JP2002147275A - 内燃機関の吸気温センサの制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸気温センサの制御装置

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JP2002147275A
JP2002147275A JP2000341584A JP2000341584A JP2002147275A JP 2002147275 A JP2002147275 A JP 2002147275A JP 2000341584 A JP2000341584 A JP 2000341584A JP 2000341584 A JP2000341584 A JP 2000341584A JP 2002147275 A JP2002147275 A JP 2002147275A
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JP
Japan
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intake air
air temperature
value
internal combustion
combustion engine
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JP2000341584A
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Inventor
Hiroaki Tsuji
宏彰 辻
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の吸気温センサの制御装置におい
て、内燃機関の高負荷運転直後のように、エンジンルー
ム内の温度と外気温度との温度差が大きい場合でも、吸
入空気の温度の予測の精度を向上し、外気温度にかなり
近い予測した吸気温予測値により、無意味に点火時期を
遅角(リタード)制御することをなくし、精度の高いエ
ンジン制御を実施して、エンジントルクの低下を防止
し、発進加速性能を向上するとともに、燃費を向上する
ことにある。 【構成】 エンジンルーム内温度判定条件を満足し且つ
内燃機関が高負荷運転されていた場合には、吸気温セン
サの実測値を補正して吸気温予測値を算出する制御手段
を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の吸気
温センサの制御装置に係り、特に吸気温センサの応答遅
れを補正制御する内燃機関の吸気温センサの制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】車両においては、搭載した内燃機関に吸
入空気を導く吸気通路を設け、この吸気通路の吸入空気
の温度を検出してこの検出した吸入空気の温度に対応し
た検出信号を出力する吸気温センサを設けている。
【0003】ところで、一般的に、吸気温センサの応答
性はあまり良くないことから、高応答性の吸気温センサ
が市場に出回っている。しかし、高応答性の吸気温セン
サは、コストが高いので、上位グレードの車種にのみ採
用されているだけである。また、吸入空気の温度は、主
に点火時期の制御のために利用されており、そして、吸
入空気の温度が高い場合には、点火時期を遅角(リター
ド)させてノッキングの発生を防止する制御が行われて
いる。
【0004】このような内燃機関の吸気温センサの制御
装置としては、例えば、特開平5−248292号公
報、特開平9−222366号公報に開示されている。
特開平5−248292号公報に記載のものは、外気温
度と吸気温度とを加重平均し、この加重平均によって吸
気管内の熱収支を考慮させ、吸気温センサの検出遅れに
関わらず、実際の吸気温度を正確に検出するものであ
る。特開平9−222366号公報に記載のものは、熱
式空気流量計を備えた内燃機関において、エアクリーナ
のエレメントにおける温度分布の不均一が生じ得る原因
であるところのエレメントの上流と下流での温度を検出
し、熱式空気流量計における出力値に乱れが生ずる不安
定状態を的確に検出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、内燃
機関の吸気温センサの制御装置にあっては、内燃機関の
高負荷運転後で、車両を停止して内燃機関をアイドル運
転状態で放置した場合等において、走行風による冷却が
なく、エンジンルーム内雰囲気温度が上昇し、これに伴
い、吸入空気の温度も上昇する。ここで、車両を発進さ
