JP2002147262A - 往復動式内燃機関 - Google Patents

往復動式内燃機関

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JP2002147262A JP2000343790A JP2000343790A JP2002147262A JP 2002147262 A JP2002147262 A JP 2002147262A JP 2000343790 A JP2000343790 A JP 2000343790A JP 2000343790 A JP2000343790 A JP 2000343790A JP 2002147262 A JP2002147262 A JP 2002147262A
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stroke
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combustion engine
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Toyoshi Sakata
豊志 坂田
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 従来技術の複雑な機構を用いずに技術的
に容易な機構で実用化を可能にし、しかも気温の変化に
影響されず更に熱効率の改善を図り得る往復動式内燃機
関を提供する。 【解決手段】 4サイクル機関のシリンダ3外部にお
いて昇圧した燃焼用空気をシリンダ3に導入するために
吸入行程(a)の開始時に吸気弁12を開にして吸入行
程(a)に続く圧縮行程(b)の途中段階まで吸気弁1
2の開状態を維持し、圧縮行程(b)の途中段階におい
て吸気弁12を閉止して圧縮の残行程をピストン11の
作動によって圧縮することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電設備や交通機
関等の原動機として使用される往復動式内燃機関であっ
て、該内燃機関に供給する燃焼空気の圧縮操作の低動力
化、高効率化を達成して機関の熱効率を改善する往復動
式内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から実用的に用いられている往復動
式内燃機関の一般的な実例について、図5に概念的に示
す系統図を参照して説明すると、大気から導入した燃焼
用空気を、過給機1で最大約0.3MPa程度まで昇圧
し、インタークーラー2で冷却した後、吸気マニホール
ド4を経由して往復動式内燃機関3の吸入過程に供給さ
れ圧縮、燃焼過程を経て動力を発生させて発電機10等
を駆動した後、排気ガスとなって排気マニホールド5を
経由して過給機1を駆動した後、排熱ボイラー6で排熱
を回収されて大気に放出されている。
【0003】図6は、図5の往復動式内燃機関が4サイ
クル式の場合におけるシリンダ内の各行程と吸気弁、吐
出弁の動作を概念的に示す説明図である。吸入行程(図
6(a))ではピストン11が上死点の位置で吸気弁1
2が全開となりピストン11が下死点まで下降して大気
もしくは燃料との混合流体を吸入する。圧縮行程(図6
(b))ではピストンが下死点の位置で吸気弁12と吐
出弁13とも全閉状態でピストン11が上死点に達して
燃焼用流体の圧縮が完了する。
【0004】燃焼行程(図6(c))では前行程の流体
の圧縮熱もしくは火花点火によって燃焼及び燃焼ガスの
膨張が行われピストン11が下死点に達して熱機関外部
に動力を発生させる。排気行程(図6(d))では吐出
弁13が開となりピストン11が上死点に達して燃焼ガ
スをシリンダ外に排出する。
【0005】図7は、図5の往復動式内燃機関が2サイ
クル式の場合におけるシリンダ内の各行程を示す説明図
である。図7(a)が燃焼による膨張行程であり、動力
を発生しつつピストンが押し下げられる。図7(b)の
位置まできた時、排気口13’が開き排ガスがシリンダ
3外へと排出され、さらにピストン11が押し下げられ
る.図7(c)まできた時、吸気口12’(掃気口)が
開き、クランクケース圧縮またはルーツブロアなどによ
り大気圧より少し圧力が高められた燃焼用空気もしくは
燃焼用流体(空気と燃料の混合気体、以下本分中同じ)
がシリンダ3に入り、排ガスを追い出す。この換気作用
は図7(d)のピストン11の上昇行程で吐出口13’
が塞がれるまで続けられその後に圧縮行程に入る。
【0006】しかしながら、上記従来の往復動式内燃機
関では、いずれもシリンダー内での圧縮操作に多くの動
力を必要とするため、熱効率が低くなってしまう。
【0007】シリンダー内での圧縮操作を軽減して熱効
