JP2002148933A - 弾性の半導電性ロール及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

弾性の半導電性ロール及びこれを備えた画像形成装置

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JP2002148933A
JP2002148933A JP2000338029A JP2000338029A JP2002148933A JP 2002148933 A JP2002148933 A JP 2002148933A JP 2000338029 A JP2000338029 A JP 2000338029A JP 2000338029 A JP2000338029 A JP 2000338029A JP 2002148933 A JP2002148933 A JP 2002148933A
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Tsuneo Oki
恒雄 大木
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール表面のトナーへの電荷付与特性とコー
ト材層の最適化を行うことにより、カブリが少なく、ネ
ガ残像及びポジ残像による印字不良が発生しがたく、印
字耐久性を有する弾性の半導電性ロール及びこれを備え
た画像形成装置を提供する。 【解決手段】 導電軸体1の外周面に一層の半導電弾性
体層2を成形し、半導電弾性体層2の外周にコート材層
3を成形し、コート材層3の外周上に薄層状態で担持さ
れた摩擦帯電トナーにより、静電潜像担持体上に形成さ
れた静電潜像を可視化する現像装置に用いられる弾性の
半導電性ロールであって、コート材層3を、前もってカ
ップリング剤により前処理されたフィラーの添加配合さ
れた樹脂により成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式で画
像を形成する複写機、レーザビームプリンタ(LBP)、
ファクシミリ等で使用される弾性の半導電性ロール及び
これを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式等を採用する現像装置の現
像ロールとして用いられる半導電性ロールには、トナー
に対する電荷付与特性、導電性、耐環境性、低硬度、ト
ナー搬送性等の特性が要求される。このような要求に対
しては、ウレタンゴム、NBR、シリコーンゴム等を素
材とし、導電性付与剤としてイオン導電性物質あるいは
電子伝導性物質の添加により半導電性とされる弾性の半
導電性ロールが存在する。係る半導電性ロールには、機
械的特性だけではなく、初期印字特性や経時印字特性が
要求される。印字特性としては、特にトナー搬送性に起
因する印字濃度、トナー帯電特性に起因するカブリ、細
線の再現性等に加え、印字履歴に対する独立性として残
像のレベルがあげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来における弾性の半
導電性ロールは、以上のように構成されているので、最
外周のコート材層の表面粗さRzを大きくすると、トナ
ー搬送特性が向上するものの、カブリの増加を生じやす
く、同時に粒状性の低下を招きやすいという問題があ
る。このカブリ対策としては、例えばアミノ基のような
電子供与性の官能基を有するカップリング剤をコート材
層中に直接添加する方法、あるいはカップリング剤をコ
ート材層の表面に直接塗布する方法があげられる。
【0004】しかしながら、印字速度の高速化と印字画
像の高品質化とが同時に進む状況下において、より多く
のトナーを短時間で均一に帯電させることが重要な課題
となってきている。このため、コート材層の表面形状的
因子の印字画像への寄与率が高くなり、トナーに対する
電荷付与特性とコート材層厚の両立が必要になる。さら
に、印字画像の高品質化が進むに伴い、印字履歴に起因
する残像と呼ばれる画像濃度のムラ(現像ロールが1周
目に印字した部分と2周目以降の印字部とに画像濃度の
低下(以下、ネガ残像と呼ぶ)又は増加(以下、ポジ残像
と呼ぶ)が見られる現象)現象の発生が従来にも増して問
題視されてきている。
【0005】本発明は、上記に鑑みなされたもので、ロ
ール表面のトナーへの電荷付与特性とコート材層の最適
化を図ることにより、カブリが少なく、ネガ残像及びポ
ジ残像による印字不良が発生しがたく、しかも、印字耐
久性を兼ね備えた弾性の半導電性ロール及びこれを備え
た画像形成装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、導電軸体の周面に直
