JP2002149054A - 被把持棒の持ち方矯正補助具 - Google Patents

被把持棒の持ち方矯正補助具

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JP2002149054A JP2000338170A JP2000338170A JP2002149054A JP 2002149054 A JP2002149054 A JP 2002149054A JP 2000338170 A JP2000338170 A JP 2000338170A JP 2000338170 A JP2000338170 A JP 2000338170A JP 2002149054 A JP2002149054 A JP 2002149054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に簡素な構成かつ安価であるとともに、
従来の持ち方矯正被把持棒や持ち方矯正補助具と同様、
容易に持ち方矯正ができる被把持棒の持ち方矯正補助具
を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる持ち方矯正補助具10
は、ゴムバンドと管状スペーサ12との組み合わせてな
り、管状スペーサ12の両端部の開口部からはみ出たゴ
ムバンドにより箸5a・5bをそれぞれ装着可能とする
一対の小円環11a・11aが形成されるようになって
いる。このような矯正補助具10を取り付けた一対の箸
5を把持すれば、容易に持ち方矯正ができるだけでな
く、ゴムバンドも管状スペーサ12も市販品を用いるこ
とができるので、矯正補助具10そのものが非常に安価
なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、箸や筆記具に代表
される被把持棒の持ち方を正しい持ち方に矯正するため
に用いられ、被把持棒に装着することにより、被把持棒
の使用の際に身体に悪影響を及ぼさず、日常的に使用可
能で、かつ、使い易くすることができる被把持棒の持ち
方矯正補助具に関するものであり、特に箸に対して好適
に用いられるとともに、筆記具に対しても応用すること
ができる被把持棒の持ち方矯正補助具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、箸や筆記具などの被把持棒の正
しい持ち方においては、被把持棒を把持する位置、
被把持棒を把持したときにできる手の形と力の入れ具
合、被把持棒の把持角度といった要点を挙げることが
できる。
【0003】ここで、被把持棒の誤った持ち方において
は、該被把持棒を把持する位置の誤り、すなわち上記要
点に問題があることが多い。この要点に問題が生じ
ると把持する位置に問題があるのみならず、要点の
「手の形と力の入れ具合」にも問題が生じる。このた
め、被把持棒を適切に用いることができなくなる上に、
身体にまで悪影響が及ぼされる。さらに、上記要点・
に問題が生じれば、要点の「被把持棒の把持角度」
にも悪影響が及ぼされることは明らかである。
【0004】そこで従来より、上記の問題点を考慮した
持ち方矯正被把持棒および被把持棒の持ち方矯正補助具
が、本発明者によって提案されている(特開平11−0
07236号公報(特願平9−324829号))。
【0005】上記持ち方矯正被把持棒および持ち方矯正
補助具(それぞれ矯正被把持棒、矯正補助具と略する)
は、少なくとも1つの突出部を有しており、該突出部に
おける被把持棒の後端側に親指を当接するための当接面
が設けられている一方、該突出部の上側面と、該突出部
の上側面に連なる被把持棒の上側面とが人差指の当接面
となっている。
【0006】上記構成の矯正被把持棒および矯正補助具
では、被把持棒を把持した際に、親指、人差指、中指の
3指と持ち方矯正被把持棒との位置関係は物理的に規定
されることになる。しかも、被把持棒を動かすための主
体となる人差指の当接状態が従来よりも安定化し、さら
には、親指が当接面に軽く当接するのみで、補助的な役
割を有する親指に必要以上の力がかけられることが回避
される。その結果、容易に被把持棒の持ち方を矯正する
ことができるので、上記従来の矯正被把持棒や矯正補助
具は、簡素な構成で非常に適切に被把持棒を把持するこ
とができる優れたものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、箸や筆記具
などの被把持棒は日常的に利用するものであるため、特
に児童に対する教育の観点から鑑みても、被把持棒の持
ち方を矯正するための矯正被把持棒や矯正補助具は、よ
り安価で手に入り易いことが好ましい。実際、上記従来
の矯正被把持棒や矯正補助具は、構成も簡素であり、原
材料としても一般的なプラスチックを利用することがで
きるため、完成品として販売するには非常に安価で入手
も容易となっている。
【0008】しかしながら、上記従来の矯正被把持棒や
矯正補助具は、簡素な構成とは言っても、プラスチック
の成形加工の上では一般的ではない形状をしているた
め、特別な型を用いなければ成形できない。それゆえ、
型代を鑑みると、上記従来の矯正被把持棒や矯正補助具
であっても、製造コストが比較的高額になる場合が生じ
る。
【0009】また、箸や筆記具の使用は日常的であり、
しかも間違った持ち方を続けていると、単に箸や筆記具
を巧く使用できないだけでなく、指や腕に負荷を与えて
肩凝りなどを招来するといった問題点も発生するので、
持ち方の矯正は非常に重要なものである。しかしながら
通常の環境下では、改めて他人から指摘されない限りに
おいては、箸や筆記具の持ち方を矯正しようと考える使
用者は少ない傾向にある。そこで、たとえば何らかの商
品やサービスの販売促進用として無料で矯正補助具など
を頒布すれば、改めて被把持棒の持ち方の矯正を改めて
使用者に認識させることが可能となる。
【0010】ところが、上記従来の矯正被把持棒や矯正
補助具は、完成品としては安価ではあるが、上記のよう
に無料配付に用いることができる程度には安価ではな
い。また、成形品としての構成は簡素ではあるが、上記
のように型そのものは一般的ではない形状であることか
ら型代が高価となり、結果的に矯正被把持棒や矯正補助
具も型代を上乗せするため高価となってしまう。それゆ
え、無料配付するような用途であれば、より一層簡素な
構成でより安価であることが好ましくなる。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、非常に簡素な構成かつ安価であ
るとともに、従来の持ち方矯正被把持棒や持ち方矯正補
助具と同様、容易に持ち方矯正ができる被把持棒の持ち
方矯正補助具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる被把持棒
の持ち方矯正補助具は、上記の課題を解決するために、
円環部材と、該円環部材を組み合わせることが可能な形
状を有しており、少なくとも一方が被把持棒である一対
の棒状部材の間で一定の間隔を保持する間隔保持部材と
を含み、該間隔保持部材には、上記円環部材を組み合わ
せた状態で、互いに対向する位置から円環部材がはみ出
るようになっており、このはみ出た円環部材により、上
記棒状部材をそれぞれ装着可能とする一対の小円環が形
成されるとともに、上記円環部材および間隔保持部材の
何れか一方のみが弾性を有し伸縮可能となっていること
を特徴としている。
【0013】上記構成によれば、矯正補助具を取り付け
た被把持棒を把持すると、自由に動かせなければならな
い被把持棒を支える3本の指のうち、過剰な力が入り易
い親指が、自然に軽く当接するのみとなるとともに、人
差指および中指が被把持棒を動かす主体となるように十
分に当接する。それゆえ、被把持棒が容易に動かせるよ
うになる。しかも、上記円環部材または間隔保持部材の
弾性によって、人差指・中指の力を変化させても被把持
棒の位置は容易に元に戻り、その把持状態がずれること
がなくなる。その結果、本発明にかかる矯正補助具を用
いれば、容易、確実かつ効率的に箸の正しい持ち方を身
につけることができる。
【0014】しかも、上記構成においては、円環部材と
間隔保持部材とを必須部材として、これらを組み合わせ
るのみで形成できるという非常に簡素な構成を有してい
る。これら各部材は、一般的に市販されている輪ゴムや
チューブ類を用いることが可能であるので、従来の矯正
補助具よりもさらに一層安価とすることができる。その
結果、たとえば本発明にかかる矯正補助具を無料配付に
用いることが可能となる。
【0015】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記円環部材が、弾性を有し伸縮可能となっている
弾性円環部材であることが好ましく、該弾性円環部材
が、一定の幅を有する帯状のゴムバンドであることがよ
り好ましい。
【0016】上記構成によれば、弾性円環部材の弾性に
よるバネ作用によって、被把持棒を動かす人差指・中指
の力を変化させても、該被把持棒の位置は容易に元に戻
る。そのため、上記矯正補助具を用いれば、被把持棒を
使用して各指にかかる力を変化させてもその把持状態が
ずれることがなくなる。その結果、容易、確実かつ効率
的に被把持棒の正しい持ち方を身につけることができ
る。
【0017】しかも、弾性円環部材としてゴムバンドを
用いれば、このような形状のゴムバンドは市販品の輪ゴ
ムに十分含まれることになる。それゆえ、本発明にかか
る矯正補助具を作成するに当たっては、特別な内径を有
するゴムバンドを新たに成形する必要がなく、それゆえ
ゴムバンドの押出成形に用いる型も特別なものでなく一
般的なものを用いることができる。その結果、矯正補助
具をより一層低価格にすることができる。
【0018】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記間隔保持部材が管状部材であり、該管状部材の
中空部に上記円環部材を挿入して組み合せた状態で、両
端部に形成される各開口部からはみ出た円環部材によっ
て上記一対の小円環が形成されることが好ましい。
【0019】上記構成によれば、管状部材であれば、中
空部に弾性円環部材を挿入するだけで、小円環を形成し
た組み合わせ状態を容易に実現することができるととも
に、管状部材としては、一般的に市販されているチュー
ブ類を好適に用いることができるので、従来の矯正補助
具よりもさらに一層安価とすることができる。その結
果、たとえば本発明にかかる矯正補助具を無料配付に用
いることができる程度にまで安価とすることができる。
【0020】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記管状部材が、その外周面の長手方向に沿って中
空部につながるように形成される線状の切り欠き部を有
していてもよい。
【0021】上記構成によれば、上記切り欠き部から弾
性円環部材を容易に中空部に挿入して組み込んだ状態と
することができる。さらに、組み込んだ状態の弾性円環
部材をたとえば約90°回転させるだけで、該弾性円環
部材が切り欠き部に直面していない状態となるので、上
記組み合わせた状態を十分に安定させることができる。
また、弾性円環部材の取り外しの際には、該弾性円環部
材が切り欠き部に直面するように回転させればよいの
で、取り外しも容易とすることができる。
【0022】また、上記被把持棒の持ち方矯正補助具に
おいては、上記間隔保持部材が、上記一対の小円環を形
成するように円環部材を挟み込むことが可能なハサミ状
部材となっていてもよい。
【0023】上記構成によれば、たとえばハサミ状部材
が一対の平板の間に弾性円環部材を挟み込むようになっ
ているとすれば、各平板における挟み込みの力と弾性円
環部材の弾性との拮抗作用によって、ハサミ状部材と弾
性円環部材との組み合わせ状態が安定化し、上記各管状
部材と同様の矯正補助具を得ることができる。しかも、
一対の平板などのような挟み込み部に弾性円環部材を挟
み込むだけで組み合わせ状態を実現できるので、矯正補
助具をより一層容易に組み合わせることができる。
【0024】さらに、上記被把持棒の持ち方矯正補助具
においては、上記間隔保持部材が、上記一対の小円環を
形成するように、円環部材の内側で固定される塊状部材
となっていてもよい。
【0025】上記構成によれば、弾性円環部材の内側に
間隔保持部材となる塊状部材を配置して固定する。それ
ゆえ、弾性円環部材と間隔保持部材とが分離可能とはな
らないものの、これらが完全に固定されるので、矯正補
助具としての安定性をより一層向上させることができ
る。
【0026】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、あるいは、上記間隔保持部材がコイル状部材であ
り、該コイル状部材の中空部に上記円環部材を挿入して
組み合せた状態で、両端部に形成される各開口部からは
み出た円環部材によって上記一対の小円環が形成される
ようになっていてもよい。
