JP2002151296A - プラズマ処理装置の性能評価方法、保守方法、性能管理システム、及び性能確認システム、並びにプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置の性能評価方法、保守方法、性能管理システム、及び性能確認システム、並びにプラズマ処理装置

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JP2002151296A JP2000346793A JP2000346793A JP2002151296A JP 2002151296 A JP2002151296 A JP 2002151296A JP 2000346793 A JP2000346793 A JP 2000346793A JP 2000346793 A JP2000346793 A JP 2000346793A JP 2002151296 A JP2002151296 A JP 2002151296A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ処理装置を分解、搬送後再組み立て
した際等において、所望の性能が維持されているかどう
かを簡便かつ迅速に評価できるようにする。 【解決手段】 電極4,8を有する複数のプラズマ処理
室ユニット75,76,77,95,96,97と、電
極4に接続された高周波電源1と、プラズマ処理室ユニ
ット75,76,77,95,96,97と高周波電源
1とのインピーダンス整合を得る整合回路2Aとを具備
し、時刻t0 とその後の時刻t1 における整合回路2A
の入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗R
Bの差|ΔRA||ΔRB|が所定の値より小さい値に
維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
の性能評価方法、保守方法、性能管理システム、及び性
能確認システム、並びにプラズマ処理装置に係り、特
に、プラズマ処理装置が継続的に所望の性能を維持し続
けることに用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】CVD( chemical vapor depositio
n)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング
等のプラズマ処理をおこなうプラズマ処理装置の一例と
しては、従来から、図40に示すような、いわゆる2周
波励起タイプのものが知られている。図40に示すプラ
ズマ処理装置は、高周波電源1とプラズマ励起電極4と
の間に整合回路2Aが介在されている。整合回路2Aは
これら高周波電源1とプラズマ励起電極4との間のイン
ピーダンスの整合を得るための回路として設けられてい
る。
【0003】高周波電源1からの高周波電力は整合回路
2Aを通して給電板3によりプラズマ励起電極4へ供給
される。この整合回路2Aは導電体からなるハウジング
により形成されるマッチングボックス2内に収納されて
おり、プラズマ励起電極4および給電板3は、導体から
なるシャーシ21によって覆われている。プラズマ励起
電極(カソード電極)4の下側には環状の凸部4aが設
けられるとともに、このプラズマ励起電極(カソード電
極)4の下には、多数の孔7が形成されているシャワー
プレート5が凸部4aに接して設けられている。これら
プラズマ励起電極4とシャワープレート5との間には空
間6が形成されている。この空間6にはガス導入管17
が接続されており、導体からなるガス導入管17の途中
には絶縁体17aが挿入されてプラズマ励起電極14側
とガス供給源側とが絶縁されている。
【0004】ガス導入管17から導入されたガスは、シ
ャワープレート5の孔7を介してチャンバ壁10により
形成されたチャンバ室60内に供給される。なお、符号
9はチャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電
極)4とを絶縁する絶縁体である。また、排気系の図示
は省略してある。一方、チャンバ室60内には基板16
を載置しプラズマ励起電極ともなるウエハサセプタ(サ
セプタ電極)8が設けられておりその周囲にはサセプタ
シールド12が設けられている。
【0005】サセプタシールド12はサセプタ電極8を
受けるシールド支持板12Aと、このシールド支持板1
2Aの中央部に垂下形成された筒型の支持筒12Bとか
らなり、支持筒12Bはチャンバ底部10Aを貫通して
設けられるとともに、この支持筒12Bの下端部とチャ
ンバ底部10Aとがベローズ11により密閉接続されて
いる。ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12
は、これらの隙間がシャフト13の周囲の設けられた電
気絶縁物からなる絶縁手段12Cによって真空絶縁され
るとともに電気的にも絶縁されている。また、ウエハサ
セプタ8およびサセプタシールド12は、ベローズ11
により上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,
8間の距離の調整ができる。ウエハサセプタ8には、シ
ャフト13およびマッチングボックス14内に収納され
た整合回路を介して第2の高周波電源15が接続されて
いる。なお、チャンバ壁10とサセプタシールド12と
は直流的に同電位となっている。
【0006】図41に従来のプラズマ処理装置の他の例
を示す。図40に示すプラズマ処理装置とは異なり、図
41に示すプラズマ処理装置は1周波励起タイプのプラ
ズマ処理装置である。すなわち、カソード電極4にのみ
高周波電力を供給しており、サセプタ電極8は接地され
ている。図40で示される高周波電源15とマッチング
ボックス14が省略されている。また、サセプタ電極8
とチャンバ壁10とは直流的に同電位となっている。
【0007】上記のプラズマ処理装置においては、一般
的に13.56MHz程度の周波数の電力を投入して、
両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマに
より、CVD(chemical vapor deposition )、スパッ
タリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ
処理をおこなうものである。しかし、上記のプラズマ処
理装置においては、電力消費効率(高周波電源1からプ
ラズマ励起電極4に投入した電力に対してプラズマ中で
消費された電力の割合)は必ずしも良好ではない。特
に、高周波電源から供給される周波数が高くなるほど、
プラズマ処理装置における電力消費効率の低下が顕著で
ある。同時にまた、基板サイズが大きくなるほどその低
下が顕著である。その結果、電力消費効率が低いことに
より、プラズマ空間で消費される実効的な電力が上がら
ないため、成膜速度が遅くなる、また、たとえば絶縁膜
の成膜の場合にあってはより絶縁耐圧の高い絶縁膜の形
成が困難である、という問題点を有している。
【0008】そして、このようなプラズマ処理装置の動
作確認および、動作の評価方法としては、例えば、以下
のように実際に成膜等の処理をおこない、この被成膜特
性を評価するというような方法でおこなっていた。 (1)堆積速度と膜面内均一性 基板上にプラズマCVDにより所望の膜を成膜する。 レジストのパターニングをおこなう。 膜をドライエッチングする。 アッシングによりレジストを剥離する。 膜の膜厚段差を触針式段差計により計測する。 成膜時間と膜厚から堆積速度を算出する。 膜面内均一性は、6インチ基板面内において16ポイ
ントで測定する。 (2)BHFエッチングレート 上記(1)〜と同様にレジストマスクをパターニン
グする。 BHF液に1分間基板を浸漬する。 純水洗浄後乾燥し、レジストを硫酸過水(H2SO4
22)で剥離する。 上記(1)と同様段差を計測する。 浸漬時間と段差からエッチング速度を算出する。 (3)絶縁耐圧 ガラス基板上にスパッタリングにより導電性膜を成膜
し、下部電極としてパターニングする。 プラズマCVDにより絶縁膜を成膜する。 と同様の方法で上部電極を形成する。 下部電極用にコンタクト孔を形成する。 上下電極にプロービングし、I−V特性(電流電圧特
性)を測定する。このとき最大電圧として200V程度
まで印加する。 電極面積を100μm角とし、100pAをよぎると
ころが、1μA/cm2に相当するので、この時のVを
絶縁耐圧として定義する。
【0009】さらに、上記のようなプラズマ処理装置に
対しては、従来から、半導体および液晶製造に用いられ
る場合において、プラズマ処理速度(成膜時の堆積速度
や、加工速度)が早く生産性が高いこと、そして、被処
理基体面内方向におけるプラズマ処理の均一性(膜厚の
膜面内方向分布、加工処理ばらつきの膜面内方向分布)
に優れていることが、近年、被処理基板の大型化に伴っ
て、一段と強まっている。また、被処理基板の大型化に
伴い、投入電力量もkWオーダーが投入されるまで増大
し、電力消費量が増す傾向にある。このため、電源の高
容量化に伴い、電源の開発コストが増大するとともに、
装置稼働時には電力使用が増すことからランニングコス
トを削減することが望まれている。また、電力消費量が
増大することは、環境負荷となる二酸化炭素の排出量が
増大する。これは、被処理基板の大型化に伴ってさらに
放出量が増大するとともに電力消費効率をさらに下げて
しまうため電力消費量が増大するので、この二酸化炭素
の放出量削減への要求も高くなっている。一方、プラズ
マ励起周波数として、従来一般的であった13.56M
Hzに対して、これを越える30MHz以上のVHF帯
の周波数を用いるなど、高周波数化を図ることで、生成
するプラズマ密度を向上させることができる。その結果
として、プラズマCVDなどの堆積装置においては、成
膜時の堆積速度を向上させることができる可能性が示さ
れていた。
【0010】さらに、上記のようなプラズマチャンバを
複数有するプラズマ処理装置に対しては、個々のプラズ
マチャンバに対して、特に、プラズマ処理室のみなら
ず、整合回路をも含めたプラズマチャンバに対して、プ
ラズマ処理の機差をなくし、異なるプラズマチャンバに
おいて処理をおこなった被処理基板においても、プラズ
マ処理速度(成膜時の堆積速度や、加工速度)や生産
性、そして、被処理基体面内方向におけるプラズマ処理
の均一性(膜厚の膜面内方向分布等の、処理のばらつき
をなくしたいという要求がある。同時に、プラズマチャ
ンバを複数有するプラズマ処理装置に対しては、個々の
プラズマチャンバに対して、供給するガス流量や圧力、
供給電力、処理時間等の外部パラメータが等しい同一の
プロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果
が得られることが望まれている。そして、プラズマ処理
装置の新規設置時や調整・保守点検時において、複数の
プラズマチャンバごとの機差をなくして処理のばらつき
をなくし同一のプロセスレシピにより略同一の処理結果
を得るために必要な調整時間の短縮が求められるととも
に、このような調整に必要なコストの削減が要求されて
いた。
【0011】さらに、上記のようなプラズマ処理装置を
複数有するプラズマ処理システムに対しても、同様に、
各プラズマ処理装置における個々のプラズマチャンバに
対して、プラズマ処理の機差をなくしたいという要求が
存在していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のプラズ
マ処理装置においては、13.56MHz程度の周波数
の電力を投入するように設計されており、これ以上の周
波数の電力を投入することに対応していない。より具体
的には、高周波電力を投入する部分、つまり、プラズマ
処理をおこなうプラズマ処理室のみならず整合回路をも
含むプラズマチャンバ全体としては、インピーダンス、
共振周波数特性等の電気的高周波的な特性が考慮されて
おらず、13.56MHz程度以上の周波数の電力を投
入した場合、電力消費効率があがらず、成膜時に堆積速
度を向上することができないばかりか、むしろ、堆積速
度が遅くなる場合があったという不具合が生じていた。
さらに投入する電力をより高周波数化すると、周波数の
上昇に伴って、生成されるプラズマ密度は上昇してピー
クを迎え、その後、減少に転じて、ついにはグロー放電
できなくなってしまい高周波数化の意味がなくなってし
まうという不具合が生じていた。
【0013】プラズマチャンバを複数有するプラズマ処
理装置やプラズマ処理システムにおいては、各プラズマ
チャンバ、つまり、各プラズマ処理室および整合回路の
電気的高周波的な特性は、それぞれの機械的な寸法等、
その形状によって規定されている。しかし、それぞれの
プラズマチャンバを構成する各部品は、製造時における
加工上、必ず機械的公差により寸法等のばらつきを有し
ている。そして、これらの各部品を組み立ててプラズマ
チャンバを製造する段階で、各プラズマチャンバにおけ
る機械的寸法等の形状に、組み立て公差によるばらつき
が加わる。さらに、各部品の組み立て後には採寸をする
ことができない箇所も存在し、プラズマチャンバ全体と
して当初の設計どおりの電気的高周波的な特性を有する
ように組み立てが終了したか否か定量的に知りうる手段
がなく、各プラズマチャンバの電気的高周波的な特性の
機差を知りうる手段がないという問題があった。
【0014】さらに、機差に対する配慮が充分になされ
たプラズマ処理装置であっても、プラズマ処理を繰り返
すうちに、所望の性能レベルが維持できなくなる可能性
や、複数のプラズマチャンバ間の機差が生じる可能性が
ある。特に問題なのは、プラズマ処理を繰り返すうちに
このプラズマチャンバの電気的高周波的特性が初期設定
状態とずれてしまい、所望のプラズマ処理がおこなえな
くなる可能性があることであり、さらに、この電気的高
周波的特性が初期設定状態とずれること、つまり、時間
経過に伴った機差(時間的な差)がさらに増大するとい
う可能性が存在することである。また、分解掃除、部品
交換、組み立て調整等の調整作業をを行った場合には、
調整の不備等により調整作業前の性能が維持されておら
ず、電気的高周波的特性が初期設定状態とずれてしまう
可能性があった。さらに、プラズマ処理装置を搬送する
際には、一般に、一端分解してから搬送し、搬送先で再
組み立てすることが行われている。この場合にも、搬送
中の振動や再組み立て作業の不備等により搬送前の性能
が維持されておらず、電気的高周波的特性が初期設定状
態とずれてしまう可能性があった。
【0015】そして、このようなプラズマ処理装置の動
作確認、および、動作の評価方法として、上記の(1)
〜(3)のような動作評価方法を採用した場合には、プ
ラズマ処理装置を作動させることが必要である上に、プ
ラズマ処理装置の設置場所とは別の検査場所などにおい
て被処理基板を複数のステップにより処理測定する必要
がある。このため、評価結果がでるまでには数日、ある
いは数週間がかかり、その期間製造ラインを停止しなか
った場合、プラズマ処理をおこなった被処理基板の特性
は未知であり、もし、プラズマ処理装置の状態がよくな
かった際には、製品としての基準に達しないおそれがあ
るため、より簡便な方法でプラズマ処理装置の動作を適
正な状態に維持したいという要求があった。
【0016】さらに、プラズマチャンバを複数有するプ
ラズマ処理装置(プラズマ処理システム)に対しては、
複数のプラズマチャンバに対して交流抵抗、容量、イン
ピーダンス、共振周波数特性等の電気的高周波的な特性
の機差をなくすという設計がなされていないため、個々
のプラズマチャンバにおいて、プラズマ空間で消費され
る実効的な電力や、発生するプラズマ密度等がそれぞれ
均一になっていない可能性がある。このため、複数のプ
ラズマチャンバに対して同一のプロセスレシピを適用し
ているにも関わらず、同一のプラズマ処理結果が得られ
ない可能性がある。したがって、同じプラズマ処理結果
を得るためには、個々のプラズマチャンバごとに、それ
ぞれ供給するガス流量や圧力、供給電力、処理時間等の
外部パラメータと上記の(1)〜(3)のような評価方
法による処理結果とを比較して、これらの相関関係を把
握する必要があるが、そのデータ量は膨大なものにな
り、すべてをおこなうことが困難である。
【0017】さらに、複数のプラズマチャンバを有する
プラズマ処理装置やプラズマ処理システムに対して上記
の(1)〜(3)のような検査方法を採用した場合に
は、新規設置時や調整・保守点検時において、複数のプ
ラズマチャンバごとの機差をなくして処理のばらつきを
なくし、同一のプロセスレシピにより同一処理結果を得
るために必要な調整時間が、月単位で必要となってしま
う。このため、調整期間の短縮が求められるとともに、
このような調整に必要な検査用基板等の費用、この検査
用基板の処理費用、および、調整作業に従事する作業員
の人件費等、コストが膨大なものになるという問題があ
った。
【0018】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の目的を達成しようとするものである。 1.プラズマ処理装置の性能が適正に発揮維持されてい
るかどうかを確認するための迅速かつ簡便な評価方法を
提供すること。 2.プラズマ処理装置の性能が適正に維持されていない
場合に、簡便で迅速な是正可能な保守方法を提供するこ
と。 3.納入先において、プラズマ処理装置の性能が適正に
発揮維持されるように管理するための、あるいは、性能
が適正に発揮されていない場合には、保守作業を直ちに
行えるよう管理するための性能管理システムを提供する
こと。 4.適正な動作状態に簡便に維持可能なプラズマ処理装
置を提供すること。 5.複数のプラズマチャンバに対して整合回路の交流抵
抗の電気的高周波的な特性の均一化を図ること。 6.複数のプラズマチャンバに対して同一のプロセスレ
シピを適用した際に、プラズマ処理結果の均一化を図る
こと。 7.ランニングコストおよび調整にかかる費用の削減を
図るとともに、生産性の向上を図ること。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ処理装
置の性能評価方法は、プラズマを励起するための電極を
有するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給
するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し
該入力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に
前記電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部
分が接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周
波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路
と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズ
マ処理装置の性能評価方法であって、前記プラズマ処理
室ユニットの整合回路において、前記入力端子側から測
定した交流抵抗RAの、時刻t0 とその後の時刻t1
おける値RA0 、RA1 の差ΔRAの絶対値を求め、前
記プラズマ処理室ユニットの整合回路において、前記出
力端子側から測定した交流抵抗RBの、時刻t0 とその
後の時刻tr における値RB0 、RB1 の差ΔRBの絶
対値をそれぞれ求め、その値が所定の値より小さい値で
ある場合に、所定の性能を維持していると判断し、その
値が所定の値以上の値である場合に、所定の性能を維持
していないと判断することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記入力端子側交流抵抗RAの測定範
囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子と
される測定位置への接続を切断し、その測定位置から測
定した範囲に設定されてなることが望ましい。また、本
発明において、前記高周波電源と前記入力端子とが高周
波電力給電体を介して接続され、前記入力端子側交流抵
抗RAの測定範囲が、前記出力端子への接続を切断し、
前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部とされる
測定位置への接続を切断し、その測定位置から測定した
範囲に設定されてなる手段を採用することもできる。ま
た、本発明は、前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲
が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子とさ
れる測定位置への接続を切断し、その測定位置から測定
した範囲に設定されてなるができる。本発明は、前記電
極と前記出力端子とが高周波電力配電体を介して接続さ
れ、前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲が、前記入
力端子への接続を切断し、前記高周波電力配電体の前記
電極側端部とされる測定位置への接続を切断し、その測
定位置から測定した範囲に設定されてなることが可能で
ある。また、本発明においては、前記交流抵抗が、前記
高周波電源の高周波電力の周波数における値に設定され
てなることがある。また、本発明においては、前記ΔR
Aに対する前記所定の値が前記RA0 の0.5倍より小
さい範囲の値に設定されるとともに、前記ΔRBに対す
る前記所定の値が前記RB0 の0.5倍より小さい範囲
の値に設定されてなることが好ましく、より好ましく
は、前記ΔRAに対する前記所定の値が前記RA0
0.4倍より小さい範囲の値に設定されるとともに、前
記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB0 の0.4倍
より小さい範囲の値に設定されてなることができる。本
発明は、前記入出力端子の間で前記接地電位部分に接続
される接続点が複数ある場合には、前記接続点のうち1
の接続点のみが前記接地電位部分に接続するよう他の接
続点を切断した状態とされ、かつ、各々接続する接続点
を切り替えて、それぞれ前記交流抵抗を測定することが
可能である。また、本発明においては、時刻t0 とその
後の時刻t1 との間に、前記プラズマ処理室内に被処理
物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われるこ
とか、または、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部
品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることか、
あるいは、分解、搬送、及び再組み立てが施されること
ができる。本発明におけるプラズマ処理装置およびその
保守方法においては、上記のプラズマ処理装置の評価方
法の結果、ΔRA、△RBの絶対値が所定の値以上の場
合に、交流抵抗RA、RBの是正作業を行うことにより
上記課題を解決した。本発明のプラズマ処理装置の性能
管理システムは、プラズマを励起するための電極を有す
るプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給する
ための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入
力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に前記
電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部分が
接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電
源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、を
具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処理
装置の性能管理システムであって、前記プラズマ処理室
ユニットの整合回路において前記入力端子側から測定し
た交流抵抗RAの時刻t0 における値RA0 と、前記プ
ラズマ処理室ユニットの整合回路において前記出力端子
側から測定した交流抵抗RBの時刻t0 における値RB
0 とを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で
接続された納入先入出力装置と、を備え、前記サーバー
は、前記RA0 のその後の時刻t1 における値RA1
前記納入先入出力装置から受信し、前記RA0 とこのR
1 との差であるΔRAの絶対値を演算するとともに、
前記RB0 のその後の時刻t1 における値RB1 を前記
納入先入出力装置から受信し、前記RB0 とこのRB1
との差であるΔRBの絶対値を演算し、これらの値が所
定の値より小さい値である場合には、所定の性能を維持
している旨の信号を、所定の値以上の値である場合に
は、所定の性能を維持していない旨の信号を、各々納入
先入出力装置に発信することにより上記課題を解決し
た。本発明において、前記サーバーが、プラズマ処理室
ユニットの固有番号毎に前記RA0 およびRB0 を記憶
し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固
有番号を受信して、当該固有番号に対応するRA0 およ
びRB0 を用いて演算をすることが望ましい。また、本
発明において、前記納入先入出力装置に、プラズマ処理
装置に接続された高周波特性測定器を接続して、この高
周波特性測定器から前記サーバーに、前記RA1 および
RB1 が直接送信される手段を採用することもできる。
また、本発明は、前記サーバーが搬送元において出力装
置を備え、ΔRAの絶対値およびΔRBの絶対値がそれ
ぞれ所定の値を超える場合に、前記出力装置から、保守
作業命令を出力することができる。本発明のプラズマ処
理装置の性能管理システムにおいては、プラズマを励起
するための電極を有するプラズマ処理室と、前記電極に
高周波電力を供給するための高周波電源と、入力端子と
出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が接続さ
れ前記出力端子に前記電極が接続されこれら入出力端子
の間に接地電位部分が接続されるとともに前記プラズマ
処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る
ための整合回路と、を具備するプラズマ処理室ユニット
を有するプラズマ処理装置の性能管理システムであっ
て、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において前
記入力端子側から測定した交流抵抗RAの時刻t0 にお
ける値RA0 と、前記プラズマ処理室ユニットの整合回
路において前記出力端子側から測定した交流抵抗RBの
時刻t0 における値RB0 と、各々所定の値の範囲によ
って決められた故障レベルに対応して登録されたサービ
スエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサー
バーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信
回線で接続された納入先入出力装置と、を備え、前記サ
ーバーは、前記RA0 のその後の時刻t1 における値R
1 を前記納入先入出力装置から受信し、前記RA0
このRA1 との差であるΔRAの絶対値を演算するとと
もに、前記RB0 のその後の時刻t1 における値RB1
を前記納入先入出力装置から受信し、前記RB0 とこの
RB1 との差であるΔRBの絶対値を演算し、これらの
値が、何れかの故障レベルの所定の値の範囲である場合
には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障
レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報
と共に、保守作業命令を出力することにより上記課題を
解決した。本発明は、前記サーバーが、前記当該故障レ
ベルを、前記納入先入出力装置にも発信することが可能
である。本発明のプラズマ処理装置は、プラズマを励起
するための電極を有するプラズマ処理室と、前記電極に
高周波電力を供給するための高周波電源と、入力端子と
出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が接続さ
れ前記出力端子に前記電極が接続されこれら入出力端子
の間に接地電位部分が接続されるとともに前記プラズマ
処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る
ための整合回路と、を具備するプラズマ処理室ユニット
を有するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理
室ユニットの整合回路において、前記入力端子側から測
定した交流抵抗RAの、時刻t0 とその後の時刻t1
おける値RA0 、RA1 の差ΔRAの絶対値が所定の値
より小さい値に維持されるとともに、前記プラズマ処理
室ユニットの整合回路において、前記出力端子側から測
定した交流抵抗RBの、時刻t0 とその後の時刻t1
おける値RB0 、RB1 の差ΔRBの絶対値が所定の値
より小さい値に維持されることにより上記課題を解決し
た。本発明において、購入発注者が販売保守者から購入
した上記記載のプラズマ処理装置の時刻t0 とその後の
時刻t1 において計測可能な動作性能状況を示す性能状
況情報の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注者側
情報端末と、販売保守者が前記性能状況情報をアップロ
ードする販売保守者側情報端末と、前記購入発注者側情
報端末の要求に応答して、販売保守者側情報端末からア
ップロードされた性能状況情報を購入発注者側情報端末
に提供する性能状況情報提供手段と、を具備する手段を
採用することもできる。本発明は、性能状況情報が、前
記交流抵抗RA,RBを含むことが可能であり、また、
性能状況情報が、カタログまたは仕様書として出力され
ることができる。
【0020】以下、上記各発明をさらに詳細に説明す
る。本発明においては、それぞれのプラズマ処理室に対
応するプラズマチャンバ(プラズマ処理室ユニット)に
おいて、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路におい
て、前記入力端子側から測定した交流抵抗RAの、時刻
0 とその後の時刻t1 における値RA0 、RA1 の差
ΔRAの絶対値を求めるとともに、前記プラズマ処理室
ユニットの整合回路において、前記出力端子側から測定
した交流抵抗RBの、時刻t0 とその後の時刻tr にお
ける値RB0 、RB1 の差ΔRBの絶対値をそれぞれ求
め、その値がそれぞれ所定の値より小さい値である場合
に、所定の性能を維持していると判断し、その値が各々
所定の値以上の値である場合に、所定の性能を維持して
いないと判断することにより、この値を比較することに
より、プラズマ処理装置の性能評価を可能とした。さら
に、時刻t0 にはプラズマチャンバの調整をおこなって
おき、時刻t1 においてさらにプラズマチャンバの動作
状態を確認してこの確認結果に基づいて交流抵抗の値を
調整することができ、その結果、時間経過によってプラ
ズマチャンバの状態が変化した場合でも交流抵抗の変化
に伴う、プラズマ空間で消費される実効的な電力以外の
電力損失が増大することの防止を図ることができる。す
なわち、分解搬送後の新規設置時やその後の使用による
プラズマ処理の繰り返し、あるいは調整・保守点検等の
際に、プラズマチャンバの性能が所定の性能レベルを維
持しているか、また、プラズマチャンバが複数ある場合
には、性能の機差が充分抑えられているか等の評価、つ
まり、プラズマチャンバにおいて例えば成膜をおこなっ
た際に、同一の成膜条件において、膜厚、絶縁耐圧、エ
ッチングレート等、所望の膜特性の膜を得ることができ
るかどうかを評価することが可能となる。
【0021】この交流抵抗RA,RBの測定は瞬時に行
うことができるので、基板への実際の成膜等による従来
の検査方法を採用した場合に比べて、大幅に評価時間を
短縮することができる。また、性能評価に必要な検査用
基板等の費用、この検査用基板の検査処理費用、およ
び、評価作業に従事する作業員の人件費等の、コストを
削減することが可能となる。そのため、本発明に係るプ
ラズマ処理装置の評価方法によれば、プラズマ処理装置
の性能評価を瞬時にしかも低コストに行うことができ
る。また、プラズマ処理装置が、複数のプラズマ処理室
を有している場合には、それぞれ求めた交流抵抗RA,
RBを指標とし、時刻t0 にプラズマチャンバの調整を
おこなって機差を無くしておくことにより、時刻t1
おいて各プラズマ処理室に対して、常に同一のプロセス
レシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を得るこ
と、つまり、プラズマ処理室において例えば成膜をおこ
なった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略
均一な膜特性の膜を継続して得ることを可能とするもの
である。また、本発明に係る保守方法によれば、性能評
価結果を瞬時に、かつコストをかけずに行うことができ
るので、所望の頻度で性能評価を行い、その結果を直ち
に反映して是正作業を行うことができる。
【0022】また、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムによれば、メーカー等が管理するサーバ
ーを利用することにより、納入先の使用者等が簡便に性
能評価結果を知ることができる。また、本発明に係るプ
ラズマ処理システムの性能管理システムによれば、メー
カー等が管理するサーバーを利用することにより、納入
先の使用者等が簡便に性能評価結果や機差に関する情報
を知ることができる。また、本発明に係るプラズマ処理
装置によれば、交流抵抗RA,RBという、常時確認可
能な指標により性能を維持されるので、良好なプラズマ
処理を行うことが可能となる。さらに、本発明に係るプ
ラズマ処理装置の性能確認システムによれば、販売保守
者が管理するサーバーを利用することにより、購入発注
者が、プラズマ処理装置の動作性能状況を簡便に知るこ
とができる。
【0023】従って、何れの発明も、問題のあるプラズ
マ処理作業を行ってしまうことを事前に回避し、良好な
状態にプラズマ処理装置を保つことに寄与するものであ
る。また、複数回おこなう同一のプラズマ処理に対し
て、時間的に常に同一のプロセスレシピを適用して略同
一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、プラズマチ
ャンバにおいて例えば成膜をおこなった際に、所望の膜
厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性の
膜を継続して得ることを可能とするものである。なお、
プラズマ処理装置が、複数のプラズマ処理室を有してい
たり、複数のプラズマ処理装置が結合してプラズマ処理
システムを構成している場合には、各プラズマ処理室毎
にこの交流抵抗RA,RBを求めて指標とすることがで
きる。
【0024】ここで、交流抵抗の定義について説明す
る。整合回路は、プラズマ処理室内のプラズマ状態等の
変化に対応してインピーダンスを調整するために、その
多くは複数の受動素子を具備する構成とされている。図
3は整合回路2Aを示す模式図である。具体的には、整
合回路2Aの構成例として、図3に示すように、高周波
電源1とプラズマ放電用の電極4との間に、インダクタ
ンスコイル23とチューニングコンデンサ24とが直列
に設けられ、さらに、入力端子とされる測定位置PR3
とインダクタンスコイル23との間である分岐点B1に
は、他のロードコンデンサ22が高周波電源1からチュ
ーニングコンデンサ24に対して並列に接続されその一
端が接地電位部分(マッチングボックス)2に接続され
てアースされている構成が挙げられる。そして、これ以
外にも、整合回路2Aの電気的高周波的な要因として、
前記の各受動素子を接続する導体や同軸ケーブルのよう
な要因も存在している。これらの導体や同軸ケーブル
は、交流的に、レジスタンスやインダクタンスを有して
おり、交流電流を流した際に、寄生的に抵抗が存在して
いる。そして、受動素子としてレジスタンスを考慮して
いないインダクタンスコイル23等においても同様にレ
ジスタンスは寄生的に存在している。
【0025】図4は整合回路における寄生抵抗を説明す
るための模式回路図である。これらの寄生抵抗として
は、具体的には図4に示すように、入力端子とされる測
定位置PR3とインダクタンスコイル23とを接続する
導体R1における寄生抵抗RR1と、ロードコンデンサ2
2と接地電位部分(マッチングボックス)2とを接続す
る導体R2における寄生抵抗RR2と、インダクタンスコ
イル23における寄生抵抗RLTと、を考慮することがで
きる。このような整合回路2Aの受動素子および回路を
構成する導体等までも考慮して、入力端子側から、およ
び出力端子側から、整合回路2Aの交流適応を測定す
る。このとき、後述するように整合回路2Aのインピー
ダンス測定範囲を規定し、このインピーダンス測定範囲
に対して、供給する電力周波数fe を含む範囲に測定周
波数を設定してインピーダンスのベクトル量(Z,θ)
を測定することにより、整合回路2Aのインピーダンス
を計測する。ここで、例えば13.56MHz,27.
