JP2002147460A - すべりスライド用摺動部材及びその製造方法 - Google Patents

すべりスライド用摺動部材及びその製造方法

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JP2002147460A JP2000342988A JP2000342988A JP2002147460A JP 2002147460 A JP2002147460 A JP 2002147460A JP 2000342988 A JP2000342988 A JP 2000342988A JP 2000342988 A JP2000342988 A JP 2000342988A JP 2002147460 A JP2002147460 A JP 2002147460A
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Mizue Fukushima
福島  瑞惠
Masahiro Muramatsu
正博 村松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低摩擦係数で繰り返し摺動に優れた高耐久性
の自己潤滑性すべりスライド用摺動部材を提供するこ
と。 【解決手段】 固体潤滑剤と熱硬化性樹脂を含む樹脂摺
動材料を部分硬化させた状態で、表面に固体潤滑剤粉末
を塗布しその後加熱し硬化させる事により摺動表面に固
体潤滑剤濃度の高い層を設けたすべりスライド用摺動部
材を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己潤滑性のすべ
りスライド用摺動部材とその製造方法に関する。更に詳
しくは、支持基材上に塗布された熱硬化性樹脂を相手基
材のすべり案内面に転写した後、硬化して形成された樹
脂摺動部材を有するすべりスライド用摺動部材とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械等に用いられる樹脂摺動部材を
有するすべりスライド用摺動部材は、一般に基材(金
属、樹脂等)表面に樹脂摺動部材を有するものであり、
すべりスライドの一方、あるいは両基材に用いられ、両
基材を摺動させて精度の高いワーク加工を行う為の重要
な部品である。また、前記すべりスライド用摺動部材表
面の樹脂摺動部材は摺動特性として、機械的強度、寸法
精度、潤滑性等の特性が要求される。
【0003】前記樹脂摺動部材を構成するための樹脂摺
動材料には、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ポリイ
ミド、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が多く用いられて
おり、これらの樹脂の中でも主剤と硬化剤とからなる二
液性のエポキシ樹脂は組み合わせにより各種特性を有す
る硬化物を得ることが出来る。これらは機械的特性が優
れている、成型収縮率が小さく寸法精度が良い等の優位
性からすべりスライド用摺動部材に応用され用いられて
きた。いる。
【0004】また、前記樹脂摺動部材に自己潤滑性を付
与する目的で、前記樹脂摺動材料に、グラファイト、二
硫過モリブデン、フッ素樹脂等の固体潤滑剤を添加する
場合がある。
【0005】従来の自己潤滑性樹脂摺動部材は、熱硬化
性樹脂と固体潤滑剤とを含む樹脂摺動材料を基材表面に
成型し、更に硬化処理をして該樹脂摺動材料を硬化させ
てすべりスライド摺動部材としていた。
【0006】樹脂摺動を有するすべりスライド用摺動部
材は、相手基材と繰り返し摺動させることにより樹脂摺
動部材に含まれる固体潤滑剤が相手基材面に移着し摩擦
係数を低くする事ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような樹脂摺動
部材を有するすべりスライド用摺動部材において、摺動
特性を向上させるためには前記樹脂摺動材料に含まれる
固体潤滑剤の濃度を高くすれば良いのであるが、一方で
固体潤滑剤の濃度を高くするほど、摩擦係数が低下する
ものの、該樹脂摺動材料の粘度が上昇してしまい作業性
の低下を引き起こすという問題があった。そのため、作
業性が良く、かつより低摩擦性のすべりスライド用摺動
部材を形成することは困難であった。
【0008】また、摩擦係数を低下する目的で、固体潤
滑剤としてPTFE、FEPなどのフッ素樹脂を高濃度
に添加した場合には粘度上昇のみならず、基材と樹脂摺
動部材間の密着性の低下による剥離現象を引き起こすと
いう問題もあった。
【0009】また、前記樹脂摺動部材中の固体潤滑剤が
相手材へ移着した後に、繰り返し摺動中に相手基材から
脱離してしまう場合がある。固体潤滑剤が基材から脱離
すると、摺動における摩擦係数の急激な上昇を引き起こ
す。このような状態になると再度樹脂摺動部材からの固
