JP2002155424A - 抗菌性ポリエステル繊維 - Google Patents

抗菌性ポリエステル繊維

Info

Publication number
JP2002155424A
JP2002155424A JP2000348213A JP2000348213A JP2002155424A JP 2002155424 A JP2002155424 A JP 2002155424A JP 2000348213 A JP2000348213 A JP 2000348213A JP 2000348213 A JP2000348213 A JP 2000348213A JP 2002155424 A JP2002155424 A JP 2002155424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
fiber
mass
silver
polyester fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000348213A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunari Isogai
一成 磯貝
Kazunori Hashimoto
和典 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP2000348213A priority Critical patent/JP2002155424A/ja
Publication of JP2002155424A publication Critical patent/JP2002155424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可紡性が良好で低コストで得ることができ、
抗菌性能において、即効性と持続性を併せ持ち、さらに
は、アルカリ処理を行っても変色(着色)が少ない、色
調に優れた抗菌性ポリエステル繊維を提供すること。 【解決手段】 SiO2を主体とする銀系の無機系抗菌剤
aを0.1質量%以上、リン酸塩を主体とする銀系の無機
系抗菌剤bを0.3質量%以上含有するポリエステル繊維
であって、かつ下記(1)〜(3)の要件を満たす。 (1)繊維中の抗菌剤aと抗菌剤bの含有量の和が10質
量%以下である。 (2)10時間培養後の生菌数から算出した静菌活性値
が2.2以上である。 (3)100洗後の静菌活性値が2.2以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種類の銀系の無
機系抗菌剤を含有し、抗菌性能において、即効性と持続
性を併せ持つ抗菌性ポリエステル繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、優れた機械特性及び化学特性を有す
るため、広範囲に使用されている。また、近年消費者の
価値観の多様性、衛生に対する意識の高まりにより種々
の抗菌性繊維が実用化されている。
【0003】ポリエステル繊維に抗菌防臭性を付与する
方法はこれまで多く提案されている。布帛に後加工方法
で抗菌剤を固定化する方法としては、シリコン系第4級
アンモニウム塩を用いる方法や、脂肪族系第4級アンモ
ニウム塩を用いる方法がある。
【0004】しかしながら、これらは繊維表面に抗菌剤
を固着させているので、洗濯や摩擦、摩耗により脱落
し、抗菌性能が低下するという欠点を有する。また、特
開昭56-148965号公報に記載されるような、イオン交換
基を表面に含む繊維に銀イオンを結合させる方法や、同
様の繊維に遷移金属イオンを結合させる方法が提案され
ている。しかしながら、これらはイオン交換基を繊維表
面に導入させることが必要であり、アクリル繊維には有
効であってもポリエステル繊維のような官能基の少ない
ポリマーには不適である。
【0005】上記の問題点を解決するために、ポリエス
テルに抗菌性を有する粉体を含有させて、抗菌性ポリエ
ステル繊維を得る方法もこれまでに数多く提案されてお
り、特開昭59-133235号公報、特公昭63-54103号公報及
び特開昭63-175117号公報には、抗菌性ゼオライト(銀
ゼオライト)を溶融紡糸前にポリエステルに混合し、溶
融紡糸して得られた抗菌性繊維が開示されている。
【0006】抗菌性ゼオライト及び抗菌性リン酸塩を含
有する合成繊維は抗菌性が良好でその耐久性も優れてい
るが、このような繊維は、ポリエステルの風合い改良の
一手段であるアルカリ減量加工を行うと、抗菌成分であ
る銀の酸化が生じて変色(着色)するため、白度が要求
されるような用途への使用が制限されるという欠点があ
った。また、ゼオライトが吸湿性であるため、水分率を