率の向上を図ろうとする技術として、例えば、特開平8
−296447号公報に開示の内燃機関があり、これ
は、往復動式内燃機関の出力シリンダの外部で燃焼用空
気の圧縮を完了させた後、該出力シリンダに供給する外
部圧縮式内燃機関である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで前述した図6の
4サイクル内燃機関の行程概念図を用いて前記従来発明
の外部圧縮式内燃機関について吟味すると、4サイクル
内燃機関に、外部で圧縮が完了して高圧になった燃焼用
空気を吸入行程の開始時点に出力シリンダー内に供給し
た場合、そのまま行程が進行すれば圧縮行程の終わりの
時点では出力シリンダー内に供給した燃焼用空気は過度
の高圧に圧縮されることになるので従来の作動行程のま
までは正常な運転が不可能になる。
【0009】そのため、上記公開公報には、「・・・等
温的圧縮機構12は吸入と圧縮の2行程を担当するので
通常の4サイクル機関の前半のみの機能を持ち、ピスト
ンシリンダ機構16は燃焼膨張と排気の排出の2行程の
みを担当するので通常の4サイクル機関の後半のみの機
能を持つ」(段落番号0029)と記載されており、こ
のことを換言すれば4サイクル内燃機関の出力シリンダ
(ピストンシリンダ機構、以下文中同じ)の外部で燃焼
用空気の圧縮を100%完了させ、予熱した燃焼用空気
を前記出力シリンダの容積最小点付近(圧縮行程完了の
上死点附近)で出力シリンダーに供給し燃料を混合させ
て燃焼させることとしている。
【0010】しかしながら、この場合、混合ガス内で燃
焼が完全に伝播するための所要時間とピストン位置とに
関して、高速回転下ではタイミング的な遅れが発生して
内燃機関の出力に影響を及ぼすという問題がある。
【0011】即ち、吸入弁の開閉を高速回転のタイミン
グに合わせることはカムの操作を調整すること等により
容易に実施され得るが、燃焼速度、つまり燃焼用混合気
に点火した後、完全燃焼するまでの時間とピストンの位
置のタイミングに遅れが発生すれば機関の出力に影響が
出るので通常は圧縮行程の終了段階(上死点)のかなり
手前で点火し圧縮行程中に燃焼が始まり最適な出力にな
るようにタイミングが調整される。前記公開公報記載の
発明の場合では、ほぼ100%外部で昇圧するので出力
シリンダに導入する時期はピストンが上死点附近となら
ざるを得なくなり、高速回転の場合に完全燃焼の時期と
ピストン位置の最適なタイミングがとり難くなる。
【0012】また、2サイクル機関について図7に基づ
いて前記従来の外部圧縮式内燃機関について吟味する
と、シリンダ外部で圧縮が完了した高圧の燃焼用空気
(流体)を吸気(給気)操作の開始時点(図7(c))
でシリンダに供給した場合、更にピストンが下死点に達
した後、図7(d)の位置までピストンが再度上昇して
吸気口と吐出口を塞ぐ迄の間、高圧の燃焼用流体が必要
以上の掃気作用をしてシリンダ外部へ無駄に流出し続け
るという問題がある。また他に、該燃焼用空気(流体)
は外部において圧縮を完了しているためにその後のピス
トンの上昇によって圧縮行程の終わりの時点では過度の
高圧に圧縮されることになり、前記4サイクルの場合と
同様に機関の正常な運転が不可能になるという問題もあ
る。
【0013】さらに、前記公開公報の図4では、原理的
な機能を示すのみで吸気弁や吐出弁の作動に関する詳細
な説明はなされておらず、実用上の具体的な機能につい
ては該公開公報の図5,6,7,8によって説明されて
いるが、これらはいずれも多数のバルブ機構によって操
作する構造となっており実用化には技術的に多大な困難
を伴う複雑な構造になるという問題がある。
【0014】また上記公開公報には、「常温の空気を等
温的に圧縮する・・・」(請求項1及び段落番号001
1)と記載されているが、大気から導入する常温の空気
の場合、気温の変化によって圧縮機への吸入温度が変化
しこれに伴って吸入する燃焼用空気の質量も変動するた
めに内燃機関の出力に影響を及ぼすという問題がある。
発電設備等に要求される安定した動力源としての用途に
は出力の安定性が要求されるので適切な改善が望まし
い。
【0015】そこで、本発明は、前記する従来技術の複
雑な機構を用いずに技術的に容易な機構で実用化を可能
にし、しかも気温の変化に影響されず更に熱効率の改善
を図り得る往復動式内燃機関を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、4
サイクル機関のシリンダ外部から高圧の燃焼用空気を供
給する方式において、該燃焼用空気の圧縮を外部で10
0%完了させず一部圧縮代を残した状態で4サイクル機
関の吸入行程に導入し、吸入行程の開始時期に全開とし
た吸気弁をその後も全開の状態を継続して保持しなが