12MHz,40.68MHz等の値に設定される電力
周波数feに対応して、測定周波数を例えば1MHz〜
100MHz程度の範囲に設定することができる。整合
回路2Aの前記入力端子側交流抵抗RAとしては、図4
にIRAで示すように、入力端子とされる測定位置PR3
から分岐点B1を経て接地電位部分まで、つまり、導体
R1における寄生抵抗RR1と、導体R2における寄生抵
抗RR2とを測定することになる。また、整合回路2Aの
前記出力端子側交流抵抗RBとしては、図4にIRBで示
すように、出力端子とされる測定位置PRから分岐点B
1を経て接地電位部分まで、つまり、インダクタンスコ
イル23における寄生抵抗R LTと、導体R2における寄
生抵抗RR2とを測定することになる。これにより、高周
波電源から電極へ至る部分である整合回路2Aの入力端
子から出力端子に至るまでの寄生抵抗を考慮することが
可能となる。ここで、寄生抵抗RR1およびRLTにおいて
は、分岐点B1からチューニングコンデンサ24までの
導体の抵抗値をも含むものとみなすことができる。
【0026】次に、プラズマチャンバにおける整合回路
の交流抵抗測定範囲(高周波数特性測定範囲)について
説明する。プラズマチャンバの整合回路には、その入力
端子に高周波電力給電体(給電線)を介して高周波電源
が接続され、出力端子に高周波電力配電体(給電板)を
介して電極が接続されるとともに、これら入出力端子の
間に接地電位部分が接続される。この整合回路におい
て、出力端子における接続を切り離した状態で、入力端
子側交流抵抗RAとして、入力端子側から接地電位部分
に至る整合回路2Aの部分を前記測定範囲と定義するこ
とができる。さらに、入力端子における接続を切り離し
た状態で、出力端子側交流抵抗RBとして、出力端子側
から接地電位部分に至る整合回路2Aの部分を前記測定
範囲と定義することができる。このとき、入力端子側、
出力端子側それぞれの測定位置としては、例えば、図4
にPR3で示すように、入力端子側交流抵抗RAでは前
記入力端子が、また、図4にPRで示すように、出力端
子側交流抵抗RBでは前記出力端子が適用される。これ
により、整合回路2Aの入力端子から出力端子に至るま
での交流抵抗を測定することが可能となる。
【0027】このように、本発明において、前記それぞ
れのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の整
合回路において、前記入力端子側交流抵抗RAの測定範
囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子と
される図4にPR3で示す測定位置からへの接続を切断
し、その測定位置測定した範囲に設定されてなることに
より、整合回路も含めたプラズマチャンバに対し、時刻
0 にはプラズマチャンバの調整をおこなっておき、時
刻t1 においてさらにプラズマチャンバの動作状態を確
認してこの確認結果に基づいて交流抵抗の値を調整する
ことができ、その結果、時間経過によってプラズマチャ
ンバの状態が変化した場合でも交流抵抗の変化に伴う、
プラズマ空間で消費される実効的な電力以外による電力
損失増大の防止を図ることができる。これにより、電気
的高周波的な特性の時間変化をなくすことが可能とな
り、プラズマチャンバにおいてプラズマ空間で消費され
る実効的な電力の時間的な略均一性を高めることがで
き、例えばプラズマ処理をおこなう際に、時間的に同一
のプロセスレシピを適用して、測定範囲に整合回路を含
めない場合に比べて、時間的に略同一性の高いつまり時
間変化のないプラズマ処理結果を得ることができる。ま
た、プラズマチャンバが複数ある場合には、整合回路も
含めた複数のプラズマチャンバに対し、電気的高周波的
な特性の時間経過に伴う機差をなくすことが可能とな
り、個々のプラズマチャンバにおいてプラズマ空間で消
費される実効的な電力の略均一性を高めることができ、
これに同一のプロセスレシピを適用して、略同一性の高
いプラズマ処理結果を得ることができる。
【0028】また、本発明においては、上記の前記入力
端子側交流抵抗RAの測定位置に変えて、前記それぞれ
のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)におい
て、前記出力端子への接続を切断し、前記高周波電力給
電体(給電線)の前記高周波電源側端部とされる図3に
PR2で示す測定位置への接続を切断し、その測定位置
から測定した範囲に設定されてなることにより、測定範
囲に高周波電力給電体(給電線)を含めない場合に比べ
て、整合回路だけでなく給電線も含めて、発生すること
が考えられる電気的高周波的な特性の時間変化をなくす
ことが可能となり、プラズマチャンバにおいてプラズマ
空間で消費される実効的な電力の時間的な略均一性をさ
らに高めることができ、例えばプラズマ処理をおこなう
際に、時間的に同一のプロセスレシピを適用して、測定
範囲に給電線を含めない場合に比べて、さらに時間的に
略同一性の高いつまり時間変化のないプラズマ処理結果
を得ることができる。また、プラズマチャンバが複数あ
る場合には、給電線も含めた複数のプラズマチャンバに
対し、電気的高周波的な特性の時間経過に伴う機差をな
くすことが可能となり、個々のプラズマチャンバにおい
てプラズマ空間で消費される実効的な電力の略均一性を
高めることができ、これに同一のプロセスレシピを適用
して、給電線を含めない場合に比べて、さらに略同一性
の高いプラズマ処理結果を得ることができる。
【0029】さらに、本発明においては、前記それぞれ
のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の整合
回路において、前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲
が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子とさ
れる図4にPRで示す測定位置への接続を切断し、その
測定位置から測定した範囲に設定されてなることによ
り、整合回路も含めたプラズマチャンバに対し、時刻t
0 にはプラズマチャンバの調整をおこなっておき、時刻
1 においてさらにプラズマチャンバの動作状態を確認
してこの確認結果に基づいて交流抵抗の値を調整するこ
とができ、その結果、時間経過によってプラズマチャン
バの状態が変化した場合でも交流抵抗の変化に伴う、プ
ラズマ空間で消費される実効的な電力以外による電力損
失増大の防止を図ることができる。これにより、電気的
高周波的な特性の時間変化をなくすことが可能となり、
プラズマチャンバにおいてプラズマ空間で消費される実
効的な電力の時間的略均一性を高めることができ、時間
経過があった場合にも各動作時においてそれぞれ同一の
プロセスレシピを適用して、略同一性の高いプラズマ処
理結果を得ることができる。また、プラズマチャンバが
複数ある場合には、整合回路も含めた複数のプラズマチ
ャンバに対し、電気的高周波的な特性の時間経過に伴う
機差をなくすことが可能となり、個々のプラズマチャン
バにおいてプラズマ空間で消費される実効的な電力の略
均一性を高めることができ、これに同一のプロセスレシ
ピを適用して、略同一性の高いプラズマ処理結果を得る
ことができる。
【0030】また、本発明においては、上記の前記出力
端子側交流抵抗RBの測定位置に変えて、前記それぞれ
のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)におい
て、前記出力端子への接続を切断し、前記高周波電力配
電体(給電板)の前記電極側端部とされる図3にPR4
で示す測定位置への接続を切断し、その測定位置から測
定した範囲ことにより、測定範囲に高周波電力配電体
(給電板)を含めない場合に比べて、整合回路だけでな
く給電板も含めて、発生することが考えられる電気的高
周波的な特性の時間変化をなくすことが可能となり、プ
ラズマチャンバにおいてプラズマ空間で消費される実効
的な電力の時間的な略均一性をさらに高めることがで
き、例えばプラズマ処理をおこなう際に、時間的に同一
のプロセスレシピを適用して、測定範囲に給電板を含め
ない場合に比べて、さらに時間的に略同一性の高いつま
り時間変化のないプラズマ処理結果を得ることができ
る。また、プラズマチャンバが複数ある場合には、給電
板も含めた複数のプラズマチャンバに対し、電気的高周
波的な特性の時間経過に伴う機差をなくすことが可能と
なり、個々のプラズマチャンバにおいてプラズマ空間で
消費される実効的な電力の略均一性を高めることがで
き、これに同一のプロセスレシピを適用して、給電板を
含めない場合に比べて、さらに略同一性の高いプラズマ
処理結果を得ることができる。
【0031】また、本発明においては、上記のような一
つの評価基準(以下「評価基準1」という。)として、
前記ΔRA,ΔRBと比較する前記所定の値に特に制限
は設けないことができる。しかし、例えば、前記RA0
の0.5倍より小さい範囲の値に設定されるとともに、
前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB0 の0.5
倍より小さい範囲の値に設定されてなることが好まし
い。この場合、プラズマCVD装置において、例えばプ
ラズマ処理をおこなう際に、複数の処理回数における各
回の堆積速度の変動を±7%以内に抑えることができ
る。さらに、より好ましくは、前記ΔRAに対する前記
所定の値が前記RA0 の0.4倍より小さい範囲の値に
設定されるとともに、前記ΔRBに対する前記所定の値
が前記RB0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定され
てなることができる。この場合、たとえばプラズマCV
D装置において、堆積速度の変動を±3%以内に抑える
ことができる。
【0032】また、本発明においては、前記交流抵抗
が、前記委高周波電源の高周波電力の周波数における値
に設定されてなる手段を採用することにより、プラズマ
チャンバの動作時である時間的に隔たった実際のプラズ
マ発生時における、プラズマチャンバの電気的高周波的
な特性の差をなくすことが可能となり、これにより、交
流抵抗、インピーダンス等の高周波特性などを指標とす
る一定の管理幅内にプラズマチャンバの状態を設定する
ことが可能となるので、時間が経過した状態のプラズマ
チャンバにおいて、プラズマ空間で消費される実効的な
電力をそれぞれ略均一にすることができる。ここで、プ
ラズマチャンバの電気的高周波的な特性として、レジス
タンスRを採用することにより、これらレジスタンスR
とリアクタンスXとのベクトル量であるインピーダンス
Zを見ることに比べて、より直接的にプラズマチャンバ
のプラズマ励起する周波数における電気的高周波数的特
性を捉えることができる。
【0033】本発明においては、他の評価基準(以下
「評価基準2」という。)として、プラズマ処理装置ま
たはこのプラズマ処理装置を複数有するプラズマ処理シ
ステムが、複数のプラズマチャンバを有する場合にそれ
ぞれの整合回路およびプラズマ処理室に対応するプラズ
マチャンバ(プラズマ処理室ユニット)において、少な
くとも前記時刻t0 および前記時刻t1 に整合回路等の
前記入力端子側交流抵抗RAおよび前記出力端子側交流
抵抗RBの最大値と最小値のばらつきを、それぞれ以下
の式(14A)(14B) <RA> = (RAmax −RAmin )/(RAmax +RAmin ) (14A) <RB> = (RBmax −RBmin )/(RBmax +RBmin ) (14B) として定義し、この値<RA>,<RB>を所定の範囲の値
に設定することで、複数のプラズマチャンバ(プラズマ
処理室ユニット)に対してインピーダンスに寄与する交
流抵抗の値、つまり、電気的高周波的な特性の機差をな
くすことが可能となり、これにより、インピーダンス特
性などを指標とする一定の管理幅内に複数のプラズマチ
ャンバを設定することが可能となるので、個々のプラズ
マチャンバにおいて、プラズマ空間で消費される実効的
な電力をそれぞれ略均一にすることができる。その結
果、複数のプラズマチャンバに対して同一のプロセスレ
シピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を得るこ
と、つまり、複数のプラズマチャンバにおいて例えば成
膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレー
ト等、略均一な膜特性の膜を得ることが可能となる。
【0034】この交流抵抗は、機械的な構造をその多く
の要因としてきまる電気的高周波的な特性であり、各実
機(プラズマチャンバ)ごとに異なっていると考えられ
る。上記の範囲に、この交流抵抗を設定することによ
り、各実機に対しても、従来考慮されていなかったその
全般的な電気的高周波的特性を設定することが可能とな
り、プラズマ発生の安定性を期待することができる。そ
の結果、動作安定性が高く、各プラズマチャンバで均一
な動作が期待できるプラズマ処理装置またはプラズマ処
理システムを提供することが可能となる。さらに、上記
の所定の値を0.4より小さい範囲に設定することで、
複数のプラズマチャンバに対して、インピーダンス、イ
ンピーダンスの実部である交流抵抗、共振周波数特性、
容量等の電気的高周波的な特性の機差をなくすことが可
能となり、これにより、インピーダンス特性を指標とす
る一定の管理幅内に複数のプラズマチャンバを設定する
ことが可能となるので、個々のプラズマチャンバにおい
て、プラズマ空間で消費される実効的な電力をそれぞれ
略均一にすることができる。その結果、複数のプラズマ
チャンバに対して同一のプロセスレシピを適用して、略
同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、複数のプ
ラズマチャンバにおいて例えば成膜をおこなった際に、
膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性
の膜を得ることが可能となる。具体的には、上記のばら
つきの値を0.4より小さい範囲に設定することによ
り、略同一の条件で積層をおこなっプラズマチャンバに
おいて、膜厚のばらつきの値を±3%の範囲におさめる
ことができる。
【0035】また、本発明においては、上記評価基準1
と評価基準2とを組み合わせて用いることができる。こ
の場合、動作安定性の高いプラズマ処理装置を維持する
上で、適切な性能評価方法を提供することが可能となる
と共に、複数のプラズマ処理室に対して交流抵抗RA,
RB等の電気的高周波的な特性の機差が小さい状況を維
持する上で、適切な性能評価方法を提供することが可能
となる。
【0036】本発明において、前記入出力端子の間で前
記接地電位部分に接続される接続点が複数ある場合に
は、これらの接続点のうち1箇所の接続点のみを前記接
地電位部分に接続するよう他の接続点を切断した状態と
し、かつ、各々接続する接続点を切り替えて、異なる接
続点に対してそれぞれ前記入力端子側交流抵抗および前
記出力端子側交流抵抗を測定することにより、整合回路
に複数の接続点が存在する場合であっても、各接続点ご
とに接続状態を設定して測定範囲を設定し、この測定範
囲ごとに異なる状態とされる整合回路の受動素子に対し
て測定したそれぞれの交流抵抗を、各時刻におけるプラ
ズマチャンバに対して設定することで、時間経過を伴っ
た状態のプラズマチャンバにおいて、プラズマ空間で消
費される実効的な電力をそれぞれ略均一にすることがで
きる。ここで、各接続状態に対応する測定範囲のうち、
交流抵抗の各時刻における差の値が最も大きいものが上
記の所定の範囲の値に設定されることが好ましい。
【0037】上記本発明に係るプラズマ処理装置の性能
管理システムは、たとえば、プラズマ処理装置又はプラ
ズマ処理システムのメーカー、流通業者、メンテナンス
業者等からユーザー等にプラズマ処理装置又はプラズマ
処理システムを納入するに際して、搬送元で分解後、納
入先に搬送して、納入先にて再組み立てをするという一
連の処理工程を経た後、あるいは、その後の使用期間中
のように、時刻t0 からある時間が経過した後の時刻t
1 において、プラズマ処理装置の性能が維持されている
かどうかを評価しその性能を管理するシステムである。
本管理システムにおけるサーバーは、プラズマ処理装置
又はプラズマ処理システムのメーカー、流通業者、メン
テナンス業者等の搬送元が管理するものであるが、その
設置場所は搬送元に特に限定されない。このサーバーは
交流抵抗RA,RBの分解前の値RA0 ,RB0 を記憶
している。そして、この記憶したRA0,RB0 を用い
て、搬入先にあるプラズマ処理装置の性能を評価するも
のである。
【0038】このRA0 ,RB0 等の値は、メーカー等
で管理している標準的な容量RA0,RB0 等の値とし
ても良いが、プラズマ処理装置あるいはプラズマ処理室
の固有番号毎にRA0 ,RB0 等の値を記憶することに
より、納入先の個別のプラズマ処理装置あるいはプラズ
マ処理室に対応して、より的確な評価ができる。従っ
て、より精度の高い管理システムとすることができる。
なお、プラズマ処理装置あるいはプラズマ処理室の固有
番号とは、プラズマ処理装置あるいは整合回路およびプ
ラズマ処理室を含むプラズマ処理室ユニット(プラズマ
チャンバ)を個別に特定できる番号であれば特に限定は
なく、その形式は数字だけでなく文字等を含むものであ
ってもよい。例えば、プラズマチャンバを一つ備えたプ
ラズマ処理装置の場合、当該プラズマ処理装置の製造番
号を、当該プラズマ処理室の固有番号として扱うことも
できる。また、複数のプラズマチャンバを有するプラズ
マ処理装置、あるいは、複数のプラズマ処理装置を備え
たプラズマ処理システムにおいては、個々のプラズマチ
ャンバにおける識別するために固有番号が付されること
になる。
【0039】サーバーには、納入先に設置された入出力
装置が通信回線で接続されている。この通信回線の媒体
や形式に特に限定はなく、離間した地点におかれたサー
バーと入出力装置との間で信号の授受ができるものであ
ればよい。すなわち、ケーブル回線、光ファイバー回
線、衛星回線等の種々の有線や無線の通信媒体を適宜使
用できると共に、電話回線網、インターネット網等種々
の通信形式を活用できる。また、納入先の入出力装置、
入力装置にも特に限定はなく、パーソナルコンピュー
タ、専用端末機、電話機等を利用する通信回線の種類等
に適応できる範囲で適宜選択できる。なお、評価基準2
を用いる性能管理システムにおける納入先入力装置で
は、少なくとも入力機能が必要で、出力機能は必須では
ないが、出力機能を備えていても差し支えないのはもち
ろんである。
【0040】サーバーは、係る納入先入出力装置から納
入後(あるいは再組み立て後)における交流抵抗R
0 ,RB0 を受信する。また、必要に応じてプラズマ
処理装置あるいはプラズマ処理室の固有番号を受信す
る。ここで、納入後とは、再組み立て直後だけでなく、
その後の使用期間中を含むものである。すなわち、サー
バーは、納入先のプラズマ処理装置やプラズマ処理シス
テムの性能を反映する値として交流抵抗RA1 ,RB1
を、適宜継続して受信できるものである。また、評価基
準1を用いる性能管理システムの場合、このサーバーは
上記交流抵抗RA0 ,RB0 を記憶している。そして、
この記憶した交流抵抗RA0 ,RB0 を用いて、搬入先
にあるプラズマ処理装置の性能を評価するものである。
また、上記サーバーは、納入先入出力装置から、交流抵
抗RA0 ,RB0 の納入後における交流抵抗RA1 ,R
1 を必要に応じて、その値を与えるプラズマ処理装置
あるいはプラズマ処理室の固有番号と共に受信するよう
にしてもよい。納入先入出力装置からサーバーに対し
て、交流抵抗RA1 ,RB1 の値やプラズマ処理装置あ
るいはプラズマ処理室の固有番号を送信するためには、
納入先入出力装置に納入先のユーザーや、納入先を訪問
したサービスマン等がこれらの値を手で入力することが
できるが、この入力作業は適宜自動化や省力化が可能で
ある。例えば、納入先入出力装置に、プラズマ処理装置
又はプラズマ処理システムに接続された交流抵抗を測定
する測定器を接続して、この測定器から上記サーバー
に、交流抵抗値RA1 ,RB1 等を直接送信することが
できる。また、単独のプラズマ処理室を備えたプラズマ
処理装置を単独で使用する納入先においては、プラズマ
処理装置の固有番号を一度納入先入出力装置に登録し、
その後は入力作業を省略することができる。
【0041】サーバーは、上記交流抵抗RA0 ,R
0 ,RA1 ,RB1 の値から、内部の演算処理装置を
用いてRA0 とRA1 との差であるΔRAの絶対値、お
よび、RB0 とRB1 との差であるΔRBの絶対値を演
算する。そして、その値ΔRA,ΔRBの絶対値いずれ
も所定の値より小さい値であった場合には、所定の性能
を維持している旨の信号を、また、少なくとも値ΔR
A,ΔRBの絶対値のいずれかが所定の値以上の値であ
る場合には、所定の性能を維持していない旨の信号を、
各々評価情報として納入先入出力装置に発信する。すな
わち、納入先入出力装置は評価情報を受信することがで
き、これにより、納入先においてプラズマ処理装置ある
いはプラズマ処理室の性能評価結果を把握することが可
能となる。なお、納入先入出力装置は、評価情報を表示
器に表示したり、プリントアウトしたり、あるいは警報
信号を発する等、適宜の方法で評価情報をユーザー等に
伝達することができる。なお、
【0042】この場合のサーバーは、また、搬送元にお
いて出力装置を備え、値ΔRAの絶対値、または、ΔR
Bの絶対値が所定の値を超える場合に、上記出力装置か
ら、評価情報として保守作業命令を出力することができ
る。この場合、対応するプラズマ処理室の固有番号も併
せて出力することが望ましい。これにより、納入先のプ
ラズマ処理装置やプラズマ処理システムの不具合を搬送
元においていち早く把握し、直ちに保守サービスを提供
することができる。なお、サーバーが搬送元におかれて
いない場合には、サーバーと出力装置との間には任意の
通信回線が使用される。
【0043】サーバーが、納入先入出力装置と搬送元の
出力装置との双方に評価情報を提供する場合、両評価情
報の基礎となる所定の値は必ずしも同一の値でなくとも
よい。例えば、納入先入出力装置に発信する評価情報に
ついては、前記所定の値をRA0 の0.5倍より小さい
範囲の値に設定し、この値を越えたときに所定の性能を
維持していない旨の信号を発信するとともに、一方、搬
送元の出力装置には、所定の値をRA0 の0.4倍より
小さい範囲の値に設定して、この値を越える場合に保守
作業命令を出力するようにしても良い。このように、搬
送元の出力装置に対して、納入先入出力装置に対するよ
りも厳しい評価基準に基づき保守作業命令が出される場
合には、納入先のプラズマ処理装置の性能が大きく変動
する以前に搬送元(納入者)による保守サービスを行う
ことができる。すなわち、より先手を打った保守体制を
確立することができる。
【0044】また、本発明における他のプラズマ処理装
置の性能管理システムも、たとえば、プラズマ処理装置
またはプラズマ処理システムのメーカー、流通業者、メ
ンテナンス業者等からユーザー等にプラズマ処理装置を
納入するに際して、搬送元で分解後、納入先に搬送し
て、納入先にて再組み立てをするという一連の処理工程
を経た後、あるいは、その後の使用期間中のように、時
刻t0からある時間が経過した後の時刻t1において、プ
ラズマ処理装置の性能が維持されているかどうかを評価
しその性能を管理するシステムである。本発明に係るプ
ラズマ処理装置の性能管理システムの特徴が、先のプラ
ズマ処理装置の性能管理システムの特徴と異なる点は、
サーバーが、各々所定の値の範囲によって決められた故
障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情
報とを記憶するとともに、搬送元における出力装置を備
える点である。そして、サーバーが、ΔRA,ΔRBの
絶対値を演算した後、その値が、何れかの故障レベルの
所定の値の範囲である場合には、上記出力装置から、当
該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録された
サービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力
するという処理をおこなう点にある。
【0045】この性能管理システムの場合、搬送元で
は、保守作業命令が出力されるとともに、どの程度の故
障レベルであるかの情報や、その故障レベルに応じてラ
ンク分けされた対応するサービスエンジニアの情報も出
力される。そのため、この本発明に係る他のプラズマ処
理装置の性能管理システムによれば、遠隔地に納入した
プラズマ処理装置であっても、搬送元において、その故
障レベルを把握することができる。そして、その故障レ
ベルに応じて、教育訓練度合の異なるサービスエンジニ
アを派遣することができる。したがって、人材活用が合
理化できると共に、迅速、かつ、的確なサポートを常に
おこなうことが可能となる。すなわち、装置納入後のフ
ィールドサポート体制の合理化が可能となるものであ
る。
【0046】評価基準2を用いる性能管理システムの場
合、サーバーは出力装置を備えている。この出力装置の
設置場所に特に限定はないが、搬送元、メーカー、サー
ビスセンター等、納入先に対する保守サービスを提供す
る場所ににおかれていることが望ましい。サーバーと出
力装置とが遠隔地におかれている場合には、両者の間に
は任意の通信回線が使用される。そして、このサーバー
は、評価基準2を用いて、搬入先にあるプラズマ処理装
置の性能を評価すると共に、望ましくない評価結果を得
た場合には、出力装置から保守作業命令を、その評価結
果に用いられた値として、時刻t0 および/または時刻
1 における交流抵抗RAの最大値RAmax と最小値R
min とそのばらつき<RA>、および、交流抵抗RBの
最大値RBmax と最小値Bmin とそのばらつき<RB>
を、この値を与えたプラズマ処理室の固有番号と共に出
力するものである。
【0047】このように、複数のプラズマチャンバがあ
る場合、サーバーは評価基準2による評価を行うため
に、納入先入力装置から各プラズマチャンバにおける高
周波特性としての交流抵抗RA,RBの納入後における
交流抵抗RA1 ,RB1 を受信する。ここで、納入後と
は、再組み立て直後だけでなく、その後の使用期間中を
含むものである。すなわち、サーバーは、納入先のプラ
ズマ処理装置やプラズマ処理システムの性能を反映する
交流抵抗RA1 ,RB1 適宜継続して受信できるもので
ある。また、上記サーバーは、納入先入力装置から、高
周波特性としての交流抵抗RA,RBの納入後における
交流抵抗RA1 ,RB1 とともに、その値を与える個々
のプラズマ処理室あるいはプラズマ処理装置の固有番号
も受信する。
【0048】サーバーは、プラズマ処理装置全体または
プラズマ処理システム全体におけるプラズマ処理室のR
1 を総て受信すると、それらの値の中から、最大値R
1m axと最小値RA1minと、これらに対応する固有番号
を特定する。そして、式(14A)に従ってばらつきの
値<RA1> を求め、その値が所定の値以上の場合に、上
記出力装置から、保守作業命令を当該最大値および最小
値を与えたプラズマ処理室あるいはプラズマ処理装置の
固有番号とともに出力する。同時に、サーバーは、プラ
ズマ処理装置全体またはプラズマ処理システム全体にお
けるプラズマ処理室のRB1 を総て受信すると、それら
の値の中から、最大値RB1maxと最小値RB1minと、こ
れらに対応する固有番号を特定する。そして、式(14
B)に従ってばらつきの値<RB1> を求め、その値が所
定の値以上の場合に、上記出力装置から、保守作業命令
を当該最大値および最小値を与えたプラズマ処理室ある
いはプラズマ処理装置の固有番号とともに出力する。こ
れにより、納入先のプラズマ処理装置やプラズマ処理シ
ステムの不具合を搬送元等のサービス提供者側でいち早
く把握し、直ちに保守サービスを提供することができ
る。
【0049】本発明のプラズマ処理装置またはプラズマ
処理システムの性能確認システムにおいて、販売保守者
がアップロードした各プラズマ処理室ユニットの動作性
能状況を示す性能状況情報に対して、購入発注者が情報
端末から公衆回線を介して閲覧を可能とすることによ
り、購入発注者に対して、購入時に判断基準となる情報
を伝達することが可能となり、かつ、使用時における、
プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの動作性
能・保守情報を容易に提供することが可能となる。ま
た、前記性能状況情報が、上述したようにプラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムに対する性能パラメー
タとしての時刻t0 および/または時刻t1における前
記交流抵抗RA,RBおよびそのばらつきの値等の高周
波特性を含むことにより、購入発注者のプラズマ処理装
置またはプラズマ処理システムに対する性能判断材料を
提供できるとともに、購入時における適切な判断をする
ことが可能となる。さらに、前記性能状況情報を、カタ
ログまたは仕様書として出力することができる。
【0050】また、本発明において、交流抵抗測定時に
おける各プラズマチャンバと高周波特性測定器との間の
高周波特性Aがそれぞれ等しく設定されてなることがで
きる、これにより、複数のプラズマチャンバに対して、
高周波特性測定器からの交流抵抗、インピーダンス等の
測定値を、いずれも、設定された測定位置に対して、そ
れぞれの測定位置から高周波特性測定器までの高周波特
性測定値に対して補正をおこなった値と同等と見なすこ
とができるため、交流抵抗、インピーダンス等の高周波
特性の算出の補正が事実上不要となり、実測値の換算が
不要となるので、作業効率を向上することができる。具
体的に上記を実現する手段としては、各プラズマ処理室
ユニット(プラズマチャンバ)における、前記測定位置
から高周波特性測定器までの同軸ケーブルの長さを等し
くする等の手段を適応することができる。
【0051】本発明において、プラズマ処理システム
は、少なくとも1のプラズマ処理装置を含むものとされ
る。なお、本発明において、個々のプラズマ処理装置に
設けられたプラズマチャンバの数、および、プラズマ処
理システムにおけるプラズマ処理装置の数およびプラズ
マチャンバの数は任意に設定することができる。そし
て、プラズマ処理装置ごとに、用途が異なりプロセスレ
シピを一致させる必要がない場合などには上述した交流
抵抗RA,RB等の高周波特性の設定条件を、例えばプ
ラズマ処理システム中のプラズマ処理装置ごとに異なっ
た設定とすることも可能である。
【0052】さらに、本発明では、第1の高周波電源
と、該第1の高周波電源と接続される高周波電極と、前
記第1の高周波電源と前記高周波電極との間のインピー
ダンスの整合を得る整合回路を備えた高周波電極側マッ
チングボックスと、第2の高周波電源と、前記高周波電
極と対向配置され前記第2の高周波電源と接続されると
ともに被処理基板を支持するサセプタ電極と、前記第2
の高周波電源と前記サセプタ電極との間のインピーダン
スの整合を得る整合回路を備えたサセプタ電極側マッチ
ングボックスとを有する、いわゆる2周波数励起型プラ
ズマCVD処理ユニットにおいても、サセプタ側の整合
回路に対して交流流抵等の高周波特性を、前述のカソー
ド電極側と同様にして設定することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプラズマ処理
装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は本実施の形態のプラズマ処理装
置71の概略構成を示す図である。本実施の形態のプラ
ズマ処理装置71は、例えば、トップゲート型TFTの
半導体能動膜をなす多結晶シリコンの成膜からゲート絶
縁膜の成膜までの一貫処理が可能なものとされ、複数の
処理室ユニットを有する装置とされる。
【0054】本実施の形態のプラズマ処理装置71は、
図1に示すように、略七角形状の搬送室72の周囲に、
5つの処理室ユニットと1つのローダ室73と1つのア
ンローダ室74とが連設されている。また、5つの処理
室ユニットの内訳としては、アモルファスシリコン膜を
成膜する第1成膜室、シリコン酸化膜を成膜する第2成
膜室、およびシリコン窒化膜を成膜する第3成膜室から
なるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)7
5,76,77、成膜後の被処理基板のアニーリング処
理を行うレーザアニール室78、成膜後の被処理基板の
熱処理を行う熱処理室79、である。
【0055】プラズマ処理室ユニット(プラズマチャン
バ)である、第1成膜室75、第2成膜室76、第3成
膜室77はそれぞれ異なる種類の膜を成膜するような異
なる処理をおこなうことも可能であり、また、同一のプ
ロセスレシピにより同一の処理をおこなうこともできる
ものであるが、略同一の構成とされている。そして、こ
れらの複数のプラズマチャンバ75,76,77におい
ては、後述するように、整合回路2Aにおいて、その入
力端子側から測定した交流抵抗RA0 と出力端子側から
測定した交流抵抗RB0 とが、分解搬送後、納入先にお
いて再組み立てした後においても、さらに、その後の使
用期間の時刻t1 においても、その時の交流抵抗RA
1 ,RB1 (高周波特性)が、それぞれ、RA0 、RA
1 の差ΔRAの絶対値がRA0 の0.5倍とされる所定
の値より小さい値に維持されるとともに、RB0 、RB
1 の差ΔRBの絶対値がRB0 の0.5倍とされる所定
の値より小さい値に維持されている。そして、入力端子
側交流抵抗RA0 の最大値RA0maxと最小値RA0min
のばらつきを前述の式(14A)として定義するととも
に、出力端子側交流抵抗RB0 の最大値RB0max と最
小値RB0min とのばらつきを前述の式(14B)とし
て定義し、これらの値が所定の範囲の値に設定されて設
計、製造されている。ここでは第1成膜室75を例に挙
げてその構成を説明する。
【0056】図2は本実施形態のプラズマ処理室ユニッ
ト(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面図、図3
は図2におけるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャ
ンバ)の整合回路を示す模式図である。
【0057】さらに詳細に説明すると、プラズマチャン
バ75は、図2,図3に示すように、チャンバ室(プラ
ズマ処理室)60の上部位置に高周波電源1に接続され
たプラズマ励起電極(電極)4およびシャワープレート
5が設けられ、チャンバ室60の下部にはシャワープレ
ート5に対向して被処理基板16を載置するサセプタ電
極(対向電極)8が設けられている。プラズマ励起電極
4は、給電板3および整合回路2Aを介して第1の高周
波電源1と接続されている。これらプラズマ励起電極4
および給電板3は、シャーシ21に覆われるとともに、
整合回路2Aは導電体からなるマッチングボックス2の
内部に収納されている。給電板3としては、例えば、幅
50〜100mm、厚さ0.5mm、長さ100〜30
0mmの形状を有する銅の表面に銀めっきを施したもの
が用いられており、この給電板3は、後述する整合回路
2Aのチューニングコンデンサ24の出力端子およびプ
ラズマ励起電極4にそれぞれネジ止めなどの結合手段に
より着脱可能に取り付けられている。
【0058】また、プラズマ励起電極(カソード電極)
4の下側には環状の凸部4aが設けられるとともに、こ
のプラズマ励起電極(カソード電極)4の下には、多数
の孔7が形成されているシャワープレート5が凸部4a
に接して設けられている。これらプラズマ励起電極4と
シャワープレート5との間には空間6が形成されてい
る。この空間6にはシャーシ21の側壁を貫通するとと
もにプラズマ励起電極(カソード電極)4を貫通してガ
ス導入管17が接続されている。
【0059】このガス導入管17は、導体からなるとと
もに、ガス導入管17の途中には絶縁体17aがシャー
シ21内側位置に介挿されてプラズマ励起電極14側と
ガス供給源側とが絶縁される。ガス導入管17から導入
されたガスは、シャワープレート5の多数の孔7,7か
らチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に
供給される。チャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソ
ード電極)4とは絶縁体9により互いに絶縁されてい
る。また、図2において、チャンバ室60に接続される
べき排気系の図示は省略してある。一方、チャンバ室6
0内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなる盤
状のウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられてい
る。
【0060】サセプタ電極(対向電極)8の下部中央に
は、シャフト13が接続され、このシャフト13がチャ
ンバ底部10Aを貫通して設けられるとともに、シャフ
ト13の下端部とチャンバ底部10A中心部とがベロー
ズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセ
プタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動
可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の
調整ができる。これらサセプタ電極8とシャフト13と
支持筒12Bとが接続されているため、サセプタ電極
8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10
A,チャンバ壁10は直流的に同電位となっている。さ
らに、チャンバ壁10とシャーシ21は接続されている
ため、チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボッ
クス2はいずれも直流的に同電位となっている。
【0061】ここで、整合回路2Aは、チャンバ室60
内のプラズマ状態等の変化に対応してインピーダンスを
調整するために、その多くは複数の受動素子を具備する
構成とされている。整合回路2Aは、図2,図3に示す
ように、複数の受動素子として、高周波電源1と給電板
3との間に設けられ、インダクタンスコイル23と、エ
アバリコンからなるチューニングコンデンサ24と、真
空バリコンからなるロードコンデンサ22と、これらの
受動素子を接続するための銅板とされる導体R1,R2
とから構成されている。これらのうち、導体R1,イン
ダクタンスコイル23,チューニングコンデンサ24
は、整合回路2Aの入力端子側から出力端子側へ直列に
接続されるとともに、導体R1,インダクタンスコイル
23の間の分岐点B1からこれらと並列にロードコンデ
ンサ22が接続されている。このインダクタンスコイル
23,チューニングコンデンサ24は、導体を介さずに
直接接続されており、また、ロードコンデンサ22の一
端は、接続点BP1において導体R2を介してマッチン
グボックス2(接地電位部分)に接続されている。ここ
で、チューニングコンデンサ24は整合回路2Aの受動
素子のうち最終端とされ、このチューニングコンデンサ
24の出力端子は整合回路2Aの出力端子とされてお
り、チューニングコンデンサ24は給電板3を介してプ
ラズマ励起電極4に接続されている。マッチングボック
ス2は、同軸ケーブルとされる給電線(高周波電力給電
体)1Aのシールド線に接続されており、このシールド
線が直流的にアースされている。これにより、サセプタ
電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部1