せた場合に、内燃機関には外気が多量に吸い込まれるの
で、吸入空気の温度が急激に低下するはずであるが、吸
気温センサの応答性が悪いので、吸気温センサから出力
された検出信号の値である吸気温センサ指示値が高温の
まま変化しない現象が起こるものである。この場合に、
吸気温センサによる吸気温センサ指示値が高温であるた
めに、点火時期の遅角(リタード)制御が働くのである
が、実際の吸入空気の温度が低いので、点火時期を遅角
(リタード)制御させなくても、ノッキングが起こらな
いものである。つまり、この状況においては、無意味に
点火時期を遅角(リタード)制御してしまうことにな
り、このため、単に、エンジントルクの低下を招き、発
進加速性能が悪化してしまうという不都合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、車両に搭載した内燃機関
に吸入空気を導く吸気通路を設け、この吸気通路の吸入
空気の温度を検出してこの検出した吸入空気の温度に対
応した検出信号を出力する吸気温センサを設け、この吸
気温センサの応答遅れを補正制御する内燃機関の吸気温
センサの制御装置において、エンジンルーム内温度判定
条件を満足しているか否かを判定するエンジンルーム内
温度判定部と、前記内燃機関が高負荷運転されていたか
否かを判定する機関運転状態判定部と、吸気温予測を行
うか否かを判定する吸気温予測判定部とを有し、前記エ
ンジンルーム内温度判定条件を満足し且つ前記内燃機関
が高負荷運転されていた場合には、前記吸気温センサの
実測値を補正して吸気温予測値を算出する制御手段を設
けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明は、エンジンルーム内温
度判定条件を満足し且つ内燃機関が高負荷運転されてい
た場合には、吸気温センサの実測値を補正して吸気温予
測値を算出することから、内燃機関の高負荷運転直後の
ように、エンジンルーム内の温度と外気温度との温度差
が大きい場合でも、吸入空気の温度の予測の精度を向上
し、外気温度にかなり近い予測した吸気温予測値によ
り、無意味に点火時期を遅角(リタード)制御すること
がなくなり、精度の高いエンジン制御を実施して、エン
ジントルクの低下を防止し、発進加速性能を向上すると
ともに、燃費を向上することができる。
【0008】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
且つ具体的に説明する。図1〜6は、この発明の実施例
を示すものである。図6において、2は車両のエンジン
ルーム(図示せず)内に搭載される内燃機関、4はシリ
ンダブロック、6はシリンダヘッド、8はシリンダヘッ
ドカバー、10はピストン、12は燃焼室、14は吸気
カム軸、16は排気カム軸である。
【0009】内燃機関2の吸気系においては、エアクリ
ーナ18と吸気管20とスロットルボディ22とサージ
タンク24と吸気マニホルド26とが順次に接続して設
けられ、燃焼室12に連通する吸気通路28が形成され
ている。スロットルボディ22内には、スロットル弁3
0が設けられている。
【0010】吸気マニホルド26には、燃焼室12に指
向した燃料噴射弁32が設けられている。この燃料噴射
弁32には、燃料タンク34に連絡した燃料供給管36
が接続されている。燃料タンク34内には、燃料供給管
36に燃料を送給する燃料ポンプ38が燃料フィルタ4
0とを介して設けられている。燃料供給管36の途中に
は、プレッシャレギュレータ42が設けられている。こ
のプレッシャレギュレータ42は、サージタンク24に
連通した負圧通路44からの負圧によって作動し、燃料
供給管36内の燃料圧を一定に調整して、余った燃料を
燃料戻し通路46から燃料タンク34内に戻すものであ
る。
【0011】また、内燃機関2の吸気系には、アイドル
回転数制御装置48が設けられる。
【0012】このアイドル回転数制御装置48において
は、スロットル弁30の吸気通路部分を迂回するよう
に、スロットルボディ22の上流側の吸気管20とサー
ジタンク24とを連通するバイパス通路50が設けられ
ている。このバイパス通路50の途中には、このバイパ
ス通路50内の空気量を調整してアイドル回転数を制御
するアイドル制御弁(ISCバルブ)52が設けられて
いる。
【0013】更に、内燃機関2と燃料タンク34との間
には、蒸発燃料処理装置54が設けられる。
【0014】この蒸発燃料処理装置54においては、燃
料タンク34にエバポ通路56の一端側が連通して設け
られている。このエバポ通路56の他端側は、キャニス
タ58に連通して設けられている。また、キャニスタ5
8には、パージ通路60の一端側が連通して設けられて