ら、圧縮行程の途中段階で該吸気弁を全閉にして圧縮行
程段階の残されたピストンの上昇操作によって燃焼用空
気を最終的に圧縮することを特徴とする往復動式内燃機
関により達成される。
【0017】この最終的な圧縮操作以降の行程は従来の
4サイクル機関と同じ操作となるので、前記公開特許に
おける、燃焼伝播速度とピストン位置のタイミング的な
ずれによる出力への影響を回避することが出来る。
【0018】即ち、圧縮代を残して燃焼空気をシリンダ
に導入することにより、前記公開特許における技術的に
実用困難な部分を実績のある従来技術を活用することが
できる。つまり、本発明では、吸気弁を圧縮行程の途中
段階で制御する場合、4サイクル機関の吸気弁が開閉す
る前後の圧力はほぼ同圧であるので吸気弁を容易に操作
できる。また、高速回転下でのバルブ操作そのものは公
知技術によって容易に実施可能である。
【0019】従って、本発明は、上記構成を採用したこ
とにより、吸入行程から圧縮行程の途中段階で吸気弁が
閉止するまではシリンダ内は高圧で供給された燃焼用空
気の圧力のまま、同圧でピストンが往復するのでシリン
ダでのサイクルに必要な動力を著しく低減することが容
易に可能となる。このように、燃焼行程と排気行程を経
てシリンダ外に吐出した排気ガスを前記給気加熱器に導
入して排熱を有効に回収する。
【0020】また、本発明の上記目的は、2サイクル内
燃機関のシリンダに吸気弁と吐出弁を備え、該シリンダ
の外部で昇圧して供給される燃焼用空気を排気行程の途
中段階で前記吸気弁を全開にしてシリンダ内に導入し、
シリンダ内に残っている前行程の燃焼ガスを瞬時に掃気
した後、前記吐出弁に続いて吸気弁を閉止して排気行程
上の残余のピストン操作によって最終的に圧縮すること
を特徴とする往復動式内燃機関に於いても達成される。
【0021】即ち、燃焼用流体でシリンダ内に残ってい
る前行程の燃焼ガスを瞬時に掃気した後、吐出弁を閉止
するのでシリンダ外への無駄な流出を抑え、その後のピ
ストンの上昇によって該燃焼用空気(流体)を最終的に
圧縮したあと次の燃焼、排気行程を経てシリンダ外に吐
出することになる。
【0022】2サイクル並びに4サイクルとも燃焼用空
気は、シリンダー内部での圧縮代を残してシリンダ外部
においてゲージ圧で0.35〜20MPaの範囲に昇圧
した後に、該シリンダから吐出された排気ガスと熱交換
してシリンダ外部において予備加熱することにより、排
熱を有効に回収することが好ましい。
【0023】前記燃焼用空気の昇圧を、圧縮機と中間冷
却器とで構成した圧縮装置を単独もしくは排気タービン
式過給機との併用によって行い、該圧縮装置もしくは排
気タービン式過給機の大気導入側に熱交換器を備え、前
記圧縮装置もしくは排気タービン式過給機への導入大気
を前記熱交換器で一定温度に冷却することが好ましい。
【0024】前記圧縮装置もしくは排気タービン式過給
機に吸入する大気を一定温度に冷却することによって気
温の変化による内燃機関の出力変動を防止し、冷却によ
って大気温度よりも低い温度の吸入空気となるので単位
流量当りの質量が増加し出力の増大と熱効率の改善が可
能となる。
【0025】前記圧縮装置の中間冷却器の冷却源とし
て、工業用水や、海水、河川水等の一般的な冷却水を用
いる他、さらに低温の冷熱源として吸収式冷凍機、圧縮
式冷凍機、氷蓄熱等を冷熱源としてブラインを用いて冷
却することが好ましい。
【0026】前記冷凍機等を冷熱源として利用すること
によって、吸入大気及び圧縮機各段への吸入空気の温度
をより低温に冷却できるため、内燃機関の出力当たりの
圧縮所要動力を従来技術よりも更に低減し、熱効率を改
善することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る往復動式内
燃機関の好ましい実施形態につき図面を参照して説明す
る。なお、従来の技術を含めて同様の構成部分には同符
号を付した。
【0028】本発明の第1実施形態について、図1を参
照して説明する。図1は、4サイクル内燃機関に高圧燃
焼空気をシリンダ外部から供給することを可能にするた
めの吸気弁、吐出弁の動作概念図を示す。図1(a)は
吸入行程、図1(b)は圧縮行程、図1(c)は燃焼工
程、図1(d)は排気行程を、それぞれ示す。
【0029】燃焼用空気をシリンダ外部において昇圧す
る手段としては、夜間電力を利用して液体空気を製造し
これを貯蔵しておき、昼間にその液体空気をポンプによ
って昇圧後、気化させることにより高圧の燃焼用空気を
得ることができるし、或いは、シリンダを備える内燃機
関から遠く離れた場所にある圧縮設備からの余剰的な圧
縮空気を貯蔵タンクに貯えて利用することもできるし、
又は、後述するように圧縮装置を近傍に設置しても良
い。
【0030】燃焼用空気は、シリンダ外部において0.