0A,チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボッ
クス2は接地電位に設定されることになり、同時に、ロ
ードコンデンサ22の一端も直流的にアースされた状態
となる。
【0062】本実施形態のプラズマチャンバ75におい
ては、13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体
的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,
40.68MHz等の周波数の電力を投入して、両電極
4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、
サセプタ電極8に載置した基板16にCVD( chemica
l vapor deposition)、ドライエッチング、アッシング
等のプラズマ処理をおこなうことができる。このとき、
高周波電力は、高周波電源1から給電線1Aの同軸ケー
ブル,整合回路2A,給電板3,プラズマ励起電極(カ
ソード電極)4に供給される。一方、高周波電流の経路
を考えた場合、電流はこれらを介してプラズマ空間(チ
ャンバ室60)を経由した後、さらにもう一方の電極
(サセプタ電極)8,シャフト13,サセプタシールド
12,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁
10を通る。その後、シャーシ21,マッチングボック
ス2,給電線1Aのシールド線を通り、高周波電源1の
アースに戻る。
【0063】ここで、本実施形態のプラズマチャンバ7
5における高周波特性としての整合回路2Aの交流抵抗
RA,RBについて説明する。
【0064】整合回路2Aの交流抵抗としては、この整
合回路2Aの入力端子側から、入力端子側交流抵抗RA
を測定するとともに、整合回路2Aの出力端子側から、
出力端子側交流抵抗RAB測定する。このとき、測定周
波数を高周波電源1の電力周波数を含むように1MHz
〜100MHz程度の範囲から選択する。より好ましく
は、例えば13.56MHz,27.12MHz,4
0.68MHz等の値に設定される電力周波数fe に対
応した周波数に設定した状態により測定する。この交流
抵抗RA,RBは、整合回路2Aの構造をその多くの要
因としてきまる電気的高周波的な特性であり、具体的に
は図4に示すように測定される。
【0065】図4、図5は図3の整合回路における寄生
抵抗を示す模式回路図である。本実施形態の整合回路2
Aにおける測定範囲としては、整合回路2Aの受動素子
のうち入力最初段の受動素子の入力端子位置PR3およ
び、受動素子のうち出力最終段の受動素子の出力端子位
置PRで切り離した状態をその対象とする。つまり、図
4に示すように、整合回路2Aに接続される給電線1A
を切り離すとともに、給電板3に接続されるチューニン
グコンデンサ24の出力端子位置PRで、給電板3と整
合回路2Aの端子との接合部つまりネジ止めを外して切
り離した状態の整合回路2Aを測定範囲とする。
【0066】この測定範囲のうち入力端子側交流抵抗R
Aを測定するには、図4に破線で示すように、インピー
ダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ10
5を、切り離した入力端子位置PR3および整合回路2
Aの接続されたマッチングボックス2のアース位置(接
地電位部分)に接続する。この状態で、インピーダンス
測定器ANの発振する測定周波数を例えば1MHz〜1
00MHzの範囲から所定の周波数、例えば電力周波数
e と等しい40.68MHz程度に設定して、整合回
路2Aの上記測定範囲に対するインピーダンスのベクト
ル量(Z,θ)を測定し、インピーダンスの復素表現に
おける実部を算出して、これを交流抵抗として定義す
る。このプローブ105は、図4に示すように、導線1
10上に絶縁被覆112を設け、この絶縁被覆112上
に外周導体111を被覆してなるものである。このプロ
ーブ105は同軸ケーブルを通してインピーダンス測定
器ANに接続されている。ここで、プローブ105は、
導線110を入力端子位置PRに、また、外周導体11
1をマッチングボックス2の上面中央とされるアース位
置に接続される。
【0067】本実施形態における整合回路2Aにおける
交流抵抗は、整合回路2Aの前述の各構成要素、インダ
クタンスコイル23、チューニングコンデンサ24、ロ
ードコンデンサ22、導体R1,R2は、交流的に、レ
ジスタンスやインダクタンスを有しており、交流電流を
流した際に、寄生的に存在している抵抗を含めて定義さ
れるものである。このとき、整合回路2Aの入力端子側
交流抵抗RAの測定時に考慮されている電気的高周波的
要因としては、図4にIRAで示すように、入力端子とさ
れる測定位置PR3から、分岐点B1を経て、接続点B
P1(接地電位部分)まで、つまり、以下のものが考え
られる。 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1
【0068】これらの電気的高周波的要因のち、整合回
路2Aの前記入力端子側交流抵抗RAとしては、図4に
示すように、導体R1における寄生抵抗RR1、導体R2
における寄生抵抗RR2、を測定することになる。ここ
で、寄生抵抗R1は、入力端子側交流抵抗RAの測定時
において、分岐点B1からロードコンデンサ22までの
抵抗値等、上記のIRAの回路における図示しない寄生抵
抗をも含んでいるものとする。
【0069】同様にして、整合回路2Aの前記出力端子
側交流抵抗RBを測定するには、図5に示すように、イ
ンピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプロー
ブ105を、切り離した出力端子位置PRおよび整合回
路2Aの接続されたマッチングボックス2のアース位置
(接地電位部分)に接続する。この状態で、インピーダ
ンス測定器ANの発振する測定周波数を例えば1MHz
〜100MHzの範囲に変化させて、整合回路2Aの上
記測定範囲に対するインピーダンスのベクトル量(Z,
θ)を測定し、インピーダンスの復素表現における実部
を算出して、これを交流抵抗として定義する。このプロ
ーブ105は、図5に示すように、導線110を出力端
子位置PRに、また、外周導体111をマッチングボッ
クス2の上面中央とされるアース位置に接続される。
【0070】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RBの測定時に考慮されている電気的高周波的要因
としては、図5にIRBで示すように、出力端子とされる
測定位置PRから、分岐点B1を経て、接地電位部分ま
で、つまり、以下のものが考えられる。 チューニングコンデンサ24の容量CT インダクタンスコイル23における寄生抵抗RLT インダクタンスコイル23におけるインダクタンスLT ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1
【0071】これらの電気的高周波的要因のち、整合回
路2Aの前記出力端子側交流抵抗RBとしては、図5に
示すように、インダクタンスコイル23における寄生抵
抗R LT、導体R2における寄生抵抗RR2、を測定するこ
とになる。ここで、寄生抵抗RRLTは、出力端子側交流
抵抗RBの測定時において、分岐点B1からロードコン
デンサ22までの抵抗値等、上記のIRBの回路における
図示しない寄生抵抗をも含んでいるものとする。
【0072】本実施形態のプラズマチャンバ75の整合
回路2Aにおいては、このように測定された高周波特性
としての入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流
抵抗RBが、プラズマチャンバ75のの作動状態に適し
た所定の範囲の値になるように設定する。そして、本プ
ラズマ処理装置が分解搬送後、納入先において再組み立
てした後においても、さらに、その後それが使用され被
処理物のプラズマ処理が行われても、さらには、分解掃
除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されて
も、その時点(時刻t1 )において、その時の交流抵抗
RA1 ,RB1 (高周波特性)が、それぞれ、RA0
RA1 の差ΔRAの絶対値がRA0 の0.5倍とされる
所定の値より小さい値に維持されるとともに、RB0
RB1 の差ΔRBの絶対値がRB0 の0.5倍とされる
所定の値より小さい値に維持されている。そのために、
もし、少なくともΔRAおよびΔRBのどちらか上記の
所定の値以上となった場合は是正作業が行われる。ここ
で、交流抵抗RA,RBを設定する方法としては、例え
ば、 銅板(導体R1,R2)の形状(長さ,幅)を調整す
る。 銅板(導体R1,R2)の組み立て状態(取り付け状
態)を調整する。 銅板(導体R1,R2)に銀をメッキする。 等の手法を適用することができる。
【0073】本実施形態のプラズマ処理装置71におい
ては、分解、搬送、再組み立て、その後の使用(プラズ
マ処理)、あるいは調整作業が施された後においても、
交流抵抗RA,RBが、RA0 、RA1 の差ΔRAの絶
対値がRA0 の0.5倍とされる所定の値より小さい値
に維持されるとともに、RB0 、RB1 の差ΔRBの絶
対値がRB0 の0.5倍とされる所定の値より小さい値
に維持されている。そのため、ある時間が経過する間
に、上記のような電気的高周波的な特性に影響を与える
可能性のある事象があった場合にも、その時間の前後
で、電気的高周波的な特性の差をなくすことが可能とな
り、これにより、交流抵抗、容量、インピーダンス等の
高周波数特性を指標とする一定の管理幅内に本装置のプ
ラズマチャンバ75の状態を維持することが可能となる
ので、プラズマ空間で消費される実効的な電力等をそれ
ぞれ時間的に略均一になるように維持することができ
る。
【0074】そして、本実施形態のプラズマ処理装置7
1においては、プラズマチャンバ(第2成膜室)76お
よびプラズマチャンバ(第3成膜室)77は、プラズマ
チャンバ75と略同等の構造とされている。そして、こ
のプラズマチャンバ76およびプラズマチャンバ77に
対しても、高周波特性としての交流抵抗RA,RBをプ
ラズマチャンバ75と同様にして設定する。具体的に
は、これらプラズマチャンバ75,76,77におい
て、いずれも、電力周波数fe を40.68MHzに設
定して、交流抵抗RA,RBを測定する。ところが、こ
の交流抵抗RA,RBは、機械的な構造をその多くの要
因としてきまる電気的高周波的な特性であり、各実機ご
とにそれぞれ異なっていると考えられる。
【0075】プラズマチャンバ75の回路においては、
上述のように交流抵抗RA,RBを設定することによ
り、プラズマ励起電極4,サセプタ8間のプラズマ発生
空間に投入される実効的な消費電力に影響する、いわゆ
る、抵抗による電力損失を設定することになる。これ
は、虚数単位をj(j2 =−1)、角振動数をω(ω=
2πfe ;fe は電力周波数)とすると、インピーダン
スZ(Ω)およびインダクタンスXが以下の式(11
A)、 Z = R+jX (11A) X = f(ω,L,C) で示される関係を満たしている。ここで、 f(ω,
L,C)は、インピーダンスXがω,L,Cの関数で表
現されることを示すものである。さらに式(11B) R = Re(Z) (11B) で示されるように、インピーダンスZの実部が交流抵抗
Rであるため、整合回路2Aにおける交流抵抗RA,R
Bを設定することにより、電極4,8よりも高周波電源
1側に位置する整合回路2Aにおける電力損失を設定す
ることが可能となる。その結果、電圧降下に対するもっ
とも寄与の大きい抵抗(レジスタンス)Rを設定するこ
とになるために、つまり、プラズマ発生のエネルギーの
減少に対してもっとも寄与の大きい抵抗を設定するため
に、実効的なエネルギーロスが増加することを抑制する
ことができる。これにより、時間的にプラズマチャンバ
75の状態を変化しないように維持することが可能とな
る。
【0076】さらに、計測したプラズマチャンバ(第1
成膜室)75に対する入力端子側交流抵抗RA75、プラ
ズマチャンバ(第2成膜室)76に対する入力端子側交
流抵抗RA76、プラズマチャンバ(第3成膜室)77に
対する入力端子側交流抵抗RA77のうち、その最大値R
max と最小値RAmin に対して、 <RA> = (RAmax −RAmin )/(RAmax +RAmin ) (14A) のように複数のプラズマチャンバ75,76,77の入
力端子側交流抵抗RAのばらつき<RA>として定義し、
この(14A)式で表されるばらつきの値を0.5より
小さい範囲の値に設定する。この際、入力端子側交流抵
抗RAのばらつき<RA>を設定する方法としては、上述
の〜等のような手法を適用することができる。
【0077】同時に、計測したプラズマチャンバ(第1
成膜室)75に対する出力端子側交流抵抗RB75、プラ
ズマチャンバ(第2成膜室)76に対する出力端子側交
流抵抗RB76、プラズマチャンバ(第3成膜室)77に
対する出力端子側交流抵抗RB77のうち、その最大値R
max と最小値RBmin に対して、 <RB> = (RBmax −RBmin )/(RBmax +RBmin ) (14B) のように複数のプラズマチャンバ75,76,77の出
力端子側交流抵抗RBのばらつき<RB>として定義し、
この(14B)式で表されるばらつきの値を0.5より
小さい範囲の値に設定する。この際、入力端子側交流抵
抗RBのばらつき<RB>を設定する方法としても、上述
の〜等のような手法を適用することができる。
【0078】上記構成の処理室75,76,77のいず
れかにおいてアモルファスシリコン膜、シリコン酸化
膜、シリコン窒化膜等の成膜をおこなう際には、サセプ
タ電極8上に被処理基板16を載置し、高周波電源1か
ら高周波電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周
波電力を印加するとともにガス導入管17からシャワー
プレート6を介して反応ガスをチャンバ室60内に供給
してプラズマを発生させ、被処理基板16上にアモルフ
ァスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を
成膜する。
【0079】レーザアニール室78は、図6に示すよう
に、チャンバ80の上部にレーザ光源81が設けられる
一方、チャンバ80内の下部には被処理基板16を載置
するためのステージ82が直交するX方向、Y方向の2
方向に水平移動可能に設けられている。そして、レーザ
光源81の出射部81aからスポット状のレーザ光83
(1点鎖線で示す)が出射されると同時に、被処理基板
16を支持したステージ82がX方向、Y方向に水平移
動することにより、レーザ光83が被処理基板16の全
面を走査できるようになっている。レーザ光源81には
例えばXeCl、ArF、ArCl、XeF等のハロゲ
ンガスを用いたガスレーザを用いることができる。ま
た、レーザアニール室78の構成は、レーザ光を出射す
るレーザ光源を備え、レーザ光源から出射されるスポッ
ト状のレーザ光が被処理基板の表面をくまなく走査でき
る構成のものであれば、種々の構成の装置を用いること
ができる。この場合、レーザ光源は例えばXeCl、A
rF、ArCl、XeF等のハロゲンガスを用いたガス
レーザを用いることができる。膜の種類によってはYA
Gレーザ等の他のレーザ光源を用いることもでき、レー
ザ光の照射の形態としては、パルスレーザアニール、連
続発振レーザアニールを用いることができる。また、熱
処理室の構成は、例えば多段式電気炉型の装置を用いる
ことができる。
【0080】熱処理室79は、図7に示すように、多段
式電気炉型のものであり、チャンバー84内に多段に設
けられたヒータ85の各々に被処理基板18が載置され
る構成になっている。そして、ヒータ85の通電により
複数枚の被処理基板16が加熱されるようになってい
る。なお、熱処理室89と搬送室72との間にはゲート
バルブ86が設けられている。
【0081】図1に示すローダ室73、アンローダ室7
4には、ローダカセット、アンローダカセットが着脱可
能に設けられている。これら2つのカセットは、複数枚
の被処理基板16が収容可能なものであり、ローダカセ
ットに成膜前の被処理基板16が収容され、アンローダ
カセットには成膜済の被処理基板16が収容される。そ
して、これら処理室ユニットとローダ室73、アンロー
ダ室74の中央に位置する搬送室72に基板搬送ロボッ
ト(搬送手段)87が設置されている。基板搬送ロボッ
ト87はその上部に伸縮自在なリンク機構を有するアー
ム88を有し、アーム88は回転可能かつ昇降可能とな
っており、アーム88の先端部で被処理基板16を支
持、搬送するようになっている。
【0082】上記構成のプラズマ処理装置71は、例え
ば各処理室ユニットにおける成膜条件、アニール条件、
熱処理条件等、種々の処理条件や処理シーケンスをオペ
レータが設定する他は、各部の動作が制御部により制御
されており、自動運転する構成になっている。したがっ
て、このプラズマ処理装置71を使用する際には、処理
前の被処理基板16をローダカセットにセットし、オペ
レータがスタートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボ
ット87によりローダカセットから各処理室内に被処理
基板16が搬送され、各処理室で一連の処理が順次自動
的に行われた後、基板搬送ロボット87によりアンロー
ダカセットに収容される。
【0083】本実施形態のプラズマ処理装置71の個々
のプラズマチャンバ75,76,77においては、分
解、搬送、再組み立て、その後の使用(プラズマ処
理)、あるいは調整作業が施された後においても、交流
抵抗RA1 ,RB1 (高周波特性)が、それぞれ、RA
0 、RA1 の差ΔRAの絶対値がRA0 の0.5倍とさ
れる所定の値より小さい値に維持されるとともに、RB
0 、RB1 の差ΔRBの絶対値がRB0 の0.5倍とさ
れる所定の値より小さい値に維持されている。そのた
め、ある時刻t0 ,から時刻t1 における時間が経過す
る間に、上記のような電気的高周波的な特性に影響を与
える可能性のある事象があった場合にも、その時間の前
後で、電気的高周波的な特性の差をなくすことが可能と
なり、これにより、交流抵抗RA,RB、容量、インピ
ーダンス特性を指標とする一定の管理幅内にそれぞれの
プラズマチャンバ75,76,77の状態を時間的に維
持することが可能となるので、プラズマ空間で消費され
る実効的な電力等をそれぞれ略均一に維持することがで
きる。
【0084】その結果、上記のような電気的高周波的な
特性に影響を与える可能性のある事象があった場合に
も、その時間の前後で同一のプロセスレシピを適用し
て、略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、そ
れぞれのプラズマチャンバ75,76,77において例
えばある時間を隔てて成膜をおこなった際に、経過した
時間の前後で、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、
略同等な膜特性の膜を得ることが可能となる。具体的に
は、上記の差ΔRAの絶対値をRA0 の0.5倍より小
さい値に維持するとともに、差ΔRBの絶対値がRB0
の0.5倍より小さい値に維持することにより、時間の
経過にかかわらず、すなわち、分解、搬送、再組み立て
や使用回数、調整作業等の存在にかかわらず、略同一の
条件で積層をおこなったそれぞれのプラズマチャンバ7
5,76,77において、膜厚のばらつきの値を±7%
の範囲におさめることができる。そのため、従来考慮さ
れていなかった整合回路2Aまでも含んだそれぞれのプ
ラズマチャンバ75,76,77の全般的な電気的高周
波的特性を設定することが可能となり、プラズマ発生の
安定性を期待することができる。その結果、動作安定性
が高く、それぞれのプラズマチャンバ75,76,77
で時間的に均一な動作が期待できるプラズマ処理装置を
提供することが可能となる。さらに、複数のプラズマチ
ャンバ75,76,77間においても、同一のプロセス
レシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果が得られ
る状態を時間経過的的に維持することが可能となる。こ
れにより、膨大なデータから外部パラメータと実際の基
板を処理するような評価方法による処理結果との相関関
係によるプロセス条件の把握を不必要とすることができ
る。
【0085】さらに、それぞれのプラズマチャンバ7
5,76,77において、各前記整合回路2Aの入力端
子位置PR3および出力端子PRから測定したそれぞれ
のプラズマチャンバ75,76,77の高周波特性とし
て入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗R
Bのうち、それぞれの最大値と最小値のばらつきを、上
記(10A)(10B)式に示すように定義し、この値
を0.5より小さい範囲の値に設定することで、複数の
プラズマチャンバ75,76,77に対して電気的高周
波的な特性の機差をなくすことが可能となり、これによ
り、インピーダンス特性を指標とする一定の管理幅内に
複数のプラズマチャンバ75,76,77の状態を設定
することが可能となるので、個々のプラズマチャンバ7
5,76,77において、プラズマ空間で消費される実
効的な電力を時間的にそれぞれ略均一にすることができ
る。
【0086】その結果、複数のプラズマチャンバ75,
76,77に対して同一のプロセスレシピを適用して、
略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、複数の
プラズマチャンバ75,76,77において例えば成膜
をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート
等、略均一な膜特性の膜を得ることが可能となる。具体
的には、上記のばらつきの値<RA><RB>をそれぞれ
0.5より小さい範囲に設定することにより、略同一の
条件で積層をおこなったプラズマチャンバ75,76,
77において、膜厚のばらつきの値を±7%の範囲にお
さめることができる。したがって、複数のプラズマチャ
ンバ75,76,77において、機差により被処理基体
16に対する膜面内方向におけるプラズマ処理の均一性
がプラズマチャンバ75,76,77ごとにばらつきを
生じてしまうことを低減することができ、成膜処理にお
いては、機差により膜厚の膜面内方向分布の均一性がプ
ラズマチャンバ75,76,77ごとにばらつきを生じ
てしまうことを低減することが可能となる。
【0087】同時に、プラズマCVD、スパッタリング
などの成膜処理においては、成膜状態の向上、すなわ
ち、堆積した膜における絶縁耐圧や、エッチング液に対
する耐エッチング性、そして、いわゆる膜の「固さ」つ
まり膜の緻密さ等の膜特性がプラズマチャンバ75,7
6,77ごとにばらつきを生じてしまうことを低減する
ことが可能となる。ここで、膜の緻密さは例えば、BH
F液によるエッチングに対する浸食されにくさ、耐エッ
チング性によって表現可能である。そのため、従来考慮
されていなかったプラズマ処理装置71の全般的な電気
的高周波的特性を設定することが可能となり、プラズマ
発生の安定性を期待することができる。その結果、動作
安定性が高く、各プラズマチャンバ75,76,77で
均一な動作が期待できるプラズマ処理装置71を提供す
ることが可能となる。これにより、複数のプラズマチャ
ンバ75,76,77に対する膨大なデータから外部パ
ラメータと実際の基板を処理するような評価方法による
処理結果との相関関係によるプロセス条件の把握を不必
要とすることができる。
【0088】したがって、処理のばらつきをなくし同一
のプロセスレシピにより略同一の処理結果を得るために
必要な調整時間を、被処理基板16への実際の成膜等に
よる検査方法を採用した場合に比べて、整合回路2Aに
おける交流抵抗RA,RBを測定することにより、大幅
に短縮することができる。しかも、処理をおこなった基
板の評価によりプラズマチャンバ75,76,77の動
作確認および、動作の評価をおこなうという2段階の方
法でなく、ダイレクトにプラズマチャンバ75,76,
77の評価を、しかも、プラズマ処理装置71のプラズ
マチャンバ75,76,77が設置してある場所で短時
間におこなうことが可能である。その上、被処理基板1
6への実際の成膜等による検査方法を採用した場合、別
々に行うしかなかった複数のプラズマチャンバ75,7
6,77についても、結果をほぼ同時に得ることができ
る。
【0089】同時に、新規設置時や調整・保守点検時に
おいて、各プラズマチャンバ75,76,77ごとの機
差をなくして処理のばらつきをなくし同一のプロセスレ
シピにより略同一の処理結果を得るために必要な調整時
間を、被処理基板16への実際の成膜等による検査方法
を採用した場合に比べて、プラズマチャンバ75,7
6,77に電力を直接供給する部分である整合回路2A
における交流抵抗RA,RBを測定することにより、大
幅に短縮することができる。しかも、本実施形態の検査
方法によれば、処理をおこなった基板の評価によりプラ
ズマ処理装置71の動作確認および、動作の評価をおこ
なうという2段階の検査方法でなく、ダイレクトにプラ
ズマ処理装置71の評価をおこなうことが可能で、しか
も、プラズマ処理装置71の実機が設置してある場所で
短時間におこなうことが可能である。その上、被処理基
板16への実際の成膜等による検査方法を採用した場
合、別々におこなうしかなかった複数のプラズマチャン
バ75,76,77に対する結果をほぼ同時に実現する
ことができる。このため、製造ラインを数日あるいは数
週間停止してプラズマ処理装置71の動作確認および、
動作の評価をする必要がなくなり、製造ラインとしての
生産性を向上することができる。また、このような調整
に必要な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費
用、および、調整作業に従事する作業員の人件費等、コ
ストを削減することが可能となる。
【0090】さらに、本実施形態の各プラズマチャンバ
75,76,77においては、その整合回路2Aにおけ
る交流抵抗RA,RBを設定することにより、従来は、
考慮されていなかったプラズマチャンバ75,76,7
7の全体的な電気的高周波的な特性をそれぞれ適正な範
囲に収めることができる。これにより、各プラズマチャ
ンバ75,76,77において動作安定性を向上して、
従来一般的に使用されていた13.56MHz程度以上
の高い周波数の電力を投入した場合であっても、高周波
電源1からの電力を、プラズマ励起電極4とサセプタ電
極8との間のプラズマ発生空間に効率よく導入すること
が可能となる。同時に、同一周波数を供給した場合に、
従来のプラズマ処理装置71と比べてプラズマ空間で消
費される実効的な電力の上昇を図ることができる。さら
に、プラズマ空間に効率よく電力が供給されることによ
り、プラズマの不要な広がりも抑制でき、被処理基体1
6における膜面内方向におけるプラズマ処理の均一性の
向上を図ることができ、成膜処理においては膜厚の膜面
内方向分布の均一性の向上を図ることが可能となる。同
時に、プラズマ空間で消費される実効的な電力の増加に
より、プラズマCVD、スパッタリングなどの成膜処理
においては、成膜状態の向上、すなわち、堆積した膜に
おける絶縁耐圧や、エッチング液に対する耐エッチング
性、そして、いわゆる膜の「固さ」つまり膜の緻密さ等
の膜特性の向上を図ることが可能となる。ここで、膜の
緻密さは例えば、BHF液によるエッチングに対する浸
食されにくさ、耐エッチング性によって表現可能であ
る。その結果、プラズマ励起周波数の高周波化による処
理速度の向上を図ること、つまり、プラズマCVD等に
より膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図る
ことができる。
【0091】なお、各プラズマチャンバ75,76,7
7において、図8に示すように、それぞれのインピーダ
ンスが一致する複数本の導線101a〜101hの一端
をプローブ取付具104に接続してなる測定具(フィク
スチャ)を使用してプラズマチャンバ75,76,77
のインピーダンス特性を測定することも可能である。プ
ローブ取付具104は、例えば50mm×10mm×
0.5mmの銅板を、締め付け部106とリング部とが
できるように成形されている。リング部はプローブ10
5の外側にはめ込み可能な径とされる。このプローブ取
付部104に導線101a〜101hの一端をハンダ付
けなどにより電気的に接続する。導線101a〜101
hの他端には、測定対象(プラズマチャンバ75,7
6,77)との着脱用の端子(圧着端子)102a〜1
02hが取り付けられている。このフィクスチャを使用
するに際してはプローブ取付具104のリング状部10
4をプローブ105にはめ込み、締め付け部106で締
め付けを行う。一方各導線101a〜101hは略点対
称となるように圧着端子102a〜102hにおいて測
定対象に、図9に示すように、ねじ114により着脱自
在にネジ止めする。導体101a〜101hは、例えば
アルミニウム、銅、銀、金により構成すればよく、また
は、銀、金を50μm以上メッキして構成してもよい。
【0092】このような測定具(フィクスチャ)を使用
してインピーダンスを測定する方法を図9を用いて説明
する。まず測定するプラズマチャンバ75,76,77
の入力端子側交流抵抗RAの測定時において、高周波電
源1と給電板3を整合回路2Aから取り外す。インピー
ダンス測定具のプローブ105の導線110を入力端子
位置PR3に接続する。次いでインピーダンス測定具
(フィクスチャ)の導線101a〜101hに接続する
圧着端子102a〜102hをマッチングボックス2に
入力端子位置PR3を中心とする略点対称となるように
ネジ114によってネジ止めする。インピーダンス測定
具をこのように配置した後、測定信号をインピーダンス
測定具の導線110に供給し、プラズマチャンバ75,
76,77の整合回路2Aにおける経路のインピーダン
スを測定する。これにより、測定対象の大きさ、あるい
は、測定する2点間の距離に制約を与えることなく、か
つ、測定対象に均一に電流を流すことができ、測定対象
のインピーダンスを測定するのに影響を及ぼさない残留
インピーダンス値を設定し、より正確にインピーダンス
測定をおこなうことができる。整合回路2Aの前記出力
端子側交流抵抗RBを測定する際には、同様にして、イ
ンピーダンス測定具のプローブ105の導線110を出
力端子位置PRに接続する。次いでインピーダンス測定
具(フィクスチャ)の導線101a〜101hに接続す
る圧着端子102a〜102hをマッチングボックス2
に出力端子位置PRを中心とする略点対称となるように
ネジ114によってネジ止めする。
【0093】なお、本実施形態においては、複数のプラ
ズマチャンバ75,76,77を有するタイプとした
が、単一のプラズマチャンバ75をを有する構成とする
こともできる。また、プラズマチャンバ75,76,7
7において、サセプタ電極側8に基板16を載置してプ
ラズマ励起電極4に対する整合回路2Aの入力端子側交
流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBを設定した
が、RIE(reactive ionetching)反応性スパッタエ
ッチングに対応するようにカソード電極4側に基板16
を取り付けるよう対応することも可能である。
【0094】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の第
2実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第2実施形態]図10は本実施形態のプラズマ処理装
置91の概略構成を示す模式断面図である。本実施形態
のプラズマ処理装置91は、図10に示すように、略四
角形の搬送室92の周囲にロードロック室93と熱処理
室99と処理室94,95とが設けられた構成とされて
いる。この装置は基板移載用の搬送ロボットが設置され
ている搬送室92を中央にして、各室の間が、ゲートg
1,g2,g3,g4で区切られている。搬送室(待機
室)92と加熱室99とその他の処理室ユニット94,
95はそれぞれ個別の高真空ポンプによって高真空度に
排気されている。ロードロック室91は低真空ポンプに
よって低真空度に排気されている。
【0095】本実施形態のプラズマ処理装置91におい
ては、その構成要素が図1〜図7に示した第1実施形態
のプラズマ処理装置71に対応しており、それぞれ、搬
送室72に搬送室92が、熱処理室79に熱処理室99
が、ロードロック室93がローダ室73およびアンロー
ダ室74に対応しており、略同一の構成の部分に関して
は説明を省略する。
【0096】プラズマ処理室ユニット(プラズマチャン
バ)95,96は、図1〜図5に示した第1実施形態の
プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)75,7
6に対応して、それぞれ異なる種類の膜を成膜するよう
な異なる処理をおこなうことも可能であり、また、同一
のプロセスレシピにより同一の処理をおこなうこともで
きるものであるが、略同一の構成とされている。そし
て、これらの複数のプラズマ処理室ユニット(プラズマ
チャンバ)95,96は、図10に示すように、後述す
るスイッチSW2等を介してインピーダンス測定器(高
周波特性測定器)ANに接続されている。ここではプラ
ズマ処理室ユニット95を例に挙げてその構成を説明す
る。
【0097】図11は本実施形態のプラズマ処理室ユニ
ット(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面図、図
12は図11の整合回路のを示す断面図、図13は図1
2の整合回路における寄生抵抗を説明するための模式回
路図である。
【0098】本実施形態のプラズマ処理室ユニット(プ
ラズマチャンバ)95は、2周波数励起タイプのプラズ
マ処理室とされ、図2〜図5に示した第1実施形態のプ
ラズマ処理室75と異なるのはサセプタ電極8側に電力
を供給する点と、整合回路2Aの受動素子の構成およ
び、交流抵抗RA,RBの設定に関する点である。それ
以外の対応する構成要素には同一の符号を付してその説
明を省略する。本実施形態のプラズマチャンバ95,9
6は、整合回路2Aにおいて、その入力端子側から測定
した交流抵抗RA0 と出力端子側から測定した交流抵抗
RB0とが、分解搬送後、納入先において再組み立てし
た後においても、さらに、その後の使用期間の時刻t1
においても、その時の交流抵抗RA1 ,RB1 (高周波
特性)が、それぞれ、RA0 、RA1 の差ΔRAの絶対
値がRA0 の0.5倍とされる所定の値より小さい値に
維持されるとともに、RB0 、RB1 の差ΔRBの絶対
値がRB0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値に
維持されている。そして、入力端子側交流抵抗RA0
最大値RA0maxと最小値RA0minとのばらつきを前述の
式(14A)として定義するとともに、出力端子側交流
抵抗RB0の最大値RB0max と最小値RB0min とのば
らつきを前述の式(14B)として定義し、これらの値
が所定の範囲の値に設定されて設計、製造されている。
【0099】本実施形態のプラズマチャンバ95は、図
11,図12に示すように、サセプタ電極8の周囲にサ
セプタシールド12が設けられ、ウエハサセプタ8およ
びサセプタシールド12は、これらの隙間がシャフト1
3の周囲の設けられた電気絶縁物からなる絶縁手段12
Cによって真空絶縁されるとともに電気的にも絶縁され
ている。また、ウエハサセプタ8およびサセプタシール
ド12は、ベローズ11により上下動可能に構成されて
いる。この構成により、プラズマ励起電極4とサセプタ
電極8との間の距離が調整可能となっている。また、サ
セプタ電極8は、シャフト13下端に接続された給電板
28、および、導電体からなるサセプタ電極側マッチン
グボックス26内部に収納された整合回路25を介して
第2の高周波電源27と接続されている。これら給電板
28は、サセプタシールド12の支持筒12B下端に接
続されたシャーシ29に覆われるとともに、シャーシ2
9は、同軸ケーブルとされる給電線27Aのシールド線
によって接続されマッチングボックス26とともにアー
スされている。これにより、サセプタシールド12,シ
ャーシ29,マッチングボックス29は直流的に同電位
となっている。
【0100】ここで、整合回路25は、第2の高周波電
源27とサセプタ電極8との間のインピーダンスの整合
を図るものとされ、この整合回路25としては、図1
1,図12に示すように、複数の受動素子として、第2
の高周波電源27と給電板28との間に、チューニング
コイル30とチューニングコンデンサ31とが直列に設
けられ、これらと並列にロードコンデンサ32が接続さ
れ、このロードコンデンサ32の一端はマッチングボッ
クス26に接続されており、整合回路2Aと略同様の構
成とされている。マッチングボックス26は給電線27
Aのシールド線を介して接地電位に設定されており、同
時に、ロードコンデンサ32の一端がアースされてい
る。なお、チューニングコイル30と直列にチューニン
グコイルを接続することや、ロードコンデンサ32と並
列にロードコンデンサを設けることも可能である。給電
板28としては給電板3と同様なものが適用され、この
給電板28は整合回路25からの端子およびシャフト1
3にそれぞれネジ止めされている。
【0101】整合回路2Aは、図11,図12,図13
に示すように、高周波電源1と給電板3との間に設けら
れ、複数の受動素子として、インダクタンスコイル23
と、エアバリコンからなるチューニングコンデンサ24
と、真空バリコンからなるロードコンデンサ22と、こ
れらの受動素子を接続するための銅板とされる導体R
1,R2,R3,R4、および、同軸ケーブルK1とを
有する構成とされている。これらのうち、導体R1,同
軸ケーブルK1,導体R3,インダクタンスコイル2
3,導体R4,チューニングコンデンサ24は、整合回
路2Aの入力端子側から出力端子側へ直列に接続される
とともに、導体R3,インダクタンスコイル23の間の
分岐点B1からこれらと並列にロードコンデンサ22が
接続されている。このロードコンデンサ22の一端は、
接続点BP1において導体R2を介してマッチングボッ
クス2(接地電位部分)に接続されており、また、同軸
ケーブルK1のシールド線は分岐点B2から接続点BP
2においてマッチングボックス2(接地電位部分)に接
続されている。ここで、チューニングコンデンサ24は
整合回路2Aの受動素子のうち最終端とされ、このチュ
ーニングコンデンサ24の出力端子は整合回路2Aの出
力端子とされており、チューニングコンデンサ24は給
電板3を介してプラズマ励起電極4に接続されている。
【0102】本実施形態のプラズマチャンバ95におい
ては、サセプタ電極8上に被処理基板16を載置し、第
1、第2の高周波電源1,27からプラズマ励起電極4
とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加す
るとともにガス導入管17からシャワープレート6を介
して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラズマを
発生させ、被処理基板16に対して成膜等のプラズマ処
理をおこなう。このとき、第1の高周波電源1から1
3.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、
例えば13.56MHz,27.12MHz,40.6
8MHz等の周波数の電力を投入する。そして、第2の
高周波電源27からも第1の高周波電源1からと同等
