JP2002146180A - 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー樹脂組成物

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JP2002146180A
JP2002146180A JP2000347350A JP2000347350A JP2002146180A JP 2002146180 A JP2002146180 A JP 2002146180A JP 2000347350 A JP2000347350 A JP 2000347350A JP 2000347350 A JP2000347350 A JP 2000347350A JP 2002146180 A JP2002146180 A JP 2002146180A
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copolymer
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Michihisa Tasaka
道久 田坂
Naganori Masubuchi
長則 増渕
Shinri Yamamoto
真利 山本
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Riken Technos Corp
Original Assignee
Riken Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形加工性、耐油性、高温での機械的特性に
優れ、とりわけ、低硬度における耐磨耗性に優れた熱可
塑性エラストマー組成物を提供する。 【構成】 (a)クロロホルム不溶残率が60重量%以
上であるところのポリウレタン(共)重合体と、(b)
クロロホルム不溶残率が40重量%以下であるところの
ポリウレタン(共)重合体とから成るポリウレタン系樹
脂組成物(A)、及びゴム状弾性体組成物(B)を含有
する熱可塑性エラストマー樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物に関し、更に詳しくは、ポリウレタン系
樹脂を含有する熱可塑性エラストマー樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な材料であって、加硫工程
を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様に良好な成形加工性
を有する熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部
品、電線被覆、履物、雑貨等の分野で注目されている。
【0003】このような熱可塑性エラストマーとして、
現在、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステ
ル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系等の種々のポ
リマーが開発され、市販されている。
【0004】これらのうちで、ポリウレタン系熱可塑性
エラストマーは、耐熱性及び耐摩耗性に優れている。し
かし、優れた耐熱性及び耐摩耗性を維持したまま、硬度
が75(HDA)以下の柔らかいエラストマーを得るこ
とは困難であった。
【0005】上記の欠点を補う目的で、特開平6−65
467号及び特開平6−107898号公報にはSBS
ブロックコポリマー、水添SBSブロックコポリマーと
ウレタン系エラストマーとの溶融ブレンド物が提案され
ている。しかし、該組成物は、ある程度の柔軟性が得ら
れるものの、圧縮永久歪みと硬さとの特性バランスが悪
く、また、相溶性が不十分であるために耐磨耗性が悪い
という欠点を有していた。
【0006】また、特開平3‐234745号、同3‐
234755号、同5‐171003号及び同7‐12
6474号公報には、ブロック共重合体の水素添加誘導
体とカルボン酸基又はその誘導体基とを含有する水素添
加誘導体、及び熱可塑性ポリウレタンから成る組成物が
開示されている。また、特開平2‐97554号公報に
は、ブロック共重合体の水素添加誘導体とエポキシ基又
はその誘導体基を含有する水素添加誘導体、及び熱可塑
性ポリウレタンから成る組成物が開示されている。しか
し、いずれの組成物も、ある程度の柔軟性が得られるも
のの、高温時、特に100℃以上における圧縮永久歪み
が大きく、引張特性が悪化するという問題を有してお
り、更に、圧縮永久歪みと硬さとの特性バランスが悪い
という欠点をも有していた。
【0007】特開平10−310617号公報には、上
記の欠点がなく、柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工
性に優れ、特に耐油性、高温での機械的特性に優れたポ
リウレタン系熱可塑性エラストマー組成物が開示されて
いる。しかし、上記組成物において柔軟化のためにブロ
ック共重合体の水素添加物等を添加すると、硬さが65
(HDA)より柔らかいエラストマー組成物が得られる
ものの、耐摩耗性に劣るという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
がなく、成形加工性、耐油性、高温での機械的特性に優
れ、とりわけ、低硬度における耐磨耗性に優れた熱可塑
性エラストマー組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、下記の成
分(b)を成分(a)と併用してゴム状弾性体組成物
(B)と混合すれば、驚くべきことに、得られたポリウ
レタン系熱可塑性エラストマー樹脂組成物が、上記従来
のポリウレタン系熱可塑性エラストマーの有する全ての
欠点を解決し、低硬度における著しく優れた耐磨耗性を
有すると共に、優れた成形加工性、耐油性、高温での機
械的特性を有することを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】即ち、本発明は、(1)(a)クロロホル
ム不溶残率が60重量%以上であるポリウレタン(共)
重合体と、(b)クロロホルム不溶残率が40重量%以
下であるポリウレタン(共)重合体とから成るポリウレ
タン系樹脂組成物(A) 50〜99重量%、及びゴム
状弾性体組成物(B) 50〜1重量%を含有する熱可
塑性エラストマー樹脂組成物である。
【0011】好ましい実施態様として、(2)ポリウレ
タン系樹脂組成物(A)が、(a)クロロホルム不溶残
率が80重量%以上であるところのポリウレタン(共)
重合体と、(b)クロロホルム不溶残率が20重量%以
下であるところのポリウレタン(共)重合体とから成る
ところの上記(1)記載の熱可塑性エラストマー樹脂組
成物、(3)ポリウレタン系樹脂組成物(A)が、
(a)クロロホルム不溶残率が90重量%以上であるポ
リウレタン(共)重合体と、(b)クロロホルム不溶残
率が10重量%以下であるポリウレタン(共)重合体と
から成るところの上記(1)記載の熱可塑性エラストマ
ー樹脂組成物、(4)(A)及び(B)の合計が、
(A)50〜99重量%及び(B)50〜1重量%から
成るところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載
の熱可塑性エラストマー樹脂組成物、(5)(A)及び
(B)の合計が、(A)55〜90重量%及び(B)4
5〜10重量%から成るところの上記(1)〜(3)の
いずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成
物、(6)(A)及び(B)の合計が、(A)60〜8
0重量%及び(B)40〜20重量%から成るところの
上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の熱可塑性エ
ラストマー樹脂組成物、(7)(A)が、(a)70〜
95重量%及び(b)30〜5重量%から成るところの
上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の熱可塑性エ
ラストマー樹脂組成物、(8)(A)が、(a)75〜
