JP2002145553A - 昇降路の改造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇降路内に作業足場を組立てることを要せず
に、既設電線の撤去作業などを容易に行なえる昇降路の
改造方法の提供。 【解決手段】 既設かご３を操作する操作スイッチ１１
からの操作信号を信号検出器１３で検出し、この操作信
号を仮設電線１２を介して既設制御盤４内の運転回路４
ａに入力することにより既設かご３を昇降させて、この
既設かご３を作業足場として使用し、昇降路１内の既設
電線９、１０の撤去などを行なう。 【効果】 昇降路の改造を行なう際に作業者の労力を軽
減でき、かつ作業時間を短縮できるとともに、昇降路の
改造作業の簡略化を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、昇降路内を昇降す
る既設かごと機械室の既設制御盤とを接続する既設電線
を備えたエレベータに用いられ、少なくとも既設電線を
新設のものと交換する昇降路の改造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にエレベータ昇降路の改造作業に
は、昇降路内の既設かごと機械室内の既設制御盤とを電
気的に接続する既設電線を取替える工程が含まれてい
る。そして従来、上記の既設電線の取替え工程のために
昇降路内に作業足場を設けて、この作業足場から既設電
線の取外しや新設電線の取付けを行なう方法や、あるい
は既設電線の接続を外して既設かごを撤去してから、新
設上記既設かごを利用して既設電線の撤去を行なう方法
が用いられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の昇降路の改造方法で、前者のように昇降路内に作業
足場を設ける場合、多大な労力と作業時間が必要となる
という問題があり、また後者のように新設上記既設かご
を利用して既設電線の撤去を行なう場合、一時期、昇降
路内壁に既設電線と新設電線とを併設しなければなら
ず、昇降路内のスペースが大きい場合にしか適用できな
いという問題があった。

【０００４】本発明は、このような従来技術における実
情に鑑みてなされたもので、その目的は、昇降路内に作
業足場を組立てることを要せずに、既設電線の撤去作業
などを容易に行なうことのできる昇降路の改造方法を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、昇降路内を昇降する既設かごと、機械室に
設置され上記既設かごの動作を制御する既設制御盤と、
これらの既設かごおよび既設制御盤を接続する既設電線
とを備えたエレベータに用いられ、少なくとも上記既設
電線を新設のものと交換する昇降路の改造方法におい
て、上記既設制御盤に接続され、上記既設かごの昇降を
指令する操作スイッチからの操作信号を受信する信号検
出器を設け、上記操作スイッチの操作によって上記既設
かごを昇降させながら上記既設電線を撤去する構成にし
てある。

【０００６】このように構成した本発明の昇降路の改造
方法は、既設電線の両端の接続を解いたり既設電線の途
中を切断しても、既設かごの昇降を指令する操作スイッ
チを操作して操作信号を出力し、この操作信号を信号検
出器で受信して既設制御盤に入力することにより、既設
かごを引き続き運転することができる。これにより、昇
降路内に作業足場を組立てることを要せずに、既設電線
の撤去作業などを容易に行なうことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の昇降路の改造方法
の実施の形態を図に基づいて説明する。

【０００８】図１は本発明の一実施形態に係わる昇降路
の改造方法を説明する図、図２は本実施形態の改造方法
で用いられる操作スイッチを説明する図である。

【０００９】図１に示すエレベータでは、昇降路１と、
この昇降路１上部の機械室２と、昇降路１内を昇降可能
な既設かご３と、機械室２に設けられ、既設かご３の運
転を行なう既設制御盤４とを有しており、既設かご３に
は、着床装置やスローダウンスイッチなどの既設かご機
器５が設けられている。既設制御盤４に既設電線９、１
０の各一端が接続され、一方の既設電線９の他端は既設
かご機器５に接続されており、他方の既設電線１０の他
端は各階毎のリミットスイッチなどの既設塔内機器６、
７、８に電気的に接続されている。また、既設かご３に
は、この既設かご３の昇降を指令する操作スイッチ１１
が設けられており、この操作スイッチ１１は、図２に示
すように、上昇指令ボタン１１ａと、下降指令ボタン１
１ｂと、安全装置チェックスイッチ１１ｃとを有してい
る。

【００１０】そして、本実施形態の改造方法にあって
は、既設かご３、既設制御盤４および既設電線９、１０
を撤去する際、これらの既設電線９、１０の撤去作業に
既設かご３を利用するものであるが、まず操作スイッチ
１１からの操作信号を無線１４で受信する信号検出器１
３を昇降路１の上部に設け、この信号検出器１３を仮設
電線１２を介して既設制御盤４内に設けられる既設かご
３の運転回路４ａに接続した後、既設かご３が１階に停
止している状態で既設電線９、１０を切断する。

【００１１】次いで、操作スイッチ１１内の安全装置チ
ェックスイッチ１１ｃを解除して上昇指令ボタン１１
ａ、下降指令ボタン１１ｂを操作することにより、信号
検出器１１が上昇指令ボタン１１ａ、下降指令ボタン１
１ｂの操作内容を検出して、この操作内容を信号検出器
１３を経由して既設制御盤４内の運転回路４ａに入力す
ることにより、既設かご３を昇降させる。このようにし
て昇降可能な既設かご３を作業足場として使用し既設塔
内機器６、７、８や既設電線９、１０を解体して撤去す
る。

【００１２】このように構成した本実施形態の改造方法
では、従来のように昇降路１内に作業足場を設けること
を要せずに、既設電線９、１０の撤去作業などを容易に
行なうことができる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、既設かご
の昇降を指令する操作スイッチから出力される操作信号
を信号検出器により検出して既設かごを運転できるた
め、この既設かごを作業足場として使用しながら既設電
線の撤去作業などを容易に行なえる。したがって、昇降
路の改造を行なう際に作業者の労力を軽減でき、かつ作
業時間を短縮できるとともに、既設機器を完全に撤去し
てから新設機器を据付けることができるため、昇降路の
改造作業の簡略化を図れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係わる昇降路の改造方法
を説明する図である。

【図２】本実施形態の改造方法で用いられる操作スイッ
チを説明する図である。

【符号の説明】

１ 昇降路 ３ 既設かご ４ 既設制御盤 ４ａ 運転回路 ９、１０ 既設電線 １１ 操作スイッチ １２ 仮設電線 １３ 信号検出器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路内を昇降する既設かごと、機械室
   に設置され上記既設かごの動作を制御する既設制御盤
   と、これらの既設かごおよび既設制御盤を接続する既設
   電線とを備えたエレベータに用いられ、少なくとも上記
   既設電線を新設のものと交換する昇降路の改造方法にお
   いて、 上記既設制御盤に接続され、上記既設かごの昇降を指令
   する操作スイッチからの操作信号を受信する信号検出器
   を設け、上記操作スイッチの操作によって上記既設かご
   を昇降させながら上記既設電線を撤去するようにしたこ
   とを特徴とする昇降路の改造方法。
2. 【請求項２】 上記昇降路の上部に上記信号検出器を設
   置し、この信号検出器により上記操作スイッチからの操
   作信号を無線で受信するとともに、上記信号検出器より
   仮設電線を介して上記受信した操作信号を上記既設制御
   盤に送信することを特徴とする請求項１記載の昇降路の
   改造方法。