JPH0865965A - 小型電気機械の非破壊絶縁試験法及び装置 - Google Patents
小型電気機械の非破壊絶縁試験法及び装置Info
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Abstract
た鉄心に用いられるラミネートコアからコイル傷への距
離が長く(数mmから10mm)離れたものは検出が従来困
難であった。本発明はこのラミネートコアから離れたコ
イル傷も検出可能とすることを目的とする。 【構成】 供試巻線にサージ電圧を印加し、測定時の最
適減圧値を求めることにより、微弱な意味のないコロナ
放電を回避し、ラミネートコアから10mm以上離れたコ
イル傷を感度よく検出可能とした。
Description
部分の絶縁状態の欠陥を非破壊状態にして、非常に高感
度に検出し試験する方法及び装置である。
の絶縁破壊から寿命をきたす主な原因として、巻線のマ
グネットワイヤーの絶縁皮膜が巻線の工程中、またはモ
ータとして組立工程中で何らかの機械または治具などで
与えられた打撃、機械的圧力、摩擦などから生じた傷が
もとで、運転中に隣接するマグネットワイヤーとの間に
局部的絶縁破壊(いわゆるレヤーショート)や、マグネ
ットワイヤーと接近したラミネートされたステータコア
との間で生じる絶縁破壊(いわゆる接地短絡)から短絡
電流など、異常電流が流れて巻線を加熱、焼損にいたら
しめるものである。
しては、交流耐電圧試験、絶縁抵抗試験、ピンホール試
験、サージ試験、コロナ放電試験、減圧コロナ放電試験
などがある。
電圧試験、絶縁抵抗試験法ではマグネットワイヤーのコ
イル傷が相当に大きく、そして直接ラミネートコアに接
触もしくは接近していないと検出は不可能で、接地短絡
のみが対象となる。
タレン溶液に供試品を完全にどぶ漬けするもので、コイ
ル傷は検出するのの破壊検査となり全数検査はできな
い。
に接触する場合に加え、コイルとコイル間で隣接するコ
イル傷から生ずるレヤーショートにも検出効果はあるも
ののコイル傷の検出には限界がある。
接触または近接している時、あるいはコイルとコイル間
でお互いの傷がうまく隣接する場合であり、ここに1mm
以上の距離がある場合は検出はほとんど期待できない。
コイル傷がラミネートコアに接触または近接する場合
は、きわめて高感度に検出できる。
たコイル傷および、コイルとコイル間の傷は検出の対象
外である。
下の容器内で交流電圧を印加し、パッシェンの法則によ
る放電のしやすい条件でコロナ放電をもとに検出しよう
とするもので、今までの試験法では最もコイル傷に対し
ては感度が高い。
ータコイル61を減圧タンク62の中にセットする。減
圧タンク62は、バルブ64を通して真空ポンプ65に
より減圧される。63は減圧度をモニターする真空度計
である。
グ66を通って交流電圧68が印加される。また、供試
モータのラミネートコアはブッシング67を通ってフィ
ルター69を通ってコロナデテクター610に通じる。
コロナデテクター610はコロナ放電の量を検出する。
いて、マグネットワイヤーのコイル傷の例を示す。
72を備えている。コイル傷73はラミネートコア71
に接近したもので、コイル傷74はラミネートコア71
から10mm位離れたものである。また、コイル傷75は
ラミネートコア71から30mm位離れたものである。
電圧にて減圧状態においてコロナ放電により容易に検出
できる。
00Vの高電圧印加で、コロナ放電からグロー放電に成
長した時点で検出される。
減圧中の放電は、放電エネルギーが大なるためコイル傷
の周辺は大きく絶縁破壊され、もはや非破壊検査の状態
ではなく、工業的に量産工程で全数検査できるものでは
なかった。
縁破壊の主原因となるマグネットワイヤーのコイル傷を
高感度にして、量産工程における全数検出を行うには満
足できるものではない。
以上離れた箇所においては検出が困難であった。 (b)数mmから10mm以上離れたコイル傷を発見して
も、コリル傷の周囲に放電による絶縁破壊を生じさせ、
非破壊検査とはならない。 (c)工業的に量産工程で全数検査が困難であった。
本発明は、コイルを有する小型電気機械の非破壊絶縁試
験方法であって、内部の圧力が15〜25[Torr]
に保たれた容器に上記電気機械を設置するステップと、
上記コイルにサージ電圧を印加するステップと、上記コ
イルからグロー放電が発生しているか否かを検出するス
テップとを備えた非破壊絶縁試験方法を用いる。
気機械の非破壊絶縁試験装置であって、内部の圧力が1
5〜25[Torr]に保たれ、上記電気機械をその中
に設置するための容器と、上記コイルにサージ電圧を印
加するサージ印加手段と、上記コイルの両端に現れるサ
