JP2002150615A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002150615A
JP2002150615A JP2000343059A JP2000343059A JP2002150615A JP 2002150615 A JP2002150615 A JP 2002150615A JP 2000343059 A JP2000343059 A JP 2000343059A JP 2000343059 A JP2000343059 A JP 2000343059A JP 2002150615 A JP2002150615 A JP 2002150615A
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JP2000343059A
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Kanako Tsuboya
奏子 坪谷
Yuji Kawamura
裕二 河村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感熱転写方式のプリンタにて良好に印刷
できる表面層を有する光記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に、記録層、反射層および保護層
を順次積層してなる光記録媒体において、該保護層上に
直接または他の層を介して、スピンコート法にて形成さ
れた最外層を有する光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、詳しくは感熱転写方式のプリンターでレーベル面へ
の印刷が可能な表面層を有する光記録媒体に関する。本
発明の光記録媒体を用いれば、感熱転写方式のプリンタ
ーを用いた場合でも、高精細でかすれのない文字、画像
の印字が得られ、しかもプリント時や光記録媒体の使用
時に、レーベル面に高い耐スクラッチ性をもち、記録内
容の良好な保存が可能となる。
【0002】
【従来の技術】レーザーによる情報の書き込み及び/又
は読み取りが可能な光記録媒体(光ディスク)は、従来
の記録媒体に比し、記録容量が大きく且つランダムアク
セスが可能であることから、オーディオソフト、コンピ
ューターソフト、ゲームソフト、電子出版などの分野に
おける記録媒体として広く使用されている。
【0003】光記録媒体は、情報の記録及び再生が可能
な追記型と、記録後にデータの消去が可能な書き換え型
の二種類に分けられる。そのなかで、CD方式の光記録媒
体であるCD-R(追記型)、CD-RW(書き換え型)は、近
年、利用者が急激に増加している。これらのCDは、利用
者がそれぞれ利用者固有の種々の情報やデータを書き込
んで使用することが出来、更にCD-RはCD-ROMと互換性を
有する。また最近は、DVD方式の光記録媒体であるDVD-R
(追記型)、DVD-RW(書き換え型)等も普及し始めてい
る。
【0004】上記の様な光記録媒体の利用者にとって
は、媒体にどんな情報が記録されているかを一見して分
かるようにしておくことが好ましい。また、媒体にデー
タを入れて末端ユーザーに媒体を販売するような、少量
多品種の情報媒体を扱う業者の場合には、商品のラベリ
ングという観点から、媒体の再生光入射面とは逆の表面
(レーベル面)に各種筆記用具による筆記性や、各種プ
リンターでの印刷性を有することが求められている。
【0005】また近年、光記録媒体の使用が一般ユーザ
ーに広がるのに伴い、レーベル面のデザインの目的とし
て、記録内容を判別するだけでなく視覚的に訴えて購買
を促進したり、芸術性を高め付加価値をもたせたりする
効果を求め、しかもそれをデータの作成者本人が所望の
パターンで自在にデザインしたいという要望が増加して
いる。
【0006】上記の様な媒体表面へのデザイン形成方法
として、従来、紙やフィルムのラベルを媒体表面に直接
貼り付ける方法が提案されており、各自の好みにデザイ
ンされた絵や文字を媒体表面に自由に表現でき、個人用
の安価なプリンターで手軽に複製できるという利点を有
する反面、以下のような欠点も有している。 (1)媒体表面のラベルの重さの分布により、回転ブレ
を発生し、高速回転時に記録及び再生信号のエラーを発
生しやすい。 (2)ラベルと媒体との位置合わせのずれが生じやす
く、重さのバランスを欠いて(1)のような問題を生じ
る他、失敗して剥がそうとすると、媒体の保護層、記録
層までも破壊して媒体が使用できなくなってしまう。 (3)ラベルが剥がれかかったり、剥がれたりした場
合、ドライブ装置内で引っかかりディスクやドライブを
破壊するおそれがある。 (4)ラベルが吸湿や温度変化により膨張、収縮して、
媒体を変形させ、高速回転時に記録及び再生信号のエラ
ーを生ずる。
【0007】このような欠点を解決するものとして、光
記録媒体の表面(レーベル面)に直接印字が可能な光記
録媒体と、この様な媒体専用のプリンターが発売され、