【0027】上記構成によれば、コイル状部材とたとえ
ば弾性円環部材とを組み合わせた矯正補助具を用いる
と、小円環に被把持棒を装着した状態で、弾性円環部材
の弾性とコイル状部材の巻き回し部が密着した状態での
形状安定性とによって、被把持棒がコイル状部材と弾性
円環部材とで挟持されて安定化するとともに、被把持棒
の間で一定の間隔を確保することができる。したがっ
て、上記管状部材と同様の矯正補助具を得ることができ
る。
【0028】しかも、たとえば、上記コイル状部材を用
いた矯正補助具を取り付けた箸を把持した場合、上記コ
イル状部材は、弾性円環部材の収縮作用で安定した間隔
保持部材となる一方、各巻き回し部同士が接着されてい
ないため、把持した際の親指の配置に合わせて巻き回し
部をずらすことが可能となる。その結果、コイル状部材
を親指の配置に沿った状態にすることができ、より親指
の位置規定を確実なものとすることもできる。
【0029】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、さらに、上記小円環にはめ込んだ状態で、装着され
る被把持棒の外径に合わせて変化する小円環の内径を一
定に保持する小円環内径保持部材を含んでいてもよい。
【0030】上記構成によれば、上記小円環内径保持部
材を小円環にはめ込めば、小円環の形状をほぼ完全な円
環状(略真円状)に保持することができる。そのため、
小円環に対して被把持棒を装着し易くすることができ
る。上記小円環内径保持部材としては、切り欠き部を形
成した短パイプを好適に用いることができるので、構成
の複雑化も回避することができる。
【0031】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記間隔保持部材が、複数の連続したひだ部を備
え、弾性を有し伸縮可能となっている蛇腹状部材であ
り、該蛇腹状部材の中空部に上記円環部材を挿入して組
み合せた状態で、両端部に形成される各開口部からはみ
出た円環部材によって上記一対の小円環が形成されるよ
うになっていてもよい。
【0032】上記構成によれば、円環部材はほとんど伸
縮しないものの間隔保持部材である蛇腹状部材が弾性と
伸縮性とを有している。そのため、蛇腹状部材が被把持
棒の間を離間させて一定の間隔を保持するとともに、蛇
腹状部材の離間力と形状安定性を有する円環部材との挟
持により、被把持棒の装着状態を安定化させることがで
きる。その結果、上記管状部材を用いた矯正補助具と同
様の機能を発揮する矯正補助具を得ることができる。
【0033】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記間隔保持部材における小円環が形成される近傍
が、互いに略平行な被把持棒の当接面となっており、こ
の当接面が、被把持棒の離間方向に略直交する方向に対
して傾斜している傾斜面として形成されていることが好
ましい。
【0034】上記構成によれば、上記傾斜面を有する間
隔保持部材と円環部材とを組み合わせた矯正補助具をた
とえば箸に取り付けると、矯正補助具(間隔保持部材)
は、各箸の間で傾斜した状態となる。たとえば、このよ
うな矯正補助具を取り付けた箸を把持すると、間隔保持
部材の傾斜方向と親指の配置方向とがほぼ平行となるの
で、矯正補助具によって親指の位置をより的確に規定す
ることができる。それゆえ、より正しい箸(被把持棒)
の持ち方を実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の第1の
実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0036】本発明にかかる被把持棒の持ち方矯正補助
具は、被把持棒として、主として箸を用いるものであ
る。つまり本発明は、主として箸の持ち方を矯正するた
めの矯正補助具に関するものである。ただし後述するよ
うに箸だけでなく、筆記具の持ち方矯正にも利用するこ
とができる(実施の形態9参照)。
【0037】本発明にかかる被把持棒の持ち方矯正補助
具(以下、単に矯正補助具とする)は、少なくとも弾性
円環部材と間隔保持部材との組み合わせからなってい
る。上記間隔保持部材は、弾性円環部材を組み合わせる
ことが可能な形状、たとえばパイプ形状の管状部材とな
っており、該管状部材の中空部に上記弾性円環部材を挿
入して組み合せた状態で、両端部に形成される各開口部
からはみ出た弾性円環部材によって一対の小円環が形成
されるようになっている。この小円環は、被把持棒をそ
れぞれ装着可能となっている。
【0038】上記構成では、一対の棒状部材である箸の
間に間隔保持部材(管状部材)が配置されるので、箸の
間に一定の間隔が保持される。しかも、上記弾性円環部
材の弾性により、小円環が箸を安定して装着した上で、
箸の位置も安定して規定することができる。そのため、
容易、確実かつ効率的に箸の正しい持ち方を身につける
ことができる。また、従来の矯正補助具よりもさらに一
層安価なものとすることができる。
【0039】具体的には、図2(a)・(b)に示すよ
うに、本実施の形態にかかる矯正補助具10は、弾性円
環部材としてのゴムバンド11と、管状部材としての管
状スペーサ12とを含み、図2(c)に示すように、こ
のゴムバンド11を管状スペーサ12の中空部に貫通さ
せて組み合わせた状態からなっている。ゴムバンド11
は、管状スペーサ12の両端部からはみ出ており、これ
らがそれぞれ小円環11aを形成している。この矯正補
助具10を箸に対して装着するには、図1に示すよう
に、上記小円環11aそれぞれに対して、箸5aおよび
箸5bからなる一対の箸5を挿入するのみである。
【0040】上記ゴムバンド11としては市販の輪ゴム
で幅広のものを用いることができる。輪ゴムは非常に安
価である上に、上記小円環11aに各箸5a・5bを装
着した際に、その弾性による収縮作用と、その表面が有
する摩擦性とによって、装着された箸5a・5bそれぞ
れを効果的かつ確実に保持することができる。さらに、
図1に示すように、上記矯正補助具10に一対の箸5を
装着した状態で、各箸5a・5bの間隔を一定に保持す
るのみならず、その弾性により箸5を把持した場合に加
えられる外力で、箸5を自由に移動させることができ
る。
【0041】特に箸5の正しい持ち方においては、後述
するように一対の箸5のうち一方がほぼ動かないように
固定されるのに対し、他方は自由に動かせるようになっ
ている必要がある。そのため、上記弾性円環部材として
ゴムバンド11を用いることによって、他方を自由に移
動させることができるとともに、その反発力・復元力に
より、一対の箸5の間隔を一定に保持した状態に容易に
回復させることができる。
【0042】つまり、本発明においては、弾性円環部材
としてゴムバンド11を用いることで、装着された一対
の箸5を一定間隔を保持した状態で強固に結びつけるこ
とができる一方、柔軟に箸5を動かすことができるとい
う、相反する機能を実現させることができる。その結
果、本発明の矯正補助具10に対して単に箸5を装着す
るだけで、容易に正しい持ち方で箸5を把持することが
できる。
【0043】上記ゴムバンド11の形状は特に限定され
るものではないが、図2(a)に示すように、一定のバ
ンド幅Wを有するものを用いることが好ましい。このバ
ンド幅Wの具体的な数値としては、各小円環11aに各
箸5a・5bを装着した場合に、箸5a・5bを十分固
定支持できる程度の幅であれば特に限定されるものでは
ないが、通常は、5mmを超え15mm未満の範囲内
(5mm<W<15mm)が好ましく、8mm以上12
mm以下の範囲内(8mm≦W≦12mm)がより好ま
しく、10mm程度(W≒10mm)が特に好ましい。
【0044】上記バンド幅Wが5mm以下であると、小
円環11aで箸5を十分に固定支持できなくなるおそれ
がある。一方、15mm以上となると、ゴムバンド11
を組み合わせるための間隔保持部材(管状スペーサ1
2)を大型化する必要性が生じる場合がある。ただし、
間隔保持部材の形状や箸5の形状などによってはバンド
幅Wが5mm以下や15mm以上であっても好ましい場
合もあり、特に限定されるものではない。
【0045】上記ゴムバンド11として好適に用いられ
る輪ゴムは、通常、まずチューブ状として成形されてお
り、このチューブを所定の幅に切断することで得られ
る。そこで、上記ゴムバンド11のバンド幅Wは、上記
切断加工時に適宜設定すればよい。
【0046】なお、本発明にかかる矯正補助具10で
は、ゴムバンド11を管状スペーサ12に組み合わせた
状態で、管状スペーサ12の両端部からはみ出た小円環
11a・11aが、十分に箸5a・5bを固定支持でき
る程度の幅を有していればよい。換言すれば、上記ゴム
バンド11においては、必ずしも全体が一定のバンド幅
Wを有するものでなくてもよく、管状スペーサ12から
はみ出る部位だけある程度の幅を有しており、管状スペ
ーサ12の中空部に収納されてしまう部位は、それより
幅が小さくなっていても構わない。
【0047】上記ゴムバンド11の厚みについても特に
限定されるものではなく、上記管状スペーサ12と組み
合わせて矯正補助具10とした場合に、一対の箸5を小
円環11aで十分に保持できる程度の強度を確保できる
ような厚みであればよい。たとえば、本実施の形態で挙
げた市販の輪ゴムであれば、その厚みは1mm前後とな
っており、実用上は、この厚みで十分となっている。
【0048】上記ゴムバンド11の内径については、上
記管状スペーサ12と組み合わせて矯正補助具10とし
た場合に、一対の箸5を一定の間隔で保持するための長
さを確保できれば特に限定されるものではない。上記一
対の箸5の間隔は、矯正補助具10を使用する使用者の
掌(手のひら)の大きさに合わせて微妙に異なるが、こ
の間隔そのものは、管状スペーサ12の長さによって決
定される。
【0049】したがって、伸縮可能なゴムバンド11に
おいては、ある程度延伸した状態で上記間隔を確保でき
るような内径となっていればよく、内径の大きさを細か
く限定する必要はない。ただし通常の使用では、好まし
い範囲を設定することができるので、この内径の大きさ
の好ましい範囲については後述する。
【0050】さらに弾性円環部材としては、上記ゴムバ
ンド11(幅広の輪ゴム)に限定されるものではなく、
管状スペーサ12と組み合わせて矯正補助具10とした
場合に、箸5を十分装着できるようなものであればよ
い。また、その材質は、天然ゴムや各種合成ゴム、ある
いは再生ゴムなどの狭義のゴム材料だけに限定されるも
のではなく、常温でゴム状弾性を有するエラストマー材
料であればよい。なお、弾性円環部材の材質は上記エラ
ストマー材料を好ましく用いることができるが、必ずし
もゴム状弾性を有する材質でなくてもよく、ある程度の
弾性や伸縮性を有しておれば他の材質であってもよい。
【0051】上記管状スペーサ12としては、図2
(b)に示すように、両端部に開口部12a・12aが
形成され内部に中空部が形成されたパイプ形状になって
いればよく、その形状は特に限定されるものではない。
つまり、上記管状スペーサ12においては、上記中空部
に対して、上記弾性円環部材、本実施の形態ではゴムバ
ンド11を挿入して組み合わせることが可能になってお
り、さらにその状態で、両端部の開口部12a・12a
からゴムバンド11をはみ出させ、それぞれ小円環11
a・11aを形成させるようになっていればよい。
【0052】上記管状スペーサ12における両端部に形
成されている上記開口部12aとしては、その形状など
は特に限定されるものではなく、ゴムバンド11を挿入
した上で、小円環11aを形成できるようにはみ出させ
ることが可能になっていればよい。ここで上記両端部
は、箸5a・5bの間に配置される管状スペーサ12に
おいて、各箸5a・5bにほぼ直接当接する部分(当接
面)となっている。したがってこの両端部は、互いに略
平行な当接面となっていることが好ましい。それゆえ、
開口部12aは当接面に形成される孔と見なすことがで
きる。
【0053】上記管状スペーサ12の具体的な形状とし
ては、図3(a)・(b)・(c)に示すように、その
断面が円・長方形・楕円などの各形状であり、所定の長
さを有するパイプ形状となっていれば特に限定されるも
のではない。
【0054】また、上記管状スペーサ12の材質として
も特に限定されるものではなく、中空部にゴムバンド1
1を挿入して組み合わせた矯正補助具10の状態で保持
することができる材質であればよいが、たとえば、ゴム
バンド11と同様の各種ゴム材料やエラストマー材料、
エラストマー材料よりも剛性を有する各種プラスチック
材料、シリコーン樹脂、ボール紙などのある程度の剛性
を有する紙材料、木材・竹材、金属材料など、一般的に
管状の成形品や加工品の製造に用いられる各種材料が好
ましく用いられる。
【0055】上記管状スペーサ12の内径Dとしては、
中空部に弾性円環部材としてのゴムバンド11を容易に
通すことができるとともに、箸5の把持に影響を及ぼす
