JP2002148756A - 熱現像感光材料及びその処理方法 - Google Patents

熱現像感光材料及びその処理方法

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JP2002148756A
JP2002148756A JP2000343080A JP2000343080A JP2002148756A JP 2002148756 A JP2002148756 A JP 2002148756A JP 2000343080 A JP2000343080 A JP 2000343080A JP 2000343080 A JP2000343080 A JP 2000343080A JP 2002148756 A JP2002148756 A JP 2002148756A
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Shigeto Goto
成人 後藤
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱現像時やPS版への焼き付け時の接着性や
帯電特性が良好で、黒ポツの発生が少なく、最高濃度部
(Dmax)が高く硬調な熱現像感光材料の提供。 【解決手段】 支持体の一方の面に、有機酸銀、ハロゲ
ン化銀、バインダー及び還元剤を含有する画像記録層を
有し、支持体の反対の面に複数の層からなるバックコー
ト層を有する熱現像感光材料において、前記バックコー
ト層の支持体または下引き層を設けた支持体に接する層
(バックコート層1)にフッ素原子を有する界面活性剤
を含有し、該バックコート層を設けた側の最表面の層
(バックコート層2)にケイ素原子を有する界面活性剤
を含有すること特徴とする熱現像感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料(以
下、熱現像記録材料、単に感光材料ともいう)及びその
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来印刷製版や医療の分野では、画像形
成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題とな
っており、近年では環境保全、省スペースの観点からも
処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー
・イメージセッターやレーザー・イメージャーにより効
率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成
することができる写真用途の光熱写真材料に関する技術
が必要とされている。この技術として、例えば、米国特
許第3,152,904号、同3,487,075号及
びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバ
ー写真材料(Dry Silver Photogra
phic Materials)」(Handbook
of Imaging Materials, Ma
rcelDekker,Inc.第48頁,1991)
等に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光
性ハロゲン化銀粒子、還元剤及びバインダーを含有する
熱現像感光材料が知られている。
【0003】これらの熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀
の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマト
リックス中に分散した状態で含有している。該熱現像感
光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、8
0℃〜140℃)に加熱することで現像される。加熱す
ることで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤と
の間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還
元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用
によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によ
って生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域
と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程
は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行す
る。
【0004】このような熱現像感光材料は、マイクロ感
材やレントゲンに使われてきたが、印刷感材としては一
部で使われているのみである。それは、得られる画像の
Dmaxが低く、階調が軟調なために、印刷感材として
は画質が著しく悪いからであった。
【0005】一方、近年レーザーや発光ダイオードの発
達により、600〜800nmに発振波長を有するスキ
ャナー適性を有する、感度、Dmaxが高く、かつ硬調
な感材の開発が強く望まれていた。また、簡易処理、ド
ライ化への要望も強くなっている。
【0006】ところで、米国特許第3,667,958
号には、ポリヒドロキシベンゼン類とヒドロキシルアミ
ン類、レダクトン類またはヒドラジン類を併用した熱現
像感光材料は高い画質識別性と解像力を有することが記
載されているが、この還元剤の組み合わせはカブリの上
昇を引き起こしやすいことがわかった。
【0007】また、米国特許5,464,738号や米
国特許第5,496,695号には、有機銀塩、ハロゲ
ン化銀、ヒンダードフェノール類、およびある種のヒド
ラジン誘導体を含む熱現像感光材料が開示されている。
【0008】しかし、これらのヒドラジン誘導体を用い
た場合には、十分満足なDmax、あるいは超硬調性が
得られず、また、黒ポツが発生して画質が悪化してしま
うという問題がある。
【0009】また、黒ポツを改良したヒドラジン誘導体
として特開平9−292671号、同9−304870
号、同9−304871号、同9−304872号、同
10−31282号等で開示されている。
【0010】さらに画像の再現性を改善したヒドラジン
誘導体として特開平10−62898号で記載されてい
るが、最高到達濃度、超硬調性、黒ポツの改良、小点再
現性、寸法安定性のすべてを満足するには至っていな
い。
【0011】また近年、処理の迅速化の必要性が高まっ
てきているが、従来の技術では接着性や帯電特性が悪化
したり、黒ポツの発生が多いという問題点があり、解決
する技術が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】熱現像時やPS版への
焼き付け時の接着性や帯電特性が良好で、黒ポツの発生
が少なく、最高濃度部(Dmax)が高く硬調な熱現像
感光材料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0014】1.支持体の一方の面に、有機酸銀、ハロ
ゲン化銀、バインダー及び還元剤を含有する画像記録層
を有し、支持体の反対の面に複数の層からなるバックコ
ート層を有する熱現像感光材料において、前記バックコ
ート層の支持体または下引き層を設けた支持体に接する
層(バックコート層1)にフッ素原子を有する界面活性
剤を含有し、該バックコート層を設けた側の最表面の層
(バックコート層2)にケイ素原子を有する界面活性剤
を含有すること特徴とする熱現像感光材料。
【0015】2.バックコート層1及びバックコート層
2中に前記一般式(1)で表される化合物を含有するこ
とを特徴とする前記1に記載の熱現像感光材料。
【0016】3.支持体の一方の面に、有機酸銀、ハロ
ゲン化銀、バインダー、還元剤を含有する画像記録層を
有し、支持体の反対の面に複数の層からなるバックコー
ト層を有する熱現像感光材料において、前記バックコー
ト層の支持体または下引き層を設けた支持体に接する層
(バックコート層1)に水酸基含有量が4〜20質量%
の樹脂を含有し、前記バックコート層を設けた側の最表
面の層(バックコート層2)に水酸基含有量が0.5〜
2.5質量%の樹脂を含有すること特徴とする熱現像感
光材料。
【0017】4.バックコート層1及びバックコート層
2に用いられる樹脂がセルロースエステルであること特
徴とする前記3に記載の熱現像感光材料。
【0018】5.感光層の全バインダーの50〜100
質量%としてポリマーラテックスを用い、溶媒の30〜
100質量%が水であることを特徴とする前記1〜4に
の何れか1項に記載の熱現像感光材料。
【0019】6.熱現像機の搬送速度が22mm/se
c〜40mm/secで処理することを特徴とする前記
1〜5の何れか1項に記載の熱現像感光材料の処理方
法。
【0020】以下、本発明を更に詳細に説明する。フッ
素原子を有する界面活性剤を用いた場合、接着性は良好
だが、ごみ付着、剥離帯電特性が悪化するのに対し、ケ
イ素原子有する界面活性剤を用いた場合、ごみ付着、剥
離帯電特性は良好だが、接着性が悪化する。このように
従来技術では支持体との接着性と帯電特性(ごみ付着、
剥離帯電特性)を両立に良好にすることはできなかっ
た。そこで両特性を良好にさせるために本発明者は検討
を重ねた結果、バックコート層を2層以上とし、バック
コート層1にフッ素原子を有する活性剤を用い、バック
コート層2にケイ素原子を含有する界面活性剤を用い、
上下層で機能分離することで、接着性と帯電特性の両特
性が良好になることを見いだした。
【0021】水酸基含有量が0.5〜2.5質量%の樹
脂では帯電特性は良好だが、接着性が悪化するのに対
し、水酸基含有量が4〜20質量%の樹脂では接着性は
良好だが、帯電特性が悪化する。
【0022】このように従来技術では支持体との接着性
と帯電特性(ごみ付着、剥離帯電特性)の両特性を良好
にすることができなかった。
【0023】また、両特性を良好にさせるために本発明
者は検討を重ねた結果、バックコート層を2層以上と
し、バックコート層1に水酸基含有量が4〜20質量%
の樹脂を用い、バックコート層2に水酸基含有量が0.