35〜20MPa(ゲージ圧)に昇圧することが好まし
い。これは、0.35MPaより低いと従来の過給機の
みでシリンダに導入する燃焼用空気の圧縮を行う範疇と
なり効率改善は僅少になるからであり、逆に20MPa
を超えることはシリンダーの耐圧性能上の理由から実用
が困難となるからである。
【0031】こうしてシリンダー3の外部で昇圧された
高圧の燃焼用空気は、吸入行程の図示しない開始時点
(この時点ではピストン11は上死点の位置にある。)
において吸気弁12を全開にして導入される。吸気弁1
2は全開の状態を保持して、図1(a)に示すように、
ピストン11が下死点に達して高圧の燃焼用空気がシリ
ンダー3内に充満し、定常運転時に蓄積されたシリンダ
3からの熱で過熱される。
【0032】さらに吸気弁12が全開を維持した状態で
圧縮行程(図1(b1))に移り、ピストン11が上昇
する間はシリンダ3内の余分な高圧燃焼用空気が吸気弁
12から逆流し、内燃機関の吸気マニホールド(図示せ
ず)に戻される。
【0033】次に、図1(b2)に示すように、ピスト
ン11が上死点に達する前の圧縮行程の途中段階で吸気
弁12を全閉し、燃料が噴射され続いて点火が行われて
燃焼行程(図1(c))から排気行程(図1(d))へ
と従来技術と同じに順次サイクルが進行する。吸気弁1
2を全閉にするタイミングは燃焼用空気のシリンダー3
内部での圧縮代に対応して圧縮行程の途中段階から残り
のシリンダー容積が最適になるピストン位置に設定す
る。
【0034】前記吸入行程(図1(a))から圧縮行程
(図1(b1))の途中段階で吸気弁12が閉止するま
での間は、シリンダー3内がほぼ同圧でピストン11が
往復するので内燃機関内部での所要動力を著しく低減す
ることが可能となる。従って、上述したように、シリン
ダー3外部における燃焼用空気の昇圧に費やす仕事を、
夜間電力を利用して行ったり、他施設からの余剰的な圧
縮空気を利用することで、熱効率は大幅に良化され得
る。
【0035】次に、本発明の第2実施形態について図2
を参照して説明する。図2では、2サイクル内燃機関の
シリンダヘッドに吸気弁(給気弁とも言う)12と吐出
弁13を設けた構造とし、外部から供給される高圧燃焼
用空気に対処するための吸気弁、吐出弁の動作の概念図
を示す。
【0036】ピストン11が排気行程の上死点手前の位
置において吸気弁12が開となり(排気行程のため吐出
弁13はピストン11が下死点の位置から開の状態のま
ま)、次に吸気行程(図2(a))で高圧燃焼空気もし
くは燃料を混合した燃焼用流体が供給されて瞬間的にシ
リンダー3内を掃気して吐出弁13が閉止された後、吸
気弁12も即座に閉止される。また、空気のみを供給さ
れた場合は燃料が噴射され(燃料と空気の混合流体を供
給する場合はこの時期での燃料噴射は無い)、続いて点
火(図2(b))が行われて燃焼行程(図2(c))に
入ってピストン11が下死点に到達する。この時点で吐
出弁13が開となってピストン11が上昇し排気行程
(図2(d))が開始され、ピストン11が上死点の手
前に来たときに吸気弁12が開となり最初の状態に戻っ
て2行程のサイクルを完了する。
【0037】上記第2実施形態のような2サイクルエン
ジンは、シリンダーヘッドに吸気弁、吐出弁のバルブ機
構を設けたことにより排気行程の途中で高圧の燃焼用空
気をシリンダーに導入して瞬時に掃気を完了させ吐出弁
を閉止することが可能となり、図7を用いた説明で前述
した従来技術に比較して前記燃焼用空気がシリンダー外
に無駄に流出することを抑制できることになった。
【0038】また、前記燃焼用空気のシリンダー内の圧
縮代に対応して排気行程の途中段階で吸気弁を開閉する
ことによって前記燃焼用空気をシリンダ内で過度に圧縮
することなく、吸気弁を閉じた後は従来の圧縮と同じ操
作を行って従来の実用運転と変わらない安定した運転が
可能となった。
【0039】通常、2サイクルはクランク軸一回転につ
き一回の燃焼行程が含まれるが、4サイクルエンジンの
場合は二回転に一回の燃焼行程となる。従って毎分の回