利用が増加している。これらのプリンターの記録方式の
多くは水性液体インクジェット記録方式であり、光記録
媒体のレーベル面はインクジェットプリンターのインキ
が受容可能な吸水性を有している。このインクジェット
プリンターのインキが受容可能なレーベル面最表層を以
下プリンタブル層と呼ぶ。
【0008】このプリンタブル層を構成する成分として
は、例えば特開平7−169100号公報には親水性ポ
リマー、親水性モノマー、および吸水性/吸油性の有機
/無機フィラーを含有する紫外線硬化樹脂組成物によ
り、印刷可能な保護層(最外層)を形成した光記録媒体
が提案されている。また、上記の系の印刷性の不十分な
点を解決し、光記録媒体のプリンタブル層において鮮明
な画像形成を可能にする方法として、特開2000−5
7635号公報には、プリンタブル層に形成された画像
の滲み防止、鮮明性を高め、層上に形成された画像及び
プリンタブル層そのものの耐水性も高めることができ、
しかも光記録媒体の記録特性を劣化させることがなく、
生産性も良好なプリンタブル層が提案されている。
【0009】これらの構成を表面にもつ光記録媒体を利
用することにより、一般ユーザーにおいても光記録媒体
のレーベル面にタイトル名、番号、絵柄などの画像を形
成することが可能になり、レーベル面へのデザインの自
由度は飛躍的に増大した。しかし、インクジェットプリ
ンターを用いる場合、レーベル面全体へのベタ印刷を良
好に行うことは難しく、しかも大量のインクを必要と
し、印刷、乾燥に時間がかかる。また、印刷された内容
は耐水性に乏しく、水の付着によって容易に内容が判別
できなくなってしまう。
【0010】しかも、レーベル面にインクジェット印刷
性をもたせていることから、レーベル面自体の耐水性に
も問題があり、水分によってプリンタブル層のはがれを
生じたりして光記録媒体の長期保存性に問題があった。
また、吸水性のため水分によってべたつきを生じ、梱包
材への付着を生じて開封時に光記録媒体を破損してしま
ったり、記録内容の再生装置内の部品に付着して、装置
を故障させてしまったりという問題があった。
【0011】このような欠点を補うものとしては感熱転
写方式がある。該方式を用いた光記録媒体のレーベル面
用プリンターが開発されており、Rimage社などからモノ
クロタイプ、カラータイプが発売されている。このプリ
ンターでは、感熱転写インクのワックスが付着可能な表
面であればほぼどこでも印刷できるが、実際は、通常紫
外線硬化性インクのスクリーン印刷法によって形成され
る光記録媒体のレーベル面表層にはワックス受理性に乏
しいものが多い。現在のところ、レーベル印刷のない保
護コートのみのCD、CD-R、また、レーベル印刷がなくダ
ミーポリカーボネート基板がレーベル面にむき出しにな
っているDVD、DVD-Rなどがもっとも表面印刷に適したも
のとされている。
【0012】しかし、これらの表面では、CDやCD-Rの場
合は膜厚10ミクロン以下の薄い紫外線硬化樹脂保護層の
下がすぐに反射膜であるため耐スクラッチ性に乏しいと
いう問題があった。この耐スクラッチ性を改善するた
め、スピンコートを行う場合の振り切り回転数を低くし
て、保護層の膜厚を通常より厚くしたCD-Rも市販されて
いる。しかしこの場合、膜厚は厚くても一体化した層で
あるため、層の一部にキズを生じたり、表面に貼ったシ
ールなどを剥がすような反射膜と反対方向に引っ張る力
が生じた場合には、保護層の膜全体が破壊されたり、剥
がされたりするという問題があり、耐スクラッチ性は不
十分であった。
【0013】また、保護層の膜厚を上げるためには、通
常の光記録媒体を生産する場合とは異なるスピンコート
プログラムを用いるため、膜厚の面内分布を制御するの
が難しくなったり、工程の管理が煩雑になったりすると
いう問題もあった。さらに、DVD、DVD-Rの場合は、ダミ
ーポリカーボネート表面が、アクリル系紫外線硬化樹脂
に対してワックス受理性がやや劣るため、複雑な画像は
再現が難しいという問題があった。
【0014】一方、近年、レーベル印刷用紫外線硬化イ
ンクでも感熱転写インクのワックス受理性を改善したも
のが登場し、CD-R、DVD-Rなどのレーベル面にこれを塗
布したものが感熱印刷用光記録媒体として市販されてい
る。しかしこれらの光記録媒体は、通常はレーベル面を
スクリーン印刷法で形成しているため、使用するスクリ
ーンインクの粘度をある程度高くしなければ製造でき
ず、スクリーンメッシュ跡、スキージ跡、インクの引き
ずり、異物の混入や泡立ちにより表面に欠陥が生じやす
いという問題があり、スピンコート法にて形成された層
と比べると表面の平滑性に劣るため、複雑な画像の再現
では上述した保護層のみのCD、CD-R、また、レーベル印
刷がなくダミーポリカーボネート基板がレーベル面にむ
き出しになっているDVD、DVD-Rよりも劣ってしまうとい
う問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであり、その目的はユーザーが感熱転
写印刷で良好な印刷性が得られ、高精細な画像も感熱転
