JP2002150563A - 光記録方法および光記録媒体 - Google Patents
光記録方法および光記録媒体Info
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Abstract
り、有機色素系光記録媒体の感度を補い、また高線速記
録を可能にする。 【解決手段】 透明基板上に、有機色素を含んだ記録層
を有する光記録媒体に対し、n−2個(nは2以上の整
数)に(但し、n=2の場合は1個に)パルス分割した
記録用レーザー光を照射することにより、記録データn
T(Tは基準クロック周期)の記録マークを形成する光
記録媒体の記録方法であって、先頭パルスの長さを1.
7T以上2.4T以下とし、2番目以降のパルス(マル
チパルス)の長さを0.7T以上1.0T未満にするこ
とを特徴とする、光記録方法。
Description
録層をもつ光記録媒体に対し、高速記録を可能にし、ま
た記録感度の不足を補い良好な記録再生特性を実現する
光記録方法に関する。
め、記録再生用レーザー光の発振波長の短波長化が進
み、現在主流の波長780nmや830nm程度のレー
ザー光で記録再生可能な光記録媒体から、波長640n
m〜680nmの半導体レーザー光を用いるDVDへ、
更には600nm以下のレーザー光にて記録再生可能な
光記録媒体へと、開発が進められている。
が可能な追記型と、記録・消去が何度でもできる書き換
え可能型とがある。例えば追記型としては、記録層に有
機色素を含む有機色素系光記録媒体が挙げられ、書き換
え可能型としては、光磁気効果を利用した光磁気記録媒
体や、可逆的非晶質状態と結晶状態の変化に伴う反射率
変化を利用した相変化型光記録媒体などが挙げられる。
長640nm近傍のレーザー光にて記録再生を行う追記
型光記録媒体(DVD―R)の3.95GB容量の規格が成
立した。その規格書などに一部示されるとおり、マーク
長変調記録において、光記録用の入射レーザー光をマル
チパルス化することにより、記録マークのエッジのタイ
ミングを制御する方法が確立した。また記録装置に関し
ても、高密度記録に最適なシステムが実用化されてい
る。
997) 27の図は、記録線速度約3.5m/sにおいて、
記録光の先頭パルスの長さを1.3T〜1.5T(Tは
基準クロック周期)、2番目以降のパルス(マルチパル
ス)を0.6T〜0.7Tとした例が記載されている。
様に、記録特性の記録線速度依存性(以下「記録線速度
依存性」と称す)が極めて小さい記録媒体が存在してい
る一方で、有機色素系光記録媒体は記録線速度依存性が
大きく、高速記録が課題となっている。例えばGeSb
Te系の相変化型光記録媒体(以下、単に「相変化媒
体」と称することがある)に対し、1種類の「記録に用
いるパルスストラテジー」(以下、単に「パルスストラ
テジー」と称す)を採用し、記録線速度1.4m/s、
5.6m/s、10m/sにて記録を行う場合、各速度
における最適記録パワーは、それぞれ11mW、12m
W、13mW程度であり記録感度の差は小さい。
録媒体の場合、従来のパルスストラテジー(DVD−R
の3.95GB規格書のベーシックストラテジー)を用
いて、上記各速度にて記録を行うと、最適記録パワー
は、それぞれ3mW、12mW、15mW以上となる。
このように、記録速度に対する記録感度の変化が非常に
大きい。図1に、記録層に含まれる色素が異なる10種
類のDVD−Rについて、同じパルスストラテジー(D
VD−Rの規格3.95GB規格書のベーシックストラ
テジー)を用い、波長635nmの記録光を用いて1倍
速(記録線速度3.5m/s)と2倍速(同7.0m/
s)にて記録を行った場合の最適記録パワーを示す。こ
の図から、有機色素系光記録媒体の記録線速度依存性
は、色素の種類に因らないことがわかる。
てはいるものの、それ程高パワーのレーザーはまだ普及
していないため、実際の記録装置における記録パワー
は、例えば波長600〜700nmのレーザーを用いた
もので、最高約15mW程度のものが多い。さらに40
0nm〜500nm記録用のレーザーに至っては商品化
がなされて間もないため、現状では14mW程度が限界
である。このような現状において、かかる大きな記録線
速度依存性があることは、有機色素系光記録媒体にとっ
て大きな課題である。ただ、CD−Rの記録/再生に使
用されている波長780nmの半導体レーザーの例にみ
るように、半導体レーザーの出力向上は極く短期間に実
現される可能性もある。しかし近い将来、例えば発振波
長600〜700nmで出力20mW以上であるような
高出力の半導体レーザーが実用化されたとしても、記録
パワーの向上だけでは21.0m/s(DVD系光記録
媒体における6倍速に相当)や28.0m/s(同8倍
速に相当)といった、更なる高速での記録には、適応し
きれなくなることが予想される。
つある。まずパルスストラテジーを工夫する、すなわち
記録の際に使用する記録用レーザー光の出射のパルス、
パルス列の設定を工夫するいう方法が挙げられる。この
方法に関しては電子材料(1996年)6月号50頁、
DVD−Rの3.95GB規格書(ver.1.0)、
