JP2002144721A - インクジェット印刷媒体の耐光性の改善方法 - Google Patents

インクジェット印刷媒体の耐光性の改善方法

Info

Publication number
JP2002144721A
JP2002144721A JP2001256134A JP2001256134A JP2002144721A JP 2002144721 A JP2002144721 A JP 2002144721A JP 2001256134 A JP2001256134 A JP 2001256134A JP 2001256134 A JP2001256134 A JP 2001256134A JP 2002144721 A JP2002144721 A JP 2002144721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
photoinitiator
ink
ink jet
lightfastness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001256134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002144721A5 (ja
JP4739604B2 (ja
Inventor
S Smith Greg
グレッグ・エス・スミス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HP Inc
Original Assignee
Hewlett Packard Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hewlett Packard Co filed Critical Hewlett Packard Co
Publication of JP2002144721A publication Critical patent/JP2002144721A/ja
Publication of JP2002144721A5 publication Critical patent/JP2002144721A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4739604B2 publication Critical patent/JP4739604B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5227Macromolecular coatings characterised by organic non-macromolecular additives, e.g. UV-absorbers, plasticisers, surfactants

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被覆された印刷媒体の耐光性を改善する方法
を提供する。 【解決手段】 インクジェット受容コーティングを提供
された被覆印刷媒体に於ける耐光性を改善する方法が提
供される。該方法は、(a) 光開始剤を含むように少
なくとも1つのコーティングを調合することであり、少
なくとも1つのそのようなコーティングはインクジェッ
ト受容コーティングを含み;及び(b) 印刷媒体を該
コーティング(群)で被覆することを含んで成り、被覆
された印刷媒体は少なくとも1つのインクジェットイン
クをその上に受容するように適応される、ことを含んで
成る。調合により、改善の程度は変化するが、常に光開
始剤を含まない同様のシステムを超えるある程度の改善
がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、インクジ
ェット印刷用インクの耐光性を改善することに関し、よ
り詳細には、インクの耐光性を改善するために少なくと
も光開始剤(photoinitiator)含有イン
ク受容層を含む被覆印刷媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷の耐光性(LF)と
永続性は、印刷物における可視度(visibilit
y)を増大し続けている。顔料インクの導入によって測
り知れないほどの進展がこの分野でなされてきた。顔料
は、好ましくない変化が見られるまでに10乃至200
年に及ぶ比類ない永続性をもたらす。しかし、小フォー
マットカラー印刷物などの、商業用インクジェット製品
のかなりの部分には、依然として染料ベースの技術が使
用されている。挑戦は染料ベースのインクジェットプリ
ンタの次世代の耐光性を最大にするということである。