ージ電圧波形を観測する手段であって、上記コイルに基
準サージ電圧を印加した状態において上記サージ電圧波
形の波長と相関関係を有する第1の時間(Tso)を測定
する手段、上記コイルに基準サージ電圧より高い電圧を
印加した状態において上記サージ電圧波形の波長と相関
関係を有する第2の時間(Tsn)を測定する手段、上記
第1の時間と第2の時間との差を求める手段、及び、上
記差を基準値と比較する手段、を含むサージ検出手段
と、を備えた非破壊絶縁試験装置によって実現できる。
加することにより、放電ストレスを大幅に低減できるた
めに瞬時ピーク印加電圧を高めることができ、検出感度
を向上させることができ、また最適減圧値を求めること
により微弱な意味のないコロナ放電を回避し、ラミネー
トコアから10mm以上離れたコイル傷でも感度よく検出
可能とした。また検出回路は、サージ電圧印加の過度現
象から生じる波長の変化を検出することにより量産工程
での検査を可能とした。
しながら説明する。
示している。減圧タンク2内に十分な空間をおいて供試
モータ1が設置されている。供試モータ1は絶縁ターミ
ナル6を中継し、ブッシング7を通ってモータ巻線コイ
ルの各リード線はサージ切替スイッチ9に接続される。
ブッシング8を通って、サージ切替スイッチ9に接続さ
れる。減圧タンク2内の減圧度は真空計3により管理さ
れながらバルブ4を介して真空ポンプ5で所定の減圧度
に減圧される。
電圧はリード線12〜14のうちの1つを通ってモータ
1のコイルに印加される。リード線12〜14のうちの
他の1つは接地され、そして残る1つは何にも接続され
ない。サージ切替スイッチ9により実現される接続スイ
ッチパターンは図2に示すように4つある。サージ電圧
はスイッチパターンI,II,III及びIVに従ってコイルに
むらなく印加される。こうしてサージ電圧はコイルのす
べての方向に印加され、サージ電流はすべてのコイル部
分に流れる。
流はモータ1内の主コイル1bの巻き始めのタップMか
ら流入し、主コイル1bと補助コイル1cとのコモン点
であるタップCから流出する。サージ電流によって与え
られるサージストレスは主コイル1bの隣接する巻線間
に与えられ、また、サージストレスは主コイル1bとラ
ミネートコア1aとの間にも与えられる。サージエネル
ギーはコモン点のタップCにて消滅する。
イッチパターンIの状態とは逆の方向に、主コイル1b
に流れる。こうして、主コイル1bに対して両方向から
均等なストレスを与える。
電流はモータ1内の補助コイル1cの巻き始めのタップ
Aから流入し、タップCから流出する。サージ電流によ
って与えられるサージストレスは補助コイル1cの隣接
する巻線間に与えられ、また、サージストレスは補助コ
イル1cとラミネートコア1aとの間にも与えられる。
サージエネルギーはコモン点のタップCにて消滅する。
イッチパターンIIIの状態とは逆の方向に、補助コイル
1cに流れる。こうして、補助コイル1cに対して両方
向から均等なストレスを与える。
が1mm以上ある場合の検出は、ラミネートコアの接地ア
ースを外す。この状態でサージ電圧が主コイル1b又は
補助コイル1cに印加されると、隣接する2つの傷の間
でレヤーショートが発生する。こうして、レヤーショー
トにつながる傷の存在はすべて本テスト中に検出され
る。
示す標準的インパルスで、波頭長Tf=1〜3μse
c、波尾長Tt=40μsecである。これは正弦交流
電圧60Hzから昇圧される電圧エネルギーに比し、尖
頭電圧が高いのにもかかわらず供試巻線に与えるストレ
スはきわめて低いものである。
コイルの減圧度は図4の15〜25[Torr]で減圧
管理される。一般に減圧コロナ放電に注目する場合は、
1〜5[Torr]が最も感度が高い。
が活発なため意味のないノイズ的コロナ量が多く、本来
検出しようとしているコイル傷からの部分放電が埋没
し、SN比を低下させてしまう。発明者らは、実験より
15〜25[Torr]の減圧度に移項することによ
り、グロー放電の領域にもって行くことで本来のコイル
傷の放電を高感度に検出することが可能となることをつ
きとめた。これはサージ電圧の高い尖頭電圧の印加とが
相乗効果を発揮し、ラミネートコアとコイル傷との距離
は、図8のコイル傷74で約10mm長をこえ最大距離点
にあるコイル傷75で約30mm長まで確実に検出するこ
とが可能となった。
るコイルとコイル間の傷もサージ流入のストレスで在来
の大気圧サージ試験に比し高い検出を可能とした。
放電の領域で交流正弦波電圧を印加すると放電ストレス
が大きすぎて、コイル傷の放電周辺部分は大きく絶縁破
壊され破壊試験となってしまう。