特開平11−195242号公報等に記載があり、これ
らの文献においては(n−2)個のパルス分割を基本と
して先頭パルスが1.2T〜1.5T、マルチパルスが
0.6T〜0.7Tであるパルスストラテジーと、記録
線速度3.5m/s(1倍速記録)を採用している。こ
のパルスパターンを用いた記録方式は、有機色素系光記
録媒体のもう一つの課題、すなわち色素層(記録層)の
熱伝導度が小さいために生じる長マークと短マークの記
録感度差を低減するためには極めて有効であるが、記録
線速度依存性を補うには十分とは言えない。
法は、有機色素系光記録媒体の構成、例えば色素や反射
層材料の選択である。有機色素系光記録媒体の場合、記
録層に含まれる色素自体の熱伝導度が小さいため、相変
化媒体などの無機系の記録層と比べて記録用レーザー光
によるスキャン方向の余熱効果が小さい。また一般に、
高熱伝導度の金属反射層が積層されているために、記録
層から反射層の方向への放熱による冷却が大きい。この
2つの理由により、構造上、記録線速度依存性が相変化
媒体などに較べて大きい。
ば、 1)金(現在、実際に光記録媒体に使用されている金属
反射層の中では、最も熱伝導度が小さい)より熱伝導度
が小さい金属を反射層として採用し、さらにその反射層
の膜厚を60nm(実際に金属層が反射層として働く限
界の薄さと考えられている)よりも薄くすること、 2)記録層に含まれる色素を、記録波長での吸光度がよ
り大きい有機色素に変更する、すなわち、記録再生波長
での膜の消衰係数がより大きい記録層に変更すること、
あるいは、 3)金属反射層と記録層の間に、窒化物などの低熱伝導
性の中間層を設けること、などが考えられる。しかしい
ずれにせよ、光記録媒体の反射率が従来の有機色素系光
記録媒体(CD−R、DVD−R)よりは、かなり低く
なる方向への変更である。現在の有機色素系光記録媒体
における大きな利点の一つであるROM媒体との互換
性、すなわちCD−RのCDとの互換性、DVD−Rの
DVDとの互換性を重視するなら、上記方法による記録
線速度依存性の改善は好ましくない。なお、商品の多様
化が進み、ROM媒体との互換性をそれほど重要視しな
い、低反射率タイプの有機色素系光記録媒体の需要が発
生した場合には、前述1)〜3)のような手段による記
録線速度依存性の改善は、特に問題にならないと考えら
れる。
色素系光記録媒体における高速記録時の記録感度の不
足、および、比較的記録感度の悪い有機色素系光記録媒
体の感度不足を補うために有効な、記録の際のレーザー
印加時間の条件を検討した。同時に、高速記録での大幅
な変調度の増加によるウォブルのC/Nの劣化(ノイズ
の上昇)、および記録後におけるLPP(ランドプレピ
ット)等のアドレス用信号の品質劣化などの、悪影響の
抑制についても検討した。結果、記録用に照射するパル
ス分割されたレーザー光において、パルストレインの先
頭パルスの時間を従来よりも長くし、それにともない、
記録マークの長さ方向の熱的バランスをとるために、マ
ルチパルスも長くすることが必要である、と考えた。
素を含んだ記録層を有する光記録媒体に対し、n−2個
(nは2以上の整数)に(但し、n=2の場合は1個
に)パルス分割した記録用レーザー光を照射することに
より、記録データnT(Tは基準クロック周期)の記録
マークを形成する光記録媒体の記録方法であって、先頭
パルスの長さを1.7T以上2.4T以下とし、2番目
以降のパルス(マルチパルス)の長さを0.7T以上
1.0T未満にすることを特徴とする、光記録方法に存
する。また該記録方法にて記録可能な光記録媒体、およ
び該記録方法にて記録された光記録媒体に存する。
−Rへの記録について、従来、唱されていたパルススト
ラテジーに於けるよりも、分割された個々のパルス長を
長くすることにより、有機色素系光記録媒体に対する、
より高線速での記録が可能になった点にある。本発明
は、特に記録線速度が9.0m/s以上の場合に特に有
効である。また、最短マーク長が0.30λ/NA(μm)
〜0.45λ/NA(μm)(NA(開口率)=0.6〜
0.8、λ(記録再生波長)=0.40〜0.70μ
m)で定義されるEFM+変調(8−16変調)のラン
ダムなマーク長変調記録を行う場合に、特に有効であ
る。
のマークを形成する際に有効であるが、nが3以上の整
数である場合に、本発明の効果がより顕著に現れる。以
下、DVD−Rへの記録を例に、本発明を詳細に説明す
る。本発明において、例えば最短マーク長が0.30λ
/NA(μm)〜0.45λ/NA(μm)(NA=0.6〜
0.8、λ=0.40〜0.70μm)で定義されるE
FM+変調(8−16変調)のランダムなマーク長変調
記録を行う場合には、長さnT(nは2〜14の整数)
のマークを記録する際のレーザーパワーの印加時間を、
α(n,1)、α(n,2)、α(n,3)…α(n,
n−2)で示されるn−2個(但し、n=2の場合は1
個)のパルストレインに分割し、各パルストレインの先
頭パルスα(n,1)の時間の長さを基準クロック周期
Tに対して1.7T以上2.4T以下にし、α(n,
2)〜(n,n−2)の時間の長さを0.7T以上1.