85重量%及び(b)25〜15重量%から成るところ
の上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の熱可塑性
エラストマー樹脂組成物、(9)(B)が、(c)ゴム
状弾性体に加えて、更に、(d)非芳香族系のゴム用軟
化剤、(e)パーオキシド架橋型オレフィン系樹脂及び
/若しくはそれを含む共重合体ゴム、(f)パーオキシ
ド分解型オレフィン系樹脂及び/若しくはそれを含む共
重合体ゴム、(g)液状ポリブタジエン、(h)不飽和
グリシジル化合物及び/若しくはその誘導体、(i)不
飽和カルボン酸及び/若しくはその誘導体、並びに
(j)有機パーオキシドより成る群から選ばれる一つ又
はそれ以上の物質を含むところの上記(1)〜(8)の
いずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成
物、(10)(B)が、(c)ゴム状弾性体 100重
量部に対して、(d)非芳香族系のゴム用軟化剤 20
〜240重量部、(f)パーオキシド分解型オレフィン
系樹脂及び/若しくはそれを含む共重合体ゴム 5〜1
00重量部、及び(i)不飽和カルボン酸及び/若しく
はその誘導体 0.01〜15重量部、並びに(c)、
(d)及び(f)の合計100重量部に対して、(j)
有機パーオキシド 0.01〜3.5重量部を含むとこ
ろの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の熱可塑
性エラストマー樹脂組成物、(11)(B)が、(c)
ゴム状弾性体 100重量部に対して、(d)非芳香族
系のゴム用軟化剤 20〜240重量部、(e)パーオ
キシド架橋型オレフィン系樹脂及び/若しくはそれを含
む共重合体ゴム 0〜100重量部、(f)パーオキシ
ド分解型オレフィン系樹脂及び/若しくはそれを含む共
重合体ゴム 5〜100重量部、(g)液状ポリブタジ
エン 1〜30重量部、(h)不飽和グリシジル化合物
及び/若しくはその誘導体 0.01〜15重量部、及
び(i)不飽和カルボン酸及び/若しくはその誘導体
0.01〜15重量部、並びに(c)〜(g)の合計1
00重量部に対して、(j)有機パーオキシド 0.0
1〜3.5重量部を含むところの上記(1)〜(9)の
いずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成
物、(12)(c)が極性基を有するゴム状弾性体であ
るところの上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載
の熱可塑性エラストマー樹脂組成物、(13)極性基
が、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキ
シル基、グリシジル基及びオキサゾリル基より成る群か
ら選ばれる一つ又はそれ以上の極性基である上記(1
2)記載の熱可塑性樹脂組成物、(14)(c)が、
(c−1)ビニル芳香族化合物から主として作られる少
なくとも1つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物
から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロック
Bとからなるブロック共重合体、及び/若しくは、これ
を水素添加して得られるブロック共重合体、並びに/又
は(c−2)エチレン共重合体(ゴム)及び/若しくは
エチレン−不飽和エチレン共重合体(ゴム)であるとこ
ろの上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の熱可
塑性樹脂組成物、(15)(c―1)が、ビニル芳香族
化合物含有量が50重量%以下であり、数平均分子量
(Mn)が5,000〜1,500,000であり、か
つ多分散度(Mw/Mn)が10以下であるブロック共
重合体、又はその水素添加物であるところの上記(1
4)記載の熱可塑性樹脂組成物、(16)(c―1)
が、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体の水添物、及び/又はスチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体の水添物で、そのオレフ
ィン性不飽和結合の少なくとも70%が水素添加されて
いるところの上記(14)又は(15)記載の熱可塑性
樹脂組成物、(17)(c−2)が、エチレン・プロピ
レン共重合体ゴム及びエチレン・ブテン共重合体ゴムよ
り成る群から選ばれる一つ又はそれ以上のゴム状弾性体
である上記(14)記載の熱可塑性樹脂組成物を挙げる
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】<(A)ポリウレタン系樹脂組成
物>ポリウレタン系樹脂組成物(A)は、下記の成分
(a)と成分(b)より成る。(a)のみを使用した公
知のポリウレタン系熱可塑性エラストマー樹脂組成物と
比較して、本発明では、(a)及び(b)を併用するこ
とにより、熱可塑性エラストマー樹脂組成物の硬度を6
5(HDA)以下と柔らかくしても、耐摩擦性の低下を
防ぐことができる。
【0013】(a)クロロホルムに難溶なポリウレタン
(共)重合体(必須成分) 成分(a)は、クロロホルム不溶残率が60重量%以
上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90
重量%以上のポリウレタン(共)重合体である。ここ
で、クロロホルム不溶残率は、3mm角のペレット状態
のサンプル0.2gを、20ミリリットルのクロロホル
ムを使用して、室温(23℃)において24時間抽出し
た後、濾過乾燥して得られた不溶物重量から下記式によ
り算出したものである。 クロロホルム不溶残率(重量%)=[不溶物重量(g)
/サンプル重量(g)]×100
【0014】成分(a)として市販品を使用することが
できる。例えば、エーテル系ポリウレタン(共)重合体
として、1180A50(商標、武田バーディッシュ社
製)、エステル(ラクトン)系ポリウレタン(共)重合
体として、C80A10(商標、武田バーディッシュ社
製)、エステル(アジぺート)系ポリウレタン(共)重
合体として、T−5000V(商標、ディーアイシーバ
イエルポリマー社製)等が挙げられる。これらは、単独
で用いても組み合わせて用いてもよい。
【0015】(b)クロロホルムに可溶なポリウレタン
(共)重合体(必須成分) 成分(b)は、クロロホルム不溶残率が40重量%以
下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10
重量%以下のポリウレタン(共)重合体である。ここ
で、クロロホルム不溶残率は、上記(a)と同一にして
算出したものである。
【0016】成分(b)として市販品を使用することが
できる。例えば、エステル系ポリウレタン(共)重合体
として、T−5205(商標、ディーアイシーバイエル
ポリマー社製)、T−5102S(商標、ディーアイシ
ーバイエルポリマー社製)等が挙げられる。これらは、
単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
【0017】成分(A)ポリウレタン系樹脂組成物にお
いて、成分(a)の配合量は、上限が好ましくは95重
量%、より好ましくは85重量%であり、下限が好まし
くは70重量%、より好ましくは75重量%である。一
方、成分(b)の配合量は、上限が好ましくは30重量
%、より好ましくは25重量%であり、下限が好ましく
は5重量%、より好ましくは15重量%である。
【0018】成分(a)が上記下限未満で成分(b)が
上記上限を超えては、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製
造および射出成形が不可能となる。成分(a)が上記上
限を超え、成分(b)が上記下限未満では、得られるエ
ラストマー組成物の硬度がHDA60以上になり、従来
技術による組成物と大差がなくなる。本発明において
は、成分(a)と成分(b)を併用することにより、得
られるエラストマー組成物の耐油性、耐磨耗性、高温物