転数が同一の場合、2サイクルは4サイクルに比較して
約2倍の出力を取り出せることになる、逆に出力が同じ
である場合、毎分の回転は約半分の速度で良いことにな
るのでバルブ機構や機関各部の耐久性が4サイクルに比
較して著しく向上し、さらに回転速度が遅くなることに
よって吸気弁と排気弁の操作にも時間的な余裕が生じる
ので燃焼用空気の吸気、排気やシリンダー内の掃気作用
に好結果を及ぼすことになる。
【0040】図3は、上記第1実施形態及び第2実施形
態を適用し得る本発明の第3実施形態を示す系統図であ
る。第3実施形態は、図3に示すように、シリンダ3外
部で燃焼用空気を昇圧するために、過給器1に圧縮装置
8を付設した点が従来技術で参照した図5と大きく異な
る点である。圧縮装置8は、多段の圧縮機8a、8bに
中間冷却器8eを組み合わせて構成することができる。
前記圧縮機の段数及び中間冷却器の個数は、設計条件等
に応じて適宜選択することができる。
【0041】導入大気は、過給器1で0.02〜0.3
MPa(ゲージ圧)の範囲の適当な圧力に圧縮された
後、圧縮装置8において更に0.35〜20MPa(ゲ
ージ圧)の範囲の所要設計圧力に昇圧されて燃焼用空気
として圧縮空気タンク9に一時的に貯留された後、給気
加熱器7によって過給器1からの排気ガスと熱交換して
加熱されてからシリンダー3の吸気弁に送られる。低圧
段の圧縮機8aの吸入側をインタークーラー(中間冷却
器)2によって冷却し、高圧段の圧縮機8bの吸入側を
中間冷却器8eによって冷却することによって、燃焼用
空気の高圧圧縮に必要な動力の低減化を図っている。
【0042】また、内燃機関3の燃焼用空気として吸入
する大気は、熱交換器8dによって常時一定の温度に冷
却することが好ましい。それによって、燃焼用空気の気
温による変動を抑え、内燃機関3の出力を安定させるこ
とができる。通常、前記熱交換器8d、インタークーラ
及び中間冷却器8eは、工業用水、海水、河川水、等の
冷却水によって冷却する方式が一般的である。
【0043】昇圧された燃焼用空気は、給気加熱器7を
付設して内燃機関3から排気された燃焼ガスと熱交換さ
せて過熱することにより、機関の熱効率の改善を図るこ
とが好ましい。
【0044】図4は、本発明の第4実施形態を示す系統
図であり、過給機を備えない点が上記第3実施形態と異
なる。その他の構成は、上記の第3実施形態と同様であ
るので詳細な説明は省略する。
【0045】図4に示す第4実施形態は、図3に示す実
施形態に比較すると過給機を備えない分、圧縮装置8に
おいて圧縮する動力が余分に必要となるが、燃焼用空気
の外部における圧縮操作が前記圧縮装置単独で行えるの
で運転制御が簡略化されて運転上の信頼性が向上する。
【0046】図3及び図5におけるインタクーラ2、導
入大気冷却用の熱交換器8d、中間冷却機8e(8f)
の冷却源として吸収式もしくは圧縮式の冷凍機あるいは
夜間等の安価な電力を利用した氷蓄熱の冷熱等用いて、
直接的にあるいは適当な冷却ブラインを用いて間接的に
冷却する方式を採用しても良い。斯かる方式によって圧
縮機の各段もしくは過給機1に吸入する燃焼用空気を、
より低温に冷却することが可能となって内燃機関の出力
を増大させると伴に更に熱効率を改善することを可能に
する。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る往復動式内燃機関によればシリンダ外部から燃焼
用空気を供給する方式を従来技術に比較して著しく簡略
化し実用化が容易な機構にすることを可能としたので、
付属の圧縮装置の他にも各種産業用施設からの余剰の圧
縮空気を利用する方式や、安価な夜間電力を利用して製
造/貯蔵した液体空気を昼間の電力需要が増大する時間
帯にポンプで昇圧し高圧の燃焼用空気に気化して利用す
る等、各種の効率的あるいは経済的に製造された圧縮空
気を利用して圧縮操作に必要な動力もしくはコストを低
減することが可能となった。本発明を小規模の自家発電
から大型発電設備の広範囲に応用して省エネルギの効果