与えるストレスがきわめて小さいため、非破壊検査とな
りうる点に注目のこと。
波形は振動現象をおこす。図5に波形の検査結果を示
す。巻線コイルに何らコイル傷のない場合は、当然放電
現象はおこらない。このため正常な波形として図5のA
1又はA2のように観測される。波形A1は傷のないコ
イルに1000Vのサージ電圧を印加したときのもので
あり、波形A2は1500Vのサージ電圧を印加したと
きのものである。
じるとサージ波形はその瞬間インダクタンス負荷から短
絡負荷となるため同図Bのようにくずれる。
はサージ電圧が変化しても変わらない。これはコイルが
正常であることの証拠となる。しかしながら、異常波形
Bの最初の半波長相当の時間tsnは正常波形A1又はA
2の最初の半波長相当の時間tsnより短い。この時間の
差に基づいて、全数のモータを高感度で検査することが
できる。この感度は、一般に知られている電流の平均値
の差異を利用する方法による感度に比べて非常に優れて
いる。
について説明する。図6は図1に示した装置の回路の詳
細を示すブロック図である。図1と対応する部分には同
一符号を付してある。図6において、昇圧回路21はサ
ージ発生器10に接続されている。サージ発生器10は
サージ切替スイッチ9を介してモータ1に接続されてい
る。サージ発生器10は抵抗101、半導体スイッチ1
02およびコンデンサ103により構成されている。半
導体スイッチ102はトリガ発生回路23の出力に応じ
てターンオン・オフする。半導体スイッチ102が開い
ているときはコンデンサ103は昇圧回路21により充
電されている。半導体スイッチ102が閉じると、コン
デンサ103に蓄えられていた電荷はモータ1に流入
し、サージ電圧をモータ1に印加する。サージ検出回路
11は、分圧器111と、ゼロ点検出回路112と、ア
ンドゲート113と、カウンタ114と、一対のレジス
タ115,116と、演算器117と、比較器118
と、設定器119と、アンドゲート120とによって構
成されている。コンデンサ103の充電電圧は電圧検出
器22によって検出され、検出された電圧はアンドゲー
ト120に入力される。モータ1に印加されるサージ電
圧は分圧器111にも印加される。
説明する。まず最初に、昇圧回路21はコンデンサ10
3に電荷を供給し、コンデンサ103の端子電圧を上昇
させる。端子電圧が所定値(例えば500V)に達する
と、電圧検出器22はこの電圧を検出し、アンドゲート
120に出力信号を送る。その時、トリガ発生回路23
は半導体スイッチ102にトリガ信号を送り、半導体ス
イッチ102はオンになる。この瞬間コンデンサ103
によってサージ電圧がモータ1に印加される。このサー
ジ電圧は分圧器111によってゼロ点検出回路112に
送られるべき十分に低い電圧に落とされる。ゼロ点検出
回路112はバッファとしてのオペアンプ1121と、
比較器としてのオペアンプ1122とにより構成されて
いる。ゼロ点の存在を検出するまでの間に、アンドゲー
ト113は、入力されている基準クロック信号を通過さ
せ、カウンタ114は基準クロック信号に含まれている
パルスの数を計測する。基準クロック信号とは例えば1
MHzのパルス信号である。最初のゼロ点(すなわち図
6における時間tsoの経過点)が来るとゼロ点検出回路
112はその出力を反転させ、それによりアンドゲート
113は基準クロック信号の通過を禁止する。従って、
カウンタ114への入力は遮断され、カウンタ114の
計測値がアンドゲート120からの出力信号を受けてア
クティブな状態のレジスタ115に送られる。こうし
て、最初のゼロ点が現れるまでにカウントされた基準ク
ロックのパルス数Noが正常時の基準値としてレジスタ
115に記録される。500Vのような低いサージ電圧
では仮にモータ1のコイルに傷があったとしても放電は
決して起きない。従って、上記基準値はモータ1のコイ
ルの状態にかかわらず信頼のおけるものである。
さらに上げる。この状態で最初のゼロ点が来るまでのパ
ルスの数を同様のやり方でカウンタ114により計測す
る。計測した値N1をレジスタ116に記録させる。演
算器117において上記NoからN1を減じて、その差を
比較器118にて所定の許容値dNと比較する。なお、
比較器118には前もって設定スイッチ119から許容
値が入力されている。差(No−N1)が許容値dNより
小さければ少なくともその電圧においてモータ1のコイ
ルは正常である。差(No−N1)が許容値dN以上であ
ればコイルは異常であり、以後のテストはもはや不要で
ある。差の値が許容値に収まった場合はコイルに印加す
るサージ電圧をさらに上げ、同様のテストを実行する。