【0003】インクジェットインク組成物を改質してそ
の耐光性を改善するための種々のアプローチが試みられ
てきた。しかし、耐光性の改善は、しばしば、他の特
性、例えば彩度、の劣化を招来することがある。
【0004】インクジェット染料は、インクジェット受
容コーティング中で一度乾燥すると、多くのメカニズム
によって劣化する可能性がある。紫外線がコーティング
に入り込み、染料分子に衝突して発色団における結合を
切断し、それによってカラー特性を変化/除去すること
がある。遊離基の生成は、染料の別の敵であることが証
明されている。準安定移動性形態(quasi−sta
ble mobileformation)は染料の別
の敵であることが分かっている。コーティング中の任意
の準安定移動性電子は、発色団を攻撃してその消滅を招
来する結果となる得るだろう。熱的及び化学的劣化は、
また、染料の所望の波長に於ける吸収・反射能力を低減
させることがある。最後に、酸素が、件のコーティング
中へ自由に拡散し、紫外線に攻撃され、一重項酸素(s
inglet oxygen)を形成することがある。
この一重項酸素は、染料の劣化に触媒作用を及ぼすとい
うことに於いて遊離基によく似た作用をする。特定の理
論に同意するまでもなく、光開始剤のLF改善に関する
最もありそうなメカニズムは、一重項酸素形成の減少に
由来すると思われる。そのような場合、通常は一重項酸
素を形成するであろう紫外線は、開始剤によって優先的
に吸収され、それが次には、媒体コーティングに於いて
使用されるポリマー、例えばポリエチレンオキシド、を
架橋するであろう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、インクジ
ェット印刷媒体、特に、光沢印刷媒体の上に印刷される
染料ベースの着色剤の耐光性を改善するシステムに対す
る必要性は未だ残存している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により、光沢印刷
媒体上のコーティング中の少量の光開始剤は、約5から
20%だけ耐光性を改善するのに役立つ。光開始剤は、
約0.001〜0.01重量%の範囲でコーティング中
に含まれ、結果的に、印刷媒体にそれを適用し且つ乾燥
する前のコーティング組成物中の12重量%という全固
体分含量をベースとして、コーティング乾燥後の濃度
は、約0.008〜0.08重量%となる。
【0007】特に、インクジェット受容コーティングを
含む、少なくとも1つのコーティングがその上に設けら
れた印刷媒体が提供される。少なくともインクジェット
受容コーティングは、光開始剤を含むものである。
【0008】また、本発明によれば、インクジェット受
容コーティングが設けられた被覆印刷媒体における耐光
性を改善するための方法も提供される。該方法は: (a) 前記インクジェット受容コーティングを含んで
成る少なくとも1つのコーティングを光開始剤を含むよ
うに調合すること;及び (b) 前記印刷媒体を前記の少なくとも1つのコーテ
ィングで被覆することを含んで成り、前記被覆された印
刷媒体は少なくとも1つのインクジェットインクをその
上に受容するように適応される。
【0009】耐光性改善の大きさは調合によって様々で
あったが、常に、光開始剤無しの同様のシステムよりは
何らかの改善がなされる。
【0010】
【発明の好ましい実施形態】次に、本発明の特定の実施
態様について詳細に言及し、発明を実施するために本発
明者等が意図する最良形態を説明する。代替実施例も適
用できるよう簡単に記述する。
【0011】1999年3月9日付けでSuk.H.C
ho等に対して発行され、且つPPG Industr
ies,Inc.に譲渡された、米国特許第5,88
0,196号、標題「Inkjet Printing
Media」は、インクジェット印刷媒体用のコーティ
ング組成物を開示している。当該コーティングは、
(a)(1)実質上、オニウム基の無い有機ポリマーと
(2)本質的に、20〜100重量%が疎水性添加モノ
マーである添加モノマーから誘導されたオニウム含有の
部分単位(mer unit)と添加モノマーから誘導
されたオニウムを含まない部分単位とから成るオニウム
添加ポリマーとを包含し、そのコーティングの20〜9
0重量%を構成するバインダーと;(b)500nm未
満の最大長さを有し、バインダー全体に分布され、且つ
コーティングの10〜80重量%を構成する、微細に分
割され実質上水不溶性の疑似ベーマイト(pseudo
boehmite)粒子とを含有するものである。ここ
でインクジェット受容コーティングとも呼ばれる、当該
コーティングは、透明か又は不透明かあるいはその中間
である、多孔性または非多孔性基板から構成されていて