程度に各箸5a・bの外径よりも大きくならない限りは
特に限定されるものではない。なお、管状スペーサ12
の内径Dがあまり小さ過ぎると、中空部にゴムバンド1
1を挿入することが困難となるため好ましくない。
【0056】本実施の形態では、たとえば図2(b)や
図3(a)に示すような、断面が略円形の管状スペーサ
12であれば、上記内径Dとしては、ゴムバンド11の
バンド幅Wの厚さよりも若干小さいか、同等程度(W≒
D)であることが好ましいがこれに限定されるものでは
ない。また、図3(b)や図3(c)に示すような断面
が略長方形や略楕円形の管状スペーサ12の場合、各断
面の長手方向を内径Dとし、この内径Dが上記バンド幅
Wと同等程度であればよい。つまり本実施の形態では、
管状スペーサ12における断面の最大径を上記内径Dと
して、この内径Dがゴムバンド11を挿入できる程度の
大きさとなっていればよく、具体的な数値は特に限定さ
れるものではない。
【0057】上記管状スペーサ12の長さLは、すなわ
ち矯正補助具10に一対の箸5を装着した状態における
該箸5の間隔となる。それゆえ、管状スペーサ12の長
さLは箸5を使用する使用者の掌の大きさに合わせて適
宜設定されるものであって、特に限定されるものではな
い。
【0058】上記一対の箸5の間隔について、図4に示
す箸5の正しい持ち方に基づいて説明する。
【0059】箸5を把持した際には、図4に示すよう
に、下方の箸5b(以下、下方箸5bとする)は親指の
付け根近傍に当接してほとんど不動の状態となる一方、
上方の箸5a(以下、上方箸5aとする)は親指、人差
指および中指の先端で支持されている。このとき、上方
箸5aに対しては、親指は軽く当てがわれているだけで
あるのに対し、上記人差指と中指はその自由度が大きく
保証されている。そのため、これら人差指と中指が主体
となって上方箸5aを動かすことになる。つまり箸5の
正しい持ち方では、上方箸5aが自由に動かせる一方、
下方箸5bがほぼ不動となるように固定される。
【0060】ここで、図4から明らかなように、箸5の
正しい持ち方では、下方でほぼ固定される下方箸5b
と、上方で自由に動かすことが可能に支持されている上
方箸5aとの間には、一定の間隔Hが確保される。この
間隔Hは、箸5を把持した状態において、下方箸5bを
固定支持するための親指の付け根近傍から、上方箸5a
を可動支持するため親指の先端部近傍までの長さに略対
応すると見なすことができる。それゆえ箸5を正しく把
持した際における上方箸5a−下方箸5bの間隔Hは、
使用者の掌の大きさに依存することになる。
【0061】このように、上記上方箸5a−下方箸5b
の間隔Hは、掌の大きさに個人差があるため必ずしも明
確な数値範囲に限定できるものではないが、一般的に
は、児童の場合では10mm以上25mm以下の範囲
内、大人の場合では、20mm以上35mm以下の範囲
内程度である。そのため児童の場合では、管状スペーサ
12の長さLは10mm以上25mm以下の範囲内(1
0mm≦L≦25mm)、大人の場合では、20mm以
上35mm以下の範囲内(20mm≦L≦35mm)で
あることが一般的である。
【0062】もちろん使用者の掌の大きさに応じて、実
際の管状スペーサ12の長さLは上記範囲から外れるこ
ともある。それゆえ、管状スペーサ12としては、予め
長めのものを準備しておき、使用者が自身の掌の大きさ
に応じて適宜管状スペーサ12を所定の長さに切断する
ことができるようになっているとより好ましい。したが
って、管状スペーサ12のより好ましい材質としては、
上述した各種材料のうち、ゴム材料やエラストマー材
料、プラスチック材料、紙材料などが挙げられる。これ
ら材料は、安価である上に、ハサミやカッターナイフな
どで容易に切断することができるため好ましい。したが
って上記管状スペーサ12としては、上述した各材料か
らなる市販のチューブ類を好適に用いることが可能であ
る。
【0063】ここで、上記管状スペーサ12の長さL
(すなわち上記一定の間隔H)の好ましい範囲が決定さ
れると、上記弾性円環部材としてのゴムバンド11の内
径Rの好ましい範囲も自動的に決定される。上述したよ
うに、ゴムバンド11は、管状スペーサ12に装着され
た状態で両端部の開口部12aから小円環11aを形成
する程度にはみ出ることになる。そこで、円環状のゴム
バンド11を略平板状に「押し潰した」状態の長さが、
管状スペーサ12の長さLよりもある程度長くなってい
ればよい。
【0064】具体的には、図5(a)に示すように、ゴ
ムバンド11の内径(直径)をRとすると、図5(b)
に示すように、ゴムバンド11を略平板状に「押し潰し
た」状態の長さCは約πR/2(円周の略半分)となる
(C≒πR/2)。そして管状スペーサ12の長さをL
とすると、このC≒πR/2の方がLよりも大きな値に
なっておればよい(πR/2>L)。なお、実際には、
ゴムバンド11はその弾性により完全に「押し潰した」
状態になるわけではないので、その長さCはπR/2よ
りも若干小さくなる。
【0065】ここで、上記管状スペーサ12からはみ出
したゴムバンド11、すなわち一対の小円環11a・1
1aは、上記各箸5aまたは箸5b(ここではまとめて
箸5とする)を装着した状態で固定支持できるようにな
っていなければならず、それゆえ、小円環11aの内径
が箸5の外径よりも若干小さくなっている必要がある。
小円環11aの内径が箸5の外径と同じかそれ以上であ
ると、小円環11aの中に単に箸5を挿入するだけとな
ってしまい十分固定支持されない。
【0066】これに対して、小円環11aの内径が箸5
の外径よりも小さくなっていれば、小円環11aに箸5
を装着すると、箸5の外径の方が大きいので小円環11
aを形成するゴムバンド11が延伸することになる。そ
のため、延伸状態から元の状態へ戻ろうとするゴムバン
ド11の収縮効果によって、箸5が十分に固定支持され
る。
【0067】なお、ここで言う上記箸5の外径とは、箸
5の断面における最大の幅を指すものとする。それゆえ
本発明で使用される箸5は、もちろんその断面が円形の
ものに限定されず、たとえば略正三角形や略正方形など
の断面であってもよいことは言うまでもない。
【0068】ここで、小円環11aを形成するゴムバン
ド11の延伸作用に限界があるので、小円環11aの内
径があまり小さ過ぎると今度は箸5を装着することが困
難になってしまうので好ましくない。したがって小円環
11aは、児童のような力のない使用者でも容易に箸5
を装着できる程度の内径を有することが好ましい。たと
えば本実施の形態で用いる市販の輪ゴムでは、その延伸
作用を考慮すれば、小円環11aを「押し潰した」状態
で略平板状にしたときの長さが箸5の外径に略等しい程
度が好ましい。それゆえ、この点から本実施の形態にお
ける小円環11aの内径の好ましい範囲を決定すること
ができる。
【0069】具体的には、図5(c)に示すように、小
円環11aの内径(直径)をrとすると、図示しないが
小円環11aを「押し潰した」状態の略平板状の長さは
約πr/2(円周の略半分)になるので、箸5の径をS
とすれば、S≒πr/2程度であることが好ましく、し
たがって小円環11aの径r≒2S/π程度(箸5の径
Sの約0.64倍)であることが好ましいことになる。
一般的な箸5の径Sは、矯正補助具10を装着する位置
では、5mm以上9mm以下の範囲内である(5mm≦
S≦9mm)ことが多いので、上記小円環11aの内径
rは、上記関係式からおおむね3mm以上6mm以下の
範囲内(3mm≦r≦6mm)程度であることが好まし
いと算出できる。
【0070】もちろん箸5の断面形状やゴムバンド11
の微妙な材質の違い、管状スペーサ12の形状によっ
て、実際の使用に際しては、小円環11aの内径rは上
記範囲から外れることもある。それゆえ、上述した小円
環11aの内径rの限定は、一般的に見て好ましいと見
なすことができる範囲であって、本発明にかかる矯正補
助具10がこれに限定されないことは言うまでもない。
【0071】なお、実際には、上記小円環11aは、図
5(c)に示すような完全な環状になるわけではない。
すなわち、図2(c)に示すように、実際の小円環11
aは、管状スペーサ12側で絞り込まれ、管状スペーサ
12とは反対となる側では弧を描くような形状、たとえ
て言うなら「滴状」といった形状を有している。したが
って、上記小円環11aの内径rは、該小円環11aの
大きさを説明する上での便宜上の概念である。
【0072】このように小円環11aの内径rの好まし
い範囲を考慮すれば、上記管状スペーサ12の長さLか
ら、ゴムバンド11(弾性円環部材)の内径Rの好まし
い範囲を得ることができる。つまり、上記図5(b)に
示す「押し潰された」状態のゴムバンド11の長さC
が、管状スペーサ12の長さLと、2つの小円環11a
における「押し潰された」状態の長さπr/2(円周の
略半分)との和に等しければよいので、C≒L+(πr
/2)×2≒πR/2が成立することになる。
【0073】それゆえ、上記管状スペーサ12の長さL
の好ましい範囲と、小円和の内径rの好ましい範囲か
ら、ゴムバンド11の内径Rとしては、一般的には、児
童の場合、おおむね13mm以上27mm以下の範囲内
(13mm≦R≦27mm)、大人の場合では、おおむ
ね19mm以上34mm以下の範囲内(19mm≦R≦
34mm)程度が好ましい。
【0074】上記範囲内の内径Rを有するゴムバンド1
1は、市販品の輪ゴムに十分含まれることになるので、
本発明にかかる矯正補助具10を作成するに当たって
は、特別な内径を有するゴムバンド11を新たに成形す
る必要がなく、それゆえゴムバンド11の押出成形に用
いる型も特別なものでなく一般的なものを用いることが
できる。それゆえ、矯正補助具10の価格の向上をさら
に一層回避することができる。
【0075】さらに本発明においては、上記ゴムバンド
11はその内周側の表面がシリコーン加工されたもので
あってもよい。内周側の表面がシリコーン加工されてい
ると滑り難さを付与することができるので、小円環11
aに箸5を装着した状態で箸5を安定した装着状態で保
持することができる。上記シリコーン加工の方法として
は特に限定されるものではなく、一般のゴムバンド11
の製造時にシリコーン加工する技術が公知となってい
る。また、ゴムバンド11を反転させて内周側の表面を
外周側に露出させて公知のシリコーン剤を吹き付けたり
してもよい。
【0076】次に、上述した矯正補助具10を取り付け
た一対の箸5の使用方法について説明する。
【0077】図1に示すように、本実施の形態にかかる
矯正補助具10は、箸5の先端から見て70〜80%程
度の位置、すなわち箸5の後端から見て2〜3割の長さ
となる位置で、該一対の箸5を一定の間隔H(管状スペ
ーサ12の長さL)で保持した状態で固定支持してい
る。
【0078】上述したように、箸5の正しい持ち方にお
いては、下方箸5bが、親指の付け根近傍の「股」部分
で主に支持される一方、薬指における爪の生え際近傍に
よって、軽度に支持されているのに対して、上方箸5a
が、親指の先端および人差指の先端、並びに中指の第1
関節近傍における人差指側の側方部(爪の生え際近傍)
により支持される(図4参照)。
【0079】本発明では、上記矯正補助具10を一対の
箸5に取り付けてこれを把持するだけで、図6に示すよ
うに、箸5の正しい持ち方を実現することができる。具
体的には、箸5の正しい持ち方では(図4参照)、親指
の付け根近傍に当接される下方箸5bは、該下方箸5b
の先端から見て70〜80%程度の位置となる。それゆ
え、この位置に矯正補助具10を取り付ける(図1参
照)ことで、図6に示すように、上記親指の付け根近傍
にて、該下方箸5bの先端から見て70〜80%程度の
位置で下方箸5bを支えることができる。
【0080】さらに、上記下方箸5bに対して一定の間
隔H(管状スペーサ12の長さL)を有して保持される
上方箸5aをそのまま把持すると、図6に示すように、
上記3本の指で該上方箸5aの先端から見て60〜70
%程度の位置を支えることになる。
【0081】つまり、上記下方箸5bにおける小円環1
1aの位置を親指の付け根近傍に当接させると、下方箸
5bと上方箸5aとの間隔が管状スペーサ12の長さL
により規定されている上に、矯正補助具10は上方箸5
aと下方箸5bとの双方を略平行に固定支持する。その
ため、矯正補助具10を取り付けた一対の箸5を把持す
るだけで下方箸5bの上方に上方箸5aが自動的に配置
されることになり、その結果、親指・人差指・中指の3
本の指によって、上方箸5aにおける先端から見て60
〜70%程度の位置が自然に支持される。
【0082】さらに、上記矯正補助具10を一対の箸5
に取り付けると、ゴムバンド11は、図1の矢印Pとし
て示すように、一対の箸5を互いに密着するような方向
に収縮力を発揮するのに対して、上記一対の箸5の間に
配置される管状スペーサ12は、上記ゴムバンド11の
収縮力に対向して一対の箸5の間に一定の間隔Hを確保