性例えば高温での引張特性等を保持したまま、柔軟性を
飛躍的に向上することができる。
【0019】<(B)ゴム状弾性体組成物>本発明にお
いて、ゴム状弾性体組成物(B)とは、(c)ゴム状弾
性体を必須成分とし、これに加えて任意成分として、更
に(d)非芳香族系のゴム用軟化剤、(e)パーオキシ
ド架橋型オレフィン系樹脂及び/若しくはそれを含む共
重合体ゴム、(f)パーオキシド分解型オレフィン系樹
脂及び/若しくはそれを含む共重合体ゴム、(g)液状
ポリブタジエン、(h)不飽和グリシジル化合物及び/
若しくはその誘導体、(i)不飽和カルボン酸及び/若
しくはその誘導体、並びに(j)有機パーオキシドより
成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の物質を含み得
る。また、ゴム状弾性体組成物(B)には、均一かつ効
率的な架橋反応を行うために、(k)架橋助剤を(j)
有機パーオキシドによる架橋処理に際して配合すること
ができる。ポリウレタン系樹脂組成物(A)とゴム状弾
性体組成物(B)の配合割合は、(A)及び(B)の合
計において、ポリウレタン系樹脂組成物(A)の上限が
好ましくは99重量%、より好ましくは90重量%、さ
らに好ましくは80重量%であり、下限が好ましくは5
0重量%、より好ましくは55重量%、さらに好ましく
は60重量%である。一方、ゴム状弾性体組成物(B)
の上限が好ましくは50重量%、より好ましくは45重
量%、さらに好ましくは40重量%であり、下限が好ま
しくは1重量%、より好ましくは10重量%、さらに好
ましくは20重量%である。ポリウレタン系樹脂組成物
(A)が上記上限を超えかつゴム状弾性体組成物(B)
が上記下限未満では、得られるエラストマー組成物の硬
度がHDA65以上になり、柔軟性が失われる。ポリウ
レタン系樹脂組成物(A)が上記下限未満かつゴム状弾
性体組成物(B)が上記上限を超えては、耐摩耗性が失
われる。(A)及び(B)を所定割合で配合することに
より、得られるエラストマー組成物の耐油性、耐磨耗性
を維持したまま柔軟性を飛躍的に向上することができ
る。以下に、ゴム状弾性体組成物(B)に含まれる各成
分(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、
(i)及び(j)について説明する。 (c)ゴム状弾性体(必須成分) ゴム状弾性体としては、天然ゴム、ジエン系合成ゴム、
非ジエン系合成ゴム等のゴム状弾性を有する全ての物質
を使用し得る。例えば、天然ゴム(NBR);ジエン系
ゴム、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタ
ジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチ
レンゴム(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエンゴ
ム(H−SBR)、スチレン−エチレン・ブテン−スチ
レンゴム(SEBS)、スチレン−イソプレン・ブタジ
エン−スチレンゴム(SIBS)、水素添加スチレン−
イソプレン・ブタジエン−スチレンゴム(SEEP
S)、スチレン−イソプレン−スチレンゴム(SI
S)、ABS等;非ジエン系ゴム、例えば、エチレン−
プロピレンゴム(EPR)、エチレン−ブテンゴム(E
BR)、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム(EP
DM);及びメタロセン触媒を用い合成したエチレン−
α−オレフィン共重合体、アクリル系ゴム(ACM、A
NM)、フッ素系ゴム、ポリエステル系(共)重合体
(エラストマー)、ポリアミドポリエステル系(共)重
合体(エラストマー)等が挙げられる。上記のうち、ブ
ロック共重合体(c−1)、並びにエチレン共重合体及
び/若しくはエチレン−不飽和エチレン共重合体(c−
2)が好ましく使用される。以下、(c−1)及び(c
−2)について更に詳細に説明する。
【0020】(c−1)ブロック共重合体 ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物から主として
作られる少なくとも1つの重合体ブロックAと、共役ジ
エン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合
体ブロックBとからなるブロック共重合体、及び/又は
これを水素添加して得られるものである。例えば、A‐
B、A‐B‐A、B‐A‐B‐A、A‐B‐A‐B‐A
などの構造を有するビニル芳香族化合物‐共役ジエン化
合物ブロック共重合体あるいは、これを水素添加して得
られるものである。このブロク共重合体は全体として、
ビニル芳香族化合物を好ましくは5〜60重量%、特に
好ましくは20〜50重量%含む。ビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは50重量
%以上、特に好ましくは70重量%以上のビニル芳香族
化合物、及び任意的成分たとえば共役ジエン化合物から
作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好まし
くは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上の
共役ジエン化合物、および任意的成分例えばビニル芳香
族化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロック
である。また、これらのビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物
又はビニル芳香族化合物由来の単位の分布がランダム、
テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減
少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合
せでなっていてもよい。ビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各
重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる
構造であってもよい。
【0021】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p‐第3ブチルスチレンなどのう
ちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレン
が好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種
又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレ
ン及びこれらの組合せが好ましい。
【0022】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことがで
き、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2
−ミクロ構造が好ましくは20〜50重量%、特に好ま
しくは25〜45%である。ポリイソプレンブロックに
おいてはイソプレンの好ましくは70〜100重量%が
1,4‐ミクロ構造を有する。またイソプレン、ブタジ
エンに由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも
70%、より好ましくは90%が水素添加されたものが
好ましい。
【0023】ブロック共重合体の数平均分子量は、好ま
しくは5,000〜1,500,000、より好ましく
は、10,000〜550,000、更に好ましくは1
00,000〜400,000の範囲であり、分子量分
布(多分散度 Mw/Mn)は好ましくは10以下であ
る。
【0024】ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれ
であってもよい。上記(水添)ブロック共重合体の具体
例としては、SBS、SIS、SEBS、SEPS、S
IBS及びその水添物等を挙げることができる。