よい、背面基板上に形成される。適当な基板の一例は、
ポリエチレン膜がその上に溶融押出しされた状態の紙基
材から成る、写真ベースの構造である。
【0012】上記の米国特許第5,880,196号
は、インクジェット印刷媒体用のコーティング組成物の
1例である。別の例は、2000年1月27日付け米国
出願番号第09/491,642号に開示されている。
米国出願第09/491,642号では、均一な且つ欠
陥の無いコーティング層を作製するために1つ又はより
多くのトップコートを多孔性ベースコートに適用し得る
多層コーティングの作製を可能にするプロセスが提供さ
れる。特に、(「再湿潤性」(re−wetting)
液体と呼ばれる)液体をトップコート形成に先立ちベー
スコートに適用してベースコート中の空気をトップコー
トを形成する前に取り除くようにするプロセスが提供さ
れる。このプロセスは、そこに記述されているような単
純な装置を使ってインラインで行われることがある。こ
の方法の付帯的利益は、それによって、ベースコート乾
燥後、且つ単一処理によるトップコート適用以前に、ベ
ースコートに対して官能性を付加するか又は化学作用を
行うことを可能にするものである。例えば、湿潤性液体
は、これらに限定されないが、界面活性剤類、pH調節
剤類、ポリマー類、架橋剤類、顔料類、及び/又は染料
安定剤、等を含んでいてよい。それまでに実行されてき
たものより優れた利点としては、気泡がトップコート中
に生成されないように、非多孔性基板上に被覆される多
孔性ベースコートにトップコートを塗布する再湿潤プロ
セスの使用がある。加えて、その再湿潤プロセスにおい
て官能性又は化学作用を取込むという柔軟性も追加され
る。最後に、当該プロセスは、実施が簡単であり且つス
ロットダイ(slot−die)コーティング、ロッド
コーティング、ブレードコーティング、グラビアコーテ
ィング、ナイフ-オーバ-ロール(knife−over
−roll)コーティング等の、多くの一般的なコーテ
ィング方法と両立し得るものである。
【0013】前出の教示は、印刷媒体に適用されるイン
ク受容コーティングの単なる例示に過ぎず、又、インク
ジェットで印刷されるインクが改善された耐光性を示す
ように本書の教示によって適切に修正される。その他の
インク受容コーティングも、同様に、インクジェットで
印刷されたインクが改善された耐光性を示すように本書
の教示に従って修正され得る。
【0014】上述の2つの参考文献は、それぞれ、類似
の、但し異なった基板上での異なったコーティングシス
テムを開示するものである。両方とも、同一供給元から
の、主として厚みが異なる写真ベースを採用している。
米国特許第5,880,196号に開示されたコーティ
ングシステムは又普通紙に適用された。
【0015】本発明によれば、コーティング組成物は、
コーティングを適用するのに使用される調合において
0.001〜0.01重量%の量の光開始剤を含有する
よう変更される。特に、そのように修正されたコーティ
ング組成物は、印刷媒体上に形成される最終的コーティ
ング、例えば、トップコート又はインク受容層である。
しかし、これは、そのトップコートが事実インク受容層
であるということを仮定している。もし多層コーティン
グ(2つ又はより多くのコーティング)が採用され、且
つ下方のコーティングがインク受容層である場合、光開
始剤は、好ましくは、該下方のコーティングに含有させ
られる。しかし、一般に、そのような多層コーティング
が使用される状況では、印刷されるインクは、しばし
ば、インク受容層と呼ばれるような層に加えて他の層の
上にもある程度分布する。従って、前述の全てのコーテ
ィングに光開始剤を含むことが、簡単な手段であろう。
【0016】上文で参照した米国出願番号第09/49
1,642号に基づき、単なる一例として、以下のプロ
セスを説明する。下記の又は上文で参照した米国特許第
5,880,196号に記述されたプロセスの変形も採
用してよい。
【0017】米国出願番号第09/491,642号に
記載のプロセスに於いて、印刷媒体、例えば紙、の上に
最初にベースコートを適用し、続いてトップコートを適
用する。そのベースコートとトップコートは各々が1つ
又はより多くの顔料及び1つ又はより多くのバインダー
を含む、溶媒中に可溶性であるか又は分散性である高分
子化合物であり、ベースコートとトップコートはその状
態で基板に適用される。顔料の例には、シリカ及びアル
ミナ、及びそれらの種々の水和物、チタニア、炭酸塩
(例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)、ガラ
スビーズ、及び有機顔料(例えば、架橋結合したSBR