5〜2.5質量%の樹脂を用い上下層で機能分離するこ
とで、接着性と帯電特性の両特性を良好にできることを
見いだした。
【0024】本発明の請求項1のケイ素原子を有する界
面活性剤としては公知のものが使用可能であるが、疎水
基がメチルポリシロキサン、親水基がポリアルキレンオ
キサイドから構成される非イオン系の界面活性剤が好ま
しく用いられる。特に好ましく用いられる活性剤として
は下記に示す側鎖変性型と末端変性型がある。
【0025】
【化1】
【0026】Rは脂肪族基、水素原子、m、n、a、b
は0以上の整数を表す。Rで示す脂肪族基の炭素数は1
〜10であることが好ましく、m、n、a、bは0〜4
0の整数であることが好ましい。特にa=10〜15、
b=0である場合が好ましい。上記脂肪族基としては、
置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルケニル
基、置換、無置換のアルキニル基、置換、無置換のアラ
ルキル基を表す。
【0027】また本発明においてのフッ素原子有する界
面活性剤としては公知のものが使用可能であるが、ポリ
アルキレンオキサイドを含む活性剤が好ましく用いられ
る。好ましく用いられる活性剤として下記に示す化合物
が挙げられる。
【0028】(化合物1) RfO(OC24)nRf Rfはフッ素原子含有脂肪族基、nは1以上の整数を表
す。
【0029】nは10〜30である場合が好ましい。R
fは炭素数5〜15のフッ素原子を有する脂肪族がより
好ましい。
【0030】(化合物2) RfCH2CH(OH)CH2O(OC24)nCH2
H(OH)CH2Rf Rf:フッ素原子含有脂肪族基、nは1以上の整数を表
す。
【0031】nは10〜30である場合が好ましく、1
5〜20である場合が特に好ましい。Rfは炭素数の5
〜15のフッ素原子を有する脂肪族基がより好ましい。
【0032】バックコート層1に含まれるフッ素原子を
有する界面活性剤の質量は、バックコート層1に含まれ
るバインダーに対し、好ましくは2〜30質量%、より
好ましくは5〜20質量%である。
【0033】バックコート層2に含まれるケイ素原子を
有する界面活性剤の質量は、バックコート層1に含まれ
るバインダーに対し、好ましくは2〜30質量%、より
好ましくは5〜20質量%である。
【0034】前記一般式(1)においてRfで表される
フッ素原子を有脂肪族基としては、好ましくは炭素数5
〜15のものが用いられ、特に好ましくは7〜12であ
る。Mはアルカリ金属原子である。
【0035】RfSO3Mの質量は好ましくは、バック
コート層1及びバックコート層2中のバインダーに対
し、0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1
〜10質量%である。
【0036】本発明において、水酸基含有量が4〜20
質量%の樹脂の場合、好ましい水酸基含有量は4〜12
質量%、より好ましくは4〜8質量%である。また水酸
基含有量が0.5〜2.5質量%の樹脂の場合、好まし
い水酸基含有量は0.7〜2.2質量%、より好ましく
は1.0〜2.0質量%である。
【0037】本発明の請求項4のセルロースエステルと
してはセルロースアセテートブチレート、セルロースア
セテートプロピオネートがより好ましく用いられる。
【0038】本発明の請求項5の発明は、全バインダー
の50質量%以上としてポリマーラテックスを用いるこ
とが好ましく、80質量%以上のポリマーラテックスを
用いることがより好ましい。また溶媒の30質量%以上
が水であることが好ましく、60質量%以上が水である
ことがより好ましい。
【0039】本発明における層構成の好ましい例を以下
に示す。支持体の一方の面上に下引き層を設け、その上
に感光層を設け、さらにその上に感光層表面保護層を設
ける。下引き層(感光層側)は2層以上からなることが
好ましく、該下引き層の総乾燥膜厚は0.2〜5μmが
好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。感
光層の乾燥膜厚は5〜13μmであるのが好ましく、7
〜11μmであるのがより好ましい。感光層表面保護層
の乾燥膜厚は2〜10μmであるのが好ましく、4〜8
μmであるのがより好ましい。感光層表面保護層にはマ
ット剤を含有するのが好ましい。マット剤の平均粒径は
1〜10μmが好ましく、3〜7μmであるのがより好
ましい。マット剤としては公知のフィラーが使用できる
が、ポリメチルメタクリレート等の有機質粉末を使用す
ることが好ましい。
【0040】本発明は、支持体の他方の面上に下引き層
を設け、その上にバックコート層1を設け、さらにその
上にバックコート層2を設けることを特徴としている。
下引き層(バックコート層側)は2層以上からなること
が好ましく、支持体に最も近い下引き層は導電性の金属
酸化物及び/または導電性ポリマーを含有する帯電防止
層であることが好ましい。導電性の金属酸化物としては
Sbで表面処理されたSnO2が、導電性ポリマーとし
てはポリアニリンが好ましい。該下引き層の総乾燥膜厚
は0.2〜4μmが好ましく、0.5〜2μmであるの
がより好ましい。バックコート層の乾燥膜厚は2〜10
μmであるのが好ましく、4〜8μmであるのがより好
ましい。バックコート層1にはアンチハレーション染料
を含むことが好ましい。バックコート層2の乾燥膜厚は
2〜10μmであるのが好ましく、4〜8μmであるの
がより好ましい。バックコート層2にはマット剤を含有
するのが好ましい。
【0041】マット剤としては公知のフィラーが使用で
きるが、ポリメチルメタクリレート等の有機質粉末を使
用することが好ましい。マット剤の平均粒径は1〜10
μmが好ましく、3〜7μmであるのがより好ましい。
上記した層構成、膜厚構成をとることで本発明の効果を
よりよく発揮することができる。
【0042】本発明の画像記録層、画像記録保護層、バ
ックコート層、下引き層に用いられるバインダーとして
は、特に制限はなく、例えば、疎水性樹脂及び親水性樹
脂のいずれでもよく、それぞれの適性に応じて使い分け
られる。
【0043】疎水性樹脂を用いた場合、熱現像後のカブ
リを低減させる等の利点を有し、好ましい疎水性のバイ
ンダーとしては、ポリビニルブチラール樹脂、セルロー
スアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙
げられる。その中でもポリビニルブチラール樹脂、セル
ロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂は特に好
ましく用いられる。
【0044】また、親水性樹脂としては、例えばアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ゴム系樹脂(例えばS
BR樹脂やNBR樹脂)、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などがある。ま
た、上記樹脂としては単一の単量体が重合した単一重合
体でもよいし、2種以上の単量体が共重合した共重合体
でもよく、構造が直鎖状のものでも枝分かれしたもので
もよい。さらに樹脂同士が架橋されているものでもよ
い。
【0045】この様な樹脂は、市販もされていて以下の
ようなものが利用できる。アクリル樹脂としては、例え
ば、セビアンA−4635、46583、4601(以
上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol LX81
1、814、820、821、857(以上日本ゼオン
(株)製)等。ポリエステル樹脂としては、例えば、F
INETEX ES650、611、679、675、
525、801、850(以上大日本インキ化学(株)
製)、WDsize WHS(イーストマンケミカル
製)等。ポリウレタン樹脂としては、例えば、HYDR
AN AP10、20、30、40、101H、HYD
RAN HW301、310、350(以上大日本イン
キ化学(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としては、
例えば、L502、L513、L123c、L106
c、L111、L114(以上旭化成工業(株)製)な
ど、塩化ビニル樹脂としては、例えば、G351、G5
76(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリオレフィン
樹脂としては、例えば、ケミパールS−120、S−3
00、SA−100、A−100、V−100、V−2
00、V−300(以上三井石油化学(株)製)などが
ある。本発明におけるバインダーは、これらのポリマー
を単独で用いてもよいし、2種類以上ブレンドして用い
てもよい。
【0046】また、これらの樹脂は、−SO3M、−O
SO3M、−PO(OM12及び−OPO(OM1
2(但し、Mは水素原子又はNa、K、Li等のアルカ
リ金属原子を表し、M1は水素原子、Na、K、Li等
のアルカリ金属原子又はアルキル基を表す)から選ばれ
る少なくとも1種の極性基を有することが好ましく、中
でも−SO3Na,−SO3K,−OSO3Na,−OS
3Kを有することが好ましい。バインダーの分子量
は、重量平均分子量で通常5000〜100000であ
り、好ましくは10000〜50000である。画像記
録層に用いられるバインダーは、これらの中でもアクリ
ル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ゴム系樹脂、ポリ
ウレタン、ポリエステルが好ましく、スチレン−ブタジ
エン樹脂、ポリウレタン、ポリエステルがより好まし
い。バインダーのガラス転移温度(Tg)は、好ましく
は45〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃で
ある。画像記録保護層やバックコート層に用いられるバ
インダーは、これらの中でもセルロース樹脂、アクリル
樹脂、ポリウレタンが好ましい。バインダーのガラス転
移温度(Tg)は好ましくは75〜200℃、より好ま
しくは100℃〜160℃である。
【0047】次に、本発明の熱現像記録材料について、
以下に説明する。本発明において、有機銀塩は還元可能
な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸
及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ま
しくは15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及
び含窒素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.