低く保つことが困難である。
【0007】繊維中の銀量を減少させることで、アルカ
リ減量加工時の変色を抑制することは可能だが、十分な
抗菌性を有するものとならないため、アルカリ減量加工
を施す用途では、取り扱い難いという欠点がある。
【0008】そこで本発明者らは、特開平11-158730号
公報において、抗菌剤として銀化合物を芯部に含有する
ことによって、アルカリ減量加工後の変色が改善された
芯鞘型複合抗菌ポリエステル繊維を提案している。しか
しながら、この繊維は複合タイプの紡糸機を使用して製
造する必要があるため製造工程が複雑になり、また効果
を十分に発揮させるためには、繊維の芯鞘比率及びアル
カリ減量比率が限定され、制御が困難であった。
【0009】また、本発明者らは特願2000-170037号に
おいて、主成分がリン酸の金属塩である銀系抗菌剤のナ
トリウム量をコントロールすることで、アルカリ減量加
工後の変色が改善された抗菌ポリエステル繊維について
提案している。しかし、抗菌性の即効性を求める場合、
抗菌剤の添加量を増やす必要があり、コスト的に不利と
なってしまう
【0010】消費者のニーズの多様化に伴って、抗菌性
能の即効性及び持続性を有し、かつ色調の良好な抗菌性
繊維の要望が強まってきているが、これらの3条件(抗
菌性の即効性、持続性及び良好な色調)を同時に満たす
ものは未だに提案されていない。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上述のよう
な問題点を解決し、可紡性が良好で低コストで得ること
ができ、抗菌性能において、即効性と持続性を併せ持
ち、さらには、アルカリ処理を行っても変色(着色)が
少ない、色調に優れた抗菌性ポリエステル繊維を提供す
ることを技術的な課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、SiOを主体とする銀系の無
機系抗菌剤aを0.1質量%以上、リン酸塩を主体とする
銀系の無機系抗菌剤bを0.3質量%以上含有するポリエ
ステル繊維であって、かつ下記(1)〜(3)の要件を
満たすことを特徴とする抗菌性ポリエステル繊維を要旨
とするものである。 (1)繊維中の抗菌剤aと抗菌剤bの含有量の和が10質
量%以下である。 (2)10時間培養後の生菌数から算出した静菌活性値
が2.2以上である。 (3)100洗後の静菌活性値が2.2以上である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の抗菌性ポリエステル繊維は、2種類の銀
系抗菌剤を繊維中に含有するものであって、これらの抗
菌剤が繊維全体に均一に含有されるようなものであって
も、繊維断面の一部、例えば芯鞘型やサイドバイサイド
型等の複合糸の一成分に含まれるものであってもよい。
中でも抗菌剤成分の一部分が繊維表面に露出するような
構造とすることが好ましい。また、繊維の形状は、丸断
面、異形断面等のいずれであってもよい。
【0014】本発明の繊維を構成するポリエステルは、
ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタ
レート等があるが、具体的にはポリエチレンテレフタレ
ート(PET)やポリトリメチレンテレフタレート(P
TT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ま
しく用いられる。
【0015】ポリアルキレンテレフタレートおよびポリ
アルキレンナフタレートは、ポリエステル特有の性能を
損なわない範囲であれば、共重合成分を含有していても
よく、共重合成分としては、イソフタル酸、無水フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成
分、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸成
分、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−シクロヘキシルジメタノール、ビスフェノール
Aのアルキレンオキシド付加物等のグリコール成分、4
−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロ
キシカルボン酸成分等が挙げられる。
【0016】本発明者らがこれまでに種々の無機系抗菌
剤について検討を重ねた結果、抗菌剤には大きく分けて
主に初期の抗菌性に力を発揮するもの(即効性のあるも
の)と、初期の抗菌性は比較的弱いものの、様々な処理
を経た後にも十分な効果を発するもの(持続性のあるも
の)が存在することが判った。
【0017】主体成分がSiOであるものは、比較的初