ラテックス類、微小化ポリエチレンワックス又はポリプ
ロピレンワックス、アクリルビーズ及びメタクリルビー
ズなどのプラスチック又は高分子顔料)が包含される。
顔料は、ベースコートとトップコートの両方で同一であ
っても異なっていてもよい。
【0018】バインダーは、中でも、顔料を一定場所に
保持する働きをする高分子マトリックスである。バイン
ダーは、水溶性又は水分散性であってよい。水溶性バイ
ンダーの例には、ポリビニルアルコール及びその誘導
体、ポリビニルピロリドン/ポリ酢酸ビニルのコポリマ
ー、セルロース誘導体類、ポリアミド類、及びポリエチ
レンオキシドが包含される。水分散性バインダーの例に
は、スチレン-ブタジエンラテックス類、ポリアクリル
類、ポリウレタン類、等が包含される。バインダーは、
ベースコートとトップコートの両方で同一であっても異
なっていてもよい。
【0019】ベースコートとトップコートは、溶液状態
で基板に別々に適用され、そして乾燥される。
【0020】基板は、フィルムベースの材料、例えば、
マイラー(Mylar)、又は樹脂コート紙(例えば、
写真ベース紙)などの、非浸透性(非空気透過性)材料
から成るものである。
【0021】米国出願番号第09/491,642号に
おいて、ベースコート中の孔は、トップコート溶液が適
用される前に、上記出願中で再湿潤溶液とも呼ばれる液
体で十分に飽和されるか又はほとんど飽和される。好ま
しくは、ベースコート中の孔は、トップコート溶液を適
用する以前に、液体で飽和させる。また好ましくは、ト
ップコート形成における溶媒と相容性である溶媒は、コ
ーティング層間に最良の密着性をもたらすものと思われ
る。
【0022】液体は、1つ又はより多くの溶媒を含有し
得る。プレコートにおける浸透速度を高めるために液体
を加熱するか又は化学的に改質し得る。加熱する場合、
液体をその沸点(又は2つ又はより多くの溶媒が使用さ
れる場合はその最低沸点)を下回る任意の温度まで加熱
する。
【0023】「化学的改質」とは、液体に対する1つ又
はより多くの界面活性剤、接着促進剤、pH調節剤、ポ
リマー、架橋結合剤、顔料、及び/又は染料安定剤の添
加を意味する。従って、化学的に改質された再湿潤溶液
は、ベースコート、トップコートの性質、コーティング
工程、又はコーティングの性能が、印刷媒体としての用
途に適応するように改質するのに役立つ。通常の任意の
界面活性剤、pH調節剤、及び/又は架橋結合剤を本発
明の実施に用いることができる。例えば、ベースコート
におけるバインダーがポリビニルアルコールの場合、そ
の液体に付加される適切な架橋結合剤は、ホウ酸塩又は
グリオキシルである。このプロセスは、コーティング流
体又は工程と適合性でない化学薬品類にとって特に有用
である。
【0024】また、ベースコート表面上の過剰な液体を
トップコート形成以前に除去することも望ましい。これ
は、ニップ、ドクターブレード等によって達成すること
ができる。あるいは、再湿潤溶液をベースコート上にポ
ンプで直接計量することにより、量を調整する必要性を
省くこともできる。
【0025】その後、トップコートを再湿潤ベースコー
トに適用する。通常は、そのトップコートは、上述した
ように、インク受容層である様に考慮される。
【0026】このような種類のコーティング中では、被
覆印刷媒体の特定の用途に依存して変化し得るが、固形
分含量は12重量%のオーダーである。
【0027】本発明によれば、上述のように、少量の光
開始剤を少なくともインク受容コーティングの組成物中
に包含させる。本書で用いる時、用語「トップコート」
は、印刷媒体上に形成される最終コーティングを指し、
又、上述したように、単一コーティング、二重コーティ
ングシステムの上側コーティング、又はその他のコーテ
ィングの組合せを含んでなることがある。何れの場合で
も、少なくとも印刷媒体上に形成されるインク受容層に
は、光開始剤を包含させる。
【0028】光開始剤は、α−ヒドロキシケトン類、α
−アミノ-ケトン類、及びベンゾフェノン類を含む、任
意の周知の光開始剤を含んでなり得る。一般的なα−ヒ
ドロキシケトン類の中にはアセトフェノンが含まれる。
本発明の実施において適切に採用される光開始剤の一例
は、α,α−ジメチル−α−ヒドロキシアセトフェノン
(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパ
ン−1−オン)であり、これは、Ciba Co.か
ら、Darocur(登録商標)1173という商標を
付して市販されている。
【0029】ベース基板、あるいは印刷媒体に適用され
るコーティング中の光開始剤の濃度は、全コーティング
組成物に対して約0.001〜0.01重量%の範囲に
あり、好ましくは、約0.005重量%である。一般