0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機
の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Rese
arch Disclosure(以降、単にRDと略
す)第17029及び29963に記載されており、次
のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ
酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン
酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例え
ば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−
(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿
素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸
(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチ
ルアルデヒドのようなアルデヒド類とサリチル酸、ベン
ジル酸3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジ
サリチル酸のようなヒドロキシ置換酸類)とのポリマー
反応生成物の銀錯体;チオン類の銀塩又は錯体(例え
ば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメ
チル−4−チアゾリン−2−チオン及び3−カルボキシ
メチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオン);
イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−
チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−
ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾト
リアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体または
塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の
銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げられる。好ましい
銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸銀および/またはステ
アリン酸銀である。
【0048】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェット法によ
り、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶
を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させても
よい。
【0049】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、光セ
ンサーとして機能するものである。本発明においては、
画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を
得るために平均粒子サイズは小さい方が好ましく、平均
粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01
〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好まし
い。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立
方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハ
ロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場
合、例えば、球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合に
は、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの
直径をいう。またハロゲン化銀粒子は単分散であること
が好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められ
る単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%
以下であり、特に好ましくは0.1〜20%となる粒子
である。
【0050】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下で、かつ単分散粒子であることがより好まし
く、この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0051】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における
〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用した
T.Tani;J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0052】また、もう一つの好ましいハロゲン化銀粒
子の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子と
は、投影面積の平方根を粒径rμmとして、垂直方向の
厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以
上のものをいう。その中でも好ましくは、アスペクト比
が3以上、50以下である。また粒径は0.1μm以下
であることが好ましく、さらに0.01〜0.08μm
が好ましい。これらは米国特許第5,264,337
号、同5,314,798号、同5,320,958号
等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得るこ
とができる。本発明においてこれらの平板状粒子を用い
た場合、さらに画像の鮮鋭性も向上する。
【0053】ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳
剤は、P.Glafkides著Chimie et
Physique Photographique(P
aul Montel社刊、1967年)、G.F.D
uffin著 Photographic Emuls
ion Chemistry(The Focal P
ress刊、1966年)、V.L.Zelikman
et al著Making and Coating
Photographic Emulsion(Th
e Focal Press刊、1964年)等に記載
された方法を用いて調製することができる。
【0054】本発明に用いられるハロゲン化銀には、照
度不軌改良や改良調整のために、元素周期律表の6族か
ら10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有す
ることが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、C
o、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、I
r、Pt、Auが好ましい。
【0055】ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキ
ュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗に
より脱塩することができるが、本発明においては脱塩し
てもしなくてもよい。
【0056】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、化学
増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法と
しては、当業界でよく知られているように硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジ
ウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法
を適宜選択して用いることができる。
【0057】本発明においては、記録材料の失透を防ぐ
ためには、ハロゲン化銀粒子及び有機銀塩の総量は、銀
量に換算して1m2当たり0.3〜2.2gであり、
0.5g〜1.5gがより好ましい。この範囲にするこ
とで硬調な画像が得られる。また、銀総量に対するハロ
ゲン化銀の量は、質量比で50%以下、好ましくは25
%以下、更に好ましくは0.1〜15%の間である。
【0058】本発明に使用する分光増感色素は、必要に
より、例えば、特開昭63−159841号、同60−
140335号、同63−231437号、同63−2
59651号、同63−304242号、同63−15
245号等の各公報、米国特許第4,639,414
号、同第4,740,455号、同第4,741,96
6号、同第4,751,175号、同第4,835,0
96号等の各明細書に記載された各増感色素を使用する
ことができる。本発明に使用される有用な増感色素は、
例えば、RD Item第17643IV−A項(197
8年12月p.23)、同Item1831X項(19
78年8月p.437)に記載もしくは引用された文献
に記載されている。特に、各種スキャナー光源の分光特
性に適合した分光感度を有する増感色素を、有利に選択
することができ、例えば、特開平9−34078号、同
9−54409号、同9−80679号記載の増感色素
が好ましく用いられる。
【0059】本発明の熱現像記録材料は硬調化剤を含有
し、硬調化剤として下記一般式(H)で表されるヒドラ
ジン誘導体、一般式(G)で表される化合物、一般式
(P)で表される4級オニウム化合物、一般式(A)〜
(D)で表される化合物及びヒドロキシアミン、アルカ
ノールアミン、フタル酸アンモニウム化合物が挙げら
れ、まず、下記一般式(H)で表されるヒドラジン誘導
体化合物について説明する。
【0060】
【化2】
【0061】式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよ
い脂肪族基、芳香族基、複素環基又は−G0−D0基を、
0はブロッキング基を表し、A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル
基又はオキザリル基を表す。ここで、G0は−CO−
基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11
−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G1
1)−基を表し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−
基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族
基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1
が存在する場合、それらは同じであっても異なってもよ
い。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。好ましいD0としては
水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基等が挙
げられる。
【0062】一般式(H)において、A0で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであり、特に
炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好
ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オ
クチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げられ、
これらは更に適当な置換基(例えば、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルファ
モイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換され
ていてもよい。
【0063】一般式(H)において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ
る。A0の芳香族基、複素環基及び−G0−D0基は置換
基を有していてもよい。A0として、特に好ましいもの
はアリール基及び−G0−D0基である。
【0064】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一つ含むことが
好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性写真
用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラス
ト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、
フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げられ、置
換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好まし
い。
【0065】一般式(H)において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0066】一般式(H)において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0067】更に好ましいヒドラジン誘導体は、下記一
般式(H−1)、(H−2)、(H−3)、(H−4)
で表される。
【0068】
【化3】
【0069】一般式(H−1)において、R11、R12
びR13はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアリール
基またはヘテロアリール基を表すが、アリール基として
具体的には、例えばフェニル、p−トリル、ナフチルな
どが挙げられる。ヘテロアリール基として具体的には、
例えばトリアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジン
残基、フラン残基、チオフェン残基などがあげられる。
また、R11、R12及びR13はそれぞれ任意の連結基を介
して結合しても良い。R11、R12及びR13が置換基を有
する場合、その置換基としては例えばアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ
基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基
もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含
む)、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、カルバモイル基、ウレタン基、カルボキシル基、イ
ミド基、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、ウレイド基、チオウレイド基、スルファモイルアミ
ノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒド
ラジノ基、4級のアンモニオ基、(アルキル、アリー
ル、またはヘテロ環)チオ基、メルカプト基、(アルキ
ルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはア
リール)スルフィニル基、スルホ基、スルファモイル
基、アシルスルファモイル基、(アルキルもしくはアリ
ール)スルホニルウレイド基、(アルキルもしくはアリ
ール)スルホニルカルバモイル基、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基、リン酸アミド基などが挙げられる。R
11、R12及びR13として好ましくはいずれもが置換もし
くは無置換のフェニル基であり、より好ましくはR11
12及びR13のいずれもが無置換のフェニル基である。
【0070】R14はヘテロアリールオキシ基、ヘテロア
リールチオ基を表すが、ヘテロアリールオキシ基として
具体的には、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、
インドリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、ベン
ズイミダゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオ
キシ基、ピラゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基等
が挙げられる。ヘテロアリールチオ基として具体的には
ピリジルチオ基、ピリミジルチオ基、インドリルチオ
基、ベンゾチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリルチオ
基、フリルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチオ
基、イミダゾリルチオ基等が挙げられる。R14として好
ましくはピリジルオキシ基、チエニルオキシ基である。
【0071】A1、A2は、ともに水素原子、又は一方が
水素原子で他方はアシル基(アセチル、トリフルオロア
セチル、ベンゾイル等)、スルホニル基(メタンスルホ
ニル、トルエンスルホニル等)、又はオキザリル基(エ
トキザリル等)を表す。好ましくはA1、A2ともに水素
原子の場合である。
【0072】一般式(H−2)において、R21は置換も
しくは無置換のアルキル基、アリール基またはヘテロア
リール基を表すが、アルキル基として具体的には、メチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、2−オクチル基、シク
ロヘキシル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙
げられる。アリール基及びヘテロアリール基として具体
的には、R11、R12及びR13と同様のものが挙げられ
る。また、R21が置換基を有する場合の置換基の具体的
な例としては、R11、R12及びR13の置換基と同様のも
のが挙げられる。R21として好ましくはアリール基また
はヘテロアリール基であり、特に好ましくは置換もしく
は無置換のフェニル基である。
【0073】R22は水素、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、ヘテロアリールアミノ基を表すが、アルキル
アミノ基として具体的には、メチルアミノ基、エチルア
ミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等
が挙げられる。アリールアミノ基としてはアニリノ基、
ヘテロアリール基としてはチアゾリルアミノ基、ベンズ
イミダゾリルアミノ基、ベンズチアゾリルアミノ基等が
挙げられる。R22として好ましくはジメチルアミノ基ま
たはジエチルアミノ基である。
【0074】A1、A2は、一般式(H−1)で記載した
1、A2と同様である。一般式(H−3)において、R
31、R32は各々一価の置換基を表すが、一価の置換基と
しては、水素原子、R11、R12及びR13の置換基として
挙げられた基が挙げられるが、好ましくは、水素原子、
アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキ
シ基、アミノ基が挙げられる。更に好ましくはアリール
基またはアルコキシ基である。特に好ましいのは、R31
とR32の少なくとも一つがtert−ブトキシ基である
ものであり、別の好ましい構造は、R31がフェニル基の
とき、R32がtert−ブトキシ基である。
【0075】G31、G32は、各々−(CO)p−基、−
C(=S)−、スルホニル基、スルホキシ基、−P(=
O)R33−基又はイミノメチレン基を表し、pは1又は
2の整数を表し、R33はアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオ
キシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アミ
ノ基を表す。但し、G31がスルホニル基のとき、G32
カルボニル基ではない。G31、G32として好ましくは、
各々−CO−基、−COCO−基、スルホニル基または
−CS−であり、より好ましくは互いに−CO−基また
は互いにスルホニル基である。
【0076】A1、A2は一般式(H−1)で記載したA
1、A2と同様である。一般式(H−4)において、
41、R42およびR43は一般式(H−1)における
11、R12およびR13と同義である。R41、R42および
43として好ましくはいずれもが置換もしくは無置換の
フェニル基であり、より好ましくはR41、R42及びR43
のいずれもが無置換のフェニル基である。R44、R
45は、各々無置換または置換アルキル基を表すが、具体
的な例としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基、
2−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ジフ
ェニルメチル基等が挙げられる。R44、R45として好ま
しくは互いにエチル基である。
【0077】A1、A2は一般式(H−1)で記載したA
1、A2と同様である。以下、一般式(H−1)〜(H−
4)で表される化合物の具体例を挙げるが本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0078】
【化4】
【0079】
【化5】
【0080】
【化6】
【0081】
【化7】
【0082】
【化8】
【0083】
【化9】
【0084】
【化10】
【0085】
【化11】
【0086】上記の一般式(H−1)〜(H−4)で表
される化合物は、公知の方法により容易に合成すること
ができ、例えば米国特許第5,464,738号明細書
又は同第5,496,695号明細書を参考にして合成
することができる。
【0087】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号明細
書、カラム11〜20に記載の化合物H−1〜H−2
9、米国特許第5,464,738号明細書、カラム9
〜11に記載の化合物1〜12である。これらのヒドラ
ジン誘導体は、公知の方法で合成することができる。
【0088】次に下記一般式(G)で表される化合物に
ついて説明する。
【0089】
【化12】
【0090】一般式(G)において、XとRはシスの形
で表示されているが、XとRがトランス型の場合も本発
明に含まれる。
【0091】一般式(G)において、Xは電子吸引性基
を表す。電子吸引性基とは、置換基定数σpが正の値を
とりうる置換基のことである。具体的には、置換アルキ
ル基(ハロゲン置換アルキル等)、置換アルケニル基
(シアノビニル等)、置換・未置換のアルキニル基(ト
リフルオロメチルアセチレニル、シアノアセチレニル
等)、置換アリール基(シアノフェニル等)、置換・未
置換のヘテロ環基(ピリジル、トリアジニル、ベンゾオ
キサゾリル等)、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基
(アセチル、トリフルオロアセチル、ホルミル等)、チ
オアセチル基(チオアセチル、チオホルミル等)、オキ
サリル基(メチルオキサリル等)、オキシオキサリル基
(エトキサリル等)、チオオキサリル基(エチルチオオ
キサリル等)、オキサモイル基(メチルオキサモイル
等)、オキシカルボニル基(エトキシカルボニル等)、
カルボキシル基、チオカルボニル基(エチルチオカルボ
ニル等)、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スル
ホニル基、スルフィニル基、オキシスルホニル基(エト
キシスルホニル等)、チオスルホニル基(エチルチオス
ルホニル等)、スルファモイル基、オキシスルフィニル
基(メトキシスルフィニル等)、チオスルフィニル基
(メチルチオスルフィニル等)、スルフィナモイル基、
スフィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ
基、N−カルボニルイミノ基(N−アセチルイミノ
等)、N−スルホニルイミノ基(N−メタンスルホニル
イミノ等)、ジシアノエチレン基、アンモニウム基、ス
ルホニウム基、ホスホニウム基、ピリリウム基、インモ
ニウム基が挙げられるが、アンモニウム基、スルホニウ
ム基、ホスホニウム基、インモニウム基等が環を形成し
たヘテロ環状のものも含まれる。σp値として0.30
以上の置換基が特に好ましい。
【0092】Wは、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン
原子、アシル基、チオアシル基、オキサリル基、オキシ
オキサリル基、チオオキサリル基、オキサモイル基、オ
キシカルボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル
基、オキシスルホニル基、チオスルホニル基、スルファ
モイル基、オキシスルフィニル基、チオスルフィニル
基、スルフィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イ
ミノ基、N−カルボニルイミノ基、N−スルホニルイミ
ノ基、ジシアノエチレン基、アンモニウム基、スルホニ
ウム基、ホスホニウム基、ピリリウム基、インモニウム
基を表す。Wとして表されるアルキル基としては、メチ
ル、エチル、トリフルオロメチル等が、アルケニル基と
してはビニル、ハロゲン置換ビニル、シアノビニル等
が、アルキニル基としてはアセチレニル、シアノアセチ
レニル等が、アリール基としてはニトロフェニル、シア
ノフェニル、ペンタフルオロフェニル等が、ヘテロ環基
としてはピリジル、ピリミジル、トリアジニル、スクシ
ンイミド、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられる。Wとしてはσ
p値が正の電子吸引性基が好ましく、更にはその値が
0.30以上のものが好ましい。
【0093】Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルケ
ニルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
オキシ基、アミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ア
ルケニルチオ基、アシルチオ基、アルコキシカルボニル
チオ基、アミノカルボニルチオ基、ヒドロキシ基又はメ
ルカプト基の有機又は無機の塩(例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩、銀塩等)、アミノ基、アルキルアミノ
基、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ基)、アシルア
ミノ基、オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環基(5〜
6員の含窒素ヘテロ環、例えばベンツトリアゾリル基、
イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基
等)、ウレイド基、スルホンアミド基を表す。XとW、
XとRはそれぞれ互いに結合して環状構造を形成しても
よい。XとWが形成する環としては、例えばピラゾロ
ン、ピラゾリジノン、シクロペンタンジオン、β−ケト
ラクトン、β−ケトラクタム等が挙げられる。Rの置換
基の内、好ましくはヒドロキシ基、メルカプト基、アル
コキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基又はメルカプト基の有機又は無機の塩、ヘテロ環基が
挙げられ、更に好ましくはヒドロキシ基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基又はメルカプト基の有機又は無機の
塩、ヘテロ環基が挙げられ、特に好ましくはヒドロキシ
基、ヒドロキシ基又はメルカプト基の有機又は無機の塩
が挙げられる。
【0094】また上記X及びWの置換基の内、置換基中
にチオエーテル結合を有するものが好ましい。
【0095】次に下記一般式(P)で表される化合物に
ついて説明する。
【0096】
【化13】
【0097】一般式(P)において、Qは窒素原子又は
燐原子を表し、R1、R2、R3及びR4は各々、水素原子
又は置換基を表し、X-はアニオンを表す。尚、R1〜R
4は互いに連結して環を形成してもよい。
【0098】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(ア