体潤滑剤の移着が起こるまでは安定した摺動特性を得る
ことはできない。
【0010】本発明は作業性が高く、かつ摺動特性が高
く、更に樹脂摺動部材と基材との密着性も優れたすべり
スライド用摺動部材とその製造方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のすべりスライド
用摺動部材は、基材のすべり面に樹脂摺動部材を有する
すべりスライド用摺動部材であり、該樹脂摺動部材は固
体潤滑剤を含む熱硬化性樹脂を部分硬化させた状態の樹
脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を塗布し、加熱硬化す
る事により表面に固体潤滑剤濃度の高い層を設けたもの
である事を特徴とするものである。
【0012】本発明のすべりスライド用摺動部材は、前
記熱硬化性樹脂が、主剤と硬化剤を含む常温硬化型樹脂
である事を特徴とするものである。
【0013】本発明のすべりスライド用摺動部材は、前
記常温硬化型樹脂が、エポキシ樹脂である事を特徴とす
るものである。
【0014】本発明のすべりスライド用摺動部材は、樹
脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を塗布した際の前記部
分硬化した際の樹脂摺動材料のガラス転移温度が50℃
以下である事を特徴とするものである。
【0015】本発明のすべりスライド用摺動部材は、熱
硬化性樹脂を部分硬化させた状態の樹脂摺動材料表面に
固体潤滑剤粉末を塗布しその後加熱する事により樹脂摺
動材料が一端軟化し、高濃度の固体潤滑剤粉末を表層に
取り込み、その後完全硬化し形成した樹脂摺動部材を有
する事を特徴とするものである。
【0016】本発明のすべりスライド用摺動部材は、す
べりスライドの対向する基材の少なくとも一方に用いら
れる事を特徴とするものである。
【0017】本発明のすべりスライド用摺動部材は、自
己潤滑性を有し、かつ無潤滑下で使用することを特徴と
するものである。
【0018】本発明のすべりスライド用摺動部材の製造
方法は、固体潤滑剤を含む未硬化状態の熱硬化性樹脂を
第一の基材に塗布する工程と、該熱硬化性樹脂に第二の
基材のすべり面の形状を転写する工程と、該形状が転写
された該熱硬化性樹脂を部分硬化状態の樹脂摺動材料と
する工程と、該部分硬化状態の樹脂摺動材料表面に固体
潤滑剤粉末を塗布し、再度第二の基材と密着させ加熱
し、樹脂摺動材料表面に第二の基材のすべり面の形状を
転写すると共に樹脂摺動材料を完全硬化し、樹脂摺動部
材を形成する事を特徴とするものである。
【0019】本発明のすべりスライド用摺動部材の製造
方法は、前記熱硬化性樹脂が、主剤と硬化剤を含む常温
硬化型樹脂である事を特徴とするものである。
【0020】本発明のすべりスライド用摺動部材の製造
方法は、前記常温硬化型樹脂が、エポキシ樹脂である事
を特徴とするものである。
【0021】本発明のすべりスライド用摺動部材の製造
方法は、樹脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を塗布した
際の前記部分硬化状態の樹脂材料のガラス転移温度が5
0℃以下である事を特徴とするものである。
【0022】本発明のすべりスライド用摺動部材の製造
方法は、部分硬化状態の樹脂摺動材料表面に固体潤滑剤
粉末を塗布し第二の基材と密着させ、その後加熱する事
により樹脂摺動材料が一端軟化し、高濃度の固体潤滑剤
粉末を表層に取り込み、かつ第二の基材のすべり面の形
状を転写した後に完全硬化し形成した樹脂摺動部材を有
する事を特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の最適な実施の形態につい
て、図1を用いて説明する。
【0024】本発明第一の基材1上に樹脂摺動部材7を
形成するために、まず、第一の基材1の表面に未硬化の
樹脂摺動材料4を塗布し、第二の基材2の表面に剥離剤
3を薄く塗布した。
【0025】次に、該未硬化の樹脂摺動材料4と第二の
基材2を密着させた状態で前記樹脂摺動材料4を部分硬
化させ、第二の基材2のすべり面の形状が忠実に転写さ
れた樹脂摺動材料5を形成した。
【0026】次に、第一の基材1と第二の基材2を分離
させ、樹脂摺動材料5の表面に固体潤滑剤粉末6を薄く
塗布し、再度、剥離剤3を塗布した第二の基材2の表面
と密着し加熱し摺動用樹脂部材7を形成して本発明のす
べりスライド用摺動部材を形成した。
【0027】このように、樹脂摺動部材7は、第二の基
材2の表面形状を忠実に転写することで通常手作業で行
うキサゲ工程を簡略化することが可能となる。
【0028】また、第一の基材1と第二の基材2のすべ
り面との間にスペーサーを設けることで、樹脂摺動材料
5の厚みを任意にコントロールする事が可能となる。
【0029】また、図1においては第二の基材のすべり
面の形状を忠実に転写した樹脂摺動材料5を形成するた