するようになっている。それゆえ、各箸5aまたは5b
は管状スペーサ12の端部と小円環11a(ゴムバンド
11の一部)とで挟み込まれるように固定される。
【0083】上記構成では、上記一対の箸5は、矯正補
助具10によってその間隔が一定に保持されているの
で、上方箸5a・下方箸5bの位置関係が非常に安定し
た状態で把持されることになるが、該一対の箸5は矯正
補助具10によって固定支持されているといっても、実
際に箸5を固定支持してする主体はゴムバンド11で形
成される小円環11aである。そのため、特に上方箸5
aは、上記ゴムバンド11の弾性のために上記3本の指
によって自由に動かすことができるようになっていると
ともに、上記各指の力を変化させるだけで、図6に示す
互いの箸5a・5bの先端部を当接させた状態から、図
7に示すように互いの箸5a・5bを離間させて略平行
な状態に戻すことができる。
【0084】一対の箸5で何かを摘んだ(図6に示す状
態)後に離す(図7に示す状態)過程では、特に上方箸
5aを動かすための3本の指にかける力の方向を変化さ
せなければならない。このとき箸5の持ち方が不安定で
あると、上方箸5aの位置がすぐにずれてしまい、正し
い持ち方ができなくなる。
【0085】しかしながら本発明にかかる矯正補助具1
0では、ゴムバンド11全体が弾性体として作用し、優
れた反発力・復元力を発揮することができる。それゆ
え、上記3本の指に対する力を変化させても、確実に上
方箸5aを元の位置(図7参照)に戻すことができると
ともに、下方箸5bも十分固定することができる。特に
本発明では、ゴムバンド11の弾性作用が非常に優れた
復元力を発揮することになるので、従来の成形品の矯正
補助具10以上に上方箸5aの位置を安定化させること
が可能となる。
【0086】ここで、上記一対の箸5の間に確保される
一定の間隔Hは、上述したように、親指の長さに略対応
するものとなる。それゆえ、この間隔Hが確保された状
態で箸5を把持すると、上方箸5aを支持している3本
の指のうち、親指は単に上方箸5aの位置を支えるため
に軽く当接されるのみとなり、人差指と中指とが実際に
上方箸5aを動かすために用いられることになる。その
結果、上方箸5aは、ほぼ固定されている下方箸5b側
に対して容易に動くようになるものの、それ以外の方向
には動き難くなる。
【0087】たとえば図8に示すように、一対の箸5を
把持した状態では、各箸5a・5bで形成される平面A
を仮定することができる。上方箸5aは、その先端部が
下方箸5bの先端部に接近したり離間したりする方向
(図中X方向)、つまり図中でX−Y方向に広がる上記
平面A内であれば、上記3本の指で容易に動かすことが
できるようになっている。これは、上方箸5aに当接す
る3本の指のうち、親指が軽く当接して位置を支える程
度の働きしかしないためである。
【0088】言い換えれば、たとえば図8において、平
面Aの広がり方向にX軸およびY軸を、該平面Aの法線
方向にZ軸を想定してX−Y−Z座標系を設定した場合
に、上方箸5aは、その先端部が、上記平面A内、すな
わち(X,Y,Z)の座標において、必ずZ座標が0と
なる(Z=0)範囲内には移動可能となっているが、上
記平面Aから外れる方向、すなわち(X,Y,Z)の座
標において、Z座標の成分が0でない(Z≠0)方向に
は動かし難くなっている。
【0089】つまり、矯正補助具10を取り付けた箸5
を把持すると、両方の箸5a・5bの先端部を近接させ
たり離間させたりする分には容易に動かすことができる
反面、それ以外の方向には各箸5a・5bを動かし難く
なる。
【0090】誤った箸5の持ち方として代表的なものは
交わり箸であるが、この交わり箸においては、一対の箸
5で形成される上記平面Aから上方箸5aが外れて動く
(Z座標の成分が0でない方向)ことを原因とするもの
である。このように上方箸5aが上記平面Aから外れる
最大の原因としては、親指に過剰に力を入れてしまうこ
とが挙げられる。これに対して本発明にかかる矯正補助
具10では、間隔保持部材によって自然に親指の位置が
規定されるので、単に矯正補助具10を取り付けた箸5
を把持するだけで、親指に過剰に力を加えてしまうとい
う状態を確実に回避することができる。
【0091】加えて、上記一対の箸5の固定支持は上記
ゴムバンド11で形成される小円環11aによるもので
あるので、3本の指によって上方箸5aを動かした後に
各指の力を変化させると、図8に示すように、上記ゴム
バンド11の弾性回復力によって、上方箸5aの位置
は、動かす前の位置すなわち下方箸5bと一定の間隔を
保持した略平行な位置に自動的に戻ることになる。
【0092】このように本発明にかかる矯正補助具を用
いると、上方箸を支える3本の指のうち、過剰な力が入
り易い親指が、上方箸に対して自然に軽く当接するのみ
となるとともに、人差指および中指が上方箸を動かす主
体となるように十分に当接する。それゆえ、上方箸は、
一対の箸で形成される平面内でのみ容易に動かせるよう
になり、上記平面から外れて動かすことは比較的困難と
なる。また、矯正補助具を構成するゴムバンドのバネ作
用によって、人差指・中指の力を変化させても上方箸の
位置は容易に元に戻り、箸の使用によっても上方箸・下
方箸の把持状態がずれることがなくなる。
【0093】それゆえ、本発明にかかる矯正補助具を一
対の箸に対して取り付け、この箸を把持するのみで、容
易に正しい持ち方で箸を把持することができるようにな
る。しかも、これを習慣付けることで、容易、確実かつ
効率的に箸の正しい持ち方を身につけることができる。
【0094】しかも、本発明にかかる矯正補助具におい
ては、上述したように、ゴムバンドなどの弾性円環部材
と、管状スペーサなどの間隔保持部材とを必須部材とし
て、これらを組み合わせるのみで形成できるという非常
に簡素な構成を有している。さらに、各部材は、上述し
たように、一般的に市販されている輪ゴムやチューブ類
を用いることが可能であるので、従来の矯正補助具より
もさらに一層安価とすることができる。その結果、たと
えば本発明にかかる矯正補助具を無料配付に用いること
ができる程度にまで安価とすることができる。
【0095】また、管状スペーサとゴムバンドとを組み
合わせるのみで矯正補助具を得ることができるので、た
とえば管状スペーサおよびゴムバンドをそれぞれ別個の
ものとしておいて、使用者が適宜組み立てるようなキッ
トとすることもできる。それゆえ、本発明にかかる矯正
補助具は、従来と同様の機能を発揮できる上に、販売促
進商品等といった無料配付の用途や付録としての商品な
どにしても好適に用いることができる。
【0096】〔実施の形態2〕本発明の第2の実施の形
態について図9および図10に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるもの
ではない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1で使
用した部材と同じ機能を有する部材には同一の番号を付
記し、その説明を省略する。
【0097】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1の矯正補助具と基本的には同様の構成であ
るが、上記管状スペーサの長手方向に対して切り欠き部
が形成されている点が異なっている。
【0098】具体的には、図9(a)に示すように、本
実施の形態にかかる矯正補助具20は、ほとんど前記実
施の形態1と同様の構成であり、前記実施の形態1と同
様に、両端部(当接面)に開口部13bを有する管状ス
ペーサ(管状部材)13およびゴムバンド11の組み合
わせからなっている。ただし、図9(c)にも示すよう
に、上記管状スペーサ13の側面の一部には、その外周
面の長手方向に沿って線状の切り欠き部13aが形成さ
れており、この切り欠き部13aが中空部につながった
状態となっている。
【0099】それゆえ、図9(b)にも示すように、上
記管状スペーサ13の断面は、円の一部が切れた形状、
たとえばアルファベットの「C」様の形状となる(図9
(b)・(c)では、「C」を反転した状態で記載して
いる)。
【0100】本実施の形態にかかる矯正補助具20にお
いては、図9(b)に示すように、管状スペーサ13に
おいて、切り欠き部13aを通る直径を延長した直径線
Eを想定した場合、挿入された略平板状のゴムバンド1
1のバンド幅方向を延長したバンド線Fが、直径線Eと
略直交するようになっていることが好ましい。このよう
な構成であれば、ゴムバンド11が上記切り欠き部13
aから脱落するような事態を回避して、組み合わせ状態
をより安定化させることができる。
【0101】本実施の形態におけるゴムバンド11の管
状スペーサ13への組み合わせ方向について説明する
と、まず、図10(a)に示すように、上記切り欠き部
13aに略平板状に「潰した」状態のゴムバンド11を
押し込む。これによって、図10(b)に示すように、
容易に管状スペーサ13の中空部にゴムバンド11を挿
入して組み込んだ状態とすることができる。
【0102】ここで単にゴムバンド11を挿入しただけ
では、該ゴムバンド11の配置は、図10(b)に示す
ように、直径線Eとバンド線Fとがほぼ一致した状態と
なる。この状態では、ゴムバンド11の端部が切り欠き
部13aに略直面しているので、このままでは小円環1
1aに箸5を装着する場合などに加えられる外力によっ
て、ゴムバンド11が切り欠き部13aを介して管状ス
ペーサ13から外れてしまうおそれがある。
【0103】そこで、管状スペーサ13に組み込んだ状
態でゴムバンド11を約90°回転させると、図10
(c)に示すように、そのバンド線Fが直径線Eに対し
て略垂直となり、ゴムバンド11の端部が切り欠き部1
3aに直面せずに、前記実施の形態1と同様に管状スペ
ーサ13の内周面に接触することになる。それゆえ、管
状スペーサ13の中空部にゴムバンド11を挿入して組
み合わせた状態を十分に安定させることができる。ま
た、ゴムバンド11の取り外しの際には、管状スペーサ
13を約90°回転させてゴムバンド11の端部が切り
欠き部13aに直面するようにすればよいので、ゴムバ
ンド11の取り外しも容易となる。
【0104】本実施の形態における管状スペーサ13と
しては、切り欠き部13aを除いて前記実施の形態1と
同様のものを用いることが可能であるが、その材質はゴ
ムバンド11よりも比較的剛性の高い材料であることが
好ましい。
【0105】図9(b)示すように、管状スペーサ13
にゴムバンド11を挿入して組み合わせた状態では、ゴ
ムバンド11はその弾性により、上記バンド線F方向に
沿って管状スペーサ13の内部から外部へ力を及ぼすの
に対して、管状スペーサ13はその剛性により、管形状
を維持しようとする。ここで本実施の形態では、管状ス
ペーサ13に外壁を破断した状態とする上記切り欠き部
13aが形成されているため、この切り欠き部13aの
間隔が広げられたり狭められたりすることで、管状スペ
ーサ13の内径が変化し易くなっている。
【0106】本実施の形態では、上記切り欠き部13a
の存在により、ゴムバンド11が管状スペーサ13に挿
入して組み合わせ易くなっているものの、組み合わせ後
に、ゴムバンド11の弾性に比較して管状スペーサ13
の剛性が弱いと、ゴムバンド11の弾性により上記切り
欠き部13aの間隔が広がり過ぎて、ゴムバンド11が
管状スペーサ13から抜け易くなるおそれがある。
【0107】そこで、管状スペーサ13として比較的剛
性の高い材料からなるものを用いる。これによって、ゴ
ムバンド11の弾性で管状スペーサ13に外力が加えら
れても、切り欠き部13aが必要以上に広がらない。そ
れゆえ管状スペーサ13の内径が必要以上に増大するこ
とが抑制される。その結果、前記実施の形態1における
矯正補助具10と同様に、ゴムバンド11と管状スペー
サ13との組み合わせ状態を安定化することができる。
【0108】上記ゴムバンド11より比較的剛性の高い
材料としては、ゴムバンド11を組み合わせた状態で切
り欠き部13aの幅が広がり過ぎないような材料であれ
ば特に限定されるものではないが、一般的なプラスチッ
ク材料であれば、おおむね好ましく用いることができ
る。
【0109】なお、本実施の形態では、図9(b)や図
10(c)に示すように、上記ゴムバンド11が、該ゴ
ムバンド11の幅方向(上記バンド線F)を、切り欠き
部13aを通る直径方向(上記直径線E)に対して約9
0°程度の角度を有するように管状スペーサ13に組み
合わせられている例を挙げたが、もちろんこれに限定さ
れるものではないことは言うまでもない。
【0110】つまり、本実施の形態にかかる矯正補助具
20では、管状スペーサ13にゴムバンド11を組み合
わせた状態で、ゴムバンド11の端部が切り欠き部13
aに直面せず、ゴムバンド11が管状スペーサ13から
容易に脱落できないようになっていれば、上記直径線E
に対するバンド線Fの角度は約90°前後(略垂直)に
限定されるものではない。
