JP2002148300A - 小型電気機械の非破壊絶縁試験方法および装置 - Google Patents
小型電気機械の非破壊絶縁試験方法および装置Info
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Abstract
近(1mm以内)した状態にある欠陥部分を、非破壊検
査により量産工程で全数検査を可能にした絶縁試験方法
および装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 小型電気機械を収納した容器内部の圧力
を減圧雰囲気にし、小型電気機械が有するコイルに高周
波電圧を印加するステップと、前記小型電気機械からコ
ロナ放電が発生しているか否かを検出するステップから
なる非破壊絶縁試験方法としたものである。
Description
巻線部とラミネートコア間の絶縁状態の欠陥を非破壊状
態にして、非常に高感度に検出する試験方法および装置
に関する。
線とラミネートコア間の絶縁が破壊され、寿命をきたす
主な原因として、巻線のマグネットワイヤーと絶縁物
(フィルム、樹脂等)が、巻線の工程中、またはモータ
として組立工程中で何らかの機械または治具などで与え
られた打撃、機械的圧力、摩擦などから生じたクラッ
ク、傷、ピンホール等がもとで、マグネットワイヤーと
ラミネートコアが接触また異常接近し、使用中の電気
的、温度的、機械的、化学的な要因で絶縁破壊(いわゆ
る接地短絡)が生じ、短絡電流など異常電流が流れて巻
線を加熱焼損にいたらしめるものである。
は、交流耐圧試験、絶縁抵抗試験、部分放電測定試験、
サージ試験、減圧サージ試験、ピンホール試験、目視官
能検査などがある。以下、これら方法について説明す
る。
ネットワイヤーのコイル傷が相当に大きく、そして、直
接ラミネートコアに接触もしくは接近していないと検出
は不可能で、接地短絡のみが対象となる。
り、マグネットワイヤーがラミネートコアに接触する場
合は、きわめて高感度に検出できる。これはマグネット
ワイヤーの絶縁皮膜を介し、コイルとラミネートコア間
に部分放電が発生するか否かを判定するので、健全なマ
グネットワイヤーがラミネートコアからわずかでも離れ
た現象の検出は不可能である。また減圧雰囲気下での部
分放電測定試験においても、部分放電発生開始電圧変化
するのみで、その検出能力は変わらない。
に接触することに加え、コイルとコイル間で隣接するコ
イル傷から生じるレヤーショートにも検出効果があるも
のの、コイル傷の検出には限界がある。
接するコイル傷から生じるレヤーショートの検出と、コ
イル傷の検出には極めて高い検出力があるが、健全なマ
グネットワイヤーがラミネートコアに接触または接近し
た現象については検出不可能である。
タレン溶液に試供品を完全にどぶ漬けするもので、コイ
ル傷は検出するものの、この試験は破壊試験となり全数
検査はできない。
組立工程中に行われるが、表面のみの検査であり目視不
可能な箇所が多く、また目視検査最大の課題であるヒュ
ーマンエラーが発生し、完全な効果は期待できない。
縁状態を検査する試験方法は、絶縁破壊の原因となる、
マグネットワイヤーがラミネートコアに異常接近し、近
い将来運転中に絶縁破壊を起こす現象を、高感度に、量
産工程で全数検査を行うには満足できるものではなく、
以下(a)および(b)に示すような課題がある。
ネートコアに異常接近(1mm以内)した状態にある不
良現象の自動検出は困難であり、前記欠陥を電気的に検
知するには、欠陥箇所に放電現象を起こす必要がある
が、商用電源で高電圧(3000V以上)が必要であ
り、これでは小型電気機械全体(特に絶縁紙を透して)
からコロナ放電が発生し、情報が埋没する。
検査は不可能である。
(マグネットワイヤーにコイル傷がある場合、またはマ
グネットワイヤーがラミネートコアに直接接触した現
象)状態の検出であり、健全なマグネットワイヤーとラ
ミネートコアが異常に接近した状態の検出は不可能であ
る。
であり、健全な巻線コイルがラミネートコアに異常接近
(1mm以内)した状態にある欠陥部分を、非破壊検査
により量産工程で全数検査を可能にした絶縁試験方法お
よび装置を提供することを目的とする。
に本発明は、コイルを有する小型電気機械の非破壊絶縁
試験方法において、小型電気機械を収納した容器内部の
圧力を減圧雰囲気にし、小型電気機械が有するコイルに
高周波電圧を印加するステップと、前記小型電気機械か
らコロナ放電が発生しているか否かを検出するステップ
からなる非破壊絶縁試験方法としたものであり、巻線コ
イルとラミネートコア間に高周波電圧を600〜110
0V印加した時に増大するコロナパルスにより良否判定
するように構成されている。
トコアに異常接近(1mm以内)した状態にある欠陥部
分を、非破壊検査により量産工程で全数検査を可能にす
ることができる。
コイルを有する小型電気機械を容器に収納する第1ステ
ップと、前記容器内を減圧する第2ステップと、前記コ
イルに高周波電圧を印加する第3ステップと、前記小型
電気機械からコロナ放電が発生しているか否かを判定す
る第4ステップからなることを特徴とするコイルを有す
る小型電気機械の非破壊絶縁試験方法であり、不良箇所
に低い電圧でコロナ放電を発生させることができるとい
う作用を有する。
型電気機械の非破壊絶縁試験装置において、前記小型電
気機械を収納する容器と、前記容器内を減圧雰囲気にす
る減圧装置と、前記コイルに高周波電圧を印加する高周
波電源と、前記小型電気機械からコロナ放電が発生して
いるか否かを検出する高周波コロナ測定装置により構成
されていることを特徴とする非破壊絶縁試験装置であ
り、不良箇所に低い電圧でコロナ放電を発生させること