写方式で再現することが可能になることに加えて従来品
よりも優れた耐スクラッチ性をもち、必要に応じて最外
層に着色、メタリックなどのデザイン的な効果を付与す
ることもできるレーベル層表面をもつ光記録媒体を提供
することにある。
【0016】
【問題を解決するための手段】発明者らは、鋭意検討の
結果、保護層上に直接または他の層を介して、例えばス
ピンコート法にて形成された最外層を形成することによ
り、感熱転写方式でのレーベル面印刷性に優れた光記録
媒体を提供することに成功した。すなわち本発明は、基
板上に、記録層、反射層および保護層を順次積層してな
る光記録媒体において、該保護層上に直接または他の層
を介して、スピンコート法にて形成された最外層を有す
る光記録媒体に存する。また本発明は、基板上に、記録
層、反射層および保護層を順次積層してなる光記録媒体
において、該保護層上に直接または他の層を介して最外
層を有し、最外層表面の算術平均粗さRaが0.1μm
以下である光記録媒体に存する。
【0017】本発明の光記録媒体では、感熱転写プリン
ターで印字が行われる光記録媒体のレーベル最表面に、
例えばスピンコート法で形成された、高い平滑度をもつ
紫外線硬化樹脂の被膜が形成されているため、感熱転写
プリンターを用いて文字や絵の高精細な表現を光記録媒
体の表面上に行うことが可能となる。しかもその光記録
媒体は、従来の保護層のみで最外層を有さないCD−R
等に比べると、耐スクラッチ性を高めてデータ保存の信
頼性を向上することもできる。更に、反射層と直接接し
ていない最外層の被膜の紫外線硬化樹脂には、色材やメ
タリックパウダー等を分散することにより、デザイン性
を持たせることもできる。
【0018】本発明の光記録媒体上に感熱転写プリンタ
ーで印刷された文字や絵は耐水性、耐湿性、耐光性に優
れ、表示内容の長期保存時の信頼性も高い。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光記録媒体において、良好な感熱転写方式の印
刷性を示す最外層を形成するには、スピンコート法を用
いることが好ましい。一般に、スピンコート法はCDなど
のディスクの透明基板の記録層側に、記録層及び反射膜
を酸化や引っ掻きによる破損から保護するための保護層
を形成する場合に用いられている。本発明では、この保
護層上に直接または他の層を介して、表面が平滑な最外
層を形成する。本発明の最外層の材料として、好ましく
は、紫外線(UV)硬化樹脂が用いられる。
【0020】一般にUV硬化樹脂は、ラジカル反応タイ
プの樹脂とイオン反応タイプの樹脂とがあるが、一般に
イオン反応タイプの樹脂は反応速度が遅いため、ラジカ
ル反応タイプの樹脂が好適に使用される。ラジカル反応
タイプのUV硬化樹脂は、通常、少なくとも、樹脂モノ
マー成分および光重合開始剤を使用し、更に、必要に応
じて樹脂オリゴマー成分を使用して調製される。樹脂モ
ノマー成分や樹脂オリゴマー成分を種々選択することに
より、スピンコート層の物性を所望のものに調整するこ
とが出来る。すなわち、成分の種類によりインキ粘度や
硬化後の膜の硬度、機械特性、金属反射膜との密着性、
耐腐食性、吸湿性などを制御することができる。
【0021】樹脂モノマー成分としては、低刺激性、高
架橋密度、低収縮性などの光記録媒体用として要求され
る特性を満たす物として、二官能または三官能モノマー
が多く用いられる。二官能モノマーとしては、例えば、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ
アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル
エーテルジアクリレート等が挙げられる。
【0022】三官能モノマーとしては、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトール
トリアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジ
メチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
紫外線硬化樹脂に用いられる樹脂オリゴマー成分として
は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等
の各種アクリレートが挙げられ、各々特徴のある物性を
示して用途に応じて利用されているが、光記録媒体のス
ピンコート用としては、保護層として用いられる場合に
金属反射膜との密着性が重要となることから、エポキシ
系のオリゴマーが多く用いられている。
【0023】エポキシアクリレートの種類としてはビス
フェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノール
F型、エポキシ化油型、フェノールノボラック型、脂環
型等の種類がある。中でもビスフェノールA型が最も多
く、様々な分子量のものが製造、販売されている。例と
しては昭和高分子(株)社製リポキシSP−1507,