めに、第二の基材2を用いているが、第二の基材2と同
一のすべり面形状と有する別の基材を用いても良い。
【0030】固体潤滑剤粉末6の塗布方法は、固体潤滑
剤粉末6を樹脂摺動材料5の表面に直接散布する方法で
も、固体潤滑剤粉末6を分散した溶媒を塗布する方法で
もよい。その際、用いる溶剤に対して樹脂摺動材料5が
不活性であることが必要である。例えば熱硬化成樹脂と
してエポキシ樹脂を用いる場合は、ヘキサンなどの低級
飽和脂肪炭化水素溶媒が好ましい。
【0031】固体潤滑剤粉末6の塗布膜厚は、好ましく
は乾燥膜厚で1〜1000μm、更に好ましくは10〜
100μm程度である。
【0032】また、樹脂摺動材料5のガラス転移温度が
50℃より高い場合は、その後の加熱過程で樹脂摺動材
料5の充分な軟化が起こらず固体潤滑剤粉末6を表層に
取り込むことが出来ない。
【0033】このようにして形成されたすべりスライド
用摺動部材の樹脂摺動部材7は表面に高濃度の固体潤滑
剤が存在するため、繰り返し摺動により固体潤滑剤粉末
6が基材から脱離しても直ちに樹脂摺動部材7の表層に
存在する新たな固体潤滑剤粉末6が補給されることより
安定な摺動特性を持続する事ができる。
【0034】摺動用樹脂部材7に含まれる熱硬化性樹脂
は、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ポリイミド、エ
ポキシ樹脂等を用いることができるが、本発明の最適な
実施の形態においては、エポキシ樹脂を用いた。前記エ
ポキシ樹脂を用いる場合には、主剤、硬化剤以外に第三
アミン、フェノール、有機酸等の硬化促進剤や硬化触媒
等を用いても良い。
【0035】更に、本発明のすべりスライドの摺動用樹
脂部材7は機械的特性、寸法安定性、熱的特性を向上す
る目的でカーボンブラック、タルク、マイカ、カオリ
ン、シリカ、ガラスビーズなどの無機フィラーを用いて
も良い。
【0036】以下に、本発明の樹脂摺動部材7を有する
すべりスライド用摺動部材においてのモデルを作製し、
その評価を行った。
【0037】(実施例1) 常温硬化型エポキシ樹脂組成 主剤;ビスフェノールA系エポキシ樹脂 硬化剤;変性アミン硬化剤 固体潤滑剤としてPTFE濃度が全体の5重量%となる
ようにPTFE粉末と主剤を混合し、その後硬化剤を添
加混合し未硬化エポキシ樹脂を調製した。この未硬化の
樹脂摺動材料4であるエポキシ樹脂の適量をS45Cの
試験片母材(第一の基材1)(50mm×50mm×5
mm角)上にとり、予め表面に剥離剤3を塗布したサン
プル成型治具(第二の基材2と同一のすべり面形状と有
する基材)(100mm×100mm×10mm平板冶
具)に押しあてた。塗布膜は、両方の基材間で未硬化の
樹脂摺動材料4のエポキシ樹脂の端に1.5mm厚のス
ペーサーを設けることで制御した。
【0038】その後、常温(25℃)で24時間放置
し、部分硬化させた後、試験片母材(第一の基材1)上
に形成された樹脂摺動材料5をサンプル成型冶具(第二
の基材2と同一のすべり面形状を有する基材)より取り
外し試験片母材(第一の基材1)上に形成された樹脂摺
動材料5を作製した。
【0039】次に、前記樹脂摺動材料5のガラス転移温
度を示差走査熱量測定(DSC)にて測定したところ、
約43℃であることが判った。
【0040】次に試験片母材(第一の基材1)上に形成
された樹脂摺動材料5の表面に固体潤滑剤粉末6として
PTFEを塗布した。塗布方法はPTFE粉末を15w
t%含むヘキサン分散溶液を用いた。
【0041】目視にて乾燥を確認後、固体潤滑剤粉末6
を塗布した樹脂摺動材料5の表面を、再度、剥離剤3を
塗布したサンプル成型治具(第二の基材2と同一のすべ
り面形状と有する基材)に押し当てた。
【0042】その後、60℃で3時間、更に80℃で2
時間の加熱硬化を行ない試験片母材(第一の基材1)上
に形成された樹脂摺動部材7を成型治具(第二の基材2
と同一のすべり面形状と有する基材)より外した。
【0043】続いて、前記樹脂摺動部材7とダイヤモン
ドライクカーボンコートを施したS45Cの平板圧子
(第二の基材2)(10mm×10mm×5mm)を摺
動させた。その摺動条件は、荷重9.8N、速度6m/
min、往復移動距離40mmで摺動回数は2万回で行
った。次に、2万回の繰り返し摺動後の摩擦係数を、荷
重9.8N,速度0.1m/min、移動距離20mm
にて行った。結果を以下に示す。 静摩擦係数・・・0.16 動摩擦係数・・・0.08
【0044】上記のようにガラス転移温度が本発明の範
囲である樹脂摺動材料5を用いて作製した樹脂摺動部材
7を有するすべりスライド用摺動部材は充分な低摩擦性
を有することが判った。
【0045】(実施例2)常温硬化型エポキシ樹脂の主
剤としてビスフェノールF系エポキシ樹脂を用いた他は
実施例1と同様の条件で試験片母材(第一の基材1)上