期の抗菌性が高く、また、繊維中に添加しても、繊維製
造時の操業性を損なうことがなく、強伸度特性の良好な
繊維を得ることが可能であった。一方、主成分がリン酸
の金属塩である抗菌剤は、初期の抗菌性よりもむしろ持
続的に抗菌性を発揮するものであり、前者同様、繊維中
に添加しても、繊維製造時の操業性を損なうことがな
く、強伸度特性の良好な繊維を得ることが可能であっ
た。
【0018】そこで、両者を併用することで本発明の目
的とする、即効性と持続性を併せ持つ抗菌繊維を操業性
を損なうことなく得ることが可能であることを見い出し
た。
【0019】本発明でいう抗菌剤aは、銀系の無機系抗
菌剤であり、主体成分がSiOであれば特に制限されな
いが、水に可溶なケイ酸系硝子中に銀イオンを保持した
ものを用いることが好ましい。ケイ酸系硝子は内部に銀
イオンを安定的に保持し、わずかな水分の介在で銀イオ
ンを溶出することができるため、即効性を付与すること
に効果的である。
【0020】また、抗菌剤bは、銀系の無機系抗菌剤で
あり、主成分がリン酸の金属塩からなるものであり、中
でも抗菌剤の主成分がリン酸ジルコニウム銀、リン酸カ
ルシウム銀のいずれかであるものを用いることが好まし
い。リン酸金属塩は水分が多量に存在する環境下でも銀
の溶出を適度に制御するので、持続性を付与することに
効果的である。なお、従来使用している主成分がゼオラ
イト銀である抗菌剤は、ゼオライトは吸湿性であり、水
分管理を十分に行う必要がある(水分が存在すると、紡
糸中にポリエステルの加水分解が生じ、色調の良好な繊
維を得ることが難しい)ため好ましくない。
【0021】本発明の抗菌性繊維中に存在する抗菌剤の
含有量は、抗菌剤aが繊維全体に対して0.1質量%以
上、また、抗菌剤bが繊維全体に対して0.3質量%以上
必要であり、かつ抗菌剤aと抗菌剤bの総含有量が10質
量%以下である。
【0022】抗菌剤aの含有量が0.1質量%未満では、
初期の抗菌性に寄与する銀量が十分にないため、目的と
する抗菌性の即効性を得ることができない。また、抗菌
剤bの含有量が0.3質量%未満では耐久性に寄与する銀
量が十分にないため、目的とする抗菌性の持続性を得る
ことができない。
【0023】さらに、両抗菌剤の総含有量が繊維全体に
対して10質量%を超えると、紡糸時の操業性が低下す
る。そこで、操業性の面からより好ましくは5質量%以
下とする。
【0024】このように、本発明の抗菌性繊維は、抗菌
剤aを含有することで、10時間培養後の生菌数から算
出した静菌活性値が2.2以上となる。この指標は、抗
菌性の即効性を評価するための指標であり、静菌活性値
がこの値未満では、目的とする抗菌性の即効性を満足し
ない。
【0025】一方、本発明の抗菌性繊維は、抗菌剤bを
含有することで、100洗後(JAFET標準洗剤を使用し
統一試験法に準じた方法で100回洗濯した後)の静菌
活性値が2.2以上となる。この指標は、抗菌性の持続
性を評価するための指標であり、静菌活性値がこの値未
満では、目的とする抗菌性の持続性を満足しない。
【0026】なお、本発明でいう静菌活性値(抗菌性の
評価)は次のように行ったものである。繊維製品衛生加
工協議会(JAFET)の統一試験法に準じて行った。滅菌
後クリーンベンチ内で乾燥した検体(約18mmの正方形の
試験片0.4g)に、予め高圧蒸気滅菌し氷冷した1/20濃度
のニュートリエントブロスで生菌数を1±0.3×105個/m
lに調整した試験菌懸濁液0.2mlを検体全体に均一に浸み
るように接種し、滅菌したキャップを締め付ける。これ
を37±1℃で所定の時間培養する。培養後の生菌数を
測定する。試験菌としては、黄色フ゛ト゛ウ状球菌(Staphyl
ococcus aureus ATCC 6538P)を用い、下記の方法で抗
菌性の指標である静菌活性値を算出した。 静菌活性値:LogB - LogC ただし、試験成立条件(LogB - LogA)>1.5を満たすも
のとする。 A:標準布の接種直後に回収した菌数の平均値 B:標準布の18時間培養後回収した菌数の平均値 C:加工布の10時間又は18時間培養後回収した菌数
の平均値 10時間培養後の生菌数から算出した静菌活性値は、C
の加工布において10時間培養したものであり、100
洗後の静菌活性値は、JAFETの標準洗剤を用い、統一試
験法に準じた方法で100回洗濯した後のサンプルをC
の加工布とし、18時間培養したものである。そして、
標準布には、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニ
ュアルに規定のものを使用した。
【0027】さらに、本発明の抗菌性繊維は、上記のよ
うな抗菌剤を含有することによって、アルカリ処理前後