リル基、ブテニル基等)、アルキニル基(プロパルギル
基、ブチニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチ
ル基等)、複素環基(ピペリジニル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル
基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、
スルホラニル基等)、アミノ基等が挙げられる。
【0099】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。
【0100】R1〜R4で表される基は、各々ヒドロキシ
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル
基、スルホ基、アルキル基、アリール基等の置換基を有
してもよい。R1、R2、R3及びR4としては、各々水素
原子及びアルキル基が好ましい。
【0101】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0102】更に好ましくは下記一般式(Pa)、(P
b)又は(Pc)で表される化合物、及び下記一般式
〔T〕で表される化合物が用いられる。
【0103】
【化14】
【0104】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、各
々含窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表
し、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベ
ンゼン環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4
びA5で構成される複素環は、各々置換基を有してもよ
く、それぞれ同一でも異なっていてもよい。置換基とし
ては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、ハロゲン原子、アシル基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ス
ルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アミド基、スルファモイル基、カル
バモイル基、ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド
基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。A1
2、A3、A4及びA5の好ましい例としては、5〜6員
環(ピリジン、イミダゾール、チオゾール、オキサゾー
ル、ピラジン、ピリミジン等の各環)を挙げることがで
き、更に好ましい例として、ピリジン環が挙げられる。
【0105】BPは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基、−SO2−、−SO−、−O
−、−S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル
基、アリール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わ
せて構成されるものを表す。Bpとして好ましくは、ア
ルキレン基、アルケニレン基を挙げることができる。
【0106】R1、R2及びR5は、各々炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR 2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換或いは無置換のアル
キル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0107】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換或いは無置換のアリール置換アル
キル基が挙げられる。
【0108】Xp -は分子全体の電荷を均衡させるのに必
要な対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、
沃素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンス
ルホナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の
電荷を均衡さすに必要な対イオンの数を表し、分子内塩
の場合にはnpは0である。
【0109】
【化15】
【0110】上記一般式〔T〕で表されるトリフェニル
テトラゾリウム化合物のフェニル基の置換基R5、R6
7は、各々水素原子もしくは電子吸引性度を示すハメ
ットのシグマ値(σp)が負のものが好ましい。
【0111】フェニル基におけるハメットのシグマ値は
多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケミ
ストリー(Journal of Medical C
hemistry)20巻、304頁、1977年に記
載のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文等に見
ることが出来、特に好ましい負のシグマ値を有する基と
しては、例えばメチル基(σp=−0.17以下何れも
σp値)、エチル基(−0.15)、シクロプロピル基
(−0.21)、n−プロピル基(−0.13)、is
o−プロピル基(−0.15)、シクロブチル基(−
0.15)、n−ブチル基(−0.16)、iso−ブ
チル基(−0.20)、n−ペンチル基(−0.1
5)、シクロヘキシル基(−0.22)、アミノ基(−
0.66)、アセチルアミノ基(−0.15)、ヒドロ
キシ基(−0.37)、メトキシ基(−0.27)、エ
トキシ基(−0.24)、プロポキシ基(−0.2
5)、ブトキシ基(−0.32)、ペントキシ基(−
0.34)等が挙げられ、これらは何れも一般式〔T〕
の化合物の置換基として有用である。
【0112】nは1或いは2を表し、XT n-で表される
アニオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、
過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等
の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−
トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫
酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系
アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート
アニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、
セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等の高級脂
肪酸アニオン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに
酸根のついたもの等を挙げることができる。
【0113】上記4級オニウム化合物は公知の方法に従
って容易に合成でき、例えば上記テトラゾリウム化合物
はChemical Reviews vol.55
p.335〜483に記載の方法を参考にできる。
【0114】次に下記一般式(A)〜(D)で表される
化合物やヒドロキシルアミン、アルカノールアミン、フ
タル酸アンモニウムも挙げられる。
【0115】
【化16】
【0116】一般式(A)で表される化合物について説
明する。前記一般式(A)において、EWDは電子吸引
性基を表し、R6、R7およびR 8はそれぞれ水素原子ま
たは1価の置換基を表す。但し、R7およびR8のうちの
少なくとも1つは1価の置換基である。ここにEWDで
表される電気吸引性基とはハメットの置換基定数σpが
正の値を取りうる置換基のことであり、具体的には、シ
アノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハ
ロゲン原子、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホル
ミル基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその
塩)、スルホ基(またはその塩)、飽和もしくは不飽和
のヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシルオ
キシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、またはこ
れら電子吸引性基で置換されたアリール基等が挙げられ
る。これらの基は置換基を有していてもよい。具体的化
合物としては、例えば、米国特許第5,545,515
号に開示された化合物が挙げられる。
【0117】一般式(B)で表される化合物について説
明する。前記一般式(B)において、R9は水素原子、
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチ
オ、アミド基、アリール基、アラルキル基、アリールオ
キシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環基、ヘ
テロ環オキシ基またはヘテロ環チオ基を表すが、アルキ
ル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基であるの
がより好ましい。
【0118】R10は水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、アルキルチオ、アミド基、アリール
基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオ
基、アニリノ基、ヘテロ環基、ヘテロ環オキシ基、ヘテ
ロ環チオ基、ヒドラジノ基、アルキルアミノ基、スルホ
ニルアミノ基、ウレイド基、オキシカルボニルアミノ
基、アルキニル基または無置換のアミノ基を表すが、ア
リール基、ヘテロ環基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チ
オ基であるのが好ましく、さらに好ましくはヘテロ環オ
キシ基、ヘテロ環チオ基である。ヘテロ環オキシ基とし
て具体的には、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ
基、インドリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、
ベンズイミダゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニ
ルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、イニダゾリルオキシ
基フリルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチオ基、
イニダゾリルチオ基等が挙げられる。R10として好まし
くはピリジルオキシ基、チエニルオキシ基である。
【0119】Xは水素原子、アルキル基、カルバモイル
基またはオキシカルボニル基を表す。Xは水素原子であ
るのが好ましい。R9とR10とが結合して5員から7員
の環を形成してもよい。具体的化合物としては、例え
ば、米国特許第5,545,507号に開示された化合
物が挙げられる。
【0120】一般式(C)で表される化合物について説
明する。前記一般式(C)において、R11はアルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ、アミ
ド基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、
アリールチオ基、アニリノ基またはヘテロ環基を表すが
アリール基、ヘテロ環基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環
チオ基であるのが好ましい。より好ましくはヘテロ環オ
キシ基、ヘテロ環チオ基である。ヘテロ環オキシ基とし
て具体的には、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ
基、インドリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、
ベンズイミダゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニ
ルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、イニダゾリルオキシ
基等が挙げられる。ヘテロ環チオ基として具体的にはピ
リジルチオ基、ピリミジルチオ基、インドリルチオ基、
ベンゾチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリルチオ基、
フリルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチオ基、イ
ニダゾリルチオ基等が挙げられる。R6として好ましく
はピリジルオキシ基、チエニルオキシ基である。具体的
化合物としては例えば米国特許第5,558,983号
に開示された化合物が挙げられる。
【0121】一般式(D)で表される化合物について説
明する。前記一般式(D)において、R12はベンツヒド
ロール核、ジフェニルフォスフィン核、トリフェニルメ
タン核、N,N′−ジアルキルピペラジン核、3−ピロ
ロリン核、キサンテン核、9,10−ジヒドロアントラ
セン核、9−ヒドロキシフルオレン核、アリル−ベータ
−ケトエステル核、アルデヒド核、アルキル−ベータ−
ケトエステル核、オキシム核、アミドオキシム核、ベン
ズアルデヒドオキシム核、アセトフェノンオキシム核、
カプロラクタムオキシム核、エチルベンゾイルアセテー
ト核、ピバルデヒド核または、エチルイソブチルアセテ
ート核を表す。具体的化合物としては、例えば、米国特
許第5,637,449号に開示された化合物が挙げら
れる。
【0122】以下に本発明の一般式(A)〜(D)で表
される化合物(硬調化剤)の具体例を挙げるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0123】
【化17】
【0124】
【化18】
【0125】
【化19】
【0126】一般式(A)〜(D)で表される化合物の
添加量としては、銀1モルあたり1×10-6〜1モルで