接的又は間接的に少なくとも一層の半導電弾性体層を形
成し、この半導電弾性体層の外周にコート材層を形成
し、このコート材層の外周上に薄層状態で担持された摩
擦帯電トナーにより、静電潜像担持体上に形成された静
電潜像を可視化する現像装置に用いられるものであっ
て、少なくとも上記コート材層が、前もってカップリン
グ剤により前処理されたフィラーを添加配合された樹脂
で形成されていることを特徴としている。
【0007】なお、上記カップリング剤が下記の(式1)
で表わされることが好ましい。 Xn−M−(OR)4-n …(式1) (nは1又は2を示し、Xは同種又は異種の官能基で、
ビニル基、エポキシ基、アミノ基、アクリル基、メタク
リル基、メルカプト基等の有機官能基を一つ以上含む原
子団を示し、ORは同種又は異種の官能基で、メトキシ
基、エトキシ基、クロル等の加水分解性基を一つ以上含
む原子団を示し、MはSi、Ti、Alの中から選択さ
れる一つの元素を示す) また、請求項3記載の発明においては、上記課題を達成
するため、請求項1又は2記載の弾性の半導電性ロール
を現像に用いることを特徴としている。
【0008】ここで、特許請求の範囲における導電軸体
は、一端部が接地あるいはバイアス電圧が印加されるこ
とにより、静電潜像担持体の帯電、トナーへの電荷の注
入、トナーの吸着、静電潜像担持体へのトナーの搬送に
よる静電潜像の現像性能を得るものであり、外周に形成
される半導電弾性体層の支持体である。半導電弾性体層
は、現像工程の電極、トナーへの接触帯電、電荷注入用
の電極として機能するものであるとともに、導電軸体の
周面に直接設けられるか、あるいは他の層を介して間接
的に設けられるものであり、そのゴム弾性により当接し
た感光体との間で現像電界を形成する。また、半導電弾
性体層の外周にコート材層として形成されるコート材層
は、その表面の凹凸、ファンデルワールス力、鏡像力、
クーロン力等により、表面にトナーを担持して搬送する
よう機能する。なお、明細書中でいうカブリ特性は、ト
ナーの電荷量の分布を一定範囲の中でシャープにするこ
とにより改善されることが知られている。本発明におい
ては、後述する処理フィラーで帯電を制御する。
【0009】本発明によれば、少なくともコート材層
を、前もってカップリング剤により前処理されたフィラ
ーの添加配合された樹脂で形成するので、トナーに対す
る電荷特性を制御することができる。また、コート材層
の凹凸により、トナーと処理フィラーのカップリング剤
の官能基との接触確率が高まり、さらにコート材層の凹
凸に基づく機械的搬送特性の向上により、濃度を維持し
ながらカブリを制御できるので、長期に亘り印字不良の
少ない高品位の印字画像を得ることが可能になる。コー
ト材層の凹凸の状態については、処理フィラーの粒径、
コート材層の乾燥・硬化条件を制御すれば調整すること
ができる。上記により、安定した印字特性(初期印字特
性及び経時印字特性)を有する弾性の半導電性ロールを
提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態を説明すると、本実施形態における弾性
の半導電性ロールは、図1(a)、(b)に示すように、導
電軸体1の外周に一層の半導電弾性体層2を成形し、こ
の半導電弾性体層2の外周に最外層としてコート材層3
を成形し、このコート材層3の外周上に薄層状態で担持
された摩擦帯電トナーにより、静電潜像担持体上に形成
された静電潜像を可視化する現像装置に用いられるもの
であって、コート材層3を、前もってカップリング剤に
より前処理されたフィラーの添加配合された樹脂で成形
するようにしている。
【0011】導電軸体1としては、導電性の材料からな
る芯体であれば、特に限定されるものではないが、鉄、
アルミニウム、SUS、真鍮で形成された芯金、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂製の芯金にメッキ処理を施したも
の、あるいは熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に導
電性付与剤としてカーボンブラック、金属粉末等が配合
された芯体等が使用される。
【0012】半導電弾性体層2は、ゴムやエラストマー
等を使用して形成される。図1(a)の半導電弾性体層2
はソリッドからなり、図1(b)の半導電弾性体層2はス
ポンジからなる。この半導電弾性体層2としては、シリ
コーンゴム、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム、ポリ
ウレタン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、
ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン‐
ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン‐プロピレン
ゴム、アクリルゴム、及びこれらの混合物にいわゆるゴ
ムあるいはエラストマーのいずれか一以上に、煙霧質シ
リカ、沈降性シリカ、補強性カーボンブラック等の充填
剤、導電性カーボンブラック、ニッケル、アルミニウ
ム、銅等の金属粉末、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化
物、硫酸バリウム、酸化チタン、又はチタン酸カリウム
等の芯材に酸化錫をコーティングした導電性充填剤等を
配合し、パーオキサイド、白金触媒存在下でのハイドロ
ジェンシロキサン、イソシアネート等の架橋剤と一緒に
混練したものが用いられる。
【0013】半導電弾性体層2の成形方法としては、導
電軸体1と上記ゴムあるいはエラストマー組成物をクロ
スヘッド付きの押出機で一体化して分出しし、ギヤオー
ブンあるいはIR炉で一次加硫する方法、金型に導電軸
体1をセットし、ゴム組成物を注入し、常温又は加熱下
で一次加硫する方法、金型内で導電軸体1とゴム組成物
とを同時に加熱・圧縮成形する方法等があげられる。そ
の後、ギヤオーブン等で一定時間二次加硫を実施するこ
とにより、物性の安定化を図ることもできる。
【0014】上記成形品は、必要に応じて円筒研削盤、
ショットブラスター、サンドブラスター、ラッピング
機、バフ等により所定の表面状態(好ましくは、Rz3
〜15μm、Sm3〜30μm)に形成される。そして
その後、トナーへの帯電特性を改善するため、カップリ
ング剤で前もって処理されたフィラーの添加配合された
樹脂が、すなわちコート材層3が成形される。このコー
ト材層3の体積固有抵抗は、一般的に101〜109Ω・
cmが好ましい。これは、コート材層3の体積固有抵抗
が101〜109Ω・cmの範囲から逸脱すると、カブリ
の発生、現像効率の低下、印字濃度の不適合、有機感光
体の絶縁破壊等の不具合が生じるからである。
【0015】コート材層3を形成する樹脂としては、特
に限定されるものではないが、アミノ基及び/又は水酸
基を有するものが好適である。一例を示すと、例えばア
ルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のア
ルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、ア
クリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹
脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、
ウレタン樹脂、これらの混合物等があげられる。このよ
うなコート材層3には、カップリング剤で処理されたフ
ィラー(以下、処理フィラーという)を任意の配合比で添
加混合したものが用いられる。この処理フィラーは、未
処理のフィラーとカップリング剤をヘンシェル型ミキサ
ー、V型ブレンダ等で混合処理する方法(乾式法とい
う)、カップリング剤の水溶液、アルコール等の溶液中
に分散した後、余分な溶剤分を除去・乾燥させる方法
(湿式法という)等で得られる。
【0016】カップリング剤としては、例えばビニルト
リクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)
シラン、β‐(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ‐メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ‐メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N‐
β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリメト
キシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アセ
トアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等があげ
られる。
【0017】処理フィラーとしては、煙霧質シリカ、湿
式シリカ、石英粉、珪藻土、カーボンブラック、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、フェライト、酸化チタン、チタ
ン酸バリウム、チタン酸カリウム、酸化錫、タルク、マ
イカ、グラファイト、炭酸マグネシウム、シリコーンレ
ジンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ポリ
メタクリル酸エチルパウダー、架橋ポリスチレンパウダ
ー、架橋ポリメタクリル酸ブチルパウダー、ポリアクリ
ル酸エステルパウダー等があげられる。
【0018】なお、コート材層3の架橋には、イソシア
ネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸
化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化
合物等の架橋剤が使用される。また、樹脂の組成物に導
電性の粉体やイオン伝導性の物質を加え、コート材層3
自体を半導電化するとさらに良い。
【0019】以上のような弾性の半導電性ロールを製造
する場合には、先ず、導電軸体1上にゴム組成物を所定
の条件下でロール状に成形して半導電弾性体層2を形成
し、この半導電弾性体層2の表面を所定の表面状態に仕
上げる。そしてその後、半導電弾性体層2の表面を前も
ってフィラー比表面積の0.05〜10倍の被覆面積と
なる量のカップリング剤で処理されたフィラー(好適に
は、フィラー比表面積の0.1〜5倍の被覆面積となる
量のカップリング剤で処理されたフィラー)の添加配合
された樹脂及び/又はエラストマーによりコートし、コ
ート材層3を形成すれば、半導電性ロールを製造するこ
とができる。
【0020】次に、図2は請求項3記載の発明の好まし
い実施形態を示すもので、本実施形態における画像形成
装置は、上記した弾性の半導電性ロールを現像ロール1
2に用い、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可
視化するようにしている。同図中、10は感光ドラム、
11は帯電ロール、12は現像ロール、13はトナー搬
送ロール、14は転写ロール、15はクリーニングロー
ル、16は攪拌機、17は摩擦帯電ブレード、18はL
EDアレイ、19は筐体、そして20は記録紙である。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る弾性の半導電性ロールの
実施例を比較例と共に説明する。 実施例 先ず、導電軸体1上にシリコーン系のプライマー・プラ
イマーNO16(信越化学株式会社製 商品名)を塗布
し、これをギヤオーブン中で150℃、10分間焼き付
け処理を実施した。導電軸体1としては、SUS22に
無電解メッキを施した直径10mm、長さ250mmの
シャフトを使用した。
【0022】導電性ゴム組成物の調製に際しては、メチ
ルビニルシリコーン生ゴム(信越化学株式会社製 商品
名KE‐78VBS)100重量部に、ジメチルビニル
シリコーン生ゴム(信越化学株式会社製 商品名KE‐
76VBS)10重量部、カーボンブラック(旭カーボン
株式会社製 商品名アサヒサーマル)10重量部、煙霧
質シリカ系充填材(日本アエロジル株式会社製 商品名
アエロジル2000)15重量部、白金触媒(信越化学株
式会社製 商品名C‐19A)0.5部、ハイドロジェ
ンシロキサン(信越化学株式会社製 商品名C‐19B)
2.4部を添加し、加圧ニーダで混練してシリコーンゴ
ム組成物を調製した。
【0023】次いで、押出機でシリコーンゴム組成物を
クロスヘッドにより一体化して分出しし、ギヤオーブン
中で300℃、15分間加熱加硫し、導電軸体1にφ2
0mmに加硫接着成形した。こうして加硫接着成形した
ら、ギヤオーブン中で200℃、4時間二次加硫し、円
筒研削盤で研磨して直径16mm、ゴム部の長さ210
mm、硬度50°(ASKER C)のゴムロールを形成
した。また、トナーへの電荷付与特性改善を目的として
シランカップリング剤(信越化学株式会社製商品名KB
M‐603)5.0重量%で導電性亜鉛華(堺化学株式会
社製 商品名ECZ‐50)100重量%をヘンシェル
型ミキサーを用いて処理した。
【0024】続いて、ゴムロールの表面に、ウレタン系
塗料(日本ポリウレタン株式会社製商品名ニッポラン3
022)100重量部に、トナーへの電荷付与特性制御
材として先にシランカップリング剤で処理した導電性酸
化亜鉛(堺化学株式会社製商品名ECZ‐50)20重量
部を添加し、ポットミルで8時間攪拌・分散し、ポリイ
ソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン株式会社製
商品名コロネート‐L)5重量部を添加し、スプレーコ
ーティングした。そして、150℃、30分間の条件で
加熱硬化し、実施例1のサンプルを作製した。
【0025】同様の方法で上記導電性酸化亜鉛(堺化学
株式会社製 商品名ECZ‐50)の添加量を50重量