の変色を防止することができるものであり、具体的には
アルカリ処理前後の色差(ΔE)が5.0以下であることが好
ましく、さらには2.0以下であることが好ましい。
【0028】なお、ここでいうアルカリ処理とは、本発
明の抗菌性ポリエステル繊維を筒編みしたものを用い、
色調を測定した後、70℃で30分乾燥させ、70℃に
調整した10%水酸化ナトリウム溶液中で100分間の
処理を施すことをいう。PETの場合、このときの減量
率は10〜30%となる。
【0029】そして、アルカリ処理前後の色差(ΔE)
は、筒編状の布帛のアルカリ処理前およびアルカリ処理
後の色調(L,a,b値)をミノルタ(株)製色彩色差計
CR-100で測定し、下式で算出するものである。 ΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2 ΔL*:アルカリ処理前後のL値の差 Δa*:アルカリ処理前後のa値の差 Δb*:アルカリ処理前後のb値の差
【0030】色差(ΔE)が5.0を超えると、通常のポリエ
ステルや他の素材と混繊し、織編した後、アルカリ減量
加工と染色加工を行うと、抗菌性繊維の部分だけが発色
性が悪くなり、くすんで見えるようになる。また、アル
カリ減量加工中の変色(着色)がひどい場合には、減量
加工中に抗菌性繊維から遊離した成分により他の素材も
変色(着色)してしまう場合があり、その後の染色加工
で染色斑や、発色不良が起こり好ましくない。
【0031】さらに、本発明の抗菌性ポリエステル繊維
には、抗菌性の発現を阻害しないものであれば、例え
ば、紫外線吸収剤、制電剤、顔料、酸化チタン、二酸化
珪素等を繊維製造中に添加したり、防ダニ剤、消臭剤等
を繊維に付与させてもよい。
【0032】そして、本発明の抗菌性ポリエステル繊維
は、常法により、溶融紡糸装置を用いて製造することが
でき、含有させる抗菌剤は、a、bともにポリマーを重
合するときに添加してもよいし、製糸工程中のポリマー
溶融時に添加し均一に混練、分散させてもよい。さらに
は、抗菌剤を高濃度で含有するマスターポリマーとベー
スポリマーとを混練して使用し繊維中に含有させてもよ
いし、抗菌剤を低濃度で含有するマスターポリマーをそ
のまま使用し繊維中に含有させてもよい。
【0033】
【作用】本発明の抗菌性ポリエステル繊維は、アルカリ
処理後の変色(着色)がなく色調が良好であり、かつ即
効性と持続性を併せ持つ、良好な抗菌性を有するもので
ある。抗菌性能の発現のメカニズムについては定かでは
ないが、主体成分がSiO である抗菌剤は、抗菌性に関
して有効に作用する銀イオンの溶出が比較的速いため、
即効性のある抗菌剤となると考えられる。また、主成分
がリン酸の金属塩である抗菌剤は銀イオンの溶出が比較
的遅いため、即効性はないものの持続性の強い抗菌剤と
なるものと考えられる。さらに、アルカリ処理後の変色
が少ないのは、銀イオンの溶出が速いSiO系の抗菌剤
を含有することにより、繊維表面には常に新たな銀イオ
ンが更新され、アルカリによって変色した酸化銀は速や
かに繊維表面から脱落するため、繊維表面に変色物が存
在しないと考えられる。
【0034】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、実施例における特性値の測定、評価は次の
通りである。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合液を溶媒と
し、温度20℃で測定した。 (b)抗菌性(静菌活性値) 前記の方法で測定した。 (c)アルカリ減量率 アルカリ処理前の試料を70℃で30分乾燥した質量を
〔B〕とし、アルカリ処理後の試料を蒸留水で洗浄し、
70℃で30分乾燥した後の質量を〔A〕とし、下記の
式によりアルカリ減量率を算出した。 アルカリ減量率(%)={(B-A)/B}×100 (d)アルカリ処理前後の色差(ΔE) 前記の方法で測定した。 (e)操業性 24錘での製糸中における1日当たりの糸切れ数が、3
回未満の場合は操業性○、3〜6回の場合は操業性△、
6回を超える場合を×とした。
【0035】実施例1 通常用いられる単成分用溶融紡糸機台を用い、極限粘度
が0.69、ガラス転移点温度77℃、結晶化温度125℃及び
融点259℃のPETチップを使用して溶融紡糸を行った。そ
の際、ポリマー溶融時に、水溶性のケイ酸系硝子を主体
とする無機系抗菌剤a(石塚硝子社製:「イオンピュ
ア」)を繊維質量に対し0.5質量%、リン酸カルシウム
を主体とする銀系の無機系抗菌剤b(サンギ社製:「ア
パサイザーAK」)を繊維質量に対し0.5質量%となる
ように添加し、84テ゛シテックス/24フィラメントの半未延伸糸(POY)
を紡糸速度3500m/分で製糸した。この半未延伸糸を延伸