【0025】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を
用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることがで
きる。水素添加する方法も公知である。
【0026】(c―2)エチレン共重合体(ゴム)及び
/又はエチレン−不飽和エチレン共重合体(ゴム) エチレン共重合体(ゴム)及び/又はエチレン−不飽和
エチレン共重合体(ゴム)としては、エチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合
体ゴム(EBR)、並びにエチレン、プロピレン及び非
共役ジエンのターポリマー(EPDM)が挙げられる。
これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して
使用してもよい。
【0027】エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)とはエチレンとプロピレンのゴム状共重合体であ
り、エチレン成分含量が、好ましくは40〜75重量
%、より好ましくは60〜75重量%、更に好ましくは
65〜75重量%である。エチレン成分含量が上記下限
未満では、得られる樹脂組成物の耐摩耗性が不足し、粘
着性も生ずる。エチレン成分含量が上記上限を超えて
は、得られる樹脂組成物の柔軟性が低下する。
【0028】エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)
とはエチレンとブテンのゴム状共重合体であり、エチレ
ン成分含量が好ましくは40〜85重量%、より好まし
くは60〜85重量%、更に好ましくは60〜80重量
%である。エチレン成分含量が上記下限未満では、得ら
れる樹脂組成物の耐摩耗性が不足し、上記上限を超えて
は柔軟性が低下する。
【0029】また、エチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR)に、エチレン、プロピレン以外の第三成分と
して不飽和基を有する繰返し単位を重合体に持たせたエ
チレン−プロピレンターポリマー(EPDM)を使用す
ることもできる。ここで、非共役ジエンとしては好まし
くは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、1,4-
ヘキサジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン(MN
B)、5-ビニルノルボルネン(VNB)、1,6-オクタジ
エン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-
オクタジエン、1,3-シクロペンタジエン、1,4-シクロヘ
キサジエン及びジシクロペンタジエン(DCPD)が挙
げられる。
【0030】これらのエチレン共重合体(ゴム)及び/
又は不飽和エチレン共重合体(ゴム)のムーニー粘度
[ML1+4(100℃)]は、好ましくは5〜120、よ
り好ましくは10〜100である。ムーニー粘度が5未
満の場合は、得られるエラストマー組成物のゴム弾性が
劣ることがある。また120を越えたものを用いると成
形加工性が悪くなることがある。
【0031】上記のゴム状弾性体(c)は、好ましくは
ゴム状弾性体の構造中に極性基を有することができる。
該(c)は、単独であっても、あるいは極性基を有して
いないゴム状弾性体とのブレンド物であっても、また、
極性基を有していないゴム状弾性体との共重合体であっ
てもよい。導入される極性基は、好ましくはカルボキシ
ル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、グリシ
ジル基及びオキサゾリル基より成る群から選ばれる。本
発明において、該極性基を有するゴム状弾性体は、成形
品表面の表面剥離を著しく抑制するとともに柔軟性を付
与する効果がある。
【0032】該極性基を有するゴム状弾性体とは、成分
(a)及び(b)のポリウレタン系(共)重合体に柔軟
性を付与し、かつ、成分(a)及び(b)のポリウレタ
ン系(共)重合体の末端に存在する水酸基、カルボキシ
ル基又はアミノ基と反応して、その流動性が低下し得る
ものであり得る。例えば、無水マレイン酸変性物、グリ
シジルメタクリレ−ト変性物、アリルグリシジルエ−テ
ル変性物、オキサゾリル変性物、オキサゾリルメタクリ
レ−ト変性物、アリルオキサゾリルエ−テル変性物、カ
ルボキシルメタクリレ−ト変性物、アリルカルボキシル
エ−テル変性物、ポリメチルメタクリレ−トグラフト物
等が挙げられる。
【0033】(d)非芳香族系のゴム用軟化剤(任意成
分) 非芳香族系のゴム用軟化剤としては、非芳香族系の鉱物
油又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が挙げられ
る。一般にゴム用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン
環及びパラフィン鎖が組合った混合物であって、一般
に、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占め
るものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40
%を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以
上を占めるものを芳香族系と呼び区別されている。本発
明の成分(d)として用いられるゴム用鉱物油軟化剤
は、上記のパラフィン系及びナフテン系が好ましい。芳
香族系の軟化剤は、成分(c)との関係で分散性が悪く
好ましくない。成分(d)として、パラフィン系の鉱物
油軟化剤が特に好ましく、パラフィン系のなかでも芳香
族環成分の少ないものが特に適している。
【0034】該非芳香族系のゴム用軟化剤は、37.8
℃における動的粘度が好ましくは20〜500cst、
流動点が好ましくは−10〜−15℃、引火点(CO
C)が好ましくは170〜300℃を示す。
【0035】成分(d)の配合量は、成分(c)100
重量部に対して、上限が好ましくは240重量部、より
好ましくは200重量部、更に好ましくは150重量部
であり、下限が好ましくは20重量部、より好ましくは
80重量部、更に好ましくは100重量部である。上記
上限を超えると、軟化剤のブリードアウトを生じ易く、
最終製品に粘着性を与えるおそれがあり、機械的性質も
低下する。上記下限未満では、実用的には差支えない
が、製造時に混練機の負荷が大きくなり、剪断発熱によ
る分子切断が生じる。また、得られる組成物の柔軟性が
損なわれる。
【0036】(e)パーオキシド架橋型オレフィン系樹
脂、及び/又はそれを含む共重合体ゴム(任意成分) パーオキシド架橋型オレフィン系樹脂、及び/又はそれ
を含む共重合体ゴムとしては、高密度ポリエチレン(低
圧法ポリエチレン)、低密度ポリエチレン(高圧法ポリ
エチレン)、線状低密度ポリエチレン(エチレンと少量
の好ましくは1〜10モル%のブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1などのα−オレフィンとのコポリマ
ー)などのポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリ
マー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ア
クリル酸エステルコポリマーなどの中から選ばれた1種
又は2種以上が好ましく用いられる。特に好ましいのは
メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を用いて製造さ
れた、密度0.90g/cm3 以下のエチレン・オクテ
ン・コポリマー又は密度0.90g/cm3 以上のエチ
レン・ヘキセン・コポリマーである。これらのTmが1
00℃以下のものは、遅くとも架橋時までに添加して架
橋することが必要である。該架橋によりTmがなくなり
オクテン、ヘキセンの融解が生じなくなる。架橋後に添
加を行うと、30〜60℃のオクテン、ヘキセンの融解