に、より高い濃度では、どんな改善もなされず、そし
て、事実、耐光性は、光開始剤が無い場合よりほんの僅
かだけ改善されることになる。他方、本発明の利益を実
現するためには、少なくとも幾らかの光開始剤が必要と
なる。
【0030】コーティング中の固形分含量12重量%に
基づく場合、乾燥後のコーティングにおける光開始剤の
最終組成は、約0.008〜0.08重量%の範囲にあ
り、好ましくは、約0.042重量%である。固形分含
量の変化は、勿論、乾燥後のコーティング中の光開始剤
の最終組成に於ける対応する変化となるであろう。
【0031】本発明の教示に従って光開始剤を使用すれ
ば、印刷されたインクに対する耐光性が、光開始剤を含
まない被覆印刷媒体上に印刷されたインクより5〜20
%程度改善される。
【0032】耐光性をテストする際は、下述のように、
加速試験を実施する。インクジェット印刷に採用された
3色のうち、マゼンタは通常、耐光性を考慮する場合に
は最悪の染料であり、従って、どのインクセットにおい
ても、該染料を含有するインクの耐光性を改善すべく努
力がなされている。シアン染料は、一般に、マゼンタよ
り高い耐光性特性を示し、イエロー染料がそれに続く;
しばしば、イエローは、人の目ではその変化が認められ
ない程低いコントラストを生ずる。しかし、留意すべき
は、他の要因の中でも、照明、環境条件及び在空の汚染
物質が、この順序に影響を及ぼし得るということであ
る。
【0033】耐光性をテストする際は、テストの前及び
後に、光学濃度(OD)の測定を実施する。光学濃度低
下のきびしさは、耐光性の尺度であり;ODの低下が大
きいほど、耐光性がより不十分であることを示す。
【0034】各カラーについて許容性の判定基準が確立
されている。知覚に基づけば、イエロー染料は、何らか
の変化があると観測者が知覚するまでに、最初の光学濃
度から35%濃度が低下している場合がある。同様に、
シアン染料は、何らかの変化があると観測者が知覚する
までに、ODが25%損失する場合がある。マゼンタ染
料に関しては、その損失値は20%であり;マゼンタに
より小さいOD損失があっても、シアン又はイエローの
場合よりさらにはっきりと認められ得る。
【0035】テストされた1つのシステムに於いて、光
開始剤の存在なしに、マゼンタのODが許容限(20
%)を超えるまでに、加速耐光性条件下で約5年の耐光
性が観測された。しかし、同じシステムで0.01重量
%の光開始剤を有する場合、それに続く試験で、5.5
年と6年の間が与えられた。所与の調合物固有の退色性
能が悪化するにつれ、光開始剤は減少していく傾向にあ
るが、その改善は、最小で約5%の辺りで上下する。高
い彩度、低い耐光性の着色剤は、光開始剤の添加ではそ
れ程利益を受けない。最も高い彩度のインクでもやはり
約5%の改善しか示さない。逆に、より低い彩度、より
高い耐光性の着色剤は、該添加でより多くの利益を得
る。
【0036】印刷媒体の画像側が実質的に不浸透性のコ
ーティングでシールされた場合の幾つかの関連実験を実
施し、そして耐光性が著しく改善されたことが見出され
た;例えば、6年コーティングが9年に改善された。何
らかの特定の理論に同意するまでもなく、この不浸透性
コーティングによって画像コート中への酸素の拡散率が
低減され、従って耐光性が改善された、と思われる。こ
れは一重項酸素の生成と結合したO2拡散の重要性を強
く示すものである。
【0037】
【実施例】光開始剤の存在及び不存在に於いて、上文に
参照した米国特許第5,880,196号の教示のよう
な、インク受容コーティングで光沢印刷媒体を被覆し
た。各場合において、光開始剤は、Darocur(登
録商標)1173であった。被覆された光沢印刷媒体を
1セットのインクジェットインク(シアン、イエロー、
及びマゼンタ)で印刷した。各インクは、着色剤(又は
着色剤の混合物)と、界面活性剤(又は界面活性剤の混
合物)、少なくとも1つの水混和性有機共溶媒、及び水
から成るビヒクルとで構成した。インクセットのインク
は、ヒューレット−パッカード社のDeskJet97
0Cシリーズに添付して市販されているものと類似の組
成を有するものであった。
【0038】加速耐光性は、オフイスの条件をシミュレ
ートするために高強度の白色蛍光電球を使用し、退色試
験器(fadeometer)で行われた。退色試験器
内に於ける約4〜5日の露光は、実質的に通常のオフイ
ス照明条件下での5年の露光に相当すると決められてい
る。試験は、補間/補外のための3点の光学濃度を得る
べく、2つの別々の時限で実施される。
【0039】以下の表は、3個の別々のシリーズの組成
物に関する、色相シフト/カラーにおける結果を示す。