速度650m/分、延伸倍率1.5倍で延伸し、56テ゛シテックス/24フィ
ラメントの延伸糸を得た。このとき、強伸度特性の良好な繊
維を操業性よく得ることができた。次に、この繊維を1
gの筒編み地にし、色調(b値)を測定した後、70℃
で30分乾燥させ、70℃に調整した10%水酸化ナト
リウム溶液中で100分間のアルカリ処理を施した。そ
の後、アルカリを蒸留水で洗浄し、70℃で30分乾燥
させた。このときのアルカリ減量率は21.4%であった。
【0036】実施例2〜6、比較例1〜5 抗菌剤a、bの含有量が表1、2に示すものとなるよう
に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0037】実施例7 抗菌剤bとして主成分がリン酸ジルコニウム銀である抗
菌剤を用い、抗菌剤a、bの含有量が表1に示すものと
なるように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0038】比較例6 抗菌剤bとして主成分がゼオライト銀である抗菌剤を用
い、抗菌剤a、bの含有量が表2に示すものとなるよう
に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0039】実施例1〜7、比較例1〜6で得られた繊
維の抗菌性、色調(b値)、色差(ΔE)、操業性の評
価結果を表1、2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1、2から明らかなように、実施例1〜
7は、いずれも抗菌性ポリエステル繊維を操業性よく得
ることができ、即効性、持続性共に良好な抗菌性を有し
ており、また、アルカリ処理前後の色差も小さく色調に
優れているものであった。一方、比較例1の繊維は、抗
菌剤aの含有量が0.1質量%未満であったため、抗菌性
の即効性に乏しいものであった。比較例2の繊維は、抗
菌剤bの含有量が0.3質量%未満であったため、抗菌性
の持続性に乏しいものであった。比較例3〜5は、繊維
中の抗菌剤の総含有量が10質量%を超えていたため、操
業性が悪かった。比較例6は、ゼオライトの吸湿のた
め、ポリエステルの加水分解が生じ、アルカリ処理前の
糸条のb値が悪く、白度に劣っていた。そして、アルカ
リ処理前後の色差も5.0を超えるものとなり、色調の良
好な繊維を得ることができず、さらには操業性も悪かっ
た。
【0043】
【発明の効果】本発明の抗菌性ポリエステル繊維は、操
業性よく低コストで得ることができ、抗菌性能において
即効性と持続性を併せ持ち、かつ、アルカリ減量加工を
行っても変色(着色)が少なく色調に優れている。この
ため、医療用白衣、料理店等の割烹着等、白度と抗菌防
臭性が要求される衣料に好適に用いることができる。ま
た、婦人用ブラウス、学童用ワイシャツ等にも好適に使
用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiOを主体とする銀系の無機系抗菌剤
    aを0.1質量%以上、リン酸塩を主体とする銀系の無機
    系抗菌剤bを0.3質量%以上含有するポリエステル繊維
    であって、かつ下記(1)〜(3)の要件を満たすこと
    を特徴とする抗菌性ポリエステル繊維。 (1)繊維中の抗菌剤aと抗菌剤bの含有量の和が10質
    量%以下である。 (2)10時間培養後の生菌数から算出した静菌活性値
    が2.2以上である。 (3)100洗後の静菌活性値が2.2以上である。
  2. 【請求項2】 アルカリ処理前後の色差(ΔE)が5.0
    以下である請求項1記載の抗菌性ポリエステル繊維。
JP2000348213A 2000-11-15 2000-11-15 抗菌性ポリエステル繊維 Pending JP2002155424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000348213A JP2002155424A (ja) 2000-11-15 2000-11-15 抗菌性ポリエステル繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000348213A JP2002155424A (ja) 2000-11-15 2000-11-15 抗菌性ポリエステル繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002155424A true JP2002155424A (ja) 2002-05-31

Family