ができるという作用を有する。
しながら説明する。
施例を示している。図1において、1は供試モータ(小
型電気機械)、2は減圧タンク(容器)、3は高周波コ
ロナ測定装置、4は真空計、5はバルブ、6は真空ポン
プ、7はブッシング、8はターミナルである。
に収納され、供試モータ1はターミナル8を中継し、ブ
ッシング7を通ってモータ巻線コイルのリード線に接続
される。
計4により構成されており、減圧タンク2内の減圧度は
真空計4により管理されながらバルブ5を介して真空ポ
ンプ6で所定の減圧度に減圧される。減圧タンク2の減
圧度は実験により、65〜200Torrが最適であ
り、被測定物(供試モータ1)の種類に応じ減圧管理を
行うとよい。
ェンの法則により1〜5Torrが最も感度が高いが、
この領域ではあまりにコロナ放電が活発なため、意味の
ないノイズ的なコロナ量が多く、本来検出しようとして
いる、供試モータ巻線のマグネットワイヤー1本とラミ
ネートコアまでの距離1mm以下を有す不良現象からの
コロナ放電情報が埋没し、著しくSN比を低下させてし
まう。
源において発生した高周波電圧は高圧ケーブルにより導
かれ、リード線を通ってモータ1のコイルに印加され、
徐々に印加電圧を上げていくとモータ巻線とラミネート
コア間にコロナ放電が起こる。
ー)のなかで発生するコロナ放電は大きく分けて、
(1)マグネットワイヤーとラミネートコアの間に有る
絶縁物(フィルム、樹脂等)を通して発生する放電、
(2)マグネットワイヤーとラミネートコア間で空気絶
縁を通して発生する放電がある。
の誘電率が高く、コロナ発生開始電圧が低く早期に発生
するもので、高電圧を印加した場合(2)の現象の不良
判定が困難であった。しかし(2)の現象は、電気的、
機械的、温度的、科学的な要因から将来的に不良となる
確率が高く、判定し事前に検出しなければならない。
z)を使用するとよい。これは、コイルを有した小型電
気機械のインピーダンス(Z)は(1/ωC)であり、
電源周波数(ω)を増大させることにより、インピーダ
ンスを減らし、巻線内に流れる電荷量を増大させること
により、不良箇所に低い電圧でコロナ放電を発生させる
ことが可能となった。
の判定方法として、(2)のコロナパルス周波数は1.
5MHz付近に増大することを実験により求め、ローパ
スフィルター(500kHz)とハイパスフィルター
(2MHz)の組み合せによるバンドパスフィルターを
形成する手段により判定し検出が実現できるものであ
る。
放電の発生開始電圧と真空度の関係を、図4は供試モー
タ巻線のマグネットワイヤー1本とラミネートコアまで
の距離0.3mmを有す不良再現箇所のコロナ発生開始
電圧と真空度の関係を示す。
ータ全体(特にスロット絶縁紙を通過し発生するコロナ
放電)から発生する意味のないコロナ放電と、不良箇所
に発生する有意なコロナ放電を区別する必要がある。
0(周波数が1〜50KHzまで可変できる正弦波信号
を変圧器によりMAX3000V(0−P)まで昇圧さ
れた高周波電源)にて発生した電圧を供試モータ51の
巻線とステータ間に印加する。その時供試モータから発
生するコロナ放電により高周波成分が電源に重乗してく
る。この放電パルスの中でも低域の周波数のコロナパル
スを検出回路52で検出する。検出されたコロナパルス
の中でも意味のないコロナ周波数と、供試モータ巻線の
マグネットワイヤー1本とラミネートコアまでの距離1
mm以下を有す不良箇所のコロナ周波数を区別するた
め、ローパスフィルター(500KHz)とハイパスフ
ィルター(2.5MHz)とで形成するバンドパスフィ
ルター52にて区別する。
さな信号であるため、AMP54にて信号を増幅する。
また、高周波電源50より印加された負の電圧に対して
発生したコロナパルスも有効であり、パルスも負のパル
スであるため、絶対値回路55をとおしすべて正のパル
スに変える。
でパルス数を数え、積分回路57で放電量を算出し、ま
たピーク検出器58でコロナパルスのピークレベルを検
出し、不良箇所があれば判定回路59で不良と判定する
ことにより検出を可能にした。
現象を有するものとを比較測定したものを図5に示す。
の増加が発生しているものに比べ、不良現象を有した供
試モータは750Vからパルスは増加している。この関
係にある供試モータでは、900Vで試験することによ
り、良品と不良品の判定が可能となる。
載の発明によれば、健全な巻線コイルがラミネートコア
に異常接近(1mm以内)した状態にある欠陥部分を、
非破壊検査により量産工程で全数検査を可能にした絶縁
試験方法を提供することができるという有利な効果を得
ることができる。
コロナ発生開始電圧を示す図
箇所でのコロナ発生開始を示す図
を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 コイルを有する小型電気機械を容器に収
納する第1ステップと、前記容器内を減圧する第2ステ
ップと、前記コイルに高周波電圧を印加する第3ステッ
プと、前記小型電気機械からコロナ放電が発生している
か否かを判定する第4ステップからなることを特徴とす
るコイルを有する小型電気機械の非破壊絶縁試験方法。 - 【請求項2】 コイルを有する小型電気機械の非破壊絶
縁試験装置において、前記小型電気機械を収納する容器
と、前記容器内を減圧雰囲気にする減圧装置と、前記コ
イルに高周波電圧を印加する高周波電源と、前記小型電
気機械からコロナ放電が発生しているか否かを判定する
高周波コロナ測定装置により構成されていることを特徴
とする非破壊絶縁試験装置。
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