が残存し、耐熱性が低下する。
【0037】例えば、特開昭61−296008号公報
に記載された方法に従い、支持体及び周期律表の4b
族、5b族並びに6b族の金属の少なくとも1つを含む
メタロセンとアルモキサンとの反応生成物で構成され、
当該反応生成物が支持体の存在のもとで形成される事を
特徴とするオレフィン重合体触媒によって重合されたオ
レフィン系重合体が挙げられる。
【0038】特開平3−163008号公報に記載され
た、元素の周期律表の3族(スカンジウム以外)、4〜
10族又はランタナイド系列の金属、及び拘束誘起部分
で置換された脱局在化π結合部分を含む金属配位錯体で
あって、該錯体が該金属原子のまわりに拘束幾何形状を
持っていて該局在化置換π結合部分の中心と少なくとも
1つの残存置換分の中心との間の金属角度が該拘束誘起
置換分が水素によって置換されていることのみ異なる比
較錯体中のこのような角度により小さく、そして更に1
つ以上の脱局在化置換π結合部分を含むそのような錯体
について錯体のそれぞれに金属原子ごとにその1つのみ
が環状の脱局在化置換π結合部分であることを特徴とす
る金属配位錯体より重合されたオレフィン系重合体が挙
げられる。
【0039】成分(e)は好ましくは、温度190℃、
荷重2.16kgにおけるMFRが好ましくは0.1〜
10.0g/10分、より好ましくは0.3〜5.0g
/10分である。成分(e)の配合量は、成分(c)1
00重量部に対して、上限が100重量部、好ましくは
50重量部であり、下限が好ましくは5重量部である。
上限を越えると、得られるエラストマー組成物の柔軟性
が失われ、ゴム用軟化剤(d)のブリードアウトが生じ
易くなる。
【0040】(f)パーオキシド分解型オレフィン系樹
脂、及び/又はそれを含む共重合体ゴム(任意成分) パーオキシド分解型オレフィン系樹脂、及び/又はそれ
を含む共重合体ゴムは、得られる組成物のゴム分散を良
好にし、かつ成形品の外観を良好にすると共に、硬度及
び収縮率の調整に効果を有するものである。該成分は、
パーオキシドの存在下に加熱処理することによって熱分
解して分子量を減じ、溶融時の流動性が増大するオレフ
ィン系の重合体又は共重合体であり、例えば、アイソタ
クチックポリプロピレンやプロピレンと他のα‐オレフ
ィン例えばエチレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐
メチル‐1‐ペンテンなどとの共重合体を挙げることが
できる。
【0041】ホモ部分のDSC測定による結晶化度は好
ましくはTmが150℃〜167℃、△Hmが25mJ
/mg〜83mJ/mgの範囲のものである。結晶化度
はDSC測定のTm、△Hmから推定することができ
る。上記の範囲外では、得られるエラストマー組成物の
100℃以上におけるゴム弾性が改良されない。
【0042】成分(f)のMFR(ASTM D‐12
38、L条件、230℃)は、好ましくは0.1〜50
g/10分、更に好ましくは0.5〜20g/10分で
ある。上記下限未満では、得られるエラストマー組成物
の成形性が低下し、上記上限を超えては、得られるエラ
ストマー組成物のゴム弾性が悪化する。
【0043】成分(f)の配合量は、成分(c)100
重量部に対して、上限が好ましくは100重量部、より
好ましくは50重量部であり、下限が好ましくは5重量
部、より好ましくは10重量部である。下限未満では、
得られるエラストマー組成物の成形性が悪化し、上限を
超えた場合は、得られるエラストマー組成物の硬度が高
くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られ
ない。
【0044】(g)液状ポリブタジエン(任意成分) 液状ポリブタジエンは、主鎖の微細構造がビニル1,2
‐結合型、トランス1,4‐結合型、シス1,4‐結合
型からなる、室温において透明な液状の重合体である。
ここで、ビニル1,2‐結合は30重量%以下であるこ
とが好ましく、ビニル1,2‐結合が30重量%を超え
ては、得られる組成物の低温特性が低下するため好まし
くない。
【0045】該液状ポリブタジエンの数平均分子量は、
上限が好ましくは5,000、更に好ましくは4,00
0であり、下限が好ましくは1,000、更に好ましく
は3,000である。下限未満では、得られる組成物の
耐熱変形性が低下し、上限を超えては、得られる組成物
の相溶性が低下する。
【0046】また、液状ポリブタジエンは、エポキシ
基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基から選
ばれる1種又は2種以上の基を有する共重合性化合物で
あることが好ましい。なかでも、水酸基と共重合反応性
不飽和二重結合とを有するものが特に好ましく、市販品
としては、例えば、出光石油化学株式会社製 R‐45
HT(商標)が挙げられる。
【0047】成分(g)の配合量は、成分(c)100
重量部に対して、上限が好ましくは30重量部、より好
ましくは10重量部であり、下限が好ましくは1重量
部、より好ましくは3重量部である。下限未満では添加
の効果が認められず、上限を超えては組成物の機械的特
性が悪化する。
【0048】(h)不飽和グリシジル化合物又はその誘
導体(任意成分) 不飽和グリシジル化合物又はその誘導体は変性剤として
使用されるものであり、好ましくは分子中にオレフィン
と共重合し得る不飽和基とグリシジル基とを有するグリ
シジル化合物が用いられ、特に好ましくはグリシジルメ
タクリレート(GMA)が使用される。該変性剤によ
り、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレン等が変
性される。つまり成分(c)における水添ブロック共重
合体のソフト成分、成分(e)のパーオキシド架橋型オ
レフィン系樹脂、及び/又はそれを含む共重合体ゴム、
及び成分(f)のパーオキシド分解型オレフィン系樹
脂、及び/又はそれを含む共重合体ゴムが変性される。
【0049】成分(h)の配合量は、成分(c)100
重量部に対して、上限が好ましくは15重量部、より好
ましくは10重量部であり、下限が好ましくは0.01
重量部、より好ましくは0.1重量部、特に好ましくは
3重量部である。上限を超えては、組成物の耐熱変形
性、機械特性が悪化するばかりか、成分(A)を配合し
た際に、該成分の相溶性を改良する効果が認められなく
なる。
【0050】(i)不飽和カルボン酸及び/又はその誘
導体(任意成分) 不飽和カルボン酸又はその誘導体は変性剤として使用さ
れるものであり、好ましくはアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、ジカルボン酸又はその誘導体例えば
酸、ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が
挙げられる。特に好ましくは無水マレイン酸(MAH)
が用いられる。該変性剤により、好ましくはポリプロピ
レン等が変性される。つまり成分(c)における水添ブ
ロック共重合体のソフト成分、及び成分(f)のパーオ
キシド分解型オレフィン系樹脂、及び/又はそれを含む
共重合体ゴムが変性されると考えられる。
【0051】成分(i)の配合量は、成分(c)100
重量部に対して、上限が好ましくは15重量部、より好
ましくは10重量部であり、下限が好ましくは0.01
重量部、より好ましくは0.1重量部、特に好ましくは
5重量部である。上限を超えては、組成物に激しい黄変
が生じ、また、耐熱変形性、機械特性が悪化するばかり
でなく、成分(A)を配合した際に、該成分の相溶性を
改良する効果が認められなくなる。
【0052】(j)有機パーオキシド(任意成分) 有機パーオキシドは、成分(f)を分解して溶融混練時
の組成物の流動性を増大させてゴム成分の分散を良好に
せしめる。また同時に、ラジカルを発生せしめ、そのラ
ジカルを連鎖的に反応させて、成分(c)を架橋せしめ
る働きも有するのである。更には、任意的に使用される
成分(k)架橋助剤による成分(c)の架橋を促進せし
める効果をも有する。該成分としては、例えば、ジクミ
ルパーオキシド、ジ‐tert‐ブチルパーオキシド、