か、異なる周波数の電力、例えば1.6MHz程度の電
力を投入することもできる。
【0103】ここで、本実施形態のプラズマチャンバ9
5における高周波特性としての整合回路2Aの交流抵抗
RA,RBは、第1実施形態と同様にして測定・定義す
る。本実施形態の交流抵抗RA,RBは、具体的には図
11〜図14に示すように測定・定義される。
【0104】本実施形態の整合回路2Aにおける測定範
囲としては、第1実施形態と同様に整合回路2Aの受動
素子のうち入力最初段の受動素子の入力端子位置PR3
および、受動素子のうち出力最終段の受動素子の出力端
子位置PRで切り離した状態をその対象とする。つま
り、図12,図13,図14に示すように、整合回路2
Aに接続される給電線1Aを切り離すとともに、給電板
3に接続されるチューニングコンデンサ24の出力端子
位置PRで、給電板3と整合回路2Aの端子との接合部
つまりネジ止めを外して切り離した状態の整合回路2A
を測定範囲とする。
【0105】この測定範囲のうち入力端子側交流抵抗R
Aを測定するには、先ず、図13に示すように、接続点
BP2をマッチングボックス2から切り離すとともに、
第1実施形態と同様に図13に破線で示すように、イン
ピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ
105を、入力端子位置PR3およびマッチングボック
ス2のアース位置(接地電位部分)に接続する。この状
態で、インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数
を例えば電力周波数fe と等しい40.68MHz程度
に設定して、整合回路2Aの上記測定範囲に対するイン
ピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピー
ダンスの復素表現における実部を算出して、これを入力
端子側交流抵抗RA(BP1)として定義する。
【0106】このとき、整合回路2Aの入力端子側交流
抵抗RAの測定時に考慮されている電気的高周波的要因
としては、図13にIRAで示すように、入力端子とされ
る測定位置PR3から、分岐点B1を経て、接地電位部
分であるマッチングボックス2への接続点BP1まで、
つまり、以下のものが考えられる。 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 同軸ケーブルK1における寄生抵抗RK1 同軸ケーブルK1におけるインダクタンスLK1 導体R3における寄生抵抗RR3 導体R3におけるインダクタンスLR3 ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1
【0107】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記入力端子側交流抵抗RA(BP1)とし
ては、図13に示すように、導体R1における寄生抵抗
R1、同軸ケーブルK1における寄生抵抗RK1、導体R
3における寄生抵抗RR3、導体R2における寄生抵抗R
R2、を測定することになる。ここで、入力端子側交流抵
抗RA(BP1)の測定時において、寄生抵抗R1は、
分岐点B2までの同軸ケーブルK1の抵抗値を含み、お
よび、寄生抵抗R3は、分岐点B1からロードコンデン
サ22までの抵抗値を含み、これらによって、上記のI
RAの回路における図示しない寄生抵抗をも含んでいるも
のとする。
【0108】次に、入力端子側交流抵抗RA(BP2)
として、図14に示すように、接続点BP1をマッチン
グボックス2から切り離すとともに接続点BP2をマッ
チングボックス2に接続する。この状態で、同様にイン
ピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ
105を、出力端子位置PRおよびマッチングボックス
2のアース位置(接地電位部分)に接続するとともに、
インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例え
ば電力周波数fe と等しい40.68MHz程度に設定
して、整合回路2Aの上記測定範囲に対するインピーダ
ンスのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピーダンス
の復素表現における実部を算出して、これを入力端子側
交流抵抗RA(BP2)として定義する。
【0109】このとき、整合回路2Aの入力端子側交流
抵抗RA(BP2)の測定時に考慮されている電気的高
周波的要因としては、図14にIRAで示すように、入力
端子とされる測定位置PR3から、分岐点B1を経て、
接地電位部分であるマッチングボックス2への接続点B
P2まで、つまり、以下のものが考えられる。 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 同軸ケーブルK1における寄生抵抗RK1 同軸ケーブルK1におけるインダクタンスLK1 同軸ケーブルK1における容量CK1 ここで、同軸ケーブルK1における容量CK1とは、シー
ルド線との間に発生する容量を意味するものである。
【0110】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記入力端子側交流抵抗RA(BP2)とし
ては、図14に示すように、導体R1における寄生抵抗
R1、同軸ケーブルK1における寄生抵抗RK1、を測定
することになる。ここで、入力端子側交流抵抗RA(B
P2)の測定時において、図14に示すように、同軸ケ
ーブルK1における寄生抵抗RK1は分岐点B2よりも測
定位置PR側に位置しているが、これは模式図であり、
実際には入力端子側交流抵抗RA(BP2)の測定時に
おいて、同軸ケーブルK1の抵抗値および、接続点BP
2側の抵抗値を含み、上記のIRAの回路における図示し
ない寄生抵抗をも含んでいるものとする。
【0111】同様にして、整合回路2Aの前記出力端子
側交流抵抗RBを測定するには、先ず、図13に示すよ
うに、接続点BP2をマッチングボックス2から切り離
すとともに、インピーダンス測定器(高周波特性測定
器)ANのプローブ105を、第1実施形態と同様にし
て、入力端子位置PR3およびマッチングボックス2の
アース位置(接地電位部分)に接続する。この状態で、
インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例え
ば電力周波数fe と等しい40.68MHz程度に設定
して、整合回路2Aの上記測定範囲に対するインピーダ
ンスのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピーダンス
の復素表現における実部を算出して、これを入力端子側
交流抵抗RB(BP1)として定義する。
【0112】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RB(BP1)の測定時に考慮されている電気的高
周波的要因としては、図13にIRBで示すように、出力
端子とされる測定位置PRから、分岐点B1を経て、接
地電位部分であるマッチングボックス2への接続点BP
1まで、つまり、以下のものが考えられる。 チューニングコンデンサ24の容量CT 導体R4における寄生抵抗RR4 導体R4におけるインダクタンスLR4 インダクタンスコイル23における寄生抵抗RLT インダクタンスコイル23におけるインダクタンスLT ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1
【0113】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記出力端子側交流抵抗RB(BP1)とし
ては、図13に示すように、導体R4における寄生抵抗
R4、インダクタンスコイル23における寄生抵抗
LT、導体R2における寄生抵抗RR2、を測定すること
になる。ここで、寄生抵抗RRLTは、出力端子側交流抵
抗RBの測定時において、分岐点B1からロードコンデ
ンサ22までの抵抗値等、上記のIRBの回路における図
示しない寄生抵抗をも含んでいるものとする。
【0114】次に、出力端子側交流抵抗RB(BP2)
として、図14に示すように、接続点BP1をマッチン
グボックス2から切り離すとともに接続点BP2をマッ
チングボックス2に接続する。この状態で、同様にイン
ピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ
105を、出力端子位置PRおよびマッチングボックス
2のアース位置(接地電位部分)に接続するとともに、
インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例え
ば電力周波数fe と等しい40.68MHz程度に設定
して、整合回路2Aの上記測定範囲に対するインピーダ
ンスのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピーダンス
の復素表現における実部を算出して、これを出力端子側
交流抵抗RB(BP2)として定義する。
【0115】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RB(BP2)の測定時に考慮されている電気的高
周波的要因としては、図14にIRBで示すように、出力
端子とされる測定位置PRから、分岐点B2を経て、接
地電位部分であるマッチングボックス2への接続点BP
2まで、つまり、以下のものが考えられる。 チューニングコンデンサ24の容量CT 導体R4における寄生抵抗RR4 導体R4におけるインダクタンスLR4 インダクタンスコイル23における寄生抵抗RLT インダクタンスコイル23におけるインダクタンスLT 導体R3における寄生抵抗RR3 導体R3におけるインダクタンスLR3 同軸ケーブルK1における寄生抵抗RK1 同軸ケーブルK1におけるインダクタンスLK1 同軸ケーブルK1における容量CK1
【0116】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記出力端子側交流抵抗RB(BP2)とし
ては、図14に示すように、導体R4における寄生抵抗
R4、インダクタンスコイル23における寄生抵抗
LT、導体R3における寄生抵抗RR3、同軸ケーブルK
1における寄生抵抗RK1、を測定することになる。
【0117】本実施形態のプラズマチャンバ75の整合
回路2Aにおいては、このように測定された高周波特性
としての入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流
抵抗RBが、プラズマチャンバ75の作動状態に適した
所定の範囲の値になるように設定する。具体的には、そ
れぞれの入力端子側交流抵抗RA(BP1),入力端子
側交流抵抗RA(BP2),出力端子側交流抵抗RB
(BP1),および出力端子側交流抵抗RB(BP2)
を、各々後述する所定の範囲の値になるように設定す
る。ここで、交流抵抗RA,RBを設定する方法として
は、例えば、 銅板(導体R1,R2,R3,R4)の形状(長さ,
幅)を調整する。 銅板(導体R1,R2,R3,R4)の組み立て状態
(取り付け状態)を調整する。 同軸ケーブルK1の形状(長さ,幅)を調整する。 銅板(導体R1,R2,R3,R4)に銀をメッキす
る。 等の手法を適用することができる。
【0118】そして、本実施形態のプラズマ処理装置9
1においては、プラズマチャンバ96は、プラズマチャ
ンバ95と略同等の構造とされている。そして、このプ
ラズマチャンバ96に対しても、高周波特性としての交
流抵抗RA,RB、具体的には、交流抵抗RA(BP
1),RA(BP2),RB(BP1),RB(BP
2)をそれぞれプラズマチャンバ95と同様にして設定
する。ここで、これらプラズマチャンバ95,96にお
いて、いずれも、電力周波数fe を40.68MHzに
設定して、交流抵抗RA,RBを測定する。ところが、
この交流抵抗RA,RBは、機械的な構造をその多くの
要因としてきまる電気的高周波的な特性であり、各実機
ごとにそれぞれ異なっていると考えられる。
【0119】入力端子側交流抵抗RAとしては、まず、
計測したプラズマチャンバ95に対する入力端子側交流
抵抗RA(BP1)95、プラズマチャンバ96に対する
入力端子側交流抵抗RA(BP1)96のうち、その最大
値RA(BP1)max と最小値RA(BP1)min に対
して、
【数1】 この式(14A’)のように複数のプラズマチャンバ9
5,96の入力端子側交流抵抗RA(BP1)のばらつ
き<RA(BP1)>として定義する。
【0120】同様にして、計測したプラズマチャンバ9
5に対する入力端子側交流抵抗RA(BP2)95、プラ
ズマチャンバ96に対する入力端子側交流抵抗RA(B
P2)96のうち、その最大値RA(BP2)max と最小
値RA(BP2)min に対して、
【数2】 この式(14A”)のように複数のプラズマチャンバ9
5,96の入力端子側交流抵抗RA(BP2)のばらつ
き<RA(BP2)>として定義する。
【0121】そして、これら入力端子側交流抵抗RA
(BP1)のばらつき<RA(BP1)>および入力端子
側交流抵抗RA(BP2)のばらつき<RA(BP2)>
のうち、その値の大きいものを入力端子側交流抵抗RA
のばらつき<RA>とし、この(14A’)(14A”)
式で表されるばらつきの値を0.4より小さい範囲の値
に設定する。つまり、接続点BP1,BP2に対応する
入力端子側交流抵抗RAのばらつきの値<RA(BP
1)>および<RA(BP2)>をすべて、0.4とされ
る所定の範囲の値となるように設定する。この際、入力
端子側交流抵抗RAのばらつき<RA>を設定する方法と
しては、上述の〜等のような手法を適用することが
できる。
【0122】同時に、出力端子側交流抵抗RBとして
は、計測したプラズマチャンバ95に対する出力端子側
交流抵抗(BP1)RB95、プラズマチャンバ96に対
する出力端子側交流抵抗RB(BP1)96のうち、その
最大値RB(BP1)max と最小値RB(BP1)min
に対して、
【数3】 式(14B’)のように複数のプラズマチャンバ95,
96の出力端子側交流抵抗RB(BP1)のばらつき<
RB(BP1)>として定義する。
【0123】同様にして、計測したプラズマチャンバ9
5に対する出力端子側交流抵抗RB(BP2)95、プラ
ズマチャンバ96に対する出力端子側交流抵抗RB(B
P2)96のうち、その最大値RB(BP2)max と最小
値RB(BP2)min に対して、
【数4】 この式(14B”)のように複数のプラズマチャンバ9
5,96の入力端子側交流抵抗RA(BP2)のばらつ
き<RA(BP2)>として定義する。
【0124】そして、これら出力端子側交流抵抗RB
(BP1)のばらつき<RB(BP1)>および出力端子
側交流抵抗RB(BP2)のばらつき<RB(BP2)>
のうち、その値の大きいものを出力端子側交流抵抗RB
のばらつき<RB>とし、この(14B’)(14B”)
式で表されるばらつきの値を0.4より小さい範囲の値
に設定する。つまり、接続点BP1,BP2に対応する
入力端子側交流抵抗RBのばらつきの値<RB(BP
1)>および<RB(BP2)>をすべて、0.4とされ
る所定の範囲の値となるように設定する。この際、出力
端子側交流抵抗RBのばらつき<RB>を設定する方法と
しては、上述の〜等のような手法を適用することが
できる。
【0125】本実施形態のプラズマチャンバ95,96
の整合回路2Aにおいては、上記のように(このときを
時刻t0 とする)測定された高周波特性としての入力端
子側交流抵抗RA(BP1),RA(BP2)および出
力端子側交流抵抗RB(BP1),RB(BP2)が、
時間的にプラズマチャンバ95,96の作動状態に適し
た所定の範囲の値になるように設定する。つまり、プラ
ズマチャンバ95,96が分解搬送後、納入先において
再組み立てした後においても、さらに、その後それが使
用され被処理物のプラズマ処理が行われても、さらに
は、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が
施されても、その時点(時刻t1 )において、その時の
入力端子側交流抵抗RA(BP1)1 ,RA(BP2)
1 ,出力端子側交流抵抗RB(BP1)1 ,RB(BP
2)1 が、それぞれ、RA(BP1)0 、RA(BP
1)1 の差ΔRA(BP1)の絶対値がRA(BP1)
0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値に維持さ
れ、RA(BP2)0 、RA(BP2)1 の差ΔRA
(BP2)の絶対値がRA(BP2)0 の0.4倍とさ
れる所定の値より小さい値に維持されるとともに、RB
(BP1)0 、RB(BP1)1 の差ΔRB(BP1)
の絶対値がRB(BP1)0 の0.4倍とされる所定の
値より小さい値に維持され、RB(BP2)0 、RB
(BP2)1 の差ΔRB(BP2)の絶対値がRB(B
P2)0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値に維
持されている。そのために、もし、少なくともΔRA
(BP1),ΔRA(BP2),ΔRB(BP1),Δ
RB(BP2)の少なくとも一つが上記の所定の値以上
となった場合は是正作業が行われる。ここで、交流抵抗
RA(BP1),RA(BP2),RB(BP1),R
B(BP2)を設定する方法としては、例えば、上述の
〜等のような手法を適用することができる。
【0126】上記構成のプラズマ処理装置91は、ゲー
トg0を開放して被処理基板16をロードロック室93
に搬入し、ゲートg0を閉塞してロードロック室93を
低真空ポンプによって排気する。ゲートg1,g2を開
放してロードロック室93に搬入された基板16を、搬
送室92の搬送ロボットの移載アームによって熱処理室
99に移動し、ゲートg1,g2を閉塞して搬送室92
と熱処理室99を高真空ポンプによって排気する。つい
で基板16を加熱処理し、終了後、ゲートg2,g4を
開放して熱処理された基板16を、搬送室92の搬送ロ
ボットの移載アームによってプラズマチャンバ95に移
動する。プラズマチャンバ95の基板16を反応処理
し、終了後ゲートg4,g3を開放して処理された基板
16を、搬送室92の搬送ロボットの移載アームによっ
てプラズマチャンバ96に移動する。プラズマチャンバ
96の基板16を反応処理し、終了後ゲートg3,g1
を開放して基板16を、搬送室92の搬送ロボットの移
載アームによってロードロック室93に移動する。
【0127】このとき、例えば各処理室における成膜条
件等の処理条件や処理シーケンスをオペレータが設定す
る他は、各部の動作が制御部により制御されており、自
動運転する構成になっている。したがって、このプラズ
マ処理装置91を使用する際には、処理前の被処理基板
16をロードロック室93のローダカセットにセット
し、オペレータがスタートスイッチを操作すれば、基板
搬送ロボットによりローダカセットから各処理室内に被
処理基板16が搬送され、各処理室で一連の処理が順次
自動的に行われた後、基板搬送ロボットによりアンロー
ダカセット(ローダカセット)に収容される。
【0128】上記構成のプラズマチャンバ95,96に
おいては、第1実施形態と同様に、サセプタ電極8上に
被処理基板16を載置し、高周波電源1から高周波電極
4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加
するとともにガス導入管17からシャワープレート6を
介して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラズマ
を発生させ、被処理基板16上にアモルファスシリコン
膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を成膜する。
【0129】本実施形態のプラズマ処理装置91におい
ては、第1実施形態と同等の効果を奏するとともに、各
プラズマチャンバ95,96の整合回路2Aにおいて、
分解、搬送、再組み立て、その後の使用(プラズマ処
理)、あるいは調整作業が施された後でも、交流抵抗R
A(BP1),RA(BP2),RB(BP1),RB
(BP2)がいずれも、ΔRA(BP1),ΔRA(B
P2),ΔRB(BP1),ΔRB(BP2)の絶対値
が、それぞれRA(BP1)0 ,RA(BP2) 0 ,R
B(BP1)0 ,RB(BP2)0 の0.4倍とされる
所定の値より小さい値に維持されている。そのため、あ
る時間が経過する間に、上記のような電気的高周波的な
特性に影響を与える可能性のある事象があった場合に
も、その時間の前後で、電気的高周波的な特性の差をな
くすことが可能となり、さらに、時刻t0 において複数
のプラズマチャンバ95,96におけるそれぞれの電気
的高周波的な機差をなくすように設定していることによ
り、交流抵抗、容量、インピーダンス等の高周波数特性
を指標とする一定の管理幅内に本装置のプラズマチャン
バ95,96の状態を維持することが可能となるので、
プラズマ空間で消費される実効的な電力等をそれぞれ時
間的に略均一になるように維持することができる。具体
的には、時間の経過にかかわらず、すなわち、分解、搬
送、再組み立てや使用回数、調整作業等の存在にかかわ
らず、略同一の条件で積層をおこなったそれぞれのプラ
ズマチャンバ95,96において、膜厚のばらつきの値
を±3%の範囲におさめることができる。
【0130】さらに、本実施形態のプラズマ処理装置9
1においては、各プラズマチャンバ95,96の整合回
路2Aにおける入力端子側交流抵抗RA,出力端子側交
流抵抗RBのばらつきが、それぞれ0.4より小さい範
囲の値に設定されてなることで、複数のプラズマチャン
バ95,96に対して電気的高周波的な特性の機差をな
くすことが可能となり、これにより、インピーダンス特
性を指標とする一定の管理幅内に複数のプラズマチャン
バ95,96の状態を時間的に設定しておくことが可能
となるので、個々のプラズマチャンバ95,96におい
て、プラズマ空間で消費される実効的な電力を時間的に
それぞれ略均一にすることができる。その結果、複数の
プラズマチャンバ95,96に対して同一のプロセスレ
シピを適用して、時間的に略同一のプラズマ処理結果を
得ること、つまり、複数のプラズマチャンバにおいて例
えば複数回の成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、
エッチングレート等、略均一な膜特性の膜を毎回得るこ
とが可能となる。具体的には、上記のばらつきの値を
0.4より小さい範囲に設定することにより、略同一の
条件で積層をおこなったプラズマチャンバにおいて、膜
厚のばらつきの値を±3%の範囲におさめることができ
る。
【0131】本実施形態のように、複数の接続点BP
1,BP2がある場合には、これらの接続点BP1,B
P2のうち1箇所の接続点BP1のみをマッチングボッ
クス(接地電位部分)2に接続するよう他の接続点BP
2を切断した状態として入力端子側交流抵抗RA(BP
1)および出力端子側交流抵抗RB(BP1)を測定
し、かつ、接続する点を切り替えて、接続点BP2のみ
をマッチングボックス(接地電位部分)2に接続するよ
う他の接続点BP1を切断した状態として入力端子側交
流抵抗RA(BP2)および出力端子側交流抵抗RB
(BP2)を測定することにより、各接続点BP1,B
P2ごとに接続状態を設定して測定範囲を設定し、この
測定範囲ごとに異なる状態とされる整合回路2Aの受動
素子に対して測定したそれぞれの交流抵抗RA(BP
1),RA(BP2),RB(BP1),RB(BP
2)を、各プラズマチャンバ95,96に対して式(1
4A’)(14A”)(14B’)(14B”)に示す
ようなばらつきの値を定義して、各測定範囲毎の交流抵
抗のばらつきの値<RA><RB>を設定することで、個々
のプラズマチャンバ95,96において、プラズマ空間
で消費される実効的な電力をそれぞれ略均一にすること
ができる。
【0132】さらに、本実施形態のプラズマ処理装置9
1およびその検査方法においては、複数のプラズマチャ
ンバ95,96の前記整合回路2Aにおいて、時刻t0
および時刻t1 に、それぞれ入力端子側交流抵抗RA,
出力端子側交流抵抗RBを同時に設定することにより、
複数の分岐点B1,B2を有する整合回路2Aにおいて
も、これらの寄生抵抗を設定してその機差および時間経
過に従って生じる差をなくすことができる。このため、
前記プラズマチャンバ95,96のインピーダンス特性
を測定する際における作業効率を向上することができ
る。
【0133】さらに、本実施形態においては、プラズマ
励起電極4に対する入力端子側交流抵抗RA,出力端子
側交流抵抗RBを設定したが、サセプタ電極側8側の整
合回路25に対する入力端子側交流抵抗RA,出力端子
側交流抵抗RBを設定するよう対応することも可能であ
る。この場合、それぞれの測定位置を、図11,図12
に示すように、整合回路25の出力端子側交流抵抗RB
の測定範囲を規定する測定位置PR’として設定し、整
合回路25の入力端子側交流抵抗RAの測定範囲を規定
する測定位置PR3’として設定することができる。
【0134】さらに、平行平板型の電極4,8を有する
タイプに変えて、ICP(inductive coupled plasma)
誘導結合プラズマ励起型、RLSA(radial line slot
antenna)ラジアルラインスロットアンテナ型などのプ
ラズマ処理装置や、RIE(Riactive Ion Etching)反
応性スパッタエッチング用の処理装置に適用することも
できる。なお、電極4,8に替えて、ターゲット材を取
り付けることにより、プラズマ処理としてスパッタリン
グをおこなうことも可能である。
【0135】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の第
3実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第3実施形態]図15は本実施形態のプラズマチャン
バの概略構成を示す模式図である。
【0136】本実施形態のプラズマ処理装置は、図1〜
図14に示した第1,第2実施形態と略同等の構成とさ
れ、図1〜図14に示した第1,第2実施形態と異なる
点は、プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の
部分で、整合回路、および、スイッチに関する点のみで
あり、プラズマ処理装置としての構成に関しては第1な
いし第2実施形態に準ずるものとされる。また、これ以
外の第1ないし第2実施形態と略同等の構成要素に関し
ては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0137】本実施形態においては、プラズマチャンバ
の構成として第2実施形態と同様の2周波数励起タイプ
とされるとともに、図15にPR2で示すように、高周
波数特性としての入力端子側交流抵抗RAを測定する測
定範囲を規定する測定位置が、各プラズマチャンバ7
5,76,77,95,96,97において、整合回路
2Aの高周波電源1に接続される高周波電力供給電体
(給電線)1Aの入力端子位置に設定される。
【0138】図16は、図15の整合回路の概略構成を
示す模式図、図17は、図16の整合回路における寄生
抵抗を説明するための模式回路図である。整合回路2A
は、図15〜図17に示すように、高周波電源1と給電
板3との間に設けられ、複数の受動素子として、エアバ
リコンからなるチューニングコンデンサ24と、真空バ
リコンからなるロードコンデンサ22と、これらの受動
素子を接続するための銅板とされる導体R1,R2,R
3,R4、R5とを有する構成とされている。これらの
うち、導体R1,導体R5,導体R3,導体R4,チュ
ーニングコンデンサ24は、整合回路2Aの入力端子側
から出力端子側へ直列に接続されるとともに、導体R
3,導体R4の間の分岐点B1からこれらと並列にロー
ドコンデンサ22が接続されている。ロードコンデンサ
22の一端は、接続点BP1において導体R2を介して
マッチングボックス2(接地電位部分)に接続されてい
る。ここで、チューニングコンデンサ24は整合回路2
Aの受動素子のうち最終端とされ、このチューニングコ
ンデンサ24の出力端子は整合回路2Aの出力端子とさ
れており、チューニングコンデンサ24は給電板3を介
してプラズマ励起電極4に接続されている。
【0139】本実施形態の整合回路2Aの入力端子位置
PR3には、図15〜図17に示すように、入力端子側
交流抵抗RAを測定するための測定用端子61と、この
測定用端子61と高周波数特性測定器ANとを接続する
同軸ケーブルとされる接続線61Aと、高周波数特性測
定時および、プラズマ発生時に、プラズマチャンバに対
する接続を給電線1Aと高周波特性測定器(インピーダ
ンス測定器)ANとの間で切り替えるスイッチSW5と
が接続される。スイッチSW5には、測定用端子61を
介した整合回路2Aの入力端子位置PR3と、給電線1
Aと、接続線61Aとが接続されている。また、スイッ
チSW5、給電線1A、接続線61Aは、プラズマ発生
時と高周波特性測定時とのいずれの場合にも、マッチン
グボックス2が接地電位になるよう構成されている。こ
こで、スイッチSW5で切り替えられる入力端子位置P
R3から給電線1Aの高周波電源1側端部(高周波電源
1の出力端子位置)とされる測定位置PR2までのイン
ピーダンスと、入力端子位置PR3から接続線61Aを
介して高周波特性測定器ANまでのインピーダンスとが
それぞれ等しく設定されている。具体的には、給電線1
Aと接続線61Aとの長さが等しく設定されている。さ
らに、各プラズマチャンバ75,76,77,95,9
6,97と高周波特性測定器ANまでのインピーダンス
とが等しくなるようにそれぞれ設定されている。これに
より、整合回路2Aと高周波特性測定器ANとの接続を
着脱することなく、スイッチSW5切り替えのみによ
り、インピーダンスなどの測定による高周波特性、特に
入力端子側交流抵抗RAの測定を容易におこなうことが
可能となる。
【0140】本実施形態の整合回路2Aの出力端子位置
PR近傍には、図15〜図17に示すように、出力端子
側交流抵抗RBを測定するための測定用端子61’と、
この測定用端子61’と高周波数特性測定器ANとを接
続する同軸ケーブルとされる接続線61Bと、高周波数
特性測定時および、プラズマ発生時に、整合回路2Aに
対する接続を給電板3側と高周波特性測定器(インピー
ダンス測定器)ANとの間で切り替えるスイッチSW1
およびSW1’とが接続される。スイッチSW1には整
合回路2Aの出力端子位置PRと測定用端子61’およ
び給電板3側への出力線とが接続され、スイッチSW
1’はマッチングボックス2と接続線61Bのシールド
線を介した高周波特性測定器行きのアース電位部分に接
続されている。また、スイッチSW1,SW1’、接続
線61Bは、プラズマ発生時と高周波特性測定時とのい
ずれの場合にも、マッチングボックス2が接地電位にな
るよう構成されている。ここで、各プラズマチャンバ7
5,76,77,95,96,97から高周波特性測定
器ANまでのインピーダンスとが等しくなるようにそれ
ぞ接続線61Bの長さが等しくれ設定されている。これ
により、整合回路2Aと高周波特性測定器ANとの接続
を着脱することなく、スイッチSW1,SW1’の切り
替えのみにより、インピーダンスなどの測定による高周
波特性、特に出力端子側交流抵抗RBの測定を容易にお
こなうことが可能となる。
【0141】ここで、本実施形態のプラズマチャンバ7
5,76,77,95,96,97における高周波特性
としての整合回路2Aの交流抵抗RA,RBは、第1,
第2実施形態と同様にして測定・定義する。
【0142】入力端子側交流抵抗RAを測定するには、
図17に示すように、スイッチSW1,SW1’を切り
替えて整合回路2Aを出力端子位置PRでプラズマチャ
ンバから切り離した状態とするとともに、スイッチSW
5をインピーダンス測定器(高周波特性測定器)AN側
に切り替えた状態で、インピーダンス測定器ANの発振
する測定周波数を例えば電力周波数fe と等しい40.
68MHz程度に設定して、整合回路2Aの上記測定範
囲に対するインピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測
定し、インピーダンスの復素表現における実部を算出し
て、これを交流抵抗として定義する。
【0143】このとき、整合回路2Aの入力端子側交流
抵抗RAの測定時に考慮されている電気的高周波的要因
としては、図17にIRAで示すように、高周波電源1側
の測定位置PR2とインピーダンス特性の等しい高周波
特性測定器AN側の測定位置PR2から、分岐点B3、
B1を経て、マッチングボックス2等の接地電位部分ま
で、つまり、以下のものが考えられる。 接続線61Aにおける寄生抵抗R61A 接続線61AにおけるインダクタンスL61A 接続線61Aにおける容量C61A スイッチSW5における寄生抵抗RSW5 スイッチSW5におけるインダクタンスLSW5 測定用端子61における寄生抵抗R61 測定用端子61におけるインダクタンスL61 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 導体R5における寄生抵抗RR5 導体R5におけるインダクタンスLR5 導体R3における寄生抵抗RR3 導体R3におけるインダクタンスLR3 ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1 ここで、接続線61Aにおける容量C61A とは、シール
ド線との間に発生する容量を意味するものである。
【0144】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記入力端子側交流抵抗RAとしては、図1
7に示すように、接続線61Aにおける寄生抵抗
61A 、スイッチSW5における寄生抵抗RSW5 、測定
用端子61における寄生抵抗R61、導体R1における寄
生抵抗RR1、導体R5における寄生抵抗RR5、導体R3
における寄生抵抗RR3、導体R2における寄生抵抗
R2、を測定することになる。ここで、入力端子側交流
抵抗RAの測定時において、寄生抵抗R3は、分岐点B
1からロードコンデンサ22までの抵抗値を含み、これ
によって、上記のIRAの回路における図示しない寄生抵
抗をも含んでいるものとする。
【0145】同様にして、整合回路2Aの前記出力端子
側交流抵抗RBを測定するには、スイッチSW5を切り
替えて整合回路2Aを入力端子位置PR3で高周波電源
1から切り離した状態とするとともに、スイッチSW
1,SW1’をインピーダンス測定器(高周波特性測定
器)AN側に切り替えた状態で、出力端子位置PRをイ
ンピーダンス測定器ANに接続し、かつ、マッチングボ
ックス2をインピーダンス測定器ANのアース部分に接
続してインピーダンス測定器ANの発振する測定周波数
を例えば電力周波数fe と等しい40.68MHz程度
に設定して、整合回路2Aの上記測定範囲に対するイン
ピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピー
ダンスの復素表現における実部を算出して、これを交流
抵抗として定義する。
【0146】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RBの測定時に考慮されている電気的高周波的要因
としては、図17にIRBで示すように、出力端子とされ
る測定位置PRから、分岐点B1を経て、接地電位部分
である接続点B1まで、つまり、以下のものが考えられ
る。 スイッチSW1における寄生抵抗RSW1 スイッチSW1におけるインダクタンスLSW1 チューニングコンデンサ24の容量CT 導体R4における寄生抵抗RR4 導体R4におけるインダクタンスLR4 ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1
【0147】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記出力端子側交流抵抗RBとしては、図1
7に示すように、導体R4における寄生抵抗RR4、導体
R2における寄生抵抗RR2、を測定することになる。こ
こで、寄生抵抗RR4は、出力端子側交流抵抗RBの測定
時において、分岐点B1からロードコンデンサ22まで
の抵抗値等、上記のIRBの回路における図示しない寄生
抵抗をも含んでいるものとする。
【0148】なお、整合回路2Aの出力端子側交流抵抗
RBの測定時に考慮されている電気的高周波的要因とし
ては、図17に示すように、以下の要因が存在している
が、これらは、高周波電源1からプラズマチャンバへの
高周波電力供給時にはその寄与が無視し得るため、これ
らは出力端子側交流抵抗RBの測定後にその影響を排除
するように操作をおこなっておく。 接続線61Bにおける寄生抵抗R61B 接続線61BにおけるインダクタンスL61B 接続線61Bにおける容量C61B 測定用端子61’における寄生抵抗R61' 測定用端子61’におけるインダクタンスL61'
【0149】本実施形態のプラズマチャンバの整合回路
2Aにおいては、第1,第2実施形態と同様に、測定さ
れた高周波特性としての入力端子側交流抵抗RAおよび
出力端子側交流抵抗RBが、プラズマチャンバのの作動
状態に適した所定の範囲の値になるように設定するとと
もに、複数のプラズマチャンバにおいて、前記式(14
A)(14B)に示すように、そのばらつきの値をそれ
ぞれ設定する。
【0150】本実施形態のプラズマ処理装置において
は、第1,第2実施形態と同等の効果を奏するととも
に、整合回路2Aの測定範囲に給電線1Aが含まれてい
ることにより、実際に電力を供給する部分の寄生抵抗ま
でも含めて設定することが可能となるため、プラズマチ
ャンバ75,76,77,95,96が分解、搬送、再
組み立て、その後の使用(プラズマ処理)、あるいは調
整作業が施された後においても、測定範囲に高周波電力
給電体(給電線)1Aを含めない場合に比べて、整合回
路2Aだけでなく、給電線1Aも含めて複数のプラズマ
チャンバに対して、交流抵抗RA1 ,RB1 (高周波特
性)を、それぞれ、RA0 、RA1 の差ΔRAの絶対値
がRA0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値に維
持することができるとともに、RB0 、RB1 の差ΔR
Bの絶対値をRB0 の0.4倍とされる所定の値より小
さい値に維持することができる。そのため、ある時刻t
0 ,から時刻t1 における時間が経過する間でも、電気
的高周波的な特性の機差をさらになくすことが可能とな
り、個々のプラズマチャンバにおいて上記のような電気
的高周波的な特性に影響を与える可能性のある事象があ
った場合にも、その時間の前後で、電気的高周波的な特
性の差をさらになくすことが可能となり、これにより、
交流抵抗RA,RB、容量、インピーダンス特性を指標
とする一定の管理幅内にそれぞれのプラズマチャンバ7
5,76,77,95,96の状態をさらに時間的に維
持することが可能となるので、プラズマ空間で消費され
る実効的な電力等をそれぞれ略均一に維持することがで
き、これに同一のプロセスレシピを適用して、給電線1
Aを含めない場合に比べて、さらに略同一性の高いプラ
ズマ処理結果を得ることができる。
【0151】さらに、本実施形態のプラズマ処理装置に
おいては、測定用端子61,61’,スイッチSW5,
SW1,SW1’を設けるとともに、入力端子位置PR
3から測定位置PR2までのインピーダンスと、入力端
子位置PR3から接続線61Aを介して高周波特性測定
器ANまでのインピーダンスとがそれぞれ等しく設定さ
れていることにより、個々のプラズマチャンバにおい
て、整合回路2Aと高周波電源1、および、整合回路2