いる。このパージ通路60の他端側は、スロットル弁3
0よりも上流側のスロットルボディ22内に連通して設
けられている。
【0015】シリンダヘッドカバー8には、PCVバル
ブ62を介してサージタンク24内に連通する第1ブロ
ーバイガス管64が接続されているとともに、スロット
ルボディ22の上流側の吸気管20に連通する第2ブロ
ーバイガス管66が接続されている。
【0016】また、内燃機関2の排気系においては、燃
焼室12に排気通路68が連通し、排気マニホルド70
と排気管72とが順次に接続して設けられている。この
排気管72には、触媒コンバータ74が設けられてい
る。
【0017】内燃機関2においては、エンジン回転数を
検出することができるクランク角センサとしても機能す
るディストリビュータ76が設けられ、点火装置のイグ
ニションコイル78が設けられ、サージタンク24に連
通した検出圧力通路80から導入される吸気管圧力を検
出して機関負荷を検出する吸気管圧力センサ82が設け
られ、サージタンク24に取り付けられて吸気通路28
内の吸入空気の温度を検出してこの検出した吸入空気の
温度に対応した検出信号を出力する吸気温センサ84が
設けられ、内燃機関2の冷却水温度として吸気マニホル
ド26の冷却水通路86内の水温を検出する水温センサ
88が吸気マニホルド26に設けられ、スロットル弁3
0のスロットル開度を検出するスロットルセンサ90が
設けられ、シリンダブロック4に取り付けられてノック
状態を検出するノックセンサ92が設けられ、排気通路
68の排気中の酸素濃度を検出する空燃比センサとして
の酸素濃度検出センサ94が設けられ、そして、触媒コ
ンバータ74にフィーズ式の温度センサ96が設けられ
ている。
【0018】燃料噴射弁32と燃料ポンプ38とアイド
ル制御弁52とディストリビュータ76とイグニション
コイル78と吸気管圧力センサ82と吸気温センサ84
と水温センサ88とスロットルセンサ90とノックセン
サ92と酸素濃度検出センサ94とは、制御手段(EC
M)98に連絡している。また、この制御手段98に
は、警告灯100を介して温度センサ96が接続されて
いるとともに、イグニションスイッチ102及びメイン
ヒューズ104を介してバッテリ106が接続され、ま
た、車両の車速を検出する車速センサ108が接続さ
れ、更に、内燃機関2のアイドル運転状態を検出するア
イドルスイッチ110が接続されている。
【0019】制御手段98は、吸気温センサ84の補正
制御を行うように、エンジンルーム内温度判定条件を満
足しているか否かを判定するエンジンルーム内温度判定
部98Aと、内燃機関2が高負荷運転されていたか否か
を判定する機関運転状態判定部98Bと、吸気温予測を
行うか否かを判定する吸気温予測判定部98Cとを有
し、エンジンルーム内温度判定条件を満足し且つ内燃機
関2が高負荷運転されていた場合には、吸気温センサ8
4からの検出信号の値としての実測値である吸気温指示
値(Ts)を補正して吸気温予測値(T)を算出するも
のである。
【0020】エンジンルーム内温度判定部98Aにおい
ては、内燃機関2の始動(オン)時のエンジンルーム内
雰囲気温度が高負荷運転後の内燃機関2の停止(オフ)
中の温度上昇による温度であるか否かを判定するもので
ある。また、エンジンルーム内温度判定条件は、内燃機
関2の始動時の水温<δ、Ts<Tend+εである。
ここで、δとεとは任意に設定できる定数(一定値)、
Tsは吸気温センサ指示値、Tendは吸気温記憶値で
ある。この吸気温記憶値(Tend)は、バックアップ
RAM値として内燃機関2の停止(オフ)後も保存され
るものである。エンジンルーム内温度判定条件を満足し
た場合には、内燃機関2の高負荷運転による温度上昇が
なかったとして判断し、その直後の車両の発進動作時
に、吸気温予測を行わなず、放熱量予測カウンタ(K)
の演算に移る。一方、エンジンルーム内温度判定条件を
満足しなかった場合には、内燃機関2の高負荷運転によ
る温度上昇があったとして判断し、その直後の車両の発
進動作時に、放熱量予測カウンタ(K)の演算を省略し
て、すぐに、吸気温予測を行う。
【0021】機関運転状態判定部98Bにおいて、内燃
機関2が高負荷運転されていたか否かを判定する高負荷
モード条件は、エンジン回転数>ζ、充填効率>η、ス
ロットル開度>ο、水温>ρである。ここで、ζ、η、
ο、ρは、任意に設定できる定数(一定値)である。高
負荷モード条件が成立した場合には、内燃機関2が高負
荷運転であると判定する。一方、高負荷モード条件が不
成立の場合には、内燃機関2が高負荷運転ではないと判
定する。
【0022】吸気温予測判定部98Cにおいては、車両