2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐
(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、1,3
‐ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)
‐3、3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル
‐4,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルパーオキシド、p‐クロロベンゾイル
パーオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、tert‐ブチルパーオキシベンゾエート、ter
t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ter
t‐ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができ
る。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性
の観点から、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(ter
t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐
2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン
‐3が特に好ましい。
【0053】成分(j)の配合量は、上記の成分(c)
〜(g)の配合割合、特に得られる熱可塑性エラストマ
ーの品質を考慮して決定されるが、上記の成分(c)〜
(g)の合計100重量部に対して、上限が好ましくは
3.5重量部、特に好ましくは2.0重量部であり、下
限が好ましくは0.1重量部である。上記上限を超えて
は、成形性が悪くなり、上記下限未満では、架橋を十分
達成できず、得られるエラストマーの耐熱性、機械的強
度が低い。
【0054】(k)架橋助剤 成分(k)架橋助剤は、本発明のエラストマー組成物の
製造において、上記の(j)有機パーオキシドによる架
橋処理に際して配合することができ、これにより均一か
つ効率的な架橋反応を行うことができる。(k)架橋助
剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリアリルシ
アヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、アリルメタクリレートのような多官能性メタク
リレートモノマー、ビニルブチラート又はビニルステア
レートのような多官能性ビニルモノマーを配合すること
ができる。該架橋助剤の配合により、均一かつ効率的な
架橋反応が期待できる。上記の架橋助剤のうち、トリエ
チレングリコールジメタクリレートが特に好ましく、該
化合物は、取扱いが容易であると共に、組成物中の主成
分である(c)及び(e)への相溶性が良好であり、か
つパーオキシド可溶化作用を有し、パーオキシドの分散
助剤として働くため、熱処理による架橋が均一かつ効果
的になされ、硬さとゴム弾性のバランスのとれた熱可塑
性エラストマーが得られうる。該架橋助剤の配合量も、
上記の成分(c)〜(g)の配合割合、特に得られる熱
可塑性エラストマーの品質を考慮して決定されるが、上
記の成分(c)〜(g)の合計100重量部に対して、
上限が好ましくは3.5重量部、特に好ましくは2.5
重量部であり、下限が好ましくは0.1重量部である。
上記上限を超えては、自己重合性により架橋の度合が低
下して効果が得られなくなり、上記下限未満では、該物
質の効果を十分達成できない。
【0055】なお、本発明の組成物は上記の成分(A)
及び(B)のほかに用途に応じて、無機充填剤を配合す
ることができる。無機充填剤は成形品の圧縮永久歪みな
ど一部の物性を改良する効果のほかに、増量による経済
上の利点を有する。用いられる無機充填剤としては、炭
酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、
クレー、硫酸バリウム、天然けい酸、合成けい酸(ホワ
イトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラックなどが
ある。これらのうち、炭酸カルシウム、タルクが特に好
ましい。配合量は成分(c)100重量部に対して、好
ましくは100重量部以下、特に好ましくは60重量部
以下である。100重量部を越えると、得られるエラス
トマー組成物の機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度
が高くなって柔軟性が失われ、ゴム的な感触の製品が得
られなくなる。
【0056】また、本発明の組成物は上記の成分(A)
及び(B)のほかに更に各種のブロッキング防止剤、シ
ール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有することも可能であ
る。ここで、酸化防止剤としては、例えば、2,6‐ジ
‐tert‐p‐ブチル‐p‐クレゾール、2,6‐ジ
‐tert‐ブチルフェノール、2,4‐ジメチル‐6
‐tert‐ブチルフェノール、4,4‐ジヒドロキシ
ジフェニル、トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5
‐tert‐ブチルフェニル)ブタンなどのフェノール
系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテ
ル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェノール系
酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に好まし
い。酸化防止剤は、上記の成分(c)〜(g)の合計1
00重量部に対して、上限が好ましくは3.0重量部、
特に好ましくは1.0重量部である。
【0057】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、
以下の工程により製造することができる。成分(a)〜
(j)及びその他の任意成分を一括で混練しても良い
が、より好ましくは以下の方法による。
【0058】まず成分(A)以外の各成分を加熱下で混
練する。混練方法としては、ゴム、プラスチックなどで
通常用いられる方法であれば満足に使用でき、例えば、
一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー
又は各種のニーダーなどが用いられる。この工程によ
り、各成分が均一に分散された組成物を得ることができ
る。
【0059】次いで上記工程で得られた組成物に、成分
(A)を加えて混練する。混練は、一般に、一軸押出
機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーあるいは
各種のニーダーなどを用いて行うことができる。この工
程で、各成分の分散がさらに進むと同時に、反応が完了
する。成分(A)をサイドフィードして上記工程と連続
的に行なうと好都合である。また、成分(A)に対し、
上記工程で得られた組成物をドライブレンドし射出成形
することも可能である。
【0060】混練方法として、L/Dが47以上の二軸
押出機やバンバリーミキサーを使用するとすべての工程
を連続的に行なうことができるので好ましい。また、例
えば、二軸押出機にて混練する場合、スクリューの回転
数は80〜350rpmの条件で行うと各成分が分散が
良好で、物性の良好なものを得ることができる。
【0061】本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物
は、柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性に優れ、特
に耐油性、耐磨耗性、高温での機械的特性に優れている
ため、とりわけ、電線・電気部品、工業機械部品、医療
機器・食品関連部品、自動車部品、建材等に使用するこ
