp プロピレン系樹脂成形体

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