部とし、実施例2のサンプルを作製した。次いで、シラ
ンカップリング剤をアルミネート系カップリング剤(味
の素株式会社製 商品名AL‐M)に代えるとともに、
導電性酸化亜鉛を石英粉末(龍森株式会社製 商品名ク
リスタライト)に代え、同様の方法で実施例3のサンプ
ルを作製した。さらに、実施例2のシランカップリング
剤をチタネート系カップリング剤(味の素株式会社製
商品名KR44)に代え、同様の方法で実施例4のサン
プルを作製した。
【0026】次に、実施例1、2、3、4のサンプルの
ゴムロールを、市販の負帯電トナーを用いた電子写真式
プリンタに現像ロールとして装着し、印字試験を実施し
て初期の印字から3,000枚印字後の印字特性を確認
した。その結果、初期及び経時においてカブリ、残像の
発生がなく、高品位の印字画像を得ることができた。ま
た同時に半導電性ロール表面の顕微鏡観察を実施した
が、トナーのフィルミング、ゴムロール材質の変質等の
異常はなんら発見されなかった(表1参照)。
【0027】比較例 実施例と同様の方法でシランカップリング剤での処理を
施していないフィラーを添加配合したコート材を用いた
ゴムロールを作製し、比較例1のサンプルとした。ま
た、実施例3において、アルミネート系カップリング剤
での処理を施していないフィラーを添加配合したコート
材を用いたゴムロールを作製し、比較例2のサンプルと
した。同様に、実施例1において、導電性酸化亜鉛(堺
化学株式会社製 商品名ECZ‐50)20重量部と、
シランカップリング剤(信越化学株式会社製 商品名K
BM‐603)1.0重量%とを別々に直接ウレタン系
塗料(日本ポリウレタン株式会社製 商品名ニッポラン
3022)に加えたものを用い、比較例3のサンプルを
得た。
【0028】次に、比較例1、2、3のサンプルのゴム
ロールについて、実施例と同様に印字試験を実施し、初
期の印字から3,000枚印字後の印字特性を確認し、
表1にまとめた。
【0029】
【表1】
【0030】表1の項目の測定方法 (1) 表面粗さ Rz、Sm共に、JIS B0601 1994の方式
により、周方向の粗さを測定した。 (2) 残 像 実施例のゴムロールサンプルを初期及び耐久性試験後に
電子写真式プリンタに組み込み、黒ベタ・網点・5%デ
ューティー・白地印字等を繰り返し、幅10mm、長さ
34.9mmの黒マス印字の後方に黒ベタ印字部を設け
たテスト印字パターンの黒マス印字部及び黒マス印字と
黒マス印字間(無印字部)直後の黒ベタ印字部のマクベス
濃度をマクベス濃度計を使用して測定し、その差をもっ
て残像とした。
【0031】(3) トナー付着量 市販のプリンタに現像ロールを装着し、5%デューティ
ーを印字している途中でプリンタの電源を切り、感光ド
ラムの未転写部分のトナー層を粘着テープ剥離法で剥離
し、単位面積当たりのトナー付着量を電子天秤で測定し
た。 (4) ロール抵抗 ゴムロールの全長よりも5mm長い金めっき電極の上に
ゴムロールを置き、このゴムロールの端部にそれぞれ5
00gの分銅をかけ、100Vの電圧をゴムロールの導
電軸体1とゴム表面との間に印加して抵抗値を測定し
た。
【0032】(5) 印字濃度 実施例のゴムロールサンプルを初期及び耐久性試験後に
電子写真式プリンタに組み込み、黒ベタ・網点・5%デ
ューティー・白地印字等を繰り返し、黒ベタ印字部のマ
クベス濃度をマクベス濃度計を使用して測定した。 (6) カブリ 実施例のゴムロールサンプルを初期及び耐久性試験後に
電子写真式プリンタに組み込み、黒ベタ・網点・5%デ
ューティー・白地印字等を繰り返し、5%デューティー
の白地部のマクベス濃度をマクベス濃度計を使用して測
定した。 (7) 黒ベタムラ 実施例のゴムロールサンプルを初期及び耐久性試験後に
電子写真式プリンタに組み込み、黒ベタ・網点・5%デ
ューティー・白地印字等を繰り返し、黒ベタ部の印字濃
度ムラの有無を目視判定した。
【0033】合否判定 (1) 印字濃度 初期、耐久後の濃度共、1.3未満のものについては不
合格とした。 (2) カブリ 初期、耐久後の濃度共、0.015を超えたものについ
ては不合格とした。 (3) 残 像 ネガ残像については−0.05〜+0.01を合格範囲
とし、ポジ残像については−0.05〜+0.05を合
格範囲とした。
【0034】(4) 黒ベタムラ 初期、耐久後共に、黒ベタ濃度にムラが確認されたもの
については、不合格とした。 (5) トナーフィルミング 耐久試験後のゴムロール表面を顕微鏡で観察し、フィル
ミングが確認されたものについては、不合格とした。
【0035】本実施例によれば、コート材層3を、前も
ってカップリング剤により前処理されたフィラーの添加
配合された樹脂により成形するので、印字濃度、カブ