とができる。電線・電気部品としては、例えば、OA機
器ロール、コネクター、スイッチカバー、プラグ、ガス
ケット、グロメット、ケーブルジャケットカールコー
ド、電線絶縁被覆等が挙げられ、工業機械部品として
は、例えば、耐圧ホース、ダイヤフラム、ガスケット、
パッキング、キャスター、グロメット、ローラーカップ
リンググリップ、ホース等が挙げられ、医療機器・食品
関連部品としては、例えば、シリンジチップ、薬栓、グ
ロメット、採血管キャップ、キャップシール等が挙げら
れ、自動車部品としては、例えば、ラックアンドオピニ
オンブーツ、ショックアブソーバーダストブーツ、バキ
ュームコネクター、エアーダクト、チューブ、ランチャ
ンネル、グロメット、ハンドルカバー、エアーバッグア
ウターカバーステアリング、マッドガード等が挙げら
れ、建材としては、例えば、窓枠シール、エクスパンシ
ョンジョイント、スポンジシール、手摺被覆、階段滑り
止め等が挙げられる。また、その他の用途として、例え
ば、ペングリップ、自転車グリップ、歯ブラシグリップ
等のグリップ材、おもちゃ用部品、マット類、ゴーグ
ル、防塵・防毒マスク、靴底等が挙げられる。
【0062】以下、実施例及び比較例により本発明を更
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0063】
【実施例】実施例及び比較例において用いた評価方法は
次の通りである。 1)硬度 JIS K 7215に準拠し、試験片は22
0℃で成形した6.3mm厚プレスシートを用いた。評
価は、HDA15秒後で65以下を良好とした。 2)テーパー磨耗量(耐摩耗性) JIS K 7204
に準拠し、試験片は2mm厚プレスシートを用い、磨耗
輪H‐10(荷重1000g)、3000回転後の磨耗
量を測定した。評価は、容積摩耗量150mm3以下を
良好とした。
【0064】実施例及び比較例において用いた各成分は
下記の通りである。 (a):クロロホルムに難溶なポリウレタン(共)重合
体(TPU) (a−1)1180A(商標、武田バーデッシュ社製、
クロロホルム不溶残率98重量%) (a−2)C80A(商標、武田バーデッシュ社製、ク
ロロホルム不溶残率98重量%) (a−3)T−5000V(商標、ディーアイシーバイ
エルポリマー社製、クロロホルム不溶残率96重量%) (b):クロロホルムに可溶なポリウレタン(共)重合
体(必須成分) (b−1)T−5205(商標、ディーアイシーバイエ
ルポリマー株式会社製、クロロホルム不溶残率0重量
%) (b−2)T−5102S(商標、ディーアイシーバイ
エルポリマー株式会社製、クロロホルム不溶残率0重量
%) (c):ゴム状弾性体 (c−1)水添ブロック共重合体: クラレ株式会社製 セプトン 4077(商標) スチレン含有量:30重量% 数平均分子量:260,000 重量平均分子量:320,000 分子量分布:1.23 水素添加率:90%以上 (c−2)エチレンコポリマー JSR社製、EPR、EP11(商標) (c−3)エチレンコポリマー 住友化学社製、EBR、W0441(商標) (d):ゴム用軟化剤 出光興産株式会社製 ダイアナプロセスオイル PW‐9
0(商標) 重量平均分子量:539 パラフィン系炭素数:71% ナフテン系炭素数:29% (f):パーオキシド分解型オレフィン系樹脂及び/若
しくはそれを含む共重合体ゴム プロピレンホモ重合体: 三井石油化学工業株式会社製 PP CJ700(商標) 結晶化度:Tm 166℃、△Hm 82mJ/mg (g):液状ポリブタジエン 出光石油化学工業株式会社製 R‐45HT(商標) 官能基として水酸基(アクリル型1級)と共重合反応性
不飽和二重結合(1,4結合:80%)を持つ。 数平均分子量:2800 (h):不飽和グリシジル化合物及び/若しくはその誘
導体 グリシジルメタクリレート、関東化学株式会社製 (i):不飽和カルボン酸及び/若しくはその誘導体 無水マレイン酸、関東化学株式会社製 (j):有機パーオキシド 化薬アクゾ株式会社製、カヤヘキサAD(商標) (k):架橋助剤 新中村化学株式会社製、NKエステル3G(商標)
【0065】
【実施例1〜8及び比較例1〜5】まず、下記の表1に
示す量(重量部)の各成分を20リットルの加圧ニーダ
ーに投入して、蒸気圧がゲージ圧で3kg/cm2、温
度が200℃になるまで10分間混練した。その後、先
端部に回転式カッターを有する、L/D=6の二軸押出
機を用いて、スクリュー回転数40rpm、混練温度1
60℃でペレット化してゴム状弾性体組成物(B)を得
た。次いで、第一工程で得たゴム状弾性体組成物(B)
と成分(A)とを下記の表2及び3に示す量(重量%)
で配合し、該配合物をL/D=47の二軸押出機に一括
投入して混練温度200℃、スクリュー回転数150r
pmで溶融混練してペレット化し樹脂組成物を得た。該
ペレットを架橋後の熱可塑性樹脂組成物の評価に供し
た。結果は表2及び3に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】実施例1は、(c)、(d)及び(f)を
本発明の範囲で含むゴム状弾性体組成物(B)と、
(a)及び(b)を本発明の範囲で含むポリウレタン系
樹脂組成物(A)とを、本発明の割合で配合したもので
ある。試験片に若干の剥離が見られたものの、硬度及び
耐摩耗性共に良好であり、本発明の効果を十分に達成す
るものであった。実施例2は、実施例1における(c)
の種類と(d)及び(f)の配合量を変えたものであ
る。実施例1とほぼ同等の結果が得られた。実施例3〜
5は、(c)、(d)、(f)、(i)及び(j)を本
発明の範囲で含むゴム状弾性体組成物(B)と、(a)
及び(b)を本発明の範囲で含むポリウレタン系樹脂組
成物(A)とを、本発明の割合で配合したものである。
硬度及び耐摩耗性はいずれも良好であり、また、そのバ
ランスも優れていた。実施例4及び5は互いに(c)の
種類を変えたものである。互いにほぼ同等の結果が得ら
れた。実施例6は、(c)、(d)、(f)、(g)、
(h)、(i)、(j)及び(k)を本発明の範囲で含
むゴム状弾性体組成物(B)と、(a)及び(b)を本
発明の範囲で含むポリウレタン系樹脂組成物(A)と
を、本発明の割合で配合したものである。硬度及び耐摩
耗性はいずれも良好であり、そのバランスも優れてい
た。実施例7は、実施例6においてポリウレタン系樹脂
組成物(A)の量を減らし、ゴム状弾性体組成物(B)
の量を増やしたものである。柔軟性がさらに増すことに
対し、容積摩耗量が多少増加するにとどまった。実施例
8は、実施例7においてポリウレタン系樹脂組成物
(A)を構成する(a)の割合を減らし(b)の割合を
増やしたものである。容積摩耗量は更に増加したが、硬
度及び耐摩耗性共に良好であり、本発明の効果を十分に
達成するものであった。
【0070】一方、比較例1は、(c)、(d)、
(f)、(g)、(h)、(i)、(j)及び(k)を
本発明の範囲で含むゴム状弾性体組成物(B)に、
(a)のみを配合したものであり、従来技術のエラスト
マー樹脂組成物である。硬度が著しく高くなり、硬度と
耐摩耗性のバランスが悪いものであった。比較例2は、
(a)のみから成る樹脂であり、比較例3及び4は、
(a)及び(b)のみから成る樹脂組成物である。比較
例3は、硬度が著しく高くなり柔軟性に欠け、硬度と耐
摩耗性のバランスが悪いものであった。また、比較例4
は、樹脂組成物の製造ができなかった。比較例5は、ポ
リウレタン系樹脂組成物(A)とゴム状弾性体組成物
(B)の配合割合が本発明の範囲外のものである。耐摩
耗性に劣り、硬度と耐摩耗性のバランスが悪いものであ
った。
【0071】
【発明の効果】本発明は、上記の欠点がなく、成形加工
性、耐油性、高温での機械的特性に優れ、とりわけ、低
硬度における耐磨耗性に優れた熱可塑性エラストマー組