Aと給電板3側と、をそれぞれ着脱することなく、か
つ、インピーダンス測定用プローブ105を着脱するこ
となく、スイッチSW5,SW1,SW1’の切り替え
のみにより高周波特性、特に入力端子側交流抵抗RAお
よび出力端子側交流抵抗RBの測定と、プラズマ処理装
置の動作状態つまりプラズマ発生状態と、の切り替えを
容易におこなうことが可能となる。
【0152】さらに、各プラズマチャンバ75,76,
77,95,96,97と高周波特性測定器ANまでの
インピーダンスとが等しくなるようにそれぞれ接続線6
1Aの長さ等が設定されていることにより、高周波特性
の測定、特に入力端子側交流抵抗RAの測定時におい
て、スイッチSW5の切り替えのみにより複数のプラズ
マチャンバ95,96を順に切り替えることができ、入
力端子側交流抵抗RAの測定時における作業効率を向上
することができる。また、各プラズマチャンバ75,7
6,77,95,96,97と高周波特性測定器ANま
でのインピーダンスとが等しくなるようにそれぞれ接続
線61Bの長さ等が設定されていることにより、高周波
特性の測定、特に出力端子側交流抵抗RBの測定時にお
いて、スイッチSW1,SW1’の切り替えのみにより
複数のプラズマチャンバ95,96を順に切り替えるこ
とができ、出力端子側交流抵抗RBの測定時における作
業効率を向上することができる。
【0153】以下、本発明に係るプラズマ処理装置,プ
ラズマ処理システムおよびこれらの性能確認システム,
検査方法の第4実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第4実施形態]図18は本実施形態のプラズマチャン
バにおける整合回路の概略構成を示す模式図である。
【0154】本実施形態のプラズマ処理装置は、図1〜
図17に示した第1〜第3実施形態と略同等の構成とさ
れ、図1〜図17に示した第1〜第3実施形態と異なる
点は、プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の
整合回路とその測定範囲に関する点のみであり、プラズ
マ処理装置としての構成に関しては第1ないし第3実施
形態に準ずるものとされる。また、これ以外の第1ない
し第3実施形態と略同等の構成要素に関しては同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0155】本実施形態においては、入力端子側交流抵
抗RAを規定する測定位置が、第3実施形態と同様にし
て、図18に示すように、PR2とされるとともに、図
18にPR4で示すように、高周波数特性としての出力
端子側交流抵抗RBを測定する測定範囲を規定する測定
位置が、各プラズマチャンバ75,76,77,95,
96,97において、整合回路2Aに接続される高周波
電力供配電体(給電板)3の電極4側の出力端子位置に
設定される。また、第1,第2実施形態と同様に、整合
回路2Aの入力端子は、スイッチSW5を介さずに給電
線1Aに接続されている。
【0156】図19,図20は、図18の整合回路にお
ける寄生抵抗を説明するための模式回路図である。整合
回路2Aは、図18,図19,図20に示すように、高
周波電源1と給電板3との間に設けられ、複数の受動素
子として、インダクタンスコイル23と、エアバリコン
からなるチューニングコンデンサ24と、真空バリコン
からなるロードコンデンサ22A,22Bと、これらの
受動素子を接続するための銅板とされる導体R1,R
2,R5,R6とを有する構成とされている。これらの
うち、導体R1,導体R5,インダクタンスコイル2
3,チューニングコンデンサ24は、整合回路2Aの入
力端子側から出力端子側へ直列に接続されるとともに、
導体R1,導体R5の間の分岐点B4からこれらと並列
にロードコンデンサ22Aが接続され、導体R5,イン
ダクタンスコイル23の間の分岐点B1からこれらと並
列にロードコンデンサ22Bが接続されている。ロード
コンデンサ22Aの一端は、接続点BP4において導体
R6を介してマッチングボックス2(接地電位部分)に
接続されているとともに、ロードコンデンサ22Bの一
端は、接続点BP1において導体R2を介してマッチン
グボックス2(接地電位部分)に接続されている。ここ
で、チューニングコンデンサ24は整合回路2Aの受動
素子のうち最終端とされ、このチューニングコンデンサ
24の出力端子は整合回路2Aの出力端子とされてお
り、チューニングコンデンサ24は給電板3を介してプ
ラズマ励起電極4に接続されている。
【0157】ここで、本実施形態のプラズマチャンバ7
5,76,77,95,96,97における高周波特性
としての整合回路2Aの交流抵抗RA,RBは、第1な
いし第3実施形態と同様にして測定・定義する。本実施
形態の交流抵抗RA,RBは、具体的には図18,図1
9,図20に示すように測定・定義される。
【0158】本実施形態の整合回路2Aにおける測定範
囲としては、図18にPR4で示すように、高周波電力
配電体(給電板)の出力端子位置とされる測定位置PR
4で整合回路2Aをプラズマチャンバから切り離す、つ
まり、整合回路2Aの出力端子位置に高周波電力配電体
(給電板)3が接続した状態でプラズマチャンバから切
り離すとともに、高周波電力給電体(給電線)1Aが整
合回路2Aの入力端子に接続した状態で高周波電源1か
ら切り離した状態を測定範囲とする。
【0159】入力端子側交流抵抗RAを測定するには、
図18にPR4で示すように、高周波電力配電体(給電
板)の出力端子位置PR4で整合回路2Aをプラズマチ
ャンバから切り離す、つまり、整合回路2Aの出力端子
位置に高周波電力配電体(給電板)3が接続した状態で
プラズマチャンバから切り離すとともに、高周波電力給
電体(給電線)1Aが整合回路2Aの入力端子に接続し
た状態で高周波電源1から切り離し、この状態で、測定
位置PR2から入力端子側交流抵抗RAを、測定する。
【0160】このとき、先ず、図19に示すように、接
続点BP4をマッチングボックス2から切り離すととも
に、給電線1Aのシールド線をアース状態としてインピ
ーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ1
05を、第1,第2実施形態と同様にして、測定位置P
R2およびマッチングボックス2のアース位置(接地電
位部分)に接続する。この状態で、インピーダンス測定
器ANの発振する測定周波数を例えば電力周波数fe
等しい40.68MHz程度に設定して、整合回路2A
の上記測定範囲に対するインピーダンスのベクトル量
(Z,θ)を測定し、インピーダンスの復素表現におけ
る実部を算出して、これを入力端子側交流抵抗RA(B
P1)として定義する。
【0161】本実施形態において、整合回路2Aの入力
端子側交流抵抗RA(BP1)の測定時に考慮されてい
る電気的高周波的要因としては、図19にIRAで示すよ
うに、高周波電源1側の測定位置PR2から、分岐点B
1を経て、接地電位部分であるマッチングボックス2へ
の接続点BP1まで、つまり、以下のものが考えられ
る。 給電線1Aにおける寄生抵抗R1A 給電線1AにおけるインダクタンスL1A 給電線1Aにおける容量C1A 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 導体R5における寄生抵抗RR5 導体R5におけるインダクタンスLR5 ロードコンデンサ22Bの容量CLB 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1 ここで、給電線1Aにおける容量C1Aとは、シールド線
との間に発生する容量を意味するものである。
【0162】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記入力端子側交流抵抗RA(BP1)とし
ては、図19に示すように、給電線1Aにおける寄生抵
抗R 1A 、導体R1における寄生抵抗RR1、導体R5に
おける寄生抵抗RR5、導体R2における寄生抵抗RR2
を測定することになる。
【0163】次に、入力端子側交流抵抗RA(BP2)
として、図20に示すように、接続点BP1をマッチン
グボックス2から切り離すとともに接続点BP4をマッ
チングボックス2に接続する。この状態で、同様にイン
ピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ
105を、測定位置PR2およびマッチングボックス2
のアース位置(接地電位部分)に接続するとともに、イ
ンピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例えば
電力周波数fe と等しい40.68MHz程度に設定し
て、整合回路2Aの上記測定範囲に対するインピーダン
スのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピーダンスの
復素表現における実部を算出して、これを入力端子側交
流抵抗RA(BP2)として定義する。
【0164】このとき、整合回路2Aの入力端子側交流
抵抗RA(BP2)の測定時に考慮されている電気的高
周波的要因としては、図20にIRAで示すように、入力
端子とされる測定位置PR3から、分岐点B4を経て、
接地電位部分であるマッチングボックス2への接続点B
P4まで、つまり、以下のものが考えられる。 給電線1Aにおける寄生抵抗R1A 給電線1AにおけるインダクタンスL1A 給電線1Aにおける容量C1A 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 ロードコンデンサ22Aの容量CLA 導体R6における寄生抵抗RR6 導体R6におけるインダクタンスLR6
【0165】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記入力端子側交流抵抗RA(BP2)とし
ては、図20に示すように、給電線1Aにおける寄生抵
抗R 1A 、導体R1における寄生抵抗RR1、導体R6に
おける寄生抵抗RR6、を測定することになる。
【0166】同様にして、整合回路2Aの前記出力端子
側交流抵抗RBを測定するには、先ず、図19に示すよ
うに、接続点BP4をマッチングボックス2から切り離
すとともに、また、測定位置PR4から入力端子側交流
抵抗RBを測定する。ここで、プローブ105を、第
1,第2実施形態と同様にして、測定位置PR4および
マッチングボックス2のアース位置(接地電位部分)に
接続する。この状態で、インピーダンス測定器ANの発
振する測定周波数を例えば電力周波数fe と等しい4
0.68MHz程度に設定して、整合回路2Aの上記測
定範囲に対するインピーダンスのベクトル量(Z,θ)
を測定し、インピーダンスの復素表現における実部を算
出して、これを入力端子側交流抵抗RB(BP1)とし
て定義する。
【0167】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RB(BP1)の測定時に考慮されている電気的高
周波的要因としては、図19にIRBで示すように、給電
板3の出力端子とされる測定位置PR4から、分岐点B
1を経て、接地電位部分であるマッチングボックス2へ
の接続点BP1まで、つまり、以下のものが考えられ
る。 給電板3における寄生抵抗R3 給電板3におけるインダクタンスL3 チューニングコンデンサ24の容量CT インダクタンスコイル23における寄生抵抗RLT インダクタンスコイル23におけるインダクタンスLT ロードコンデンサ22Bの容量CLB 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスLR1
【0168】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記出力端子側交流抵抗RB(BP1)とし
ては、図19に示すように、導体R4における寄生抵抗
R4、インダクタンスコイル23における寄生抵抗
LT、導体R2における寄生抵抗RR2、を測定すること
になる。
【0169】次に、出力端子側交流抵抗RB(BP2)
として、図20に示すように、接続点BP1をマッチン
グボックス2から切り離すとともに接続点BP4をマッ
チングボックス2に接続する。この状態で、同様にイン
ピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANのプローブ
105を、測定位置PR4およびマッチングボックス2
のアース位置(接地電位部分)に接続するとともに、イ
ンピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例えば
電力周波数fe と等しい40.68MHz程度に設定し
て、整合回路2Aの上記測定範囲に対するインピーダン
スのベクトル量(Z,θ)を測定し、インピーダンスの
復素表現における実部を算出して、これを出力端子側交
流抵抗RB(BP2)として定義する。
【0170】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RB(BP2)の測定時に考慮されている電気的高
周波的要因としては、図20にIRBで示すように、出力
端子とされる測定位置PR4から、分岐点B4を経て、
接地電位部分であるマッチングボックス2への接続点B
P4まで、つまり、以下のものが考えられる。 給電板3における寄生抵抗R3 給電板3におけるインダクタンスL3 チューニングコンデンサ24の容量CT インダクタンスコイル23における寄生抵抗RLT インダクタンスコイル23におけるインダクタンスLT 導体R5における寄生抵抗RR5 導体R5におけるインダクタンスLR5 ロードコンデンサ22Aの容量CLA 導体R6における寄生抵抗RR6 導体R6におけるインダクタンスLR6
【0171】これらの電気的高周波的要因のうち、整合
回路2Aの前記出力端子側交流抵抗RB(BP2)とし
ては、図20に示すように、給電板3における寄生抵抗
3、インダクタンスコイル23における寄生抵抗
LT、導体R5における寄生抵抗RR5、導体R6におけ
る寄生抵抗RR6、を測定することになる。
【0172】本実施形態のプラズマチャンバの整合回路
2Aにおいては、第2実施形態と同様に、測定された高
周波特性としての入力端子側交流抵抗RAおよび出力端
子側交流抵抗RBが、プラズマチャンバの作動状態に適
した所定の範囲の値になるように設定する。具体的に
は、交流抵抗RA(BP1),RA(BP2),RB
(BP1),RB(BP2)が、それぞれプラズマチャ
ンバの作動状態に適した所定の範囲の値になるように設
定するとともに、複数のプラズマチャンバにおいて、式
(14A’)(14A”)(14B’)(14B”)に
示すように、そのばらつきの値<RA><RB>を設定する
ことで、個々のプラズマチャンバにおいて、プラズマ空
間で消費される実効的な電力をそれぞれ略均一にするこ
とができる。
【0173】さらに、本実施形態のプラズマチャンバの
整合回路2Aにおいては、上記のように(このときを時
刻t0 とする)測定された高周波特性としての入力端子
側交流抵抗RA(BP1),RA(BP2)および出力
端子側交流抵抗RB(BP1),RB(BP2)が、時
間的にプラズマチャンバの作動状態に適した所定の範囲
の値になるように設定する。つまり、プラズマチャンバ
が分解搬送後、納入先において再組み立てした後におい
ても、さらに、その後それが使用され被処理物のプラズ
マ処理が行われても、さらには、分解掃除、部品交換、
組み立て調整等の調整作業が施されても、その時点(時
刻t1 )において、その時の入力端子側交流抵抗RA
(BP1)1 ,RA(BP2)1 ,出力端子側交流抵抗
RB(BP1)1 ,RB(BP2)1 が、それぞれ、R
A(BP1)0 、RA(BP1)1の差ΔRA(BP
1)の絶対値がRA(BP1)0 の0.4倍とされる所
定の値より小さい値に維持され、RA(BP2)0 、R
A(BP2)1 の差ΔRA(BP2)の絶対値がRA
(BP2)0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値
に維持されるとともに、RB(BP1)0 、RB(BP
1)1 の差ΔRB(BP1)の絶対値がRB(BP1)
0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値に維持さ
れ、RB(BP2)0 、RB(BP2)1 の差ΔRB
(BP2)の絶対値がRB(BP2)0 の0.4倍とさ
れる所定の値より小さい値に維持されている。そのため
に、もし、少なくともΔRA(BP1),ΔRA(BP
2),ΔRB(BP1),ΔRB(BP2)の少なくと
も一つが上記の所定の値以上となった場合は是正作業が
行われる。ここで、交流抵抗RA(BP1),RA(B
P2),RB(BP1),RB(BP2)を設定する方
法としては、例えば、前述した〜等のような手法を
適用することができる。
【0174】本実施形態のプラズマ処理装置およびその
検査方法においては、第1ないし第3実施形態と同等の
効果を奏するとともに、整合回路2Aの測定範囲に給電
板3が含まれていることにより、実際に電力を供給する
部分の寄生抵抗までも含めて設定することが可能となる
ため、プラズマチャンバが分解、搬送、再組み立て、そ
の後の使用(プラズマ処理)、あるいは調整作業が施さ
れた後においても、測定範囲に高周波電力配電体(給電
板)3を含めない場合に比べて、整合回路2Aだけでな
く、高周波電力配電体(給電板)3も含めて複数のプラ
ズマチャンバに対して交流抵抗RA1 ,RB1 (高周
波特性)を、それぞれ、RA0 、RA1の差ΔRAの絶
対値がRA0 の0.4倍とされる所定の値より小さい値
に維持することができるとともに、RB0 、RB1 の差
ΔRBの絶対値をRB0 の0.4倍とされる所定の値よ
り小さい値に維持することができる。そのため、ある時
刻t0 ,から時刻t1 における時間が経過する間でも、
電気的高周波的な特性の機差をさらになくすことが可能
となり、個々のプラズマチャンバにおいて上記のような
電気的高周波的な特性に影響を与える可能性のある事象
があった場合にも、その時間の前後で、電気的高周波的
な特性の差をさらになくすことが可能となり、これによ
り、交流抵抗RA,RB、容量、インピーダンス特性を
指標とする一定の管理幅内にそれぞれのプラズマチャン
バ75,76,77,95,96の状態をさらに時間的
に維持することが可能となるので、プラズマ空間で消費
される実効的な電力等をそれぞれ略均一に維持すること
ができ、これに同一のプロセスレシピを適用して、高周
波電力配電体(給電板)3を含めない場合に比べて、さ
らに略同一性の高いプラズマ処理結果を得ることができ
る。
【0175】なお、上記の各実施形態において、所定の
値を時刻t0 における値の0.5または0.4のいずれ
かを選択すること、および、測定範囲を設定するための
測定位置を、それぞれ測定位置PR、PR2,PR3,
PR4から選択することが可能である。また、それぞれ
の、測定位置PRにおいて、高周波特性測定器と、の切
り替えをおこなうスイッチおよび測定用端子を、スイッ
チSW1,SW1’SW5,測定用端子61,61’の
ように設けることも可能である。また、これら、測定位
置およびスイッチ測定用端子を、整合回路25に対して
設定することも可能である。
【0176】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムを第5実施形態として、図面に基づいて
説明する。 [第5実施形態]図21は本実施形態に係るプラズマ処
理装置の性能管理システムのシステム構成図、図22
は、同性能管理システムで実現される評価情報提供方法
を示すフローチャートである。
【0177】図21に示す性能管理システムは、サーバ
ー210と、納入先の入出力装置220と、これらサー
バー210と入出力装置220とを接続する通信回線2
30と、サーバー210に接続された搬送元の出力装置
240とから構成されている。
【0178】サーバー210は、プラズマ処理装置のメ
ーカー、流通業者、メンテナンス業者等の搬送元が管理
するもので、その設置場所も搬送元とすることが望まし
い。また、このサーバー210は、同時に複数の納入先
の入出力装置220に対してサービスを提供するための
高速な処理能力を持った計算機と、多様なサービスと納
入先のプラズマ処理装置に関する情報を格納するための
大容量記憶装置を備えたものであることが望ましい、具
体的には、大型計算機、高性能ワークステーション等が
よい。サーバー210は、計算機211およびこれに接
続され後述する高周波特性としての入力端子側交流抵抗
RA0 (時刻t0 における値)、出力端子側交流抵抗R
1 (時刻t0 における値)が記憶されている記憶装置
212と、通信回線230と接続するための送受信手段
213とから構成されている。また、このサーバー21
0に、搬送元に設置された出力装置240が接続されて
いる。
【0179】また、納入先の入出力装置220は、納入
先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン等が利用する
もので、納入先に設置されるか、又は納入先に携帯され
て利用される。この入出力装置は通信回線230を利用
してサーバー210と信号の授受を行えるものであれば
特に限定はなく、具体的にはパーソナルコンピュータ、
専用端末機、電話機等が利用できる。納入先入出力装置
220は、本体221、および通信回線230と接続す
るための送受信手段223とから構成されている。
【0180】通信回線230は、その媒体や形式に特に
限定はなく、離間した地点におかれたサーバー210と
入出力装置220との間で信号の授受ができるものであ
ればよい。すなわち、ケーブル回線、光ファイバー回
線、衛星回線等の種々の有線や無線の通信媒体を適宜使
用できると共に、電話回線網、インターネット網等種々
の通信形式を活用できる。
【0181】以下、図21に基づきながら、図22のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能
評価を開始するにあたり、まず、納入先に納入された、
あるいは使用中であるものとして、図1〜図20に示し
た各実施形態と同様のプラズマ処理装置について、高周
波特性としての入力端子側交流抵抗RA1 (時刻t0
後の時刻t1 における値)、出力端子側交流抵抗RB1
(時刻t0 の後の時刻t1 における値)を測定し、この
値を入出力装置220から入力する(ステップ30
1)。これらの入力された入力端子側交流抵抗RA1
出力端子側交流抵抗RB1 の値は、通信回線230を通
じてサーバ210に送信される。
【0182】これに対しサーバ210は、記憶装置21
2に格納された基準となる高周波特性として、図1〜図
20に示した各実施形態と同様のプラズマ処理装置に対
応する入力端子側交流抵抗RA0 (時刻t0 における
値)、出力端子側交流抵抗RB 0 (時刻t0 における
値)の情報500を呼び出し、これら値に基づき、RA
0、RA1 の差の絶対値|ΔRA|およびRB0 、RB1
の差の絶対値|ΔRB|を計算する(ステップ30
2)。なお、基準となる高周波特性としての入力端子側
交流抵抗RA0 ,出力端子側交流抵抗RB0 は、プラズ
マ処理装置を納入先に搬送するに先立ち分解をする前
に、搬送元で設定した高周波特性値であって、図1〜図
20に示した各実施形態と同様に、例えば複数のプラズ
マチャンバの整合回路2Aにおいてプラズマチャンバの
作動状態に適した所定の範囲の値になるように設定す
る。具体的には、交流抵抗RA,RBが、それぞれプラ
ズマチャンバの作動状態に適した所定の範囲の値になる
ように設定するとともに、複数のプラズマチャンバにお
いて、式(14A)(14B)に示すように、そのばら
つきの値<RA><RB>を設定することで、個々のプラズ
マチャンバにおいて、プラズマ空間で消費される実効的
な電力をそれぞれ略均一にするような関係を満たす値で
ある。
【0183】次にサーバ210は、ステップ302で算
出した|ΔRA|と情報500として呼び出したRA0
とを比較するとともに、ステップ302で呼び出した|
ΔRB|と情報500として呼び出したRB0 とを比較
し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具体的に
は、|ΔRA|がRA0 の0.5倍とされる所定の値よ
り小さい値であり、同時に、|ΔRB|がRB0 の0.
5倍とされる所定の値より小さい値である場合には、当
該プラズマ処理装置が所定の性能を維持していると判断
する。また、|ΔRA|か|ΔRB|のいずれか一方が
それぞれの基準となる所定の値より大きい値である場合
には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持してい
ないと判断する(ステップ303)。
【0184】次にサーバ210は、上記性能評価の結果
を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置2
40の双方に提供する(ステップ304)。この内、入
出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表示
の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信し
たりする。具体的には、所定の性能を維持していると判
断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切
に維持されておりますので、そのままご使用くださ
い。」といったメッセージを、所定の信号を維持してい
ないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能
は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱
説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセー
ジを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサー
ビスマン等に伝えられるようにする。また、出力装置2
40に対しても、所定の信号を維持していないと判断し
た場合に、プリントアウトや画面表示、信号出力等の指
令信号を送信したり、あるいは、警報音発生信号を送信
したりする。そして、出力装置240から、プリントア
ウト、画面表示、信号出力、あるいは警報音等の保守作
業命令を出力する。なお、搬送元において、いずれの納
入先のどの装置が保守を必要としているかを判断するた
めに、入出力装置220からプラズマチャンバの固有番
号を受信し、これを出力装置240から出力することが
望ましいが、単一のプラズマチャンバを有するプラズマ
処理装置の場合には入出力装置220の固有番号、例え
ばアドレス番号や電話番号等から判断して、その判断結
果を出力装置240から出力してもよい。
【0185】この結果、納入先の顧客や納入先を訪問し
たサービスマン等は、プラズマ処理装置を実際に動作さ
せて成膜された基板を検査するという作業を行うことな
く、直ちに当該プラズマ装置の性能を評価することがで
きる。しかも、処理をおこなった基板の評価によりそれ
ぞれのプラズマチャンバ75,76,77,95,96
の動作確認および、動作の評価をおこなうという2段階
の方法でなく、ダイレクトにそれぞれのプラズマチャン
バ75,76,77,95,96の評価を、しかも、そ
れぞれのプラズマチャンバ75,76,77,95,9
6が設置してある場所で短時間におこなうことが可能で
ある。その上、被処理基板への実際の成膜等による検査
方法を採用した場合、別々に行うしかなかった複数のプ
ラズマ処理装置あるいはそれぞれのプラズマチャンバ7
5,76,77,95,96を有するプラズマ処理装置
71,91の場合についても、結果をほぼ同時に得るこ
とができる。このため、製造ラインを数日あるいは数週
間停止してプラズマ処理装置の動作確認および、動作の
評価をする必要がなくなり、製造ラインとしての生産性
を向上することができる。また、このような調整に必要
な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費用、お
よび、調整作業に従事する作業員の人件費等、コストを
削減することが可能となる。
【0186】また、搬送元のメーカー等においては、納
入先のプラズマ処理装置に問題が生じた場合には、保守
作業命令を受けて直ちにこれを知ることができるので、
顧客に対するアフタサービス体制を充実させることがで
きる。
【0187】なお、本実施形態のように、サーバー21
0が、納入先の入出力装置220と搬送元の出力装置2
40との双方に評価情報を提供する場合、両評価情報の
基礎となる所定の値は必ずしも同一の値でなくともよ
い。例えば、納入先入出力装置に発信する評価情報につ
いては、所定の値を|ΔRA|にはRA0 の0.5倍
で、|ΔRB|にはRB0 の0.5倍とし、|ΔRA|
と|ΔRB|とのどちらか一方がこの値を越えたときに
所定の性能を維持していない旨の信号を発信し、一方、
搬送元の出力装置には、所定の値を|ΔRA|にはRA
0 の0.4倍で、|ΔRB|にはRB0 の0.4倍とし
て、|ΔRA|と|ΔRB|とのどちらか一方がこの値
を越える場合に保守作業命令を出力するようにしても良
い。このように、搬送元の出力装置に対して、納入先入
出力装置に対するよりも厳しい評価基準に基づき保守作
業命令が出される場合には、納入先のプラズマ処理装置
の性能が大きく変動する以前に搬送元による保守サービ
スを行うことができる。すなわち、より先手を打った保
守体制を確立することができる。
【0188】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムを第6実施形態として、図面に基づいて
説明する。 [第6実施形態]図23は本実施形態に係るプラズマ処
理装置の性能管理システムで実現される評価情報提供方
法を示すフローチャートである。なお、図において、図
22と同一の構成要素には、同一の符号を附してその説
明を省略する。
【0189】本実施形態における性能管理システムが、
図22に示す第5実施形態における性能管理システムと
異なる点は、対象となるプラズマ処理装置が図11ない
し図14に示す第2実施形態および図18ないし図20
に示す第4実施形態のように、整合回路2Aに複数の接
続点を有するタイプとされる点と、これに付随して、演
算し評価する高周波特性に関する点のみであり、これ以
外の略同一の点に関しては説明を省略する。
【0190】サーバー210は、計算機211およびこ
れに接続され後述する高周波特性としての入力端子側交
流抵抗RA(BP1)0 ,RA(BP2)0 (時刻t0
における値),出力端子側交流抵抗RB(BP1)0
RB(BP2)0 (時刻t0における値)が記憶されて
いる記憶装置212と、通信回線230と接続するため
の送受信手段213とから構成されている。また、この
サーバー210に、搬送元に設置された出力装置240
が接続されている。
【0191】以下、図21に基づきながら、図23のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能
評価を開始するにあたり、まず、納入先に納入された、
あるいは使用中であるものとして、図11ないし図14
に示す第2実施形態および図18ないし図20に示す第
4実施形態と同様のプラズマ処理装置について、高周波
特性としての入力端子側交流抵抗RA(BP1)1 ,R
A(BP2)1 (時刻t0 の後の時刻t1 における
値)、出力端子側交流抵抗RB(BP1)1 ,RB(B
P2)1 (時刻t0 の後の時刻t1 における値)を測定
し、この値を入出力装置220から入力する(ステップ
301)。これらの入力された入力端子側交流抵抗RA
(BP1)1 ,RA(BP2)1,出力端子側交流抵抗
RB(BP1)1 ,RB(BP2)1 の値は、通信回線
230を通じてサーバ210に送信される。
【0192】これに対しサーバ210は、記憶装置21
2に格納された基準となる高周波特性として、上記のプ
ラズマ処理装置に対応する入力端子側交流抵抗RA(B
P1)0 ,RA(BP2)0 (時刻t0 における値),
出力端子側交流抵抗RB(BP1)0 ,RB(BP2)
0 (時刻t0 における値)の情報500を呼び出し、こ
れら値に基づき、RA(BP1)0 、RA(BP1)1
の差の絶対値|ΔRA(BP1)|,RA(BP
2)0 、RA(BP2)1 の差の絶対値|ΔRA(BP
2)|およびRB(BP1)0 、RB(BP1)1 の差
の絶対値|ΔRB(BP1)|,RB(BP2)0 、R
B(BP2)1 の差の絶対値|ΔRB(BP2)|を計
算する(ステップ302)。なお、基準となる高周波特
性としての入力端子側交流抵抗RA(BP1)0 ,RA
(BP2)0 ,出力端子側交流抵抗RB(BP1)0
RB(BP2)0 は、プラズマ処理装置を納入先に搬送
するに先立ち分解をする前に、搬送元で設定した高周波
特性値であって、図11ないし図14に示す第2実施形
態および図18ないし図20に示す第4実施形態と同様
に、例えば複数のプラズマチャンバの整合回路2Aにお
いてプラズマチャンバの作動状態に適した所定の範囲の
値になるように設定する。具体的には、交流抵抗RA
(BP1),RA(BP2),RB(BP1),RB
(BP2)が、それぞれプラズマチャンバの作動状態に
適した所定の範囲の値になるように設定するとともに、
複数のプラズマチャンバにおいて、式(14A’)(1
4A”)(14B’)(14B”)に示すように、その
ばらつきの値<RA><RB>を設定することで、個々のプ
ラズマチャンバにおいて、プラズマ空間で消費される実
効的な電力をそれぞれ略均一にするような関係を満たす
値である。
【0193】次にサーバ210は、ステップ302で算
出した|ΔRA(BP1)|と情報500として呼び出
したRA(BP1)0 とを比較し、ステップ302で算
出した|ΔRA(BP2)|と情報500として呼び出
したRA(BP2)0 とを比較し、ステップ302で呼
び出した|ΔRB(BP1)|と情報500として呼び
出したRB(BP1)0 とを比較し、ステップ302で
呼び出した|ΔRB(BP2)|と情報500として呼
び出したRB(BP2)0 とを比較し、当該プラズマ処
理装置の性能を評価する。具体的には、|ΔRA(BP
1)|がRA(BP1)0 の0.5倍とされる所定の値
より小さい値であり、|ΔRA(BP2)|がRA(B
P2)0 の0.5倍とされる所定の値より小さい値であ
り、同時に、|ΔRB(BP1)|がRB(BP1)0
の0.5倍とされる所定の値より小さい値であり、|Δ
RB(BP2)|がRB(BP2)0 の0.5倍とされ
る所定の値より小さい値である場合には、当該プラズマ
処理装置が所定の性能を維持していると判断する。ま
た、|ΔRA(BP1)|,|ΔRA(BP2)|,|
ΔRB(BP1)|,|ΔRB(BP2)|のいずれか
1つの値がそれぞれの基準となる所定の値より大きい値
である場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を
維持していないと判断する(ステップ303)。
【0194】次にサーバ210は、上記性能評価の結果
を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置2
40の双方に提供する(ステップ304)。これ以後の
ステップは、第2実施形態と同様におこなわれる。
【0195】本実施形態の性能管理システムにおいて
は、整合回路2Aに複数の接続点を有するタイプとされ
るプラズマ処理装置の性能管理をおこなえるとともに、
整合回路2Aに単一の接続点を有する場合には|ΔRA
|と|ΔRB|との2つの基準により所定の性能を満た
すか否かを判断するのに比べて、|ΔRA(BP1)
|,|ΔRA(BP2)|,|ΔRB(BP1)|,|
ΔRB(BP2)|という4つの基準から所定の性能を
満たすか否かを判断することができるために、より一層
細かくプラズマチャンバの性能評価をおこなうことが可
能となる。
【0196】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムを第7実施形態として、図面に基づいて
説明する。 [第7実施形態]図24は本実施形態に係るプラズマ処
理装置の性能管理システムのシステム構成図、図25
は、同性能管理システムで実現される評価情報提供方法
を示すフローチャートである。なお、両図において、図
21及び図22と同一の構成要素には、同一の符号を附
してその説明を省略する。
【0197】図24に示す性能管理システムは、サーバ
ー210と、納入先の入出力装置220と、これらサー
バー210と入出力装置220とを接続する通信回線2
30と、サーバーに接続された搬送元の出力装置240
とに加えて、図15ないし図17に示す第3実施形態と
同様の構成とされるプラズマ処理装置250と、このプ
ラズマ処理装置250に接続された高周波特性を測定す
るインピーダンス測定器(高周波特性測定器)260と
から構成されている。
【0198】本実施形態では、高周波特性測定器260
の出力端子が入出力装置220に接続され、高周波特性
測定器260で測定されたプラズマ処理装置250の高
周波特性としての入力端子側交流抵抗RA、出力端子側
交流抵抗RBが、入出力装置220及び通信回線230
を介して、人手による入力作業を経ることなく、直接サ
ーバー210に送信されるようになっている。また、入
出力装置220は、プラズマチャンバの固有番号Sの入
力を受けると、高周波特性測定器260の測定結果を読
みとるようにプログラムされている。
【0199】以下、図24を参照しながら、図25のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能
評価を開始するにあたり、まず、予め容量測定器260
を入出力装置220に接続した上で、納入先に納入され
た、あるいは使用中のプラズマ処理装置について、プラ
ズマチャンバの固有番号Sを入出力装置220から入力
する。このとき、プラズマチャンバの高周波特性として
の入力端子側交流抵抗RA1 (時刻t0 の後の時刻t1
における値)、出力端子側交流抵抗RB1(時刻t0
後の時刻t1 における値)の測定値が、入出力装置22
0のプログラムに従い、自動的に高周波特性測定器26
0から入出力装置220に入力される。(ステップ40
1)。この入力された固有番号S,入力端子側交流抵抗
RA1 ,出力端子側交流抵抗RB1 の値は、通信回線2
30を通じてサーバー210に送信される。
【0200】これに対しサーバー210は、記憶装置2
12に格納された高周波特性としての入力端子側交流抵
抗RA0 (時刻t0 における値)、出力端子側交流抵抗
RB 0 (時刻t0 における値)の情報の中から、固有番
号Sに対応する固有入力端子側交流抵抗RA0 や固有出
力端子側交流抵抗RB0 の情報600を呼び出し、この
値に基づき、RA0 、RA1 の差の絶対値|ΔRA|お
よびRB0 、RB1 の差の絶対値|ΔRB|を計算する
(ステップ402)。ここで、固有RA0 、RB0 は、
固有番号Sと1対1の関係で記憶装置212に格納され
たもの、すなわち、各々のプラズマチャンバ毎に設定し
た、あるいは、製造時等に実際に測定したプラズマチャ
ンバ個別の高周波特性としての入力端子側交流抵抗RA
0 、出力端子側交流抵抗RB0 (時刻t0 における値)
値である。
【0201】次にサーバ210は、ステップ402で算
出した|ΔRA|と情報600として呼び出したRA0
とを比較するとともに、ステップ402で呼び出した|
ΔRB|と情報600として呼び出したRB0 とを比較
し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具体的に
は、|ΔRA|が固有入力端子側交流抵抗RA0 の0.