を発揮させることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関を4サイクル内燃機関に
適用した第1実施形態を示し、吸気/吐出弁の作動状態
を概念的に示す説明図である。
【図2】本発明に係る内燃機関を2サイクル内燃機関に
適用した第2実施形態を示し、吸気/吐出弁の作動状態
を概念的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る内燃機関の第3実施形態を示す系
統図である。
【図4】本発明に係る内燃機関の第4実施形態を示す系
統図である。
【図5】従来の往復動式内燃機関を示す系統図である。
【図6】従来の4サイクル機関の行程説明図である
【図7】従来の2サイクル機関の工程説明図である。
【符号の説明】
1過給機 2インタクーラ(中間冷却器) 3往復動式内燃機関の出力シリンダ 4吸気マニホールド 5排気マニホールド 6排熱ボイラー 7給気加熱器 8圧縮装置 9タンク 10発電機 11ピストン 12吸気弁 13吐出弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 23/00 F02D 23/00 L

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4サイクル機関のシリンダ外部において
    昇圧した燃焼用空気を該シリンダに導入するために吸入
    行程の開始時に吸気弁を開にして該吸入行程に続く圧縮
    行程の途中段階まで前記吸気弁の開状態を維持し、該圧
    縮行程の途中段階において前記吸気弁を閉止して圧縮の
    残行程をピストン作動によって圧縮することを特徴とす
    る往復動式内燃機関。
  2. 【請求項2】 2サイクル内燃機関のシリンダに吸気弁
    と吐出弁とを備え、該シリンダの外部で昇圧して供給さ
    れる燃焼用空気を排気行程の途中段階で前記吸気弁を全
    開にしてシリンダ内に導入し、シリンダ内に残っている
    前行程の燃焼ガスを瞬時に掃気した後、前記吐出弁を閉
    止し、続いて吸気弁を閉止して排気行程上の残余のピス
    トン操作によって最終的に圧縮することを特徴とする往
    復動式内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記燃焼用空気は、シリンダー内部での
    圧縮代を残してシリンダー外部においてゲージ圧で0.
    35〜20MPaの範囲に昇圧された後、該シリンダか
    ら吐出された排気ガスと熱交換することにより該シリン
    ダ外部において予備加熱されることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の往復動式内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記燃焼用空気を昇圧するための圧縮機
    と中間冷却器とで構成した圧縮装置を単独もしくは排気
    タービン式過給機と併用して備え、該圧縮装置もしくは
    排気タービン式過給機へ導入する大気を熱交換器で一定
    温度に冷却することを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載の往復動式内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記中間冷却器を、吸収式冷凍機、圧縮
    式冷凍機、氷蓄熱等を冷熱源として、ブラインを用いて
    冷却することを特徴とする請求項4に記載の往復動式内
    燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017507287A (ja) * 2014-03-07 2017-03-16 クリスタニ フィリップKRISTANI, Filip 前段予冷圧縮式4サイクル内燃エンジン
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