成物を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 21/00 C08L 21/00 23/00 23/00 23/16 23/16 47/00 47/00 53/02 53/02 (72)発明者 山本 真利 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 理研ビニル工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC01X AC03X AC06X AC07X AC08X AC09X BB023 BB033 BB053 BB063 BB073 BB15X BD12X BG04X BL014 BN14X BN15X BP01X CD195 CF10X CK02W EA016 EA026 EF047 EF077 EF127 EH007 EK038 EK048 EK058 EK088 EP007

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)クロロホルム不溶残率が60重量%
    以上であるポリウレタン(共)重合体と、(b)クロロ
    ホルム不溶残率が40重量%以下であるポリウレタン
    (共)重合体とから成るポリウレタン系樹脂組成物
    (A) 50〜99重量%、及びゴム状弾性体組成物
    (B) 50〜1重量%を含有する熱可塑性エラストマ
    ー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン系樹脂組成物(A)が、
    (a)クロロホルム不溶残率が80重量%以上であるポ
    リウレタン(共)重合体と、(b)クロロホルム不溶残
    率が20重量%以下であるポリウレタン(共)重合体と
    から成るところの請求項1記載の熱可塑性エラストマー
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)が、(a)70〜95重量%及び
    (b)30〜5重量%から成るところの請求項1又は2
    記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)が、(c)ゴム状弾性体に加え
    て、更に、(d)非芳香族系のゴム用軟化剤、(e)パ
    ーオキシド架橋型オレフィン系樹脂及び/若しくはそれ
    を含む共重合体ゴム、(f)パーオキシド分解型オレフ
    ィン系樹脂及び/若しくはそれを含む共重合体ゴム、
    (g)液状ポリブタジエン、(h)不飽和グリシジル化
    合物及び/若しくはその誘導体、(i)不飽和カルボン
    酸及び/若しくはその誘導体、並びに(j)有機パーオ
    キシドより成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の物質
    を含むところの請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱
    可塑性エラストマー樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)が、(c)ゴム状弾性体 100重
    量部に対して、(d)非芳香族系のゴム用軟化剤 20
    〜240重量部、(f)パーオキシド分解型オレフィン
    系樹脂及び/若しくはそれを含む共重合体ゴム 5〜1
    00重量部、及び(i)不飽和カルボン酸及び/若しく
    はその誘導体 0.01〜15重量部、並びに(c)、
    (d)及び(f)の合計100重量部に対して、(j)
    有機パーオキシド 0.01〜3.5重量部を含むとこ
    ろの請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱可塑性エラ
    ストマー樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (B)が、(c)ゴム状弾性体 100重
    量部に対して、(d)非芳香族系のゴム用軟化剤 20
    〜240重量部、(e)パーオキシド架橋型オレフィン
    系樹脂及び/若しくはそれを含む共重合体ゴム 0〜1
    00重量部、(f)パーオキシド分解型オレフィン系樹
    脂及び/若しくはそれを含む共重合体ゴム 5〜100
    重量部、(g)液状ポリブタジエン 1〜30重量部、
    (h)不飽和グリシジル化合物及び/若しくはその誘導
    体 0.01〜15重量部、及び(i)不飽和カルボン
    酸及び/若しくはその誘導体 0.01〜15重量部、
    並びに(c)〜(g)の合計100重量部に対して、
    (j)有機パーオキシド 0.01〜3.5重量部を含
    むところの請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱可塑
    性エラストマー樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (c)が極性基を有するゴム状弾性体で
    あるところの請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 極性基が、カルボキシル基、酸無水物
    基、アミノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基及びオキ
    サゾリル基より成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の
    極性基である請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (c)が、 (c−1)ビニル芳香族化合物から主として作られる少
    なくとも1つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物
    から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロック
    Bとからなるブロック共重合体、及び/若しくは、これ
    を水素添加して得られるブロック共重合体、並びに/又
    は (c−2)エチレン共重合体(ゴム)及び/若しくはエ
    チレン−不飽和エチレン共重合体(ゴム)であるところ
    の請求項1〜8のいずれか一つに記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 (c―1)が、ビニル芳香族化合物含
    有量が50重量%以下であり、数平均分子量(Mn)が
    5,000〜1,500,000であり、かつ多分散度
    (Mw/Mn)が10以下であるブロック共重合体、及
    び/又はその水素添加物であるところの請求項9記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (c―1)が、スチレン−イソプレン
    ・ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水添物、及
    び/又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
    合体の水添物で、そのオレフィン性不飽和結合の少なく
    とも70%が水素添加されているところの請求項9又は
    10記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 (c−2)が、エチレン・プロピレン
    共重合体ゴム及びエチレン・ブテン共重合体ゴムより成
    る群から選ばれる一つ又はそれ以上のゴム状弾性体であ
    る請求項9記載の熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102223542B1 (ko) * 2019-10-18 2021-03-05 한국바이오젠 주식회사 탄성입자가 첨가된 실릴화폴리우레탄계 자동차 산업용 실란트

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KR102223542B1 (ko) * 2019-10-18 2021-03-05 한국바이오젠 주식회사 탄성입자가 첨가된 실릴화폴리우레탄계 자동차 산업용 실란트

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