こうして、最高電圧、例えば1500Vまでテストを繰
り返す。差の値が常に許容値内であればコイルは正常で
ある。
常なコイルについてはサージ電圧が変化しても実質的に
不変であるのに対し、異常のあるコイルについては時間
tsn(図5)はtsoより短くなる。従って、もしモータ
1がコイル傷のある異常品であれば上記差(No−N1)
は許容値より大きくなる。こうして異常のあるモータ1
はサージ検出回路11により発見される。
によれば、巻線コイルのコイル傷、ラミネートコアから
10mm以上離れたほとんどあらゆるコイル傷を非破壊検
査により量産工程で全数検査を可能ならしめる絶縁試験
法を提供するものである。
説明図
圧の印加の順序を示す説明図
Claims (3)
- 【請求項1】 コイルを有する小型電気機械の非破壊絶
縁試験方法であって、内部の圧力が15〜25[Tor
r]に保たれた容器に上記電気機械を設置するステップ
と、上記コイルにサージ電圧を印加するステップと、上
記コイルからグロー放電が発生しているか否かを検出す
るステップとを備えた非破壊絶縁試験方法。 - 【請求項2】 上記サージ電圧はコイルの巻き始めから
巻き終わりに向けての第1の方向に、そして、その逆の
方向である第2の方向に、印加されることを特徴とする
請求項1の非破壊絶縁試験方法。 - 【請求項3】 コイルを有する小型電気機械の非破壊絶
縁試験装置であって、内部の圧力が15〜25[Tor
r]に保たれ、上記電気機械をその中に設置するための
容器と、上記コイルにサージ電圧を印加するサージ印加
手段と、上記コイルの両端に現れるサージ電圧波形を観
測する手段であって、上記コイルに基準サージ電圧を印
加した状態において上記サージ電圧波形の波長と相関関
係を有する第1の時間(Tso)を測定する手段、上記コ
イルに基準サージ電圧より高い電圧を印加した状態にお
いて上記サージ電圧波形の波長と相関関係を有する第2
の時間(Tsn)を測定する手段、上記第1の時間と第2
の時間との差を求める手段、及び、上記差を基準値と比
較する手段、を含むサージ検出手段とを備えた非破壊絶
縁試験装置。
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JP13007095A JP3808914B2 (ja) | 1994-06-17 | 1995-05-29 | 小型電気機械の非破壊絶縁試験法及び装置 |
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JP6-135564 | 1994-06-17 | ||
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Family Applications (1)
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JP13007095A Expired - Fee Related JP3808914B2 (ja) | 1994-06-17 | 1995-05-29 | 小型電気機械の非破壊絶縁試験法及び装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011012999A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Toshiba Corp | 回転電機の試験方法及び製造方法 |
CN113608117A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-11-05 | 钟芳琳 | 一种汽车发电机电压合格率检测设备 |
-
1995
- 1995-05-29 JP JP13007095A patent/JP3808914B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011012999A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Toshiba Corp | 回転電機の試験方法及び製造方法 |
CN113608117A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-11-05 | 钟芳琳 | 一种汽车发电机电压合格率检测设备 |
CN113608117B (zh) * | 2021-06-16 | 2024-03-05 | 睿信汽车电器(荆州)有限公司 | 一种汽车发电机电压合格率检测设备 |
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