1つは、適用されたコーティング中に0.005重量%
の光開始剤(PI)を含有し、もう1つはコーティング
中に0.01重量%の光開始剤を含有し、最後の1つ
は、光開始剤を含有していない。光開始剤が使用された
2つの場合に於いて、光開始剤は、Ciba Co.か
ら、Darocur(登録商標)1173という商標を
付して市販されている、α,α−ジメチル−α−ヒドロ
キシアセトフェノンであった。損失%は、0.5のOD
で始まる光学濃度損失を基準とする。「許容可能か否
か」は、上で与えられた各カラーに対する知覚に基づ
く。不可までの補外年数は、退色試験器で得られた測定
結果から導かれた3つの点に基づくものである。
【0040】
【表1】
【0041】光開始剤のより低い濃度(0.005重量
%)は、より高い濃度(0.01重量%)に対しより優れ
た耐光性をもたらすこと、及びその両方とも光開始剤の
無い状態より優れていることが注目されよう。これは、
コーティング中にいくらかの光開始剤がなければならな
いが、濃度の上限は全く抑制されるという主張を支持す
るものである。マゼンタは、各ケースにおいて最悪の色
であることも注目されるであろう。
【0042】前出の結果は、光沢印刷媒体について特に
例証されてきたが、これは本書における教示に従って有
益に被覆される好ましい印刷媒体である。しかし、光開
始剤による同等のコーティング手順は、微孔性(mic
roporous)コート紙及びマットコート紙を含む
他の印刷媒体にも有益に採用され得る。それぞれの場合
において、印刷媒体が耐光性に関してどれだけ不十分で
あるかということには関係なく、本書に開示された少量
の光開始剤を採用することによって、ある改善が達成さ
れるであろう。
【0043】
【発明の効果】コート紙における光開始剤の使用は、印
刷されたインクジェットインクの高い耐光性を実現する
上で有用性を見出すことが期待される。
【0044】以上、インクジェットインクの耐光性を改
善するための方法を議論してきた。明らかな性質の種々
の変更並びに修正を実施してよく、且つそのような変更
並びに修正は全て特許請求の範囲の範囲内に帰属すると
考えられるということは、容易に理解されるであろう。
【0045】以下に本発明の好ましい実施の態様を要約
して示す。 1. インクジェット受容コーティングを備えた被覆印
刷媒体の耐光性を改善するための方法であり、該方法
は: (a) 前記インクジェット受容コーティングを含んで
成る少なくとも1つのコーティングを光開始剤を含むよ
うに調合すること;及び (b) 前記印刷媒体を前記の少なくとも1つのコーテ
ィングで被覆することを含んで成り、前記被覆された印
刷媒体は少なくとも1つのインクジェットインクをその
上に受容するように適応される、インクジェット印刷媒
体の耐光性の改善方法。 2. 前記光開始剤が、α−ヒドロキシケトン類、α−
アミノ−ケトン類、及びベンゾフェノン類から成る群か
ら選択される、上記1に記載の方法。 3. 前記光開始剤が、本質的に、α,α−ジメチル−
α−ヒドロキシアセトフェノンから成る、上記2に記載
の方法。 4. 少なくとも前記インクジェット受容コーティング
が、約0.001から0.01重量%の前記光開始剤を
含有するよう調合される、上記1に記載の方法。 5. 少なくとも前記インクジェット受容コーティング
が、約0.005重量%の前記光開始剤を含有するよう
調合される、上記4に記載の方法。 6. 用紙上の少なくとも前記インクジェット受容コー
ティングが、乾燥されると、乾燥以前の前記コーティン
グの最初の固形分含量12重量%に対して、約0.00
8から0.08重量%の範囲の濃度で前記光開始剤を含
有する、上記1に記載の方法。 7. 前記濃度が約0.042重量%である、上記6に
記載の方法。 8. 前記印刷媒体が、光沢印刷媒体、微孔性印刷媒
体、及びマットコート印刷媒体から成る群から選択され
る、上記1に記載の方法。 9. 前記印刷媒体が、本質的に、ポリエチレンフィル
ムがその上に溶融押出しされた紙基材を含む光沢印刷媒
体から成る、上記8に記載の方法。 10. 光開始剤を含有する前記インクジェット受容コ
ーティングを含み、前記インクジェット受容コーティン
グを含む少なくとも1つのコーティングをその上に有す
る上記1の印刷媒体であって、それにより、前記印刷媒
体は、印刷されると、前記光開始剤を含まない前記少な
くとも1つのコーティングを提供された印刷媒体を超え
る、改善された耐光性を有する、上記1に記載の印刷媒
体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット受容コーティングを提供
    された被覆印刷媒体の耐光性を改善するための方法であ
