JP2002155342A - 少量用ダイカスト金型用鋼および少量用ダイカスト金型 - Google Patents

少量用ダイカスト金型用鋼および少量用ダイカスト金型

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JP2002155342A
JP2002155342A JP2000350216A JP2000350216A JP2002155342A JP 2002155342 A JP2002155342 A JP 2002155342A JP 2000350216 A JP2000350216 A JP 2000350216A JP 2000350216 A JP2000350216 A JP 2000350216A JP 2002155342 A JP2002155342 A JP 2002155342A
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die
steel
mold
casting
small quantity
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Masashi Muroshige
昌史 室重
Makoto Komori
誠 小森
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型製作時間の短縮、さらには金型製作費の
安価な少量用ダイカスト金型用鋼、そしてその用いてな
る少量用ダイカスト金型を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.30〜0.40%、
Si:0.80〜1.20%、Mn:0.40〜0.8
0%、Cr:4.50〜5.50%、Mo:0.40〜
0.80%、V:0.10〜0.60%、残部Feおよ
び不可避不純物からなり、硬さが32〜43HRCに調
質された少量用ダイカスト金型用鋼である。好ましく
は、質量%で、S:0.005〜0.050%を含む、
上述の少量用ダイカスト金型用鋼であり、そして、これ
ら調質された本発明のダイカスト金型用鋼を切削加工し
てなる少量用ダイカスト金型である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型製作時間を短
縮し、かつ金型製作コスト低減に貢献する少量用ダイカ
スト金型用鋼と、その用いてなる少量用ダイカスト金型
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイカスト分野には、一般にSK
D61鋼(JIS G 4404)で製作された金型が
用いられている。さらには、鋳造数を向上させることを
目的にSKD61を改良した鋼を使用して製造された金
型が使用されている。
【0003】一方、顧客ニーズの多様化により、アルミ
といったダイカスト製品も少量多品種化が進み、製品開
発期間の短縮が必要となってきた。そのため、金型製作
時間の短縮も不可欠となっており、SKD61鋼を焼入
焼戻しした後直彫加工する等の金型加工面からの取組み
もされている。
【0004】すなわち、焼きなまし状態にて金型形状に
粗加工した後、焼入れ焼戻しにて調質、そして仕上げ加
工にて所定の形状とする通常の金型製作工程に比して、
調質後の状態から金型形状に本加工する製作工程であ
り、これに対応できる、いわゆるプリハードン鋼への取
組みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したSKD61鋼
または従来からのSKD61改良鋼は、多量の鋳造を行
うには有利であるものの、プリハードン状態からの被切
削加工性が乏しいことから、上記大幅な金型製作時間の
短縮は望めない。よって、少量用の鋳造を行うには、鋳
造製品1個当たりに占める金型費が高くなるという問題
があった。また、その調質硬さを低めたとしても、その
低硬さの割には被加工性が向上しない。
【0006】そこで、本発明の目的は、少量用ダイカス
トでの金型製作時間の短縮、さらには金型製作費の安価
な少量用ダイカスト金型用鋼、そしてその用いてなる少
量用ダイカスト金型を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、金型製作時
間を短縮するためにプリハードンでの直彫被加工性を考
慮し、かつ金型製作費を低減するために、少量用ダイカ
スト型用鋼としての最適の化学成分を見いだし本発明に
到達した。
【0008】すなわち、本発明は、質量%で、C:0.
30〜0.40%、Si:0.80〜1.20%、M
n:0.40〜0.80%、Cr:4.50〜5.50
%、Mo:0.40〜0.80%、V:0.10〜0.
60%、残部Feおよび不可避不純物からなり、硬さが
32〜43HRCに調質されていることを特徴とする少
量用ダイカスト金型用鋼である。
【0009】好ましくは、質量%で、S:0.005〜
0.050%を含む、上述の少量用ダイカスト金型用鋼
であり、そして、これら調質された本発明のダイカスト
金型用鋼を切削加工してなる少量用ダイカスト金型であ
る。
【0010】なお、本発明のいう少量用とは、量産用の
ダイカスト金型として汎用的に使用されている43HR
CのSKD61製ダイカスト金型を基準に、その可能鋳
造数の30〜70%の生産量に対応できるものを意味す
る。例えばSKD61製ダイカスト金型(43HRC)
を使用して100,000個の製品が鋳造可能な場合、
本発明のダイカスト金型は30,000〜70,000
個の製品の鋳造が確保できるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明の重要な
特徴は少量用ダイカスト金型用鋼として、そのプリハー
ドン状態での被加工性およびコストを重視し、化学成分
を決定したところにある。つまり、本発明のダイカスト
金型用鋼であれば、そのプリハードン状態での被切削加
工性に優れることから、金型製作時間の短縮および金型
製作コストの低減が達成できる。そして、その製作され
たダイカスト金型は、量産用金型に比べてこそ可能鋳造
数は低いものの、少量用金型として十分に対応できる。
【0012】また、量産用金型用鋼の硬さを低めて製作
されたプリハードン金型と比較したとしても、その低硬
さの割には被削性は向上せず、よって本発明のダイカス
ト金型用鋼は少量用金型分野にてバランスの取れた有用
鋼である。以下に本発明の化学成分の限定理由を述べ
る。
【0013】Cは、Cr,Mo,Vと炭化物を形成し
て、硬さ、高温強度、耐摩耗性を向上させる元素であ
り、0.30%未満だとその効果を維持できない。ま
た、0.40%より多いと靭性の低下、被加工性の劣化
を引き起こすので、0.30〜0.40%とした。
