JP2002155060A - イミダゾール化合物及びその用途 - Google Patents

イミダゾール化合物及びその用途

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JP2002155060A
JP2002155060A JP2000348689A JP2000348689A JP2002155060A JP 2002155060 A JP2002155060 A JP 2002155060A JP 2000348689 A JP2000348689 A JP 2000348689A JP 2000348689 A JP2000348689 A JP 2000348689A JP 2002155060 A JP2002155060 A JP 2002155060A
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JP2000348689A
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Hiroyuki Goto
浩之 後藤
Takahiro Oka
孝弘 岡
Kenichi Matsui
謙一 松井
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】一般式1 〔式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、ヘテロアリール基等;RはH又はアルキル基
等;Rはアルキル基、アルコキシカルボニル基、ハロ
ゲン、水酸基、等;Xは−(CH−、−CR11
12−(CH−(ここで、nは0又は1〜4の
整数、R11,R12は同一又は異なってH又はアルキ
ル基等)等;R及びRは同一又は異なってH、アル
キル基又は水酸基等;Yは=CHR−又は=N−;R
〜Rは同一又は異なってH、ハロゲン、アルキル
基、アルコキシ基等;mは0又は1〜6の整数〕で示さ
れる化合物を有効成分として含む糖尿病治療薬。 【効果】高血糖状態においてインスリン分泌を促進し、
優れた血糖低下作用を有し、正常な範囲の血糖状態、低
血糖状態においては、血糖に何ら影響を及ぼさず、即ち
低血糖等の重篤な副作用を起こさない、有用な薬剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なイミダゾー
ル化合物及びその医薬用途に関する。更に詳しくは、イ
ミダゾール構造を有する化合物及びその医薬上許容し得
る塩を含有してなる低血糖等の重篤な副作用のない、高
血糖状態のみを改善する優れた薬理作用を有する新規な
糖尿病治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、インスリン作用の不足によっ
て、糖、脂質、アミノ酸代謝異常のもたらされる慢性的
な疾患である。無治療の状態では持続する高血糖や尿糖
を示す。糖尿病は、インスリン依存型とインスリン非依
存型に分けられ、糖尿病患者の約90%はインスリン非
依存型の糖尿病である。インスリン依存型糖尿病は、イ
ンスリン分泌能が消失しているため、ケトン血症、アシ
ドーシスに傾きやすく、放置すれば糖尿病性昏睡に陥
る。食餌や経口血糖降下剤では治療効果はなく、インス
リンによってのみ治療可能である。一方、インスリン非
依存型糖尿病は、インスリン作用が正常よりも低下して
いるものの、ケトン血症、アシドーシス傾向は乏しく治
療上必ずしもインスリンを必要としない。インスリン非
依存型糖尿病患者の高血糖の原因の一つに糖刺激に対す
るインスリン分泌の異常や標的細胞におけるインスリン
抵抗性の増大等が指摘されている。インスリン分泌の異
常は、膵臓β細胞に於いて血液中の糖濃度を感知してそ
れに応じてインスリンを分泌する機能が異常を来たして
いると考えられるが、詳細なメカニズムは未だ解明され
ていない。インスリン分泌異常としては、インスリン分
泌能力不足ばかりでなく、初期分泌の消失や分泌の遅延
が挙げられ、その結果として高血糖を引き起こしている
ためと考えられている。インスリンの抵抗性とは、細胞
における糖の取り込みにおけるインスリン作用が低下し
ていることを指す。その意味ではインスリン自体の異
常、標的細胞におけるインスリン受容体の異常、細胞内
での伝達系の異常等が原因と考えられる。しかし、イン
スリンの抵抗性が、なぜ起こっているのかは完全には解
明されていない(治療学29(4)378〜381頁
(1995))。
【0003】現在、高血糖を是正する目的で、インスリ
ン製剤、スルホニルウレア剤、ビグアナイド剤、インス
リン抵抗性を改善する糖尿病治療剤、α−グルコシダー
ゼ阻害剤等が存在する。インスリン製剤は、インスリン
依存性糖尿病に用いる薬剤であり、確実に血糖を低下さ
せるが、注射により投与しなければならないうえに低血
糖になるおそれもある。スルホニルウレア剤は膵β細胞
を刺激し、内因性インスリン分泌を促進するが、インス
リン分泌のタイミング及び分泌量は、血糖値とは関係な
く、薬物の投与タイミング、投与量によって決まる。こ
のため副作用として、しばしば薬剤の作用持続に起因す
る低血糖を呈する。また、食欲不振等の消化器症状が現
れる。重症ケトーシス又は肝若しくは腎機能障害のある
患者には禁忌である。ビグアナイド系薬物は膵β細胞刺
激はなく、単独投与によっては健常人及び糖尿病患者の
いずれも低血糖を生じない。作用機序として嫌気的解糖
作用による糖利用の増大、糖新生の抑制、糖の腸管吸収
抑制などが考えられる。副作用として比較的重篤な乳酸
性アシドーシスを起こしやすい。インスリン抵抗性を改
善する薬剤はチアゾリジン誘導体があるが、チアゾリジ
ン誘導体化合物は、インスリン分泌促進作用を及ぼさ
ず、インスリン作用の増強を有し、インスリン受容体キ
ナーゼ活性化、抹消組織の糖取り込み促進作用、肝糖産
生亢進状態の改善等がみられるが、副作用として消化器
症状及び浮腫等が起こり、また、赤血球数、ヘマトクリ
ット、ヘモグロビンの低下とLDHの上昇が起こる事が
示されている(新しい糖尿病治療学、90〜99頁(1
994)医薬ジャーナル社)。一方、他の糖尿病治療薬
としてはα−グルコシダーゼを阻害する薬物が存在す
る。α−グルコシダーゼ阻害薬は消化管における糖質の
消化・吸収を遅延させ食後の血糖上昇を抑制するが、膨
満感、腹鳴、下痢等の副作用が問題となっている(JOSL
IN'S DIABETES MELLITUS 13Th Ediition 521-522)。そ
の他、特開昭63−54321号公報には投与直後に急
激かつ一過性のインスリン分泌を示し、速攻性かつ短時
間作用型の経口血糖降下剤が示されている。しかしなが
ら、血糖量に応じたインスリン分泌を行うものではな
く、しかも効果が薬剤の投与量、投与タイミングに依存
するために、血糖コントロールがむずかしく誤投与によ
る低血糖の危険が残る。さらに、特開平4−12826
6号公報には、アルドース還元酵素阻害剤がグルコース
濃度依存的なインスリン分泌促進作用を合わせもつこと
が記載されている。しかしながら、投与量が多いうえに
十分な血糖コントロールが得られていない。そこで、単
に血糖を下げる薬剤ではなく、正常範囲内に血糖をコン
トロールできる薬剤が望まれていた。しかも、この血糖
低下作用は、脂質上昇(脂質β酸化抑制等)を伴わず、
インスリン分泌を促進することによる作用であることが
より望まれていた。
【0004】糖尿病治療薬に係る発明としては、様々な
構造を有する化合物が知られている。例えば、特開昭6
1−267580号公報には、以下のチアゾリジンジオ
ン誘導体が開示されている。
【化13】 また、 WO95/21608号公報にも、同様にチア
ゾリジンジオン構造を有する化合物が開示されている。
【化14】 これらの化合物はインスリン作用増強効果を有すること
による、血糖降下剤として有用なものである。ところ
が、これらの先行文献には、本願のごときイミダゾール
化合物が血糖降下作用を有するとの開示はないばかり
か、それを示唆する記載も全く見ることができない。
【0005】次に、本願と同様なベンゾイミダゾール骨
格(イミダゾール骨格)を有する化合物としては、例え
ば特開昭48−42875公報に、以下の化合物が開示
されている。
【化15】 該化合物は目的化合物(血糖降下作用、抗菌作用)の中
間体であり、該明細書中にはこの中間体が糖尿病治療薬
として有用であることの記載は全く見ることができな
い。また、米国特許3803317号には、以下の化合
物が開示されている。
【化16】 しかし、該化合物の用途は殺菌剤である。更に、特開昭
54−7927号公報中には、下記化合物
【化17】 が殺菌剤として有用であることが開示されているが、本
願のような作用を有する糖尿病治療薬の開示は全くな
い。
【0006】次に、本願と類似するベンゾイミダゾール
骨格(イミダゾール骨格)を有し、しかもそれが糖尿病
治療薬として有用である化合物が、米国特許43550
04号に下記一般式で開示されている。
【化18】 同様に、特表平6−510760号公報には、以下の化
合物が血糖降下作用を有することが開示されている。
【化19】 但しこれらの化合物は糖負荷時における耐糖能を有する
ことの開示はあるが、我々の発明のごとき、空腹時(糖
負荷無しの時)の血糖に及ぼす影響、またこれらの血糖
降下作用がインスリンに基づくものであるかの開示は全
くないばかりか、それを示唆する記載も全く見ることが
できない。また構造的にも我々の発明とは異なってい
る。更に、特開平6−87859号公報には、糖尿病治
療薬として有用な下記一般式で示される化合物が開示さ
れている。
【化20】 該明細書中には上記化合物の中間体として、以下の一般
式で示される化合物が開示されている。
【化21】 ところが該明細書中にはこれらの中間体化合物が糖尿病
治療薬として有用であるとの記載はないばかりか、それ
を示唆するデータの開示も全くない。
【0007】更に、我々は本願発明と同様な効果を有す
る化合物として特開平9−286755号公報及び特開
2000−191588号公報において、例えば以下の
化合物を開示している。これらの化合物は、高血糖状態
において優れた血糖降下作用を有し、しかも正常な血糖
状態あるいは低血糖状態においては、血糖に何ら影響を
及ぼさない。即ち、低血糖等の副作用を起こさない、新
しい糖尿病治療薬の開示を行っている。
【化22】 しかしこれらの化合物は、構造的には本願化合物のよう
なイミダゾール骨格を有するものではなく、また具体的
な作用メカニズムにおいても血糖降下作用が主にインス
リン作用に基づくものかは明確にされていなかった。
【0008】
【発明が解決する課題】本発明者等は、高血糖状態にお
いてインスリン分泌を促進することにより、優れた血糖
低下作用を有し、一方、正常血糖状態あるいは低血糖状
態においては、低血糖等の副作用を起こさない食後高血
糖是正薬を見い出すべく鋭意検討をおこなった。その結
果、投与しても低血糖等の重篤な副作用を起こさず、高
血糖状態のみに作用する糖尿病治療薬、糖尿病の慢性合
併症の予防剤としても有用な薬剤を見い出し、本発明を
完成した。
【0009】
【発明を解決するための手段】即ち、本発明は、下記
(1)乃至(11)に示される化合物、その医薬上許容
し得る塩、その医薬用途及び医薬組成物に関する。
【0010】(1) 一般式〔1〕
【化23】 〔式中、RはC1−6アルキル基、C2−6アルケニ
ル基、C3−7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ
アリール基又はジC1−6アルキルアミノ基、C 1−6
アルキルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C
3−7シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C
1−6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸
基、ハロゲン原子、C1−6アルキルアミノカルボニル
基、C1−6アルキルカルボニル基、アリール基若しく
はヘテロアリール基で置換されたC −6アルキル基で
あり;Rは水素原子、C1−6アルキル基又はアラル
キル基であり;RはC1−6アルキル基、C1−6
ルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基又は
【化24】 (ここで、環Aはアリール基、ヘテロアリール基又はシ
クロアルキル基であり、R10は水素原子、ハロゲン原
子、ニトロ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、C
1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ジC1−6
アルキルアミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ハロC
1−6アルキル基、ハロC1−6アルコキシ基、C
3−7シクロアルキル基、アラルキルオキシ基又はC
1−6アルキルチオ基である)であり;Xは−(C
−、−(CH−O−、−O−(CH
−、 −CR1112−(CH−、−CR
1112−(CH−O−、−CR1112
O−(CH−又は−NR11−(ここで、nは0
又は1乃至4の整数であり、R11及びR12は同一又
は異なって水素原子又はC1−6アルキル基あり、若し
くはR11とRが隣接する窒素原子と一緒になって
【化25】 を形成してもよい)であり;R及びRは同一又は異
なって水素原子、C1−6アルキル基又は水酸基であ
り、若しくはR及びRが一緒になって
【化26】 を形成してもよい;Yは=CHR−又は=N−であ
り;R、R、R及びRは同一又は異なって水素
原子、ハロゲン原子、C1− アルキル基、C1−6
ルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、カルボ
キシル基、アラルキルオキシ基、C1−6アルキルカル
ボニルアミノ基又は
【化27】 (ここで、R13及びR14は同一又は異なって水素原
子、C1−6アルキル基、アリール基であり、若しくは
13及びR14が隣接する窒素原子と一緒になって
【化28】 を形成してもよい)であり;mは0又は1乃至6の整数
である〕で示される化合物又は製薬上許容されるその塩
を有効成分として含んで成る糖尿病治療薬。 (2) Rが水酸基である(1)記載の糖尿病治療
薬。 (3) R及びRが一緒になって
【化29】 である(1)記載の糖尿病治療薬。 (4) 一般式〔1’〕
【化30】 (式中、R2’はC1−6アルキル基であり、R、R
、R、R、R、R、R、X、Y及びmは前
記の通りである)により示されるイミダゾール化合物又
はその製薬上許容される塩。 (5)Rが水酸基である(4)記載のイミダゾール化
合物又はその製薬上許容される塩。 (6) R及びRが一緒になって
【化31】 である(4)記載のイミダゾール化合物又はその製薬上
許容される塩。 (7) 一般式〔1”〕
【化32】 (式中、R1”はC1−6アルキル基、C2−6アルケ
ニル基、C3−7シクロアルキル基、ヘテロアリール基
又はジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルア
ミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C3−7シク
ロアルキル基、C 1−6アルコキシ基、カルボキシル
基、ハロゲン原子、C1−6アルキルアミノカルボニル
基若しくはヘテロアリール基で置換されたC1−6アル
キル基であり;R2”は水素原子であり;R3”はC
1−6アルキル基、C1−6アルコキシカルボニル基、
ハロゲン原子、水酸基又は
【化33】 (ここで、環Aはアリール基、ヘテロアリール基又はシ
クロアルキル基であり、R10はハロゲン原子、ニトロ
基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、C1− アル
キル基、C1−6アルコキシ基、ジC1−6アルキルア
ミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ハロC1−6アル
キル基、ハロC1−6アルコキシ基、C −7シクロア
ルキル基、アラルキルオキシ基又はC1−6アルキルチ
オ基である)であり;X”は−(CH−、−(C
−O−、−O−(CH−、 −CR11
12−(CH−、−CR1112−(C
−O−又は−CR1112−O−(CH
−(ここで、nは0又は1乃至4の整数であり、R
11及びR12は同一又は異なって水素原子又はC
1−6アルキル基ある)であり;R、R、R、R
、R、Y及びmは前記の通りである)により示され
るイミダゾール化合物又はその製薬上許容される塩。 (8)Rが水酸基である(7)記載のイミダゾール化
合物又はその製薬上許容される塩。 (9) R及びRが一緒になって
【化34】 である(7)記載のイミダゾール化合物又はその製薬上
許容される塩。 (10) (4)乃至(9)いずれかに記載のイミダゾ
ール化合物又はその製薬上許容される塩と医薬的に許容
される担体とを含有してなる医薬組成物。 (11) (4)乃至(9)いずれかに記載のイミダゾ
ール化合物又はその製薬上許容される塩を含有してなる
糖尿病治療薬。
【0011】本明細書において使用する各置換基の定義
は次の通りである。「C1−6アルキル基」とは、炭素
数1乃至6の直鎖又は分枝してもよいアルキル基であ
り、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネ
オペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基
又はヘキシル基等である。R1及びR1”おけるアルキル
基として好ましくは炭素数1乃至4の直鎖又は分枝して
もよいアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、よ
り好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、又はtert−ブ
チル基である。R、R3、R3”、R4、R5、R11
びR12におけるアルキル基として好ましくは炭素数1
乃至4の直鎖又は分枝してもよいアルキル基であり、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基であり、より好ましくはメチル基又はエ
チル基である。R、R、R及びRにおけるアル
キル基として好ましくは炭素数1乃至4の直鎖又は分枝
してもよいアルキル基であり、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、
より好ましくはメチル基である。
【0012】「C2−6アルケニル基」とは、炭素数2
乃至6個のアルケニル基であり、例えばエテニル基、プ
ロペン−1−イル基、1−ブテン−1−イル基、2−ブ
テン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、2−メチ
ルプロペン−1−イル基、1−ペンテン−1−イル基、
2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−1−イル
基、2−メチル−1−ブテン−1−イル基、3−メチル
−1−ブテン−1−イル基、1−ヘキセン−1−イル
基、2−ヘキセン−1−イル基、3−ヘキセン−1−イ
ル基、4−ヘキセン−1−イル基、2−メチル−1−ペ
ンテン−1−イル基、4−メチル−1−ペンテン−1−
イル基、2,3−ジメチル−1−ブテン−1−イル基等
であり、R及びR1”において好ましくは1−ブテン
−1−イル基である。
【0013】「C3−7シクロアルキル基」とは炭素数
3乃至7個のシクロアルキル基を意味し、具体的にはシ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル、シクロ
ヘプチル基、シクロオクチル基である。好ましくは炭素
数5乃至7個のシクロアルキル基であり、具体的にはシ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロ
ヘキシル、シクロヘプチル基である。R、R1”及び
環Aにおいて好ましくはシクロヘキシル基である。
【0014】「アリール基」とは、フェニル基、ナフチ
ル基、ビフェニル基等であり、R、R1”及び環Aに
おいて好ましくはフェニル基である。
【0015】「ヘテロアリール基」とは、環を構成する
原子として炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原
子から選ばれる1乃至3個の複素原子を含む5乃至6員
の芳香族複素環、飽和複素環、飽和複素環又はこれらの
複素環とベンゼン環が縮合した縮合複素環を意味し、具
体的には、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−
イル基、フラン−2−イル基、フラン−3−イル基、ピ
ロール−1−イル基、ピロール−2−イル基、ピロール
−3−イル基、イミダゾール−1−イル基、イミダゾー
ル−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾ
ール−5−イル基、ピラゾール−1−イル基、ピラゾー
ル−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール
−5−イル基、チアゾール−2−イル基、チアゾール−
4−イル基、チアゾール−5−イル基、オキサゾール−
2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール
−5−イル基、ピペリジノ基、ピリジン−2−イル基、
ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ベンゾ
チオフェン−2−イル基、ベンゾチオフェン−3−イル
基、テトラヒドロピラン−2−イル基、テトラヒドロピ
ラン−3−イル基、テトラヒドロピラン−4−イル基、
ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル
基、インドール−2−イル基、インドール−3−イル
基、ベンゾイミダゾール−1−イル基、ベンゾイミダゾ
ール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、ベ
ンゾオキサゾールゾール−2−イル基、キノリン−2−
イル基、キノリン−3−イル基、キノリン−4−イル
基、イソキノリン−1−イル基、イソキノリン−3−イ
ル基、イソキノリン−4−イル基等である。R、R
1”及び環Aにおいて好ましくは、チオフェン−2−イ
ル基、チアゾール−2−イル基、テトラヒドロピラン−
4−イル基又はピペリジノ基である。
【0016】「ジC1−6アルキルアミノ基」とは、炭
素数1〜6個のアルキル基で二置換されたアミノ基を表
し、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプ
ロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ
基、ジヘキシルアミノ基等であり、好ましくはジメチル
アミノ基又はジエチルアミノ基等である。R、R
及びR10において好ましくは、ジメチルアミノ基又は
ジエチルアミノ基である。
【0017】「C1−6アルキルアミノ基」とは、炭素
数1〜6個のアルキル基で一置換されたアミノ基を表
し、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピル
アミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシ
ルアミノ基等である。R、R 及びR10において
好ましくは、メチルアミノ基又はエチルアミノ等であ
る。
【0018】「C1−6アルキルスルホニル基」とは、
メチルスホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスル
ホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル
基、ヘキシルスルホニル基等のアルキル部が炭素数1〜
6個のアルキルスルホニル基を表す。好ましくは、メチ
ルスルホニル基又はエチルスルホニル基等である。
【0019】「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1
〜6個の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基を表し、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、tert−ペンチルオキシ基又はヘキシルオキ
シ基であり、好ましくは炭素数1〜4個のメトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert
−ブトキシ基である。R、R1”、R、R、R
及びR10において好ましくは、メトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシ基又はブトキシ基である。
【0020】「C1−6アルコキシカルボニル基」と
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プ
ロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t
ert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボ
ニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等のアルコキシ部
が炭素数1〜6個であるアルコキシカルボニル基を表
す。好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基又はtert−ブトキシカルボニル基である。R
、R1”、R、R、R及びR10において好ま
しくは、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル
基である。
【0021】「ハロゲン原子」とは、塩素、臭素、フッ
素又はヨウ素であり、R、R1”、R、R3”、R
、R、R、R及びR10において好ましくは、
好ましくはフッ素である。
【0022】「C1−6アルキルアミノカルボニル基」
とは、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボ
ニル基、プロピルアミノカルボニル基、イソプロピルア
ミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、イソブ
チルアミノカルボニル基、tert−ブチルアミノカル
ボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、tert−ペ
ンチルアミノカルボニル基又はヘキシルアミノカルボニ
ル基等のアルキル部が炭素数1〜6個であるアルキルア
ミノカルボニル基を表す。好ましくはメチルアミノカル
ボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノ
カルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、ブチ
ルアミノカルボニル基、イソブチルアミノカルボニル基
又はtert−ブチルアミノカルボニル基である。R
及びR1”において好ましくは、メチルアミノカルボニ
ル基又はエチルアミノカルボニル基である。
【0023】「C1−6アルキルカルボニル基」とは、
メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカ
ルボニル基、イソプロピルカルボニル基、ブチルカルボ
ニル基、イソブチルカルボニル基、tert−ブチルカ
ルボニル基、ペンチルカルボニル基、tert−ペンチ
ルカルボニル基又はヘキシルカルボニル基等のアルキル
部が炭素数1〜6個であるアルキルカルボニル基を表
す。好ましくはメチルカルボニル基、エチルカルボニル
基、プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル
基、ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基又は
tert−ブチルカルボニル基である。
【0024】「ハロC1−6アルキル基」とは、上記C
1−6アルキル基が上記ハロゲン原子で置換されている
ものであり、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチ
ル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、
2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、
1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチ
ル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1−フルオ
ロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロ
プロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基、1−フルオロブチル基、
2−フルオロブチル基、3−フルオロブチル基、4−フ
ルオロブチル基、4,4−ジフルオロブチル基、4,
4,4,4−トリフルオロブチル基、クロロメチル基、
ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、1−クロロエ
チル基、2−クロロエチル基、1,1−ジクロロエチル
基、1,2−ジクロロエチル基、2,2−ジクロロエチ
ル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1−クロロプ
ロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル
基、3,3−ジクロロプロピル基、3,3,3−トリク
ロロプロピル基、1−クロロブチル基、2−クロロブチ
ル基、3−クロロブチル基、4−クロロブチル基、4,
4−ジクロロブチル基、4,4,4−トリクロロブチル
基、ブロムメチル基、ジブロムメチル基、トリブロムメ
チル基、1−ブロムエチル基、2−ブロムエチル基、
1,1−ジブロムエチル基、1,2−ジブロムエチル
基、2,2−ジブロムエチル基、2,2,2−トリブロ
ムエチル基、1−ブロムプロピル基、2−ブロムプロピ
ル基、3−ブロムプロピル基、3,3−ジブロムプロピ
ル基、3,3,3−トリブロムプロピル基、1−ブロム
ブチル基、2−ブロムブチル基、3−ブロムブチル基、
4−ブロムブチル基、4,4−ジブロムブチル基、4,
4,4−トリブロムブチル基等であり、好ましくはフル
オロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、
1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチ
ル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリ
フルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−フル
オロプロピル基、3−フルオロプロピル基、3,3−ジ
フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、1−フルオロブチル基、2−フルオロブチル基、
3−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基、4,4
−ジフルオロブチル基、4,4,4,4−トリフルオロ
ブチル基等であり、より好ましくはフルオロメチル基、
トリフルオロメチル基である。
【0025】「ハロC1−6アルコキシ基」とは、上記
1−6アルコキシ基が上記ハロゲン原子で置換されて
いるものであり、例えばフルオロメトキシ基、ジフルオ
ロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1−フルオロ
エトキシ基、2−フルオロエトキシ基、1,1−ジフル
オロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基、2,
2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロ
エトキ基、1−フルオロプロポキシ基、2−フルオロプ
ロポキシ基、3−フルオロプロポキシ基、3,3−ジフ
ルオロプロポキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポ
キシ基、1−フルオロブトキシ基、2−フルオロブトキ
シ基、3−フルオロブトキシ基、4−フルオロブトキシ
基、4,4−ジフルオロブトキシ基、4,4,4,4−
トリフルオロブトキシ基、クロロメトキシ基、ジクロロ
メトキシ基、トリクロロメトキシ基、1−クロロエトキ
シ基、2−クロロエトキシ基、1,1−ジクロロエトキ
シ基、1,2−ジクロロエトキシ基、2,2−ジクロロ
エトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1−
クロロプロポキシ基、2−クロロプロポキシ基、3−ク
ロロプロポキシ基、3,3−ジクロロプロポキシ基、
3,3,3−トリクロロプロポキシ基、1−クロロブト
キシ基、2−クロロブトキシ基、3−クロロブトキシ
基、4−クロロブトキシ基、4,4−ジクロロブトキシ
基、4,4,4−トリクロロブトキシ基、ブロムメトキ
シ基、ジブロムメトキシ基、トリブロムメトキシ基、1
−ブロムエトキシ基、2−ブロムエトキシ基、1,1−
ジブロムエトキシ基、1,2−ジブロムエトキシ基、
2,2−ジブロムエトキシ基、2,2,2−トリブロム
エトキシ基、1−ブロムプロポキシ基、2−ブロムプロ
ポキシ基、3−ブロムプロポキシ基、3,3−ジブロム
プロポキシ基、3,3,3−トリブロムプロポキシ基、
1−ブロムブトキシ基、2−ブロムブトキシ基、3−ブ
ロムブトキシ基、4−ブロムブトキシ基、4,4−ジブ
ロムブトキシ基、4,4,4−トリブロムブトキシ基等
であり、好ましくはフルオロメトキシ基、ジフルオロメ
トキシ基、トリフルオロメトキシ基、1−フルオロエト
キシ基、2−フルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロ
エトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基、2,2−
ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエト
キシ基、1−フルオロプロポキシ基、2−フルオロプロ
ポキシ基、3−フルオロプロポキシ基、3,3−ジフル
オロプロポキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキ
シ基、1−フルオロブトキシ基、2−フルオロブトキシ
基、3−フルオロブトキシ基、4−フルオロブトキシ
基、4,4−ジフルオロブトキシ基、4,4,4,4−
トリフルオロブトキシ基等であり、より好ましくはフル
オロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基である。
【0026】「アラルキル基」とは、アリール基がフェ
ニル基を意味し、かつアルキル部が炭素数1〜6個のア
ルキル基であるアリールアルキル基であって、ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニル
ブチル基又はフェニルヘキシル基等が挙げられ、好まし
くはベンジル基又はフェニルエチル基である。R11
びR12において好ましくは、ベンジル基又はフェニル
エチル基である。
【0027】「アラルキルオキシ基」とは、ベンジルオ
キシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ
基、フェニルブチルオキシ基等のアルコキシ部が炭素数
1〜4個であるアラルキルオキシ基であり、R
、R、R及びR10に好ましくは、ベンジルオ
キシ基である。
【0028】「C1−6アルキルチオ基」とは、炭素数
1〜6個の直鎖又は分枝鎖のアルキルチオ基を表し、例
えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イ
ソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、
sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペン
チルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ
基、3−ペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基又
はヘキシルチオ基等であるり、好ましくは炭素数1〜4
個のメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ
基、ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基である。特
に好ましくはメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピ
ルチオ基又はブチルチオ基である。
【0029】「C1−6アルキルカルボニルアミノ基」
とは、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルア
ミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカ
ルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基、イソブ
チルカルボニルアミノ基、tert−ブチルカルボニル
アミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、tert−ペ
ンチルカルボニルアミノ基又はヘキシルカルボニルアミ
ノ基等のアルキル部が炭素数1〜6個であるアルキルカ
ルボニルアミノ基を表す。好ましくはメチルカルボニル
アミノ基、エチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボ
ニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基、ブチ
ルカルボニルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基
又はtert−ブチルカルボニルアミノ基である。
【0030】「医薬上許容し得る塩」とは、上記一般式
〔1〕、〔1’〕又は〔1”〕で示される化合物と無毒
性の塩を形成するものであればいかなるものであっても
よい。例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、硝酸塩等の無機酸付加塩;酢酸塩、プロピオン酸
塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸
塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、メタンスルホン酸塩、P−トルエンスルホン酸塩、
アスコルビン酸塩等の有機酸付加塩;アスパラギン酸
塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸との塩;ナトリウ
ム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩;マ
グネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;
アルミニウム塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン
塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジ
シクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレ
ンジアミン塩等の有機塩基塩;リジン塩、アルギニン塩
等の塩基性アミノ酸との塩を挙げることができる。ま
た、本発明の化合物は不斉炭素を有する場合もあり、そ
の場合、光学的に純粋なエナンチオマー、そのラセミ
体、あるいはそれらの組み合わせ及び比率が任意である
混合物が存在し、本発明は、それらのいかなる異性体か
らなる糖尿病治療薬をも包含する。また、ラセミ体の場
合には必要であれば光学分割法により、一方の光学活性
体のみを得ることができ、不斉合成法を用いれば、直接
一方の光学活性体のみを得ることができる。更に、本発
明の化合物は場合によっては、水和物であってもよく、
溶媒和物であってもよい。なお、本発明においては各化
合物のプロドラッグ及び代謝物も包含される。「プロド
ラッグ」とは薬物分子を化学的に修飾した誘導体でそれ
自体は生理活性を示さず、投与後体内で、元の薬物分子
に復元し薬効を示すものをいう。
【0031】本発明の化合物の医薬製剤としては通常、
それ自体公知の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希
釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化
剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補
助剤、その他の添加剤、具体的には、水;植物油;エタ
ノール、ベンジルアルコール又はヒドロキシプロピルア
ルコールのようなアルコール;ポリエチレングリコー
ル、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、ラクトー
ス、でんぷんのような炭水化物;ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、ラノリン、ワセリン、白糖、ブドウ糖、
マンニット、ソルビット、結晶セルロース、アラビアゴ
ム、デキストリン、ヒドロキシメチルプロピルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、カルナバロウ、ポリオキシ
エチレン、ポリオキシプロピレン、グリコール、カカオ
脂、ラウリン酸、レシチン、グリセリン、パラオキシ安
息香酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、
ソルビン酸カリウム等と混合して錠剤、丸剤、散剤、顆
粒剤、座剤、注射剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤等
の形態により経口又は非経口的に投与することができ
る。投与量は、疾患の程度、投与する化合物並びに投与
経路、患者の年齢、性別、体重により変わり得るが、経
口の場合、通常成人1日当たり本発明の化合物を0.0
01〜1000mg、特に0.1〜100mg投与すれ
ばよい。なお、本発明化合物は動物用医薬としても適応
することができる。
【0032】次に、本発明に係わる一般式〔1〕、
〔1’〕又は〔1”〕で表わされるイミダゾール化合物
の製造方法について述べるが、本発明化合物の製造方法
は例示の製造方法に限定されるものではないのは勿論で
ある。以下、合成方法を示し、更に詳しく説明する。製
造方法1(Rが水素原子の場合)
【0033】
【化35】
【0034】(式中、R、R、R、R、R6
、R、X、Y及びmは前記と同じであり、X
ハロゲン原子である)
【0035】第1工程 化合物(4)は、化合物(2)を溶媒中、化合物(3)
と反応させることにより得ることができる。溶媒として
は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、アセトニトリル、アセトン等の極性非プロトン性
溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲ
ン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒
等が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン
等の極性非プロトン性溶媒である。反応温度は0℃乃至
200℃で行うが、好ましくは10℃乃至150℃であ
る。反応時間は2乃至30時間であり、好ましくは4乃
至10時間である。
【0036】第2工程 化合物(5)は、化合物(4)を溶媒中で、パラジウム
−炭素、パラジウム−黒等の触媒の存在下、水素雰囲気
にて還元反応を行うことにより得ることができる。ま
た、SnCl、Fe等の還元剤を用いて、還元反応を
行うことによっても化合物(5)を得ることができる。
溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒;トル
エン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒等が挙げられ、好ましくは酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶媒である。反応温度は室温乃至200℃
で行うが、好ましくは室温乃至40℃である。反応時間
は2乃至30時間であり、好ましくは3乃至10時間で
ある。
【0037】第3工程 化合物(7)は、化合物(5)を溶媒中、化合物(6)
と反応させることにより得ることができる。溶媒として
は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン
等の極性非プロトン性溶媒;トルエン、キシレン等のベ
ンゼン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒等が挙げられ、好ましくはジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒である。
反応温度は室温乃至150℃で行うが、好ましくは室温
乃至100℃である。反応時間は1乃至20時間であ
り、好ましくは2乃至10時間である。尚、本反応はア
ミン系の塩基を用いることにより、反応を促進させるこ
とができる。
【0038】第4工程 化合物(8)は、化合物(7)を溶媒中、縮合剤の存在
下に、縮合反応を行うことにより得ることができる。な
お、この反応は加熱下に行うことが好ましい。溶媒とし
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリル、アセトン等の極性非プロトン
性溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等のベ
ンゼン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒等が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセト
ン等の極性非プロトン性溶媒である。反応に用いる縮合
剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(EDC)塩酸塩、ジイソプロピル
カルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド等であ
り、好ましくは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド(EDC)塩酸塩である。反
応温度は50℃乃至150℃で行うが、好ましくは60
℃乃至100℃である。反応時間は5乃至100時間で
あり、好ましくは24乃至50時間である。
【0039】第5工程(R又はRの一方が水酸基の
場合) 目的化合物の一つである化合物(1−1)は、化合物
(8)を溶媒中、化合物(9)と加熱下に反応を行うこ
とにより得ることができる。溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−
ブタノール等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、
アセトン等の極性非プロトン性溶媒;ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジクロロ
メタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、好ま
しくはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒であ
る。反応温度は50℃乃至200℃で行うが、好ましく
は100℃乃至150℃である。反応時間は5乃至10
0時間でありが、好ましくは24乃至50時間である。
尚、化合物(9)が低沸点の場合は、封管中で反応させ
るのが好ましい。
【0040】第6工程(R及びRが一緒になってオ
キソ基を形成する場合) 目的化合物の一つである化合物(1−2)は、化合物
(8)を溶媒中、化合物(10)と加熱下に反応を行う
ことにより得ることができる。溶媒としては、メチルエ
チルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、アセトニトリル、アセトン等の極性非プ
ロトン性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、tert−ブタノール等のアルコール系溶
媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼ
ン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン
系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等
が挙げられ、好ましくはメチルエチルケトン、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセト
ニトリル、アセトン等の極性非プロトン性溶媒である。
反応温度は40℃乃至150℃で行うが、好ましくは5
0℃乃至100℃ である。反応時間は5乃至50時間
であり、好ましくは10乃至20時間である。
【0041】第7工程(R及びRが共に水素原子の
場合) 目的化合物の一つである化合物(1−3)は、化合物
(8)を塩基の存在下、溶媒中で化合物(11)と加熱
下に反応を行うことにより得ることができる。溶媒とし
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒;ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶
媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶
媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙
げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性非プロト
ン性溶媒である。反応に用いる塩基としては、水素化ナ
トリウム、水素化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム等が挙げられ、好ましくは水素
化ナトリウムが用いられる。反応温度は40℃乃至10
0℃で行うが、好ましくは50℃乃至70℃ である。
反応時間は5乃至100時間であり、好ましくは24乃
至50時間である。なおこの反応は、よう化ナトリウム
等の触媒を用いることによってスムーズに行うことがで
きる。
【0042】第8工程(R又はRの一方が水酸基で
あり、且つ残りの一方が水素原子の場合) 目的化合物の一つである化合物(1−4)は、化合物
(1−2)を溶媒中、還元剤の存在下、還元反応を行う
ことにより得ることができる。具体的な還元剤として
は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、
水素化リチウムアルミニム、水素化アルミニウム等が挙
げられ、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムである。反
応に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、tert−ブタノール等のアル
コール系溶媒;或はこれらアルコール系溶媒と、ジエイ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒の混合溶媒等が挙げられ、好ましくはメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ter
t−ブタノール等のアルコール系溶媒;或はこれらアル
コール系溶媒とエーテル系溶媒の混合溶媒である。反応
温度は0℃乃至50℃で行うが、好ましくは0℃乃至3
0℃である。反応時間は5乃至50時間でありが、好ま
しくは10乃至20時間である。
【0043】製造方法1−2(Rが水素原子以外で、
且つRが水酸基で置換されたC1− のアルキル基の
場合)
【0044】
【化36】
【0045】(式中、R、R、R6、R、R
X、Y及びmは前記と同じであり、X はハロゲン原子
であり、Alkは分岐してもよいC1−6のアルキル基
であり、R10は水酸基保護基である)
【0046】第1工程 この工程は製造方法1の第4工程と同様にして得られた
化合物(12)の水酸基に保護基(13)を導入する工
程である。保護基(12)の導入は公知の方法で行えば
よく、また保護基は公知の水酸基保護基ならいずれでも
よい。好ましい保護基としては、酸条件下で脱保護でき
るものがよく、例えばテトラヒドロピラニル(THP)
基、メトキシメチル(MOM)基、メトキシエトキシメ
チル(MEM)基、t−ブチルジメチルシリル(TBD
MS)基等である。
【0047】第2工程 化合物(15)は、化合物(14)を溶媒中、化合物
(10)と加熱下に反応を行うことにより得ることがで
きる。溶媒としては、メチルエチルケトン;N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、アセトン等の極性非プロトン性溶媒;ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジ
クロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、
好ましくはメチルエチルケトンである。反応温度は30
℃乃至150℃で行うが、好ましくは50℃乃至100
℃ である。反応時間は5乃至50時間であり、好まし
くは10乃至20時間である。
【0048】第3工程 目的化合物の一つである化合物(1−5)は、公知の方
法で化合物(15)の水酸基保護基の脱保護を行うこと
により得ることができる。
【0049】製造方法2(Rが水素原子場合)
【0050】
【化37】
【0051】(式中、R、R、R、R6、R
、X、X、Y及びmは前記と同じである)
【0052】第1工程 化合物(17)は、製造方法1の第2工程で得られた化
合物(5)を溶媒中、化合物(16)と反応させること
により得ることができる。溶媒としては、水;メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−
ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ク
ロロホルム等のハロゲン系溶媒;N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ア
セトン等の極性非プロトン性溶媒;トルエン、キシレン
等のベンゼン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、好ましく
は水;又はメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒で
ある。反応温度は0℃乃至70℃で行うが、好ましくは
10℃乃至50℃ である。反応時間は5乃至50時間
であり、好ましくは10乃至20時間である。
【0053】第2工程(R又はRの一方が水酸基の
場合) 目的化合物の一つである化合物(1−6)は、化合物
(17)を溶媒中、化合物(9’)と加熱下に反応を行
うことにより得ることができる。溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert
−ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、
クロロホルム等のハロゲン系溶媒;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、
アセトン等の極性非プロトン性溶媒;トルエン、キシレ
ン等のベンゼン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げら
れ、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、tert−ブタノール等のアルコール系溶
媒である。反応温度は室温乃至200℃で行うが、好ま
しくは40℃乃至80℃である。反応時間は5乃至10
0時間であり、好ましくは24乃至50時間である。
【0054】第3工程(R及びRが一緒になってオ
キソ基を形成する場合) 目的化合物の一つである化合物(1−7)は、化合物
(17)を溶媒中、化合物(10)と加熱下に反応を行
うことにより得ることができる。溶媒としては、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセ
トニトリル、アセトン等の極性非プロトン性溶媒;ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶
媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶
媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙
げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン等の極
性非プロトン性溶媒である。反応温度は室温乃至150
℃で行うが、好ましくは40℃乃至100℃ である。
反応時間は5乃至180分であり、好ましくは10乃至
20分である。
【0055】第4工程(R又はRの一方が水酸基で
あり、且つ残りの一方が水素原子の場合) 目的化合物の一つである化合物(1−8)は、化合物
(1−7)を溶媒中、還元剤の存在下、還元反応を行う
ことにより得ることができる。具体的な還元剤として
は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、
水素化リチウムアルミニム、水素化アルミニウム等が挙
げられ、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムである。反
応に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、tert−ブタノール等のアル
コール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ル、アセトン等の極性非プロトン性溶媒;トルエン、キ
シレン等のベンゼン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒等が挙げられ、好ましくはメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブタ
ノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒であ
る。反応温度は−10℃乃至50℃で行うが、好ましく
は0℃乃至30℃ である。反応時間は5乃至50時間
でありが、好ましくは10乃至20時間である。
【0056】以下に、本発明の糖尿病治療薬に用いる化
合物の実施例を示すが本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではないことは勿論である。
【0057】実施例1 2−メチル−1−(2−メチルイミノ−3−プロピル−
2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イル)−プ
ロパン−2−オール 塩酸塩 a)(2−ニトロフェニル)プロピルアミン(2) 2−フルオロニトロベンゼン(100g)のジメチルス
ルホキシド(700ml)溶液に、水冷下、プロピルア
ミン(140ml)を滴下し、6時間攪拌した。水冷
下、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機
層を水、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、表記化合
物を(126.7g)得た(収率99%)。
【0058】b)N−プロピル−ベンゼン−1,2−ジ
アミン(3) 実施例1のa)で得られた(2−ニトロフェニル)プロ
ピルアミン (116.6g)の酢酸エチル(600m
l)溶液に、7.5%パラジウム炭素(50%wet)
(11.7g)を加え、水素雰囲気下、常圧にて4時間
攪拌した。セライトろ過により触媒を除去後、ろ液を減
圧濃縮し表記化合物を(102.9g) 得た。
【0059】c)N−メチル−N’−(2−プロピルアミ
ノフェニル)チオ尿素(4) 実施例1のb)で得られたN−プロピル−ベンゼン−
1,2−ジアミン(3)(107.2g)のテトラヒド
ロフラン(600ml)溶液に、メチルイソチオシアナ
ート(49.4g)を加え3時間加熱還流した。放冷
後、反応液を減圧濃縮し、表記化合物を(171.1
g)得た。
【0060】d)1−プロピル―2−メチルアミノベン
ズイミダゾール(5) 実施例1のc)で得られたN−メチル−N’−[2−(1
−プロピルアミノ)フェニル]チオ尿素(4)(17
1.1g)のアセトニトリル(1l)溶液に、EDC塩
酸塩(155.3g)を加え終夜加熱還流した。放冷
後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え、酢
酸エチルで二回抽出した。有機層を合わせ、水、 飽和
塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、減圧濃縮した。得られた結晶性残渣にジイソ
プロピルエーテルを加え、結晶をろ取、減圧乾燥し、表
記化合物を(97.6g)得た(化合物(2)より収率
76%)。
【0061】e)2−メチル−1−(2−メチルイミノ
−3−プロピル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール
−1−イル)−プロパン−2−オール 塩酸塩(6) 実施例1のd)で得られた1−プロピル―2−メチルア
ミノベンズイミダゾール(5)(50g)のエタノール
(300ml)懸濁液に、イソブチレンオキサイド(3
00ml)を加え、封管中120℃で3日間加熱した。
放冷後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をアセトン
(400ml)に溶かし、4規定塩酸酢酸エチル溶液を
(66ml)加えた。析出した結晶をろ取し、アセトン
で洗浄した後減圧乾燥し、表記化合物(26.3g)を
得た(表1参照;収率34%)。 融点 181-182℃1 HNMR(300Mz,δppm,DMSO-d6)0.92(3H,t,d=7.5Hz),1.20
(6H,s),1.79(2H,sextet,J=7.5Hz),3.26(3H,d,J=5.1Hz),
4.23(2H,s)4.31(2H,t,J=7.5Hz),5.29(1H,s),7.28-7.40
(2H,m),7.62-7.77(2H,m),8.48(1H,q,J=5.1Hz)
【0062】実施例1−2〜1−16 実施例1と同様にして実施例1−2〜1−16の化合物
を得た。得られた化合物を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】実施例2 3,3−ジメチル−1−(2−メチルイミノ−3−プロ
ピル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イ
ル)−ブタン−2−オン 臭化水素酸塩(7) 実施例1のd)で得られた1−プロピル―2−メチルア
ミノベンズイミダゾール(5)(500mg)のメチル
エチルケトン(5ml)懸濁液に、1−ブロモピナコロ
ン(480mg)を加え、終夜加熱還流した。放冷後、
析出した結晶をろ取し、アセトンで洗浄した後減圧乾燥
し、表記化合物(676mg)を得た(表2参照;収率
69%)。
【0065】実施例2−2〜2−38 実施例2と同様にして実施例2−2〜2−38の化合物
を得た。得られた化合物を表2〜4に示した。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】実施例3 1−(3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミノ−
3−プロピル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール
フマル酸塩(8) 60%水素化ナトリウム(232mg)をジメチルホル
ムアミド(10ml)に懸濁させ、実施例1のd)で得
られた1−プロピル−2−メチルアミノベンズイミダゾ
ール(5) (1.0g)を加えた。60℃に加熱し、
水素の発生が認められなくなったところで3−フェノキ
シプロピルブロミド(1.7g)、よう化ナトリウム
(触媒量)を加え、終夜攪拌した。放冷後減圧濃縮し得
られた残渣を酢酸エチルに溶かし、水、飽和食塩水で洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール:アンモニア水=970:3
0:1)で精製した。得られた表記化合物のフリーアミ
ン体をエタノールに溶かし、フマル酸(457mg)を
加えた。減圧濃縮し、得られた残渣に酢酸エチルを加え
結晶化させた。得られた結晶を濾取した後減圧乾燥する
ことにより表記化合物を(979mg)得た(表5参
照;収率42%)。 融点 100℃1 HNMR(300Mz,δppm,DMSO-d6)0.78(3H,t,J=7.5Hz),1.71
(2H,sextet,J=7.5Hz),2.04(2H,quintet,J=6.9Hz),2.92
(3H,s),3.38(2H,t,J=6.9Hz),3.93-4.11(4H,m),6.63(2H,
s),6.83-7.41(9H,m)
【0070】実施例3−2、3−3 実施例3と同様にして実施例3−2、3−3の化合物を
得た。得られた化合物を表5に示した。
【0071】
【表5】
【0072】実施例4 3,3−ジメチル−1−(2−メチルイミノ−3−プロ
ピル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イ
ル)−ブタン−2−オール 塩酸塩(9) 実施例2で得られた3,3−ジメチル−1−(2−メチ
ルイミノ−3−プロピル−2,3−ジヒドローベンズイ
ミダゾール−1−イル)−ブタン−2−オン(7)(6.
51g)を酢酸エチル(100ml)、エタノール(3
0ml)、テトラヒドロフラン(30ml)に溶かし、
飽和重曹水(100ml)を加え、1.5時間攪拌し
た。有機層を分取し、水、飽和塩化ナトリウム水で洗
浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
た。得られた残渣をエタノール(20ml)、テトラヒ
ドロフラン(20ml)に溶かし、水冷下、水素化ホウ
素ナトリウム(520mg)を加え8分攪拌した。飽和
塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出
した。有機層を合わせ飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホ
ルム:メタノール:アンモニア水=200:50:1)
で精製し、表記化合物(2.68g)を得た(表6参
照;46%)。
【0073】実施例4−2〜4−12 実施例4と同様にして実施例4−2〜4−12の化合物
を得た。得られた化合物を表6に示した。
【0074】
【表6】
【0075】実施例5 3,3−ジメチル−1−[2−メチルイミノ−3−(3
−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2,3−
ジヒドロベンズイミダゾール−1−イル]ブタン−2−
オン 塩酸塩(13) a)1−[3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−2,2−ジメチルプロピル]−2−メチルアミノ
ベンズイミダゾール(11) 実施例1のd)と同様の方法で得られた1−(3−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−メチルアミ
ノベンズイミダゾール(10)(945mg)のジクロロメ
タン(20ml)懸濁液に、3,4−ジヒドロ−2H−
ピラン(1.5ml)を加え、次いで氷冷下、p−トル
エンスルホン酸(1.54g)を加えた。30分攪拌
後、飽和重曹水を加えクロロホルムで二回抽出した。有
機層を合わせ、水、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより
表記化合物(2.0g)を得た。
【0076】b)3,3−ジメチル−1−{2−メチル
イミノ−3−[3−(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−2,2−ジメチルプロピル]−2,3−ジヒド
ロベンズイミダゾール−1−イル}ブタン−2−オン
臭化水素酸塩(12) 実施例5のa)で得られた1−[3−(テトラヒドロピ
ラン−2−イルオキシ)−2,2−ジメチルプロピル]
−2−メチルアミノベンズイミダゾール(11) (2.1
3g)のメチルエチルケトン(8ml)懸濁液に、1−
ブロモピナコロン(727mg)を加え終夜加熱還流し
た。放冷後、析出した結晶をろ取し、酢酸エチルで洗浄
した後減圧乾燥し、表記化合物 (1.0g)を得た
(実施例5のa)の化合物より収率50%)。
【0077】c)3,3−ジメチル−1−[2−メチル
イミノ−3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロ
ピル)−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イ
ル]ブタン−2−オン 塩酸塩(13) 実施例5のb)で得られた、3,3−ジメチル−1−
{2−メチルイミノ−3−[3−(テトラヒドロピラン
−2−イルオキシ)−2,2−ジメチルプロピル]−
2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イル}ブタ
ン−2−オン 臭化水素酸塩 (12) (1.0g)に飽和
重曹水を加え、クロロホルムで二回抽出した。有機層を
合わせ、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をエタ
ノール(8ml)に溶かし、氷冷下、4規定塩酸酢酸エ
チル溶液を(1ml)加え、減圧濃縮した。得られた残
渣に酢酸エチルを加え結晶化させた。得られた結晶を濾
取した後減圧乾燥することにより、表記化合物 (13) を
(704mg)を得た(表7参照;収率95%)。 融点 179-181℃1 HNMR(300Mz,δppm,DMSO-d6)0.95(6H,s),1.26(9H,s),3.
09(3H,d,J=5.0Hz),3.19(2H,s),4.15(2H,s),5.68(1H,b
s),5.74(2H,s),7.27-7.40(2H,m),7052-7060-(1H,m),8.8
3(1H,q,J=5.0Hz)
【0078】実施例5−2、5−3 実施例5と同様にして実施例5−2〜5−3の化合物を
得た。得られた化合物を表7に示した。
【0079】
【表7】
【0080】実施例6 2−メチル−1−(2−イミノ−3−プロピル−2,3
−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イル)−プロパン
−2−オール 塩酸塩(15) a)1−プロピル―2−アミノベンズイミダゾール(14) 実施例1のb)で得られたN−プロピルベンゼン−1,
2−ジアミン(3) (7.50g)の水(70ml)
懸濁液に、臭化シアン(5.67g)を加え終夜攪拌し
た。28%アンモニア水を加え、アルカリ性にし、析出
した結晶を濾取した。結晶を水、n−ヘキサンで洗浄し
た後減圧乾燥し、表記化合物(7.53g)を得た(収
率88%)。
【0081】b)2−メチル−1−(2−イミノ−3−
プロピル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−
イル)−プロパン−2−オール 塩酸塩(15) 実施例6のa)で得られた 1−プロピル―2−アミノ
ベンズイミダゾール(14)(1.23g)のエタノール
(18ml)溶液に、イソブチレンオキシド(2.52
g)を加え60℃にて終夜攪拌した。減圧濃縮し得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール:アンモニア水=40:10:1)
にて精製した。エタノール、酢酸エチルに溶かし、4規
定塩酸酢酸エチル溶液を(2ml)加え、析出した結晶
を濾取した。減圧乾燥し、表記化合物(1.52g)を
得た(表8参照;収率38%)。 融点 238-239℃1 HNMR(300Mz,δppm,DMSO-d6)0.93(3H,t, J=7.5Hz),1.21
(6H,s),1.73(2H,sextet,J=7.5Hz),4.11-4.23(4H,m),5.1
4(1H,bs),7.21-7.36(2H,m), 7.55-7.74(2H,m), 8.83(1
H,bs)
【0082】実施例6−2〜6−12 実施例6と同様にして実施例6−2〜6−12の化合物
を得た。得られた化合物を表8に示した。
【0083】
【表8】
【0084】実施例7 3,3−ジメチル−1−(2−イミノ−3−プロピル−
2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イル)ブタ
ン−2−オン 臭化水素酸塩(16) 実施例6のa)で得られた 1−プロピル−2−アミノ
ベンズイミダゾール(14)(2.95g)のアセトン(9
0ml)溶液に、1−ブロモピナコロン(3.04g)
を加え15分加熱還流した。放冷後、析出した結晶をろ
取し、アセトンで洗浄した後、減圧乾燥することによ
り、表記化合物(4.13g)を得た(表9参照;収率
69%)。 融点 238-239℃1 HNMR(300Mz,δppm,DMSO-d6)0.93(3H,t,J=7.5Hz),1.25
(9H,s),1.75(2H,sextet,J=7.5Hz),4.19(2H,t,J=7.5Hz),
5.52(2H,s),7.25-7.42(3H,m), 7.63-7.72(1H,m), 8.80
(1H,bs)
【0085】実施例7−2〜7−104 実施例7と同様にして実施例7−2〜7−104の化合
物を得た。得られた化合物を表9乃至15に示した。
【0086】
【表9】
【0087】
【表10】
【0088】
【表11】
【0089】
【表12】
【0090】
【表13】
【0091】
【表14】
【0092】
【表15】
【0093】実施例8 3,3−ジメチル−1−(2−イミノ−3−プロピル−
2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1−イル)−ブ
タン−2−オール 塩酸塩 実施例7で得られた3,3−ジメチル−1−(2−イミ
ノ−3−プロピル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾー
ル−1−イル)ブタン−2−オン臭化水素酸塩(16)
(1.65g)のメタノール(40ml)溶液に、水冷
下、水素化ホウ素ナトリウム(176mg)を加え30
分攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロ
ロホルムで2回抽出した。有機層を合わせ飽和塩化ナト
リウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮し、表記化合物を(1.32g)得た(表
16参照;収率94%)。 融点 245-246℃1 HNMR(300Mz,δppm,DMSO-d6)0.94(3H,t,J=7.5Hz),1.00
(9H,s),1.72(2H,sextet,J=7.5Hz) ,3.45-3.56(1H,m),4.
06-4.26(4H,m),5.12(1H,s),7.28-7.41(3H,m),7.57-7.64
(1H,m), 8.80(1H,bs)
【0094】実施例8−2〜8−36 実施例8と同様にして実施例8−2〜8−36の化合物
を得た。得られた化合物を表16乃至18に示した。
【0095】
【表16】
【0096】
【表17】
【0097】
【表18】
【0098】製剤例 以下、製剤処方例により本発明を具体的に説明する。 製剤処方例 式[1]、[1’]又は[1”]の化合物 3.0mg 結晶セルロース 67.0mg コーンスターチ 25.0mg タルク 4.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 上記組成を十分に混合し、造粒後、乾燥し打錠機にて1
錠100mgの錠剤とした。
【0099】試験例 以下、試験例により本発明を具体的に説明する。 試験例1 マウス膵β細胞株MIN6を用いたインスリン分泌能の
評価 MIN6細胞を96穴プレートに3×10 cell
s/ml、200μl/wellで播種し、DMEM
(高グルコース、15%ウシ胎児血清、50μg/ml
ペニシリン・ストレプトマイシン、2−メルカプトエタ
ノール)培地中37℃下で2日間培養した。2日後に
5.6mMグルコースを含むKrebs Ringer
Bicarbonate/0.2%ウシ血清アルブミン
(脂肪酸不含)液(KRB/0.2% BSA液)を 2
00μl/well加え、37℃下でプレインキュベー
トした。30分後、被検化合物を含む11.2mMある
いは2.8mMグルコース含有KRB/0.2% BS
A液に交換し、 37℃下で1時間インキュベートし
た。被検化合物はDMSO(Dimethyl sul
foxide)で溶解し、細胞添加時の最終DMSO濃
度は1%とした。被検化合物添加1時間後、培養上清を
各wellにつき約100μlずつ採取した。採取した
上清をインスリンRIAキット(塩野義製薬(株))を用い
てインスリン分泌量を測定した。被検化合物の11.2
mMあるいは2.8mMグルコース下でのインスリン分
泌能は、被検化合物の無処置群に対する上昇率(%Ct
rl)として求めた。結果を表19乃至20に示した。
【0100】
【表19】
【0101】
【表20】
【0102】試験例2 マウス膵β細胞株MIN6の細胞膜を用いたスルホニル
ウレア受容体結合能の評価 MIN6細胞をDMEM(高グルコース、15% ウシ
胎児血清、50μg/mlペニシリン・ストレプトマイ
シン、2−メルカプトエタノール)培地中で培養した。
約1週間後、細胞をはがし、テフロン(登録商標)ホモ
ジナイザーを用いて細胞を破砕した後、4℃下、790
0Gで30分遠心を行った。得られた膜画分を凍結保存
(−80℃)し、以下の実験に用いた。被検化合物(最
終DMSO濃度は1%)を24穴プレートに添加し、
H標識Glibenclamide (最終濃度は1n
M)を250μl添加した。最後にMIN6細胞膜(最終
濃度は50μg/ml)を添加し、氷上でインキュベー
トした。3時間後、細胞膜はハーベスター(PACKA
RD)でGF/Bフィルターにトラップした。乾燥後、
マイクロシンチを添加し、TopCount(PACK
ARD)で放射活性を測定した。化合物無添加(Tot
al binding)及び被検化合物の代わりに最終
濃度1μMの非標識Glibenclamide添加
(Nonspecific binding)との差を
100%とし、被検化合物の活性は放射活性の抑制率
(%)から求めた。結果を以下に示した。
【0103】実施例1、2、4、7、8−28において
被検化合物1mM処置まで抑制率は0%であり、スルホ
ニルウレア受容体結合能がないことが確認された。
【0104】試験例3 正常ラットにおける作用 3−1)糖負荷時の血糖値に及ぼす作用(耐糖能試験) 体重約250−350gのWistar系雄性ラット
(日本チャールズリバー)を実験前日より約16時間絶
食した後用いた。グルコース液(1g/kg)を腹腔内
投与し、30、60分後に尾静脈より採血(約200μ
l)した。血清を得た後、ヘキソキナーゼ法により血糖
値を測定した。被検化合物は0.5%メチルセルロース
に懸濁し、グルコース液投与30分前に経口投与した。
コントロール群には0.5%メチルセルロースを投与し
た。評価結果は、コントロール群に対する2群比較検定
(t−検定)もしくは多群比較検定(Dunnet検
定)を行い有効性を求めた。
【0105】3−2) 空腹時血糖に対する作用 体重約250−350gのWistar系雄性ラット
(日本チャールズリバー)を実験前日より約16時間絶
食した後用いた。被検化合物を経口投与し、30、6
0、120、180、300分後に尾静脈より採血(約
200μl)した。血清を得た後、ヘキソキナーゼ法に
より血糖値を測定した。被検化合物は0.5%メチルセ
ルロースに懸濁し、用いた。コントロール群には0.5
%メチルセルロースを投与した。評価結果は、コントロ
ール群に対する2群比較検定(t−検定)もしくは多群
比較検定(Dunnet検定)を行い有効性を求めた。
【0106】3−3)糖負荷時のインスリン値に及ぼす
作用 体重約250−350gのWistar系雄性ラット
(日本チャールズリバー)を実験前日より約16時間絶
食した後用いた。グルコース液(1g/kg)を腹腔内
投与し、5、10、30、60分後に尾静脈より採血
(約200μl)した。血清を得た後、インスリンRI
Aキット(塩野義製薬(株))を用いてインスリン分泌
量を測定した。被検化合物は0.5%メチルセルロース
に懸濁し、グルコース液投与30分前に経口投与した。
コントロール群には0.5%メチルセルロースを投与し
た。評価結果は、コントロール群に対する2群比較検定
(t−検定)もしくは多群比較検定(Dunnet検
定)を行い有効性を求めた。以下に、試験結果を示す。
【0107】
【表21】
【0108】
【発明の効果】上記試験より、本発明の新規化合物は、
高血糖状態においてインスリン分泌を促進し、優れた血
糖低下作用を示す。一方、低血糖状態においては、イン
スリン分泌を促進することなく、著しい血糖低下作用を
示さない。また、この血糖低下作用は、脂質上昇(脂質
β酸化抑制など)を伴わず、インスリン分泌を促進する
ことにより効果を発揮していると考えられる。以上よ
り、本発明化合物は高血糖状態においては優れた血糖低
下作用を有し、しかも低血糖等の重篤な副作用を起こさ
ない。従って、糖尿病治療薬として有用であり、糖尿病
の慢性合併症の予防剤としても有用な薬剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/454 A61K 31/454 A61P 3/10 A61P 3/10 C07D 405/06 C07D 405/06 409/06 409/06 413/06 413/06 417/06 417/06 471/04 107 471/04 107A (72)発明者 松井 謙一 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB03 CC54 CC62 CC78 CC92 DD26 EE01 4C065 AA04 BB06 CC01 DD03 EE02 HH01 KK09 LL06 PP01 4C086 AA01 AA02 AA03 BC39 BC72 BC82 CB05 GA04 GA07 GA09 GA10 GA12 MA01 MA04 NA14 ZC35

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 〔式中、RはC1−6アルキル基、C2−6アルケニ
    ル基、C3−7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ
    アリール基又はジC1−6アルキルアミノ基、C 1−6
    アルキルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C
    3−7シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C
    1−6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸
    基、ハロゲン原子、C1−6アルキルアミノカルボニル
    基、C1−6アルキルカルボニル基、アリール基若しく
    はヘテロアリール基で置換されたC −6アルキル基で
    あり;Rは水素原子、C1−6アルキル基又はアラル
    キル基であり;RはC1−6アルキル基、C1−6
    ルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基又は 【化2】 (ここで、環Aはアリール基、ヘテロアリール基又はシ
    クロアルキル基であり、R10は水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、C
    1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ジC1−6
    アルキルアミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ハロC
    1−6アルキル基、ハロC1−6アルコキシ基、C
    3−7シクロアルキル基、アラルキルオキシ基又はC
    1−6アルキルチオ基である)であり;Xは−(C
    −、−(CH−O−、−O−(CH
    −、 −CR1112−(CH−、−CR
    1112−(CH−O−、−CR1112
    O−(CH−又は−NR11−(ここで、nは0
    又は1乃至4の整数であり、R11及びR12は同一又
    は異なって水素原子又はC1−6アルキル基あり、若し
    くはR11とRが隣接する窒素原子と一緒になって 【化3】 を形成してもよい)であり;R及びRは同一又は異
    なって水素原子、C1−6アルキル基又は水酸基であ
    り、若しくはR及びRが一緒になって 【化4】 を形成してもよい;Yは=CHR−又は=N−であ
    り;R、R、R及びRは同一又は異なって水素
    原子、ハロゲン原子、C1− アルキル基、C1−6
    ルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、カルボ
    キシル基、アラルキルオキシ基、C1−6アルキルカル
    ボニルアミノ基又は 【化5】 (ここで、R13及びR14は同一又は異なって水素原
    子、C1−6アルキル基、アリール基であり、若しくは
    13及びR14が隣接する窒素原子と一緒になって 【化6】 を形成してもよい)であり;mは0又は1乃至6の整数
    である〕で示される化合物又は製薬上許容されるその塩
    を有効成分として含んで成る糖尿病治療薬。
  2. 【請求項2】 Rが水酸基である請求項1記載の糖尿
    病治療薬。
  3. 【請求項3】 R及びRが一緒になって 【化7】 である請求項1記載の糖尿病治療薬。
  4. 【請求項4】 一般式〔1’〕 【化8】 (式中、R2’はC1−6アルキル基であり、R、R
    、R、R、R、R、R、X、Y及びmは前
    記の通りである)により示されるイミダゾール化合物又
    はその製薬上許容される塩。
  5. 【請求項5】 Rが水酸基である請求項4記載のイミ
    ダゾール化合物又はその製薬上許容される塩。
  6. 【請求項6】 R及びRが一緒になって 【化9】 である請求項4記載のイミダゾール化合物又はその製薬
    上許容される塩。
  7. 【請求項7】 一般式〔1”〕 【化10】 (式中、R1”はC1−6アルキル基、C2−6アルケ
    ニル基、C3−7シクロアルキル基、ヘテロアリール基
    又はジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルア
    ミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C3−7シク
    ロアルキル基、C 1−6アルコキシ基、カルボキシル
    基、ハロゲン原子、C1−6アルキルアミノカルボニル
    基若しくはヘテロアリール基で置換されたC1−6アル
    キル基であり;R2”は水素原子であり;R3”はC
    1−6アルキル基、C1−6アルコキシカルボニル基、
    ハロゲン原子、水酸基又は 【化11】 (ここで、環Aはアリール基、ヘテロアリール基又はシ
    クロアルキル基であり、R10はハロゲン原子、ニトロ
    基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、C1− アル
    キル基、C1−6アルコキシ基、ジC1−6アルキルア
    ミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ハロC1−6アル
    キル基、ハロC1−6アルコキシ基、C −7シクロア
    ルキル基、アラルキルオキシ基又はC1−6アルキルチ
    オ基である)であり;X”は−(CH−、−(C
    −O−、−O−(CH−、 −CR11
    12−(CH−、−CR1112−(C
    −O−又は−CR1112−O−(CH
    −(ここで、nは0又は1乃至4の整数であり、R
    11及びR12は同一又は異なって水素原子又はC
    1−6アルキル基ある)であり;R、R、R、R
    、R、Y及びmは前記の通りである)により示され
    るイミダゾール化合物又はその製薬上許容される塩。
  8. 【請求項8】 Rが水酸基である請求項7記載のイミ
    ダゾール化合物又はその製薬上許容される塩。
  9. 【請求項9】 R及びRが一緒になって 【化12】 である請求項7記載のイミダゾール化合物又はその製薬
    上許容される塩。
  10. 【請求項10】 請求項4乃至9いずれかに記載のイミ
    ダゾール化合物又はその製薬上許容される塩と医薬的に
    許容される担体とを含有してなる医薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項4乃至9いずれかに記載のイミ
    ダゾール化合物又はその製薬上許容される塩を含有して
    なる糖尿病治療薬。
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