【0111】〔実施の形態3〕本発明の第3の実施の形
態について図11ないし図14に基づいて説明すれば、
以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるも
のではない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1ま
たは2で使用した部材と同じ機能を有する部材には同一
の番号を付記し、その説明を省略する。
【0112】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1の矯正補助具と基本的には同様の構成であ
るが、上記管状スペーサの両端部が、互いに略平行とな
り、管状スペーサの長手方向に略直交する方向に対して
傾斜している傾斜面として形成されている点が異なって
いる。
【0113】すなわち前記実施の形態1の矯正補助具で
は、管状スペーサの側面からの形状を投影図として見る
と長方形状になる(図3(a)〜(c)参照)のに対し
て、本実施の形態にかかる矯正補助具では、管状スペー
サの側面からの形状を投影図として見ると、平行四辺形
状となっている。
【0114】具体的には、図11(a)に示すように、
本実施の形態にかかる矯正補助具30も、ほとんど前記
実施の形態1と同様の構成であり、前記実施の形態1と
同様に、両端部(当接面)に開口部14aを有する傾斜
管状スペーサ(管状部材)14およびゴムバンド11の
組み合わせからなっている。ただし、図11(b)にも
示すように、本実施の形態における傾斜管状スペーサ1
4は、その両端部(当接面)が互いに平行でかつ傾斜し
た状態(傾斜面)となっており、それゆえ側面から見た
形状は平行四辺形状となっている。
【0115】それゆえ、本実施の形態にかかる矯正補助
具30を箸5に取り付けると、図12に示すように、小
円環11aでそれぞれ固定された各箸5a・5bの間に
は一定の間隔Hが確保されるものの、矯正補助具30そ
のものは、各箸5a・5bの間で傾斜した状態となる。
【0116】上記矯正補助具30を取り付けた箸5を把
持すると、図13に示すように、傾斜管状スペーサ14
の傾斜方向と親指の配置方向とがほぼ平行となる。ここ
で前記実施の形態1で述べたように、間隔保持部材は、
矯正補助具30を取り付けた箸5を把持した際に、上方
箸5aに当接する親指の位置を規定して、親指に過剰に
力を加えてしまうという状態を回避するためのものであ
る。それゆえ、本実施の形態のような傾斜管状スペーサ
14を用いると、該傾斜管状スペーサ14と親指の配置
方向とがほぼ平行になり、矯正補助具30によって親指
の位置をより的確に規定することができる。
【0117】図11(b)に示す上記傾斜管状スペーサ
14における傾斜角度αは、使用者の掌の大きさ、箸5
の形状、弾性円環部材としてのゴムバンド11の形状な
どに応じて適宜設定されるものであり、特に限定される
ものではない。しかしながら、一般的には、上記傾斜角
度αとしては、5°以上20°以下の範囲内(5°≦α
≦20°)が好ましく用いられる。この角度範囲内であ
れば、ほとんどの使用者において、親指の配置方向に対
する矯正補助具30の傾斜方向がほぼ対応することにな
る。
【0118】上記傾斜管状スペーサ14の製造方法につ
いては、前記実施の形態1で説明した管状スペーサ12
の元となるチューブ類を、その両端部が互いに平行にな
るように斜めに切断すればよい。また、前記管状スペー
サ12そのものを、少し長め(規定の長さLよりも長い
状態)に準備しておき、両端部を平行になるように斜め
に切断してもよい。
【0119】さらに本実施の形態では、上記傾斜管状ス
ペーサ14に合わせて、弾性円環部材としても、図14
(a)に示すように、その側面からの形状を投影図とし
て見ると平行四辺形になるような傾斜ゴムバンド21と
なっていてもよい。この傾斜ゴムバンド21と傾斜管状
スペーサ14とを組み合わせると、図14(b)に示す
ように、傾斜ゴムバンド21で形成される小円環21a
の傾斜方向が、傾斜管状スペーサ14の両端部における
傾斜方向にほぼ揃うことになるので、傾斜管状スペーサ
14の傾斜状態をより安定化させることが可能になり、
該矯正補助具30を把持した際に、親指の配置に沿った
状態にすることができる。
【0120】この傾斜ゴムバンド21の傾斜角度βは上
記傾斜管状スペーサ14の傾斜角度αとほぼ同じ角度
(α≒β)であれば特に限定されるものではない。しか
しながら、傾斜ゴムバンド21の場合は、その柔軟性や
弾性により大きく変形できるので、傾斜角度βを傾斜角
度αに厳密に合わせる必要はなく、上述したように、傾
斜しないゴムバンド11でも十分好適に用いることがで
きる。
【0121】なお、本実施の形態において述べた上記両
端部の傾斜については、管状スペーサ(管状部材)にの
み適用されるものではなく、後述するその他の形状のス
ペーサ(間隔保持部材)にも適用することが可能であ
る。その場合、スペーサにおける小円環が形成される近
傍が、互いに平行な被把持棒の当接面となっており、こ
の当接面が、上述したように、スペーサの長手方向(換
言すれば、被把持棒の離間方向)に略直交する方向に対
して傾斜している傾斜面として形成されていればよい。
【0122】あるいは、親指の位置を規定するには、上
記当接面を傾斜面とするのではなく、スペーサの形状を
変化させて、親指の位置を規定するような傾斜面をスペ
ーサの側面部に設けてもよい。したがって、本発明で用
いられるスペーサは、上記管状スペーサのように断面が
ほとんど同形状となっている必要はない。
【0123】〔実施の形態4〕本発明の第4の実施の形
態について図15に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
また、説明の便宜上、前記実施の形態1、2、または3
で使用した部材と同じ機能を有する部材には同一の番号
を付記し、その説明を省略する。
【0124】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1、2または3の矯正補助具と基本的には同
様の構成となっているが、間隔保持部材として、管状ス
ペーサではなく、ハサミ状スペーサ(ハサミ状部材)が
用いられている点が異なっている。
【0125】具体的には、図15(a)に示すように、
本実施の形態にかかる矯正補助具40は、基本的には前
記実施の形態1ないし3と同様の構成であり、間隔保持
部材としてのハサミ状スペーサ15およびゴムバンド1
1の組み合わせからなっている。
【0126】上記ハサミ状スペーサ15は、図15
(b)に示すように、基底面15bから一対の平板15
a・15aが所定間隔を保持して立設した形状となって
おり、上記平板15a・15aの間に弾性円環部材とし
てのゴムバンド11を挟持するような構成となってい
る。また、ゴムバンド11を挟持した状態では、両端部
(当接面)に小円環11a・11aが形成されている。
【0127】つまり前記実施の形態1ないし3では、管
状スペーサの中空部内にゴムバンド11を挿入して組み
合わせていたが、本実施の形態では、ハサミ状スペーサ
15によって上記平板15a・15aの間にゴムバンド
11を挟み込んで組み合わせている。
【0128】上記構成のハサミ状スペーサ15では、図
15(a)に示すように、一対の平板15a・15aの
間にゴムバンド11を挟み込むことになるが、矢印Qに
示すように、ハサミ状スペーサ15の平板15a・15
aにおける挟み込みの力とゴムバンド11の弾性との拮
抗作用によって、ハサミ状スペーサ15とゴムバンド1
1との組み合わせ状態が安定化する。しかも、前記実施
の形態1の管状スペーサのように、中空部にゴムバンド
11を挿入するのではなく、前記実施の形態2における
管状スペーサのように、平板15a・15aの間の隙間
からゴムバンド11を挿入することになるので、ゴムバ
ンド11を容易に組み合わせて矯正補助具40を得るこ
とができる。
【0129】なお、本実施の形態におけるハサミ状スペ
ーサ15としては、一対の小円環11a・11aを形成
するようにゴムバンド11を挟み込み、各箸5a・5b
の間で一定の間隔Hを保持できるようなスペーサとして
の形状を有していれば特に限定されるものではない。上
述したハサミ状スペーサ15では、上記平板15a・1
5aの間がある程度の間隔を有する状態となっている
が、たとえば、上記一対の平板15a・15aに対応す
る板状部がその先端で完全に閉じるようになっている各
種クリップ形状のものを用いてもよい。
【0130】〔実施の形態5〕本発明の第5の実施の形
態について図16に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
また、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし4の何れ
かで使用した部材と同じ機能を有する部材には同一の番
号を付記し、その説明を省略する。
【0131】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1ないし4の矯正補助具と基本的には同様の
構成となっているが、間隔保持部材として、ゴムバンド
などの弾性円環部材とは独立した構成となっている管状
スペーサやハサミ状スペーサを用いるのではなく、ほぼ
完全にゴムバンドと一体化されたブロック状の固定スペ
ーサ(塊状部材)を用いている。
【0132】具体的には、図16に示すように、本実施
の形態にかかる矯正補助具50は、ゴムバンド11の間
に固定スペーサ16を配置して、該ゴムバンド11の内
周面に対して完全に固定してなっている。このとき、固
定スペーサ16の固定位置は、両端部に小円環11aを
形成するようにゴムバンド11の長手方向の中央部近傍
となっている。また、固定スペーサ16の両端部(小円
環11a・11aが形成されている部位)には、当接面
16aが形成されている。
【0133】この構成では、弾性円環部材(ゴムバンド
11)の外側に間隔保持部材(前記管状スペーサ12な
ど)を配置するのではなく、弾性円環部材(ゴムバンド
11)の内側に間隔保持部材(固定スペーサ16)を配
置する。それゆえ、前記各実施の形態のように、弾性円
環部材と間隔保持部材とが分離可能とはなっていないも
のの、これらが完全に固定されるので、矯正補助具50
としての安定性を向上させることができる。
【0134】上記固定スペーサ16としては特に限定さ
れるものではなく、ゴムバンド11の内側に固定して小
円環11aを形成し、この小円環11aに一対の箸5を
装着した状態で、該一対の箸5の間に一定の間隔Hを確
保できる程度の強度があるものであればよい。また、固
定スペーサ16の固定方法としても特に限定されるもの
ではないが、通常は、各種接着剤にて固定スペーサ16
をゴムバンド11の内周面に貼り付ける方法が好適に用
いられる。
【0135】なお、本実施の形態における固定スペーサ
16の長さの好ましい範囲等については前記実施の形態
1において説明した管状スペーサ12の長さLと同じな
のでその説明は省略する。また、上記固定スペーサ16
の厚みについては、前記実施の形態1で説明した小円環
11aが形成し得るような厚みであればよく、換言すれ
ば箸5の外径に合わせて適宜設定し得るものであり特に
限定されるものではない。さらに、固定スペーサ16の
幅も、上記間隔Hを確保できるとともに、箸5に取り付
けた状態で箸5の把持に影響を及ぼさない程度であれば
特に限定されないが、通常はゴムバンド11のバンド幅
Wに合わせた幅にしておくと、矯正補助具50全体とし
ての構成が安定化するため好ましい。
【0136】したがって、上記固定スペーサ16の具体
的な例としては、箸5に取り付けた状態で上記一定の間
隔Hを確保できる程度の強度を有しているものであれば
よく、通常は、一つの塊(ブロック状)の部材(塊状部
材)であることが好ましい。たとえば市販の消しゴム類
などは安価でありかつ十分な強度を有するブロック状で
あるので、これをゴムバンド11に公知の接着剤で接着
するのみで、本実施の形態にかかる矯正補助具を得るこ
とができる。
【0137】〔実施の形態6〕本発明の第6の実施の形
態について図17ないし図20に基づいて説明すれば、
以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるも
のではない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1な
いし5の何れかで使用した部材と同じ機能を有する部材
には同一の番号を付記し、その説明を省略する。
【0138】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1ないし4の矯正補助具と基本的には同様に
略パイプ形状の間隔保持部材を用いることになるが、特
に本実施の形態では、この間隔保持部材として、コイル
状のもの、すなわちコイル状スペーサを用いる点が異な
っている。