に形成された樹脂摺動部材7を作製した。
【0046】なお、樹脂摺動材料5のガラス転移温度を
示差走査熱量測定(DSC)にて測定したところ、約4
0℃であることが判った。
【0047】作製した試験片母材(第一の基材1)上に
形成された樹脂摺動部材7と平板圧子(第二の基材2)
を2万回繰り返し摺動させた後の摩擦係数を測定した。
結果を以下に示す。 静摩擦係数・・・0.18 動摩擦係数・・・0.09
【0048】実施例1と同様にガラス転移温度が本発明
の範囲である樹脂摺動材料5を用いて作製した樹脂摺動
部材7を有するすべりスライド用摺動部材は充分な低摩
擦性を有することが判った。
【0049】(実施例3)固体潤滑剤として二硫化モリ
ブデンを用いた他は実施例1と同様の条件で試験片母材
(第一の基材1)上に形成された樹脂摺動部材7を作製
した。
【0050】作製した試験片母材(第一の基材1)上に
形成された樹脂摺動部材7と平板圧子(第二の基材2)
を2万回繰り返し摺動させた後の摩擦係数を測定した。
以下に示す。 静摩擦係数・・・0.20 動摩擦係数・・・0.14
【0051】上記のようにガラス転移温度が本発明の範
囲である樹脂摺動材料5を用いて作製した樹脂摺動部材
7を有するすべりスライド用摺動部材は充分な低摩擦性
を有することが判った。
【0052】(比較例1)固体潤滑剤を部分硬化したエ
ポキシ樹脂表面に塗布しない以外は実施例1と同様の条
件で試験片母材(第一の基材1)上に形成された樹脂摺
動部材7を作製した。
【0053】作製した試験片母材(第一の基材1)上に
形成された樹脂摺動部材7と平板圧子(第二の基材2)
を2万回繰り返し摺動させた後の摩擦係数を測定した。
以下に示す。 静摩擦係数・・・0.33 動摩擦係数・・・0.18
【0054】上記のように、樹脂摺動部材7中の固体潤
滑剤濃度が一様であり、且つ固体潤滑剤濃度が低い場合
は摩擦係数が高く、すべりスライド用摺動部材は良好な
摺動特性を示さないことが判った。
【0055】(比較例2)樹脂摺動材料5を形成後、8
0℃で3時間更に加熱硬化した状態で固体潤滑剤粉末6
を塗布した以外は実施例1と同様の条件で試験片母材
(第一の基材1)上に形成された樹脂摺動部材7を作製
した。樹脂摺動部材7を成型治具より外したところ、樹
脂摺動部材7の表面から固体潤滑剤粉末6であるPTF
E粉末が脱落してしまい、2万回の繰り返し摺動後の摩
擦係数も比較例1と同様であった。
【0056】固体潤滑剤粉末6を塗布した際の樹脂摺動
材料5のガラス転移温度を示差走査熱量測定(DSC)
にて測定したところ約80℃であることが判った。
【0057】上記のように固体潤滑剤粉末6を塗布する
際の樹脂摺動材料5が部分硬化状態ではなく、且つガラ
ス転移温度が本発明の範囲よりも高い場合は、得られた
樹脂摺動部材7の摩擦係数が高く、すべりスライド用樹
脂摺動部材としては良好な摺動特性を示さないことが判
った。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の自己潤滑性
の樹脂摺動部材を用いることで摩擦係数が低く、更に繰
り返し摺動性に優れ、作業性が良好で、かつ該樹脂摺動
部材と基板との密着性も良い高耐久性のすべりスライド
用摺動部材を得ることができた。
【0059】なお、本発明を説明するために用いた図1
においてはすべりスライド用摺動部材の基材が平面状と
して示してあるが、当然凹凸を有するもの、あるいはす
べりスライド摺動部材の両者を嵌合させて摺動するもの
であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最適な実施の形態のすべりスライドの
製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 第一の基材 2 第二の基材 3 剥離剤 4 未硬化の樹脂摺動材料 5 樹脂摺動材料 6 固体潤滑剤粉末 7 樹脂摺動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CFC C08J 7/04 CFCZ C10M 103/06 C10M 103/06 C 107/38 107/38 145/20 145/20 149/18 149/18 169/04 169/04 // C08L 63:00 C08L 63:00 C10N 10:12 C10N 10:12 20:00 20:00 Z 20:06 20:06 Z 30:00 30:00 Z 40:02 40:02 50:02 50:02 50:08 50:08 Fターム(参考) 3J011 KA07 QA05 SC01 SC02 SC14 SC20 SE04 SE05 4D075 AE03 BB26Z CA09 EA02 EA37 4F006 AA34 AB19 BA09 CA00 DA04 EA05 4F100 AA09 AH03 AK01B AK17 AK53B AR00B AT00A BA02 BA07 CA02 CA19B DE01B EC04 EH46 EJ08 EJ42 GB51 JA05B JB13B JK01 JK16 JK16B YY00B 4H104 AA19A CB12C CD02A CE13C EA04Z EA08A FA06 LA20 PA01 QA08 QA11 QA22