    り、該方法は: (a) 前記インクジェット受容コーティングを含んで
    成る少なくとも1つのコーティングを光開始剤を含むよ
    うに調合すること;及び (b) 前記印刷媒体を前記少なくとも1つのコーティ
    ングで被覆することを含んで成り、前記被覆された印刷
    媒体は少なくとも1つのインクジェットインクをその上
    に受容するように適応される、インクジェット印刷媒体
    の耐光性の改善方法。
JP2001256134A 2000-09-28 2001-08-27 インクジェット印刷媒体の耐光性の改善方法 Expired - Fee Related JP4739604B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US67236400A 2000-09-28 2000-09-28
US09/672364 2000-09-28

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002144721A true JP2002144721A (ja) 2002-05-22
JP2002144721A5 JP2002144721A5 (ja) 2008-05-15
JP4739604B2 JP4739604B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=24698235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001256134A Expired - Fee Related JP4739604B2 (ja) 2000-09-28 2001-08-27 インクジェット印刷媒体の耐光性の改善方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP1193079B1 (ja)
JP (1) JP4739604B2 (ja)
DE (1) DE60115179T2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006028640A1 (de) * 2006-06-22 2008-01-03 Flint Group Germany Gmbh Fotopolymerisierbarer Schichtenverbund zur Herstellung von Flexodruckelementen
US10882326B2 (en) 2016-05-06 2021-01-05 Cryovac, Llc Inkjet receptive compositions and methods therefor

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09323477A (ja) * 1996-04-04 1997-12-16 Canon Inc 記録媒体、インクジェット記録方法、印字物及び画像形成方法
JPH10152638A (ja) * 1996-11-25 1998-06-09 Matsui Shikiso Kagaku Kogyosho:Kk 感温変色性紫外線硬化型インク組成物
JP2000141885A (ja) * 1998-08-31 2000-05-23 Kyoeisha Chem Co Ltd 光重合硬化性インクジェット記録受像層用コ―ティング剤および記録用シ―ト

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60259487A (ja) * 1984-06-06 1985-12-21 Canon Inc 被記録材
JPH08218017A (ja) * 1995-02-09 1996-08-27 Canon Inc インクジェット用インク、これを用いたインクジェット記録方法および記録装置
JP2002503763A (ja) * 1998-02-23 2002-02-05 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー インクジェット記録シート
US5948150A (en) * 1998-05-05 1999-09-07 Hewlett-Packard Company Composition to improve colorfastness of a printed image
JP2000062310A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Asahi Denka Kogyo Kk インクジェット記録用紙