5倍とされる所定の値より小さい値であり、同時に、|
ΔRB|が固有出力端子側交流抵抗RB0 の0.5倍と
される所定の値より小さい値である場合には、当該プラ
ズマ処理装置が所定の性能を維持していると判断する。
また、|ΔRA|か|ΔRB|のいずれか一方がそれぞ
れの基準となる所定の値より大きい値である場合には、
当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持していないと
判断する(ステップ403)。
【0202】次にサーバー210は、上記性能評価の結
果を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置
240の双方に提供する(ステップ404)。この内、
入出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表
示の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信
したりする。具体的には、所定の性能を維持していると
判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適
切に維持されておりますので、そのままご使用くださ
い。」といったメッセージを、所定の信号を維持してい
ないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能
は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱
説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセー
ジを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサー
ビスマン等に伝えられるようにする。また、サーバー2
10は、出力装置240に対しても、プリントアウトや
画面表示の指令信号を送信したり、あるいは、警報音発
生信号を送信したりする。具体的には、所定の信号を維
持していないと判断した場合に、保守作業命令を送信す
る。なお、搬送元において、いずれの納入先のどの装置
が保守を必要としているかを判断するために、サーバー
210から出力装置240に対してプラズマ処理室の固
有番号も同時に提供される。
【0203】本実施形態のプラズマ処理装置の管理シス
テムにおいては、第5実施形態と同等の効果を奏すると
ともに、固有番号S毎に実際の値を記憶することで、よ
り精密な管理が可能となる。また、出力装置240に保
守作業命令と共に固有番号240の情報が提供されるの
で、搬送元において、何れのプロセス処理装置に問題が
生じたか、あるいは何れのプロセス処理装置のいずれの
プロセス処理室に問題が生じたか等を直ちに把握でき
る。
【0204】さらに、本実施形態では、高周波特性測定
器260の出力端子が入出力装置220に接続され、高
周波特性測定器260で測定されたプラズマ処理装置2
50の高周波特性としての入力端子側交流抵抗RA、出
力端子側交流抵抗RBが、入出力装置220及び通信回
線230を介して、直接サーバー210に送信されるよ
うになっており、入出力装置220がプラズマチャンバ
の固有番号Sの入力を受けると、高周波特性測定器26
0の測定結果を読みとるようにプログラムされているた
め、プラズマチャンバの高周波特性としての入力端子側
交流抵抗RA1、出力端子側交流抵抗RB1 の測定値
が、入出力装置220のプログラムに従い、自動的に高
周波特性測定器260から入出力装置220に入力され
その後の性能評価を自動的に行うことができる。これに
より、あらかじめ設定した所定の時間が経過した時点に
おいて、入力端子側交流抵抗RA1 、出力端子側交流抵
抗RB1 の測定を自動的におこなうことや、所定の回数
のプラズマ処理がおこなわれた時点で、入力端子側交流
抵抗RA1 、出力端子側交流抵抗RB1 の測定を自動的
におこなうことができる。従って、プラズマ処理装置の
操作者は、装置のメンテナンスに対するメッセージに注
意するだけで、自ら高周波特性を測定することなく一定
の管理幅内にプラズマ処理装置の性能を維持するしてい
るか否かを判断することができる。
【0205】なお、複数のプラズマ処理室を備えたプラ
ズマ処理装置やプラズマ処理装置を複数備えたプラズマ
処理システムにおいては、各々のプラズマ処理室の動作
条件を揃え、同一のプロセスレシピで同等の成膜特性を
得るために、同等の高周波特性を設定することが望まし
い。そのため、固有入力端子側交流抵抗RA0 や固有出
力端子側交流抵抗RB0 は、プロセス処理室間でバラツ
キなく設定することが望ましいが、納入先の事情等種々
の要因により他のプロセス処理装置と大きく異なる値を
設定しても差し支えない。
【0206】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムを第8実施形態として、図面に基づいて
説明する。 [第8実施形態]本実施形態に係るプラズマ処理装置の
性能管理システムのシステム構成もまた、第7実施形態
の図24で示される。本実施形態と第7実施形態との構
成上の相違は、サーバー210が、エンジニア情報60
1として、各々所定の値の範囲によって決められた故障
レベルを含む状態レベルと、故障レベルに対応して登録
されたサービスエンジニアの情報を記憶しているもので
ある点である。表1は、エンジニア情報601の一例を
示すものである。
【0207】
【表1】
【0208】以下、図24を参照しながら、図26のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。図26は本実施形態に係るプラズマ処理装置の
性能管理システムで実現される評価情報提供方法を示す
フローチャートである。図26のフローチャートにおけ
るステップ501及びステップ502は、各々図25の
ステップ401、402と同一なのでその説明を省略す
る。
【0209】ステップ502で|ΔRA|,|ΔRB|
を求めた後、サーバー210は、|ΔRA|および|Δ
RB|をそれぞれエンジニア情報601に照らして、ど
の状態レベルにあるかを評価する。そして、|ΔRA
|,|ΔRB|のレベルが、いずれかの故障レベルであ
ると評価した際は、当該故障レベルに対応してエンジニ
ア情報601に登録されているサービスエンジニアの情
報を呼び出す。(ステップ503)。なお、表1におい
て、|ΔRA|と|ΔRB|がそれぞれ所定の値に対し
てどのレベルにあるかは、それぞれ、式(20A)(2
0B) |ΔRA| ; C×RA0 (20A) |ΔRB| ; C×RB0 (20B) における係数Cの値を示している。
【0210】次にサーバー210は、上記性能評価の結
果として、状態レベルを納入先の入出力装置220、及
び搬送元の出力装置240の双方に提供する(ステップ
504)。この内、入出力装置220に対しては、状態
レベル(故障レベル)をプリントアウトや画面表示の指
令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信したり
することにより発信する。具体的には、状態レベルは
「最良」であると判断した場合には、例えば「ご照会の
装置の性能は、適切に維持されておりますので、そのま
まご使用ください。」といったメッセージを、状態レベ
ルは「良」であると判断した場合には、例えば「ご照会
の装置の性能は、適切に維持されておりますが、そろそ
ろ点検が必要です。」といったメッセージを、状態レベ
ルが何れかの故障レベルであると判断した場合には、例
えば「ご照会の装置は、故障レベル2に該当します。性
能が適切に維持されていない恐れがありますので、サー
ビスエンジニアに調整を依頼してください。」といった
メッセージを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧
客やサービスマン等に伝えられるようにする。
【0211】また、サーバー210は、出力装置240
に対しては、状態レベルがいずれかの故障レベルに該当
する場合、状態レベルだけでなく、当該故障レベルに対
応したサービスエンジニアの情報と共に保守作業命令を
出力する。この場合、たとえば、故障レベル1の場合に
は○○○,×××といった特定された技術を有するエン
ジニアを指定するとともに、故障レベルに対応して、派
遣指示するエンジニアを指定できるようになっている。
このエンジニアの指定情報に関しては、搬送元の出力装
置240のみに出力することが好ましい。
【0212】本実施形態のプラズマ処理装置の管理シス
テムによれば、搬送元において、保守作業命令が出力さ
れると共に、どの程度の故障レベルかや、その故障レベ
ルに応じてランク分けされたサービスエンジニアの情報
も出力される。そのため、このシステムによれば、遠隔
地に納入したプラズマ処理装置であっても、搬送元にお
いて、その故障レベルを把握することができる。そし
て、その故障レベルに応じて、教育訓練度合の異なるサ
ービスエンジニアを派遣することができる。従って、人
材活用が合理化できると共に、迅速、かつ、的確なサポ
ートが可能となる。すなわち、装置納入後のフィールド
サポート体制の合理化が可能となるものである。本管理
システムの対象となるプラズマ処理装置に特に限定はな
く、上記の各実施形態において示したプラズマ処理装
置、および、後述する実施形態において示したプラズマ
処理装置、又は後述するプラズマ処理システムにおける
各プラズマ処理装置等も対象となる。
【0213】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能確認システムの他の実施形態を、図面に基づいて説明
する。なお、以下の説明では、購入発注者を単に発注
者、また販売保守者を単に保守者という。図27は本実
施形態のプラズマ処理装置の性能確認システムのシステ
ム構成図である。
【0214】この図において、参照符号C1 ,C2 ,…
…はクライアント・コンピュータ(以下、単にクライア
ントという)、Sはサーバ・コンピュータ(性能状況情
報提供手段,以下単にサーバという)、Dはデータベー
ス・コンピュータ(基準情報記憶手段,以下単にデータ
ベースという)、またNは公衆回線である。クライアン
トC1 ,C2 ,……とサーバSとデータベースDとは、
この図に示すように公衆回線Nを介して相互に接続され
ている。
【0215】クライアントC1 ,C2 ,……は、一般に
広く普及しているインターネットの通信プロトコル(T
CP/IP等)を用いてサーバSと通信する機能(通信
機能)を備えたものである。このうち、クライアントC
1 (発注者側情報端末)は、発注者が保守者に発注した
プラズマ処理装置またはプラズマ処理装置を複数有する
プラズマ処理システムのプラズマチャンバの性能状況を
公衆回線Nを介して確認するためのコンピュータであ
り、サーバSが保持する「プラズマチャンバの性能情報
提供ページ」を情報提供ページ(Webページ)として
閲覧する機能(プラズマチャンバの性能状況情報閲覧機
能)を備えたものである。また、クライアントC2 (保
守者側情報端末)は、保守者が上記「性能状況情報」の
一部である「第1直列共振周波数f0 情報」をサーバS
にアップロードするとともに、クライアントC1 を介し
て発注者から発せられた電子メールを受信するためのも
のである。ここで、プラズマ処理装置またはプラズマ処
理システムは、上記の各実施形態に準じる構成とされ、
これらと同様のプラズマ処理ユニット(プラズマチャン
バ)を有する構成とされるとともに、チャンバ数等の構
成条件は、任意に設定可能なものとされる。
【0216】上記サーバSの通信機能は、公衆回線Nが
アナログ回線の場合にはモデムによって実現され、公衆
回線NがISDN(Integrated Services Digital Netw
ork)等のデジタル回線の場合には専用ターミナルアダ
プタ等によって実現される。サーバSは、性能状況情報
提供用のコンピュータであり、上記クライアントC1 か
ら受信される閲覧要求に応じて、性能状況情報をインタ
ーネットの通信プロトコルを用いてクライアントC1 に
送信する。ここで、上述した発注者が保守者からプラズ
マ処理装置を納入された時点では、性能状況情報を閲覧
するための個別の「閲覧専用パスワード」が保守者から
個々の発注者に提供されるようになっている。このサー
バSは、正規な閲覧専用パスワードが提供された場合の
み、性能状況情報のうち動作保守状況情報をクライアン
トC1 に送信するように構成されている。
【0217】ここで、具体的詳細については後述する
が、上記「性能状況情報」は、保守者の販売するプラズ
マ処理装置またはプラズマ処理システムにおけるプラズ
マチャンバの機種に関する情報、各機種における仕様書
としての品質性能情報、納入された各実機における品質
性能を示すパラメータの情報、および、このパラメー
タ、メンテナンスの履歴情報等から構成されている。こ
のうち、各実機における品質性能、パラメータ、メンテ
ナンスの履歴情報については、「閲覧専用パスワード」
が提供された発注者のみに閲覧可能となっている。
【0218】また、これら「性能状況情報」は、保守者
または発注者からサーバSに提供されるとともに実際の
動作・保守状況を示す「動作保守状況情報」と、データ
ベースDに蓄積されると共にカタログとして未購入のク
ライアントが閲覧可能な「性能基準情報」とから構成さ
れるものである。「性能基準情報」は、保守者が各プラ
ズマチャンバによっておこなうプラズマ処理に対して客
観的に性能を記述するためのものであり、プラズマCV
D、スパッタリングなどの成膜処理においては、成膜状
態を予測可能とするものである。
【0219】本実施形態では、これら「性能基準情報」
は、データベースDに蓄積されるようになっている。サ
ーバSは、クライアントC1 から受信される「性能状況
情報」の閲覧要求に対して、データベースDを検索する
ことにより必要な「性能基準情報」を取得して、「性能
状況情報提供ページ」として発注者のクライアントC1
に送信するように構成されている。また、サーバSは、
「閲覧専用パスワード」が提供された発注者から受信さ
れる「性能状況情報」の閲覧要求に対しては、同様に、
データベースDを検索することにより必要な「性能基準
情報」を取得するとともに、当該「性能基準情報」にク
ライアントC2 を介して保守者から提供された「動作保
守状況情報」を組み合わせて「性能状況情報」を構成
し、「性能状況情報提供ページ」として発注者のクライ
アントC1 に送信するように構成されている。
【0220】データベースDは、このような「性能状況
情報」を構成する「性能基準情報」をプラズマ処理装置
またはプラズマ処理システムのプラズマチャンバの機種
毎に記憶蓄積するものであり、サーバSから受信される
検索要求に応じてこれら「性能基準情報」を読み出して
サーバSに転送する。図27では1つのサーバSのみを
示しているが、本実施形態では、汎用性のある「性能基
準情報」を保守者が複数箇所から管理する複数のサーバ
間で共通利用することが可能なように、これらサーバと
は個別のデータベースDに「性能基準情報」を蓄積する
ようにしている。
【0221】次に、このように構成されたプラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムの性能確認システムの
動作について、図28に示すフローチャートに沿って詳
しく説明する。なお、このフローチャートは、上記サー
バSにおける「性能状況情報」の提供処理を示すもので
ある。
【0222】通常、保守者は、不特定の発注者に対して
販売するプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
における各プラズマチャンバの「性能状況情報」、特に
「性能基準情報」を購入時の指標として提示することに
なる。一方、発注者は、この「性能基準情報」によって
プラズマチャンバCNにどのような性能、つまりどのよ
うなプラズマ処理が可能なのかを把握することができ
る。
【0223】また、保守者は、特定の発注者に対して納
入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムに
おけるプラズマチャンバの「性能状況情報」のうち、
「性能基準情報」を使用時の指標として提示するととも
に、「動作保守状況情報」を動作状態のパラメータとし
て提示することになる。一方、ユーザーとしての発注者
は、「性能基準情報」と「動作保守状況情報」とを比較
することによってプラズマ処理装置またはプラズマ処理
システムにおける各プラズマチャンバの動作確認をおこ
なうとともにメンテナンスの必要性を認識し、かつ、プ
ラズマ処理状態の状態を把握することができる。
【0224】例えば、プラズマ処理装置またはプラズマ
処理システムを保守者から購入しようとする発注者は、
サーバSにアクセスすることにより、以下のようにして
自らが購入しようとするプラズマ処理装置またはプラズ
マ処理システムの「性能状況情報」の実体を容易に確認
することができる。
【0225】まず、発注者がアクセスしようとした場合
には、予め設定されたサーバSのIPアドレスに基づい
てクライアントC1 からサーバSに表示要求が送信され
る。一方、サーバSは、上記表示要求の受信を受信する
と(ステップS1)、カタログページCPをクライアン
トC1 に送信する(ステップS2)。図29は、このよ
うにしてサーバSからクライアントC1 に送信されたメ
インページCPの一例である。このカタログページCP
には、保守者が販売する多数の機種毎にその「性能状況
情報」のうち「性能基準情報」を表示するための機種選
択ボタンK1,K2,K3,K4…、と、後述するよう
に、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムを保
守者から納入された発注者の使用するカスタマーユーザ
画面の表示要求をするためのカスタマーユーザボタンK
4から構成されている。
【0226】例えば、発注者がクライアントC1 に備え
られたポインティングデバイス(例えばマウス)等を用
いることによって上記プラズマ処理装置またはプラズマ
処理システムの機種を選択指定した後、機種選択ボタン
K1〜K4…のいずれかを選択指定すると、この指示
は、「性能状況情報」のうち「性能基準情報」の表示要
求としてサーバSに送信される。
【0227】この表示要求を受信すると(ステップS
3)、サーバSは、選択された機種のうち、表示要求さ
れた情報に該当するサブページをクライアントC1 に送
信する。すなわち、サーバSは、「性能基準情報」の表
示が要求された場合(A)、図30に示すような選択さ
れた機種を指定することによってデータベースDから
「真空性能」「給排気性能」「温度性能」「プラズマ処
理室電気性能」等のデータ、およびこれらのデータにお
けるプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム毎
の、各パラメータのばらつきの値のデータを取得し、こ
れらの掲載された仕様書ページCP1をクライアントC
1 に送信する(ステップS4)。
【0228】仕様書ページCP1には、図30に示すよ
うに、選択された機種を示す機種種別K6、真空性能表
示欄K7、給排気性能表示欄K8、温度性能表示欄K
9、プラズマ処理室電気性能表示欄K10から構成され
ている。これらは、選択された機種のプラズマチャンバ
における「性能基準情報」に対応するものであり、それ
ぞれ、真空性能表示欄K7には、 到達真空度 1×10-4Pa以下 操作圧力 30〜300Pa 給排気性能表示欄K8には、 最大ガス流量 SiH4 100SCCM NH3 500SCCM N2 2000SCCM 排気特性 500SCCM流して20Pa以下 温度性能表示欄K9には、 ヒータ設定温度 200〜350±10℃ チャンバ設定温度 60〜80±2.0℃ の項目が記載されている。ここで、SCCM(standard
cubic centimeters per minute) は、標準状態(0℃、
1013hPa)に換算した際におけるガス流量を表し
ており、cm3/min に等しい単位を表している。
【0229】そしてこれらのパラメータPに対して、そ
れぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
における各プラズマチャンバ毎のばらつきを、それぞれ
のパラメータPのうちその最大値Pmax と最小値Pmin
のばらつきを、以下の式(10B) (Pmax −Pmin )/(Pmax +Pmin ) (10B) として定義し、これらのばらつきの値の各プラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムにおける設定範囲をそ
れぞれのパラメータの項目に対して表示する。
【0230】また、プラズマ処理室電気性能表示欄K1
0には、前述した第1〜第5実施形態で説明した入力端
子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBの値、
および、このばらつきの設定範囲が記載される。また、
これ以外にも、電力周波数f e におけるプラズマチャン
バのレジスタンスRおよびリアクタンスX、そして、プ
ラズマ励起電極4とサセプタ電極8間のプラズマ容量C
0 、プラズマ励起電極4と、プラズマチャンバの接地電
位とされる各部との間のロス容量CX 、そして、後述す
る第1直列共振周波数f0 等の値が記載される。また、
仕様書ページCP1には、「プラズマ処理装置またはプ
ラズマ処理システムの納入時においては各パラメータ値
がこのページに記載された設定範囲内にあることを保証
します」という性能保証の文言が記載される。
【0231】これにより、従来は、考慮されていなかっ
たプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの全体
的な電気的高周波的な特性およびプラズマチャンバの電
気的特性のばらつきを購入時の新たなる指標として提示
することができる。また、クライアントC1 またはクラ
イアントC2 において、これら性能状況情報をプリンタ
等に出力しハードコピーを作ることにより、上記の性能
状況情報内容の記載されたカタログまたは仕様書として
出力することが可能である。さらに、入力端子側交流抵
抗RAおよび出力端子側交流抵抗RB、第1直列共振周
波数f0 、レジスタンスR、アクタンスX、容量C0
X 等の値および上記性能保証の文言をクライアントC
1 …の端末、カタログまたは仕様書等に提示することに
より、発注者が、電機部品を吟味するようにプラズマチ
ャンバCNの性能を判断して保守者から購入することが
可能となる。
【0232】なお、サーバSは、このようなサブページ
のクライアントC1 への送信が完了した後に、クライア
ントC1 から接続解除要求が受信されない場合は(ステ
ップS5)、次のサブページの表示要求を待って待機し
(ステップS3)、一方、クライアントC1 から接続解
除要求が受信された場合には(ステップS5)、当該ク
ライアントC1 との交信を終了する。
【0233】ここで、第1直列共振周波数f0 の定義に
ついて説明する。まず、プラズマチャンバのインピーダ
ンスの周波数依存性を計測する。このとき、前述したよ
うにプラズマチャンバのインピーダンス測定範囲を規定
し、このインピーダンス測定範囲に対して、供給する電
力周波数fe を含む範囲で測定周波数を変化させてイン
ピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定することによ
り、プラズマチャンバのインピーダンスの周波数依存性
を計測する。ここで、例えば13.56MHz,27.
12MHz,40.68MHz等の値に設定される電力
周波数fe に対応して、測定周波数を例えば1MHz〜
100MHz程度の範囲に設定する。ついで、測定周波
数に対してインピーダンスZと位相θをプロットしてイ
ンピーダンス特性曲線および位相曲線を描画し、インピ
ーダンスZの極小値のうち周波数の最小のもの、つま
り、測定周波数の低い側から数えて一番最初に位相θが
マイナスからプラスに変化したときに、位相θがゼロと
なる周波数を、第1直列共振周波数f0 として定義した
ものである。
【0234】一方、プラズマ処理装置またはプラズマ処
理システムを保守者から納入した発注者は、サーバSに
アクセスすることにより、以下のようにして自らが購入
したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにお
けるプラズマチャンバの「性能状況情報」の実体を容易
に確認することができる。この発注者は保守者と売買契
約を締結した時点で、発注者個別に対応するとともに、
購入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
の機種番号、およびそれぞれのプラズマチャンバの機種
番号にも対応可能なカスタマーユーザIDと、プラズマ
処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラ
ズマチャンバの「動作保守状況情報」を閲覧するための
個別の「ユーザー専用パスワード(閲覧専用パスワー
ド)」が保守者から個々の発注者に提供されるようにな
っている。このサーバSは、正規な閲覧専用パスワード
が提供された場合のみ、「動作保守状況情報」をクライ
アントC1 に送信するように構成されている。
【0235】まず、発注者がアクセスしようとした場合
には、前述のカタログページCPにおいて、カスタマー
ユーザボタンK5を指定操作することにより、発注者は
カスタマーユーザ画面の表示要求をサーバSに送信す
る。一方、サーバSは、上記表示要求の受信を受信する
と(ステップS3−B)、当該発注者に対して、「閲覧
専用パスワード」の入力を促す入力要求としてのサブペ
ージをクライアントC1 に送信する(ステップS6)。
図31はカスタマーユーザページCP2を示すものであ
り、このカスタマーユーザページCP2はカスタマーユ
ーザID入力欄K11、およびパスワード入力欄K12
から構成される。
【0236】この入力要求としてのカスタマーユーザペ
ージCP2はクライアントC1 に表示されるので、発注
者は、当該入力要求に応答してプラズマ処理装置または
プラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバの
識別を可能とするために、保守者から供与された「閲覧
専用パスワード」を「カスタマーユーザID」とともに
クライアントC1 に入力することになる。ここで、発注
者は、図31に示すカスタマーユーザID入力欄K11
およびパスワード入力欄K12に、それぞれ、カスタマ
ーコードIDとパスワードを入力する。サーバSは、ク
ライアントC1から正規の「カスタマーユーザID」お
よび「閲覧専用パスワード」が受信された場合のみ(ス
テップS7)、当該「閲覧専用パスワード」に予め関連
付けられた「動作保守状況情報」のサブページをクライ
アントC1 に送信する(ステップS9)。
【0237】すなわち、「動作保守状況情報」の閲覧
は、上記プラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
の購入契約を締結した特定の発注者のみ、つまり正規の
「閲覧専用パスワード」を知り得るもののみに許可され
るようになっており、当該発注者以外の第3者がサーバ
Sにアクセスしても「動作保守状況情報」を閲覧するこ
とができない。通常、保守者は同時に多数の発注者との
間で納入契約を締結するとともに、各々の発注者へ複数
のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの納入
を同時に並行して行う場合があるが、上記「閲覧専用パ
スワード」は、個々の発注者毎および各プラズマ処理装
置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチ
ャンバ毎に相違するものが提供されるので、個々の発注
者は、各プラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
およびその各プラズマチャンバに対して、それぞれ自ら
に提供された「閲覧専用パスワード」に関連付けられた
「動作保守状況情報」を個別に閲覧することができる。
【0238】したがって、納入に係わる秘密情報が発注
者相互間で漏洩することを確実に防止することができる
とともに、複数のプラズマ処理装置またはプラズマ処理
システムが納入された場合にでもそれぞれのプラズマ処
理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズ
マチャンバを個別に識別可能とすることができる。な
お、サーバSは、正規の「閲覧専用パスワード」が受信
されない場合には(ステップS7)、接続不許可メッセ
ージをクライアントC1 に送信して(ステップS8)、
発注者に「閲覧専用パスワード」を再度入力するように
促す。発注者が「閲覧専用パスワード」を誤入力した場
合には、この機会に正規の入力を行うことにより「動作
保守状況情報」を閲覧することができる。
【0239】このID、パスワードが確認されると(ス
テップS7)、サーバSは、表示要求された情報に該当
するサブページをデータベースDから読み出してクライ
アントC1 に送信する。すなわち、サーバSは、ユーザ
IDによって識別された個別のプラズマ処理装置または
プラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバに
対する「性能基準情報」「動作保守状況情報」の表示が
要求された場合、機種を指定することによってデータベ
ースDから「真空性能」「給排気性能」「温度性能」
「プラズマ処理室電気性能」等のデータを取得し、これ
らの掲載された仕様書ページCP3をクライアントC1
に送信する(ステップS9)。
【0240】図32は、このようにしてサーバSからク
ライアントC1 に送信された「動作保守状況情報」のサ
ブページCP3である。このメンテナンス履歴ページC
P3には、図32に示すように、納入されたプラズマ処
理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズ
マチャンバの機械番号を示すロット番号表示K13、真
空性能表示欄K7、給排気性能表示欄K8、温度性能表
示欄K9、プラズマ処理室電気性能表示欄K10、そし
て、真空性能メンテナンス欄K14、給排気性能メンテ
ナンス欄K15、温度性能メンテナンス欄K16、プラ
ズマ処理室電気性能メンテナンス欄K17から構成され
ている。これらは、納入された実機の「動性能基準情
報」および「動作保守状況情報」に対応するものであ
り、それぞれ、真空性能表示欄K7、真空性能メンテナ
ンス欄K14には、 到達真空度 1.3×10-5Pa以下 操作圧力 200Pa 給排気性能表示欄K8、給排気性能メンテナンス欄K1
5には、 ガス流量 SiH4 40SCCM NH3 160SCCM N2 600SCCM 排気特性 6.8×10-7Pa・m3/sec 温度性能表示欄K9、温度性能メンテナンス欄K16に
は、 ヒータ設定温度 302.3±4.9℃ チャンバ設定温度 80.1±2.1℃ の項目が記載されている。
【0241】そしてこれらのパラメータPに対して、そ
れぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
における各プラズマチャンバ毎のばらつきを、それぞれ
のパラメータPのうちその最大値Pmax と最小値Pmin
のばらつきを、以下の式(10B) (Pmax −Pmin )/(Pmax +Pmin ) (10B) として定義し、これらのばらつきの値の各プラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムにおける設定範囲をそ
れぞれのパラメータの項目に対して表示する。
【0242】またこのパラメータPとしての高周波特性
Pにおける、時刻t0 (販売前の初期時)とその後の時
刻t1 (納入販売後の接地完了時または各処理動作終了
時)における値P0 、P1 の差ΔPの絶対値は、プラズ
マ処理装置の性能変動幅と密接な関連を有すること、及
びこの値が所定の値よりも小さければ、性能変動幅も所
定の範囲内であると見なせることを見いだし、このΔP
の絶対値と所定の値を比較することにより、プラズマ処
理装置の性能評価を可能とした。
【0243】さらに、このサブページCP3には、各プ
ラズマチャンバ毎のメンテナンス欄を表示するための
「詳細」ボタンK18が各メンテナンス履歴欄K14,
K15,K16,K17ごとに設けられ、発注者が、当
該情報を閲覧可能となっている。
【0244】発注者が、当該詳細欄により表示要求をお
こなった場合には、メンテナンス履歴の詳細情報の記載
されたメンテナンス詳細ページCP4がデータベースD
からクライアントC1 に送信する。
【0245】図33は、このようにしてサーバSからク
ライアントC1 に送信された「詳細メンテナンス情報」
のサブページCP4である。図には電気性能メンテナン
スのページを示している。このメンテナンス履歴ページ
CP4には、図33に示すように、納入されたプラズマ
処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラ
ズマチャンバの機械番号を示すロット番号表示K13、
選択された各メンテナンス欄が表示される。ここで、各
メンテナンス欄としては、各プラズマチャンバに対応す
るパラメータPのメンテナンス時の値と、これらのパラ
メータPのばらつきの値とが、プラズマ処理装置または
プラズマ処理システム、および、各プラズマチャンバ毎
のロット番号毎に表示される。
【0246】また、プラズマ処理室電気性能表示欄K1
0およびプラズマ処理室電気性能メンテナンス欄K17
には、前述した第1〜第5実施形態で説明したように、
入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RB
の値、および、このばらつきの設定範囲が記載される。
また、これ以外にも、電力周波数fe におけるプラズマ
チャンバの交流抵抗RA,RB、およびアクタンスX、
そして、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8間のプラ
ズマ容量C0 、プラズマ励起電極4と、プラズマチャン
バの接地電位とされる各部との間のロス容量CX 等の値
が記載される。
【0247】同時に、データベースDから「性能基準情
報」としての「真空性能」「給排気性能」「温度性能」
「プラズマ処理室電気性能」等のデータを取得し、これ
らを図32,図33に示すように、「動作保守状況情
報」とセットでメンテナンス履歴ページCP3、メンテ
ナンス詳細ページCP4に表示することにより、「性能
基準情報」を参照して「動作保守状況情報」を閲覧する
ことができ、これにより、発注者は、納入されたプラズ
マ処理装置またはプラズマ処理システムおよびプラズマ
チャンバの「性能状況情報」のうち、「性能基準情報」
を使用時の指標として確認するとともに、「動作保守状
況情報」を動作状態を示すパラメータとして検討するこ
とができる。同時に、「性能基準情報」と「動作保守状
況情報」とを比較することによってプラズマ処理装置ま
たはプラズマ処理システムおよびプラズマチャンバの動
作確認をおこなうとともにメンテナンスの必要性を認識
し、かつ、プラズマ処理状態の状態を把握することがで
きる。
【0248】なお、サーバSは、このようなサブページ
CP3、CP4のクライアントC1への送信が完了した
後に、クライアントC1 から接続解除要求が受信されな
い場合は(ステップS5)、接続不許可メッセージをク
ライアントC1 に送信して(ステップS8)、発注者に
「閲覧専用パスワード」を再度入力するか、次のサブペ
ージの表示要求を待って待機し(ステップS3)、一
方、クライアントC1 から接続解除要求が受信された場
合には(ステップS5)、当該クライアントC1との交
信を終了する。
【0249】本実施形態のプラズマ処理装置またはプラ
ズマ処理システムの性能確認システムにおいて、購入発
注者が販売保守者に発注したプラズマ処理装置またはプ
ラズマ処理システムの動作性能状況を示す性能状況情報
の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注者側情報端
末と、販売保守者が前記性能状況情報をアップロードす
る販売保守者側情報端末と、前記購入発注者側情報端末
の要求に応答して、販売保守者側情報端末からアップロ
ードされた性能状況情報を購入発注者側情報端末に提供
する性能状況情報提供手段と、を具備することができ、
さらに、前記性能状況情報が、時刻t0 と時刻t1 にお
ける前記入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流
抵抗RBおよびこのパラメータに対して、時間経過後の
性能評価をおこなうための|ΔRA||ΔRB|の値、
および、それぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処
理システムにおける各プラズマチャンバ毎のばらつきの
値を含むとともに、前記性能状況情報が、カタログまた
は仕様書として出力されることにより、販売保守者がア
ップロードしたプラズマ処理装置またはプラズマ処理シ
ステムおよびそのプラズマチャンバの性能基準情報およ
び動作保守状況情報からなる性能状況情報に対して、購
入発注者が情報端末から公衆回線を介して閲覧を可能と
することにより、発注者に対して、購入時に判断基準と
なる情報を伝達することが可能となり、かつ、使用時に
おける、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
およびそのプラズマチャンバごとの動作性能・保守情報
を容易に提供することが可能となる。また、前記性能状
況情報が、上述したようにプラズマチャンバに対する性
能パラメータとしての時刻t0 と時刻t1 における前記
入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RB
およびこのパラメータに対して、経過後の性能評価をお
こなうための|ΔRA||ΔRB|の値およびそのばら
つきの値を含むことにより、発注者のプラズマ処理装置
またはプラズマ処理システムその各プラズマチャンバに
対する性能判断材料を提供できるとともに、購入時にお
ける適切な判断をすることが可能となる。さらに、前記
性能状況情報を、カタログまたは仕様書として出力する
ことができる。
【0250】以下、本発明に係るプラズマ処理装置,プ
ラズマ処理システムの第9実施形態を、図面に基づいて
説明する。 [第9実施形態]図34は本実施形態のプラズマ処理シ
ステムの概略構成を示す模式図である。
【0251】本実施形態のプラズマ処理システムは、図
1に示した第1実施形態と略同等のプラズマ処理装置7
1,71’と、図10〜図20に示した第2〜第4実施
形態と略同等のプラズマ処理装置91と、を組み合わせ
て概略構成されている。先に説明した第1ないし第4実
施形態の構成要素に対応するものには同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0252】本実施形態のプラズマ処理システムは、図
34に示すように、3つのプラズマ処理室ユニット(プ
ラズマチャンバ)95,96,97を有するプラズマ処
理装置71、2つのプラズマ処理室ユニット(プラズマ
チャンバ)95,96を有するプラズマ処理装置91、
および、3つのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャ
ンバ)95,96,97を有するプラズマ処理装置7
1’が製造ラインの一部を構成するものとされている。
ここで、図1に示したような第1実施形態のプラズマ処
理装置71,71’の部分において、プラズマ処理室ユ
ニット(プラズマチャンバ)75,76,77に替え
て、図10〜図20に示した第2〜第4実施形態におけ
る2周波数励起タイプのプラズマ処理室ユニット(プラ
ズマチャンバ)95と略同等のプラズマ処理室ユニット
を3つ有する構成とされており、これらプラズマ処理室
ユニット(プラズマチャンバ)95,96,97は略同
一の構造とされている。
【0253】本実施形態のプラズマ処理システムは、図
34に示すように、各プラズマチャンバ95,96,9
7における前述のインピーダンス測定用端子61,スイ
ッチSW5がスイッチSW3を介してインピーダンス測
定器ANに接続されている。スイッチSW3は各プラズ
マチャンバ95,96,97の測定時に測定対象のプラ
ズマチャンバ95,96,97とインピーダンス測定器
ANとのみを接続して、それ以外のプラズマチャンバ9
5,96,97を切断するよう切り替えるスイッチとし
て設けられている。そして、この測定用端子61から、
スイッチSW3までのインピーダンスが、各プラズマチ
ャンバ95,96,97に対して等しくなるように、測
定用の同軸ケーブルの長さが等しく設定されている。イ
ンピーダンス測定用端子61には、図15,図17に示
す第3実施形態と同様にして、インピーダンス測定器A
Nのプローブが着脱自在に接続されている。
【0254】本実施形態においては、計測したプラズマ
チャンバ95に対する入力端子側交流抵抗RA95、プラ
ズマチャンバ96に対する入力端子側交流抵抗RA96
プラズマチャンバ97に対する入力端子側交流抵抗RA
97のうち、その最大値RAma x と最小値RAmin に対し
て、式(14A)のように複数のプラズマチャンバ9
5,96,97の入力端子側交流抵抗RAのばらつき<
RA>として定義し、この(14A)式で表されるばら
つきの値を0.5より小さい範囲の値に設定する。この
際、入力端子側交流抵抗RAのばらつき<RA>を設定す
る方法としては、前述した〜等のような手法を適用
することができる。同時に、計測したプラズマチャンバ
95に対する出力端子側交流抵抗RB95、プラズマチャ
ンバ96に対する出力端子側交流抵抗RB96、プラズマ
チャンバ97に対する出力端子側交流抵抗RB97のう
ち、その最大値RBmax と最小値RBmin に対して、式
(14B)のように複数のプラズマチャンバ95,9
6,97の出力端子側交流抵抗RBのばらつき<RB>と
して定義し、この(14B)式で表されるばらつきの値
を0.5より小さい範囲の値に設定する。この際、入力
端子側交流抵抗RBのばらつき<RB>を設定する方法と
しても、前述した〜等のような手法を適用すること
ができる。
【0255】そして、これらの複数のプラズマチャンバ
においては、前述したように、整合回路2Aにおいて、
その入力端子側から測定した交流抵抗RA0 と出力端子
側から測定した交流抵抗RB0 とが、分解搬送後、納入
先において再組み立てした後においても、さらに、その
後の使用期間の時刻t1 においても、その時の交流抵抗
RA1 ,RB1 (高周波特性)が、それぞれ、RA0
RA1 の差ΔRAの絶対値がRA0 の0.5倍とされる
所定の値より小さい値に維持されるとともに、RB0
RB1 の差ΔRBの絶対値がRB0 の0.5倍とされる
所定の値より小さい値に維持されて設計、製造されてい
る。
【0256】本実施形態のプラズマ処理システムにおい
ては、例えば、プラズマ処理前処理をおこなった被処理
基板16に、プラズマ処理装置71のプラズマチャンバ
95,96,97において成膜処理をおこない、つい
で、熱処理室79において加熱処理をおこない、その
後、レーザーアニール室78においてアニール処理をお
こなう。次いで、この被処理基板16をプラズマ処理装
置71から搬出し、図示しないプラズマ処理装置71と
同等の装置におけるプラズマ処理室において、被処理基
板16に順次第2,第3の成膜処理をおこなう。次い
で、このプラズマ処理装置から搬出した被処理基板16
に、図示しない別の処理装置において、フォトリソグラ
フィー工程によりフォトレジストの形成をおこなう。そ
して、被処理基板16をプラズマ処理装置91に搬入
し、プラズマチャンバ95,96においてプラズマエッ
チングをおこない、次いで、この被処理基板16をプラ
ズマ処理装置91から搬出し、図示しないプラズマ処理
装置91と同等の装置におけるプラズマチャンバにおい
て、被処理基板16に成膜処理をおこなう。次いで、図
示しないプラズマ処理装置から搬出された被処理基板1
6に、図示しない他の処理装置において、レジストを剥
離し、新たにフォトリソグラフィー工程によりパターニ
ングする。最後に、プラズマ処理装置71’のプラズマ
チャンバ95、96,97において被処理基板16に順
次第1,第2,第3の成膜処理がおこなわれ、被処理基
板16をプラズマ処理後処理へと送り、製造ラインにお
ける本実施形態のプラズマ処理システムにおける工程は
終了する。
【0257】本実施形態のプラズマ処理システムにおい
ては、第1,第2実施形態と同等の効果を奏するととも
に、プラズマチャンバ95,96,97の整合回路2A
の入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗R
Bのうち、それぞれの最大値と最小値のばらつきを、
0.5より小さい範囲の値に設定することで、プラズマ
処理システム全体において、複数のプラズマ処理装置7
1,91,71’において、それぞれ、各プラズマチャ
ンバ95,96,97に対する電気的高周波的な特性の
機差をなくすことが可能となり、これにより、プラズマ
処理システム全体においてインピーダンス特性を指標と
する一定の管理幅内に複数のプラズマチャンバ95,9
6,97の状態を設定することが可能となるので、個々
のプラズマチャンバ95,96,97において、発生す
るプラズマ密度等をそれぞれ略均一にすることができ
る。
【0258】また、本実施形態のプラズマ処理システム
の個々のプラズマチャンバ95,96,97において
は、分解、搬送、再組み立て、その後の使用(プラズマ
処理)、あるいは調整作業が施された後においても、交
流抵抗RA1 ,RB1 (高周波特性)が、それぞれ、R
0 、RA1 の差ΔRAの絶対値がRA0 の0.5倍と
される所定の値より小さい値に維持されるとともに、R
0 、RB1 の差ΔRBの絶対値がRB0 の0.5倍と
される所定の値より小さい値に維持されている。そのた
め、ある時刻t0 ,から時刻t1 における時間が経過す
る間に、上記のような電気的高周波的な特性に影響を与
える可能性のある事象があった場合にも、その時間の前
後で、電気的高周波的な特性の差をなくすことが可能と
なり、これにより、交流抵抗RA,RB、容量、インピ
ーダンス特性を指標とする一定の管理幅内にそれぞれの
プラズマチャンバ95,96,97の状態を時間的に維
持することが可能となるので、プラズマ空間で消費され
る実効的な電力等をそれぞれ略均一に維持することがで
きる。
【0259】その結果、プラズマ処理システム全体にお
いて複数のプラズマチャンバ95,96,97に対して
同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処
理結果を得ること、つまり、複数のプラズマチャンバ9
5,96,97において例えば成膜をおこなった際に、
膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性
の膜を得ることが可能となる。具体的には、上記のばら
つきの値を0.5より小さい範囲に設定することによ
り、略同一の条件で積層をおこなったプラズマチャンバ
95,96,97において、膜厚のばらつきの値を±7
%の範囲におさめることができる。そのため、プラズマ
処理システムの全般的な電気的高周波的特性を設定する
ことが可能となり、個々のプラズマチャンバ95,9
6,97におけるプラズマ発生の安定性を期待すること
ができる。その結果、動作安定性が高く、各プラズマチ
ャンバ95,96,97で均一な動作が期待できるプラ
ズマ処理システムを提供することが可能となる。これに
より、単一のプラズマ処理装置よりも多数のプラズマチ
ャンバ95,96,97に対する膨大なデータから外部
パラメータと実際の基板を処理するような評価方法によ
る処理結果との相関関係によるプロセス条件の把握を不
必要とすることができる。
【0260】同時に、上記のような電気的高周波的な特
性に影響を与える可能性のある事象があった場合にも、
その時間の前後で同一のプロセスレシピを適用して、略
同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、それぞれ
のプラズマチャンバ95,96,97において例えばあ
る時間を隔てて成膜をおこなった際に、経過した時間の
前後で、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略同等
な膜特性の膜を得ることが可能となる。具体的には、上
記の差ΔRAの絶対値をRA0 の0.5倍より小さい値
に維持するとともに、差ΔRBの絶対値がRB0 の0.