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材のすべり面に樹脂摺動部材を有する
    すべりスライド用摺動部材において、該樹脂摺動部材は
    固体潤滑剤を含む熱硬化性樹脂を部分硬化させた状態の
    樹脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を塗布し、加熱硬化
    する事により表面に固体潤滑剤濃度の高い層を設けたも
    のである事を特徴とするすべりスライド用摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂が、主剤と硬化剤を含
    む常温硬化型樹脂である事を特徴とする請求項1に記載
    のすべりスライド用摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記常温硬化型樹脂が、エポキシ樹脂で
    ある事を特徴とする請求項2に記載のすべりスライド用
    摺動部材。
  4. 【請求項4】 樹脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を塗
    布した際の前記部分硬化した際の樹脂摺動材料のガラス
    転移温度が50℃以下である事を特徴とする請求項1に
    記載のすべりスライド用摺動部材。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂を部分硬化させた状態の樹
    脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を塗布しその後加熱す
    る事により樹脂摺動材料が一端軟化し、高濃度の固体潤
    滑剤粉末を表層に取り込み、その後完全硬化し形成した
    樹脂摺動部材を有する事を特徴とする請求項1記載のす
    べりスライド用摺動部材。
  6. 【請求項6】 前記すべりスライド用摺動部材がすべり
    スライドの対向する基材の少なくとも一方に用いられる
    事を特徴とする請求項1に記載のすべりスライド用摺動
    材料。
  7. 【請求項7】 自己潤滑性を有し、かつ無潤滑下で使用
    することを特徴とする請求項1記載のすべりスライド用
    摺動部材。
  8. 【請求項8】 固体潤滑剤を含む未硬化状態の熱硬化性
    樹脂を第一の基材に塗布する工程と、該熱硬化性樹脂に
    第二の基材のすべり面の形状を転写する工程と、該形状
    が転写された該熱硬化性樹脂を部分硬化状態の樹脂摺動
    材料とする工程と、該部分硬化状態の樹脂摺動材料表面
    に固体潤滑剤粉末を塗布し、再度第二の基材と密着させ
    加熱し、樹脂摺動材料表面に第二の基材のすべり面の形
    状を転写すると共に樹脂摺動材料を完全硬化し、樹脂摺
    動部材を形成する事を特徴とするすべりスライド用摺動
    部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記熱硬化性樹脂が、主剤と硬化剤を含
    む常温硬化型樹脂である事を特徴とする請求項8に記載
    のすべりスライド用摺動部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記常温硬化型樹脂が、エポキシ樹脂
    である事を特徴とする請求項8に記載のすべりスライド
    用摺動部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 樹脂摺動材料表面に固体潤滑剤粉末を
    塗布した際の前記部分硬化状態の樹脂摺動材料のガラス
    転移温度が50℃以下である事を特徴とする請求項8に
    記載のすべりスライド用摺動部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 部分硬化状態の樹脂摺動材料表面に固
    体潤滑剤粉末を塗布し第二の基材と密着させ、その後加
    熱する事により樹脂摺動材料が一端軟化し、高濃度の固
    体潤滑剤粉末を表層に取り込み、かつ第二の基材のすべ
    り面の形状を転写した後に完全硬化し形成した樹脂摺動
    部材を有する事を特徴とする請求項8に記載のすべりス
    ライド用摺動部材の製造方法。
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