【0139】具体的には、図17に示すように、本実施
の形態にかかる矯正補助具60は、コイル状スペーサ1
7にゴムバンド11を組み合わせてなるものである。こ
のコイル状スペーサ17は、前記実施の形態1などで説
明した管状スペーサ12と同様に両端部に開口部17b
を有しており、その長さや内径なども管状スペーサ12
と同様であるが、管状スペーサ12のように周囲が一連
の側壁となっているのではなく、線状の部材を巻き回し
たようなコイル状となっている。
【0140】このコイル状スペーサ17は、線状の部材
を巻き回して多数の巻き回し部17a…を形成したよう
な形状を有しているものである。そのため、間隔保持部
材として用いる場合には、各巻き回し部17a・17a
の間を接着剤などで完全に接着して、実質的に管状スペ
ーサ12と同様の形状としてもよいが、図18に示すよ
うに、巻き回した状態のままで、長手方向外側(図中矢
印K方向)に引っ張ることによって巻き回し部17a・
17aの間が広がって延伸するようになっていてもよ
い。
【0141】上記コイル状スペーサ17およびゴムバン
ド11の組み合わせからなる矯正補助具60を箸5に取
り付けたとする。このとき、図19に示すように、前記
実施の形態1と同様、ゴムバンド11が双方の箸5a・
5bを互いに密着するような収縮力を発揮する(図中矢
印P)のに対して、上記各箸5a・5bの間に配置され
るコイル状スペーサ17は、上記ゴムバンド11の収縮
力に対向して箸5の間に一定の間隔Hを確保するように
なっている。それゆえ、各箸5a・5bはコイル状スペ
ーサ17の端部と小円環11a(ゴムバンド11の一
部)とで挟み込まれるように固定される。
【0142】したがって、巻き回された状態で接着され
ていないコイル状スペーサ17であっても、ゴムバンド
11の収縮に伴う作用で各巻き回し部17aがほぼ密着
した状態となる。その結果、実質的に前記管状スペーサ
と同様に安定した間隔保持部材となる。
【0143】しかも、図20に示すように、本実施の形
態にかかる上記矯正補助具60を取り付けた箸5を把持
した場合、上記コイル状スペーサ17は、ゴムバンド1
1の収縮作用で安定した間隔保持部材となっているが、
各巻き回し部17a同士は接着されていないので、把持
した際の親指の配置に合わせて巻き回し部17a…をず
らすことが可能となる。その結果、前記実施の形態3で
説明した傾斜管状スペーサのように、コイル状スペーサ
17を親指の配置に沿った状態にすることができ、より
親指の位置規定を確実なものとすることができる。特に
傾斜ゴムバンド11を用いると、その傾斜方向に沿って
コイル状スペーサ17の巻き回し部17a…をずらした
状態を安定化させることができる。
【0144】上記コイル状スペーサ17となる線状の部
材としては、特に限定されるものではなく、プラスチッ
クなどでコイル状に形成されたものを好適に用いること
ができる。また、コイル状スペーサ17の材質も特に限
定されるものではなく、箸5を装着した状態で、ゴムバ
ンド11の収縮作用によって長手方向内側へかかる力
(図19における矢印P方向)によっても押し潰される
ことなく、間隔保持部材として箸5の間に一定の間隔H
を確保できる材料であればよい。
【0145】〔実施の形態7〕本発明の第7の実施の形
態について図21に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
また、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし6の何れ
かで使用した部材と同じ機能を有する部材には同一の番
号を付記し、その説明を省略する。
【0146】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1ないし6の矯正補助具に加えて、小円環1
1aの内径を所定値に保持するための小円環内径保持部
材をさらに備えている構成となっている。
【0147】具体的には、たとえば図21(a)に示す
ように、前記実施の形態1における管状スペーサ12と
ゴムバンド11との組み合わせからなる矯正補助具10
において、さらに、これらを組み合わせて小円環11a
を形成した状態で、さらに2つの小円環11aを形成し
ているゴムバンド11に対して、図21(b)に示すよ
うな切り欠き部22aを設けた短パイプ22をはめ込ん
でなっている。すなわち、この短パイプ22が上記小円
環内径保持部材に相当する。
【0148】この短パイプ22には、前記実施の形態2
における管状スペーサ13のように、その円筒部分の一
部に切り欠き部22aが形成されており、図21(b)
に示すように、断面はアルファベットの「C」様の形状
となる。
【0149】本実施の形態にかかる矯正補助具10にお
いては、それぞれの小円環11aに上記短パイプ22を
はめ込むことで、小円環11aの形状がほぼ完全な円環
状(略真円状とする)に保持される。そのため、小円環
11aに各箸5a・5bを装着し易くすることができ
る。さらに、短パイプ22には切り欠き部22aが形成
されていることから、この切り欠き部22aの間隔の拡
大や縮小により短パイプ22の内径も変化させることが
可能になる。それゆえ、前記実施の形態1における矯正
補助具10の小円環11aと同様に、装着可能な箸5の
外径が広い範囲に及ぶことになり、その結果、箸5をよ
り装着し易くするとともに、本実施の形態にかかる矯正
補助具10の汎用性を拡大することができる。
【0150】上記短パイプ22に長さとしては特に限定
されるものではなく、小円環11aを略真円状に保持で
きる程度の長さであればよい。通常は、図21(c)に
示すように、ゴムバンド11のバンド幅Wよりも少し長
め(たとえば小円環11aの両端部からそれぞれ約1m
mほどはみ出す程度の長さ)にしておけば、小円環11
aを略真円状に保持する能力が十分発揮できるととも
に、小円環11aのはめ込みや取り外しが容易になるの
で好ましい。
【0151】また、上記短パイプ22の材質も特に限定
されるものではないが、ゴムバンド11の収縮作用に耐
え得るような剛性を有していることが好ましい。これに
よって、小円環11aを略真円状に保持する能力をより
向上させることができる。
【0152】本実施の形態では、小円環径保持部材とし
て上記短パイプ22を用いているが、これに限定される
ものではなく、小円環11aにはめ込んで小円環11a
を略円環状に保持できるようなものであればよい。たと
えば、前記実施の形態6で挙げたようなコイル状の部材
なども用いることができる。また、小円環径保持部材
は、必ずしも小円環11aを円環状に保持しなくてもよ
く、小円環11aを楕円や四角形状に保持するような部
材であってもよい。
【0153】このように本発明にかかる矯正補助具は、
弾性円環部材と間隔保持部材とに加えてさらに小円環内
径保持部材を備えていてもよい。本発明では、市販品と
して安価に手に入れることができる上記3種類の部材を
組み合わせることで容易に矯正補助具を組み立てること
ができる。しかも、各部材は容易に組み合わせることが
できるので、使用者側で、これら各部材をまとめたキッ
トとして販売することも可能になり、より適切な持ち方
を発揮できる矯正補助具を使用者の好みに応じて作成す
ることが可能になる。
【0154】なお、図21(a)および(c)では、本
実施の形態における小円環径保持部材としての短パイプ
22(図21(b)参照)を前記実施の形態1にかかる
矯正補助具10に適用した例を図示しているが、もちろ
ん本発明はこれに限定されるものではなく、前記実施の
形態2ないし6の何れかの矯正補助具20、30、4
0、50、または60に適応することができ、さらには
本発明の範囲内となる矯正補助具全てに応用することが
できることは言うまでもない。
【0155】また、本発明においては、上記管状スペー
サ12、ゴムバンド11、および短パイプ22の全て
を、すべて市販のゴムチューブでまかなうこともでき
る。つまりゴムバンド11として大口径のゴムチューブ
を用い、管状スペーサ12および短パイプ22として小
口径のゴムチューブを用い、短パイプ22に適当に切り
欠き部22aを形成することで本実施の形態にかかる矯
正補助具10を得ることができる。なお、この場合、小
口径のゴムチューブは、その径が小さいことから剛性が
大きくなり、大口径のゴムチューブのように大きく伸縮
しないので、弾性はあっても実質的に伸縮しない形状安
定性を有していると見なすことができる。
【0156】〔実施の形態8〕本発明の第8の実施の形
態について図22および図23に基づいて説明すれば、
以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるも
のではない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1な
いし7の何れかで使用した部材と同じ機能を有する部材
には同一の番号を付記し、その説明を省略する。
【0157】本実施の形態にかかる矯正補助具は、前記
実施の形態1ないし7の矯正補助具とは異なり、ゴムバ
ンド11のような弾性円環部材ではなく、特に弾性のな
い円環部材を用いる一方、間隔保持部材として、伸縮可
能なものを用いている。つまり、前記実施の形態1ない
し7と比較すると、円環部材と間隔保持部材との役割が
逆転したものとなっている。
【0158】具体的には、図22(a)・(b)に示す
ように、円環部材としてビニールバンド31を用いると
ともに、間隔保持部材としては、複数の連続したひだ部
を備え、弾性を有し伸縮可能となっている蛇腹状スペー
サ(蛇腹状部材)18を用いることができる。これらを
前記実施の形態1と同様に組み合わせて本実施の形態に
かかる矯正補助具70とすると、蛇腹状スペーサ18の
両端部(当接面)の開口部18a・18aからそれぞれ
ビニールバンド31がはみ出して小円環31aを形成し
ており、上述した各実施の形態の矯正補助具10ないし
60とほとんど同じ構成となっている。
【0159】しかしながら、図23に示すように、上記
矯正補助具70を箸5に取り付けると、前記実施の形態
1などとは異なり、ビニールバンド31はほとんど収縮
も延伸もしない(形状安定性を有する)のに対して、こ
のビニールバンド31が中空部に挿入される蛇腹状スペ
ーサ18では、矢印J方向に示すような双方の箸5a・
5bを互いに離間させる力を発揮する。その結果、各箸
5a・5bは、ビニールバンド31による小円環31a
と、この小円環31aに対して押さえ付けるように作用
する蛇腹状スペーサ18の端部とで挟み込まれるように
固定される。
【0160】この状態では、上記一対の箸5の固定支持
は上記ビニールバンド31で形成される小円環31aに
よるものであるが、この小円環31aは、ビニールバン
ド31を蛇腹状スペーサ18の端部によって閉じたもの
になるので、蛇腹状スペーサ18の弾性によりその端部
が移動することで、前記実施の形態1におけるゴムバン
ド11の小円環11aと同様に、箸5を容易に動かせる
ように固定することになる。
【0161】すなわち本実施の形態では、ビニールバン
ド31によって各箸5a・5bの間に一定の間隔Hが確
保される一方、蛇腹状スペーサ18の長手方向への拡張
作用(矢印J方向)によって、小円環31aが箸5aま
たは箸5bを装着した状態で移動可能に保持することに
なる。その結果、前述した各実施の形態にかかる矯正補
助具10ないし60と同様の作用を発揮することが可能
になり、容易、確実かつ効率的に箸5の正しい持ち方を
身につけることができる。
【0162】上記蛇腹状スペーサ18の材質などについ
ては、弾性を発揮した上で、各箸5a・5bの間に一定
の間隔Hを確保できるような強度を有していれば特に限
定されるものではなく、市販の蛇腹形状を有するチュー
ブ類を好適に用いることができる。その他、蛇腹状スペ
ーサ18の内径などについても、前記実施の形態1で説
明した管状スペーサ12などとほぼ同じとなるのでその
説明は省略する。
【0163】ただし、蛇腹状スペーサ18の長さについ
ては、該蛇腹状スペーサ18が弾性を有していることか
ら、弾性を発揮してある程度延伸した状態で、上記一定
の間隔Hに対応する長さLとなっている必要がある。
【0164】このように本発明にかかる矯正補助具にお
いては、円環部材と間隔保持部材との一方が伸び縮みで
きるようになっており、他方が一定の間隔を確保できる
ようになっていればよい。これによって、間隔保持部材
の端部と円環部材により形成される小円環とで箸を挟み
込むように保持することになった場合、何れかが弾性を
有し伸縮可能になっているので、各箸を十分確実に固定
するとともに指で外力を加えると容易に動かすことがで
きるようになる。
【0165】したがって、上記間隔保持部材としては、
たとえば前記実施の形態6で述べたコイル状スペーサを
用いることもできる。つまり、前記実施の形態6では、
コイル状スペーサは伸縮可能ではあるものの弾性は有し
ていなかったが、弾性を与えることで、上記蛇腹状スペ
ーサと同様の機能を発揮することができる。