WO2001010640A1 (en) * 1999-08-05 2001-02-15 Rexam Graphics Inc. Uv cured glossy support for ink jet recording material

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09323477A (ja) * 1996-04-04 1997-12-16 Canon Inc 記録媒体、インクジェット記録方法、印字物及び画像形成方法
JPH10152638A (ja) * 1996-11-25 1998-06-09 Matsui Shikiso Kagaku Kogyosho:Kk 感温変色性紫外線硬化型インク組成物
JP2000141885A (ja) * 1998-08-31 2000-05-23 Kyoeisha Chem Co Ltd 光重合硬化性インクジェット記録受像層用コ―ティング剤および記録用シ―ト

Also Published As

Publication number Publication date
EP1193079A3 (en) 2004-01-14
EP1193079B1 (en) 2005-11-23
DE60115179T2 (de) 2006-06-22
DE60115179D1 (de) 2005-12-29
EP1193079A2 (en) 2002-04-03
JP4739604B2 (ja) 2011-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6432523B1 (en) Light fastness of inkjet images by adding salts into inkjet inks and print media
JP2005532924A (ja) 均一な光沢を有するインクジェット印刷
US5853899A (en) Aqueous ink receptive ink jet receiving medium yielding a water resistant ink jet print
CA2390040C (en) Waterfast ink receptive coatings for ink jet printing materials and coating methods therewith
US6686000B2 (en) Recording medium and image forming method
Yoldas Design of sol-gel coating media for ink-jet printing
JP2002370443A (ja) 再転写可能なインクジェット受像シート及び画像形成方法
KR20140012723A (ko) 염화비닐계 수지 에멀전 및 그 제조 방법, 및 수성 잉크 및 기록 용지
JP2004314350A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP4194463B2 (ja) インクジェット印刷画像の空気退色耐性を向上させるインクジェット印刷システム及び方法
JP2000127613A (ja) 顔料インク用インクジェット記録媒体および記録物並びにカラーインクジェット記録方法
JP4739604B2 (ja) インクジェット印刷媒体の耐光性の改善方法
EP0841185B1 (en) Back-print recording medium for ink-jet printing
JPH10211763A (ja) バックプリント記録媒体へのインクジェット記録方法
JP3690505B2 (ja) 記録媒体及び水系記録インク
JP4513267B2 (ja) クリアインク組成物及びこれを用いた記録方法
JP3741958B2 (ja) インクジェットインクとプリント媒体の選択方法
JPH10181193A (ja) バックプリント記録媒体
JP2002326445A (ja) インクジェット印刷方法
JP2002301864A (ja) インクジェット印刷方法
JPH1199742A (ja) インクジェット記録シート
JPH01275180A (ja) インクジェット記録方法
JP2001199155A (ja) インクジェット用記録媒体、その製造方法および記録方法
JP2003001925A (ja) 記録媒体
JP2002293003A (ja) 記録媒体及びこれを用いた記録物、並びに記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100922

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees