JP2002154950A - パップ剤およびこれに用いる水性膏体 - Google Patents

パップ剤およびこれに用いる水性膏体

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JP2002154950A
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silicic anhydride
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Hidetatsu Takeuchi
秀達 竹内
Shizuaki Watanabe
靜秋 渡邊
Minori Yonezawa
みのり 米澤
Masafumi Takaoka
政史 高岡
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Teika Pharamaceutical Co Ltd
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Teika Pharamaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時における膏体の粘着力の低下や高温時
における熱ダレという温度変化による物性の低下を防止
し、同時に浸み出しや裏染みを防いだパップ剤を提供す
ること。 【解決手段】 無水ケイ酸及びヒマシ油を含有する水性
膏体を支持体に塗布してなることを特徴とするパップ
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パップ剤に関し、
更に詳細には、温度変化による物性の変化が少なく、ま
た裏染みも起こりにくいパップ剤およびこれに用いる水
性膏体に関する。
【0002】
【従来の技術】水性膏体を利用したパップ剤は、膏体に
中に含まれる水分が患部冷却作用や角質層水和作用等を
示すことにより、単に薬効成分を皮膚に適応した場合に
比べ、優れた消炎鎮痛効果を示すことが知られている。
そして、冷却作用による有効性を最大限に生かすために
は、パップ剤を冷却した後患部に適用することが望まし
いと考えられている。
【0003】しかし、パップ剤膏体の粘着剤として従来
用いられているゼラチンは、その粘着力が温度依存性を
示し、低温(10℃以下)状態ではその粘着力が失われ
てしまうため、冷却した膏体はそのままでは皮膚に貼付
しにくいという問題があった。 一方、ゼラチンは熱可
逆性ゲルであるため、夏場などでは軟化し、いわゆる熱
ダレが生じ易いといった物性上の問題も有していた。
【0004】また、パップ剤は水溶性基剤をベースとす
ることが多いが、一方で薬効成分等として非親水性化合
物を配合することも多く、この場合には時間の経過とと
もに分離が生じ、浸み出しや裏染みが生じるという問題
もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題点を解決することにある。すなわち、低温時にお
ける膏体の粘着力の低下や、高温時における熱ダレとい
う温度変化による物性の低下を防止し、同時に浸み出し
や裏染みを防いだパップ剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは本課題を解
決すべく、パップ剤基剤について鋭意研究を重ねた結
果、パップ基剤中に無水ケイ酸およびヒマシ油を配合す
ることで温度変化による物性の低下と油水分離が抑制し
うることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、無水ケイ酸及びヒマシ
油を含有する水性膏体を支持体に塗布してなるパップ剤
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るパップ剤は、膏体と
して無水ケイ酸及びヒマシ油を含有する水性膏体を使用
することにより調製される。
【0009】使用される無水ケイ酸としては、その製法
や由来等により特に制約されるものではないが、粒子径
の小さいものが好ましく、特に20nm以下のものが好
ましい。この無水ケイ酸の配合量も特に限定されない
が、水性膏体中、0.1〜10重量%程度が好ましい。
【0010】また、ヒマシ油としても、特に制約はな
く、市販のものを利用することができる。このヒマシ油
の配合量は、水性膏体中、0.1〜10重量%程度が好
ましい。
【0011】本発明のパップ剤に使用される水性膏体
は、上記の必須成分である無水ケイ酸及びヒマシ油の
他、水及び公知の成分、例えば水溶性高分子や多価金属
塩を添加配合することにより調製される。
【0012】このうち、水溶性高分子としては、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プ
ロピレングリコール、キサンタンガム、カルボキシビニ
ル重合体、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合
体、カゼイン、ポロビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、アラビアゴム、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が
挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることが
できる。なお、本発明で用いる水性膏体としては、少な
くともその一部としてポリアクリル酸及び/又はポリア
クリル酸塩が配合されていることが好ましい。また、ゼ
ラチン等の一部の水溶性高分子にはその粘着力が低温時
に低下するものもあるが、これらも本発明の効果を失わ
ない範囲で配合することは差し支えない。
【0013】一方、多価金属塩は、上記ポリアクリル酸
及び/又はポリアクリル酸塩等の水溶性高分子を架橋す
る作用を有するものである。この多価金属塩の例として
は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニ
ウム、ミョウバン、水酸化アルミニウム、メタケイ酸ア
ルミン酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミ
ノアセテート等が挙げられ、その1種または2種以上を
利用することができる。
【0014】本発明のパップ剤に用いられる水性膏体に
は、上記以外の成分のほかに、従来一般に用いられてい
る成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合すること
ができる。その他の成分の例としては、カオリン、ベン
トナイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉
体、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、乳酸な
どのpH調整剤、グリセリン、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ソルビトール等の多価アルコール、オレイン酸、ク
ロタミトン、スクワラン、ベンジルアルコール、レシチ
ン、イソプロピルミリステート等の経皮吸収促進剤、モ
ノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油等の界面活性剤等が例示できる。