0T未満にする。なお本明細書において、α(n,k)
とは、αが時間を表す関数を表し、nはパルス長nTの
nに対応し、kはパルストレインの何番目に相当するか
を表す。
−Rの規格書においてnTtopと示されているものに相
当し、α(n,2)〜α(n,n−2)はnTmultiと
示されているものに相当する。マルチパルス化した照射
パルストレイン中の、各オフパルス部およびマルチパル
ス部の名称を図3および図4に示す。波長400〜70
0nm程度のレーザー光を記録再生波長として用いる場
合、その検出限界から(キャリアーレベルが50dB以
上が好ましい)、最短マーク長は0.30λ/NA(μ
m)〜0.45λ/NA(μm)(但し、NA=0.6〜
0.8、λ=0.40〜0.70μm)の範囲である
が、DVD−ROMとの互換性を得るためには、通常、
最短マーク長は0.40μmとする。その場合、記録速
度を3.5m/s(1倍速)、その時の1T(基準クロ
ック周期)を38.2nsとすることにより、最短マー
ク長(3T)が約0.40μmとなり、DVD−R1枚
あたりの記録容量が4.7GBとなることが知られてい
る。
憶容量を保ったまま記録速度を上げるには、1Tは2倍
速、3倍速、4倍速記録ではそれぞれ19.1ns、1
2.7ns、9.6nsとなる。本発明では基本的に、
4.7GBのDVD−Rに対する記録線速度1倍速〜4
倍速での記録の例をあげて説明している。ちなみに最短
マーク長を0.35μmとする場合には、クロック周波
数を変えずに光記録方法の回転数(線速度)を下げる
か、あるいは、回転数を変えずにクロックの周波数をあ
げて1Tの長さを短くすればよい。
のパルスストラテジーとパルス分割数は同じである。し
かしこの分割数は著しく熱干渉を低減できることから、
じつは低線速記録時に使用するよりも、高線速記録の際
にはるかに有効であることがわかった。また図2に示す
ように、EFM+変調記録で代表されるランダム信号を
記録する場合には、α(n,1)を長くするほど、記録
に必要なレーザーパワーを低減することができる。例え
ばα(n,1)を、DVD−R用パルスストラテジーと
して従来から知られている1.2T〜1.5Tよりも長
くすることにより、高線速記録での感度補正のために
も、また、吸収係数(k)が小さくて低線速であっても
記録が不可能であるような記録感度の悪い光記録媒体の
感度補足のためにも、極めて有効である。
頭パルスのα(n,1)は1.7T以上2.4T以下で
ある。4倍速(14.0m/s)以上での記録も考慮す
ると、α(n,1)として好ましくは1.8T以上2.
4以下、更に好ましくは1.9T以上2.4T以下であ
る。α(n,1)が1.7Tより短い場合には、本発明
の目的である高線速での記録に十分な記録感度が得られ
ず、一般的な記録用レーザーの出射パワーである15m
W以下では、3倍速(9.0m/s)以上の記録が不可
能となる。また2.4Tよりも長い場合、マルチパルス
の長さをほぼ1.0Tとしても、これに比して先頭パル
スとして与えられるパワーが大きすぎる。このため、記
録マークの始端部と終端部との熱バランスがとれなくな
り、長マークの再生波形に図アのような歪みが生じ、ジ
ッターが悪化する。波形歪みは長マークの場合ほど顕著
である。
スコープでの再生波形における、波形歪みの善し悪しを
説明した図である。図アは、記録部(マーク)の始端に
あたる再生波形に大きな歪みがあるため好ましくない例
であり、図イは熱的にバランスが取れている好ましい再
生波形の例であり、図ウは記録部の後端に相当する再生
波形に若干の歪みが生じているが、この程度なら問題な
いという例であり、図エは記録部の後端にあたる再生波
形に大きな歪みがあるため好ましくない例である。
て長すぎる場合、あるいはマルチパルスが短すぎる場合
に生じ、図エはマルチパルスが長すぎるか先頭パルスが
短すぎる場合、あるいは溝幅が広すぎる案内溝をもつ基
板上に、発熱量の大きい色素を含む記録層を設けた場合
に生じやすい再生波形である。先頭パルスα(n,1)
を1.7T以上2.4T以下とする場合、従来のように
マルチパルスα(n,2)〜α(n,n−2)を0.6
T〜0.7Tとすると、6T以上の長マークの再生波形
が図アに示すごとく歪みの大きなものとなる。このた
め、各nTの記録マークのエッジ(始端部と終端部)の
タイミングが合わなくなるためジッターが高くなる。
0.7T以上1.0T未満、記録用レーザーの発光の立
ち上がり・立ち下がりの不安定さの影響を除くために、
より好ましくは0.8T以上0.9T以下にすると、図
イまたは図ウに示す形状の再生波形が得られ、各nTの
記録マークのエッジのタイミングが合った、ジッターの
良い記録ができる。ちなみに、本発明の記録方法を実施
する記録装置において、記録用レーザー光の光源である
半導体レーザーの、発光の立ち上がりおよび立ち下がり
に要する時間は5ns以下が好ましく、3ns以下であ
ればより好ましい。記録パワーに対する充分なジッター
マージンを確保し、かつ、より良好なジッター値を得る
ためには、α(3,1)とα(4,1)とα(5,1)
〜α(14,1)とをそれぞれ異なる値に設定したり、
またα(3,1)とα(4,1)とα(5,1)とα
(6,1)〜α(14,1)とをそれぞれ異なる値に設
定することが、さらに好ましい。
は、記録層中の色素の諸特性にもある程度依存する。例
えば、記録用レーザー光照射による色素分解時に発熱量
が小さいか吸熱性である色素、あるいは記録波長におけ
る吸光度ならびに消衰係数が小さい色素を用いた場合、
記録された信号の再生波形歪みが図イに近くなる傾向が
あり好ましい。図3に、本発明のパルスパターンと従来
のパルスパターンの比較を示す。本発明のパルスストラ
テジーにおいて、3Tスペース後の3T〜14Tマーク
の記録時のみ、先頭パルスを1ns程度短くする「マー
ク間補償」を行っても良い。
テジー設計上の容易性を考慮すると、オフパルス区間、
例えば図4に示す6Tマークの記録用パルスにおけるγ
(n,2)〜γ(n,n−2)は、各々独立に0Tを超
えて0.3T以下であることが好ましい。オフパルス区
間γ(n,2)〜γ(n,n−2)、特にγ(n、n−
2)を上記範囲よりも大きくすることは、特に長マーク
の記録時の、終端部の蓄熱を緩和することが可能となる
点は有効ではあるが、パルス出射回路を複雑にする傾向
がある。
ジーを変えることは、ジッターのマージンを確保するた
めには好ましい。例えば、記録線速度3.0〜4.0m
/s(DVD−R規格における、ほぼ1倍速に相当)で
は先頭パルスの長さを1.0T以上1.6T以下、マル
チパルスの長さを0.6T以上0.7T以下、記録線速
度6.0〜8.0m/s(DVD−R規格における、ほ
ぼ2倍速に相当)で先頭パルスの長さを1.3T以上
1.7T以下、マルチパルスの長さを0.6T以上0.