【0166】ただしこの場合、コイル状スペーサにおい
ても、巻き回し部を全て密着させた状態で上記長さLが
確保されるのではなく、上記蛇腹状スペーサと同様に、
弾性によりある程度延伸した状態(巻き回し部がある程
度離間した状態)で上記長さLが確保されるようになっ
ている必要がある。
【0167】〔実施の形態9〕本発明の第9の実施の形
態について図24ないし図27に基づいて説明すれば、
以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるも
のではない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1な
いし8の何れかで使用した部材と同じ機能を有する部材
には同一の番号を付記し、その説明を省略する。
【0168】前記実施の形態1ないし7では、被把持棒
として箸を用いた例を挙げたが、本実施の形態では、被
把持棒として筆記具を用いた例を挙げて説明する。
【0169】一般論として、被把持棒の持ち方の矯正に
おいては、箸を正しく把持できれば鉛筆などの筆記具も
正しく把持できるとされていた。しかしながら、本発明
者が調査した結果、この一般論は誤りであることが判明
した。
【0170】つまり、箸も筆記具も基本的な指の配置や
力の入れ具合は同じであるものの、箸が2本の棒からな
るのに対して、筆記具が1本の棒からなっているため、
使用者が箸を正確に把持することができない場合には、
結果的に箸と筆記具とはそれぞれ別の持ち方として認識
されてしまい、箸が正確に把持できても筆記具は間違っ
た持ち方で把持することで定着してしまうことになる。
実際、現状では、正しい持ち方で箸を把持できる成人で
あっても正しい持ち方で筆記具を把持できないことも多
い。
【0171】それゆえ従来の一般的な箸の持ち方矯正補
助具や持ち方矯正箸などを筆記具の持ち方の矯正に利用
することは、事実上不可能であった(ただし、本発明者
により発明された前記特開平11−007236号公報
の矯正補助具などは、箸にも筆記具にも適用することが
可能である)。
【0172】これに対して本発明では、図24に示すよ
うに、たとえば前記実施の形態1における矯正補助具1
0に対して、一方の小円環11aに筆記具、たとえば鉛
筆6を装着し、他方の小円環11aに何らかの棒状部材
7を装着することで、筆記具の持ち方矯正にも利用する
ことができる。
【0173】上記他方の小円環11aに装着される棒状
部材7としては、特に限定されるものではなく、未だ使
用されていない未削状態で芯が露出していない未使用鉛
筆や、工作用に用いられるプラスチック製の各種棒、あ
るいは割り箸などが用いられる。ただしこの棒状部材7
としては、筆記具(鉛筆6)の長さとほぼ同程度の長さ
か、使用者の掌の大きさに合わせた長さであることが好
ましい。
【0174】上記矯正補助具10を装着した鉛筆6を把
持すると、図25に示すように、管状スペーサ12によ
って鉛筆6と棒状部材7との間に一定の間隔Hが確保さ
れることによって、棒状部材7で親指の付け根が押さえ
られ、親指の先端が鉛筆6に軽く当接することになる。
【0175】筆記具の正しい持ち方も基本的には箸の正
しい持ち方と同様であって、筆記具を動かす主体となる
のが人差指および中指であって、親指は筆記具の位置を
規定する程度に軽く当接しておればよい。それゆえ、本
発明にかかる矯正補助具は、一方の小円環に筆記具を装
着し、他方の小円環に何らかの棒状部材を装着すること
によって、箸だけでなく筆記具の持ち方矯正にも用いる
ことが可能となる。
【0176】ここで本実施の形態では、図26に示すよ
うに、少なくとも筆記具(ここでは鉛筆6)を装着する
側の小円環11aに、前記実施の形態7で説明した、小
円環径保持部材としての短パイプ22(図21(b)参
照)をはめ込んでいることがより好ましい。箸と筆記具
との外径を比較すれば、一般的には筆記具の外径の方が
大きくなる傾向にあるため、箸に比べると筆記具は小円
環11aに装着し難くなり易い。そこで、筆記具の外径
に対応させて短パイプ22を予め小円環11aにはめ込
んでおけば、筆記具をより装着し易くすることができ
る。
【0177】もちろん棒状部材7を装着する側の小円環
11aにも短パイプ22をはめ込んでもよいが、棒状部
材7としては、上述したように、たとえば割り箸等を適
当な長さに切断して用いても構わないので、必ずしも短
パイプ22をはめ込まなくてもよい。
【0178】さらに本実施の形態では、図27に示すよ
うに、短パイプ22のはめ込まれている小円環11aに
筆記具(鉛筆6)を装着した状態で、さらにその装着状
態を安定化させるために、筆記具における小円環11a
の前後となる位置にストッパー26を取り付けてもよ
い。短パイプ22がはめ込まれている小円環11aで
は、筆記具を装着し易くするような略真円などの形状が
確保されるが、装着し易いということは外れ易いことに
もなる。そこで、上記ストッパー26を用いることで、
筆記具の装着状態をより安定化させることができる。
【0179】上記ストッパー26としては特に限定され
ないが、たとえば、市販されている管状の筆記具の滑り
止め部材(スポンジ状材料やゴム材料などで成形されて
いる)を適切な長さに切断して用いることができる。
【0180】上述した本発明にかかる矯正補助具は、前
述した従来の持ち方矯正被把持棒や持ち方矯正補助具
(型による成形品)と同様の機能を発揮できる上、特
に、ゴムバンドなどの弾性により上記成形品では得るこ
とのできない機能、特に、一対の被把持棒を自由に動か
すことができる柔軟性と、強固に被把持棒を結びつける
固定性という相反する働きを同時に発揮することが可能
となっている。ただし、被把持棒の正しい持ち方におい
て、各指をより一層確実に位置規定するには、本発明者
による上記従来の持ち方矯正被把持棒や持ち方矯正補助
具を用いることがより好ましい。
【0181】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる被把持棒
の持ち方矯正補助具は、円環部材と、該円環部材を組み
合わせることが可能な形状を有しており、少なくとも一
方が被把持棒である一対の棒状部材の間で一定の間隔を
保持する間隔保持部材とを含み、該間隔保持部材には、
上記円環部材を組み合わせた状態で、互いに対向する位
置から円環部材がはみ出るようになっており、このはみ
出た円環部材により、上記棒状部材をそれぞれ装着可能
とする一対の小円環が形成されるとともに、上記円環部
材および間隔保持部材の何れか一方のみが弾性を有し伸
縮可能となっている構成である。
【0182】上記構成では、矯正補助具を取り付けた被
把持棒を把持すると、過剰な力が入り易い親指が自然に
軽く当接するのみとなるとともに、人差指および中指が
被把持棒を動かす主体となるように十分に当接する。そ
れゆえ、被把持棒が容易に動かせるようになる。しか
も、円環部材または間隔保持部材の弾性によって被把持
棒の位置は容易に元に戻り、その把持状態がずれること
がなくなる。その結果、本発明にかかる矯正補助具を用
いれば、容易、確実かつ効率的に箸の正しい持ち方を身
につけることができるという効果を奏する。
【0183】しかも、上記構成においては、一般的に市
販されている輪ゴムやチューブ類を用いてこれらを組み
合わせるのみで形成できるという非常に簡素な構成を有
している。それゆえ、従来の矯正補助具よりもさらに一
層安価となり、たとえば本発明にかかる矯正補助具を無
料配付に用いることができるという効果を奏する。
【0184】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記円環部材が、弾性を有し伸縮可能となっている
弾性円環部材であることが好ましく、該弾性円環部材
が、一定の幅を有する帯状のゴムバンドであることがよ
り好ましい。
【0185】上記構成では、弾性円環部材の弾性による
バネ作用によって該被把持棒の位置が容易に元に戻るた
め、本発明にかかる矯正補助具を正しい持ち方で把持す
れば、被把持棒を使用して各指にかかる力を変化させて
もその把持状態がずれることがなくなる。その結果、容
易、確実かつ効率的に被把持棒の正しい持ち方を身につ
けることができるという効果を奏する。
【0186】しかも、弾性円環部材としてゴムバンドを
用いれば、このような形状のゴムバンドは市販品の輪ゴ
ムに十分含まれることになる。それゆえ、本発明にかか
る矯正補助具を作成するに当たっては、特別な内径を有
するゴムバンドを新たに成形する必要がなく、それゆえ
ゴムバンドの押出成形に用いる型も特別なものでなく一
般的なものを用いることができる。その結果、矯正補助
具をより一層低価格にすることができるという効果を奏
する。
【0187】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記間隔保持部材が管状部材であり、該管状部材の
中空部に上記円環部材を挿入して組み合せた状態で、両
端部に形成される各開口部からはみ出た円環部材によっ
て上記一対の小円環が形成されることが好ましい。
【0188】上記構成では、管状部材であれば、中空部
に弾性円環部材を挿入するだけで、小円環を形成した組
み合わせ状態を容易に実現することができるとともに、
管状部材としては、一般的に市販されているチューブ類
を好適に用いることができるので、従来の矯正補助具よ
りもさらに一層安価とすることができる。その結果、た
とえば本発明にかかる矯正補助具を無料配付に用いるこ
とができる程度にまで安価とすることができるという効
果を奏する。
【0189】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記管状部材が、その外周面の長手方向に沿って中
空部につながるように形成される線状の切り欠き部を有
していてもよい。
【0190】上記構成では、上記切り欠き部から弾性円
環部材を容易に中空部に挿入して組み込んだ状態とする
ことができる。さらに、組み込んだ状態の弾性円環部材
を回転させるだけで組み合わせた状態を十分に安定させ
ることができるとともに、弾性円環部材が切り欠き部に
直面するように回転させれば弾性円環部材を容易に取り
外すことができるという効果を奏する。
【0191】また、上記被把持棒の持ち方矯正補助具に
おいては、上記間隔保持部材が、上記一対の小円環を形
成するように円環部材を挟み込むことが可能なハサミ状
部材となっていてもよい。
【0192】上記構成では、たとえばハサミ状部材が一
対の平板の間に弾性円環部材を挟み込むようになってい
るとすれば、各平板における挟み込みの力と弾性円環部
材の弾性との拮抗作用によって、ハサミ状部材と弾性円
環部材との組み合わせ状態が安定化し、上記各管状部材
と同様の矯正補助具を得ることができるという効果を奏
する。しかも、一対の平板などのような挟み込み部に弾
性円環部材を挟み込むだけで組み合わせ状態を実現でき
るので、矯正補助具をより一層容易に組み合わせること
ができるという効果も併せて奏する。
【0193】さらに、上記被把持棒の持ち方矯正補助具
においては、上記間隔保持部材が、上記一対の小円環を
形成するように、円環部材の内側で固定される塊状部材
となっていてもよい。
【0194】上記構成では、弾性円環部材の内側に間隔
保持部材となる塊状部材を配置して固定する。それゆ
え、弾性円環部材と間隔保持部材とが分離可能とはなら
ないものの、これらが完全に固定されるので、矯正補助
具としての安定性をより一層向上させることができると
いう効果を奏する。
【0195】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、あるいは、上記間隔保持部材がコイル状部材であ
り、該コイル状部材の中空部に上記円環部材を挿入して
組み合せた状態で、両端部に形成される各開口部からは
み出た円環部材によって上記一対の小円環が形成される
ようになっていてもよい。
【0196】上記構成では、コイル状部材とたとえば弾
性円環部材とを組み合わせた矯正補助具を用いると、小
円環に被把持棒を装着した状態で、弾性円環部材の弾性
とコイル状部材の巻き回し部が密着した状態での形状安
定性とによって、被把持棒がコイル状部材と弾性円環部
材とで挟持されて安定化するとともに、被把持棒の間で
一定の間隔を確保することができる。したがって、上記
管状部材と同様の矯正補助具を得ることができるという
効果を奏する。
【0197】しかも、たとえば、上記コイル状部材を用
いた矯正補助具を取り付けた箸を把持した場合、上記コ
イル状部材は、弾性円環部材の収縮作用で安定した間隔
保持部材となる一方、各巻き回し部同士が接着されてい
ないため、把持した際の親指の配置に合わせて巻き回し
部をずらすことが可能となる。その結果、コイル状部材
を親指の配置に沿った状態にすることができ、より親指
の位置規定を確実なものとすることもできるという効果
を奏する。