の停止後で、その直後の車両の発進動作時に吸気温予測
を行うか否かを判定するものであり、吸気温予測モード
判定条件は、放熱量予測カウンタ(K)>θ、水温>ι
である。ここで、θ、ιは、任意に設定できる定数(一
定値)である。この吸気温予測モード判定条件が成立し
た場合には、その直後の車両の発進動作時に、吸気温予
測を行う。一方、この吸気温予測モード判定条件が不成
立の場合には、その直後の車両の発進動作時に、吸気温
予測を行なわない。
【0023】また、制御手段98は、吸気温センサ復帰
条件が成立した場合に、吸気温予測値(T)を実測値で
ある吸気温センサ指示値(Ts)に収束制御するもので
ある。吸気温センサ復帰条件は、図5に示す如く、車両
の発進動作からある時間が経過し、吸気温センサ指示値
(Ts)も低下し、吸気温予測の必要がなくなったか否
かを判定するものであり、車両の発進動作からの経過時
間(t’)>ξ、吸気温センサ指示値(Ts)が車両の
発進動作時から低下し、最小値(S)を示した時点であ
る。ここで、ξは、任意に設定できる定数(一定値)で
ある。この吸気温センサ復帰条件が成立した場合には、
以降は、吸気温センサ指示値(Ts)を使用する。一
方、この吸気温センサ復帰条件が不成立の場合には、以
降も、まだ、吸気温予測値(T)を使用する。
【0024】次に、この実施例の作用を、図1のフロー
チャート及び図2のタイムチャートに基づいて説明す
る。
【0025】内燃機関2が始動(オン)して制御手段9
8のプログラムがスタートすると(ステップ202)、
先ず、エンジンルーム内温度判定条件を満足したか否か
を判断する(ステップ204)。このエンジンルーム内
温度判定は、内燃機関2の始動(オン)時のエンジンル
ーム内雰囲気温度が高負荷運転後の内燃機関2の停止
(オフ)中の温度上昇による温度であるか否かを判定す
るものである。
【0026】ステップ204がYESで、エンジンルー
ム内温度判定条件を満足した場合には、高負荷モード条
件が成立したか否かを判断する(ステップ206)。
【0027】このステップ206がYESで、高負荷モ
ード条件が成立した場合には、放熱量予測カウンタ
(K)に放熱量上昇予測値(F(Ne、Ec)・V)を
加算、つまり、K=K+F(Ne、Ec)・V…式1を
演算する(ステップ208)。ここで、Kは放熱量予測
カウンタ、Neはエンジン回転数、Ecは充填効率、V
は車速である。放熱量上昇予測値(F(Ne、Ec)・
V)は、現在の内燃機関2の高負荷運転により、その後
のアイドル運転放置時間(t)(図2参照)に発生する
エンジンルーム内雰囲気温度の上昇分を、模擬的に演算
した値であり、図3に示す如く、エンジン回転数(N
e)・充填効率(Ec)の放熱量上昇予測用マップで得
られた値と車速(V)との積で求められる。
【0028】一方、ステップ206がNOで、高負荷モ
ード条件が不成立の場合には、放熱量予測カウンタ
(K)から放熱量減少予測値(G(Ne、Ec)・V)
を減算、つまり、K=K−G(Ne、Ec)・V…式2
の演算をする(ステップ210)。放熱量減少予測値
(G(Ne、Ec)・V)は、現在の内燃機関2の低負
荷運転により、その後のアイドル運転放置時間(t)に
発生するエンジンルーム内雰囲気温度の減少分を、模擬
的に演算した値であり、図4に示す如く、エンジン回転
数(Ne)・充填効率(Ec)の放熱量減少予測用マッ
プで得られた値と車速(V)との積で求められる。
【0029】また、この高負荷モード条件の不成立時に
おいて、吸気温センサ指示値Tsの最小値である吸気温
センサ指示最小値(Tmin)を求める(ステップ21
2)。この吸気温センサ指示最小値(Tmin)は、T
min=min(Ts、Tmin)…式3で求められ、
バックアップRAM値として内燃機関の停止後も保存さ
れるものである。
【0030】前記ステップ208、212の演算後に
は、車速が零(ゼロ)か否かを判断する(ステップ21
4)。
【0031】このステップ214がNOで、車両が走行
している場合には、ステップ206に戻す。
【0032】ステップ214がYESで、車両が停止し
ている場合には、吸気温予測モード判定条件が成立した
か否かを判断する(ステップ216)。この吸気温予測
モード判定は、車両の停止後で、その直後の車両の発進
動作時に吸気温予測を行うか否かを判定するものであ
る。
【0033】このステップ216がNOで、吸気温予測
モード判定条件が不成立の場合には、その直後の車両の
発進動作時に、吸気温予測を行なわず、吸気温センサ指
示最小値(Tmin)=γ…式4として(ステップ21
8)、そして、車両を発進して(ステップ220)、ス