リポキシSP−1509,リポキシSP−1563,リ
ポキシVR−77,リポキシVR−60,リポキシVR
−90,大阪有機化学工業(株)社製ビスコート54
0,UCBケミカル社製Ebecrylシリーズ、日本
化薬(株)社製カヤラッドシリーズ等を挙げることがで
きる。
【0024】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキ
サントン、o−ヘンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビ
スジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシ
アセトフェン、ベンジル、2−クロロチオキサントン、
ジイソプロピルチオザンソン、9,10−アントラキノ
ン、ベンソイン、ベンソインメチルエーテル、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−プロピオフェノン、4−イソプロピ
ル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、
α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトン等の、公知
の各種化合物が挙げられる。
【0025】紫外線硬化樹脂は、上記の他、必要に応
じ、重合停止剤、保存安定剤、分散剤、消泡剤などを含
有していてもよく、また紫外線硬化性を有さないバイン
ダ樹脂を併用してもよい。なお、これらの成分をあらか
じめ混合して、耐腐食性、耐光性、透明性、平滑性、低
収縮性、光記録媒体の生産性に優れた特性を持つように
調整した光記録媒体の保護層用途の組成物が市販されて
おり、一般には光記録媒体の保護層製造用にはこれらの
樹脂組成物を用いる。本発明の最外層においても、スピ
ンコート法で塗布可能、品質の安定した物が継続的に入
手可能、また平滑性、低収縮性であることが好ましいた
め、このような保護層製造用の樹脂組成物を用いて形成
することが望ましい。
【0026】光記録媒体用の保護層製造用の樹脂組成物
としては、大日本インキ化学工業(株)社製ダイキュア
クリアシリーズ、ソニーケミカル(株)社製SKシリー
ズ、大日精化工業(株)社製セイカビームシリーズほ
か、日本化薬(株)社などからも様々なものが市販され
ている。上記の紫外線硬化樹脂組成物から所望の特性を
持つものを選び、スピンコーターでCD、CD−R、C
D−RWやDVD、DVD−R、DVD−RW等のレー
ベル面表面に塗布するとよい。このときスピンコーター
のターンテーブルの速度を調整することにより、膜厚は
数ミクロンから20ミクロン程度まで自由に変えること
ができる。
【0027】塗布後は、紫外線を照射してスピンコート
層を硬化させる。紫外線照射の光源としては、高圧水銀
灯、メタルハライドランプ等が使用される。その照射エ
ネルギー量は、通常150〜2000mJ/cm2、好
ましくは250〜1000mJ/cm2の範囲から選択
される。この際、数秒で塗膜が硬化するため、生産性に
優れている。
【0028】本発明のレーベル面の最外層には、酸化チ
タン等の微粒子を含有させて白色化させてもよい。ま
た、各種顔料または染料を混合して着色したり、金属光
沢またはパール光沢を有する粒子を分散してあってもよ
い。ただしそれらの粒子の粒径は、表面平滑性に影響を
及ぼさないため10ミクロン以下でなければならない。
最外層表面の算術平均粗さ(Ra)は通常、0.1μm
以下、好ましくは0.06μm以下である。
【0029】次に保護層と最外層の間に、中間層を形成
する場合について説明する。中間層の形成にはオフセッ
ト印刷、パッド印刷、スクリーン印刷等を用いることが
出来る。通常、光記録媒体のレーベル面への印刷にはス
クリーン印刷が用いられるため、生産性に優れた大規模
なスクリーン印刷装置が実現されており、このような装
置を用いればデザイン性の優れた中間層を短時間に多量
に形成することが可能であるため望ましい。中間層は、
単色ベタや単色の文字印刷のように1過程で形成しても
よいし、数種類の色を用いて、多回数の過程を経て絵柄
や模様を形成してもよい。しかしそのいずれにおいて
も、最外層の平滑さを保つため、絵柄や文字によって形
成される凹凸は5ミクロン以下であることが望ましい。
【0030】なお、中間層は2層以上形成してもよい。
この中間層の形成には、生産性や反りなどの光記録媒体
としての特性を考えて、紫外線硬化樹脂を用いることが
望ましい。この場合の紫外線硬化樹脂の原料としては、
最外層と同様なものを用いることができるが、スクリー
ン版上でのもちをよくするためや着色の為に添加される
フィラーの分散性が良いこと、下地の保護層との密着性
が良いこと、またスクリーン印刷法に用いる場合にはス
クリーンのメッシュ抜け性、膜厚がスピンコートより厚
くなる場合にも収縮が小さいことなどの要件が加わる。
なお反射膜を腐食から守る必要は小さい。これらのこと
から、モノマーとしては単官能のアクリレートも多く用