7T以下、記録線速度9.0〜28.0m/s(DVD
−R規格における、ほぼ3倍〜8倍速に相当)で先頭パ
ルスの長さが1.7T以上2.4T以下(より好ましく
は1.9T以上2.4T以下)、マルチパルスの長さが
0.7T以上1.0T未満(より好ましくは0.8T以
上0.9以下)、などと変化させることが挙げられる。
この例では、記録線速度9.0m/s以上の場合に本発
明のパルスストラテジーを採用している。
スストラテジーを変えることにより、有機色素系光記録
媒体の記録線速度依存性を、より完全に補うことが可能
であるため好ましい。特にこれは、最短マーク長が0.
30λ/NA(μm)〜0.45λ/NA(μm)(NA=0.
6〜0.68、λ=0.60〜0.70μm)で定義さ
れるEFM+変調(8−16変調)のランダムなマーク
長変調記録を行う場合に有効である。
トラテジーを変えることは、等角速度(CAV)記録の場
合にも有効である。また、例えばDVD−Rに対して1
倍速と2倍速で記録する場合には互いにほぼ近いパルス
ストラテジーでも記録可能な場合が多いので、その場合
には、両記録線速度において、本発明のパルスストラテ
ジーの範囲内で記録を行えばよい。記録線速度が3倍
速、4倍速と高速になるにつれ、1倍速や2倍速での記
録とは記録マーク形成の様相が大きく異なってくる。そ
の上、現行のDVD−Rの多くは反射率が40%以上で
あり、他の光記録媒体と比較して高反射率であるため、
種々の光記録媒体の中でも記録感度が比較的悪い。故、
記録線速度に応じて上記のように広い範囲でパルススト
ラテジーを変化させることにより、1枚の媒体につき、
1倍速から4倍速まで良好な記録特性を得ることが可能
となる。
ストラテジーにおいては、1倍速や2倍速での記録に用
いるパルスストラテジーに対し、少なくとも先頭パルス
はより長いことが好ましく、具体的には1.7以上に設
定することが好ましい。何故ならば、有機色素系光記録
媒体の場合、GeSbTeに代表される相変化媒体と異なり、
記録線速度が増すと共により大きな記録パワーが必要と
なるが、大きな記録パワーを使用することにより、記録
変調度が極端に増大しやすいという性質がある。しか
し、変調度の極端な増加は回転同期用のウォブルの信号
品質(C/N)を低下させ、アドレス用のLPPなどの
信号品質を悪化させる。それ故、3倍速以上の高線速記
録では、本発明のように、先頭パルスをより長くするこ
とにより記録に必要なレーザーパワーを低下させること
が可能となる。したがって、極端な変調度の増加を阻止
することが可能となりやすい。
「最適記録パワー」とは、記録に用いたピックアップで
EFM+変調のランダム信号を記録し再生したときに、
β(最長マークの再生信号波形における振幅の平均出力
と、最短マークの同平均出力との差の、ランダム信号記
録部の再生信号波形における最大出力電圧に対する割
合)の値が±2%の範囲にある時の変調度(I14/I
14H)および記録パワーを示す。また、反射率は上記最
適記録パワーで記録したトラックを、DVD−ROM規
格に準拠した再生機で再生したときの、波長647nm
における反射率を示す。
現れるためには、記録線速度X倍速記録における記録と
(X+1)倍速記録における記録とで、記録変調度の差
が10%以下(特に10%未満)である光記録媒体を用
いることが好ましい。10%を超える場合には、たとえ
記録線速度1倍速や2倍速での記録においてDVD−R
の規格ver.1.0でのAR(LPPの信号品質の目安。好ま
しくは15%以上)が20%以上であっても、3倍速で
10%、4倍速で10%未満と極端に低下して、記録時
のトラッキングや追記が不可能となることがある。ま
た、ウォブルが記録マークにより削りとられ、そのC/
Nのノイズが増加し、好ましいC/Nの範囲である30
dB(より好ましくは35dB以上)を満たすことが困
難となることがある。このような特性を持つ光記録媒体
を得るには、記録層に含まれる色素や、基板に設ける案
内溝の形状などを適宜調整すればよい。例えば、DVD
−Rの記録層に使用される一般的な色素と較べて、吸収
極大が比較的短波長にあり、記録波長における吸光度が
色素Aより小さい色素を主成分とするか、DVD−Rの
記録層に使用される一般的な色素Aを主成分とし、色素
Aより吸収極大波長が短波長であり、記録波長における
吸光度が色素Aより小さい色素Bを少量添加した記録層
を採用することが挙げられる。記録波長における吸光度
が比較的大きい色素(上記色素AおよびBでは、色素A
が該当)は、記録用レーザー光を効率よく吸収するた
め、低パワーで記録可能(記録感度がよい)反面、レー
ザー光照射による温度上昇割合が高いため、横方向(半
径方向)に広がった記録マークが形成されやすく、記録
変調度が増大しやすい傾向がある。色素系光記録媒体の
場合、一般に、記録速度が増加するほど記録パワーは高
くなるので、上記理由から記録変調度の増大も助長され
ることになる。よって、記録波長における吸光度が比較
的小さな色素(上記色素AおよびBでは、色素Bが該
当)を添加することにより、記録感度を確保しつつ、変
調度の増大を抑制することが可能となる。また、基板に
設ける案内溝を比較的深くすることにより、記録線速度
の高速化による記録変調度の増大を抑制できる。溝を深
くすることにより、記録マークの横方向への広がりを物
理的に抑制することができ、また未記録部分の反射率が
低くなるため、低線速記録時の記録変調度が計算上増大
し、高線速記録時の記録変調度との差を小さくすること
ができる。具体的には、従来公知の光記録媒体には、深
さ150〜160nm程度の案内溝をもつ媒体が多い
が、深さ160nm以上、好ましくは170〜180n
m程度の案内溝をもつ基板を使用すればよい。これらの