テップ206に戻す。ここで、γは、任意に設定できる
定数(一定値)である。
【0034】一方、前記ステップ204がNOで、エン
ジンルーム内温度判定条件が不成立の場合には、内燃機
関2の高負荷運転による温度上昇があったとして判断
し、その直後の車両の発進動作時に、放熱量予測カウン
タ(K)の演算を省略して、すぐに、吸気温予測を行
い、放熱量予測カウンタ(K)には、一定値(π)を代
入、つまり、放熱量予測カウンタ(K)=π…式5とす
る(ステップ222)。
【0035】このステップ222の処理後、又は、前記
ステップ216がYESで、吸気温予測モード判定条件
が成立した場合には、その直後の車両の発進動作時に、
吸気温予測を行うものであり、車両の停止中の内燃機関
2のアイドル運転放置時間(t)(図2参照)を計測す
る(ステップ224)。
【0036】そして、吸気温センサ指示最小値(Tmi
n)を、Tmin=min(Ts、Tmin)…式6で
求める(ステップ226)。
【0037】次いで、車両が発進したか否かを判断する
(ステップ228)。
【0038】このステップ228がYESで、車両が停
止状態から発進した時には、現在の吸気温センサ指示値
(Ts)から高負荷モード条件の不成立時の吸気温セン
サ指示最小値(Tmin)を減算し、アイドル運転放置
時間(t)の吸気上昇分(ΔT)を、ΔT=Ts−Tm
in…式7で求める(ステップ230)。
【0039】また、以後の吸気温予測値(T)を、吸気
温センサ指示値(Ts)に代わって使用する(ステップ
232)。
【0040】そして、吸気上昇分(ΔT)の演算後に、
減算係数(h(K、t、t’))、吸気温予測値(T)
を演算する(ステップ234)。減算係数(h(K、
t、t’))は、例えば、h(K、t、t’)=k・K
+λ・t+μ・t’+νで求められる。また、吸気温
予測値(T)は、T=Ts−ΔT・h(K、t、t’)
…式8により、放熱量予測カウンタ(K)とアイドル運
転放置時間(t)とを因数に持ち、実験データを基にし
て定められた関数である。ここで、Tsは吸気温センサ
指示値、ΔTはアイドル放置時の吸気温上昇分、Kは放
熱量予測カウンタ、tはアイドル運転放置時間、t’は
発進動作からの経過時間、k、λ、μ、νは任意に設定
できる定数(一定値)である。T=Ts−ΔT・h
(K、t、t’)…式8は、減算係数(h(K、t、
t’))により、段階的に、吸気温予測値(T)を吸気
温センサ指示最小値(Tmin)に収束させるものであ
る。この減算係数(h(K、t、t’))は、実際の吸
入空気の温度の挙動を高い精度で予測させることができ
るものである。
【0041】次いで、吸気温予測値(T)が高負荷モー
ド条件の不成立時の吸気温センサ指示最小値(Tmi
n)に収束したか否か、つまり、|T−Tmin|<α
…式9か否かを判断する(ステップ236)。ここで、
Tは吸気温予測値、Tminは吸気温センサ指示最小
値、αは任意に設定できる定数(一定値)である。
【0042】ステップ236がNOで、吸気温予測値
(T)が吸気温センサ指示最小値(Tmin)に収束し
ていない場合には、ステップ234に戻す。
【0043】ステップ236がYESで、吸気温予測値
(T)が高負荷モード条件の不成立時の吸気温センサ指
示最小値(Tmin)に収束して|T−Tmin|<α
…式10の場合には、その後に、吸気温予測値(T)を
吸気温センサ指示最小値(Tmin)と同値、つまり、
T=Tmin…式10とする(ステップ238)。
【0044】そして、吸気温センサ復帰条件が成立した
か否かを判断する(ステップ240)。この吸気温セン
サ復帰条件は、図5に示す如く、車両の発進動作からあ
る時間(t’)が経過し、吸気温センサ指示値(Ts)
も低下し、吸気温予測の必要がなくなったか否かを判定
するものであり、車両の発進動作からの経過時間
(t’)>ξ、吸気温センサ指示値(Ts)が車両の発
進動作時から低下し、最小値(S)を示した時点であ
る。
【0045】ステップ240がNOで、吸気温センサ復
帰条件が不成立の場合には、以降も、まだ、吸気温予測
値(T)を使用するために、ステップ238に戻す。
【0046】ステップ240がYESで、吸気温センサ
復帰条件が成立した場合には、以降は、吸気温センサ指
示値(Ts)を使用するために、吸気温予測値(T)を
段階的に現在の吸気温センサ指示値(Ts)へ収束させ
る(ステップ242)。つまり、吸気温予測値(T)
を、T=Ts+(Ts−T)・β…式11で求める。こ
こで、βは、任意に設定できる定数(一定値)である。
【0047】そして、吸気温予測値(T)が吸気温セン
サ指示値(Ts)へ収束したか否か、つまり、|T−T