5倍より小さい値に維持することにより、時間の経過に
かかわらず、すなわち、分解、搬送、再組み立てや使用
回数、調整作業等の存在にかかわらず、略同一の条件で
積層をおこなったそれぞれのプラズマチャンバ95,9
6,97において、膜厚のばらつきの値を±7%の範囲
におさめることができる。そのため、従来考慮されてい
なかった整合回路2Aまでも含んだそれぞれのプラズマ
チャンバ95,96,97の全般的な電気的高周波的特
性を設定することが可能となり、プラズマ発生の安定性
を期待することができる。その結果、動作安定性が高
く、それぞれのプラズマチャンバ95,96,97で時
間的に均一な動作が期待できるプラズマ処理装置を提供
することが可能となる。さらに、複数のプラズマチャン
バ95,96,97間においても、同一のプロセスレシ
ピを適用して、略同一のプラズマ処理結果が得られる状
態を時間経過的的に維持することが可能となる。
【0261】したがって、本実施形態のプラズマ処理シ
ステムおよびその検査方法によれば、新規設置時や調整
・保守点検時において、各プラズマチャンバ95,9
6,97ごとの機差をなくして処理のばらつきをなく
し、各プラズマチャンバ95,96,97において同一
のプロセスレシピにより略同一の処理結果を得るために
必要な調整時間を、被処理基板16への実際の成膜等に
よる検査方法を採用した場合に比べて、第1直列共振周
波数f0 を測定することにより、大幅に短縮することが
できる。しかも、処理をおこなった基板の評価によりプ
ラズマ処理システムの動作確認および、動作の評価をお
こなうという2段階の方法でなく、ダイレクトにプラズ
マ処理システムの評価を、しかも、プラズマ処理システ
ムの実機が設置してある場所で短時間におこなうことが
可能である。その上、被処理基板16への実際の成膜等
による検査方法を採用した場合、別々におこなうしかな
かった複数のプラズマチャンバ95,96,97に対す
る結果をほぼ同時に実現することができる。このため、
製造ラインを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理
システムの動作確認および、動作の評価をする必要がな
くなり、製造ラインとしての生産性を向上することがで
きる。また、このような調整に必要な検査用基板等の費
用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従
事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能
となる。
【0262】さらに、本実施形態におけるプラズマ処理
システムにおいては、各プラズマチャンバ95,96,
97の入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵
抗RBを設定することにより、従来は、考慮されていな
かった複数のプラズマチャンバ95,96,97の電気
的高周波的な特性を一括して適正な範囲に収めることが
できる。これにより、動作安定性を向上して、従来一般
的に使用されていた13.56MHz程度以上の高い周
波数の電力を投入した場合であっても、すべてのプラズ
マチャンバ95,96,97において、高周波電源1か
らの電力のうち整合回路2Aおよびその近傍における電
力損失を低減してプラズマ励起電極4とサセプタ電極8
との間のプラズマ発生空間に効率よく導入することが可
能となる。同時に、同一周波数を供給した場合に、従来
のプラズマ処理システムと比べてプラズマ空間で消費さ
れる実効的な電力の向上をすべてのプラズマチャンバ9
5,96,97において図ることができる。その結果、
プラズマ処理システム全体としてのプラズマ励起周波数
の高周波化による処理速度の向上を図ること、つまり、
すべてのプラズマチャンバ95,96,97において、
プラズマCVD等により膜の積層をおこなう際には、堆
積速度の向上を図ることができる。同時に、すべてのプ
ラズマチャンバ95,96,97において、プラズマ発
生の安定性を期待することができる結果、個々のプラズ
マ処理装置71,91,71’としての動作安定性が高
く、同時に全体として動作安定性の高いプラズマ処理シ
ステムを提供することが可能となる。しかも、これら
を、複数のプラズマチャンバ95,96,97において
同時に実現することができる。
【0263】したがって、複数のプラズマチャンバ9
5,96,97において、プラズマ空間で消費される実
効的な電力の向上によりそれぞれ被処理基体16におけ
る膜面内方向におけるプラズマ処理の均一性の向上を図
ることができ、成膜処理においては膜厚の膜面内方向分
布の均一性の向上を図ることが可能となる。同時に、プ
ラズマ密度の上昇により、プラズマCVD、スパッタリ
ングなどの成膜処理においては、成膜状態の向上、すな
わち、堆積した膜における絶縁耐圧や、エッチングに対
する耐エッチング性、そして、いわゆる膜の「固さ」つ
まり膜の緻密さ等の膜特性の向上を図ることが可能とな
る。
【0264】また、同一周波数を供給した場合に、従来
のプラズマ処理システムと比べてプラズマ空間で消費さ
れる実効的な電力の向上を図ることができるため、プラ
ズマ処理システム全体として電力の消費効率を向上し、
同等の処理速度もしくは膜特性を得るために、従来より
少ない投入電力ですむようにできる。しかも、これら
を、複数のプラズマチャンバ95,96,97において
実現することができる。したがって、プラズマ処理シス
テム全体の電力損失の低減を図ること、ランニングコス
トの削減を図ること、生産性の向上を図ることがより一
層可能になる。同時に、処理時間をより短縮することが
可能となるため、プラズマ処理に要する電力消費を減ら
せることから環境負荷となる二酸化炭素の総量をより削
減することが可能となる。
【0265】本実施形態のプラズマ処理システムにおい
ては、各プラズマチャンバ95,96,97の前記整合
回路2Aの測定位置PR3にインピーダンス測定用端子
61とスイッチSW5とを設け、これを単一のインピー
ダンス測定器ANをスイッチSW3によって切り替え自
在に接続することで、プラズマ処理システムの個々のプ
ラズマチャンバ95,96,97のインピーダンス特性
測定時において、第1,第2実施形態のように整合回路
2Aと高周波電源1とを切り離すために、電力供給線1
Aと整合回路2Aとを着脱する必要がない。また、単一
のインピーダンス測定器ANによって複数のプラズマチ
ャンバ95,96,97のインピーダンス特性および交
流抵抗RA,RBの測定をおこなうことができる。この
ため、前記プラズマチャンバ95,96,97のインピ
ーダンス特性を測定する際のプロービングを容易におこ
なうことが可能となり、交流抵抗RA,RBの測定時に
おける作業効率を向上することができる。
【0266】さらに、スイッチSW3,SW5を設け
て、測定用端子61からスイッチSW3までのインピー
ダンスを複数のプラズマ処理装置71,71’、91に
おける各プラズマチャンバ95,96,97に対して等
しくなるように設定することで、スイッチSW1,SW
2,SW3を切り替えるだけで、インピーダンス測定端
子61に接続されたインピーダンス測定器ANからのイ
ンピーダンス測定値を、高周波電源1出力側最終段の出
力位置PR2から測定した値と同等と見なすことができ
る。同時に、各プラズマチャンバ95,96,97のイ
ンピーダンス特性に対する測定用端子61からスイッチ
SW3までのインピーダンス特性の差異を考慮する必要
がなくなるため、複数のプラズマ処理装置71,7
1’、91におけるプラズマチャンバ95,96,97
に対する交流抵抗RA,RBの算出の補正が不要とな
り、実測値の換算が不要となり、プラズマ処理システム
の電気的高周波的特性の設定における作業効率を向上
し、交流抵抗RA,RBの測定をより正確におこなうこ
とができる。
【0267】なお、本実施形態において、スイッチSW
3,SW5を測定しようとする各プラズマチャンバ9
5,96,97に対する切り替え動作を連動させること
が可能であり、また、2つのスイッチSW1およびスイ
ッチSW2の構成を、分岐点から出力端子位置PRまで
と分岐点からプローブまでのインピーダンスが等しく設
定される1つのスイッチとすることもできる。
【0268】さらに、本発明における各実施形態におい
ては、各プラズマチャンバ95,96,97のプラズマ
励起電極4に対する交流抵抗RA,RBを設定したが、
サセプタ電極側8に対する交流抵抗RA,RBを設定す
るよう対応することも可能である。この場合、図11,
図15にPR’,PR3’,PR4’で示すように、イ
ンピーダンス測定範囲を規定する整合回路25の測定位
置を設定することができる。
【0269】さらに、平行平板型の電極4,8を有する
タイプに変えて、ICP(inductive coupled plasma)
誘導結合プラズマ励起型、RLSA(radial line slot
antenna)ラジアルラインスロットアンテナ型などのプ
ラズマ処理装置や、RIE(Riactive Ion Etching)反
応性スパッタエッチング用の処理装置に適用することも
できる。
【0270】なお、本発明の各実施形態においては、図
35に示すように、プラズマチャンバ(プラズマ処理室
ユニット)95,96,97に対応して、整合回路2A
と、高周波電源1とが、それぞれ設けられて、プラズマ
チャンバ95,96,97における整合回路2Aの接続
位置に、SW4を介してインピーダンス測定器ANを接
続したが、図36に示すように、個々のプラズマチャン
バ95,96,97に対する整合回路2A,2A,2A
が、スイッチ切り替えによって同一の高周波電源1に接
続される構成や、図37に示すように、個々のプラズマ
チャンバ95,96,97が、スイッチ切り替えによっ
て同一の整合回路2Aに接続される構成も可能である。
この場合、図36に示すように、プラズマチャンバ9
5,96,97の整合回路2Aと高周波電源1との接続
位置に、SW4を介して入力端子側交流抵抗RA測定用
のインピーダンス測定器ANが接続される構成や、図3
7に示すように、プラズマチャンバ95,96,97の
チャンバ室と整合回路2Aとの接続位置に、SW4を介
して出力端子側交流抵抗RB測定用のインピーダンス測
定器ANが接続される構成が可能である。また、入力端
子側交流抵抗RA測定用のインピーダンス測定器AN
と、出力端子側交流抵抗RB測定用のインピーダンス測
定器ANとを、同一のプラズマチャンバに接続すること
も可能であり、この場合には、スイッチ切り替えによっ
て同一のインピーダンス測定器により、入力端子側交流
抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBの測定を切り替
え可能とすることができる。
【0271】また、本発明の各実施形態においては、入
力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBの
測定をおこなう測定周波数として、高周波電源における
プラズマ発生時に供給する電源周波数を適用した。これ
により、それぞれの特性を指標とする一定の管理幅内に
複数のプラズマチャンバ95,96,97を設定するこ
とが可能となるので、電気的高周波的な特性の機差をな
くすことが可能となり、個々のプラズマチャンバ95,
96,97において、プラズマ空間で消費される実効的
な電力をそれぞれ略均一にすることができる。
【0272】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能評価方法を第10実施形態として、図面に基づいて説
明する。 [第10実施形態]本実施形態の性能評価方法の対象と
なるプラズマ処理装置としては図1ないし図9を用いて
説明した第1実施形態のプラズマ処理装置が用いられ
る。上記第1実施形態で説明した方法と同様にして測定
・定義した交流抵抗RA,RB(高周波特性)の納入後
における値RA1 ,RB1 が、それぞれ、RA0 、RA
1 の差の絶対値|ΔRA|がRA0 の0.5倍とされる
所定の値より小さい値に維持されるとともに、RB0
RB1 の差の絶対値|ΔRB|がRB0 の0.5倍とさ
れる所定の値より小さい値に維持されているかどうかに
より、所望の性能を維持しているか否かが判断される。
すなわち、交流抵抗RA,RBの納入後における値RA
1 ,RB1 かさら算出される|ΔRA|か|ΔRB|の
いずれかが、前記所定の値以上である場合には、所望の
性能が維持できていないと判断する。そして、所望の性
能が維持できていないと判断した場合には、|ΔRA|
および|ΔRB|のいずれの値も前記所定の値より小さ
い値の範囲になるように、交流抵抗RA1 ,RB1 を是
正する措置をとることができる。
【0273】ここで、上記RA1 ,RB1 を是正する方
法としては、例えば、第1実施形態で説明した〜等
の手法を適用することができる。本実施形態の性能評価
方法においては、プラズマチャンバの交流抵抗の納入後
における値RA1 ,RB1 かさら算出される|ΔRA|
および|ΔRB|が、それぞれ、RA0 、RA1 の差の
絶対値|ΔRA|がRA0 の0.5倍とされる所定の値
より小さい値に維持されるとともに、RB0 、RB1
差の絶対値|ΔRB|がRB0 の0.5倍とされる所定
の値より小さい値に維持する是正作業が可能となること
により、従来は、考慮されていなかった整合回路2Aま
でも含めたプラズマチャンバの全体的な電気的高周波的
な特性を適正な範囲に収めることができる。これによ
り、動作安定性を向上して、従来一般的に使用されてい
た13.56MHz程度以上の高い周波数の電力を投入
した場合であっても、高周波電源1からの電力を、プラ
ズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ発生
空間に効率よく導入することが可能となる。同時に、同
一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と
比べて、プラズマ空間で消費される実効的な電力を大き
くし、生成するプラズマ密度の上昇を図ることができ
る。その結果、プラズマ励起周波数の高周波化による処
理速度の向上を図ること、つまり、プラズマCVD等に
より膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図る
ことができる。
【0274】さらに、本実施形態の性能評価の結果、適
切な是正作業が施されれば、分解、搬送、再組み立て、
その後の使用(プラズマ処理)、あるいは調整作業が施
された後においても、プラズマ空間で消費される実効的
な電力等をそれぞれ略均一に維持することができるの
で、その時間の前後で同一のプロセスレシピを適用し
て、略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、そ
れぞれのプラズマチャンバ75,76,77において例
えばある時間を隔てて成膜をおこなった際に、経過した
時間の前後で、成膜状態の時間的な均一性、すなわち、
堆積した膜における絶縁耐圧や、エッチング液に対する
耐エッチング性、そして、いわゆる膜の「固さ」つまり
膜の緻密さ等の膜特性を時間的な維持の向上を図ること
が可能となる。ここで、膜の緻密さは例えば、BHF液
によるエッチングに対する浸食されにくさ、耐エッチン
グ性によって表現可能である。
【0275】そして、本実施形態の性能評価方法によれ
ば、それぞれのプラズマチャンバ75,76,77の実
機が設置してある場所で、高周波特性測定器ANにより
交流抵抗RA1 ,RB1 を測定するだけで、短時間にプ
ラズマ処理装置の性能確認および、性能の評価が可能と
なる。このため、成膜された基板を検査するために、製
造ラインを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理装
置の性能確認および、性能の評価をする必要がなくな
り、製造ラインとしての生産性を向上することができ
る。この交流抵抗RA1 ,RB1 は、機械的な構造をそ
の多くの要因としてきまる電気的高周波的な特性であ
り、それぞれのプラズマチャンバ75,76,77ごと
に異なっていると考えられる。上記の範囲に、このRA
1 ,RB1 を指標とすることにより、各プラズマ処理室
に対しても、従来考慮されていなかったその全般的な電
気的高周波的特性を設定することが可能となり、プラズ
マ発生の安定性を期待することができる。その結果、動
作安定性の高いプラズマ処理装置を提供することが可能
となる。しかも、これらの性能評価を、装置を搬送元に
て分解後、納入先に搬送して、該納入先にて再組み立て
した後に実施するために、搬送中の振動や搬入後の再組
み立て作業の不備で精度に狂いが生じる等、性能に悪影
響を及ぼす事象が発生した後に、簡便かつ短時間で性能
を確認できるので、問題発見から改善までのサイクルを
早めることができるので、納入後の装置の立ち上げ期間
を短縮することが可能となる。
【0276】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムの他の実施形態を第11実施形態とし
て、図面に基づいて説明する。 [第11実施形態]図38は本実施形態に係るプラズマ
処理装置の性能管理システムのシステム構成図である。
図39は、同性能管理システムで実現される評価情報提
供方法を示すフローチャートである。なお、両図におい
て、図21〜図26と同一の構成要素には、同一の符号
を附してその説明を省略する。
【0277】図38に示す性能管理システムは、サーバ
210と、納入先の入力装置270と、これらサーバ2
10と入力装置270とを接続する通信回線230と、
サーバーに接続された搬送元の出力装置240とから構
成されている。本管理システムの対象となるのは、前記
の各実施形態において示したプラズマ処理室を複数有す
るプラズマ処理装置又はプラズマ処理システムが対象と
なる。
【0278】以下、図38を参照しながら、図39のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの納入先側における利用者は、
同システムで性能評価を開始するにあたり、まず、入力
装置270から、納入先に納入されたプラズマ処理装置
について、プラズマチャンバ(プラズマ処理室)の固有
番号S及び各プラズマチャンバ75,76,77,9
5,96,97の高周波特性としての入力端子側交流抵
抗RA1 (時刻t0の後の時刻t1 における値)、出力
端子側交流抵抗RB1 (時刻t0 の後の時刻t1 におけ
る値)を測定し、この値を入出力装置220から入力す
る。これらの入力された入力端子側交流抵抗RA1 ,出
力端子側交流抵抗RB1 の値は、通信回線230を通じ
てサーバ210に送信される。(ステップ401)な
お、プラズマ処理装置に接続された高周波特性測定器を
入力装置270に接続しておいて、サーバー210から
の指令により自動的にプラズマチャンバ75,76,7
7,95,96,97の固有番号S及び各プラズマチャ
ンバ75,76,77,95,96,97の高周波特性
としての入力端子側交流抵抗RA1 ,出力端子側交流抵
抗RB1 の測定値が入力されるようにしてもよい。
【0279】これに対しサーバ210は、高周波特性と
しての入力端子側交流抵抗RA1 ,の情報の中から、最
大値RA1max及び最小値RA1minを検索しこの値が測定
されたプラズマチャンバ75,76,77,95,9
6,97に対応する固有番号Sとともに特定するととも
に、出力端子側交流抵抗RB1 の情報の中から、最大値
RB1max及び最小値RB1minを検索してこの値が測定さ
れたプラズマチャンバ75,76,77,95,96,
97に対応する固有番号Sとともに特定する(ステップ
402)。次いで、下記式に従い交流抵抗のばらつきの
値<RA><RB>を計算する(ステップ403)。 <RA> = (RA1max −RA1min )/(RA1max +RA1min )(14A) <RB> = (RB1max −RB1min )/(RB1max +RB1min )(14B)
【0280】次にサーバ210は、<RA><RB>と所定
の値、例えば0.5とをそれぞれ比較し、当該プラズマ
処理装置の性能を評価する。具体的には、<RA><RB>
がいずれも所定の値より小さい値の場合には、当該プラ
ズマ処理装置が所定の性能を維持していると判断する。
また、<RA>か<RB>の少なくとも片方が所定の値以上
の値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を
維持していないと判断する。また、上記サーバ210
は、<RA><RB>と所定の価、例えば0.5とを比較
し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具体的に
は、<RA><RB>がそれぞれ所定の値より小さい値の場
合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持して
いると判断する。また、<RA>か<RB>の少なくともい
ずれか片方が所定の値以上の値の場合には、当該プラズ
マ処理装置が所定の性能を維持していないと判断する
(ステップ404)。
【0281】次にサーバ210は、上記性能評価の結果
所定の性能を維持していないと判断した場合に、搬送元
の出力装置240に評価情報として、保守作業命令を当
該最大値RA1max及び最小値RA1min又は最大値RB
1max及び最小値RB1minを与えたプラズマチャンバの固
有番号Sとともに提供する(ステップ405)。具体的
には、サーバ210は、出力装置240に対して、プリ
ントアウトや画面表示の指令信号を送信したり、あるい
は、警報音発生信号を送信したりする。そして、搬送元
において、保守作業命令と共に、いずれの納入先のどの
装置が保守を必要としているかを判断するために必要な
情報として、該当するプラズマチャンバの固有番号が出
力される。
【0282】本実施形態のプラズマ処理装置の管理シス
テムにおいては、搬送元において、何れのプロセス処理
装置に問題が生じたか、あるいは何れのプロセス処理装
置のいずれのプロセス処理室に問題が生じたか等を直ち
に把握できる。
【0283】すなわち、メーカーサービス会社等の搬送
元においては、納入したプラズマ処理装置やプラズマ処
理システムを実際に動作させて成膜された基板を検査す
るという作業を行うことなく、直ちに当該プラズマ装置
の性能を評価基準2に基づき評価することができる。し
かも、処理をおこなった基板の評価によりプラズマ処理
装置等の動作確認および、動作の評価をおこなうという
2段階の方法でなく、ダイレクトにプラズマ処理装置の
評価を、しかも、プラズマ処理装置のプラズマチャンバ
CNが設置してある場所で短時間におこなうことが可能
である。その上、被処理基板への実際の成膜等による検
査方法を採用した場合、別々に行うしかなかった複数の
プラズマチャンバを有するプラズマ処理装置の場合につ
いても、結果をほぼ同時に得ることができる。このた
め、納入後の装置性能について、簡便かつ短時間で確認
でき、問題がある場合には、問題発見から改善までのサ
イクルを早めることができるので、装置の立ち上げ期間
を短縮することができる。また、このような確認に必要
な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費用、お
よび、確認作業に従事する作業員の人件費等、コストを
削減することが可能となる。
【0284】また、搬送元のメーカー等において、納入
先のプラズマ処理装置に問題が生じた場合には、保守作
業命令を受けて直ちにこれを知ることができるので、顧
客に対するアフタサービス体制を充実させることができ
る。
【0285】[実施例]本発明では、プラズマチャンバ
において、時間的に入力端子側交流抵抗RAおよび出力
端子側交流抵抗RBの値を一定以内となるように設定す
ることにより成膜時における膜特性の変化を測定すると
ともに、複数のプラズマチャンバにおいて、入力端子側
交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBのばらつき
の値を一定以内の値に設定することにより成膜時におけ
る膜特性の変化を測定した。
【0286】ここで、実際に使用したプラズマ処理装置
としては、プラズマ処理室が2周波数励起タイプのもの
とされる。この際、1つのプラズマ処理室に3つの異な
る整合回路を交互に接続して成膜をおこなった。これ
は、チャンバ室における機差の影響を排除するためであ
る。使用したプラズマ処理装置としては、平行平板型の
電極4,8のサイズが25cm角とされ、これらの電極
間隔が15mmに設定され、その電力が600W、電力
周波数fe を40.68MHzに設定した。
【0287】まず、3つの異なる整合回路で入力端子側
交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBを測定す
る。ここで、入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側
交流抵抗RBの測定においては、上記第2実施形態と同
様にして、それぞれの整合回路2Aを給電線1A給電板
3から切り離し、それぞれ測定位置PR、PR3からお
こなうものとする。この状態で接続した高周波特性測定
装置における測定周波数を1〜100MHzに変化させ
インピーダンスのベクトル量を測定し、電源周波数4
0.68MHzでのZとθからRA,RBを算出する。
【0288】ここで、整合回路1として、図3に示す第
1実施形態の整合回路2Aと同様の構造を有し、表面に
銀メッキを施した銅パイプからなるチューニングコイル
23のインダクタンス372nH、寄生抵抗成分となる
電力周波数fe における出力端子側交流抵抗RBの値が
5.5Ω、入力端子側交流抵抗RAの値が0.54Ωの
ものを用意した。整合回路2として、上記整合回路1と
同等のチューニングコイル23を2本並列に接続しトー
タルのインダクタンスを370nHとなるように設定
し、寄生抵抗成分となる電力周波数fe における出力端
子側交流抵抗RBの値が3.2Ω、入力端子側交流抵抗
RAの値が0.55Ω、のものを用意した。整合回路3
として、上記整合回路1と同等のチューニングコイル2
3を4本並列に接続して、トータルのインダクタンスを
370nHとなるように設定し、寄生抵抗成分となる電
力周波数fe における出力端子側交流抵抗RBの値が
1.6Ω、入力端子側交流抵抗RAの値が0.52Ω、
のものを用意した。整合回路4として、上記整合回路1
よりも径の太い銅パイプからなるチューニングコイル2
3を有し、トータルのインダクタンスを370nHとな
るように設定し、寄生抵抗成分となる電力周波数fe
おける出力端子側交流抵抗RBの値が4.1Ω、入力端
子側交流抵抗RAの値が0.54Ω、のものを用意し
た。
【0289】上記の各整合回路を同一のプラズマ処理室
に接続し、これらに対する評価として同一のプロセスレ
シピを適用し、窒化珪素膜を堆積し、以下のように各プ
ラズマ処理室における被成膜基板に対する膜厚ばらつき
を計測した。 ガラス基板上にプラズマCVDによりSiNx 膜を成
膜する。 フォトリソによりレジストのパターニングをおこな
う。 SF6 とO2 を用いてSiNx 膜をドライエッチング
する。 O2 アッシングによりレジストを剥離する。 SiNx 膜の膜厚段差を触針式段差計により計測す
る。 成膜時間と膜厚から堆積速度を算出する。 膜面内均一性は、6インチガラス基板面内において1
6ポイントで測定する。
【0290】ここで、成膜時における条件は、 基板温度 300℃ ガス圧 100Pa SiH4 40sccm NH3 160sccm N2 600sccm である。これらの結果を表2に示す。
【0291】
【表2】
【0292】(実施例1)上記の整合回路のうち、実施
例1として、整合回路2,3を選択する。すると、成膜
速度が速く良好で、成膜結果のばらつきは2.8%と、
3%以下の値になっている。これに対応して、出力端子
側交流抵抗RBのばらつきは、式(14B)に従うと、
0.32であり、0.4以下の値となっている。 (実施例2)上記の整合回路のうち、実施例2として、
整合回路1,2,3を選択する。すると、実施例1に次
いで成膜速度が早いが、成膜結果のばらつきは12.6
%と10%を越えている。これに対応して、出力端子側
交流抵抗RBのばらつきは、式(14B)に従うと、
0.55であり0.5以上の値となっている。 (実施例3)上記の整合回路のうち、実施例3として、
整合回路2,3,4を選択する。すると、成膜速度のば
らつきは6.8%と7%以下の値となっており、これに
対応して、出力端子側交流抵抗RBのばらつきは、式
(14B)に従うと、0.44であり、0.5以下の値
となっている。これらの結果を表3に示す。
【0293】
【表3】
【0294】SiN膜はTFT−LCD(液晶装置)の
薄膜トランジスタのゲート絶縁膜や、液晶に印加する電
圧の保持を良好にするために負荷する蓄積容量の絶縁膜
などに用いられている。このSiN膜は最終製品である
TFT−LCDにおける白黒の輝度の比にあたるコント
ラストに影響するパラメータであり、SiN膜の膜厚が
10%ばらついた場合、最終製品であるTFT−LCD
においては前記コントラストが約50のばらつきを生じ
てしまうことになる。すなわち、複数の製品のコントラ
ストが、200〜250でばらつく結果となる。つま
り、入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗
RBのばらつきを0.5以下の範囲に設定することによ
り、成膜特性のばらつきが10%以下になり、最終製品
であるTFT−LCDにおける前記コントラストのばら
つきが約50以下に設定できる。そして、入力端子側交
流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗RBのばらつきを
0.45以下の範囲に設定することにより、成膜特性の
ばらつきが7%以下になり、最終製品であるTFT−L
CDにおける前記コントラストのばらつきが約30以下
に設定できる。さらに、入力端子側交流抵抗RAおよび
出力端子側交流抵抗RBのばらつきを0.4以下の範囲
に設定することにより、成膜特性のばらつきが3%以下
になり、最終製品であるTFT−LCDにおける前記コ
ントラストのばらつきが約10以下に設定できる。
【0295】つまり、入力端子側交流抵抗RAおよび出
力端子側交流抵抗RBのばらつきを設定することによ
り、複数のプラズマチャンバにおける機差が低減してい
ることがわかる。
【0296】さらに、実施例4,5,6として上記の整
合回路1と同等の構造のものを用意した。
【0297】次いで、各整合回路で入力端子側交流抵抗
RAおよび出力端子側交流抵抗RBを測定する。ここ
で、入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側交流抵抗
RBの測定においては、上記第2実施形態と同様にし
て、それぞれの整合回路2Aを給電線1A給電板3から
切り離し、それぞれ測定位置PR、PR3からおこなう
ものとする。この状態で接続した高周波特性測定装置に
おける測定周波数を1〜100MHzに変化させインピ
ーダンスのベクトル量を測定し、電源周波数40.68
MHzでのZとθからRA,RBを算出し、この値を時
刻t0 の交流抵抗RA0 、RB0 とする。
【0298】次に、上記のプラズマチャンバにおいて、
時刻t0 と時刻t1 との間の処理として、プラズマ処理
装置を分解し、その後再組み立てをおこない、その後、
各整合回路で入力端子側交流抵抗RAおよび出力端子側
交流抵抗RBを測定する。ここで、入力端子側交流抵抗
RAおよび出力端子側交流抵抗RBの測定においては、
同様にして、それぞれの整合回路2Aを給電線1A給電
板3から切り離し、それぞれ測定位置PR、PR3から
おこなうものとする。この状態で接続した高周波特性測
定装置における測定周波数を1〜100MHzに変化さ
せインピーダンスのベクトル量を測定し、電源周波数4
0.68MHzでのZとθからRA,RBを算出し、こ
の値を時刻t1 の交流抵抗RA1 、RB1 とする。
【0299】次いで、上記の値から、RA0 、RA1
差の絶対値|ΔRA|およびRB0、RB1 の差の絶対
値|ΔRB|を計算し、|ΔRA|と|ΔRB|がそれ
ぞれ所定の値に対してどのレベルにあるかを、それぞ
れ、式(20A)(20B) |ΔRA| ; C×RA0 (20A) |ΔRB| ; C×RB0 (20B) における係数Cの値を算出する。この値のうち、各実施
例に対して大きい方の値を表4に示す。
【0300】さらに、上記の各整合回路を同一のプラズ
マ処理室に接続し、これらに対する評価として実施例
1,2,3と同様の条件でに同一のプロセスレシピを適
用し、窒化珪素膜を堆積し、以下のように各プラズマ処
理室における被成膜基板に対する膜厚ばらつきを計測し
た。これらの結果を表4に示す。
【0301】
【表4】
【0302】(実施例4)上記の実施例4は、Cの値が
0.32であり、0.4以下の値となっている。これに
対応して、成膜速度のばらつきは2.8%と3%を下回
っている。 (実施例5)上記の実施例5はCの値が0.44であ
り、0.5以下となっている。これに対応して成膜速度
のばらつきは6.8%と3%を越えているが7%未満と
なっている。 (実施例6)上記の実施例6は、Cの値が0.55であ
り0.5を越えている。これに対応して、成膜速度のば
らつきは12.6%と7%以上、10%を越えている。
【0303】SiN膜はTFT−LCD(液晶装置)の
薄膜トランジスタのゲート絶縁膜や、液晶に印加する電
圧の保持を良好にするために負荷する蓄積容量の絶縁膜
などに用いられている。このSiN膜は最終製品である
TFT−LCDにおける白黒の輝度の比にあたるコント
ラストに影響するパラメータであり、SiN膜の膜厚が
10%ばらついた場合、最終製品であるTFT−LCD
においては前記コントラストが約50のばらつきを生じ
てしまうことになる。すなわち、複数の製品のコントラ
ストが、200〜250でばらつく結果となる。つま
り、時刻t1 における入力端子側交流抵抗RA1 および
出力端子側交流抵抗RB1 から算出される|ΔRA|と
|ΔRB|の値をそれぞれ固有RA0 、RB0 の0.5
倍以下の範囲に設定することにより、成膜特性のばらつ
きが7%以下になり、最終製品であるTFT−LCDに
おける前記コントラストのばらつきが約30以下に設定
できる。そして、時刻t1 における入力端子側交流抵抗
RA1 および出力端子側交流抵抗RB1 から算出される
|ΔRA|と|ΔRB|の値をそれぞれ固有RA0 、R
0 の0.4倍以下の範囲に設定することにより、成膜
特性のばらつきが3%以下になり、最終製品であるTF
T−LCDにおける前記コントラストのばらつきが約1
0以下に設定できる。
【0304】つまり、時間的に入力端子側交流抵抗RA
および出力端子側交流抵抗RBの値が均一になるように
設定することにより、複数のプラズマチャンバにおける
時間的な処理の差が低減していることがわかる。
【0305】
【発明の効果】本発明のプラズマ処理装置又はプラズマ
処理システムの性能評価方法によれば、プラズマ処理装
置を分解、搬送後再組み立てが施された後、すなわち納
入後に、被処理物が導入されてプラズマ処理が行われた
り、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が
施されたりした際に、プラズマ処理装置やプラズマ処理
システムの性能が適正に維持されているかどうかを迅速
かつ簡便に確認できる。また、本発明のプラズマ処理装
置の保守方法によれば、プラズマ処理装置の性能が適正
に維持されていない場合に、迅速に是正が可能となる。
また、本発明のプラズマ処理装置の性能管理システム又
はプラズマ処理システムの性能管理システムによれば、
納入先において、プラズマ処理装置の性能が適正に維持
されるために、納入先におけるプラズマ処理装置の性能
評価をメーカー等の搬送元で支援できると共に、メーカ
ー等の搬送元で充実した保守サービス体制を整えること
が可能となる。さらに、本発明のプラズマ処理装置によ
れば、適正な動作状態に簡便に維持することが可能であ
り、良好なプラズマ処理を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、 本発明に係るプラズマ処理装置の
第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 図2は、 図1におけるプラズマチャンバを
示す断面図である。
【図3】 図3は、 図2におけるプラズマチャンバの
整合回路を示す模式図である。
【図4】 図4は、 図3の整合回路におけるにおける
寄生抵抗を説明するための模式回路図である。
【図5】 図5は、 図3の整合回路における寄生抵抗
を説明するための模式回路図である。
【図6】 図6は、 図1におけるレーザアニール室を
示す縦断面図である。
【図7】 図7は、 図1における熱処理室を示す縦断
面図である。
【図8】 図8は、 インピーダンス測定器のプローブ
を示す斜視図である。
【図9】 図9は、 図8のインピーダンス測定器のプ
ローブの接続状態を示す模式図である。
【図10】 図10は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図11】 図11は、 図10におけるプラズマチャ
ンバを示す断面図である。
【図12】 図12は、 図11におけるプラズマチャ
ンバの整合回路を示す模式図である。
【図13】 図13は、 図12の整合回路における寄
生抵抗を説明するための模式回路図である。
【図14】 図14は、 図12の整合回路における寄
生抵抗を説明するための模式回路図である。
【図15】 図15は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の第3実施形態におけるプラズマチャンバの概略構成
を示す模式図である。
【図16】 図16は、 図15におけるプラズマチャ
ンバの整合回路を示す模式図である。
【図17】 図17は、 図16の整合回路における寄
生抵抗を説明するための模式回路図である。
【図18】 図18は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の第4実施形態におけるプラズマチャンバの整合回路
を示す模式図である。
【図19】 図19は、 図18の整合回路における寄
生抵抗を説明するための模式回路図である。
【図20】 図20は、 図18の整合回路における寄
生抵抗を説明するための模式回路図である。
【図21】 図21は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の性能管理システムの第5実施形態におけるシステム
構成図である。
【図22】 図22は、 同性能管理システムで実現さ
れる評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【図23】 図23は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の性能管理システムの第6実施形態で実現される評価
情報提供方法を示すフローチャートである。
【図24】 図24は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の性能管理システムの第7実施形態におけるシステム
構成図である。
【図25】 図25は、 同性能管理システムで実現さ
れる評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【図26】 図26は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の性能管理システムの第8実施形態で実現される評価
情報提供方法を示すフローチャートである。
【図27】 図27は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムを示すシステム構成図である。
【図28】 図28は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムに係わるサーバSの性能状況情報の提
供処理を示すフローチャートである。
【図29】 図29は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムに係わるメインページCPの構成を示
す平面図である。
【図30】 図30は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムに係わるサブページCP1の構成を示
す平面図である。
【図31】 図31は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムに係わるメインページCP2の構成を
示す平面図である。
【図32】 図32は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムに係わるサブページCP3の構成を示
す平面図である。
【図33】 図33は、 本発明のプラズマ処理装置の
性能確認システムに係わるサブページCP4の構成を示
す平面図である。
【図34】 図34は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の第9実施形態を示す概略構成図である。
【図35】 図35は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図36】 図36は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図37】 図37は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図38】 図38は、 本発明に係るプラズマ処理装
置の性能管理システムの第11実施形態におけるシステ
ム構成図である。
【図39】 図39は、 同性能管理システムで実現さ
れる評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【図40】 図40は、 従来のプラズマ処理装置の一
例を示す模式図である。
【図41】 図41は、 従来のプラズマ処理装置の他
の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…高周波電源 1A,27A…給電線(高周波電力給電体) 2,26…マッチングボックス 2A,25…整合回路 3,28…給電板(高周波電力配電体) 4…プラズマ励起電極(カソード電極) 5…シャワープレート 6…空間 7…孔 8…ウエハサセプタ(サセプタ電極) 9…絶縁体 10…チャンバ壁 10A…チャンバ底部 11…ベローズ 12…サセプタシールド 12A…シールド支持板 12B…支持筒 13…シャフト 16…基板(被処理基板) 17…ガス導入管 17a,17b…絶縁体 21,29…シャーシ 22,32…ロードコンデンサ 23,30…チューニングコイル 24,31…チューニングコンデンサ R1,R2,R3,R4,R5…導体 27…第2の高周波電源 60…チャンバ室(プラズマ処理室) 61…インピーダンス測定用端子(測定用端子) 61A…接続線 71,91…プラズマ処理装置 72,92…搬送室 73…ローダ室 74…アンローダ室 75、76,77,95,96,97…プラズマチャン
バ(プラズマ処理室ユニット) 78…レーザアニール室 79,99…熱処理室 80,84…チャンバ 81…レーザ光源 82…ステージ 83…レーザ光 85…ヒータ 86…ゲートバルブ 87…基板搬送ロボット(搬送手段) 88…アーム 93…ロードロック室 105…プローブ AN…インピーダンス測定器(高周波特性測定器) B1,B2,B3,B4…分岐点 PR,PR2,PR3,PR4…測定位置 BP1,BP2,BP4…接続点 PR’,PR2’,PR3’,PR4’…測定位置 SW3,SW5…スイッチ g0,g1,g2,g3,g4…ゲート 210…サーバ 220…入出力装置 230…通信回線 240…出力装置 250…プラズマ処理装置 260…インピーダンス測定器(高周波特性測定器) 270…入力装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月24日(2001.8.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】さらに、上記のようなプラズマ処理装置に
対しては、従来から、半導体および液晶製造に用いられ
る場合において、プラズマ処理速度(成膜時の堆積速度
や、加工速度)が早く生産性が高いこと、そして、被処
理基体面内方向におけるプラズマ処理の均一性(膜厚の
膜面内方向分布、加工処理ばらつきの膜面内方向分布)
に優れていることが、近年、被処理基板(被処理基体)
の大型化に伴って、一段と強まっている。また、被処理
基板の大型化に伴い、投入電力量もkWオーダーが投入
されるまで増大し、電力消費量が増す傾向にある。この
ため、電源の高容量化に伴い、電源の開発コストが増大
するとともに、装置稼働時には電力使用が増すことから
ランニングコストを削減することが望まれている。ま
た、電力消費量が増大することは、環境負荷となる二酸
化炭素の排出量が増大する。これは、被処理基板の大型
化に伴ってさらに放出量が増大するとともに電力消費効
率をさらに下げてしまうため電力消費量が増大するの
で、この二酸化炭素の放出量削減への要求も高くなって
いる。一方、プラズマ励起周波数として、従来一般的で
あった13.56MHzに対して、これを越える30M
Hz以上のVHF帯の周波数を用いるなど、高周波数化
を図ることで、生成するプラズマ密度を向上させること
ができる。その結果として、プラズマCVDなどの堆積
装置においては、成膜時の堆積速度を向上させることが
できる可能性が示されていた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ処理装
置の性能評価方法は、プラズマを励起するための電極を
有するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給
するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し
該入力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に
前記電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部
分が接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周
波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路
と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズ
マ処理装置の性能評価方法であって、前記プラズマ処理
室ユニットの整合回路において、前記入力端子側から測
定した交流抵抗RAの、時刻t0 とその後の時刻t1
おける値RA0 、RA1 の差ΔRAの絶対値を求め、前
記プラズマ処理室ユニットの整合回路において、前記出
力端子側から測定した交流抵抗RBの、時刻t0 とその
後の時刻tr における値RB0 、RB1 の差ΔRBの絶
対値をそれぞれ求め、その値が所定の値より小さい値で
ある場合に、所定の性能を維持していると判断し、その
値が所定の値以上の値である場合に、所定の性能を維持
していないと判断することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記入力端子側交流抵抗RAの測定範
囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子と
される測定位置への接続を切断し、その測定位置から測
定した範囲に設定されてなることが望ましい。また、本
発明において、前記高周波電源と前記入力端子とが高周
波電力給電体を介して接続され、前記入力端子側交流抵
抗RAの測定範囲が、前記出力端子への接続を切断し、
前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部とされる
測定位置への接続を切断し、その測定位置から測定した
範囲に設定されてなる手段を採用することもできる。ま
た、本発明は、前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲
が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子とさ
れる測定位置への接続を切断し、その測定位置から測定
した範囲に設定されてなるができる。本発明は、前記電
極と前記出力端子とが高周波電力配電体を介して接続さ
れ、前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲が、前記入
力端子への接続を切断し、前記高周波電力配電体の前記
電極側端部とされる測定位置への接続を切断し、その測
定位置から測定した範囲に設定されてなることが可能で
ある。また、本発明においては、前記交流抵抗が、前記
委高周波電源の高周波電力の周波数における値に設定さ
れてなることがある。また、本発明においては、前記Δ
RAに対する前記所定の値が前記RA0 の0.5倍より
小さい範囲の値に設定されるとともに、前記ΔRBに対
する前記所定の値が前記RB0 の0.5倍より小さい範
囲の値に設定されてなることが好ましく、より好ましく
は、前記ΔRAに対する前記所定の値が前記RA0
0.4倍より小さい範囲の値に設定されるとともに、前
記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB0 の0.4倍
より小さい範囲の値に設定されてなることができる。本
発明は、前記入出力端子の間で前記接地電位部分に接続
される接続点が複数ある場合には、前記接続点のうち1
の接続点のみが前記接地電位部分に接続するよう他の接
続点を切断した状態で測定することができる。さらに
各々接続する接続点を切り替えて、それぞれ前記交流抵
抗を測定することが可能である。また、本発明において
は、時刻t0 とその後の時刻t1 との間に、前記プラズ
マ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズ
マ処理が行われることか、または、前記プラズマ処理装
置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業
が施されることか、あるいは、分解、搬送、及び再組み
立てが施されることができる。本発明におけるプラズマ
処理装置およびその保守方法においては、上記のプラズ
マ処理装置の評価方法の結果、ΔRA、△RBの絶対値
が所定の値以上の場合に、交流抵抗RA、RBの是正作
業を行うことにより上記課題を解決した。本発明のプラ
ズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起す
るための電極を有するプラズマ処理室と、前記電極に高
周波電力を供給するための高周波電源と、入力端子と出
力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が接続され
前記出力端子に前記電極が接続されこれら入出力端子の
間に接地電位部分が接続されるとともに前記プラズマ処
理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得るた
めの整合回路と、を具備するプラズマ処理室ユニットを
有するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において前記入
力端子側から測定した交流抵抗RAの時刻t0 における
値RA0 と、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路に
おいて前記出力端子側から測定した交流抵抗RBの時刻
0 における値RB0 とを記憶するサーバーと、このサ
ーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置と、を
備え、前記サーバーは、前記RA0 のその後の時刻t1
における値RA1 を前記納入先入出力装置から受信し、
前記RA0 とこのRA1 との差であるΔRAの絶対値を
演算するとともに、前記RB0 のその後の時刻t1 にお
ける値RB1 を前記納入先入出力装置から受信し、前記
RB0 とこのRB1 との差であるΔRBの絶対値を演算
し、これらの値が所定の値より小さい値である場合に
は、所定の性能を維持している旨の信号を、所定の値以
上の値である場合には、所定の性能を維持していない旨
の信号を、各々納入先入出力装置に発信することにより
上記課題を解決した。本発明において、前記サーバー
が、プラズマ処理室ユニットの固有番号毎に前記RA0
およびRB0 を記憶し、納入先入出力装置から納入した
プラズマ処理室の固有番号を受信して、当該固有番号に
対応するRA0 およびRB0 を用いて演算をすることが
望ましい。また、本発明において、前記納入先入出力装
置に、プラズマ処理装置に接続された高周波特性測定器
を接続して、この高周波特性測定器から前記サーバー
に、前記RA1 およびRB1 が直接送信される手段を採
用することもできる。また、本発明は、前記サーバーが
搬送元において出力装置を備え、ΔRAの絶対値および
ΔRBの絶対値がそれぞれ所定の値を超える場合に、前
記出力装置から、保守作業命令を出力することができ
る。本発明のプラズマ処理装置の性能管理システムにお
いては、プラズマを励起するための電極を有するプラズ
マ処理室と、前記電極に高周波電力を供給するための高
周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入力端子に
前記高周波電源が接続され前記出力端子に前記電極が接
続されこれら入出力端子の間に接地電位部分が接続され
るとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
ンピーダンス整合を得るための整合回路と、を具備する
プラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処理装置の性
能管理システムであって、前記プラズマ処理室ユニット
の整合回路において前記入力端子側から測定した交流抵
抗RAの時刻t0 における値RA0 と、前記プラズマ処
理室ユニットの整合回路において前記出力端子側から測
定した交流抵抗RBの時刻t0 における値RB0 と、各
々所定の値の範囲によって決められた故障レベルに対応
して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶する
サーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置
と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力
装置と、を備え、前記サーバーは、前記RA0 のその後
の時刻t1 における値RA1 を前記納入先入出力装置か
ら受信し、前記RA0 とこのRA1 との差であるΔRA
の絶対値を演算するとともに、前記RB0 のその後の時
刻t1 における値RB1 を前記納入先入出力装置から受
信し、前記RB0 とこのRB1 との差であるΔRBの絶
対値を演算し、これらの値が、何れかの故障レベルの所
定の値の範囲である場合には、前記出力装置から、当該
故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサ
ービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力す
ることにより上記課題を解決した。本発明は、前記サー
バーが、前記当該故障レベルを、前記納入先入出力装置
にも発信することが可能である。本発明のプラズマ処理
装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズ
マ処理室と、前記電極に高周波電力を供給するための高
周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入力端子に
前記高周波電源が接続され前記出力端子に前記電極が接
続されこれら入出力端子の間に接地電位部分が接続され
るとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
ンピーダンス整合を得るための整合回路と、を具備する
プラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処理装置であ
って、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路におい
て、前記入力端子側から測定した交流抵抗RAの、時刻
0 とその後の時刻t1 における値RA0 、RA1 の差
ΔRAの絶対値が所定の値より小さい値に維持されると
ともに、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路におい
て、前記出力端子側から測定した交流抵抗RBの、時刻
0 とその後の時刻t1 における値RB0 、RB1 の差
ΔRBの絶対値が所定の値より小さい値に維持されるこ
とにより上記課題を解決した。本発明において、購入発
注者が販売保守者から購入した上記記載のプラズマ処理
装置の時刻t0 とその後の時刻t1 において計測可能な
動作性能状況を示す性能状況情報の閲覧を公衆回線を介
して要求する購入発注者側情報端末と、販売保守者が前
記性能状況情報をアップロードする販売保守者側情報端
末と、前記購入発注者側情報端末の要求に応答して、販
売保守者側情報端末からアップロードされた性能状況情
報を購入発注者側情報端末に提供する性能状況情報提供
手段と、を具備する手段を採用することもできる。ま
た、本発明は、ができる。本発明は、性能状況情報が、
前記交流抵抗RA,RBを含むことが可能であり、ま
た、性能状況情報が、カタログまたは仕様書として出力
されることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】評価基準2を用いる性能管理システムの場
合、サーバーは出力装置を備えている。この出力装置の
設置場所に特に限定はないが、搬送元、メーカー、サー
ビスセンター等、納入先に対する保守サービスを提供す
る場所におかれていることが望ましい。サーバーと出力
装置とが遠隔地におかれている場合には、両者の間には
任意の通信回線が使用される。そして、このサーバー
は、評価基準2を用いて、搬入先にあるプラズマ処理装
置の性能を評価すると共に、望ましくない評価結果を得
た場合には、出力装置から保守作業命令を、その評価結
果に用いられた値として、時刻t0 および/または時刻
1 における交流抵抗RAの最大値RAmax と最小値R
min とそのばらつき<RA>、および、交流抵抗RBの
最大値RBmax と最小値Bmin とそのばらつき<RB>
を、この値を与えたプラズマ処理室の固有番号と共に出
力するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】このように、複数のプラズマチャンバがあ
る場合、サーバーは評価基準2による評価を行うため
に、納入先入力装置から各プラズマチャンバにおける高
周波特性としての交流抵抗RA,RBの納入後における
交流抵抗RA1 ,RB1 を受信する。ここで、納入後と
は、再組み立て直後だけでなく、その後の使用期間中を
含むものである。すなわち、サーバーは、納入先のプラ
ズマ処理装置やプラズマ処理システムの性能を反映する
交流抵抗RA1 ,RB1 適宜継続して受信できるもの
である。また、上記サーバーは、納入先入力装置から、
高周波特性としての交流抵抗RA,RBの納入後におけ
る交流抵抗RA1 ,RB1 とともに、その値を与える個
々のプラズマ処理室あるいはプラズマ処理装置の固有番
号も受信する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】サセプタ電極(対向電極)8の下部中央に
は、シャフト13が接続され、このシャフト13がチャ
ンバ底部10Aを貫通して設けられるとともに、シャフ
ト13の下端部とチャンバ底部10A中心部とがベロー
ズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセ
プタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動
可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の
調整ができる。これらサセプタ電極8とシャフト13
接続されているため、サセプタ電極8,シャフト1
3,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁1
0は直流的に同電位となっている。さらに、チャンバ壁
10とシャーシ21は接続されているため、チャンバ壁
10,シャーシ21,マッチングボックス2はいずれも
直流的に同電位となっている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】整合回路2Aの交流抵抗としては、この整
合回路2Aの入力端子側から、入力端子側交流抵抗RA
を測定するとともに、整合回路2Aの出力端子側から、
出力端子側交流抵抗RBを測定する。このとき、測定周
波数を高周波電源1の電力周波数を含むように1MHz
〜100MHz程度の範囲から選択する。より好ましく
は、例えば13.56MHz,27.12MHz,4
0.68MHz等の値に設定される電力周波数fe に対
応した周波数に設定した状態により測定する。この交流
抵抗RA,RBは、整合回路2Aの構造をその多くの要
因としてきまる電気的高周波的な特性であり、具体的に
は図4に示すように測定される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】このとき、整合回路2Aの出力端子側交流
抵抗RBの測定時に考慮されている電気的高周波的要因
としては、図5にIRBで示すように、出力端子とされる
測定位置PRから、分岐点B1を経て、接地電位部分ま
で、つまり、以下のものが考えられる。 チューニングコンデンサ24の容量CT インダクタンスコイル23における寄生抵抗RLT インダクタンスコイル23におけるインダクタンスLT ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスR2
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】これらの電気的高周波的要因のち、整合回
路2Aの前記出力端子側交流抵抗RBとしては、図5に
示すように、インダクタンスコイル23における寄生抵
抗R LT、導体R2における寄生抵抗RR2、を測定するこ
とになる。ここで、寄生抵抗RLT は、出力端子側交流抵
抗RBの測定時において、分岐点B1からロードコンデ
ンサ22までの抵抗値等、上記のIRBの回路における図
示しない寄生抵抗をも含んでいるものとする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】このとき、整合回路2Aの入力端子側交流
抵抗RAの測定時に考慮されている電気的高周波的要因
としては、図13にIRAで示すように、入力端子とされ
る測定位置PR3から、分岐点B1を経て、接地電位部
分であるマッチングボックス2への接続点BP1まで、
つまり、以下のものが考えられる。 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 同軸ケーブルK1における寄生抵抗RK1 同軸ケーブルK1におけるインダクタンスLK1 導体R3における寄生抵抗RR3 導体R3におけるインダクタンスLR3 ロードコンデンサ22の容量CL 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスR2
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正内容】
【0140】本実施形態の整合回路2Aの出力端子位置
PR近傍には、図15〜図17に示すように、出力端子
側交流抵抗RBを測定するための測定用端子61’と、
この測定用端子61’と高周波特性測定器ANとを接続
する同軸ケーブルとされる接続線61Bと、高周波特
測定時および、プラズマ発生時に、整合回路2Aに対す
る接続を給電板3側と高周波特性測定器(インピーダン
ス測定器)ANとの間で切り替えるスイッチSW1およ
びSW1’とが接続される。スイッチSW1には整合回
路2Aの出力端子位置PRと測定用端子61’および給
電板3側への出力線とが接続され、スイッチSW1’は
マッチングボックス2と接続線61Bのシールド線を介
した高周波特性測定器行きのアース電位部分に接続され
ている。また、スイッチSW1,SW1’、接続線61
Bは、プラズマ発生時と高周波特性測定時とのいずれの
場合にも、マッチングボックス2が接地電位になるよう
構成されている。ここで、各プラズマチャンバ75,7
6,77,95,96,97から高周波特性測定器AN
までのインピーダンスとが等しくなるようにそれぞ接続
線61Bの長さが等しくれ設定されている。これによ
り、整合回路2Aと高周波特性測定器ANとの接続を着
脱することなく、スイッチSW1,SW1’の切り替え
のみにより、インピーダンスなどの測定による高周波特
性、特に出力端子側交流抵抗RBの測定を容易におこな
うことが可能となる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0161
【補正方法】変更
【補正内容】
【0161】本実施形態において、整合回路2Aの入力
端子側交流抵抗RA(BP1)の測定時に考慮されてい
る電気的高周波的要因としては、図19にIRAで示すよ
うに、高周波電源1側の測定位置PR2から、分岐点B
1を経て、接地電位部分であるマッチングボックス2へ
の接続点BP1まで、つまり、以下のものが考えられ
る。 給電線1Aにおける寄生抵抗R1A 給電線1AにおけるインダクタンスL1A 給電線1Aにおける容量C1A 導体R1における寄生抵抗RR1 導体R1におけるインダクタンスLR1 導体R5における寄生抵抗RR5 導体R5におけるインダクタンスLR5 ロードコンデンサ22Bの容量CLB 導体R2における寄生抵抗RR2 導体R2におけるインダクタンスR2 ここで、給電線1Aにおける容量C1Aとは、シールド線
との間に発生する容量を意味するものである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0288
【補正方法】変更
【補正内容】
【0288】ここで、整合回路1として、図3に示す第
1実施形態の整合回路2Aと同様の構造を有し、表面に
銀メッキを施した銅パイプからなるチューニングコイル
23のインダクタンス372nH、寄生抵抗成分となる
電力周波数fe における出力端子側交流抵抗RBの値が
5.52Ω、入力端子側交流抵抗RAの値が0.54Ω
のものを用意した。整合回路2として、上記整合回路1
と同等のチューニングコイル23を2本並列に接続しト
ータルのインダクタンスを370nHとなるように設定
し、寄生抵抗成分となる電力周波数fe における出力端
子側交流抵抗RBの値が3.17Ω、入力端子側交流抵
抗RAの値が0.55Ω、のものを用意した。整合回路
3として、上記整合回路1と同等のチューニングコイル
23を4本並列に接続して、トータルのインダクタンス
を370nHとなるように設定し、寄生抵抗成分となる
電力周波数fe における出力端子側交流抵抗RBの値が
1.62Ω、入力端子側交流抵抗RAの値が0.52
Ω、のものを用意した。整合回路4として、上記整合回
路1よりも径の太い銅パイプからなるチューニングコイ
ル23を有し、トータルのインダクタンスを370nH
となるように設定し、寄生抵抗成分となる電力周波数f
e における出力端子側交流抵抗RBの値が4.13Ω、
入力端子側交流抵抗RAの値が0.54Ω、のものを用
意した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/203 H01L 21/203 S 21/205 21/205 21/3065 21/31 C 21/31 21/302 B (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ヶ袋2−1−17− 301 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA62 BC02 BC06 BC10 BD14 CA25 CA47 EC21 4K030 AA06 AA13 AA18 BA40 CA06 FA03 HA16 KA30 KA39 5F004 AA01 BA04 BA20 BB11 BB13 BB32 BD01 BD04 BD05 CA07 CB08 5F045 AB04 AB32 AB33 BB03 EB05 EH01 EH02 EH11 EH12 GB02 5F103 AA08 BB14 RR04

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマを励起するための電極を有す
    るプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給する
    ための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入
    力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に前記
    電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部分が
    接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電
    源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、を
    具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処理
    装置の性能評価方法であって、 前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において、前記
    入力端子側から測定した交流抵抗RAの、時刻t0 とそ
    の後の時刻t1 における値RA0 、RA1 の差ΔRAの
    絶対値を求め、 前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において、前記
    出力端子側から測定した交流抵抗RBの、時刻t0 とそ
    の後の時刻t1 における値RB0 、RB1 の差ΔRBの
    絶対値をそれぞれ求め、 その値が所定の値より小さい値である場合に、所定の性
    能を維持していると判断し、その値が所定の値以上の値
    である場合に、所定の性能を維持していないと判断する
    ことを特徴とするプラズマ処理装置の性能評価方法。
  2. 【請求項2】 前記入力端子側交流抵抗RAの測定範
    囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子と
    される測定位置への接続を切断し、その測定位置から測
    定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  3. 【請求項3】 前記高周波電源と前記入力端子とが高
    周波電力給電体を介して接続され、 前記入力端子側交流抵抗RAの測定範囲が、前記出力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力給電体の前記高周
    波電源側端部とされる測定位置への接続を切断し、その
    測定位置から測定した範囲に設定されてなることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマ処理装置の性能評価方
    法。
  4. 【請求項4】 前記出力端子側交流抵抗RBの測定範
    囲が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子と
    される測定位置への接続を切断し、その測定位置から測
    定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  5. 【請求項5】 前記電極と前記出力端子とが高周波電
    力配電体を介して接続され、 前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲が、前記入力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力配電体の前記電極
    側端部とされる測定位置への接続を切断し、その測定位
    置から測定した範囲に設定されてなることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  6. 【請求項6】 前記交流抵抗が、前記高周波電源の高
    周波電力の周波数における値に設定されてなることを特
    徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置の性能評価方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ΔRAに対する前記所定の値が前
    記RA0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定されると
    ともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB0
    の0.5倍より小さい範囲の値に設定されてなることを
    特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置の性能評価
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ΔRAに対する前記所定の値が前
    記RA0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定されると
    ともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB0
    の0.4倍より小さい範囲の値に設定されてなることを
    特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装の性能評価方
    法置。
  9. 【請求項9】 前記入出力端子の間で前記接地電位部
    分に接続される接続点が複数ある場合には、前記接続点
    のうち1の接続点のみが前記接地電位部分に接続するよ
    う他の接続点を切断した状態とされ、かつ、各々接続す
    る接続点を切り替えて、それぞれ前記交流抵抗を測定す
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置の
    性能評価方法。
  10. 【請求項10】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項1記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  11. 【請求項11】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項1記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  12. 【請求項12】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマ処理装置の性能評価方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項12のいずれか
    に記載された評価方法の結果、ΔRA、△RBの絶対値
    が所定の値以上の場合に、交流抵抗RA、RBの是正作
    業を行うことを特徴とするプラズマ処理装置の保守方
    法。
  14. 【請求項14】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に前
    記電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部分
    が接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波
    電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、
    を具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処
    理装置の性能管理システムであって、 前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において前記入
    力端子側から測定した交流抵抗RAの時刻t0 における
    値RA0 と、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路に
    おいて前記出力端子側から測定した交流抵抗RBの時刻
    0 における値RB0 とを記憶するサーバーと、 このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置
    と、を備え、 前記サーバーは、前記RA0 のその後の時刻t1 におけ
    る値RA1 を前記納入先入出力装置から受信し、前記R
    0 とこのRA1 との差であるΔRAの絶対値を演算す
    るとともに、前記RB0 のその後の時刻t1 における値
    RB1 を前記納入先入出力装置から受信し、前記RB0
    とこのRB1 との差であるΔRBの絶対値を演算し、 これらの値が所定の値より小さい値である場合には、所
    定の性能を維持している旨の信号を、所定の値以上の値
    である場合には、所定の性能を維持していない旨の信号
    を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とする
    プラズマ処理装置の性能管理システム。
  15. 【請求項15】 前記入力端子側交流抵抗RAの測定
    範囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子
    とされる測定位置への接続を切断し、その測定位置から
    測定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項
    14記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  16. 【請求項16】 前記高周波電源と前記入力端子とが
    高周波電力給電体を介して接続され、 前記入力端子側交流抵抗RAの測定範囲が、前記出力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力給電体の前記高周
    波電源側端部とされる測定位置への接続を切断し、その
    測定位置から測定した範囲に設定されてなることを特徴
    とする請求項14記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  17. 【請求項17】 前記出力端子側交流抵抗RBの測定
    範囲が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子
    とされる測定位置への接続を切断し、その測定位置から
    測定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項
    14記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  18. 【請求項18】 前記電極と前記出力端子とが高周波
    電力配電体を介して接続され、 前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲が、前記入力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力配電体の前記電極
    側端部とされる測定位置への接続を切断し、その測定位
    置から測定した範囲に設定されてなることを特徴とする
    請求項14記載のプラズマ処理装置の性能管理システ
    ム。
  19. 【請求項19】 前記交流抵抗が、前記高周波電源の
    高周波電力の周波数における値に設定されてなることを
    特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置の性能管
    理システム。
  20. 【請求項20】 前記ΔRAに対する前記所定の値が
    前記RA0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定される
    とともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB
    0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定されてなること
    を特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置の性能
    管理システム。
  21. 【請求項21】 前記ΔRAに対する前記所定の値が
    前記RA0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定される
    とともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB
    0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定されてなること
    を特徴とする請求項20記載のプラズマ処理装置の性能
    管理システム。
  22. 【請求項22】 前記入出力端子の間で前記接地電位
    部分に接続される接続点が複数ある場合には、前記接続
    点のうち1の接続点のみが前記接地電位部分に接続する
    よう他の接続点を切断した状態とされ、かつ、各々接続
    する接続点を切り替えて、それぞれ前記交流抵抗を測定
    することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装
    置の性能管理システム。
  23. 【請求項23】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項14記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  24. 【請求項24】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項14記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  25. 【請求項25】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項14記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  26. 【請求項26】 前記サーバーが、プラズマ処理室ユ
    ニットの固有番号毎に前記RA0 およびRB0 を記憶
    し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固
    有番号を受信して、当該固有番号に対応するRA0 およ
    びRB0 を用いて演算をすることを特徴とする請求項1
    4記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  27. 【請求項27】 前記納入先入出力装置に、プラズマ
    処理装置に接続された高周波特性測定器を接続して、こ
    の高周波特性測定器から前記サーバーに、前記RA1
    よびRB1 が直接送信されることを特徴とする請求項1
    4記載のプラズマ処理装置の性能管理システム
  28. 【請求項28】 前記サーバーが搬送元において出力
    装置を備え、ΔRAの絶対値およびΔRBの絶対値がそ
    れぞれ所定の値を超える場合に、前記出力装置から、保
    守作業命令を出力することを特徴とする請求項14記載
    のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  29. 【請求項29】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に前
    記電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部分
    が接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波
    電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、
    を具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処
    理装置の性能管理システムであって、 前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において前記入
    力端子側から測定した交流抵抗RAの時刻t0 における
    値RA0 と、前記プラズマ処理室ユニットの整合回路に
    おいて前記出力端子側から測定した交流抵抗RBの時刻
    0 における値RB0 と、各々所定の値の範囲によって
    決められた故障レベルに対応して登録されたサービスエ
    ンジニアの情報とを記憶するサーバーと、 このサーバーの搬送元における出力装置と、 このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置
    と、を備え、 前記サーバーは、前記RA0 のその後の時刻t1 におけ
    る値RA1 を前記納入先入出力装置から受信し、前記R
    0 とこのRA1 との差であるΔRAの絶対値を演算す
    るとともに、前記RB0 のその後の時刻t1 における値
    RB1 を前記納入先入出力装置から受信し、前記RB0
    とこのRB1 との差であるΔRBの絶対値を演算し、 これらの値が、何れかの故障レベルの所定の値の範囲で
    ある場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、
    当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニ
    アの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴と
    するプラズマ処理装置の性能管理システム。
  30. 【請求項30】 前記入力端子側交流抵抗RAの測定
    範囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子
    とされる測定位置への接続を切断し、その測定位置から
    測定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項
    29記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  31. 【請求項31】 前記高周波電源と前記入力端子とが
    高周波電力給電体を介して接続され、 前記入力端子側交流抵抗RAの測定範囲が、前記出力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力給電体の前記高周
    波電源側端部とされる測定位置への接続を切断し、その
    測定位置から測定した範囲に設定されてなることを特徴
    とする請求項29記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  32. 【請求項32】 前記出力端子側交流抵抗RBの測定
    範囲が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子
    とされる測定位置への接続を切断し、その測定位置から
    測定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項
    29記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  33. 【請求項33】 前記電極と前記出力端子とが高周波
    電力配電体を介して接続され、 前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲が、前記入力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力配電体の前記電極
    側端部とされる測定位置への接続を切断し、その測定位
    置から測定した範囲に設定されてなることを特徴とする
    請求項29記載のプラズマ処理装置の性能管理システ
    ム。
  34. 【請求項34】 前記交流抵抗が、前記高周波電源の
    高周波電力の周波数における値に設定されてなることを
    特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装置の性能管
    理システム。
  35. 【請求項35】 前記ΔRAに対する前記所定の値が
    前記RA0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定される
    とともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB
    0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定されてなること
    を特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装置の性能
    管理システム。
  36. 【請求項36】 前記ΔRAに対する前記所定の値が
    前記RA0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定される
    とともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB
    0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定されてなること
    を特徴とする請求項35記載のプラズマ処理装置の性能
    管理システム。
  37. 【請求項37】 前記入出力端子の間で前記接地電位
    部分に接続される接続点が複数ある場合には、前記接続
    点のうち1の接続点のみが前記接地電位部分に接続する
    よう他の接続点を切断した状態とされ、かつ、各々接続
    する接続点を切り替えて、それぞれ前記交流抵抗を測定
    することを特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装
    置の性能管理システム。
  38. 【請求項38】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項29記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  39. 【請求項39】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項29記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  40. 【請求項40】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項29記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  41. 【請求項41】 前記サーバーが、プラズマ処理室ユ
    ニットの固有番号毎に前記RA0 およびRB0 を記憶
    し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固
    有番号を受信して、当該固有番号に対応するRA0
    よびRB0 を用いて演算をすることを特徴とする請求項
    29記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  42. 【請求項42】 前記納入先入出力装置に、プラズマ
    処理装置に接続された高周波特性測定器を接続して、こ
    の高周波特性測定器から前記サーバーに、前記RA1
    よびRB1 が直接送信されることを特徴とする請求項2
    9記載のプラズマ処理装置の性能管理システム
  43. 【請求項43】 前記サーバーが、前記当該故障レベ
    ルを、前記納入先入出力装置にも発信することを特徴と
    する請求項29記載のプラズマ処理装置の性能管理シス
    テム。
  44. 【請求項44】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源が接続され前記出力端子に前
    記電極が接続されこれら入出力端子の間に接地電位部分
    が接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波
    電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、
    を具備するプラズマ処理室ユニットを有するプラズマ処
    理装置であって、 前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において、前記
    入力端子側から測定した交流抵抗RAの、時刻t0 とそ
    の後の時刻t1 における値RA0 、RA1 の差ΔRAの
    絶対値が所定の値より小さい値に維持されるとともに、 前記プラズマ処理室ユニットの整合回路において、前記
    出力端子側から測定した交流抵抗RBの、時刻t0 とそ
    の後の時刻t1 における値RB0 、RB1 の差ΔRBの
    絶対値が所定の値より小さい値に維持されることを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  45. 【請求項45】 前記入力端子側交流抵抗RAの測定
    範囲が、前記出力端子への接続を切断し、前記入力端子
    とされる測定位置への接続を切断し、その測定位置から
    測定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項
    44記載のプラズマ処理装置。
  46. 【請求項46】 前記高周波電源と前記入力端子とが
    高周波電力給電体を介して接続され、 前記入力端子側交流抵抗RAの測定範囲が、前記出力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力給電体の前記高周
    波電源側端部とされる測定位置への接続を切断し、その
    測定位置から測定した範囲に設定されてなることを特徴
    とする請求項44記載のプラズマ処理装置。
  47. 【請求項47】 前記出力端子側交流抵抗RBの測定
    範囲が、前記入力端子への接続を切断し、前記出力端子
    とされる測定位置への接続を切断し、その測定位置から
    測定した範囲に設定されてなることを特徴とする請求項
    44記載のプラズマ処理装置。
  48. 【請求項48】 前記電極と前記出力端子とが高周波
    電力配電体を介して接続され、 前記出力端子側交流抵抗RBの測定範囲が、前記入力端
    子への接続を切断し、前記高周波電力配電体の前記電極
    側端部とされる測定位置への接続を切断し、その測定位
    置から測定した範囲に設定されてなることを特徴とする
    請求項44記載のプラズマ処理装置。
  49. 【請求項49】 前記交流抵抗が、前記高周波電源の
    高周波電力の周波数における値に設定されてなることを
    特徴とする請求項441記載のプラズマ処理装置。
  50. 【請求項50】 前記ΔRAに対する前記所定の値が
    前記RA0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定される
    とともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB
    0 の0.5倍より小さい範囲の値に設定されてなること
    を特徴とする請求項44記載のプラズマ処理装置。
  51. 【請求項51】 前記ΔRAに対する前記所定の値が
    前記RA0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定される
    とともに、前記ΔRBに対する前記所定の値が前記RB
    0 の0.4倍より小さい範囲の値に設定されてなること
    を特徴とする請求項50記載のプラズマ処理装置。
  52. 【請求項52】 前記入出力端子の間で前記接地電位
    部分に接続される接続点が複数ある場合には、前記接続
    点のうち1の接続点のみが前記接地電位部分に接続する
    よう他の接続点を切断した状態とされ、かつ、各々接続
    する接続点を切り替えて、それぞれ前記交流抵抗を測定
    することを特徴とする請求項44記載のプラズマ処理装
    置。
  53. 【請求項53】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項44記載のプラズマ処理装置。
  54. 【請求項54】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項44記載のプラズマ処理装置。
  55. 【請求項55】 時刻t0 とその後の時刻t1 との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項44記載のプラズマ処理装置。
  56. 【請求項56】 ΔRA、△RBの絶対値が所定の値
    以上の場合に、交流抵抗RA、RBの是正作業を行うこ
    とを特徴とする請求項44記載のプラズマ処理装置。
  57. 【請求項57】 購入発注者が販売保守者から購入し
    た請求項44記載のプラズマ処理装置の時刻t0 とその
    後の時刻t1 において計測可能な動作性能状況を示す性
    能状況情報の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注
    者側情報端末と、 販売保守者が前記性能状況情報をアップロードする販売
    保守者側情報端末と、 前記購入発注者側情報端末の要求に応答して、販売保守
    者側情報端末からアップロードされた性能状況情報を購
    入発注者側情報端末に提供する性能状況情報提供手段
    と、 を具備することを特徴とするプラズマ処理装置の性能確
    認システム。
  58. 【請求項58】 性能状況情報が、前記交流抵抗R
    A,RBを含むことを特徴とする請求項57記載のプラ
    ズマ処理装置の性能確認システム。
  59. 【請求項59】 性能状況情報が、カタログまたは仕
    様書として出力されることを特徴とする請求項58記載
    のプラズマ処理装置の性能確認システム。
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