【0015】かくして得られる本発明の水性膏体には、
更に適当な薬効成分を配合することができる。配合され
る薬効成分には、特に制約はないが、例えば、1−メン
トール、d1−カンフル、ハッカ油、サリチル酸メチ
ル、サリチル酸グリコール、酢酸トコフェロール等の通
常パップ剤に用いられている成分、インドメタシン、フ
ルルビプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ケト
プロフェン、アズレン、アラントイン等の抗炎症剤、シ
コン、セイヨウトチノミ等の生薬粉末及びエキス成分、
トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン
酸ベンジルエステル等の血行改善剤等が例示できる。こ
れらの薬効成分のうち非親水性のものを配合する時、浸
み出しや裏染みの防止に関する効果が大きく発揮され
る。
【0016】本発明のパップ剤は、上記の如くして得ら
れた水性膏体を適宜支持体に塗布し、必要によりその上
に剥離シートないし剥離紙を貼付した後、適当な大きさ
に切断することにより調製される。支持体としては、適
当な材質で調製された織布や不織布あるいはフィルムを
挙げることができる。
【0017】
【作用】本発明のパップ剤において、温度変化による物
性の変化が少なく、裏染みが生じにくいのは、後記実施
例に示すように、無水ケイ酸とヒマシ油の相乗作用によ
るものである。
【0018】なお、特開平6−145049号公開公報
には、ポリアクリル酸系の架橋型パップ基剤において、
無水ケイ酸を配合することによって高い粘着性と基剤強
度が得られる旨が開示されている。しかし、当該公報に
はヒマシ油に関する記載はなく、また、無水ケイ酸を配
合する目的も相違するので、本発明とは関係のないもの
である。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更
に具体的に説明する。
【0020】実施例1 表1に示す処方で、常法に従い本発明品1、2及び比較
品1〜4の水性膏体剤を製造し、これをポリエステル製
の不織布(EL−5600;日本バイリーン社製)に塗
布しパップ剤を得た。得られた各パップ剤について、下
記方法により裏染み試験及び粘着力試験を行った。裏染
み試験の結果を表2に、粘着力試験の結果を表3に示
す。
【0021】(処方)
【表1】
【0022】〈裏染み試験〉40±2℃75%RHに調
節した恒温恒湿器に、アルミ箔の袋に入れた本発明品
1、2及び比較品1〜4の処方の各パップ剤試料を2週
間静置した。その後各試料を袋から取り出し、膏体の裏
染みを下記評価基準により目視にて評価した。 評価基準 1:膏体の裏染みを認めない 2:わずかに膏体の裏染みを認める 3:膏体の裏染みが著しい
【0023】( 結 果 )
【表2】
【0024】〈粘着力試験〉5、15、25及び40℃
の環境下に、アルミ箔の袋に入れた本発明品1、2及び
比較品1〜4の各試料を1時間放置し、開封後それぞれ
の環境下にて粘着力試験(スチールボール試験)を行っ
た。なお粘着力試験は、医薬品製造指針(2000年
版)に記載の方法に従い、止め得た最大のスチールボー
ルナンバーで評価した。
【0025】( 結 果 )
【表3】
【0026】医薬品製造指針によれば、通常 No.4以上
の重いボールが停止した場合、粘着力が良好であるとい
われている。本発明品1および2は、5℃保存品であっ
てもNo.4より重いNo.9ボールを停止させることができ
たので、低温においても粘着力が良好であると言える。
これに対し、比較品1〜4は保存温度の低下と共に停止
させうるボールの重量が軽くなり、5℃保存品ではNo.
4ボールも停止させることができなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明のパップ剤は、温度変化による物
性の変化が少なく、低温の状態であっても粘着力が低下
しないものである。また膏体の裏染みを防ぐことができ
るものでもある。
【0028】従って、本発明のパップ剤は、広く安定し
て使用できるものであるが、特に冷却して使用するタイ
プのパップ剤や、寒冷地において使用するパップ剤とし
て有用なものである。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA75 DD22 DD27 DD29 DD30 DD37 DD38 DD43 DD49 EE06 EE08 EE09 EE15 EE30 EE32 EE33 EE36 EE41 EE47 EE48 EE53 FF02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水ケイ酸及びヒマシ油を含有する水性
    膏体を支持体に塗布してなることを特徴とするパップ剤
  2. 【請求項2】 無水ケイ酸の含有量が、0.1〜10質
    量%である請求項第1項記載のパップ剤。
  3. 【請求項3】 ヒマシ油の含有量が、0.1〜10質量
    %である請求項第1項記載のパップ剤。
  4. 【請求項4】 更に水性膏体中に、水及び水溶性高分子
    を含有する請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載
    のパップ剤。
  5. 【請求項5】 水溶性高分子が、ポリアクリル酸、ポリ
    アクリル酸塩、カルボキシメチルセルロースナトリウ
    ム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
    コール、キサンタンガム、カルボキシビニル重合体、メ
    トキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、
    ポロビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アラビ
    アゴム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
    ス及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選
    ばれたものの1種または2種以上である請求項第4項記
    載のパップ剤。
  6. 【請求項6】 無水ケイ酸及びヒマシ油を含有する水性
    膏体。
  7. 【請求項7】 無水ケイ酸、ヒマシ油、水および水溶性
    高分子を含有する水性膏体。
  8. 【請求項8】 無水ケイ酸、ヒマシ油、水、水溶性高分
    子及び金属多価塩を含有し、金属多価塩で水溶性高分子
    を架橋してなる水性膏体。
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WO2020262057A1 (ja) * 2019-06-24 2020-12-30 帝國製薬株式会社 水性貼付剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020262057A1 (ja) * 2019-06-24 2020-12-30 帝國製薬株式会社 水性貼付剤
CN114007594A (zh) * 2019-06-24 2022-02-01 帝国制药株式会社 水性贴剂

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