いられる。
【0031】単官能モノマーとしては、例えば、2−エ
チルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルア
クリレート、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエ
チルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチル
アクリレート、モルホリンアクリレート等が挙げられ
る。
【0032】オリゴマーとしては最外層材料として前述
したものと同様の化合物が使用できるが、エポキシ系の
オリゴマー、ウレタン系のオリゴマーを用いると、所望
の色が自由に表現でき、硬化収縮も小さいことから望ま
しい。また、この紫外線硬化樹脂はある程度高い粘度で
ないとスクリーン印刷法では印刷が難しいこと、着色や
重ねが自由にできること、白色化し下地を隠蔽したりす
ることなどの必要性により、シリカ、酸化チタン等のフ
ィラーが添加される。
【0033】本発明の光記録媒体は、透明基板上に、少
なくとも、記録層、反射層および光反射層に接する保護
層、そして最外層を積層して成ることが望ましい。反射
層と接する保護層は最外層材料として前述したものと同
様の材料を用いて形成される。なお、保護層は中間層の
形成方法として挙げた手段のいずれかで層形成してもよ
いが、好ましくはスピンコート法で形成する。
【0034】透明基板としては、例えば、ポリカーボネ
ート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アモルファ
スポリオレフィン等の高分子材料の他、ガラス等の無機
材料が使用される。特に、ポリカーボネート系樹脂は、
光の透過性が高く且つ光学的異方性が小さいために好ま
しい。
【0035】透明基板は、通常、その表面には記録位置
を表す案内溝やピット等(グルーブ情報など)が形成さ
れる。グルーブ情報などは、通常、射出成形や注型によ
って基板を作る際に付与されるが、レーザーカッティン
グ法や2P法(Photo−Polymer法)より作
製してもよい。記録層は、レーザー光の照射により記録
可能であれば特に制限されず、無機物質による記録層お
よび有機物質による記録層の何れであってもよい。
【0036】無機物質による記録層には、例えば、光熱
磁気効果により記録を行うTb・Fe・CoやDy・F
e・Co等の希土類遷移金属合金が使用される。また、
相変化するGe・Te、Ge・Sb・Teの様なカルコ
ゲン系合金も使用し得る。有機物質による記録層には、
主として、有機色素が使用される。斯かる有機色素とし
ては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色
素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、
ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、
スタワリリウム色素など)、アントラキノン系色素、ア
ズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドア
ニリン系色素などが挙げられる。特に、含金属アゾ系色
素は、耐久性および耐光性に優れているため好ましい。
【0037】色素含有記録層は、通常、スピンコート、
スプレーコート、ディップコート、ロールコート等の塗
布方法で成膜される。この際、溶剤としては、ジアセト
ンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタ
ノン等のケトンアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトロフルオロプ
ロパノール、オクタフルオロペンタノール等のパーフル
オロアルキルアルコール溶媒、乳酸メチル、イソ酪酸メ
チル等のヒドロキシエチル溶媒が好適に使用される。
【0038】反射層は、通常、金、銀、アルミニウム等
で構成されるが、記録層に有機色素を使用する場合は、
特に銀によって構成するのが好ましい。金属反射層は、
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法に
よって成膜される。なお、金属反射層と記録層の間に層
間の密着力を向上させるため、または、反射率を高める
等の目的で任意の層を設けてもよい。
【0039】上記の記録層の厚さは10〜5000n
m、反射層の厚さは50〜200nm、保護層の厚さは
1〜10μm、最外層の厚さは1〜10μm、中間層の
厚さは5〜80μmであることが望ましい。保護層から
中間層を含め最外層までの厚みは、10〜100μmの
範囲内にあることが望ましい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものでない。 実施例 深さ160nm、幅0.45μmの溝(グルーブ)付の
射出成型ポリカーボネート樹脂基板(直径120mm)