条件を適宜組み合わせることにより、記録線速度X倍速
における記録と、(X+1)倍速における記録とで、記
録変調度の差が10%以下である光記録媒体を得ること
ができる。
Pr。図オおよび図カ参照。)とオフパルス区間γ
(n,2)〜γ(n,n−2)に照射されるレーザーパ
ワー(バイアスパワーPb。図オおよび図カ参照。)と
の比を記録線速度により変えること、具体的には高線速
記録の場合は低線速記録の場合より大きくすることは、
熱干渉を低減して良好なジッターを得るためには有効で
ある。1倍速記録においてはDVD−Rの規格書をはじ
め、レーザーパワーの設定はPr/Pb=1.0が一般的
である。2倍速記録ではPr/Pb=1.0でもかまわな
いが、3倍速以上ではP r/Pb>1.0が好ましく、P
r/Pb>2.0がより好ましい。ただ、記録線速度が高
速になるほど、オフパルス区間γが短くなる。このた
め、記録用レーザー光(出射光)が所定のパワー(Fi
g.6におけるPw)になるまでの立ち上がり時間や、
該パワーからの立ち下がり時間が、オフパルス区間γの
時間と近い値になり、オフパルス区間γ(n,k)にお
けるレーザーパワーが、設定値であるPbまで低下しな
い内に、次のマルチパルス区間α(n,k)が開始して
しまうことがある。(図キ参照) このように、レーザー駆動用の入力信号の波形と、実際
の出射パルスの波形が異なり、出射パルスのバイアスパ
ワーPb *が設定値Pbに満たない場合にも、14.0m
/s(DVD−Rにおける4倍速に相当)以上の線速度
における記録で良好な特性を得るためには、記録パワー
Pwに対して Pb */Pw<0.8 を満たすことが好まし
い。より好ましくはPb*/Pw<0.5、特に好ましく
はPb */Pw≦0.4である。
媒体の構成について説明する。本発明に使用する光記録
媒体は、少なくとも透明基板上に、有機色素を含んだ記
録層を有するものであればよい。一例として、上述した
ように、透明基板上に有機色素を含む記録層、金属反射
層、および保護層を順次積層してなる光記録媒体が挙げ
られ、特に好ましいものとしてDVD−Rが挙げられ
る。
としてはポリカーボネート、ポリメタクリレート、非晶
質ポリオレフィン等の樹脂等、公知のものが用いられ、
トラッキングサーボ用の案内溝を有している。その溝深
さは80〜180nmが好ましく、トラックピッチは
0.4〜0.9μmが好ましい。溝形状はU字溝が好ま
しい。
る記録再生用の光記録媒体の場合、溝深さは100〜2
00nmが好ましく、140〜180nmがより好まし
く、140〜170nmが特に好ましい。また波長40
0nm〜500nmにおける記録再生用光記録媒体とし
ては、溝深さは80〜150nmが好ましい。溝深さが
80nm未満の場合、充分な記録変調度を得ること、及
び十分なプッシュプル信号が得ることが困難になる場合
があり、上限が180nmを超えると、基板製造時の転
写性の維持および十分な反射率が得ることが困難になる
傾向がある。
口率NAに対して0. 7λ/NA未満の場合には、十分
なプッシュプル信号振幅が得られず、トラッキングに問
題が生じる場合がある。また、クロストークも大きくな
るため良好な記録再生特性が得られず、エラーレートが
高くなる可能性がある。従って、記録再生光波長が0.
40〜0.70μm、開口率が0.6〜0.8である本
発明の場合、トラックピッチは0. 4〜0.9μmとな
るのが好ましい。
値幅のこと。溝の深さが半分の位置の溝幅)は、0.2
〜0. 4μmの範囲が好ましい。溝幅0. 2μm未満で
は、記録時に溝内に基板の流動変形がおこりやすいた
め、長マークの波形が歪む傾向があり、ジッターが劣る
畏れがある。溝幅が0. 4μmを超える場合には、記録
再生ビームスポットが溝内におさまるほど十分に溝が広
いので、反射率が低くなり、記録変調度も不十分になる
傾向がある。また、溝幅が広いと、これに対応して溝間
部が狭くなるため、透明基板製造時に、金型の細い溝部
(基板の溝間部に対応)に樹脂がはいりにくく、転写性
が低くなる傾向がある。
(μm)〜0.31λ/NA(μm)である。0.28
λ/NA(μm)未満では、LPPなどのアドレス用信
号部分へのマークの拡大が起こりやすい。また、0.3
1λ/NA(μm)を超えると、マーク内の熱干渉(マ
ーク終端での熱の蓄積)のせいで記録マークの終端付近
の再生波形の歪みが大きくなり、6T〜14Tまでの再
生波形の底がビーム走行方向に下がる傾向(図エ)が大
きくなるため、マークのエッジをパルスストラテジーで
調整してジッターを低減させる効果がなくなる虞があ
る。なお、溝幅や溝深さなどの溝形状はSEMやAFM
で測定できる。
光を照射された部分の記録層が、該レーザー光を吸収す
ることにより昇温して有機色素の分解温度に達し、有機
色素が分解・減量して膜厚が減少するとともにその部分
の光学特性が変化した結果、戻り光の位相が変化するこ
と、これに加えて基板の流動変形の影響により、反射率
を変化させることにより記録を行い、該反射率の変化を
検出することにより再生を行うものである。
て各種添加剤等を溶媒に溶かして得られる溶液を、透明
基板上にスピンコートすることにより得られる。この溶
媒としては、有機色素および各種添加剤を高濃度に溶解
し、かつ透明基板を浸食しないものが好ましく、例えば
沸点が100〜150℃であり炭素数が3以上のフッ素
系アルコール、すなわち、1H,1H,3H−テトラフ
ルオロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオ
ロペンタノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブ
タノール等が好ましく用いられる。沸点が100℃未満
の場合には、スピンコート時に溶媒が速く気化するた
め、ディスクの半径40mmより外周側に塗布液が行き
つかず、半径方向の膜厚分布が大きくなる傾向があり、
良好な特性が得られない場合がある。また、沸点が15
0℃を越える場合には、蒸発に時間がかかる上に、膜中
に溶媒が残留しやすく、良好な記録ジッターが得られな
い場合がある。
dlで10nm〜100nm、溝部(グルーブ)の膜厚
dgで60nm〜180nm程度が好ましく、またdlと
dgの関係は(dg―dl)=40nm〜80nmである
ことが好ましい。さらに本発明のように高速記録の場合
には記録マークが横に広がりやすいため、クロストーク
などの低減のためにも、ランド上およびグルーブ上の記
録層の膜厚は従来よりも薄いほうが好ましい。従って、
より好ましくはdlが10nm〜30nm、dgが60n
m〜100nmである。
は、十分な記録変調度が得られない畏れがある。また、
この範囲を越えると膜厚が厚すぎて、記録部がトラック
方向やランド方向に広がりやすく、ジッターやクロスト
ークが大きくなる畏れがある。(dg―dl)が40nm
よりも小さい場合には、溝部の膜厚が薄すぎるために、
十分な記録感度や記録変調度が得られない畏れがある。
また80nmを越える場合には、ラジアルコントラスト
(溝横断信号振幅)が小さくなりすぎる場合がある。
しくは、2. 3〜2. 6であり、消衰係数kは0. 03
〜0. 10が好ましい。特に本発明のように、高速記録
でのマーク内の熱干渉やクロストークの低減が従来より
も強く要求される場合、また、最短マーク長を従来のD
VD−Rの0.40μmよりも短くして高密度化を図る
場合には、kが0.04〜0.08と、従来のDVD―
Rにおける記録層の消衰係数よりも小さめである方が好
ましい。
により行うことができる。鏡面レプリカに、盤面のおよ
そ半分の領域をカバーするように記録層形成用溶液を置
き、スピンコートし、この記録層の一部に反射層をスパ
ッタして、記録層未塗布部分との段差を3次元表面荒さ
計(キャノン製ZYGO:Maxim5800)で測定
して記録層の膜厚を求める。反射層の付いていない記録
層において日本分光社製自動波長スキャンエリプソメー
タ(MEL−30S型)で多入射角測定後、前述の記録
層膜厚を参考に集束状況のよいn、kを求め、それを求
める光学定数n、kとする。
での深さをdabs、溝部の左右に位置する溝間部における
記録層と基板との界面から、溝部における該界面の最底
部までの深さをdsubとしたとき、dabsはdsubに対して好
ましくは50%〜85%、より好ましくは55%〜80
%である。この範囲未満では、溝部の記録層膜厚が厚す
ぎるため反射率が低くなりすぎたり、熱干渉が大きくて
記録マーク同士の間隔が記録マーク長によりまちまちに
なるため、ジッターが悪くなる畏れがある。また上記範
囲を超えると、溝部の記録層膜厚が薄すぎて、プッシュ
プル信号が小さすぎたり十分な記録変調度が得られない
畏れがある。
用レーザー光を効率良く反射する金属膜であり、特に6
00nm〜700nmで反射率が低下しないためには、
記録再生波長±5nmの波長領域における屈折率が0.
1〜1. 5、消衰係数kが3〜8であるものが好まし
い。特に屈折率が0. 1〜0. 2、消衰係数が3〜5で
ある場合は高反射率が得られる。しかし、さらに高線速
記録を目的とする場合には、金属反射層の反射率、熱伝
導度がかかわってくる場合がある。尚、金属反射層は一
般的にスパッタリング法にて形成されるが、該スパッタ
リング工程では、界面酸素量を極力低くしておくことが
好ましい。酸素の存在により、熱分解の挙動が大きく変
化する色素が多数あるからである。
(記録マーク)の金属反射層の穴の発生を防止したり、
記録部の変形の非対称性を抑制するために、反射層の上
に保護層を積層した方が良い。保護層の材料としては紫
外線硬化樹脂が好ましい。また、通常は、1μm以上、
好ましくは3μm以上の膜厚にして、酸素による硬化抑
制等がおこらないようにする。さらにその上にホットメ
ルトや紫外線硬化型の接着剤を、少なくとも片面に10
〜20μmの厚さで設けて、2枚の貼り合わせをしても
よい。
合、貼り合わせの相手面のディスクは、記録再生用の面
と全く同じ構成のディスクでも、基板上に設けたアルミ
ニウム等の金属反射層に保護層を積層したディスクでも
良いが、貼り合わせた後の記録再生面のトラック方向に
対して接線方向のチルト角が0. 3度以下となるよう
に、両方の面の反りを合わせる必要がある。特に、高線
速での記録時には、接線方向のチルト角は0.1度未
満、半径方向のチルト角は0.3度未満が好ましい。
び、基板そのものの偏心には十分注意が必要で、貼り合
わせ後の偏心量が20μm以下になるように十分小さく
する必要がある。上記範囲を越える場合、極めて高精度
の調整がなされるピックアップ(チルトサーボ機構を有
するドライブ)を使用しなければ良好なジッター値が得
られず、その結果、エラーレートが劣ることになる。特
に高線速の記録では、偏心をより小さくすることが求め
られ、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に
好ましい。
より詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの例に限定されるものではない。なお、以下
の実施例および比較例におけるパルスストラテジーと評
価結果は、いずれも表1および表2に記載した。 〔実施例1〕市販の波長635nmでの記録用の4.7
GB DVD−Rについて、波長657nm、NA=0.6
5の半導体レーザー搭載の評価機(パルステック社製