リ、残像等の画像特性において良好な結果を得ることが
でき、トナーフィルミングも発生しなかった。良好な画
像特性が得られた理由は、トナーへの電荷付与特性を制
御すると同時にコート材層3の凹凸によりトナー処理と
フィラーのカップリング剤の官能基との接触効率が高ま
り、コート材層3の凹凸による機械的搬送性が向上した
ことによるものである。なお、図1(b)に示すスポンジ
製の半導電弾性体層2についても、同様に試験したが、
良好な印字特性を得ることができた。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ロール表
面のトナーへの電荷付与特性とコート材層を最適化し、
カブリが少なく、ネガ残像及びポジ残像による印字不良
も発生しがたく、しかも、印字耐久性を向上させること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性の半導電性ロールの実施形態
を示す図で、(a)図はソリッドからなる半導電弾性体層
を示す断面説明図、(b)図はスポンジからなる半導電弾
性体層を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る弾性の半導電性ロールを備えた画
像形成装置の実施形態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 導電軸体 2 半導電弾性体層 3 コート材層 10 感光ドラム 11 帯電ロール 12 現像ロール 13 トナー搬送ロール 14 転写ロール 15 クリーニングロール 16 攪拌機 17 摩擦帯電ブレード 18 LEDアレイ 19 筐体 20 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 B Fターム(参考) 2H077 AD06 AD13 AE03 FA03 FA13 FA14 FA22 FA26 FA27 3J103 AA02 AA14 AA23 AA51 BA41 FA12 FA30 GA02 GA52 GA57 GA58 GA60 HA03 HA12 HA19 HA20 HA22 HA41 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 BB151 BB181 BC032 BG041 BG042 BG062 CK021 CP031 CP032 DA026 DA036 DE076 DE106 DE116 DE136 DE186 DE236 DJ006 DJ016 DJ046 DJ056 FA082 FB082 FB086 FB102 FB106 FB132 FB136 FB142 FB146 FB152 FB156 FD012 FD016 FD110 GQ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電軸体の周面に少なくとも一層の半導
    電弾性体層を形成し、この半導電弾性体層の外周にコー
    ト材層を形成し、このコート材層の外周上に薄層状態で
    担持された摩擦帯電トナーにより、静電潜像担持体上に
    形成された静電潜像を可視化する現像装置に用いられる
    弾性の半導電性ロールであって、 少なくとも上記コート材層が、前もってカップリング剤
    により前処理されたフィラーを添加配合された樹脂で形
    成されていることを特徴とする弾性の半導電性ロール。
  2. 【請求項2】 上記カップリング剤が下記の(式1)で表
    わされる請求項1記載の弾性の半導電性ロール。 Xn−M−(OR)4-n …(式1) (nは1又は2を示し、Xは同種又は異種の官能基で、
    ビニル基、エポキシ基、アミノ基、アクリル基、メタク
    リル基、メルカプト基等の有機官能基を一つ以上含む原
    子団を示し、ORは同種又は異種の官能基で、メトキシ
    基、エトキシ基、クロル等の加水分解性基を一つ以上含
    む原子団を示し、MはSi、Ti、Alの中から選択さ
    れる一つの元素を示す)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の弾性の半導電性ロ
    ールを現像に用いることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7288058B2 (en) * 2003-01-30 2007-10-30 Tokai Rubber Industries, Ltd. Semi-conductive roll

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