s|<α…式12か否かを判断する(ステップ24
4)。ここで、Tは吸気温予測値、Tsは吸気温センサ
指示値、αは任意に設定できる定数(一定値)である。
【0048】ステップ244がNOで、吸気温予測値
(T)が吸気温センサ指示値(Ts)へ収束していない
場合には、ステップ242に戻す。
【0049】ステップ244がYESで、吸気温予測値
(T)が吸気温センサ指示値(Ts)へ収束した場合に
は、以後、吸気温センサ指示値(Ts)を、吸気温予測
値(T)に代わって使用する(ステップ246)。
【0050】そして、吸気温センサ指示最小値(Tmi
n)に予め設定しておいた初期値(γ)を代入、つま
り、Tmin=γ…式13とし(ステップ248)、ス
テップ206に戻して、一連の処理を終了する。
【0051】一方、前記ステップ228がNOで、車両
が停止中の場合には、内燃機関2が停止(オフ)か否か
を判断する(ステップ250)。
【0052】このステップ250がNOで、内燃機関2
が運転している場合には、ステップ224に戻す。
【0053】ステップ250がYESで、車両の停止中
で内燃機関2が停止した場合には、その時の吸気温セン
サ指示値(Ts)を、前走行時の吸気温記憶値(Ten
d)として、つまり、Tend=Ts…式14として記
憶し(ステップ252)、その処理を終了する(ステッ
プ254)。
【0054】つまり、低負荷走行時の吸気温度は内燃機
関2からの放熱量が低下し、エンジンルーム内雰囲気温
度も低下し、吸気温センサ指示値(Ts)も応答遅れは
あるが、徐々に低下していく。そして、その吸気温セン
サ指示最小値(Tmin)を、車両の発進時の吸気温予
測値(T)として用いている。また、その吸気温センサ
指示最小値(Tmin)は、車両の発進の直前の1走行
(走行−停止)間でのものである。
【0055】この結果、図2に示す如く、吸気温センサ
84の応答遅れを、放熱量予測カウンタ(K)、吸気温
予測値(T)を演算し、模擬的に吸入空気の温度を予測
することにより、車両の発進時及び発進後のある期間の
間に(図2の時間R1とR2間のXで示す)、吸気温セ
ンサ指示値(Ts)を図2の実線から破線で示すように
補正して、吸気温センサ84の応答遅れを補正し、内燃
機関2の高負荷運転直後のように、エンジンルーム内の
温度と外気温度との温度差が大きい場合でも、吸入空気
の温度の予測の精度を向上し、外気温度にかなり近い予
測した吸気温予測値(T)を使用することにより、無意
味に点火時期を遅角(リタード)制御することをなく
し、精度の高いエンジン制御を実施して、エンジントル
クの低下を防止し、発進加速性能を向上するとともに、
燃費を向上することができる。
【0056】また、吸気温センサ復帰条件が成立した場
合に、吸気温予測値(T)を実測値である吸気センサ指
示値(Ts)に収束制御することにより、吸気温センサ
84の実測値と吸気温予測値(T)との差が小さくなっ
たときには、吸気温予測値(T)を徐々に小さくして行
くので、補正制御が必要な場合と補正制御が不要な場合
とで、吸気温センサ84からの吸気センサ指示値(T
s)の値の急変を回避させて、通常の制御に移行するこ
とができ、運転性能を向上することができる。。
【0057】更に、吸気温予測値(T)として、車両の
発進の直前の1走行(停止−走行−停止)間の低負荷運
転時の吸気温センサ指示最小値(Tmin)を用いるの
で、吸入空気の温度の予測の精度を向上することができ
る。
【0058】また、車両の発進の直前まで、高負荷運
転、低負荷運転がどれだけ行われたかを判断し、これに
より、内燃機関2からの放熱によって車両の停止時に吸
気温上昇があるかを予測するので、吸入空気の温度の予
測の精度を向上することができる。
【0059】更に、減算係数(h(K、t、t’))に
より、段階的に、吸気温予測値(T)を吸気温センサ指
示最小値(Tmin)に収束させるので、実際の吸入空
気の温度の挙動を高い精度で予測させることができる。
【0060】なお、この発明においては、外気温度と内
燃機関温度とによる吸入空気の温度の予測値(推定値)
のマップを設け、このマップから吸入空気の温度の予測
値を求めるとともにこの予測値を学習させることによ
り、予測値を簡単に且つ正確に設定することが可能とな
る。
【0061】また、吸気温予測値を算出するために、大
気圧状態も考慮し、吸気温予測値を精度良く算出するこ
とも可能である。
【0062】
【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの
発明によれば、エンジンルーム内温度判定条件を満足し
且つ内燃機関が高負荷運転されていた場合には、吸気温