「DDU-1000」)にて、任意パルス発生機(ソニーテ
クトロニクス社製「AWG610」)でレーザー駆動用の
パルスを発生させ、8/16変調のEFM+変調データに
対してα(3,1)=2.1T、α(4,1)〜α(1
4,1)=2.0T、α(4,2)〜α(14,12)
=0.8Tの記録を行った。γ(3,1)=0.9T、
γ(4,1)〜γ(14,1)=1.0T、γ(4,
2)〜γ(14,12)=0.2Tであった。再生も上
記評価機にて行った。
短マーク長が0.40μm(1T=19.2ns)で行
った。記録パワー14mWでジッターが10.0%、変
調度が68%、波長647nmにおける反射率は47%
で、11Tの波形歪みは小さく、図ウに近い形であっ
た。 〔比較例1〕実施例1と同じ光記録媒体に対し、パルス
ストラテジーのみをα(3,1)=1.4T、α(4,
1)〜α(14,1)=1.4T、α(4,2)〜α
(14,12)=0.68Tと変えて記録したところ記
録感度が悪く、15mWでもパワーが不足して記録が行
えなかった。(15mWでは本発明での「最適記録パワ
ー」を判定できるβまで至らなかった。) なお、同じ光記録媒体に対し、上記とほぼ同じパルスス
トラテジー、すなわちα(3,1)=1.3T、α
(4,1)〜α(14,1)=1.6T、α(4,2)
〜α(14,12)=0.65Tとして、1倍速(3.
5m/s)で記録したところ、記録パワー11.6mW
でジッターが7.9%と、良好な記録ができた。
径40.0mm〜40.2mmで実施例1記載の評価機
を用いて記録し、再生はすべて3.5m/sで行った。
記録したデータはn=3〜14までのEFM+変調デー
タであり、最短マーク長が3T、最長マークが14Tで
ある。また、表1に記載の全ての例において、レーザー
パワーの設定はPr/Pb=1.4で、Pr=0.7mW
である。なお、Pr/Pb=1.0、Pr=0.7mWで
も同様の結果を得た。本発明の実施例・比較例にて使用
した半導体レーザーの場合、記録用レーザー光(出射
光)が所定のパワー(記録パワー)になるまでの立ち上
がり時間や、該パワーからの立ち下がり時間は、各々約
3nsであった。このため、記録線速度が高い場合、例
えば4倍速の場合には、オフパルス区間で、実際の出射
パルスにおけるバイアスパワーPb *が、入力信号におけ
るバイアスパワーPbまで低下せず、より大きくなる場
合があった。(図キ参照) 本発明の実施例・比較例におけるPr/Pbの値は、入力
信号における値であり、実施例1〜12、14、比較例
1〜6にて用いた半導体レーザーの場合、Pr/Pb=
1.4と設定し、4倍速(14.0m/s)記録を行っ
た時のPb */Pw=0.3〜0.4( at γ(4,2)
〜γ(4,12))であった。4倍速以外での記録時に
は、Pb *はPbと同じ値であった。 〔実施例2〜実施例6、比較例2〜比較例3〕ディスク
面内半径23mm〜58mmの範囲において、溝幅が
0.29μm〜0.31μm、溝深さが160nm〜1
70nmの幅でそれぞれ変化しており、トラックピッチ
が0.74μmの案内溝を有するポリカーボネート基板
に、含金属アゾ系色素を含む溶液をスピンコートし、6
50nmに最も近い吸収極大波長が609nmである記
録層を形成した。
さは100nm〜110nmとなるようスピンコートし
た。従って、dabs/dsub=59%〜69%、dl=15
nm〜25nm、dg=65nm〜95nm、dg−dl
=50nm〜70nm、記録層の波長660nmにおけ
る(n、k)=(2.35、−0.06)であった。該
記録層の上に銀を85nmスパッタして金属反射層を形
成し、紫外線硬化樹脂(大日本インキ社製「SD―31
8」)を5μm〜6μmスピンコートして保護層とし、
さらに約15μmの厚さの遅延硬化紫外線硬化タイプの
接着剤を介して、ダミー基板(上記基板に銀をスパッタ
し紫外線硬化樹脂をスピンコートしたディスク)の紫外
線硬化樹脂層の面を貼りあわせた。
に、実施例1と同様の機器を使用し、表1に記載した条
件で記録を行った。波長647nmにおける反射率は4
5%であった。 〔実施例7〜実施例9、比較例4、比較例5〕実施例2
と同じ基板に、別の含金属アゾ色素を含有する溶液をス
ピンコートし、650nmに最も近い吸収極大波長が5
98nmである記録層を形成した。d abs、dl、dg、
(dg―dl)、およびdabs/dsubの値は、実施例2と
ほぼ同様であった。記録層の(n、k)は、波長660
nmでそれぞれ(2.40,−0.06)であった。
スク面を貼りあわせ、実施例2と同じ機器を用い、表1
に示す条件で記録を行った。反射率は660nmで53
%であった。実施例7および9と、比較例6を比較する
と、本発明のパルスストラテジーを採用した場合には、
記録線速度が3倍速の場合でも15mW以下で記録可能
であり、ジッターも7.4%および7.2%と良好だ
が、従来のパルスストラテジーを採用した比較例6で
は、ディスクの感度が不十分であり、これをパルススト
ラテジーで補うことが出来ないため、記録パワー15m
W以下では記録ができなかった。
た実施例8は、従来のパルスストラテジーを採用した比
較例5と比較して、より低い記録パワーで記録可能で、
しかもジッターがより低いということが判る。
クに対して、記録線速度を1倍速(3.5m/s)から
3倍速(10.5m/s)まで変化させ、記録を行っ
た。1倍速ではα(3、1)=1.6T、α(4、1)
〜α(14、1)=1.7T、α(2、1)〜α(1
4、12)=0.65Tで、記録パワー8.4mW、変調
度60%、ジッターは7.6%と良好であった。
(4、1)=1.5T、α(5、1)〜α(14、1)
=1.4T、α(2、1)〜α(14、12)=0.68