【0198】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、さらに、上記小円環にはめ込んだ状態で、装着され
る被把持棒の外径に合わせて変化する小円環の内径を一
定に保持する小円環内径保持部材を含んでいてもよい。
【0199】上記構成では、上記小円環内径保持部材を
小円環にはめ込めば、小円環の形状をほぼ完全な円環状
(略真円状)に保持することができる。そのため、小円
環に対して被把持棒を装着し易くすることができるとい
う効果を奏する。
【0200】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記間隔保持部材が、複数の連続したひだ部を備
え、弾性を有し伸縮可能となっている蛇腹状部材であ
り、該蛇腹状部材の中空部に上記円環部材を挿入して組
み合せた状態で、両端部に形成される各開口部からはみ
出た円環部材によって上記一対の小円環が形成されるよ
うになっていてもよい。
【0201】上記構成では、円環部材はほとんど伸縮し
ないものの間隔保持部材である蛇腹状部材が弾性と伸縮
性とを有している。そのため、蛇腹状部材が被把持棒の
間を離間させて一定の間隔を保持するとともに、蛇腹状
部材の離間力と形状安定性を有する円環部材との挟持に
より、被把持棒の装着状態を安定化させることができ
る。その結果、上記管状部材を用いた矯正補助具と同様
の機能を発揮する矯正補助具を得ることができるという
効果を奏する。
【0202】上記被把持棒の持ち方矯正補助具において
は、上記間隔保持部材における小円環が形成される近傍
が、互いに略平行な被把持棒の当接面となっており、こ
の当接面が被把持棒の離間方向に略直交する方向に対し
て傾斜している傾斜面として形成されていることが好ま
しい。
【0203】上記構成では、上記傾斜面を有する間隔保
持部材と円環部材とを組み合わせた矯正補助具を被把持
棒に取り付けると、矯正補助具(間隔保持部材)は、被
把持棒の間(または被把持棒と棒状部材との間)で傾斜
した状態となる。それゆえ、このような矯正補助具を取
り付けた被把持棒を把持すると、間隔保持部材の傾斜方
向と親指の配置方向とがほぼ平行となるので、矯正補助
具によって親指の位置をより的確に規定することができ
る。それゆえ、より正しい持ち方を実現することができ
るという効果を奏する。
【0204】なお、本発明では、被把持棒として箸が好
適に用いられる。すなわち、箸は2本一組となっている
ので、一対の小円環に装着可能な被把持棒としては好適
なものである。しかしながら、上記一対の小円環には、
何れか一方に被把持棒が装着されていればよく、それゆ
え一方に1本で使用する被把持棒、たとえば筆記具を装
着し、他方に筆記具の把持を妨げない程度の長さを有す
る何らかの棒状部材を装着するだけで、筆記具の持ち方
矯正にも利用することができる。それゆえ、本発明にか
かる矯正補助具は非常に汎用性に優れたものとなってい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる被把持棒の
持ち方矯正補助具を、被把持棒としての箸に取り付けた
状態を示す概略平面図である。
【図2】(a)は、図1に示す矯正補助具を構成するゴ
ムバンドを示す概略斜視図であり、(b)は図1に示す
矯正補助具を構成する管状スペーサを示す概略斜視図で
あり、(c)は、上記ゴムバンドおよび管状スペーサを
組み合わせてなる、図1に示す矯正補助具を示す概略斜
視図である。
【図3】(a)〜(c)は、図2(b)に示す管状スペ
ーサの他の例を示す説明図である。
【図4】正しい箸の持ち方を示す概略説明図である。
【図5】(a)は、図2(a)に示すゴムバンドの内径
を示す説明図であり、(b)は上記ゴムバンドを「押し
潰した」状態の長さを示す説明図であり、(c)は、図
2(c)に示す矯正補助具における小円環の内径を示す
説明図である。
【図6】図1に示す矯正補助具を取り付けた箸を把持し
た状態のうち、箸の先端部を閉じた状態を示す説明図で
ある。
【図7】図1に示す矯正補助具を取り付けた箸を把持し
た状態のうち、箸の先端部を開いた状態を示す説明図で
ある。
【図8】図6または図7に示す、矯正補助具を取り付け
た箸を把持した状態において、2本の箸で形成される平
面Aを仮定し、この平面内で箸を動かす状態を示す説明
図である。
【図9】(a)は、本発明の第2の実施の形態にかかる
矯正補助具の構成を示す概略斜視図であり、(b)は
(a)におけるB−B線矢視断面図であり、(c)は、
上記矯正補助具に用いられる管状スペーサの例を示す説
明図である。
【図10】(a)〜(c)は、図9(c)に示す管状ス
ペーサにゴムバンドを挿入して図9(a)に示す矯正補
助具とする過程を、図9(b)に示す断面図に対応させ
て示す説明図である。
【図11】(a)は、本発明の第3の実施の形態にかか
る矯正補助具の構成を示す概略斜視図であり、(b)
は、上記矯正補助具に用いられる傾斜管状スペーサの例
を示す説明図である。
【図12】図11(a)に示す矯正補助具を、被把持棒
としての箸に取り付けた状態を示す概略平面図である。
【図13】図12に示す矯正補助具を取り付けた被把持
棒としての箸を把持した状態を示す説明図である。
【図14】(a)は、図11(a)に示す矯正補助具に
用いられる傾斜ゴムバンドの構成を示す説明図であり、
(b)は上記傾斜ゴムバンドを傾斜スペーサに組み合わ
せた状態を示す概略側面図である。
【図15】(a)は、本発明の第4の実施の形態にかか
る矯正補助具を示す概略斜視図であり、(b)は、
(a)に示す矯正補助具に用いられるハサミ状スペーサ
の一例を示す概略斜視図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態にかかる矯正補助
具を示す概略斜視図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態にかかる矯正補助
具を示す概略平面図である。
【図18】図17に示す矯正補助具に用いられるコイル
状スペーサの延伸状態について説明する説明図である。
【図19】図17に示す矯正補助具を箸に取り付けた状
態を示す説明図である。
【図20】図19に示す矯正補助具を取り付けた被把持
棒としての箸を把持した状態を示す説明図である。
【図21】(a)は、本発明の第7の実施の形態にかか
る矯正補助具を示す概略斜視図であり、(b)は、上記
矯正補助具に用いられる短パイプの一例を示す概略斜視
図であり、(c)は、上記矯正補助具の概略側面図であ
る。
【図22】(a)は、本発明の第8の実施の形態にかか
る矯正補助具を構成するビニールバンドを示す概略斜視
図であり、(b)は上記矯正補助具を構成する蛇腹状ス
ペーサを示す概略斜視図であり、(c)は、上記ビニー
ルバンドおよび蛇腹状スペーサを組み合わせてなる矯正
補助具を示す概略斜視図である。
【図23】図22(c)に示す矯正補助具を、被把持棒
としての箸に取り付けた状態を示す概略平面図である。
【図24】本発明の第9の実施の形態として、図2
(c)に示す矯正補助具を筆記具としての鉛筆に装着し
た状態を示す概略平面図である。
【図25】図24に示す、矯正補助具を取り付けた筆記
具としての鉛筆を把持した状態を示す説明図である。
【図26】図24に示す矯正補助具において、さらに鉛
筆を装着する側の小円環に図21(b)に示す短パイプ
をはめ込んだ状態を示す概略平面図である。
【図27】図26に示す矯正補助具において、さらに鉛
筆の装着状態を安定化させるストッパーを小円環の両端
部に取り付けた状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
5 箸(被把持棒) 6 鉛筆(筆記具・被把持棒) 7 棒状部材 10 矯正補助具 11 ゴムバンド(円環部材・弾性円環部材) 11a 小円環 12 管状スペーサ(間隔保持部材・管状部材) 13 管状スペーサ(間隔保持部材・管状部材) 13a 切り欠き部 14 傾斜管状スペーサ(間隔保持部材・管状部材) 15 ハサミ状スペーサ(間隔保持部材・ハサミ状部
材) 16 固定スペーサ(間隔保持部材・塊状部材) 17 コイル状スペーサ(間隔保持部材・コイル状部
材) 18 蛇腹状スペーサ(間隔保持部材・蛇腹状部材) 20 矯正補助具 21 傾斜ゴムバンド(円環部材・弾性円環部材) 21a 小円環 22 短パイプ(小円環内径保持部材) 30 矯正補助具 31 ビニールバンド(円環部材) 31a 小円環 40 矯正補助具 50 矯正補助具 60 矯正補助具 70 矯正補助具

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円環部材と、該円環部材を組み合わせるこ
    とが可能な形状を有しており、少なくとも一方が被把持
    棒である一対の棒状部材の間で一定の間隔を保持する間
    隔保持部材とを含み、 該間隔保持部材には、上記円環部材を組み合わせた状態
    で、互いに対向する位置から円環部材がはみ出るように
    なっており、このはみ出た円環部材により、上記棒状部
    材をそれぞれ装着可能とする一対の小円環が形成される
    とともに、 上記円環部材および間隔保持部材の何れか一方のみが弾
    性を有し伸縮可能となっていることを特徴とする被把持
    棒の持ち方矯正補助具。
  2. 【請求項2】上記円環部材が、弾性を有し伸縮可能とな
    っている弾性円環部材であることを特徴とする請求項1
    記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  3. 【請求項3】上記弾性円環部材が、一定の幅を有する帯
    状のゴムバンドであることを特徴とする請求項2記載の
    被把持棒の持ち方矯正補助具。
  4. 【請求項4】上記間隔保持部材は管状部材であり、 該管状部材の中空部に上記円環部材を挿入して組み合せ
    た状態で、両端部に形成される各開口部からはみ出た円
    環部材によって上記一対の小円環が形成されることを特
    徴とする請求項1、2、または3記載の被把持棒の持ち
    方矯正補助具。
  5. 【請求項5】上記管状部材は、その外周面の長手方向に
    沿って中空部につながるように形成される線状の切り欠
    き部を有していることを特徴とする請求項4記載の被把
    持棒の持ち方矯正補助具。
  6. 【請求項6】上記間隔保持部材は、上記一対の小円環を
    形成するように円環部材を挟み込むことが可能なハサミ
    状部材となっていることを特徴とする請求項1、2、ま
    たは3記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  7. 【請求項7】上記間隔保持部材は、上記一対の小円環を
    形成するように、円環部材の内側で固定される塊状部材
    となっていることを特徴とする請求項1、2、または3
    記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  8. 【請求項8】上記間隔保持部材はコイル状部材であり、 該コイル状部材の中空部に上記円環部材を挿入して組み
    合せた状態で、両端部に形成される各開口部からはみ出
    た円環部材によって上記一対の小円環が形成されること
    を特徴とする請求項1、2、または3記載の被把持棒の
    持ち方矯正補助具。
  9. 【請求項9】さらに、上記小円環にはめ込んだ状態で、
    装着される被把持棒の外径に合わせて変化する小円環の
    内径を一定に保持する小円環内径保持部材を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載
    の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  10. 【請求項10】上記間隔保持部材は、複数の連続したひ
    だ部を備え、弾性を有し伸縮可能となっている蛇腹状部
    材であり、 該蛇腹状部材の中空部に上記円環部材を挿入して組み合
    せた状態で、両端部に形成される各開口からはみ出た円
    環部材によって上記一対の小円環が形成されることを特
    徴とする請求項1記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  11. 【請求項11】上記間隔保持部材における小円環が形成
    される近傍は、互いに略平行な被把持棒の当接面となっ
    ており、この当接面が、被把持棒の離間方向に略直交す
    る方向に対して傾斜している傾斜面として形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に
    記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
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