上に含金属アゾ色素の溶液を滴下し、スピンコート法に
より500〜3000rpmの回転数で塗布し、90℃
で30分間乾燥して記録層を形成した。
【0041】次いで、上記の記録層の上に、スパッタリ
ング法により、膜厚80nmの銀膜を成膜して反射層を
形成した。そして、この反射層の全面に紫外線硬化性樹
脂である大日本インキ社製SD−318をスピンコート
した後、紫外線を照射して硬化させ、5μmの保護層を
形成した(サンプル1)。該保護層表面の算術平均粗さ
Raは0.02μmだった。更に、上記の保護層の上に
同じく大日本インキ社製SD−318をスピンコート法
により形成し、紫外線を照射して硬化させ、5μmの透
明最外層を形成した(サンプル2)。サンプル2の保護
層と最外層を合わせた厚みは約10μmとなった。最外
層表面のRaは0.02μmだった。
【0042】次に、サンプル1と同じものの表面に、表
1に示す組成のレーベルインクをスクリーン印刷法によ
って塗布した。紫外線を照射して硬化させ、10μmの
厚みの中間層を形成した上に、スピンコート法で大日本
インキ社製SD−318を全面に塗布し、紫外線を照射
して硬化させ、5μmの透明最外層を形成した。(サン
プル3)。最外層表面はRaは0.04μmだった。
【0043】サンプル3の保護層、中間層、最外層を合
わせた厚みは約20μmとなった。
【0044】
【表1】
【0045】得られたサンプル1〜3のCD−R最外層
表面に、感熱転写方式プリンター(Rimage社製P
erfect Image Printer PFの3
色リボン(フルカラー)タイプ)で、PrintStr
obe450μmで印刷を行った。サンプル1、2、3
とも同等の分解能の、良好な印刷が得られた。これらの
各サンプルに、以下の方法で耐スクラッチ性のテストを
行った。
【0046】各サンプルにデータの記録を行い、15−
17分の位置のBLERをCD評価機(AudioDe
velopment社製CD−CATS)で測定する。
その後、平面試験器(HEIDON Scratchi
ng IntensityTester HEIDON
−18)で、100mm/minのスピードで1枚のデ
ィスクに90度ずつ4方向に半径25mm付近から55
mm付近にかけて線状に引っ掻きを行った。1枚のディ
スクにおける4本の引っ掻きは、すべて同じ荷重で行っ
た。これを10g刻みに荷重を変えながら何枚かのディ
スクについて行い、引っ掻き後再び15−17分の位置
のブロックエラーレート(BLER)を測定した。引っ
掻き前後の各ディスクでのBLERを比較した場合、明
らかな増加が見られる荷重の、一つ前の荷重をそのサン
プルの「耐荷重」と見なした。
【0047】結果は表2のようになり、サンプル1に対
して、サンプル2,サンプル3ではより高い耐スクラッ
チ性能を有していることがわかった。
【0048】
【表2】
【0049】以上より、本発明の光記録媒体のレーベル
面では、感熱転写プリンターで良好な印刷が得られ、し
かも保護コートのみの表面に比べて高い耐スクラッチ性
を有することが確かめられた。
【0050】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、感熱転写
型のレーベルプリンターで印刷可能な光記録媒体であっ
て、レーベル面への優れた画像形成性、画像の保存安定
性を持ち、しかも光記録媒体の耐スクラッチ性に優れて
記録内容の保存の信頼性を高め、感熱転写印刷と相乗効
果をもたらす美しいデザインを媒体表面に形成すること
も可能な光記録媒体を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、記録層、反射層および保護層
    を順次積層してなる光記録媒体において、 該保護層上に直接または他の層を介して、スピンコート
    法にて形成された最外層を有する光記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に、記録層、反射層および保護層
    を順次積層してなる光記録媒体において、 該保護層上に直接または他の層を介して最外層を有し、
    最外層表面の算術平均粗さRaが0.1μm以下である
    光記録媒体。
  3. 【請求項3】 最外層が、紫外線硬化樹脂を用いて形成
    されたことを特徴とする、請求項1または2記載の光記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 保護層と最外層の間に、紫外線硬化樹脂
    を用いて形成された中間層を有する、請求項1ないし3
    のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 中間層が、スピンコート法、スクリーン
    印刷法、オフセット印刷法またはパッド印刷法のいずれ
    かで形成されたものである、請求項4記載の光記録媒
    体。
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