あるのが好ましく、1×10-5〜5×10-1モルである
のが特に好ましい。
【0127】本発明の熱現像記録材料には、還元剤を内
蔵させるのが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許
第3,770,448号、同3,773,512号、同
3,593,863号、及びResearch Dis
closure第17029及び29963に記載され
ており、次のものが挙げられる。
【0128】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノ−2−シク
ロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクト
ン類(reductones)エステル(例えば、ピペ
リジノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒ
ドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル
−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒド
ラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒ
ドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファ
ーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例え
ば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプ
ロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェ
ニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例
えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミ
ドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシム類;アジン類;脂肪族カルボ
ン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合
わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの
組み合わせ;レダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロ
キサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の
組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β
−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の
組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノ
ール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン
等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、
2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,
4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メ
シトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチ
リデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノー
ル))、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体;ヒンダー
ドフェノール類;3−ピラゾリドン類。中でも特に好ま
しい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダ
ードフェノール類としては、下記一般式(A′)で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0129】
【化20】
【0130】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−ト
リメチルペンチル)を表し、R′及びR″は、各々炭素
原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、
t−ブチル)を表す。
【0131】本発明の熱現像記録材料には、酸化剤を含
有するのが好ましい。本発明に用いられる酸化剤は、保
存時のカブリを低減するものならばどのような酸化剤で
あってもよい。このような酸化剤としては、好ましく
は、例えば、特開昭50−119624号、同50−1
20328号、同51−121332号、同54−58
022号、同56−70543号、同56−99335
号、同59−90842号、同61−129642号、
同62−129845号、特開平6−208191号、
同7−5621号、同7−2781号、同8−1580
9号、米国特許第5,340,712号、同第5,36
9,000号、同第5,464,737号、同第3,8
74,946号、同第4,756,999号、同第5,
340,712号、欧州特許第605981A1号、同
622666A1号、同631176A1号、特公昭5
4−165号、特開平7−2781号、米国特許第4,
180,665号および同第4,442,202号に記
載されている化合物等を用いることができるが、好まし
くは下記一般式(I)で表されるポリハロゲン化合物で
ある。
【0132】
【化21】
【0133】式中、Aは脂肪族基、芳香族又は複素環基
を表し、X1、X2、X3はそれぞれ水素原子、または電
子吸引基を表し、同一でも異なっていても良い。Yは2
価の連結基を表す。nは0又は1を表す。
【0134】本発明において酸化剤の添加量は、銀1モ
ル当たり1×10-4〜1モルであるのが好ましく、1×
10-3〜0.5モルであるのがより好ましい。
【0135】本発明の熱現像記録材料の画像記録層側の
少なくとも1層には、脂肪酸及びその誘導体を含有させ
ることが好ましく、その脂肪酸しては、例えば、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライ
ジン酸、また、脂肪酸エステルとしては、例えば、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸オ
クチル、パルミチン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、ブ
トキシエチルステアレート、オレイルオレート、ステア
リン酸ブトキシエチルが挙げられる。
【0136】(支持体及び支持体の熱処理)熱現像感光
材料の支持体としては、紙、ポリエチレンを被覆した
紙、ポリプロピレンを被覆した紙、羊皮紙、布、金属
(例、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛)のシー
トまたは薄膜、ガラス、金属(例、クロム合金、スチー
ル、銀、金、白金)で被覆したガラスおよびプラスチッ
クフイルムが用いられる。支持体の用いられるプラスチ
ックの例には、ポリアルキルメタクリレート(例、ポリ
メチルメタクリレート)、ポリエステル(例、ポリエチ
レンテレフタレート)、ポリビニルアセタール、ポリア
ミド(例、ナイロン)およびセルロースエステル(例、
セルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロ
ース、アセテートプロピオネート、セルロースアセテー
トブチレート)が含まれる。支持体を、ポリマーで被覆
してもよい。ポリマーの例には、ポリ塩化ビニリデン、
アクリル酸系ポリマー(例、ポリアクリロニトリル、メ
チルアクリレート)不飽和ジカルボン酸(例、イタコン
酸、アクリル酸)のポリマー、カルボキシメチルセルロ
ースおよびポリアクリルアミドが含まれる。コポリマー
を用いてもよい。ポリマーで被覆する代わりに、ポリマ
ーを含む下塗り層を設けてもよい。
【0137】支持体の寸法特性を向上させるには支持体
を低張力下でアニール処理を行なうことが有効である。
例えば特公昭60−22616号、USP277968
4号、RD19809号、特開昭8−211547号、
特開昭10−10676号、特開昭10−10677
号、特開昭11−47676号、特開昭11−6502
5号、特開昭11−138628号、特開昭11−13
8648号、特開昭11−221892号、特開昭11
−333922号、特開昭11−333923号等に記
載された公知の方法を適宜組み合わせることが好まし
い。支持体の熱処理時、好ましくは下塗り層塗布時の張
力は0.04kg/cm2〜8kg/cm2、より好まし
くは0.2kg/cm2〜6kg/cm2、さらに好まし
くは1kg/cm2〜5kg/cm2である。熱処理温度
あるいは乾燥温度は70℃〜220℃、より好ましくは
80℃〜200℃であり、さらに好ましくは90℃〜1
90℃である。熱処理時間あるいは乾燥時間は1分〜3
0分が好ましく、より好ましくは2分〜20分であり、
さらに好ましくは3分〜15分である。
【0138】本発明の熱現像記録材料の露光は、赤外半
導体レーザーを用い、レーザーの波長が700〜100
0nmであることが好ましい。露光後の熱現像では、4
5秒以下の超迅速処理が行われ、好ましくは、熱現像時
間が、「top to top」で5〜40秒以下、よ
り好ましくは5〜30秒である。ここでいう「topt
o top」とは、処理される熱現像記録材料の先端が
熱現像機のフィルム挿入部に入った瞬間から、処理され
てフィルム先端が熱現像機からでてくる瞬間までの時間
をいう。また、本発明の請求項6の発明は、本発明の熱
現感光材料を熱現像機の搬送速度が22mm/sec〜
40mm/secで処理することを特徴としている。
【0139】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0140】(下引済みPET支持体の作製)市販の2
軸延伸熱固定済みの厚さ125μmmのPETフィルム
を用い180℃、張力1.47×10×5Paで1分間
の搬送熱処理を行なった。このPETフィルムのヤング
率はMD方向が750kg/mm2、TD方向が740
kg/mm2であった。この両面に8W/m2・分のコロ
ナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を
乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引
層A−1とし、また反対側の面に下記帯電防止加工した
下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗
設し乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0141】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g コロイダルシリカ(平均粒径90mμ) 0.1g 水で1lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 SnO2/Sb(9/1質量比、平均粒径0.18μm) 120g ブチルアクリレート(30質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる 引き続き、下引層A−1(A−1層ともいう)及び下引
層B−1(以下B−1層ともいう)の上表面に、8W/
2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、
下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.9μmになる
様に下引層A−2(以下A−2層ともいう)として、下
引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜
厚0.2μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B
−2とし(以下B−2層ともいう)て塗設した。
【0142】 《下引上層塗布液a−2》 バインダー樹脂III(表に記載)のラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 2.0g 水で1lに仕上げる 《下引上層塗布液b−2》 バインダー樹脂III(表に記載)のラテックス液(固形分30%) 270g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−4) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1lに仕上げる。
【0143】
【化22】
【0144】(支持体の熱処理)上記の下引済み支持体
の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、
その後徐々に冷却した。
【0145】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900m
l中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10
mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた
後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(60/3
8/2)のモル比の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃
化カリウムを硝酸銀に対して等モル含む水溶液及びK2
〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6
モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6
ル含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながら
コントロールドダブルジェット法で添加した。その後4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデンを添加しNaOHでpHを8、pAg6.5
に調整することで還元増感を行い、平均粒径サイズ0.
06μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係数8
%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得
た。このハロゲン化銀乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝
集沈降させ脱塩処理を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0146】(ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの
純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ス
テアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪
拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98ml
を添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55
℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得
た。
【0147】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレ
フォーム乳剤の調製)上記のベヘン酸Na溶液に前記ハ
ロゲン化銀乳剤Aを1.51g添加し水酸化ナトリウム
溶液でpH8.1に調整した後に1mol/Lの硝酸銀
溶液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌
し限外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン
酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子
であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、
更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0148】(感光性乳剤の調製)上記調製したプレフ
ォーム乳剤に、−SO3Na含有ポリビニルブチラール
樹脂のメチルエチルケトン/トルエン溶液(17質量
%)544gとトルエン107gを徐々に添加して混合
した後に、0.5mmサイズZrO2のビーズミルを用
いたメディア分散機で4000psiで30℃、10分
間の分散を行った。
【0149】前記支持体上に以下の各層を両面同時塗布
し、試料を作製した。尚、乾燥は60℃、15分間で行
った。
【0150】(バック面側塗布)(バックコート層1)
支持体のB−2層の上に以下の組成の液を乾燥膜厚が6
μmとなるように同時塗布した。
【0151】 バインダー樹脂II(表に記載) 15g (10%メチルエチルケトン溶液) 染料−A 0.007g 染料−B 0.007g マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ5μm単分散シリカ 0.09g マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ15μm単分散シリカ 0.02g 界面活性剤A(表に記載) 0.15g C917−C64−SO3Na 0.01g ステアリン酸 0.1g
【0152】
【化23】
【0153】(バックコート層2の塗布)バックコート
層1の上に以下の組成の液を乾燥膜厚が3.5μmとな
るように同時塗布した。
【0154】 バインダー樹脂I(表に記載) 15g (10%メチルエチルケトン溶液) マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ5μm単分散シリカ 0.1g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ15μm単分散シリカ 0.04g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) 界面活性剤B(表に記載) 0.15g C817SO3Li 0.05g ステアリン酸 0.1g (感光層面側塗布) 感光層1:支持体のA−2層の上に以下の組成の液を塗
布銀量が1.0g/m 2、乾燥膜厚が10.0μmにな
る様に塗布した。
【0155】 感光性乳剤 240g 増感色素A(0.1%メタノール溶液) 1.7ml 染料−A 0.07g ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml 酸化剤−1(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液)9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml 化合物A 0.1g 化合物B 0.1g ポリメチルメタアクリレート(20%メチルエチルケトン溶液 10g トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml ヒドラジン誘導体(表に記載の化合物) 0.4g 硬調化剤(表に記載の化合物) 0.3g フタラジン 0.6g 4−メチルフタル酸 0.25g テトラクロロフタル酸 0.2g マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ5μm単分散シリカ (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) 0.3g 現像剤−1(20%メタノール溶液) 20.5ml イソシアネート化合物 0.5g (モーベイ社製、Desmodur N3300) ステアリン酸 0.5g ステアリン酸ブチル 0.5g α−アルミナ(モース硬度9) 0.5g
【0156】
【化24】
【0157】表面保護層:以下の組成の液を感光層の上
に乾燥膜厚が6μmとなるよう同時塗布した。
【0158】 アセトン 5g メチルエチルケトン 21g セルロースアセテートブチレート 2.3g メタノール 7g フタラジン 0.25g 現像剤−1 (20%メタノール溶液) 10g マット剤 単分散度15%平均粒径5μm単分散シリカ 0.5g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) マット剤 単分散度15%平均粒径20μm単分散シリカ 0.04g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2 0.035g フッ素系界面活性剤 C917O(CH2CH2O)22917 0.05g C817−C64−SO3Na 0.01g ステアリン酸 0.1g ステアリン酸ブチル 0.1g α−アルミナ(モース硬度9) 0.1g 塗膜形成した後の試料を用い、バインダーを除去した後
に、レプリカ法で電子顕微鏡観察して測定したところ、
有機銀粒子は、長軸径0.5±0.05μm、短軸径
0.4±0.05μm、厚み0.01μmの平板状粒子
が全有機銀粒子の90%である単分散度5%の粒子であ
った。
【0159】上記で作製した熱現像感光材料を、暗室内
で30cm幅で50mの長さに切断して内径10cmの
ボール紙でできたコアに巻き付けロール形状の試料を作
製した。さらに暗室内で作製した試料を60cm×2m
の包装材料で巻いた。
【0160】実施例2 実施例1と同様にして作製した下引済みPET支持体に
以下の各層両面同時塗布し、試料を作製した。
【0161】なお、乾燥は60℃、15分間で行なっ
た。 (バック面側塗布)(バックコート層1) 支持体のB−2層の上に以下の組成の液を乾燥膜厚が6
μmとなるように同時塗布した。
【0162】 バインダー樹脂II(表に記載)のラテックス液(10%水溶液) 15g 染料−A 0.007g 染料−B 0.007g マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ5μm単分散シリカ0.09g マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ17μm単分散シリカ 0.01g 界面活性剤A(表に記載) 0.15g C817SO3Li 0.05g ステアリン酸 0.1g (バックコート層2の塗布)バックコート層1の上に以
下の組成の液を乾燥膜厚が3.5μmとなるように同時
塗布した。
【0163】 ポリビニルアルコール(10%水溶液) 15g マット剤: 単分散度15%単分散平均粒子サイズ5μmシリカ 0.5g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) マット剤: 単分散度15%単分散平均粒子サイズ15μmシリカ 0.04g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) 界面活性剤B(表に記載) 0.15g C817SO3Li 0.05g ステアリン酸 0.1g (感光層面側塗布) 感光層1:支持体のA−2層の上に以下の組成の液を塗
布銀量が1.0g/m 2、乾燥膜厚が10.0μmにな
る様に塗布した。
【0164】(ハロゲン化銀粒子Bの調製)水700m
lにフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30m
gを溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた
後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カ
リウムを含む水溶液を、pAg7.7に保ちながらコン
トロールダブルジェット法で60分間かけて添加した。
3〔IrCl63-を8×10 -6モル/リットル及び臭
化カリウムを1モル/リットル含む水溶液とをpAg
7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で3
0分かけて添加した。その後pH5.9、pAg8.0
に調整した。得られたハロゲン化銀粒子Bは、平均粒子
サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数8%、
(100)面積率86%の立方体粒子であった。
【0165】上記のハロゲン化銀粒子Bを温度60℃に
昇温して、銀1モル当たり8.5×10-5モルのチオ硫
酸ナトリウム、1.1×10-5モルの2,3,4,5,
6−ペンタフロロフェニルジフェニルスルフィンセレニ
ド、2×10-6モルの下記テルル化合物−1、3.3×
10-6モルの塩化金酸、2.3×10-4モルのチオシア
ン酸を添加して、120分間熟成した。その後、温度を
50℃にして8×10 -4モルの下記増感色素−Bを攪拌
しながら添加し、更に、3.5×10-2モルの沃化カリ
ウムを添加して30分間攪拌し、30℃に急冷してハロ
ゲン化銀粒子の調製を完了した。
【0166】
【化25】
【0167】(有機酸銀微結晶分散物の調製)ベヘン酸
40g、ステアリン酸7.3g、蒸留水500mlを9
0℃で15分間混合し、激しく攪拌しながら1mol/
LのNaOH水溶液187mlを15分かけて添加し、
1mol/Lの硝酸水溶液61mlを添加して50℃に
降温した。次に、1mol/Lの硝酸銀水溶液124m
lを添加してそのまま30分間攪拌した。その後、吸引
濾過で固形分を濾過し、濾水の伝導度が30μs/cm
になるまで固形分を水洗した。
【0168】こうして得られた固形分は、乾燥させない
でウェットケーキとして取り扱い、乾燥固形分34.8
g相当のウェットケーキに対して、ポリビニルアルコー
ル12gおよび水150mlを添加し、良く混合してス
ラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ
840gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、
分散機(1/4G−サンドグラインダーミル:アイメッ
クス(株)社製)にて5時間分散し、体積加重平均1.