【0014】Siは、硬さを向上させ、被加工性に影響
を与える元素である。0.80%未満だと硬さ不足およ
び被加工性の劣化を引き起こし、1.20%より多いと
靭性の低下を引き起こすので、0.80〜1.20%と
した。
【0015】Mnは、溶製時の脱酸、脱硫効果並びに焼
入れ性を向上させるために必要な元素であり、0.40
%未満だとその効果が維持できない。また、0.80%
より多いと被加工性、靭性を劣化させるので、0.40
〜0.80%とした。
【0016】Crは、炭化物を形成し軟化抵抗、高温強
度を高めるため必要な元素である。4.50%未満だと
その効果が維持できず、また、5.50%より多いとか
えって軟化抵抗、高温強度を劣化させるので、4.50
〜5.50%とした。
【0017】Moは、焼戻し時に特殊炭化物を形成し、
軟化抵抗、高温強度を付与する。0.40%未満だとそ
の効果が維持できない。また、0.80%より多いと被
加工性を劣化させ、また製造コストも上がるので、0.
40〜0.80%とした。
【0018】Vは、特殊炭化物を形成して高温強度を高
めるため必要な元素である。0.10%未満では、その
効果は維持できず、また、0.60%より多いと、被加
工性を劣化させ、また製造コストも上がるので、0.1
0〜0.60%とした。
【0019】Sは、被加工性向上のため添加してもよ
い。添加する場合は、0.005%未満だとその効果が
なく、0.050%より多いと靭性の低下を招くので
0.005〜0.050%とした。
【0020】金型加工時間の短縮を図るため、プリハー
ドン状態での直彫加工が不可欠となるが、本発明鋼の成
分であればプリハードン状態での加工が容易となる。硬
さは、32HRC未満だと、強度不足により鋳造時に早
期クラックが発生し目標の鋳造数が得られず、また43
HRCを越えると、プリハードンでの直彫被加工性が悪
くなるので、32〜43HRCとした。なお、被加工性
の向上の上では40HRC以下が好ましい。
【0021】加えて、本発明のダイカスト金型の場合、
その鋳造作業面に窒化処理を施して使用することもでき
る。特に、耐ヒートクラック性が重要とされる金型に
は、金型寿命の向上の上では有効である。
【0022】
【実施例】表1に示す組成の金型用素材(200mm×
300mm×3000mm)を鍛造により製作し、焼入
れ焼戻しを実施した。焼入れは、980℃に3時間保持
し、油冷を行った。焼戻しは2回行い、表2に示す硬度
に調質した。
【0023】
【表1】
【0024】これら調質された金型素材を使用して、実
際に鋳造テストを行うため、図1に示すV溝つき(V溝
底R:1.0mm)金型の製作を行った。鋳造テストに
は、350tダイカストマシンを使用し、被鋳造材には
アルミニウム合金としてADC12を使用した。そし
て、鋳造数100ショット毎に金型R部のクラックを確
認し、クラックが確認できたショット数を本実施例での
可能鋳造数とした。
【0025】また、この金型素材を使用して被加工性の
評価も行った。評価のための加工テストは正面フライス
加工とドリル加工テストを行った。正面フライス加工の
条件は、工具として60mm径カッター、超硬コーティ
ングチップTPK43TRG0を使用し、切削速度V=
130m/分、1刃当たり送り量f=0.15mm/
秒、切り込み深さAd=0.5mm、切削幅Aw=50
mmで行い、その可能切削長で評価した。
【0026】ドリル加工の条件は、ドリルは商品名NA
CHI NSD HSS−Co φ4mmを使用し、突
き出し55mm、穴深さ60mm、切削速度V=20m
/min、1刃当たり送り量f=0.05mm/re
v、ステップフィード1.3mmで行い、その穴あけ可
能数で評価した。これら鋳造テストおよび加工テストの
結果を表2に合わせて示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2より、本発明の試料は、量産用ダイカ
スト金型を想定した比較試料No.9(SKD61,4
3HRC)に比して、優れた被加工性を有しかつ、その
可能鋳造数も少量用ダイカスト金型として十分に対応で
きるものである。また、SKD61の低硬さ材に対応す
る試料No.8であっても、十分な被加工性は得難く、
本発明の金型用鋼が、金型製作時間の短縮をも求められ
る少量生産用として、優れたバランスを有することがわ
かる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ダイカスト金型用鋼の
プリハードン直彫被加工性を飛躍的に改善することがで
き、少量生産用ダイカスト金型の実用化に有効な技術と
なる。本発明の工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた金型を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1.V溝、2.湯口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.30〜0.40%、
    Si:0.80〜1.20%、Mn:0.40〜0.8
    0%、Cr:4.50〜5.50%、Mo:0.40〜
    0.80%、V:0.10〜0.60%、残部Feおよ
    び不可避不純物からなり、硬さが32〜43HRCに調
    質されていることを特徴とする少量用ダイカスト金型用
    鋼。
  2. 【請求項2】 質量%で、S:0.005〜0.050
    %を含むことを特徴とする請求項1に記載の少量用ダイ
    カスト金型用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の少量用ダイカ
    スト金型用鋼を切削加工してなることを特徴とする少量
    用ダイカスト金型。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102212756A (zh) * 2011-05-04 2011-10-12 上海大学 铬钼钒系热作工模具钢及其热处理工艺
CN102220544A (zh) * 2011-05-23 2011-10-19 尚宗文 热作模具钢材料及其制作工艺
CN102329947A (zh) * 2011-09-08 2012-01-25 上海市机械制造工艺研究所有限公司 热作模具钢碳化物均匀细粒化的热处理工艺
CN102373376A (zh) * 2010-08-18 2012-03-14 宝山钢铁股份有限公司 一种高硅高锰热作模具钢及其制备方法
CN102650020A (zh) * 2012-05-14 2012-08-29 上海大学 高硅高锰型高热稳定性热作模具钢及其热处理工艺

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