センサの実測値を補正して吸気温予測値を算出する制御
手段を設けたことにより、内燃機関の高負荷運転直後の
ように、エンジンルーム内の温度と外気温度との温度差
が大きい場合でも、吸入空気の温度の予測の精度を向上
し、外気温度にかなり近い予測した吸気温予測値によ
り、無意味に点火時期を遅角(リタード)制御すること
がなくなり、精度の高いエンジン制御を実施して、エン
ジントルクの低下を防止し、発進加速性能を向上すると
ともに、燃費を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸気温センサの制御のフローチャートである。
【図2】吸気温センサの制御のタイムチャートである。
【図3】放熱量上昇予測用マップを示す図である。
【図4】放熱量減少予測用マップを示す図である。
【図5】吸気温センサ復帰条件を示す図である。
【図6】吸気温センサの制御装置のシステム構成図であ
る。
【符号の説明】
2 内燃機関 28 吸気通路 84 吸気温センサ 98 制御手段 102 イグニションスイッチ 108 車速センサ 110 アイドルスイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載した内燃機関に吸入空気を導
    く吸気通路を設け、この吸気通路の吸入空気の温度を検
    出してこの検出した吸入空気の温度に対応した検出信号
    を出力する吸気温センサを設け、この吸気温センサの応
    答遅れを補正制御する内燃機関の吸気温センサの制御装
    置において、エンジンルーム内温度判定条件を満足して
    いるか否かを判定するエンジンルーム内温度判定部と、
    前記内燃機関が高負荷運転されていたか否かを判定する
    機関運転状態判定部と、吸気温予測を行うか否かを判定
    する吸気温予測判定部とを有し、前記エンジンルーム内
    温度判定条件を満足し且つ前記内燃機関が高負荷運転さ
    れていた場合には、前記吸気温センサの実測値を補正し
    て吸気温予測値を算出する制御手段を設けたことを特徴
    とする内燃機関の吸気温センサの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、吸気温センサ復帰条件
    が成立した場合に、前記吸気温予測値を前記吸気温セン
    サの実測値に収束制御することを特徴とする請求項1に
    記載の内燃機関の吸気温センサの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンルーム内温度判定部は、前
    記内燃機関の始動時の水温が一定値よりも小さく且つ吸
    気温センサ指示値が吸気温記憶値と一定値とを加えた値
    よりも小さい場合に、前記エンジンルーム内温度判定条
    件を満足することを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関の吸気温センサの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記機関運転状態判定部は、エンジン回
    転数が一定値よりも大きく、充填効率が一定値よりも大
    きく、スロットル開度が一定値よりも大きく、そして、
    水温が一定値よりも大きい場合に、前記内燃機関が高負
    荷運転されていたと判定することを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関の吸気温センサの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記吸気温予測値は、吸気温センサ指示
    値から吸気上昇分と減算係数とをかけた値を減算して算
    出されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    吸気温センサの制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228571A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Suzuki Motor Corp エンジンの点火時期制御装置
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CN113740068A (zh) * 2021-08-31 2021-12-03 重庆长安汽车股份有限公司 发动机进气沿程温度对车辆加速度性能影响的识别方法

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