5μmの有機酸銀微結晶分散物を得た。粒子サイズの測
定は、Malvern Instruments Lt
d.製MasterSaizerXにて行った。
【0169】(固体微粒子分散物の調製)テトラクロロ
フタル酸、4−メチルフタル酸、1,1−ビス(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−
トリメチルヘキサン、フタラジン、トリブロモメチルス
ルホキノリンについて固体微粒子分散物を調製した。
【0170】テトラクロロフタル酸に対して、ヒドロキ
シプロピルセルロース0.81gと水94.2mlとを
添加して良く攪拌してスラリーとして10時間放置し
た。その後、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを
100mlとスラリーとを一緒にベッセルに入れて有機
酸銀微結晶分散物の調製に用いたものと同じ型の分散機
で5時間分散してテトラクロロフタル酸の固体微結晶分
散物を得た。固体微粒子の粒子サイズは70質量%が
1.0μm以下であった。
【0171】その他の素材については所望の平均粒径を
得るために適宜分散剤の使用量および分散時間を変更し
て、固体微粒子分散物を得た。
【0172】(乳剤層塗布液の調製)先に調製した有機
酸銀微結晶分散物に対して下記の各組成物を添加して乳
剤塗布液を調製した。
【0173】 有機酸銀微結晶分散物 0.95モル ハロゲン化銀粒子B 0.05モル ラクスター3307B(大日本インキ化学工業(株)製 Tg=13℃) 固形分として430g 現像剤−1 98g トリブロモメチルスルホニルベンゼン 12g ヒドラジン誘導体(表に記載の化合物) 1.5g 硬調化剤(表に記載の化合物) 1.5g フタラジン 9.2g 4−メチルフタル酸 7g テトラクロロフタル酸 5g マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ5μm単分散シリカ 2.0g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) ステアリン酸 0.5g ステアリン酸ブチル 0.5g α−アルミナ(モース硬度9) 0.5g (表面保護層)以下の組成の液を感光層の上になるよう
同時塗布した。
【0174】 水 26g ベンジルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリ ル酸=3/3/2/2 Tg=45℃) 2.3g フタラジン 0.25g 現像剤−1(20%メタノール溶液) 10g マット剤: 単分散度15%単分散平均粒径5μmシリカ 0.5g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) マット剤: 単分散度15%単分散平均粒径20μmシリカ 0.04g (シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) C917O(OC2422917 0.05g C817−C64−SO3Na 0.02g ステアリン酸 0.1g ステアリン酸ブチル 0.1g α−アルミナ(モース硬度9) 0.1g 塗膜形成した後の試料(熱現像感光材料)を用い、バイ
ンダーを除去した後に、レプリカ法で電子顕微鏡観察し
て測定したところ、有機銀粒子は、長軸径0.5±0.
05μm、短軸径0.4±0.05μm、厚み0.01
μmの平板状粒子が全有機銀粒子の90%である単分散
度5%の粒子であった。
【0175】上記で作製した熱現像感光材料を、暗室内
で30cm幅で50mの長さに切断して内径10cmの
ボール紙でできたコアに巻き付けロール形状の試料を作
製した。さらに暗室内で作製した試料を60cm×2m
の包装材料で巻いた。
【0176】《露光及び現像処理》その後、780nm
の半導体レーザーを搭載したイメージセッター機である
サイテックス社製Dolev 2dryを用いて300
線で5%刻みで露光量変化させるように網点を露光し、
110℃で15秒のプレヒート部を通過させた後、オー
ブン中で水平搬送を行ないつつ120℃で15秒の熱現
像を行った。その際、露光及び現像は23℃、50%R
Hに調湿した部屋で行った。この時、熱現像処理機中の
最長非接触搬送長は18cmであった。また熱現像処理
機の搬送速度は表に記載の値であった。
【0177】(ガンマγ)特性曲線の濃度0.3と3.
0を結ぶ直線の傾きを脚切れを表す階調(γ)とした。
【0178】(Dmax)得られた画像の評価を濃度計
により行ない、最高濃度部の値をDmaxとした。
【0179】(黒ぽつ)得られた試料(3.5cm×1
4cm)の画像の黒ぽつの個数を目視でカウントした。
【0180】(接着性)フィルム上にセロテープ(登録
商標)をはり、碁盤目上に傷を入れ、テープ剥離後には
がれた部分の面積比率を求め、5段階で評価した。
【0181】 5:剥離部分0% 4:剥離部分1〜33% 3:剥離部分34〜66% 2:剥離部分67%〜99% 1:剥離部分100%。
【0182】(ごみ付着)21cm×14cmに断裁し
た試料を25℃、20%の湿度雰囲気下で24時間調湿
した。つぎに試料表面をアクリルローラーで10回こす
った後、たばこの灰に近づけ、灰が付着するまでの距離
(cm)を測定した。
【0183】(剥離帯電)3.5cm×3.5cmに断
裁した試料を25℃、20%の湿度雰囲気下で24時間
調湿した。つぎに試料表面をネオプレンゴムと接触さ
せ、10回接触後の剥離帯電量(Pcoul/cm2
を求めた。
【0184】結果を以下に示す。
【0185】
【表1】
【0186】
【表2】
【0187】(バインダー) A:セルロースアセテートブチレート(水酸基含有量:
1.8質量%):Tg=141℃) B:セルロースアセテートプロピオネート(水酸基含有
量:5.0質量%):Tg=159℃) C:セルロースアセテートブチレート(水酸基含有量:
4.8質量%):Tg=136℃) D:セルロースアセテートプロピオネート(水酸基含有
量:1.3質量%):Tg=147℃) E:−SO3Na含有アクリル樹脂(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート/メチルメタクリレート=50/5
0(モル%):Tg=40℃) F:−SO3Na含有アクリル樹脂(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート/メチルメタアクリレート=25/
75(モル%):Tg=70℃) G:−SO3Na含有アクリル樹脂(フェニルメタクリ
レート/4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/3
−シアノフェニルメタクリルアミド=30/40/30
(モル%)であるアクリル樹脂:Tg=110℃)
【0188】
【化26】
【0189】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による熱
現像感光材料は、熱現像時やPS版への焼き付け時の接
着性や帯電特性が良好で、黒ポツの発生が少なく、最高
濃度部(Dmax)が高く硬調な画像が得られ優れた効
果を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に、有機酸銀、ハロゲ
    ン化銀、バインダー及び還元剤を含有する画像記録層を
    有し、支持体の反対の面に複数の層からなるバックコー
    ト層を有する熱現像感光材料において、前記バックコー
    ト層の支持体または下引き層を設けた支持体に接する層
    (バックコート層1)にフッ素原子を有する界面活性剤
    を含有し、該バックコート層を設けた側の最表面の層
    (バックコート層2)にケイ素原子を有する界面活性剤
    を含有すること特徴とする熱現像感光材料。
  2. 【請求項2】 バックコート層1及びバックコート層2
    中に下記一般式(1)で表される化合物を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。 一般式(1) RfSO3M(Rfはフッ素原子を有す
    る脂肪族基、Mはアルカリ金属原子を表す)
  3. 【請求項3】 支持体の一方の面に、有機酸銀、ハロゲ
    ン化銀、バインダー、還元剤を含有する画像記録層を有
    し、支持体の反対の面に複数の層からなるバックコート
    層を有する熱現像感光材料において、前記バックコート
    層の支持体または下引き層を設けた支持体に接する層
    (バックコート層1)に水酸基含有量が4〜20質量%
    の樹脂を含有し、前記バックコート層を設けた側の最表
    面の層(バックコート層2)に水酸基含有量が0.5〜
    2.5質量%の樹脂を含有すること特徴とする熱現像感
    光材料。
  4. 【請求項4】 バックコート層1及びバックコート層2
    に用いられる樹脂がセルロースエステルであること特徴
    とする請求項3に記載の熱現像感光材料。
  5. 【請求項5】 感光層の全バインダーの50〜100質
    量%としてポリマーラテックスを用い、溶媒の30〜1
    00質量%が水であることを特徴とする請求項1〜4の
    何れか1項に記載の熱現像感光材料。
  6. 【請求項6】 熱現像機の搬送速度が22mm/sec
    〜40mm/secで処理することを特徴とする請求項
    1〜5の何れか1項に記載の熱現像感光材料の処理方
    法。
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