ID=18821832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000348213A Pending JP2002155424A (ja) 2000-11-15 2000-11-15 抗菌性ポリエステル繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002155424A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004190197A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Teijin Fibers Ltd 制菌性繊維及び制菌性繊維製品
US20140155589A1 (en) * 2011-07-26 2014-06-05 Kurashiki Boseki Kabushiki Kaisha Inhibitory fiber against virulence factors production and method for producing same
JP2018071007A (ja) * 2016-10-24 2018-05-10 東洋紡Stc株式会社 抗菌・抗ウイルス加工繊維製品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004190197A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Teijin Fibers Ltd 制菌性繊維及び制菌性繊維製品
US20140155589A1 (en) * 2011-07-26 2014-06-05 Kurashiki Boseki Kabushiki Kaisha Inhibitory fiber against virulence factors production and method for producing same
JP2018071007A (ja) * 2016-10-24 2018-05-10 東洋紡Stc株式会社 抗菌・抗ウイルス加工繊維製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5985301A (en) Antibacterial cellulose fiber and production process thereof
JP2008013880A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JP2007177350A (ja) 抗菌性繊維混用品
JP2008111221A (ja) 抗菌性染色布帛
JP2004190197A (ja) 制菌性繊維及び制菌性繊維製品
JP2002155424A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
KR20030054074A (ko) 광화석 분말을 함유한 다기능성 섬유 및 그 제조방법
JP2002309445A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JP2003268628A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JP2842564B2 (ja) 抗菌性ビスコースレーヨン及びその製造方法
JP2005022916A (ja) 抗菌性付与用ガラス組成物、抗菌性複合材料および抗菌性繊維
JP2001348732A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JP3247293B2 (ja) 抗菌性セルロースアセテート繊維及び抗菌性繊維製品
JP2000303258A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JPH11229236A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JPH10237720A (ja) 抗菌性ポリエステル短繊維
JPH10259531A (ja) 抗菌性セルロースアセテート繊維およびその製造方法
JPH11158730A (ja) 抗菌性ポリエステル繊維
JP3265109B2 (ja) 抗菌機能を有する繊維
KR930012185B1 (ko) 항균 및 소취성이 우수한 폴리에스테르 섬유의 제조 방법
JPH06235116A (ja) 抗菌性繊維及び布帛
JP2838331B2 (ja) 抗菌性を有する靴下用原糸
JP3197126B2 (ja) 抗菌性繊維
KR100497146B1 (ko) 항균성 및 원적외선과 음이온을 방출하는 기능성폴리에스터섬유
JP7308713B2 (ja) 抗菌性複合繊維