Tで、記録パワー14.6mW、変調度66%、ジッタ
ーは7.0%であった。3倍速での記録は実施例7とし
て上述した通りであり、記録パワー15.0mWで変調
度69%、ジッターは7.4%であった。1倍速から3
倍速において、X倍速から(X+1)倍速に記録線速を
変えた場合の変調度の増加は、各々10%未満で、ウォ
ブルC/Nは3倍速でも35dBであり、ARも19%
と良好であった。 〔実施例11〕実施例10において、1倍速記録を、α
(3、1)〜α(14、1)=1.2T、α(4、2)
〜α(14、12)=0.62Tで行い、2倍速記録
を、α(3、1)〜α(14、1)=1.3T、α
(4、2)〜α(14、12)=0.68Tで行って
も、実施例10と同様な良好な記録ができた。 〔実施例12〕実施例2において、α(3、1)〜α
(14、1)=1.7T、α(4、2)〜α(14、1
2)=0.67Tとし、記録速度10.5m/s(3倍
速)としたところ、記録パワーは12.4mW、ジッタ
ー9.4%であった。なお、記録時にはマーク間補償を
行った。11Tマークの再生波形の形状は図イのタイプ
であった。 〔実施例13〕実施例3において、評価機(パルステッ
ク社製「DDU−1000」)における半導体レーザー
を波長662nm、NA=0.60であるものに変更
し、α(4、2)〜α(14、12)=0.9Tとし
て、記録速度17.5m/s(5倍速)にて記録した
後、評価を行った。結果、記録パワーは18.6mWで
あったが、半導体レーザーを変更したことにより、この
評価機の記録パワーの上限は24.0mWとなったた
め、十分記録可能であった。また変調度は70%、ジッ
ターは10%であった。
て、Pr=0.7mWとし、1倍速〜2倍速記録におい
て、レーザーパワーの設定をPb=0.7mW(Pr/Pb
=1.0)、3倍速記録でPb=0.5mW(Pr/Pb=
1.4)、4倍速記録でPb=0.2mW(Pr/Pb=
3.5)とした。通常、3倍速記録や4倍速記録のよう
な高記録パワーでのランダム記録における最短マーク長
記録部では、熱干渉により生じるジッターの劣化が見ら
れる傾向があるが、Pr/Pbの値を調整することによ
り、記録パワーを15mWまで上昇させてもジッターの
低減が見られず、ジッターの記録パワーマージンが広が
り良好であった。〔比較例6〕実施例2において、色素
溶液の溶媒、塗布時の温度、湿度、塗布回転条件を変え
て、色素膜厚(特にランド部の膜厚)をやや厚くし、記
録線速度による変調度の増加の大きいディスクを作製し
た。
を用いて記録を行ったところ、1倍速記録の変調度が5
8%の場合には、記録部のウォブルC/Nが−40dB
であったものが、2倍速記録で変調度が70%の場合に
はノイズが8dBも上昇し、―32dBとかなり減少し
た。ARも2倍速では13%と、スペックを満たさなか
った。
有し、400nm〜700nmで記録再生可能な光記録
媒体において、コンピュータ用途にも適応した高線速記
録が可能となり、その溝信号などに対する悪影響を低減
し、また、記録層の記録感度の不足を補う記録が可能と
なる。
系光記録媒体への記録における、記録感度の記録線速度
依存性を示す図である。
図である。
ストラテジーの違いを説明する図である。
(αおよびγ)を説明する図である。
シロスコープでの再生波形における波形歪みの善し悪し
を説明する図である。
する図である。
びPbを説明する図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 透明基板上に、有機色素を含んだ記録層
を有する光記録媒体に対し、n−2個(nは2以上の整
数)に(但し、n=2の場合は1個に)パルス分割した
記録用レーザー光を照射することにより、記録データn
T(Tは基準クロック周期)の記録マークを形成する光
記録媒体の記録方法であって、 先頭パルスの長さを1.7T以上2.4T以下とし、2
番目以降のパルス(マルチパルス)の長さを0.7T以
上1.0T未満にすることを特徴とする、光記録方法。 - 【請求項2】 先頭パルスの長さを1.9T以上2.4
T以下とすることを特徴とする、請求項1記載の光記録
方法。 - 【請求項3】 記録線速度が9.0m/s以上である、
請求項1または2記載の光記録方法。 - 【請求項4】 nが3以上の整数である、請求項1ない
し3のいずれかに記載の光記録方法。 - 【請求項5】 再生光パワーPrのバイアスパワーPbに
対する割合Pr/Pbを、記録線速度が増すにつれて増加
させることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか
に記載の光記録方法。 - 【請求項6】 記録線速度X倍速での記録における記録
変調度と、(X+1)倍速での記録における記録変調度
との差が10%以下である光記録媒体に対して、記録を
行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記
載の光記録方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の光
記録方法にて記録可能な光記録媒体。 - 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の光
記録方法にて記録された光記録媒体。
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- 2001-08-31 JP JP2001263598A patent/JP2002150563A/ja active Pending
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